JP3195044U - 安全帯用親綱取付具 - Google Patents
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Abstract
【課題】軽便トロのレール走行や作業者の離合に支障がなく、かつレールへの着脱が容易であるとともに、墜落事故時の安全性も高い安全帯用親綱取付具を提供する。【解決手段】ベース部材17に支柱10をブラケット20、回動ピン21、固定ピン22により折り畳み自在に取り付ける。レールの底部15aをレールフランジ固定側掛止爪24と着脱側掛止爪26を有するクランプ部16により挟持して、ベース部材をその他端部が線路幅方向の車両限界の外域に配置される片持ち梁状態とする。建築限界の内域に達しない高さを有する支柱を起立させ、支柱の掛止部18に親綱14を掛け渡すことで、親綱を線路幅方向の車両限界の外域でレールに沿って張る。【選択図】図1
Description
この考案は安全帯用親綱取付具、詳しくは橋梁などの高所での保線時における作業者の墜落事故を防止するための安全帯用親綱取付具に関する。
鉄道のレールは、列車の走行に伴って寸法が狂い磨耗が発生する。これを放置すれば列車の乗り心地や走行の安定性が低下し、脱線の原因ともなる。そのため、定期的に規定のレール状態を維持して列車走行の安全を保つ“保線”が行われている。保線は橋梁に配設されたレールにもなされるが、橋梁上では作業者の墜落事故が懸念され、安全面に十分な配慮が必要となる。
従来、橋梁での保線作業の安全を図るため、例えば、特許文献1に開示された安全帯などが使用される。具体的には、橋梁のレールの頭部にレール走行用のローラーキャッチを着脱自在に装着し、これに作業者の腰にベルトを巻いた安全帯のランヤードを掛止することにより、作業者の移動を許容しながら作業者を間接的にレールの頭部に繋ぎ止め、落下事故を防止している。
従来、橋梁での保線作業の安全を図るため、例えば、特許文献1に開示された安全帯などが使用される。具体的には、橋梁のレールの頭部にレール走行用のローラーキャッチを着脱自在に装着し、これに作業者の腰にベルトを巻いた安全帯のランヤードを掛止することにより、作業者の移動を許容しながら作業者を間接的にレールの頭部に繋ぎ止め、落下事故を防止している。
しかしながら、このローラーキャッチを利用した墜落防止対策では、荷物を運搬する軽便トロのレール走行時や作業者同士が離合する際に、ローラーキャッチが邪魔になっていた。
これを解消するため、例えば、橋梁上で複数本の杭をレールの側方に離間して立設し、各杭の上部にランヤードの掛止用の親綱を掛け渡すことが考えられる。しかしながら、鉄道の橋梁には杭打される路盤が存在しないものがあり、この場合、レールの側方に親綱を張ることができない。仮に路盤が存在しても杭打ちには熟練を要し、未熟な作業者が行った場合には、墜落事故時に親綱を介して作用する衝撃荷重により、杭が路盤から簡単に抜けるおそれがあった。
これを解消するため、例えば、橋梁上で複数本の杭をレールの側方に離間して立設し、各杭の上部にランヤードの掛止用の親綱を掛け渡すことが考えられる。しかしながら、鉄道の橋梁には杭打される路盤が存在しないものがあり、この場合、レールの側方に親綱を張ることができない。仮に路盤が存在しても杭打ちには熟練を要し、未熟な作業者が行った場合には、墜落事故時に親綱を介して作用する衝撃荷重により、杭が路盤から簡単に抜けるおそれがあった。
そこで、考案者は鋭意研究の結果、レールの側方に親綱を張る安全帯用親綱取付具を、レールのうちで軽便トロのレール走行や業者同士の離合に邪魔にならない箇所、すなわちレールの底部に着脱自在に連結すれば、上述した問題はすべて解消されることを知見し、この考案を完成させた。
この考案は、軽便トロのレール走行や作業者の離合に支障がなく、かつレールへの着脱が容易であるとともに、墜落事故時の安全性も高い安全帯用親綱取付具を提供することを目的とする。
請求項1に記載の考案は、高所で保線を行う作業者が装着した安全帯のランヤードが掛止される親綱を、線路幅方向の車両限界の外域でレールに沿って張る際に、該レールに着脱自在に固定して使用される安全帯用親綱取付具であって、前記レールの底部を線路幅方向から挟持するクランプ部が一端部に設けられ、かつ該クランプ部による前記レールの挟持状態で、他端部が前記線路幅方向の車両限界の外域に配置されるベース部材と、該ベース部材の他端部に前記クランプ部の方向へ折り畳み自在に取り付けられ、かつ前記親綱の掛止部が設けられるとともに、建築限界の内域に達しない高さを有する支柱とを備えた安全帯用親綱取付具である。
請求項1に記載の考案によれば、例えば、複数本の安全帯用親綱取付具をレールの長さ方向に離間した位置にそれぞれ固定して親綱を張る。具体的には、各安全帯用親綱取付具において、レールの底部をベース部材の一端部のクランプ部により線路幅方向から挟持することで、ベース部材はその他端部が線路幅方向の車両限界の外域に配置される片持ち梁状態となる。この状態で支柱を起立させ、各安全帯用親綱取付具の支柱の掛止部に親綱を掛け渡す。これにより、親綱が線路幅方向の車両限界の外域でレールに沿って張られ、作業者が装着した安全帯のランヤードを親綱に掛止することで、高所での保線作業を行う作業者の安全が確保される。
