JP3194574U - 青果収穫鋏 - Google Patents

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Abstract

【課題】作業性や切れ味の他に耐久性にも優れた青果収穫鋏を安価に提供する。【解決手段】青果収穫鋏1は、一対の刃部2a,2b及び握り部3a,3bと、これらを互いに回動可能に接続する枢軸4と、を備える。刃部の長手方向断面が、刃部の先端2t1,2t2に向かって上方に反った形状を成す。また、刃部の刃面21が横断方向断面において傾斜し、先鋭開始点22から上端終了点23に向かって徐々に湾曲した凸形状を成す。凸形状は先鋭開始点と上端終了点と間の略中央Mで最大高さHmを有し、かつ、Hmが0.5mm〜3mmであることが好ましい。また、刃部がハイカーボンステンレス製であることが好ましい。【選択図】図2

Description

本考案は、柿やリンゴ等の果物やアスパラガス等の野菜を収穫するための収穫鋏に関するものである。
(寿命や耐久性に拘わる問題)
成果収穫鋏は、従来から、作業性、切れ味、耐久性等に優れたものが要望されている。特に、柿を収穫する際には、柿の凹部から生えた比較的太くて頑丈なヘタを柿の実から切断しなければならないため、鋏の刃が欠けやすく(刃こぼれが起きやすく)、長寿命を保証できないといった寿命や耐久性に拘わる問題が指摘されていた。
(作業性や切れ味に拘わる問題)
また、鋏の刃を柿の凹部湾曲形状に適合させながら太いヘタを切断しなければならないために、従来の収穫鋏では、一度の切断だけで済まずに二度三度、鋏を入れ直さなければならないといった作業性や切れ味に拘わる問題も指摘されていた。
(関連分野の先行技術文献の説明)
なお、成果収穫鋏分野の先行技術文献として、例えば、特許文献1〜3が挙げられる。
特に、特許文献1は切刃部前方にV字もしくはU字型の先端誘導部を設けた採果鋏が開示されており、先端誘導部と切刃部の長手方向断面は、先端誘導部の先端に向かって上方に湾曲している。これにより一度切りで済む可能性は高まるが、同時に寿命や耐久性の問題については具体的な解決方法を教示・示唆するものではない。
また、特許文献2は、各切刃部の先端に一対の円縁を形成することで、被切物を捕捉しながら確実に切断できる収穫用ハサミが開示されている。しかしながら、特許文献2も特許文献1と同様に寿命や耐久性に拘わる問題を解決するものではなく、柿に対して一度切りを可能にするハサミにも見えない。
また、特許文献3は、通常の切刃部を有したハサミに巻尺を付属させたものであり、特許文献1,2と同様に上述の問題を解決するものではない。
特開2000−060304号公報 登録実用新案第3086652号公報 実開平06−041423号公報
本考案は、このような従来の実情に鑑みて提案されたものであり、従来の同種の収穫鋏が有する前述の欠点を解消可能な成果収穫鋏を提供することを目的とする。すなわち、本考案は、作業性や切れ味の他に耐久性にも優れた成果収穫鋏を安価に提供することを目的とする。
本考案者は、鋭意検討の末、上記目的に適した刃部の断面形状や材料を見出し、本考案を完成するに至った。
すなわち、本考案は、少なくとも次の構成・特徴を採用するものである。
(態様1)
一対の刃部及び握り部と、
一対の前記刃部及び前記握り部を互いに回動可能に接続する支軸と、
を備え、かつ、
前記刃部の長手方向断面が、前記刃部の先端に向かって上方に反った形状を成し、
前記刃部の刃面が横断方向断面において傾斜し、かつ、該刃面は先鋭開始点から上端終了点に向かって徐々に湾曲した凸形状を成すことを特徴とする成果収穫鋏。
(態様2)
前記凸形状は前記先鋭開始点と前記上端終了点と間の略中央で最大高さを有し、かつ、該最大高さが0.5mm〜3mmであることを特徴とする態様1に記載の成果収穫鋏。
