JP3195506B2 - タングステン重合金の表面処理方法 - Google Patents

タングステン重合金の表面処理方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規なW基重合金焼結
体の表面処理方法およびその応用に関するものである。
更に詳しくは、本発明は、重合金焼結体の靭性を損なう
ことなく、重合金に耐蝕性を付与するための表面処理方
法およびその表面処理を施した重錘に関するものであ
る。重合金は、携帯呼び出し装置用の偏心ウェィト等の
重錘のほか、慣性を利用する自動巻き時計の回転錘およ
び振動吸収性を利用するボーリングバーなどに利用する
ことができる。
【0002】
【従来の技術】重合金は、比重19.3のWをCu、N
i、Feまたはその合金によって焼結結合した複合材料
である。また、重合金の強度および延性を改善したり、
焼結温度を低くするために、Mn、Mo、Co、Cr、
Pなどの添加剤を更に添加したものもある。重合金は、
通常、Wを90〜98重量%含有しており、比重は約1
7から18.5である。また、焼結は1300〜155
0℃程度で行われ、液相焼結または固相焼結により、結
合材料マトリックス中のW相は球状あるいは粒状に分散
した金属粒状組織を呈する合金である。重合金の気孔率
は約15%以下でほぼ真比重に近いものが多く用いられ
る。
【0003】重合金の用途としては、前記のような例が
挙げられるが、中でも近年使用されるようになった携帯
呼び出し装置の振動発生用偏心ウェィトについては、低
コスト化およびモータの小型化に伴い、偏心ウエイトの
慣性力を小さくする必要から、W含有量を50重量%程
度まで低減し、重合金の比重を12程度まで低くした同
様な成分からなる重合金がある。
【0004】ところで、重合金からなる部材の使用条件
によっては合金が腐蝕することもあり、防錆処理を施す
ことが必要となる。特にW含有量が少ない重合金ほど腐
蝕され易いので、その場合には防錆処理を考慮する必要
がある。防錆処理の方法としては、Niめっき処理、N
iめっき処理した後クロメート処理を行う方法、Crや
Siによる表面拡散処理、樹脂塗装処理、防錆剤塗布、
酸化被膜処理などが挙げられる。しかし、Wはめっきを
施し難い金属であり、Wを活性化するために特別なめっ
き前処理が必要となる。また、めっき処理後にクロメー
ト処理を行なう方法では、耐蝕性は向上するが、処理費
用が嵩むと共に製造工程が煩雑になる。また、合金部材
の表面にCrやSiを拡散させる方法も同様である。一
方、樹脂塗装は、樹脂の塗膜に傷がつき易く、耐熱性が
なく、かつ処理費用も高いという欠点がある。
【0005】このような状況を背景として、本出願人は
特願平6−167399号において重合金の表面処理方
法を提案した。この処理方法は、各種組成のW基重合金
の焼結体を、含酸素雰囲気中において温度460〜52
0℃で加熱し、重合金焼結体の表面に厚さ0.5〜6μ
mの酸化被膜を形成するものである。この処理は簡単で
安価に実施できるので量産に適するという利点のほか、
処理後の表面の色調は青色ないし黒色を呈し、耐蝕性が
あり、かつ外観が良好であるから、重合金の表面改質方
法として好適である。一方、前記の携帯呼び出し装置の
偏心ウエイトはモータのシャフトに固定して用いられ、
モータの回転中あるいは携帯呼び出し装置自体を落下さ
せたような場合でも、ウエイトが緩んだり脱落したりし
ないものでなければならない。
【0006】偏心ウエイトの固着方法は、シャフトの太
さ、偏心ウエイトの肉厚および防錆処理方法などによっ
て異なり、偏心ウエイトに設けた孔にシャフトを挿入し
てウエイトを塑性変形させてかしめたり、偏心ウエイト
の孔にシャフトを圧入することによって固着させるが、