このとき、レールの頭部には、例えば従来のローラーキャッチのような障害物が存在しないため、軽便トロのレール走行や、作業者同士の離合が支障なく行える。また、レールへの安全帯用親綱取付具の取り付けにクランプ部を採用したため、レールへの着脱が容易であるとともに、熟練者でなくても確実にレールに安全帯用親綱取付具を固定することができ、作業者の墜落事故時の安全性も高い。また、クランプ部によるレール固定形式を採用したため、例えば路盤が存在しない橋梁上の線路でも、安全帯用親綱取付具を支障なく使用することができる。
安全帯用親綱取付具とは、高所で保線を行う作業者の安全を確保するため、レールの側方に親綱を張るための全体視してL字形の片持ち梁状の支柱である。
保線(作業)としては、例えば、軌道の狂い(軌間・通り・高低・水準・平面性など)の修正、レールの交換、バラスト(砂利)の入れ替え、踏切の修繕、枕木の交換、犬釘やボルト、絶縁材などの交換などが挙げられる。
保線が行われる高所としては、例えば橋梁、山丘、坂などを採用することができる。
安全帯とは、高所で作業を行うときに作業者が使用する命綱付きベルトである。その構成は、作業者の腰に巻かれるベルトの一部にランヤードが連結されたものである。ランヤードとは、命綱となるロープの先端部に親綱に掛止されるフックが連結されたものである。
保線(作業)としては、例えば、軌道の狂い(軌間・通り・高低・水準・平面性など)の修正、レールの交換、バラスト(砂利)の入れ替え、踏切の修繕、枕木の交換、犬釘やボルト、絶縁材などの交換などが挙げられる。
保線が行われる高所としては、例えば橋梁、山丘、坂などを採用することができる。
安全帯とは、高所で作業を行うときに作業者が使用する命綱付きベルトである。その構成は、作業者の腰に巻かれるベルトの一部にランヤードが連結されたものである。ランヤードとは、命綱となるロープの先端部に親綱に掛止されるフックが連結されたものである。
レールの底部とは、レールの腹部の下端部にあって、正面視して逆T字状にフランジが一体形成された部分である。すなわち、レールの底部は、レールの腹部に連結された中央部分と、使用時に軌道中心側に配置されるフランジ部分(軌道中心側のフランジ部分)と、使用時に軌道外側に配置されるフランジ部分(軌道外側のフランジ部分)とから構成されている。これらのフランジ部分は、その上面が先端へ向かって徐々に下方傾斜している。
クランプ部は、レールの底部を線路幅方向から着脱自在に挟持できれば、その構造は任意である。例えば、レールの底部の軌道中心側のフランジ部分を掛止する一方の掛止爪と、レールの底部の軌道中心側のフランジ部分を掛止する他方の掛止爪とを有し、これらの何れかをベース部材の一端部に着脱(移動)可能としたものを採用することができる。その他、これらの両方をベース部材に着脱可能としたものでもよい。
クランプ部は、レールの底部を線路幅方向から着脱自在に挟持できれば、その構造は任意である。例えば、レールの底部の軌道中心側のフランジ部分を掛止する一方の掛止爪と、レールの底部の軌道中心側のフランジ部分を掛止する他方の掛止爪とを有し、これらの何れかをベース部材の一端部に着脱(移動)可能としたものを採用することができる。その他、これらの両方をベース部材に着脱可能としたものでもよい。
「クランプ部の方向へ折り畳み自在」とは、支柱が、支柱の先端部とベース部材の一端部とが平行な伏せ位置と、支柱の先端部がベース部材の他端部の真上に配置される起立位置との間で回動自在に設けられた状態をいう。
ベース部材としては、例えば鉄、ステンレス、アルミニウム合金などの金属からなる板材、棒材などを採用することができる。
ベース部材の長さは、クランプ部によるレールの挟持状態(使用状態)で、他端部が線路幅方向の車両限界の外域に配置される長さである。
ベース部材としては、例えば鉄、ステンレス、アルミニウム合金などの金属からなる板材、棒材などを採用することができる。
ベース部材の長さは、クランプ部によるレールの挟持状態(使用状態)で、他端部が線路幅方向の車両限界の外域に配置される長さである。
支柱としては、ベース部材と同様の素材からなる板材、棒材などを採用することができる。
「建築限界の内域に達しない高さ」とは、支柱の高さ(長さ)が、車両の型式に応じて規定されている線路付近の建築限界の内域に侵入しない高さであることをいう。建築限界の内域に達すれば、線路付近に建てられた建築物によって支柱を起立できない場合が生じるためである。
親綱の掛止部としては、例えば、親綱が掛止される突起、親綱が挿通される挿通孔などを採用することができる。
親綱の掛止部が設けられる支柱の部分は任意である。例えば、支柱の上端部でも、その下端部でも、その長さ方向の中間部でもよい。
「建築限界の内域に達しない高さ」とは、支柱の高さ(長さ)が、車両の型式に応じて規定されている線路付近の建築限界の内域に侵入しない高さであることをいう。建築限界の内域に達すれば、線路付近に建てられた建築物によって支柱を起立できない場合が生じるためである。
親綱の掛止部としては、例えば、親綱が掛止される突起、親綱が挿通される挿通孔などを採用することができる。
親綱の掛止部が設けられる支柱の部分は任意である。例えば、支柱の上端部でも、その下端部でも、その長さ方向の中間部でもよい。