(態様3)
前記刃部がハイカーボンステンレス製であることを特徴とする態様1又は2に記載の成果収穫鋏。
(態様4)
前記握り部が鋼製であり、
前記握り部と前記刃部とは溶接によって接続され、かつ、
前記握り部と溶接箇所とが被覆材によって被覆されていることを特徴とする態様1〜3のいずれかに記載の成果収穫鋏。
(態様5)
長手方向断面における前記反り形状の反り長さ及び反り高さが、それぞれ、20mm〜40mm及び10mm〜20mmの範囲であり、かつ、
柿の収穫に使用されることを特徴とする態様1〜4のいずれかに記載の成果収穫鋏。
本考案の成果収穫鋏は、上述の構成を採用するため、従来の同種の収穫鋏が有する前述の課題・不具合を見事に解決することができる。すなわち、本考案の鋏は、長手方向断面において上方に反った形状を採用するために、鋏の刃部が果実の凹部に入れやすくなり、成果切断・収穫の作業性を高めることができる。
さらに、本考案の鋏は、横方向断面において前述の凸形状に傾斜した刃面を採用するために、刃部の機械的強度や剛性を著しく向上させることができ、ひいては、収穫の際の切れ味や耐久性を高め、長寿命(長期間の使用)を保証できるようになる。
また、刃部の材料にハイカーボンステンレスを採用することにより、本考案の鋏を更に切れ味の良いものとすることができる。
さらに、本考案の好適な態様では、握り部に、刃部とは異なる安価な材料(例えば、鋼)を用い、この握り部と刃部とを溶接によって接続した後、握り部と溶接個所とをビニール等の樹脂やゴムで被覆した構成を採用しているために、上述の長所を損なわずに、本考案の成果収穫鋏を著しく安価に提供することができる。
本考案の実施例に係る成果収穫鋏の開閉状態を示した平面図を示す。 本考案の実施例に係る成果収穫鋏の側面図及び図1(b)のA−A線で破断した端面図並びに刃面の横方向の断面形状を説明した図を示す。
以下、本考案を図面に示す実施の形態に基づき説明するが、本考案は、下記の具体的な実施形態に何等限定されるものではない。
(成果収穫鋏の構造)
先ず、図1〜図2を参照しながら、本実施例の成果収穫鋏1(以下、単に「鋏」とも呼ぶ。)の構造について以下に説明する。成果収穫鋏1は、一対の刃部2a,2b及び握り部3a,3bと、一対の刃部2a,2b及び握り部3a,3bを互いに回動可能に接続する支軸(例えば、リベット)4と、を備える。
なお、図1(a)は、刃部2a,2bが開いた状態(言い換えれば、後述のロック機構5でのロックが解除されて成果収穫鋏1が使用可能な状態)を示す。一方、図1(b)は、刃部2a,2bが閉じた状態(言い換えれば、後述のロック機構5でのロックが設定されて成果収穫鋏1が使用不可能な状態)を示す。
また、図2(a)は、図1(b)の閉じた状態の成果収穫鋏1の側面図を示す。図2(b)は、図1(b)のA−A線で破断した端面図である。図2(c)は本考案の成果収穫鋏1の刃面21の形状(横方向断面)の概略を説明した図である。なお、図2(d)は従来の収穫鋏の刃面121の形状(横方向断面)の概略を説明した図である。
(刃部の長手方向断面の反り形状)
また、刃部2a,2bの長手方向断面においては、図2(a)に示すように、刃部2a,2bが先端2t,2tに向かって上方に反った形状を成すことを特徴とする。さらに、好ましくは、この反り形状の反り長さLc及び反り高さHcが、それぞれ、Lc=20mm〜40mm及びHc=10mm〜20mmの範囲内であり、さらに好ましくは、Lc=20mm〜30mm及びHc=10mm〜15mmの範囲である。
(反り形状の利点・長所)
このような反り形状及び反り寸法を備えた刃部2a,2bは、柿の収穫に好ましく適合する。つまり、刃部2a,2bの上記形状・寸法は、ヘタ(図示せず)が生え出す柿の凹部湾曲形状(図示せず)に見事に適合し、ヘタの手前から本考案の鋏1を入れると、刃部2a,2bの先端2t,2tはヘタの後方まで十分に延び、握り部3a,3bを持って互いに近づけることにより、一度の操作(一度切り)だけで柿のヘタを簡単に切断し、実の部分を収穫することができるようになる。
