JP3196041B2 - 監視カメラによる現場の映像をウインド画面でモニタ表示する機能を備えた防災システム - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、火災発生時などにおい
て、ＣＲＴ画面上に、火災の発生した平面配置図といっ
しょに、現場の映像をウインド画面としてモニタ表示の
出来る機能を備えた防災システムに関する。

【０００２】

【従来技術】ＣＲＴ画面を利用し、火災の発生した監視
区域の映像を表示する防災システムは従来より公知であ
るが、従来のこの種の防災システムでは、防災情報を表
示する防災用ＣＲＴモニタと、現場などの映像を表示す
る監視用ＣＲＴモニタとを設けた監視盤が監視センター
などに設けられており、この防災システムの防災用ＣＲ
Ｔモニタと監視用ＣＲＴモニタとは、それぞれ別体で構
成されている。

【０００３】図４は、その一例を示したもので、１台の
防災用ＣＲＴモニタ１００には防災情報と監視区域の配
置平面図が表示され、４台の監視用ＣＲＴモニタ１０１
には、監視区域内における火災現場などの映像がモニタ
表示されるようになっている。そして、このような防災
システムにおいては、監視区域のいずれかの箇所で火災
などが発生すると、防災用ＣＲＴモニタ１００の画面に
は、図３に示したような火災の発生場所などを示した火
災情報９が写し出され、火災発生箇所を示したり、図２
のメイン画面に示したような平面配置図Ｍが表示される
ようになっており、監視人は、この火災情報９と平面配
置図Ｍに基づいて火災発生箇所に対応したモニタカメラ
を選択駆動すれば、監視用ＣＲＴモニタ１０１には、火
災現場や、その場所に近接した避難口などの映像が表示
され、避難時の状況がモニタ表示される。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような防災システムによれば、火災情報が防災用ＣＲＴ
モニタに表示された後、この表示に基づいて操作卓（不
図示）を操作するなどして、火災現場や、火災現場に近
接した避難口などを、監視用ＣＲＴモニタに表示させな
ければならず、その場合の操作が煩雑で迅速な対応が困
難であった。

【０００５】しかも、このようにして現場の映像を写し
出すには、複数台の監視用ＣＲＴモニタが必要となり、
防災システムの製造コストを増大させる要因ともなって
いた。

【０００６】本発明の防災システムは、このような事情
に鑑みて開発されたもので、防災情報を写し出したＣＲ
Ｔ画面上に、防災現場の状況をウインド表示させるよう
にし、これによって火災などの異常発生に対して迅速な
対応が出来、低コストかつ簡易化の図れる防災システム
を提供することを目的としている。

【０００７】

【課題を解決するための手段】以上の問題点を解決する
ために提案される本発明の防災システムは、次のような
構成となっている。

【０００８】すなわち、請求項１に記載された防災シス
テムでは、異常発生箇所の平面配置図を写し出した表示
画面には、監視カメラによって撮像された現場の映像が
ウインド画面としてモニタ表示され、かつ異常発生箇所
の平面配置図に記された監視カメラのシンボルのうち、
現場の映像をモニタ表示している監視カメラのシンボル
には、他の監視カメラのシンボルとは区別できる識別表
示が施されるようになっている。

【０００９】請求項２においては、現場の映像をモニタ
表示している監視カメラの撮像向きも、平面配置図に記
されるようになっている。

【００１０】請求項３においては、火災などの発生した
箇所の示された平面配置図には、複数の監視カメラによ
って撮像された現場の映像がマルチウインド画面として
表示されるようになっている。

