JP3193655B2 - 海苔養殖施設を構成する綱類通過装置、海苔養殖施設を構成する綱類通過装置を用いた海苔網薬剤処理装置および海苔養殖施設を構成する綱類通過装置を用いた海苔作業船 - Google Patents

海苔養殖施設を構成する綱類通過装置、海苔養殖施設を構成する綱類通過装置を用いた海苔網薬剤処理装置および海苔養殖施設を構成する綱類通過装置を用いた海苔作業船

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JP3193655B2
JP3193655B2 JP01250297A JP1250297A JP3193655B2 JP 3193655 B2 JP3193655 B2 JP 3193655B2 JP 01250297 A JP01250297 A JP 01250297A JP 1250297 A JP1250297 A JP 1250297A JP 3193655 B2 JP3193655 B2 JP 3193655B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、海苔の養殖場に展
張されている海苔網および海苔網に繁殖した海苔に対し
て各種薬剤処理を行ったり、前記海苔を刈取ったりする
場合に用いられる海苔養殖施設を構成する綱類通過装
置、海苔養殖施設を構成する綱類通過装置を用いた海苔
網薬剤処理装置および海苔養殖施設を構成する綱類通過
装置を用いた海苔作業船に関する。ここで海苔養殖施設
を構成する綱類とは、海苔網を養殖場において所定位置
に展張するために必要な縁綱、側綱、吊り綱等の綱類の
総称を意味する。
【0002】
【従来の技術】一般に、海苔養殖は海苔網に浮子を取付
けて海面部分に浮かすようにして展張して錨で止めるべ
た方式や、海中に立設した支柱に海苔網を係留して展張
した支柱方式により行なわれている。この両方式の使い
分けは、養殖場の立地条件により決定されている。
【0003】また、このような海苔養殖においては、海
苔網および海苔網に繁殖する海苔の表面に、海水の水垢
やゴミ等の浮遊物が付着したり、雑菌が繁殖したりする
など、海苔の品質を低下させる要因があり、高品質で健
康な海苔を育成し、収穫率を向上させるために、海苔の
刈取りから刈取りの間に、海苔網および海苔網に繁殖す
る海苔に対して濃塩水処置を施したり、栄養分を付与し
たり、酸処理を施したりする各種の薬剤処理作業が行な
われている。
【0004】このような海苔網に対する薬剤処理は、図
示しない適宜な作業船に、海苔網薬剤処理装置を搭載
し、海面に展張されている海苔網を、各種薬剤からなる
処理液が入った薬剤処理液槽内に所定時間浸漬させなが
ら通過させ、再び海面に展張するようにしている。
【0005】この種の従来の海苔網薬剤処理装置の一例
としては、所望の薬剤が投入される平面略矩形の薬剤処
理液槽と、この薬剤処理液槽内に海苔網の通過方向と直
交する方向(海苔網の幅方向)に平行に配置される断面
略円形のフロート部材とを有するものが知られている。
この海苔網薬剤処理装置は、薬剤処理液槽内に適宜な薬
剤からなる処理液を入れるとともに、薬剤処理液槽を通
過する海苔網を上方から処理液中に押さえるようにして
前記フロート部材を処理液の液面に浮かべるようにされ
ている。すなわち、海苔網は主として薬剤処理液槽内の
処理液の液面に浮遊しているフロート部材の処理液との
接触部分において、処理液に浸漬されるようにされてい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来においては、海苔
網の薬剤処理を能率よく迅速に行なうために、エンジン
やスクリュー等からなる推進機等の自走機構を備えた自
走式の海苔作業船の甲板上に前記海苔網薬剤処理装置を
搭載して、海面に展張されている海苔網の下を海苔作業
船が潜る間に海苔網を薬剤処理液槽内の処理液中に浸漬
させて薬剤処理を行なうようにしている。
【0007】ところが、前記フロート部材は薬剤処理液
槽若しくは海苔作業船には全く拘束されておらず、しか
も海苔網上に単に載置されている構成であるために、海
苔網から大きな上向きの反発力受けるので、海苔網の展
張力が変化したり、船が揺れたりした場合に、処理液槽