なお、Lc及びHcの上限を超えると、反り形状が大きくなり過ぎて、鋏1の操作性が却って悪くなり、柿等の凹部にも刃部2a,2bの先端2t,2tを入れにくくなる。一方、Lc及びHcの下限より小さくなると、本考案の上述の作用効果が得られにくくなり、鋏を二度三度、柿等の凹部に入れ直す可能性が高まっていくものと思われる。
ところで、従来或いは通常の収穫鋏の刃部102における刃面121(横方向断面視)は、図2(d)に示すよう先鋭開始点122から上端終了点123まで直線的な斜面形状121aを成すか、或いは、研磨機での自動研磨により若干内部にへこんだ凹部形状121b(図2(d)中、破線表示)を成す。従来の刃部102は、このような形状を成すために、刃面121付近の部分での機械的強度や剛性が十分ではなく、使用中に刃こぼれを起こす不具合が頻発していた。
(刃部の横方向断面の刃面凸形状)
これに対して、本考案の鋏1の刃部2a,2bの横断方向断面は上に凸の傾斜していることが分かる(図2(b)及び(c)を参照)。ここで、図2(c)は、説明の便宜上、本考案の刃面21の特有の特徴や構造の概略を強調乃至拡大して表示・説明するものであり、実際の刃部2a,2bの断面構造とは多少異なることに留意されたい。
図2(c)に示すように、本考案の刃面21の凸形状は、特に、刃面21の先鋭開始点22から上端終了点23に向かって徐々に湾曲して形成されている。さらに、この凸形状は、図2(c)に示すように、先鋭開始点22と上端終了点23と間の略中央Mにて、直線状の仮想傾斜面(図2(c)中の一点鎖線を参照)に対して最大高さHmを有し、かつ、該最大高さHmがHm=0.5mm〜3mmであることが好ましい。
(刃面凸形状の利点・長所)
これにより、本考案の刃部2a,2bの機械的強度や剛性を著しく向上させることができ、ひいては、収穫の際の切れ味や耐久性を高め、長寿命(長期間の使用)を保証できるようになる。
(成果収穫鋏の構成材料)
さらに、本考案の成果収穫鋏1は、以下のような材料で構成されていることが好ましい。特に、刃部2a,2b(の少なくとも一方)がハイカーボンステンレス製であることが好ましい。ここで、ハイカーボンステンレスとして、例えば、SUS420J2(マルテンサイト系ステンレス鋼 概略組成:13Cr−0.3C)などが挙げられる。ハイカーボンステンレスは、通常、高級包丁等の刃物に使用される材料である。このような材料で作られた刃部2a,2bは、前述の独特な凸形状による効果と相俟って、刃面21の強度・剛性を飛躍的に向上し、本考案の鋏1を更に切れ味の良いものとすることが可能となる。
本考案の成果収穫鋏1は、さらに握り部3a,3bが鋼製であり、かつ、この握り部3a,3bと刃部2a,2bとは溶接によって接続されていることが好ましい(図1(a)の切り取り線の間に示した部分(後述の被覆材31を敢えて剥ぎ取って示した内部構造)の溶接箇所30を参照)。これにより、切れ味等の性能が要求されない握り部3a,3bには刃部2a,2bとは異なる安価な材料を用いることができ、製造単価を極力抑えることが可能となる。
なお、このような安価な材料の使用によって握り部3a,3bと溶接箇所30には錆の発生が心配されるが、例えば、握り部3a,3bと溶接箇所30とをビニール等の樹脂やゴム等の被覆材31によってさらに被覆すれば、本考案の上述の特徴や長所を損なわずに、防錆性を高めることが可能となる。
(成果収穫鋏の付属部材の説明)