請求項2に記載の考案は、前記クランプ部は、前記ベース部材の一端部の表面に分離不能に固定され、かつ前記レールの底部の軌道中心側のフランジ部分を掛止する固定側掛止爪と、前記ベース部材の一端部の表面のうち、前記固定側掛止爪より他端側の部分にボルトを介して締結され、かつ前記レールの底部の軌道外側のフランジ部分を掛止する着脱側掛止爪と、前記ベース部材の一端部の表面のうち、該ベース部材の幅方向の両側部分に配設され、かつ前記着脱側掛止爪を前記固定側掛止爪に向かって案内する一対のスライドガイドと、前記ベース部材の一端部の表面のうち、前記一対のスライドガイドの間の部分に突設され、かつ前記レールの底部の軌道外側のフランジ部分からの前記着脱側掛止爪の抜け落ちを防止する抜け落ち防止突起とを有し、前記着脱側掛止爪は、前記一対のスライドガイドによる案内の途中で、前記抜け落ち防止突起を乗り越えて前記ボルトによる締結位置までスライドされるとともに、作業者が転落した際の衝撃荷重により前記ボルトが脱落した時、前記一対のスライドガイドおよび前記抜け落ち防止突起によって、前記着脱側掛止爪が前記レールの底部の軌道外側のフランジ部分から抜け落ちないように構成した請求項1に記載の安全帯用親綱取付具である。
請求項2に記載の考案によれば、クランプ部によるレールの底部の挟持時には、まず固定側掛止爪をレールの底部の軌道中心側のフランジ部分に掛止し、この状態で、着脱側掛止爪が一対のスライドガイドにより案内されながら、ボルトによる締結位置までスライドされる。その途中、着脱側掛止爪は、抜け落ち防止突起を乗り越えてボルトによる締結位置に到達し、この着脱側掛止爪がレールの底部の軌道外側のフランジ部分に掛止され、その後、着脱側掛止爪がベース部材にボルト締結される。
転落事故発生時、仮に衝撃荷重によって、ボルトに緩みや破断が発生してこれが脱落しても、一対のスライドガイドおよび抜け落ち防止突起がストッパとなり、着脱側掛止爪がレールの底部の軌道外側のフランジ部分から抜け落ちない。すなわち、レールの底部の軌道外側のフランジ部分は、レールの規格により上面が先端へ向かって徐々に下方傾斜している。そのため、ボルトの脱落時、着脱側掛止爪は一対のスライドガイドの間において軌道外側のフランジ部分の上面に沿って滑り落ち、着脱側掛止爪がフランジ部分から外れようとする。
しかしながら、ベース部材の一端部の表面(上面)のうち、一対のスライドガイドの間の部分に抜け落ち防止突起が存在するため、着脱側掛止爪がフランジ部分から滑り落ちる途中で、着脱側掛止爪の爪先部分の上側が一対のスライドガイドの内面に押し当てられ、かつこの状態で、着脱側掛止爪の後側の下角部分が抜け落ち防止突起に引っ掛かる。その結果、ベース部材の表面(抜け落ち防止突起の上面)と各スライドガイドの内面との間には、着脱側掛止爪が抜け落ち防止突起を乗り越えるだけの隙間があるにも拘わらず、着脱側掛止爪の後退はここで阻止され、着脱側掛止爪の軌道外側のフランジ部分からの抜け落ちが防止される。
しかしながら、ベース部材の一端部の表面(上面)のうち、一対のスライドガイドの間の部分に抜け落ち防止突起が存在するため、着脱側掛止爪がフランジ部分から滑り落ちる途中で、着脱側掛止爪の爪先部分の上側が一対のスライドガイドの内面に押し当てられ、かつこの状態で、着脱側掛止爪の後側の下角部分が抜け落ち防止突起に引っ掛かる。その結果、ベース部材の表面(抜け落ち防止突起の上面)と各スライドガイドの内面との間には、着脱側掛止爪が抜け落ち防止突起を乗り越えるだけの隙間があるにも拘わらず、着脱側掛止爪の後退はここで阻止され、着脱側掛止爪の軌道外側のフランジ部分からの抜け落ちが防止される。
固定側掛止爪および着脱側掛止爪の素材としては、例えば、鉄、ステンレス、高強度アルミニウム合金などの各種金属を採用することができる。特に、固定側掛止爪は、ベース部材と同一素材により一体形成してもよい。その他、各種のセラミックス、各種の木材、アラミド系合成樹脂などの各種のプラスチックでもよい。
固定側掛止爪および着脱側掛止爪の各形状は任意である。例えば平面視して矩形状でもよい。また、少なくとも着脱側掛止爪の爪先部(先端部)の裏面(下面)は、レールの底部のうち、対応するフランジ部分の傾斜面に合わせて傾斜させた方が、接触面積が大きくなって集中荷重が発生せず、クランプ力も高まるために好ましい。
着脱側掛止爪には、ボルト締結用のボルト孔(ナット孔)が形成されている。このボルト孔は、ベース部材の一端部に形成されたボルト孔(ナット孔)と同一径のボルト孔(ナット孔)でも、着脱側掛止爪の長さ方向(スライド方向)に長い長孔でもよい。
固定側掛止爪および着脱側掛止爪の各形状は任意である。例えば平面視して矩形状でもよい。また、少なくとも着脱側掛止爪の爪先部(先端部)の裏面(下面)は、レールの底部のうち、対応するフランジ部分の傾斜面に合わせて傾斜させた方が、接触面積が大きくなって集中荷重が発生せず、クランプ力も高まるために好ましい。
着脱側掛止爪には、ボルト締結用のボルト孔(ナット孔)が形成されている。このボルト孔は、ベース部材の一端部に形成されたボルト孔(ナット孔)と同一径のボルト孔(ナット孔)でも、着脱側掛止爪の長さ方向(スライド方向)に長い長孔でもよい。
「ボルトを介して締結する」とは、ベース部材に対してのボルトのみによる締結のほか、ボルトナット構造体による締結も採用することができる。
各スライドガイドの素材としては、例えば、ベース部材に採用可能なものと同一の素材を採用することができる。
一対のスライドガイドが配設されたベース部材の端面形状としては、例えばリップ付溝形鋼の端面形状、楔状等を採用することができる。
抜け落ち防止突起の素材は任意である。例えば、ベース部材の表面に、これと同一素材で一体形成したものでもよい。また、ベース部材と同一素材または別素材を使用し、これと別体で設けたものでもよい。
各スライドガイドの素材としては、例えば、ベース部材に採用可能なものと同一の素材を採用することができる。