その際に接着剤を併用する。結合方法の選択にあたって
は、めっき処理を施したものは偏心ウエイトの内径部が
滑り易いこと、また樹脂塗装や防錆剤を塗布したものの
場合は接着剤が付き難いこと、また、酸化被膜処理を施
したものは靭性が比較的低いことなどの点を考慮して、
強固に結合させるために、結合手段を組み合わせて用い
たり、あるいは偏心ウエイトの肉厚を調整したりして、
かしめ形状およびかしめ量を調整するなどの方法によ
り、固着力を高めている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】このような状況にあっ
て、焼結重合金のウエイトとしては、安価で、しかも前
記のように耐蝕性やシャフトへの組付け性のよいものが
望まれ、また、シャフトとの組付けにおいては、固着作
業の能率を向上させるために、簡単な局部的かしめのみ
で固着したいという要望がある。そのために、重合金の
偏心ウエイトにおいては、気孔率を比較的高くすると共
に、薄肉化して材料コストを低減させ、比較的安価で、
しかも処理が簡単な酸化被膜処理によって耐蝕性を付与
し、そのウエイトを局部かしめでシャフトに固着すると
いうことが提案されている。
【0008】この種の偏心ウエイトの具体例としては、
W含有量が60%、気孔率が8%で比重が12の重合金
とし、それを大気中で500℃において60分間加熱し
て、酸化被膜を形成するもので、ウエイトの孔およびシ
ャフト径は1mm、ウエイト長さは5.5mmで、かし
められる部分の肉厚は0.6mmとし、その部分に直径
0.8mmの球を0.4mmの深さに押し込み、シャフト
とウエイトとを1か所のかしめで固着した場合、軸方向
へのウエイトの抜き出し荷重は約4kgfであり、携帯呼
び出し装置の要求性能を充足することができる。しか
し、かしめ量を更に大きくしたり、慣性がさらに高い他
の用途に重合金を適用する場合を考慮して、耐蝕性があ
り、かつ、かしめ力が現在の水準よりも大きいものに適
用できる重合金の出現が望まれている。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明は、耐蝕性があ
り、靭性があり、しかも、より高いかしめ力に耐え得る
重合金を得るための簡単な処理方法、およびその処理を
施した重錘を提供するものである。すなわち、重合金焼
結体を、含酸素雰囲気中において温度430〜460℃
未満で加熱して、重合金焼結体の表面に白青色から紫青
黒色を呈する酸化被膜を形成することを特徴とするもの
であり、また、その方法によって得られる重錘を提供す
るものである。
【0010】<重合金>本発明における重合金の組成は
従来のものと同様である。すなわち、組成中のWは比重
を高くするための成分であり、Cu、Ni、Feまたは
それらの合金はWを結合するための材料である。また、
結合材料のCu、Ni、Feに加えて、Cr、Mn、M
o、Co、Al、Si、Ti、Zn、Nb、Vなどを適
宜添加することにより、Cu系合金、Ni系合金、Fe
系合金と同様に、強度および延性を改善することができ
る。更にPやBを添加すると、結合材料の融点を低く
し、液相焼結を行なう場合の焼結温度を低下させること
ができる。結合材料のうち、合金系としては、Ni−F
e基、Ni−Cu基、Ni−Cu−Fe基の合金類が一
般的である。Ni−Fe基合金は、Ni:Feが1:1
〜8:1の組成である。更にステンレス鋼のようにCr
を添加したものや、Mo、Coなどを添加したものもあ
る。Ni−Cu基合金では、Ni:Cuが1:10〜
4:1程度の組成である。更に、Mn、Fe、Al、T
i、Coなどを含むものがある。例えば、モネル合金が
その例である。Ni−Cu−Fe基合金では、Ni:
(Cu+Fe)が1:1〜1:5程度の組成が一般的で
あり、更にZn、Al、Ti、Nb、Vなどを含有する