また、成果収穫鋏1は、ロック機構5や把持力調整機構6を備えることも好ましい。ロック機構5は、例えば、図1(a)及び(b)並びに図2(a)に示すように、一方の刃部2aの根元部2aに設置されたヒンジ5aと、根元部2aの表面上にヒンジ5aによって回動可能に設置された留め金具5bと、他方の刃部2bの根元部2bの角部を切り欠いて設けられた受け口5cと、によって構成することができる。なお、留め金具5bは、そのベース部5bから垂直に立設した摘み部5bが設けられている。この摘み部5bは、指で容易に摘むことができ、これにより留め金具5bをヒンジ5a回りに枢動させてロックの設定及び解除ができるようになる。
成果収穫鋏1の不使用時或いは保管時は、ロック機構5を以下のロック設定状態に置く。すなわち、図1(b)に示すように、握り部3a,3bを互いに近づけて刃部2a,2bの刃面21,21を合わせた状態に置き、留め具5bの先端を受け口5cに引っ掛けると、刃部2a,2bは双方とも動かなくなる。従って、双方2a,2bの刃面21,21とも外部に露出にすることが無くなるために、使用中にうっかり手を切る等の危険を回避することができる。
一方、このロック設定状態から指で摘み部5bを摘みながら留め具5bを外側(図示では左回り)に枢動させれば、ロック解除状態となり、成果収穫鋏1を使用可能な状態となる。
また、把持力調整機構6は、バネ部材6aと、刃部2a,2bの各根元部2a,2bから互いに向き合うように張り出したバネ取付部6b,6bとで構成されており、バネ部材6aの端部はそれぞれ隣接するバネ取付部6b,6bに固定されている。この把持力調整機構6の設置により、前述のロック機構5を解除した状態では、常にバネ部材6aの弾性力によって刃部2a,2bが互いに所定距離分だけ開いた状態に置かれるため、収穫する野菜の被切断部分に鋏1を入れやすくなる。また、握り部3a,3bを互いに近づけていくと、バネ部材6aの弾性力が徐々に強まる。従って、この弾性力により、何か物体を切断する際には、これから切断するとの意識がユーザーに芽生えるため、収穫目的の野菜以外の物体を誤って切断してしまうとの事故を防ぐことができるようになる。
(本考案の改良・変形例)
なお、本考案の成果収穫鋏1は、上述した実施例の構成に限定されるものではなく、種々の変形・改良が可能である。例えば、上述の鋏1に、収穫物の長さを目視計測するための長尺物(図示せず)を鋏に取り付け可能な構成を採用してもよい。これにより、例えば、アスパラガスを収穫する際に長尺物を確認しつつ所定の長さでアスパラガスを切断可能となり、使い勝手が良くなる。このような長尺物を付属する技術は公知ではあるが、本考案に追加することにより、切れ味及び耐久性に優れたアスパラガス収穫用鋏が得られることになる。
本考案の成果収穫鋏は、以上のように従来の同種の収穫鋏が有する課題・不具合を見事に解決することができる。すなわち、本考案の鋏は、長手方向断面において上方に反った独特な形状・寸法を採用するために、鋏の刃部が果実の凹部に入れやすくなり、成果切断・収穫の作業性を高めることができる。
さらに、本考案の成果収穫鋏は、横方向断面において前述の凸形状に傾斜した刃面を採用するために、刃部の機械的強度や剛性を著しく向上させることができ、ひいては、収穫の際の切れ味や耐久性を高め、長寿命(長期間の使用)を保証できるようになる。
従って、本考案の成果収穫鋏は、産業上の利用価値や利用可能性が非常に高い。
1 成果収穫鋏
2a,2b 一対の刃部
2t,2t 刃部の先端
3a,3b 一対の握り部
4 支軸
21 刃面
22 先鋭開始点
23 上端終了点
30 溶接箇所
31 被覆材
Hc 刃部の長手方向断面の反り高さ
Hm 凸形状の最大高さ
M 先鋭開始点と上端終了点と間の刃面の中央地点
Lc 刃部の長手方向断面の反り長さ
本考案は、柿やリンゴ等の果物やアスパラガス等の野菜を収穫するための収穫鋏に関するものである。
(寿命や耐久性に拘わる問題)