【００１１】請求項４に記載された防災システムにおい
ては、監視カメラと、防災センサーを所定位置に配設し
た複数の監視区域と、これらの監視区域に応じて予め作
成された複数の平面配置図を、監視区域マップデータと
して記録させた監視区域マップデータ記憶手段と、監視
区域に設置された複数の監視カメラを選択的に駆動する
監視カメラ駆動スイッチャーと、防災センサーの発報時
に必要な防災情報を、表示部に表示させる表示部コント
ローラと、監視カメラ駆動スイッチャーから送出される
映像信号をウインド画面として表示部コントローラに取
り込ませるスキャンコンバータと、監視区域に設置され
た防災センサーからの発報信号を受信判別して、発報し
た防災センサーに対応した監視カメラを駆動するための
駆動制御信号を、上記監視カメラ駆動スイッチャーに送
出するとともに、上記監視区域マップデータ記憶手段か
ら、対応した平面配置図を選択的に読出して、表示部コ
ントローラに平面配置図を表示するためのマップデータ
を送出するメインコントローラとを備えた構成となって
いる。

【００１２】

【作用】請求項１に記載された本発明の防災システムに
よれば、火災などの異常が発生すると、ＣＲＴなどの表
示部の画面には火災情報が表示された後、異常発生箇所
の平面配置図が表示され、同時に異常発生箇所に対応し
た監視カメラが自動的に作動されて、現場の映像がウイ
ンド画面としてモニタ表示される。

【００１３】したがって、１つの表示部に、防災情報と
監視カメラによって撮像された現場の映像が同時に映し
出されることになり、異常発生時の対応を的確に行うこ
とができる。

【００１４】また、異常発生箇所を示した平面配置図に
記された現場の映像を写し出している監視カメラには、
他の監視カメラとは異なった識別表示がなされるので、
どの監視カメラの映像がモニタ表示されているかが容易
に判別できる。

【００１５】請求項２に記載された防災システムでは、
監視カメラの撮像向きも表示されるので、現場の映像を
より的確に捉えることが出来る。

【００１６】請求項３に記載された防災システムでは、
複数の監視カメラによる現場の映像をマルチウインド画
面として表示されるので、１つの表示画面で複数の現場
の映像を同時にモニタ表示できる。

【００１７】請求項４に記載された防災システムは、よ
り具体的に構成したもので、監視区域の一部に火災など
の異常が発生し、防災センサーが発報すると、メインコ
トローラが作動して、発報した防災センサーに関連した
監視区域マップデータを監視区域マップデータ記憶手段
より読み出し、表示部コントローラにマップデータとし
て送出し、同時に、監視カメラ駆動スイッチャーが駆動
されて、発報した防災センサーに対応した監視カメラが
駆動される。この結果、メインコトローラより表示情報
を受けた表示部コントローラでは、発報した防災センサ
ーに対して予め準備された平面配置図を画面上に表示す
るとともに、スキャンコンバータを介して監視カメラ駆
動スイッチャーから送出された現場の映像信号は表示部
コントローラに送出されて、ウインド画面として表示さ
れる。

【００１８】

【実施例】以下、本発明の具体的な構成を添付図面に従
って詳述する。

【００１９】図１は、本発明の防災システムの概略構成
をブロック図で示したもので、請求項４に対応した構成
を示している。図において、１はメインコントローラ，
２は表示部としてＣＲＴを使用したＣＲＴコントロー
ラ，３は監視区域マップデータ記憶手段，４は監視カメ
ラ駆動スイッチャー，５はスキャンコンバータ，６は表
示部を構成するＣＲＴモニタである。

【００２０】ここに、メインコントローラ１は、火災受
信機より送出される火災信号を受信すると、発報した火
災感知器の設置されている監視エリアを判別して、監視
区域マップデータ記憶手段３より、その監視エリアに対
応したマップデータを読み出し、ＣＲＴコントローラ２
にマップデータを送出すると同時に、監視カメラスイッ
チャー４に駆動信号を送出して、対応した監視カメラ７
を駆動させる。この結果、ＣＲＴコントローラ２には、
監視カメラ駆動スイッチャー４からの映像信号がスキャ
ンコンバータ５を通じて、ＣＲＴモニタ６に送出される
ので、ＣＲＴモニタ６の表示画面６Ａ上には、監視区域
マップデータ記憶手段３から読出された火災発生箇所の
平面配置図Ｍが表示され、その表示画面６Ａの一部には
監視カメラ７によって捉えられた現場の映像も、図２に
示したように、ウインドウ画面Ｗとして表示されるよう
になっている。