一対のスライドガイドが配設されたベース部材の端面形状としては、例えばリップ付溝形鋼の端面形状、楔状等を採用することができる。
抜け落ち防止突起の素材は任意である。例えば、ベース部材の表面に、これと同一素材で一体形成したものでもよい。また、ベース部材と同一素材または別素材を使用し、これと別体で設けたものでもよい。
抜け落ち防止突起の形成位置は、ベース部材の表面のうち、着脱側掛止爪のボルト締結位置(レールの底部の軌道外側のフランジ部分の掛止位置)を基準として、それより数mm〜数cmだけベース部材の他端方向の位置(着脱側掛止爪が軌道外側のフランジ部分から外れない範囲の位置)である。
「着脱側掛止爪が、一対のスライドガイドによる案内の途中で、抜け落ち防止突起を乗り越える」とは、ベース部材の表面(上面)とこれに対峙した各スライドガイドの内面(下面)との間に、着脱側掛止爪が抜け落ち防止突起を乗り越える分の隙間が存在することを意味する。
「着脱側掛止爪が、一対のスライドガイドによる案内の途中で、抜け落ち防止突起を乗り越える」とは、ベース部材の表面(上面)とこれに対峙した各スライドガイドの内面(下面)との間に、着脱側掛止爪が抜け落ち防止突起を乗り越える分の隙間が存在することを意味する。
請求項1に記載の考案によれば、レールの底部をベース部材の一端部のクランプ部により線路幅方向から挟持し、ベース部材をその他端部が線路幅方向の車両限界の外域に配置された片持ち梁状態とする。この状態で支柱を起立させる。同様にして、例えば、複数本の安全帯用親綱取付具をレールの長さ方向に離間した位置にそれぞれ固定し、この状態で各安全帯用親綱取付具の支柱の掛止部に親綱を掛け渡す。これにより、親綱が線路幅方向の車両限界の外域でレールに沿って張られる。その後、保線を行う作業者が安全帯のランヤードを親綱に掛止することで、高所での作業者の安全が確保される。
その結果、レールの頭部には、例えば従来のローラーキャッチのような障害物が存在しないため、軽便トロのレール走行や、作業者同士の離合が支障なく行える。また、レールへの安全帯用親綱取付具の固定をクランプ部により行ったため、レールに対する親綱の着脱が容易であるとともに、熟練者でなくても確実に安全帯用親綱取付具をレールに固定することができ、これにより作業者の墜落事故時の安全性が高まる。また、クランプ部によるレール固定形式を採用したため、例えば路盤が存在しない橋梁上の線路でも、安全帯用親綱取付具を支障なく使用することができる。
その結果、レールの頭部には、例えば従来のローラーキャッチのような障害物が存在しないため、軽便トロのレール走行や、作業者同士の離合が支障なく行える。また、レールへの安全帯用親綱取付具の固定をクランプ部により行ったため、レールに対する親綱の着脱が容易であるとともに、熟練者でなくても確実に安全帯用親綱取付具をレールに固定することができ、これにより作業者の墜落事故時の安全性が高まる。また、クランプ部によるレール固定形式を採用したため、例えば路盤が存在しない橋梁上の線路でも、安全帯用親綱取付具を支障なく使用することができる。
また、請求項2に記載の考案によれば、安全帯用親綱取付具のレール固定時、固定側掛止爪をレールの底部の軌道中心側のフランジ部分に掛止し、この状態で一対のスライドガイドに沿って着脱側掛止爪をレールの底部の軌道外側のフランジ部分への掛止位置までスライドする。その途中、着脱側掛止爪は、抜け落ち防止突起を乗り越えてボルトによる締結位置に到達するとともに、着脱側掛止爪がレールの底部の軌道外側のフランジ部分に掛止される。この状態のまま、着脱側掛止爪をベース部材にボルト締結することで、安全帯用親綱取付具がレールに固定される。
転落事故発生時、仮にクランプ部に作用する衝撃荷重によって、ボルトが緩んだり破断して脱落しても、一対のスライドガイドおよび抜け落ち防止突起がストッパとなり、着脱側掛止爪のレールの底部の軌道外側のフランジ部分からの抜け落ちが阻止される。すなわち、レールの底部の軌道外側のフランジ部分は、レールの規格により上面が先端へ向かって徐々に下方傾斜している。そのため、ボルトの脱落時、着脱側掛止爪は一対のスライドガイドの間において軌道外側のフランジ部分の上面に沿って滑り落ち、着脱側掛止爪がフランジ部分から外れようとする。
しかしながら、ベース部材の一端部の表面(上面)のうち、一対のスライドガイドの間の部分に抜け落ち防止突起が存在するため、着脱側掛止爪がフランジ部分を滑り落ちる途中で、着脱側掛止爪の爪先部分の上側が一対のスライドガイドの内面に押し当てられ、かつこの状態で、着脱側掛止爪の後側の下角部分が抜け落ち防止突起に引っ掛かる。
その結果、ベース部材の表面(抜け落ち防止突起の上面)と各スライドガイドの内面との間には、着脱側掛止爪が抜け落ち防止突起を乗り越えるだけの隙間があるにも拘わらず、着脱側掛止爪の後退はここで阻止され、着脱側掛止爪の軌道外側のフランジ部分からの抜け落ちが防止される。
しかしながら、ベース部材の一端部の表面(上面)のうち、一対のスライドガイドの間の部分に抜け落ち防止突起が存在するため、着脱側掛止爪がフランジ部分を滑り落ちる途中で、着脱側掛止爪の爪先部分の上側が一対のスライドガイドの内面に押し当てられ、かつこの状態で、着脱側掛止爪の後側の下角部分が抜け落ち防止突起に引っ掛かる。
その結果、ベース部材の表面(抜け落ち防止突起の上面)と各スライドガイドの内面との間には、着脱側掛止爪が抜け落ち防止突起を乗り越えるだけの隙間があるにも拘わらず、着脱側掛止爪の後退はここで阻止され、着脱側掛止爪の軌道外側のフランジ部分からの抜け落ちが防止される。