果収穫鋏は、従来から、作業性、切れ味、耐久性等に優れたものが要望されている。特に、柿を収穫する際には、柿の凹部から生えた比較的太くて頑丈なヘタを柿の実から切断しなければならないため、鋏の刃が欠けやすく(刃こぼれが起きやすく)、長寿命を保証できないといった寿命や耐久性に拘わる問題が指摘されていた。
(作業性や切れ味に拘わる問題)
また、鋏の刃を柿の凹部湾曲形状に適合させながら太いヘタを切断しなければならないために、従来の収穫鋏では、一度の切断だけで済まずに二度三度、鋏を入れ直さなければならないといった作業性や切れ味に拘わる問題も指摘されていた。
(関連分野の先行技術文献の説明)
なお、果収穫鋏分野の先行技術文献として、例えば、特許文献1〜3が挙げられる。
特に、特許文献1は切刃部前方にV字もしくはU字型の先端誘導部を設けた採果鋏が開示されており、先端誘導部と切刃部の長手方向断面は、先端誘導部の先端に向かって上方に湾曲している。これにより一度切りで済む可能性は高まるが、同時に寿命や耐久性の問題については具体的な解決方法を教示・示唆するものではない。
また、特許文献2は、各切刃部の先端に一対の円縁を形成することで、被切物を捕捉しながら確実に切断できる収穫用ハサミが開示されている。しかしながら、特許文献2も特許文献1と同様に寿命や耐久性に拘わる問題を解決するものではなく、柿に対して一度切りを可能にするハサミにも見えない。
また、特許文献3は、通常の切刃部を有したハサミに巻尺を付属させたものであり、特許文献1,2と同様に上述の問題を解決するものではない。
特開2000−060304号公報 登録実用新案第3086652号公報 実開平06−041423号公報
本考案は、このような従来の実情に鑑みて提案されたものであり、従来の同種の収穫鋏が有する前述の欠点を解消可能な果収穫鋏を提供することを目的とする。すなわち、本考案は、作業性や切れ味の他に耐久性にも優れた果収穫鋏を安価に提供することを目的とする。
本考案者は、鋭意検討の末、上記目的に適した刃部の断面形状や材料を見出し、本考案を完成するに至った。
すなわち、本考案は、少なくとも次の構成・特徴を採用するものである。
(態様1)
一対の刃部及び握り部と、
一対の前記刃部及び前記握り部を互いに回動可能に接続する支軸と、
を備え、かつ、
前記刃部の長手方向断面が、前記刃部の先端に向かって上方に反った形状を成し、
前記刃部の刃面が横断方向断面において傾斜し、かつ、該刃面は先鋭開始点から上端終了点に向かって徐々に湾曲した凸形状を成すことを特徴とする果収穫鋏。
(態様2)
前記凸形状は前記先鋭開始点と前記上端終了点と間の略中央で最大高さを有し、かつ、該最大高さが0.5mm〜3mmであることを特徴とする態様1に記載の果収穫鋏。
(態様3)
前記刃部がハイカーボンステンレス製であることを特徴とする態様1又は2に記載の果収穫鋏。
(態様4)
前記握り部が鋼製であり、
前記握り部と前記刃部とは溶接によって接続され、かつ、
前記握り部と溶接箇所とが被覆材によって被覆されていることを特徴とする態様1〜3のいずれかに記載の果収穫鋏。
(態様5)
長手方向断面における前記反り形状の反り長さ及び反り高さが、それぞれ、20mm〜40mm及び10mm〜20mmの範囲であり、かつ、
柿の収穫に使用されることを特徴とする態様1〜4のいずれかに記載の果収穫鋏。
本考案の果収穫鋏は、上述の構成を採用するため、従来の同種の収穫鋏が有する前述の課題・不具合を見事に解決することができる。すなわち、本考案の鋏は、長手方向断面において上方に反った形状を採用するために、鋏の刃部が果実の凹部に入れやすくなり、果切断・収穫の作業性を高めることができる。
さらに、本考案の鋏は、横方向断面において前述の凸形状に傾斜した刃面を採用するために、刃部の機械的強度や剛性を著しく向上させることができ、ひいては、収穫の際の切れ味や耐久性を高め、長寿命(長期間の使用)を保証できるようになる。