【００２１】このような防災システムでは、火災が発生
した初期の時点では、ＣＲＴモニタ６の表示画面６Ａ上
には、前述したように、図３に示されたような火災の発
生箇所を明示した火災情報が表示されたり、図２のメイ
ン画面に示したような火災の発生箇所を示した監視区域
内の平面配置図Ｍが表示される。そして、この平面配置
図Ｍには監視カメラ７のシンボル７Ａが同時に表示さ
れ、このとき、メインコントローラ１からの駆動信号を
受けた監視カメラ駆動スイッチャー４によって駆動され
た監視カメラ７によって撮像された火災発生箇所の現場
が、ウインドウ画面Ｗにモニタ表示されるが、このとき
ウインドウ画面Ｗに映像を表示している監視カメラ７の
シンボル７Ａは、他の監視カメラ７のシンボル７Ｂとは
異なった色や形状で識別表示される（図２では、ウイン
ドウ画面Ｗに映像を表示している監視カメラ７のシンボ
ル７Ａを斜線で示している）ので、この違いを識別する
ことによって、ウインドウ画面Ｗに表示された映像が平
面配置図Ｍ上のどの箇所に相当するかが容易に判別でき
る。

【００２２】また、平面配置図Ｍに含まれる発報した火
災感知器のシンボル８Ａを点滅表示させたり、あるいは
着色変化させるなどによって識別させてＣＲＴモニタ６
の表示画面Ｍ上から特定できるようにしてもよく、更に
ＣＲＴコントローラ２に、スーパインポーズ回路（不図
示）を加えるなどして火災発生時に必要な文字情報を表
示できる構成としてもよい。

【００２３】このような防災システムでは、ＣＲＴモニ
タ６に表示された平面配置図Ｍに記された監視カメラ７
のシンボル７Ａに撮像向き（監視カメラ７がカメラレン
ズを向けている方向）を加えることもでき、監視カメラ
７の向きが最初から固定的に設置されたものでは、監視
区域マップデータ記憶手段３に記憶させるマップデータ
をそれに合わせて固定的なものとすればよく、また現場
の映像をモニタしている最中に監視カメラ７の向きを変
更できるものでは、ＣＲＴモニタ６の表示画面６Ａ上に
表示された平面配置図Ｍに示された監視カメラ７のシン
ボル７Ａ，７Ｂを変更表示させる構成にしてもよい。

【００２４】前述の例では、防災システムとして火災シ
ステムの適用例を示したが、ガス洩れセンサー、防犯セ
ンサー、その他の防災センサーの発報動作に連動して防
災情報を表示し、監視カメラを駆動して、必要な情報や
映像を表示する構成にしてもよい。

【００２５】また、必要に応じて、上記火災信号などの
防災検知信号と連動させて、あるいは操作卓からの切換
操作などの方法によって、監視カメラで捉えた現場の映
像をウインドウ画面Ｗに静止画として連続的に表示させ
る構成としてもよい。また本願発明ではＣＲＴモニタの
適用例を示したが、液晶表示装置にしてもよい。

【００２６】以上において詳述した本発明の防災システ
ムは、ＣＲＴモニタ６の表示画面６Ａに表示された平面
配置図Ｍに火災発生現場がウインド画面Ｗとして表示さ
れるので、従来の防災システムのような複数のＩＴＶモ
ニタなどは不要となり、１台のＣＲＴモニタで済ますこ
とが出来る。