以下、この考案の実施例を具体的に説明する。ここでは、橋梁上での保線作業に用いられる安全帯用親綱取付具を例にとる。
図1および図2において、10はこの考案の実施例1に係る安全帯用親綱取付具で、この安全帯用親綱取付具10は、橋梁11(高所)の上で保線を行う作業者が装着した安全帯12のランヤード13が掛止される親綱14を、線路幅方向の車両限界の外域でレール(旧いレール)15に沿って張る際に、レール15に着脱自在に固定して使用される。
安全帯用親綱取付具10は、レールの底部15aを線路幅方向から挟持するクランプ部16が一端部(基端部)に設けられ、かつクランプ部16によるレール15の挟持状態で、他端部(先部)が線路幅方向の車両限界の外域に配置されるベース部材17と、ベース部材17の他端部にクランプ部16の方向へ折り畳み自在に取り付けられ、かつ親綱14の掛止突起(掛止部)18が設けられるとともに、建築限界の内域に達しない高さを有する支柱19とを備えている。以下、その構造を具体的に説明する。
安全帯用親綱取付具10は、レールの底部15aを線路幅方向から挟持するクランプ部16が一端部(基端部)に設けられ、かつクランプ部16によるレール15の挟持状態で、他端部(先部)が線路幅方向の車両限界の外域に配置されるベース部材17と、ベース部材17の他端部にクランプ部16の方向へ折り畳み自在に取り付けられ、かつ親綱14の掛止突起(掛止部)18が設けられるとともに、建築限界の内域に達しない高さを有する支柱19とを備えている。以下、その構造を具体的に説明する。
図1〜図4に示すように、レール15はJRの在来線用のもので、その軌間は1,067mmである。
レール15は、軌道中心側のフランジ部分15bと軌道外側のフランジ部分15cとを有したレールの底部15aと、レールの底部15aの中間部から一体的に上方に延びるレールの腹部15dと、レールの腹部15dの上端部に一体形成されたレールの頭部15eとからなる。レールの底部15aのうち、軌道中心側のフランジ部分15bと軌道外側のフランジ部分15cとは、各上面が先端へ向かって徐々に下方傾斜している。
ベース部材17は溝形鋼からなる。ベース部材17の長さは、車両限界(3,000mm)の半分の長さ(1,500mm)から、軌間の半分の長さ(533.5mm)を減算した値(966.5mm)より長い1,200mmである。これにより、ベース部材17は、レールの底部15aをクランプ部16により挟持した使用状態で、支柱19が設けられる他端部が線路幅方向の車両限界の外域に配置される。
レール15は、軌道中心側のフランジ部分15bと軌道外側のフランジ部分15cとを有したレールの底部15aと、レールの底部15aの中間部から一体的に上方に延びるレールの腹部15dと、レールの腹部15dの上端部に一体形成されたレールの頭部15eとからなる。レールの底部15aのうち、軌道中心側のフランジ部分15bと軌道外側のフランジ部分15cとは、各上面が先端へ向かって徐々に下方傾斜している。
ベース部材17は溝形鋼からなる。ベース部材17の長さは、車両限界(3,000mm)の半分の長さ(1,500mm)から、軌間の半分の長さ(533.5mm)を減算した値(966.5mm)より長い1,200mmである。これにより、ベース部材17は、レールの底部15aをクランプ部16により挟持した使用状態で、支柱19が設けられる他端部が線路幅方向の車両限界の外域に配置される。
ベース部材17の一端部付近には、その幅方向の中間部に後述するボルト25用のボルト孔17aが形成されている。また、ベース部材17の他端部には、その幅方向の両側に鉄板片からなる一対のブラケット20が突設されている。各ブラケット20の下端部(元部)には、支柱19の回動ピン21が挿通される軸孔20aがそれぞれ形成されている(図4)。さらに、各ブラケット20の上端部(先端部)には、支柱19を起立状態で固定する固定ピン22が挿通される挿通孔20bがそれぞれ形成されている。さらに、ベース部材17の表面および両側面には、夜間の保線作業時、レール脇に延びたベース部材17が作業者から視認し易いように、長さ方向へ所定間隔をあけて複数枚の光反射シール23がそれぞれ貼着されている。
クランプ部16は、ベース部材17の一端部の表面(上面)に分離不能に固定され、かつレールの底部15aの軌道中心側のフランジ部分15bを掛止する逆L字状の固定側掛止爪24と、ベース部材17の一端部の表面のうち、固定側掛止爪24より他端側の部分にボルト25を介して締結され、かつレールの底部15aの軌道外側のフランジ部分15cを掛止する逆L字状の着脱側掛止爪26とを有している。固定側掛止爪24の幅はベース部材17の幅と同一であるものの、着脱側掛止爪26の幅はそれよりも短い。また、着脱側掛止爪26の元部には、使用時にベース部材17のボルト孔17aに合致される別のボルト孔26aが、その表裏面を貫通して形成されている。
支柱19は、断面正方形の鋼管からなる。支柱19の元部(基端部)の両側板には、回動ピン21が挿通される一対の軸孔19aが形成され、かつ各軸孔19aより支柱19の先側の部分に固定ピン22が挿通される一対の挿通孔19bが形成されている。支柱19の元部を一対のブラケット20間に配置し、4つの軸孔19a,20aに回動ピン21を挿着することで、ベース部材17の他端部に支柱19がクランプ部16の方向へ折り畳み自在となる。また、この状態で、4つの挿通孔19b,20bに固定ピン22を挿着することで、支柱19はベース部材17の他端部上に起立状態で固定される。