また、刃部の材料にハイカーボンステンレスを採用することにより、本考案の鋏を更に切れ味の良いものとすることができる。
さらに、本考案の好適な態様では、握り部に、刃部とは異なる安価な材料(例えば、鋼)を用い、この握り部と刃部とを溶接によって接続した後、握り部と溶接個所とをビニール等の樹脂やゴムで被覆した構成を採用しているために、上述の長所を損なわずに、本考案の果収穫鋏を著しく安価に提供することができる。
本考案の実施例に係る果収穫鋏の開閉状態を示した平面図を示す。 本考案の実施例に係る果収穫鋏の側面図及び図1(b)のA−A線で破断した端面図並びに刃面の横方向の断面形状を説明した図を示す。
以下、本考案を図面に示す実施の形態に基づき説明するが、本考案は、下記の具体的な実施形態に何等限定されるものではない。
果収穫鋏の構造)
先ず、図1〜図2を参照しながら、本実施例の果収穫鋏1(以下、単に「鋏」とも呼ぶ。)の構造について以下に説明する。果収穫鋏1は、一対の刃部2a,2b及び握り部3a,3bと、一対の刃部2a,2b及び握り部3a,3bを互いに回動可能に接続する支軸(例えば、リベット)4と、を備える。
なお、図1(a)は、刃部2a,2bが開いた状態(言い換えれば、後述のロック機構5でのロックが解除されて果収穫鋏1が使用可能な状態)を示す。一方、図1(b)は、刃部2a,2bが閉じた状態(言い換えれば、後述のロック機構5でのロックが設定されて果収穫鋏1が使用不可能な状態)を示す。
また、図2(a)は、図1(b)の閉じた状態の果収穫鋏1の側面図を示す。図2(b)は、図1(b)のA−A線で破断した端面図である。図2(c)は本考案の果収穫鋏1の刃面21の形状(横方向断面)の概略を説明した図である。なお、図2(d)は従来の収穫鋏の刃面121の形状(横方向断面)の概略を説明した図である。
(刃部の長手方向断面の反り形状)
また、刃部2a,2bの長手方向断面においては、図2(a)に示すように、刃部2a,2bが先端2t,2tに向かって上方に反った形状を成すことを特徴とする。さらに、好ましくは、この反り形状の反り長さLc及び反り高さHcが、それぞれ、Lc=20mm〜40mm及びHc=10mm〜20mmの範囲内であり、さらに好ましくは、Lc=20mm〜30mm及びHc=10mm〜15mmの範囲である。
(反り形状の利点・長所)
このような反り形状及び反り寸法を備えた刃部2a,2bは、柿の収穫に好ましく適合する。つまり、刃部2a,2bの上記形状・寸法は、ヘタ(図示せず)が生え出す柿の凹部湾曲形状(図示せず)に見事に適合し、ヘタの手前から本考案の鋏1を入れると、刃部2a,2bの先端2t,2tはヘタの後方まで十分に延び、握り部3a,3bを持って互いに近づけることにより、一度の操作(一度切り)だけで柿のヘタを簡単に切断し、実の部分を収穫することができるようになる。
なお、Lc及びHcの上限を超えると、反り形状が大きくなり過ぎて、鋏1の操作性が却って悪くなり、柿等の凹部にも刃部2a,2bの先端2t,2tを入れにくくなる。一方、Lc及びHcの下限より小さくなると、本考案の上述の作用効果が得られにくくなり、鋏を二度三度、柿等の凹部に入れ直す可能性が高まっていくものと思われる。
ところで、従来或いは通常の収穫鋏の刃部102における刃面121(横方向断面視)は、図2(d)に示すよう先鋭開始点122から上端終了点123まで直線的な斜面形状121aを成すか、或いは、研磨機での自動研磨により若干内部にへこんだ凹部形状121b(図2(d)中、破線表示)を成す。従来の刃部102は、このような形状を成すために、刃面121付近の部分での機械的強度や剛性が十分ではなく、使用中に刃こぼれを起こす不具合が頻発していた。
(刃部の横方向断面の刃面凸形状)