ものがある。
【0011】上記の結合材料は、純金属粉や合金粉(C
u−Ni、Cu−Co、Cu−Fe−Mn、Fe−Mn
等)の形態で添加され、圧粉成形体を水素ガスなどの還
元性ガス中で、1050〜1550℃程度の温度で固相
焼結または液相焼結する。成形体の密度比および焼結条
件は焼結体の密度比に影響する。また、必要に応じて金
型を用いて焼結体を圧縮し、整形と密度向上を図ること
もできる。
【0012】本発明において用いる重合金の密度は10
〜18g/cm3程度である。すなわち、W含有量は50重
量%以上であるが、W含有量が98%より多いと、結合
材料が少なくなり過ぎるので好ましくない。W含有量が
50重量%のものは、重合金自体の比重は約12であ
り、その密度比が85%(気孔率15%)のときの焼結
密度は10g/cm3になる。
【0013】<酸化処理雰囲気>酸化処理の雰囲気とし
ては、例えば窒素ガスに酸素ガスを適宜混合した人工の
混合ガスでもよいが、空気を用いることが取り扱い易さ
およびコストの点から最も適当である。空気としては、
水分を殆ど含まない空気でも、水分を含む空気でも良
い。酸化処理の方法としては、重合金焼結体を焼結温度
から常温まで冷却する過程で、所定の温度の酸化雰囲気
中を通過させる方法を採用することができる。
【0014】<処理温度と酸化被膜>重合金の焼結体
は、Wの含有量により相違するが、ほぼ銀白色ないし銀
黒色を呈する。この焼結体は温度300℃以下の大気中
で加熱しても色調の変化はほとんど認められない。一
方、約350℃の温度で加熱すると焼結体は薄淡褐色を
帯びる。温度400℃で薄淡青色の色調を呈するように
なるが、処理温度が430℃未満では処理時間を長くし
ても青の色調はそれ以上濃くならず、耐蝕性の向上は見
られない。加熱時間を60分間とした場合、処理温度4
30〜470℃において焼結体は白青色から紫青黒色に
なる。この変化は、重合金の表面に主としてWOやWO
2などの酸化タングステンの被膜や、さらには、Cu
O、NiOなどの結合材料の酸化被膜、あるいはそれら
の複合酸化被膜等が形成されたことを示す。このような
酸化被膜の形成により、処理前の重合金焼結体に比べて
耐蝕性が向上する。
【0015】処理温度をさらに上昇させた場合、約52
0℃まで黒色の程度が増加し、色調は青黒色から黒色と
なり耐蝕性はさらに向上する。しかし470℃〜520
℃の温度で処理した青黒色〜黒色の重合金は、処理温度
が高くなるほどWO3を形成し、靭性が徐々に低下す
る。処理温度が520℃を越えると、酸化被膜は成長す
るが、黄色のWO3が斑点状にあるいは全面的に現れる
ようになり、重合金は膨張して脆化する。また、1回目
の処理で得た酸化被膜が薄い場合には、処理温度が47
0℃を越えない限り2回以上の処理を施すこともでき
る。
【0016】上述のように、酸化被膜処理は、外観色が
白青色〜紫青黒色のときが、靭性および耐蝕性ともに良
好である。このような外観色を示す処理温度は、前記の
ように430〜470℃である。なお耐蝕性を重視する
場合には470〜520℃領域において酸化処理を行な
っても有効である。その場合の外観色は青黒色〜黒色に
なる。
【0017】<処理時間と酸化被膜>酸化処理について
は、処理温度の効果が大きく、処理時間の影響は比較的
少ない。好適な処理時間は、温度430℃で45分〜1
80分間、470℃では30分〜120分間程度であ
る。なお、これよりも長時間加熱しても、初期に形成さ
れた酸化被膜自体が保護層になって、酸化反応が進行し
難くなり、時間に比例して酸化被膜が厚くなるわけでは
ないので45〜120分間程度の処理が望ましい。
【0018】
【作用】重合金を大気中で加熱することによって形成さ
れる高温酸化被膜は、加熱温度430〜470℃で処理