支柱19の先端部および長さ方向の中間部の各面には、親綱14が掛止されるL字形の掛止突起18が一対ずつ配設されている。
また、支柱19の上部の各面には建築限界注意の表示シール27が貼着されている。さらに、支柱19の上端部と長さ方向の中間部付近の各面には、別の光反射シール23が貼着されている。
支柱19の先端部および長さ方向の中間部の各面には、親綱14が掛止されるL字形の掛止突起18が一対ずつ配設されている。
また、支柱19の上部の各面には建築限界注意の表示シール27が貼着されている。さらに、支柱19の上端部と長さ方向の中間部付近の各面には、別の光反射シール23が貼着されている。
次に、図1〜図4を参照して、この実施例1に係る安全帯用親綱取付具10による橋梁11上でのレール交換時に行われる枕木29からのボルト抜き作業(保線作業)を説明する。なお、ここでは交換される旧いレール15の側方に新しいレール15Aがあらかじめ配置されているものとする。
まず、橋梁11上の保線現場に複数本の安全帯用親綱取付具10を運び込む。その後、各安全帯用親綱取付具10において、ベース部材17の他端部で回動ピン21を中心にして支柱19を起立させ、その後、固定ピン22を各挿通孔19b,20bに挿着して支柱19を固定する(図1、図3および図4)。次に、旧いレール15の長さ方向に離間した位置で、新しいレール15Aの下方を通過してレール15の下に各安全帯用親綱取付具10のベース部材17の先端部を差し込む。
まず、橋梁11上の保線現場に複数本の安全帯用親綱取付具10を運び込む。その後、各安全帯用親綱取付具10において、ベース部材17の他端部で回動ピン21を中心にして支柱19を起立させ、その後、固定ピン22を各挿通孔19b,20bに挿着して支柱19を固定する(図1、図3および図4)。次に、旧いレール15の長さ方向に離間した位置で、新しいレール15Aの下方を通過してレール15の下に各安全帯用親綱取付具10のベース部材17の先端部を差し込む。
次にまた、各安全帯用親綱取付具10において、クランプ部16によりレールの底部15aを線路幅方向から堅固に挟持する(図1)。具体的には、まず固定側掛止爪24をレールの底部15aの軌道中心側のフランジ部分15bに掛止する。この状態で、着脱側掛止爪26の爪先部をレールの底部15aの軌道中心側のフランジ部分15bに被せ、着脱側掛止爪26の別のボルト孔26aとベース部材17のボルト孔17aとを合致させ、これらにボルト25を挿通する。その後、ベース部材17の裏側から突出したボルト25の先端部にナット28を螺合する。これにより、着脱側掛止爪26が、レールの底部15aの軌道外側のフランジ部分15cに掛止される。よって、各安全帯用親綱取付具10は、レール15の長さ方向に離間した位置で、クランプ部16を介して、旧いレール15に片持ち梁状態でそれぞれ固定される。
次に、図2に示すように、親綱14の一端部を新しいレール15Aの一端部に締結し、その後、親綱14を各安全帯用親綱取付具10の支柱19の上端部に配置された一対の掛止突起18に順次架け渡し、親綱14の他端部を新しいレール15Aの他端部に締結した後、作業者の安全帯12のランヤード13を親綱14に掛止する。これにより、親綱14が線路幅方向の車両限界の外域でレール15に沿って張られ、橋梁11上でレール交換時に行われる枕木29からのボルト抜き作業を行う作業者の安全が確保される。
その結果、レールの頭部15eには、例えば従来のローラーキャッチのような障害物が存在しない。これにより、軽便トロのレール走行や、作業者同士の離合を支障なく行うことができる。また、レール15への安全帯用親綱取付具10の固定をクランプ部16により行ったため、レール15に対する親綱14の着脱が容易であるとともに、熟練者でなくても確実に安全帯用親綱取付具10をレール15に固定することができる。これにより、作業者の墜落事故時の安全性が高まる。また、クランプ部16によるレール固定形式を採用したため、例えば路盤が存在しない橋梁11上の線路でも、安全帯用親綱取付具10を問題なく使用することができる。
次に、図5を参照して、この考案の実施例2に係る安全帯用親綱取付具を説明する。
実施例2の安全帯用親綱取付具10Aの特徴は、図5(a)に示すように、ベース部材17にその長さを調整する伸縮構造体30を設けることで、全幅や線路幅(軌間)が異なる列車(車両)の車両限界に応じて、ベース部材17の長さを調整できるように構成した点と、図5(a)および図5(b)に示すように、転落事故の衝撃荷重によりボルト25が抜けた際の着脱側掛止爪26の脱落防止機能を設けることで、作業者の安全性をさらに高めるように構成した点とである。
実施例2の安全帯用親綱取付具10Aの特徴は、図5(a)に示すように、ベース部材17にその長さを調整する伸縮構造体30を設けることで、全幅や線路幅(軌間)が異なる列車(車両)の車両限界に応じて、ベース部材17の長さを調整できるように構成した点と、図5(a)および図5(b)に示すように、転落事故の衝撃荷重によりボルト25が抜けた際の着脱側掛止爪26の脱落防止機能を設けることで、作業者の安全性をさらに高めるように構成した点とである。
まず、図5(a)を参照し、ベース部材17の伸縮構造体30について説明する。