これに対して、本考案の鋏1の刃部2a,2bの横方向断面は上に凸の傾斜していることが分かる(図2(b)及び(c)を参照)。ここで、図2(c)は、説明の便宜上、本考案の刃面21の特有の特徴や構造の概略を強調乃至拡大して表示・説明するものであり、実際の刃部2a,2bの断面構造とは多少異なることに留意されたい。
図2(c)に示すように、本考案の刃面21の凸形状は、特に、刃面21の先鋭開始点22から上端終了点23に向かって徐々に湾曲して形成されている。さらに、この凸形状は、図2(c)に示すように、先鋭開始点22と上端終了点23と間の略中央Mにて、直線状の仮想傾斜面(図2(c)中の一点鎖線を参照)に対して最大高さHmを有し、かつ、該最大高さHmがHm=0.5mm〜3mmであることが好ましい。
(刃面凸形状の利点・長所)
これにより、本考案の刃部2a,2bの機械的強度や剛性を著しく向上させることができ、ひいては、収穫の際の切れ味や耐久性を高め、長寿命(長期間の使用)を保証できるようになる。
果収穫鋏の構成材料)
さらに、本考案の果収穫鋏1は、以下のような材料で構成されていることが好ましい。特に、刃部2a,2b(の少なくとも一方)がハイカーボンステンレス製であることが好ましい。ここで、ハイカーボンステンレスとして、例えば、SUS420J2(マルテンサイト系ステンレス鋼 概略組成:13Cr−0.3C)などが挙げられる。ハイカーボンステンレスは、通常、高級包丁等の刃物に使用される材料である。このような材料で作られた刃部2a,2bは、前述の独特な凸形状による効果と相俟って、刃面21の強度・剛性を飛躍的に向上し、本考案の鋏1を更に切れ味の良いものとすることが可能となる。
本考案の果収穫鋏1は、さらに握り部3a,3bが鋼製であり、かつ、この握り部3a,3bと刃部2a,2bとは溶接によって接続されていることが好ましい(図1(a)の切り取り線の間に示した部分(後述の被覆材31を敢えて剥ぎ取って示した内部構造)の溶接箇所30を参照)。これにより、切れ味等の性能が要求されない握り部3a,3bには刃部2a,2bとは異なる安価な材料を用いることができ、製造単価を極力抑えることが可能となる。
なお、このような安価な材料の使用によって握り部3a,3bと溶接箇所30には錆の発生が心配されるが、例えば、握り部3a,3bと溶接箇所30とをビニール等の樹脂やゴム等の被覆材31によってさらに被覆すれば、本考案の上述の特徴や長所を損なわずに、防錆性を高めることが可能となる。
果収穫鋏の付属部材の説明)
また、果収穫鋏1は、ロック機構5や把持力調整機構6を備えることも好ましい。ロック機構5は、例えば、図1(a)及び(b)並びに図2(a)に示すように、一方の刃部2aの根元部2aに設置されたヒンジ5aと、根元部2aの表面上にヒンジ5aによって回動可能に設置された留め金具5bと、他方の刃部2bの根元部2bの角部を切り欠いて設けられた受け口5cと、によって構成することができる。なお、留め金具5bは、そのベース部5bから垂直に立設した摘み部5bが設けられている。この摘み部5bは、指で容易に摘むことができ、これにより留め金具5bをヒンジ5a回りに枢動させてロックの設定及び解除ができるようになる。
果収穫鋏1の不使用時或いは保管時は、ロック機構5を以下のロック設定状態に置く。すなわち、図1(b)に示すように、握り部3a,3bを互いに近づけて刃部2a,2bの刃面21,21を合わせた状態に置き、留め具5bの先端を受け口5cに引っ掛けると、刃部2a,2bは双方とも動かなくなる。従って、双方2a,2bの刃面21,21とも外部に露出にすることが無くなるために、使用中にうっかり手を切る等の危険を回避することができる。
一方、このロック設定状態から指で摘み部5bを摘みながら留め具5bを外側(図示では左回り)に枢動させれば、ロック解除状態となり、果収穫鋏1を使用可能な状態となる。