して得られる白青色〜紫青黒色の外観色を示したときに
は焼結体の靭性が高く、かつ耐蝕性を有する。また、酸
化被膜は合金製品の美観を向上させる。加熱温度が43
0℃未満では外観色の変化は殆どなく、薄淡褐色あるい
は薄淡青色を呈し、酸化が少ないために耐蝕性は向上し
ない。一方、加熱温度が本発明の範囲よりも高い470
〜520℃で得られる青黒色〜黒色の酸化被膜は、良好
な耐蝕性を有するが、焼結体の靭性は加熱温度が高くな
るほど低下する。
【0019】
【実施例】以下に本発明を実施例によりさらに説明す
る。なお、配合割合および組成を示す%は重量%であ
る。 [実施例1]W粉に60%Ni−40%Cu合金粉を4
0%添加した混合粉を、金型中で重錘形状に加圧し、成
形体を水素ガス中において温度1300℃で焼結し、密
度12g/cm3、気孔率8%の焼結体を作製した。図1
に示すように、重錘1は内径1mmのシャフト孔2があ
り、シャフト孔2の一方側は径方向厚さが0.6mmの
薄肉、他方が2.5mmの厚肉になっており、シャフト
と嵌合した後に薄肉部にかしめ穴3を設けて結合するよ
うに構成されており、重錘1の高さは5.5mmであ
る。焼結体を大気中で、350〜600℃の範囲の種々
の温度で、それぞれ60分間保持した後、常温の大気中
で放置冷却して試料1〜11を得た。また、比較試料と
して、前記焼結体に酸化被膜を形成せずにニッケルめっ
きを施した試料12、ニッケルめっき層の上にクロメー
ト処理を施した試料13および焼結体に樹脂塗装処理を
施した試料14を準備した。
【0020】これらの試料について耐蝕性試験および抜
去力の測定を行った。耐蝕性試験は、水噴霧大気中に試
料を24時間放置し、錆の発生状況を観察する方法によ
った。また、抜去力は、試料を直径1mmのシャフトに
嵌合し、試料の薄肉部の中間に直径0.8mmのボール
を深さ0.4mm押し付けて結合したものを、軸方に加
圧してシャフトから試料が抜き出る最大荷重で表したも
のである。なお、処理温度600℃の試料11は、寸法
膨張率が50〜70%となったため性能試験から除外し
た。
【0021】表1に、各試料の外観色、耐蝕性試験結果
および抜去力を示す。表1の耐蝕性試験結果において、
処理温度が低い試料1〜3は、表面が変色し褐色味が増
したり、淡緑色や赤味を帯びた錆が認められた。Niめ
っき処理を行った試料12も、赤味を帯びた錆が認めら
れた。めっき処理による場合には、試料13のようにN
iめっきに更にクロメート処理を施さなければ十分な耐
蝕性は得られないことが判る。樹脂塗装処理を行った試
料14は、表面の変色は認められなかったが、摩擦する
と黒色の被膜の一部が剥げて、塗膜の密着性に問題があ
ることが認められた。その他の試料については耐蝕性が
認められるが、試料10のように処理温度が540℃以
上のものは、黄色のWO3がかなり生成しており、寸法
膨張および変形が認められ好ましくない状態であった。
【0022】抜去力は、処理温度350〜470℃の試
料1〜6では10kgf以上あり、シャフトに対する重錘
の組付け力は強固であり、圧痕状態も良好である。抜去
力は、処理温度が450℃までは徐々に高くなり、それ
以上の処理温度では、処理温度の上昇と共に抜去力が低
下する。めっき処理を施した試料12および13は若干
抜去力は低下したが、シャフトに対する重錘の組付け力
は強固であった。また、樹脂塗装処理を施した試料14
は、抜去力5.7kgfと比較的低い値を示している。これ
は樹脂の塗膜が重錘の内径部まで付着し、内径が平滑に
なるためであると思われる。以上に説明したように、耐
蝕性は処理温度430℃以上で重合金の表面が白青色よ
り濃い色調のときに良好である。一方、抜去力は望まし
いと考えられる10kgf以上の値を示す処理温度470