この伸縮構造体30には、積層スライド構造を有したものが採用されている。具体的には、ベース部材17が、溝形鋼からなる外側ベース材31と、外側ベース材31より短尺でかつこの内面に沿って長さ方向にスライド自在な溝形鋼からなる内側ベース材32とを有している。外側ベース材31の他端部の上板には、1つのピン孔31aが形成されている。また、内側ベース材32の一端部の上板には、複数の別のピン孔32aが、内側ベース材32の長さ方向に向かって所定ピッチで形成されている。
ベース部材17の長さを調整する際には、内側ベース材32を外側ベース材31の内面に沿ってスライドさせ、所望の長さ位置で合致した上下一対のピン孔31a,32aに連結ピン33を嵌入する。これにより、車両の全幅や線路幅(軌間)によって異なる車両限界に応じてベース部材17の長さを調整することができる。その結果、1本の安全帯用親綱取付具10Aを、JR在来線の保線作業だけでなく、新幹線などの保線作業でも使用することができる。
この伸縮構造体30には、積層スライド構造を有したものが採用されている。具体的には、ベース部材17が、溝形鋼からなる外側ベース材31と、外側ベース材31より短尺でかつこの内面に沿って長さ方向にスライド自在な溝形鋼からなる内側ベース材32とを有している。外側ベース材31の他端部の上板には、1つのピン孔31aが形成されている。また、内側ベース材32の一端部の上板には、複数の別のピン孔32aが、内側ベース材32の長さ方向に向かって所定ピッチで形成されている。
ベース部材17の長さを調整する際には、内側ベース材32を外側ベース材31の内面に沿ってスライドさせ、所望の長さ位置で合致した上下一対のピン孔31a,32aに連結ピン33を嵌入する。これにより、車両の全幅や線路幅(軌間)によって異なる車両限界に応じてベース部材17の長さを調整することができる。その結果、1本の安全帯用親綱取付具10Aを、JR在来線の保線作業だけでなく、新幹線などの保線作業でも使用することができる。
次に、図5(a)および図5(b)を参照して、着脱側掛止爪26の脱落防止機能について説明する。
この脱落防止機能は、外側ベース材31の一端部の表面のうち、外側ベース材31の幅方向の両側部分に配設され、かつ着脱側掛止爪26を固定側掛止爪24に向かって案内する不等辺山形鋼からなる一対のスライドガイド34と、外側ベース材31の一端部の表面のうち、一対のスライドガイド34の間の部分に突設され、かつレールの底部15aの軌道外側のフランジ部分15cからの着脱側掛止爪26の抜け落ちを防止する1本の細長い角鋼からなる抜け落ち防止突起35とを有している。
抜け落ち防止突起35の形成位置は、外側ベース材31の表面のうち、着脱側掛止爪26のボルト締結位置(レールの底部15aの軌道外側のフランジ部分15cの掛止位置)を基準として、それより数cmだけ外側ベース材31の他端方向の位置(着脱側掛止爪26が軌道外側のフランジ部分15cから外れない範囲の位置)である。
この脱落防止機能は、外側ベース材31の一端部の表面のうち、外側ベース材31の幅方向の両側部分に配設され、かつ着脱側掛止爪26を固定側掛止爪24に向かって案内する不等辺山形鋼からなる一対のスライドガイド34と、外側ベース材31の一端部の表面のうち、一対のスライドガイド34の間の部分に突設され、かつレールの底部15aの軌道外側のフランジ部分15cからの着脱側掛止爪26の抜け落ちを防止する1本の細長い角鋼からなる抜け落ち防止突起35とを有している。
抜け落ち防止突起35の形成位置は、外側ベース材31の表面のうち、着脱側掛止爪26のボルト締結位置(レールの底部15aの軌道外側のフランジ部分15cの掛止位置)を基準として、それより数cmだけ外側ベース材31の他端方向の位置(着脱側掛止爪26が軌道外側のフランジ部分15cから外れない範囲の位置)である。
レールの底部15aのクランプ時、着脱側掛止爪26が、一対のスライドガイド34に沿ってボルト25による締結位置まで案内される途中で、抜け落ち防止突起35を乗り越える。これは、ベース部材17の表面(上面)とこれに対峙した各スライドガイド34の内面(下面)との間に、厚さaの着脱側掛止爪26が、抜け落ち防止突起35を乗り越える分の隙間bが存在することを意味する(a<b)。その後、着脱側掛止爪26は、レールの底部15aの軌道外側のフランジ部分15cに掛止され、この状態でボルト25により外側ベース材31にボルト25締結される。
転落事故発生時に、仮にクランプ部16に作用する衝撃荷重によって、ボルト25が緩んだり破断して脱落しても、一対のスライドガイド34および抜け落ち防止突起35がストッパとなり、着脱側掛止爪26のレールの底部15aの軌道外側のフランジ部分15cからの抜け落ちが阻止される。すなわち、レールの底部15aの軌道外側のフランジ部分15cは、レールの規格により上面が先端へ向かって徐々に下方傾斜している。そのため、ボルト25の脱落時、着脱側掛止爪26は一対のスライドガイド34の間において軌道外側のフランジ部分15cの上面に沿って滑り落ち、着脱側掛止爪26が軌道外側のフランジ部分15cから外れようとする。
しかしながら、ベース部材17の一端部の表面(上面)のうち、一対のスライドガイド34の間の部分に抜け落ち防止突起35が存在するため、着脱側掛止爪26がフランジ部分を滑り落ちる途中で、着脱側掛止爪26の爪先部分の上側が一対のスライドガイド34の内面に押し当てられ、かつこの状態で、着脱側掛止爪26の後側の下角部分が抜け落ち防止突起35に引っ掛かる。