から飛び出してしまい、処理が不可能となるという不都
合があった。
【0008】そこで、従来から海苔網を常に処理液中に
浸漬でき、自走式の海苔作業船に好適な海苔網処理装置
の開発が要望されていた。
【0009】また、海苔作業船において船上に掬い上げ
られて後方に移動している海苔網および海苔養殖施設を
構成する綱類をスムースに通過させつつ海苔網より上方
位置に所望の部材を支持することができるとともに、構
成が簡単であり、軽量で、コストも低廉な海苔養殖施設
を構成する綱類通過装置の開発が要望されていた。
【0010】本発明はこれらの点に鑑みてなされたもの
であり、海苔網および海苔養殖施設を構成する綱類をス
ムースに通過させつつ前記綱類より上方位置に所望の部
材を支持することができるとともに、構成が簡単であ
り、軽量で、コストも低廉な海苔養殖施設を構成する綱
類通過装置を提供し、また、前記海苔養殖施設を構成す
る綱類通過装置を利用して海苔網浸漬体を処理液槽に対
して常に所定位置関係に保持し、海苔網および前記綱類
をスムーズに通過させることができ、海苔網を確実に処
理液槽中の処理液中に浸漬通過させることができ、適正
な処理を施すことのできる海苔網処理装置を提供し、ま
た前記海苔養殖施設を構成する綱類通過装置を利用して
薬剤処理や海苔の刈取りを施すことのできる海苔作業船
を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】前述した目的を達成する
ため本発明の海苔養殖施設を構成する綱類通過装置は、
海苔養殖施設を構成する綱類が上面を通過する下方部
材と、この下方部材上に接離自在にして載置されている
上方部材と、前記両部材間を前記綱類が通過している際
に前記上方部材を下方部材に対して一定位置に保持する
上方部材保持機構とを備えることにより、上下の部材間
を前記綱類と一緒に海苔網を通過させるようにしてい
る。
【0012】また、前記海苔養殖施設を構成する綱類通
過装置を海苔網薬剤処理装置の綱類通過部分に適用する
ことにより、即ち、綱類通過装置における下方部材を薬
剤が投入される薬剤処理液槽の両側にそれぞれ配設し、
前記薬剤処理液槽の上部を前記綱類と一緒に通過する海
苔網を薬剤処理液槽中の処理液中に押し下げて浸漬させ
る海苔網浸漬体を前記両側の上方部材によって支持する
ように配設することにより、上下の海苔網浸漬体と薬剤
処理液槽との間を綱類と一緒に海苔網を通過させ、海苔
網浸漬体により海苔網を薬剤処理液槽内の薬材中に確実
に浸漬させて薬剤処理させるようにしている。
【0013】また、このように形成されている海苔網薬
剤処理装置を海苔作業船に搭載したり、海苔網から海苔
を刈取る刈取り機を更に搭載することにより、海苔作業
船を海苔網の下を潜らせる間に海苔網や海苔に対する薬
剤処理並びに海苔の刈取りを自動的に極めて良好に行な
うようにしている。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図1
から図12について説明する。
【0015】図1は本発明の海苔養殖施設を構成する綱
類通過装置(以下、綱類通過装置という)を利用して形
成されている海苔網薬剤処理装置を搭載した海苔作業船
を示している。
【0016】図1に示すように、海苔作業船Aによる海
苔の刈取りや海苔網Bに対する薬剤処理は次のようにし
て行なわれる。
【0017】すなわち、スクリューD等の自走機構を備
えた海苔作業船Aを操舵室Cにおいて操船しながら、海
苔作業船Aの前方の水面中に張出すように設けられてい
る前部案内部材Eによってべた方式で海面に展張されて
いる海苔網Bを掬い上げるようにして海苔作業船Aを海
苔網Bの下に潜るようにして進行させて行き、甲板の前
方部分に配設されている刈取り機Fにより海苔網Bから
海苔を刈取り、続いて刈取り機Fの後方に配置されてい
る海苔網薬剤処理装置Gの薬剤処理液槽H内の薬剤中に
海苔網Bを浸漬通過させることにより所定の薬剤処理を
施し、船の後方に張出された後部案内部材Iにより海苔
網Bを薬剤処理後所定時間空中に保持して薬剤を海苔網
Bに十分に浸透させてから、再び海苔網Bを水面に展張
させるようにしている。
【0018】図2から図6は海苔網薬剤処理装置の1実
施形態を示している。
【0019】本実施形態における海苔網薬剤処理装置1