【００２７】

【発明の効果】以上の説明より理解されるように、本発
明の防災システムによれば、異常発生箇所の平面配置図
には、監視カメラによって撮像された現場の映像がウイ
ンド画面として自動的にモニタ表示されるるため、１台
の表示画面を設けるだけでよく、複数台の表示画面を必
要とする従来の防災システムに比べると、システム構成
を簡易化でき、便利であり、かつ経済的である。

【００２８】また、火災の発生時などにおいて、表示画
面から監視カメラと、モニタ表示している現場を特定で
き、火災などの現場の状況をより判りやすく、しかも瞬
時に知ることができるので、その後の対応を迅速行うが
ことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の防災システムのシステム構成を示した
ブロック図である。

【図２】ウインド表示させたＣＲＴモニタ画面を示した
図である。

【図３】火災発生時にＣＲＴ画面上に表示される防災情
報の一例を示した図である。

【図４】従来の防災システムのシステム構成を示したブ
ロック図である。

【符号の説明】

１・・・メインコントローラ ２・・・ＣＲＴコントローラ ３・・・監視区域マップデータ記憶手段 ４・・・監視カメラ駆動スイッチャー ５・・・スキャンコンバータ ６・・・ＣＲＴモニタ ６Ａ・・・表示画面 ７・・・監視カメラ ７Ａ，７Ｂ・・・監視カメラシンボル ９・・・火災情報 Ｍ・・・平面配置図 Ｗ・・・ウインドウ画面

Claims (4)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 火災などの異常発生時に、予め準備され
   た異常発生箇所の平面配置図を自動的に選択して表示画
   面に写し出す機能を備えた防災システムにおいて、 上記異常発生箇所の平面配置図を写し出した表示画面に
   は、監視カメラによって撮像された現場の映像がウイン
   ド画面としてモニタ表示され、かつ上記異常発生箇所の
   平面配置図に記された監視カメラのシンボルのうち、現
   場の映像をモニタ表示している監視カメラのシンボルに
   は、他の監視カメラのシンボルとは区別できる識別表示
   が施されていることを特徴とする監視カメラによる現場
   の映像をウインド画面でモニタ表示する機能を備えた防
   災システム。
2. 【請求項２】 上記平面配置図における現場の映像をモ
   ニタ表示している監視カメラのシンボルには、撮像向き
   が更に表示されるようにした請求項１に記載の監視カメ
   ラによる現場の映像をウインド画面でモニタ表示する機
   能を備えた防災システム。
3. 【請求項３】 上記平面配置図には、複数の監視カメラ
   によって撮像された現場の映像がマルチウインド画面と
   して表示されるようにした請求項１または２に記載の監
   視カメラによる現場の映像をウインド画面でモニタ表示
   する機能を備えた防災システム。
4. 【請求項４】 監視カメラと、防災センサーを所定位置
   に配設した複数の監視区域と、 これらの監視区域に応じて予め作成された複数の平面配
   置図を、監視区域マップデータとして記録させた監視区
   域マップデータ記憶手段と、 監視区域に設置された複数の監視カメラを選択的に駆動
   する監視カメラ駆動スイッチャーと、 防災センサーの発報時に必要な防災情報を、表示部に表
   示させる表示部コントローラと、 監視カメラ駆動スイッチャーから送出される映像信号を
   ウインド画面として表示部コントローラに取り込ませる
   スキャンコンバータと、 監視区域に設置された防災センサーからの発報信号を受
   信判別して、発報した防災センサーに対応した監視カメ
   ラを駆動するための駆動制御信号を、上記監視カメラ駆
   動スイッチャーに送出するとともに、上記監視区域マッ
   プデータ記憶手段から、対応した平面配置図を選択的に
   読出して、表示部コントローラに平面配置図を表示する
   ためのマップデータを送出するメインコントローラとを
   備えたことを特徴とする監視カメラによる現場の映像を
   ウインド画面でモニタ表示する機能を備えた防災システ
   ム。