また、把持力調整機構6は、バネ部材6aと、刃部2a,2bの各根元部2a,2bから互いに向き合うように張り出したバネ取付部6b,6bとで構成されており、バネ部材6aの端部はそれぞれ隣接するバネ取付部6b,6bに固定されている。この把持力調整機構6の設置により、前述のロック機構5を解除した状態では、常にバネ部材6aの弾性力によって刃部2a,2bが互いに所定距離分だけ開いた状態に置かれるため、収穫する野菜の被切断部分に鋏1を入れやすくなる。また、握り部3a,3bを互いに近づけていくと、バネ部材6aの弾性力が徐々に強まる。従って、この弾性力により、何か物体を切断する際には、これから切断するとの意識がユーザーに芽生えるため、収穫目的の野菜以外の物体を誤って切断してしまうとの事故を防ぐことができるようになる。
(本考案の改良・変形例)
なお、本考案の果収穫鋏1は、上述した実施例の構成に限定されるものではなく、種々の変形・改良が可能である。例えば、上述の鋏1に、収穫物の長さを目視計測するための長尺物(図示せず)を鋏に取り付け可能な構成を採用してもよい。これにより、例えば、アスパラガスを収穫する際に長尺物を確認しつつ所定の長さでアスパラガスを切断可能となり、使い勝手が良くなる。このような長尺物を付属する技術は公知ではあるが、本考案に追加することにより、切れ味及び耐久性に優れたアスパラガス収穫用鋏が得られることになる。
本考案の果収穫鋏は、以上のように従来の同種の収穫鋏が有する課題・不具合を見事に解決することができる。すなわち、本考案の鋏は、長手方向断面において上方に反った独特な形状・寸法を採用するために、鋏の刃部が果実の凹部に入れやすくなり、果切断・収穫の作業性を高めることができる。
さらに、本考案の果収穫鋏は、横方向断面において前述の凸形状に傾斜した刃面を採用するために、刃部の機械的強度や剛性を著しく向上させることができ、ひいては、収穫の際の切れ味や耐久性を高め、長寿命(長期間の使用)を保証できるようになる。
従って、本考案の果収穫鋏は、産業上の利用価値や利用可能性が非常に高い。
果収穫鋏
2a,2b 一対の刃部
2t,2t 刃部の先端
3a,3b 一対の握り部
4 支軸
21 刃面
22 先鋭開始点
23 上端終了点
30 溶接箇所
31 被覆材
Hc 刃部の長手方向断面の反り高さ
Hm 凸形状の最大高さ
M 先鋭開始点と上端終了点と間の刃面の中央地点
Lc 刃部の長手方向断面の反り長さ

Claims (5)

  1. 一対の刃部及び握り部と、
    一対の前記刃部及び前記握り部を互いに回動可能に接続する支軸と、
    を備え、かつ、
    前記刃部の長手方向断面が、前記刃部の先端に向かって上方に反った形状を成し、
    前記刃部の刃面が横断方向断面において傾斜し、かつ、該刃面は先鋭開始点から上端終了点に向かって徐々に湾曲した凸形状を成すことを特徴とする成果収穫鋏。
  2. 前記凸形状は前記先鋭開始点と前記上端終了点と間の略中央で最大高さを有し、かつ、該最大高さが0.5mm〜3mmであることを特徴とする請求項1に記載の成果収穫鋏。
  3. 前記刃部がハイカーボンステンレス製であることを特徴とする請求項1又は2に記載の成果収穫鋏。
  4. 前記握り部が鋼製であり、
    前記握り部と前記刃部とは溶接によって接続され、かつ、
    前記握り部と溶接箇所とが被覆材によって被覆されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の成果収穫鋏。
  5. 長手方向断面における前記反り形状の反り長さ及び反り高さが、それぞれ、20mm〜40mm及び10mm〜20mmの範囲であり、かつ、
    柿の収穫に使用されることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の成果収穫鋏。
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