は、海苔作業船A上に設置されるとともに酸処理剤や濃
塩水等が入れられる薬剤処理液槽2と、この薬剤処理液
槽2の左右両側に設置されている1対の綱類通過装置
3、3と、これらの綱類通過装置3、3によって支持さ
れているとともに、薬剤処理液槽2の上部を通過する海
苔網Bを薬剤処理液槽2中の処理液4中に上方から押し
下げて浸漬させる海苔網浸漬体5とをもって形成されて
いる。前記綱類通過装置3は、前記薬剤処理液槽2に対
して前記海苔網浸漬体5を上方に浮かして支持するもの
である。これによって、薬剤処理液槽2と海苔網浸漬体
5との間を海苔網Bと綱類の1種である吊り綱Ba等が
自由に通過できる。これらの海苔網Bと吊り綱Baとは
図2、図3、図5、図6および図10から図12におい
て羽根矢印方向に進行する。
【0020】本実施形態においては、海苔作業船A上に
掬い上げた吊り綱Baを下から支えて後方へ案内する左
右1対の断面円形のほぼ水平な案内部材6、6の間に薬
剤処理液槽2を設置している。そして、各案内部材6上
にそれぞれ綱類通過装置3を配設している。本実施形態
の綱類通過装置3においては、前記案内部材6が吊り綱
Baが上面を通過する下方部材となる。この案内部材6
上に上方部材7が接離自在にして載置されているととも
に、上方部材保持機構8によって上方部材7と案内部材
6との間を吊り綱Baが通過している際に上方部材7を
案内部材6に対して一定位置に保持するようにされてい
る。前記上方部材7は、2本の平行な主ロッド9、9の
前後2箇所に下方に突出するように湾曲する下方湾曲部
10、10を形成し、各下方湾曲部10の湾曲途中をそ
れぞれ連結材11、11によって連結して一体化し、前
後2本の連結材11、11を主ロッド9と平行で下方に
突出するように若干湾曲している中間ロッド12により
連結して形成されており、左右2つの下方湾曲部10、
10によって案内部材6を跨ぐようにして載置されてい
る。また、各主ロッド9の前方端は1箇所に連結され、
そこから吊り綱Baを確実に下方湾曲部10と案内部材
6との間に導くガイドロッド9aが前方に向けて延設さ
れている。各下方湾曲部10は、吊り綱Baの通過を可
能とするとともに、案内部材6と係合することにより上
方部材7の左右方向への移動を阻止する作用を発揮す
る。また、案内部材6の前記各中間ロッド12の後方位
置には、それぞれ中間ロッド12と係合して上方部材7
の後方への移動を阻止する作用を発揮するストッパ13
が突設されている。更に、上方部材7はその自重により
上方への移動を阻止されるようになっている。従って、
本実施形態における上方部材保持機構8は、案内部材6
と各下方湾曲部10との係合部、中間ロッド12とスト
ッパ13との係合部および上方部材7の自重とにより形
成されている。
【0021】また、前記海苔網浸漬体5は、左右1対の
上方部材7、7の主ロッド9、9間に連結ロッド14を
掛け渡し、この連結ロッド14から薬剤処理液槽2の処
理液貯留部18内に延びるように複数本(本実施形態に
おいては4本)の略U字形をしたロッド状の浸漬バー1
5、15を延設し、各浸漬バー15の後端部を後端部材
16により連結して形成されている。この薬剤処理液槽
2は海苔網Bの横幅より広い幅を有する略長方形状に形
成されており、内部に立設した隔壁17により内側の処
理液4が貯留される処理液貯留部18とその外側のオー
バーフロー部19とに分割されている。処理液貯留部1
8内には図示しない処理液供給装置から処理液4が供給
されて、常に所定量の処理液4が貯留されるように制御
されている。また、図3および図5の鎖線に例示するよ
うに、処理液4の左右方向への揺れを防止するために、
各浸漬バー15の上部にパンチングメタルなどにより多
数の孔が形成された平板状の薬剤揺動防止部材20を立
設するようにして固着するとよい。
【0022】次に、前述した構成からなる本実施形態の
作用を説明する。
【0023】海苔網Bに薬剤処理を施す場合に、海苔作
業船Aが海苔網Bの下に潜って行くと、海苔網Bが薬剤
処理液槽2の処理液貯留部18内に海苔網浸漬体5の浸
漬バー15、15によって上から下方に押付けられて強
制的に処理液4内に浸漬させられて、適正な処理が施さ
れる。この時、海苔網Bの吊り綱Baは、案内部材6上