℃以下のときに良好である。従って、条件が両立する処
理温度430〜470℃の範囲が最も適当であることが
判る。
【0023】[実施例2]実施例1に使用したものと同
じ焼結体について、加熱酸化処理の温度と時間を変えて
試料15〜18を得た。表2に前記と同様な試験結果を
示す。温度430℃で30分間処理した試料15では僅
かに錆が認められた。表1の試料4の結果と併せて考察
すると、処理温度430℃では60分間以上処理するこ
とが好ましい。また、処理温度470℃では、処理時間
30分間および90分間のいずれの場合も耐蝕性は十分
であり、処理時間は抜去力に大きく影響しない。
【0024】[実施例3]次に、組成の異なる重合金焼
結体に大気中で温度450℃、処理時間60分間の酸化
処理を施して試料19〜25とした。試料19の組成は
前記実施例と同一であるが、NiおよびCuはニッケル
粉と銅粉の形態で添加した混合粉末を用いて作製した。
試料20はNi−Cu合金粉の形態で添加し、試料21
および22はNi−Fe合金粉の形態で添加した合金粉
を用いて作製した。焼結温度は、試料19および20は
1300℃、試料21および22は1400℃および試
料23〜25は1050℃である。表3に密度と抜去力
を示す。なお、色調は全て青色で、耐蝕性試験による錆
発生は何れの試料にも認められなかった。表3から、W
以外の組成が異なる重合金においても、酸化処理を行な
ったものは耐蝕性が良好で抜去力も高いことが判る。
【0025】[実施例4]温度450℃の加熱処理炉内
に、気温30℃における相対湿度が40%の空気および
90%の空気を別個に供給し、前記実施例1と同一の焼
結体を60分間加熱した後、それぞれ大気中で放置冷却
した。得られた試料はいずれも、耐蝕性および抜去力と
もに良好であった。
【0026】[実施例5] 前記実施例1と同一の焼結体を、温度400℃で60分
間加熱し、薄淡青色を帯びた試料を、更に温度450℃
で60分間加熱した。得られた試料は、試料5の特性と
同等であった。
【表1】
【表2】
【表3】
【0027】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明の表面処
理方法により酸化皮膜を形成した重合金は、従来のNi
めっき、樹脂塗装、防錆剤塗布などによる防錆処理品と
比較して同等以上の耐蝕性があり、美観にも優れたもの
である。また、従来の酸化処理と比較しても、部材の靭
性が高いので強固な組付け力を維持することができ、組
付け工程を簡略化することができるという効果がある。
また、本発明の処理方法は簡単であり、量産に適してい
るため、重合金の焼結体に容易に耐蝕性を付与すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】携帯呼び出し装置の振動発生用偏心ウェィトの
正面図である。
【符号の説明】
1 重錘 2 シャフト孔 3 かしめ穴
【表1】
【表2】
【表3】

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 50〜98重量%のWと、残部が、C
    u、Ni、Feのうち少なくとも1種以上、または残部
    が、Cu、Ni、Feの少なくとも1種以上とCr、M
    n、Mo、Co、Al、Si、Ti、Zn、Nb、V、
    P、Bの少なくとも1種以上を含有するタングステン
    合金焼結体を、含酸素雰囲気中において温度430〜
    60℃未満で加熱することによって、タングステン重合
    金焼結体の表面に白青色から紫青黒色の耐蝕性酸化被膜
    を形成することを特徴とするタングステン重合金の表面
    処理方法。
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