しかしながら、ベース部材17の一端部の表面(上面)のうち、一対のスライドガイド34の間の部分に抜け落ち防止突起35が存在するため、着脱側掛止爪26がフランジ部分を滑り落ちる途中で、着脱側掛止爪26の爪先部分の上側が一対のスライドガイド34の内面に押し当てられ、かつこの状態で、着脱側掛止爪26の後側の下角部分が抜け落ち防止突起35に引っ掛かる。
その結果、ベース部材17の表面(抜け落ち防止突起35の上面)と各スライドガイド34の内面との間には、着脱側掛止爪26が抜け落ち防止突起35を乗り越えるだけの隙間があるにも拘わらず、着脱側掛止爪26の後退はここで阻止され、着脱側掛止爪26の軌道外側のフランジ部分15cからの抜け落ちが防止される。この状態は、墜落した作業者が暴れて安全帯用親綱取付具10Aが固定側掛止爪24を中心にして上下方向に揺動しても維持される。
その他の構成、作用および効果は、実施例1と同じであるために説明を省略する。
その他の構成、作用および効果は、実施例1と同じであるために説明を省略する。
この考案は、橋梁などの高所での保線時における作業者の墜落事故を防止する技術として有用である。
10,10A 安全帯用親綱取付具、
12 安全帯、
13 ランヤード、
14 親綱、
15 レール、
15a レールの底部、
15b 軌道内側のフランジ部分、
15c 軌道外側のフランジ部分、
16 クランプ部、
17 ベース部材、
18 掛止突起(掛止部)、
19 支柱、
24 固定側掛止爪、
25 ボルト、
26 着脱側掛止爪、
30 伸縮構造体、
34 スライドガイド、
35 抜け落ち防止突起。
12 安全帯、
13 ランヤード、
14 親綱、
15 レール、
15a レールの底部、
15b 軌道内側のフランジ部分、
15c 軌道外側のフランジ部分、
16 クランプ部、
17 ベース部材、
18 掛止突起(掛止部)、
19 支柱、
24 固定側掛止爪、
25 ボルト、
26 着脱側掛止爪、
30 伸縮構造体、
34 スライドガイド、
35 抜け落ち防止突起。
Claims (2)
- 高所で保線を行う作業者が装着した安全帯のランヤードが掛止される親綱を、線路幅方向の車両限界の外域でレールに沿って張る際に、該レールに着脱自在に固定して使用される安全帯用親綱取付具であって、
前記レールの底部を線路幅方向から挟持するクランプ部が一端部に設けられ、かつ該クランプ部による前記レールの挟持状態で、他端部が前記線路幅方向の車両限界の外域に配置されるベース部材と、
該ベース部材の他端部に前記クランプ部の方向へ折り畳み自在に取り付けられ、かつ前記親綱の掛止部が設けられるとともに、建築限界の内域に達しない高さを有する支柱とを備えた安全帯用親綱取付具。 - 前記クランプ部は、
前記ベース部材の一端部の表面に分離不能に固定され、かつ前記レールの底部の軌道中心側のフランジ部分を掛止する固定側掛止爪と、
前記ベース部材の一端部の表面のうち、前記固定側掛止爪より他端側の部分にボルトを介して締結され、かつ前記レールの底部の軌道外側のフランジ部分を掛止する着脱側掛止爪と、
前記ベース部材の一端部の表面のうち、該ベース部材の幅方向の両側部分に配設され、かつ前記着脱側掛止爪を前記固定側掛止爪に向かって案内する一対のスライドガイドと、
前記ベース部材の一端部の表面のうち、前記一対のスライドガイドの間の部分に突設され、かつ前記レールの底部の軌道外側のフランジ部分からの前記着脱側掛止爪の抜け落ちを防止する抜け落ち防止突起とを有し、
前記着脱側掛止爪は、前記一対のスライドガイドによる案内の途中で、前記抜け落ち防止突起を乗り越えて前記ボルトによる締結位置までスライドされるとともに、作業者が転落した際の衝撃荷重により前記ボルトが脱落した時、前記一対のスライドガイドおよび前記抜け落ち防止突起によって、前記着脱側掛止爪が前記レールの底部の軌道外側のフランジ部分から抜け落ちないように構成した請求項1に記載の安全帯用親綱取付具。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014005422U JP3195044U (ja) | 2014-10-10 | 2014-10-10 | 安全帯用親綱取付具 |
Applications Claiming Priority (1)
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---|---|---|---|
JP2014005422U JP3195044U (ja) | 2014-10-10 | 2014-10-10 | 安全帯用親綱取付具 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP3195044U true JP3195044U (ja) | 2014-12-25 |
Family
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2014005422U Expired - Fee Related JP3195044U (ja) | 2014-10-10 | 2014-10-10 | 安全帯用親綱取付具 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3195044U (ja) |
-
2014
- 2014-10-10 JP JP2014005422U patent/JP3195044U/ja not_active Expired - Fee Related
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