を後方に移動し、綱類通過装置3の主ロッド9の下方湾
曲部10の部分に達すると、図6に示すように、海苔作
業船Aの進行力により綱類通過装置3および海苔網浸漬
体5の自重の総和に抗して下方湾曲部10を持ち上げる
ようにしながら後方へ移動することにより下方湾曲部1
0と案内部材6との間をスムースに通過する。この下方
湾曲部10と案内部材6との間を通過するのは吊り綱B
aだけであるから、吊り綱Baによる上方部材7を持ち
上げようとする上向きの力は比較的小さいので、前記上
方部材保持機構8によって上方部材7は常に案内部材6
に対して一定位置に保持されることとなる。
【0024】その後、吊り綱Baは同様にして各上方部
材7の下方湾曲部10と案内部材6との間を通過して行
く。
【0025】このようにして綱類通過装置3は吊り綱B
aの通過を許容するとともに、薬剤処理液槽2と海苔網
浸漬体5との相対位置関係を一定位置に保持することが
でき、すなわち横揺れ、立て揺れを防止することがで
き、そして、海苔網Bと海苔網浸漬体5との相対位置関
係をも一定位置に保持することができるので、海苔網B
に対する処理を常に適正なものとすることができる。更
に、本実施の形態においては、浸漬バー15に固着され
ている薬剤揺動防止部材20が、海苔網作業船Aと一緒
に薬剤処理液槽2が揺れた時に、薬剤処理液槽2内の処
理液4の揺れを小さく抑えることができ、これにより処
理液4の不規則な移動を確実に防止することができる。
これにより処理液4の揺れに起因する重心の変動量を小
さく抑えて、海苔作業船Aの安定性を向上させ、かつ、
薬剤処理液槽2内において海苔網Bを確実に処理液4内
に浸漬させることにより、海苔網Bに対する薬剤処理を
常に均一に施すことができる。
【0026】本実施形態における綱類通過装置3は、ロ
ッド材を組み合わせることにより形成されているため
に、複雑なメカニズムが不要となり、構成が簡単で、軽
量であり、コストが非常に低廉となり、しかも吊り綱B
aをスムースに通過させることができるものである。
【0027】また、海苔網浸漬体の構成は前記実施形態
に限定されるものではなく、変更可能であり、例えば、
図7に示すように、上方部材7、7の間に略U字形のロ
ッド21を掛渡すとともに、海苔網Bを押さえるローラ
22をロッド21に回転自在に取付けてもよい。
【0028】次に、前述した構成からなる本発明の海苔
作業船の作用について説明する。
【0029】海苔作業船Aの進行に伴って、刈取り機F
により海苔網Bから海苔が刈取られ、続いて海苔網薬剤
処理装置1により、海苔網Bが海苔網浸漬体5の下を潜
って処理液4に浸漬される間に、刈取り後の海苔網Bに
対して薬剤処理の1態様である酸処理を均一に施し、更
に、後部案内部材Iの後端部まで相対移動する間に酸処
理剤を海苔の細胞内に十分に浸透させ、また、葉体に付
着している雑菌を殺菌させる。
【0030】なお、図2から図7に示す実施形態におい
ては、綱類通過装置を海苔網薬剤処理装置1に適用して
いるが、本発明の綱類通過装置は海苔網薬剤処理装置以
外にも同様にして適用することできる。
【0031】例えば、図8および図9は、海面に展張さ
れている間に海苔網Bに付着したごみ等を、海苔網Bを
海苔作業船Aに掬い上げる前に除去するごみ除去装置に
綱類通過装置を適用したものである。
【0032】海苔網Bには海面に浮遊している種々のご
みが付着しているので、このごみを除去しないまま刈り
取り機Fにより海苔網Bから海苔を刈り取ると、海苔に
ごみが混ざってしまう。このようにして海苔に混ざって
しまったごみの除去は非常に困難であり、製品としての
海苔の品質を低下させる大きな原因となる。
【0033】そこで、海苔網Bが海面に展張されている
間にごみを除去することができ、ごみが付着していない
海苔だけが繁殖している海苔網Bを海苔作業船Aに掬い
上げさせることのできるごみ除去装置の開発が要望され
ていた。
【0034】図8および図9に示すごみ除去装置はこの
要望を満たすとともに簡単な構成で、軽量であり、コス
トも低廉なごみ除去装置を提供するものである。
【0035】本実施形態のごみ除去装置23は、海苔作
業船Aの船首部の前部案内部材E上に載置されており、
図2から図7の実施形態と同一部分には同一符号を付し
て説明する。
【0036】前部案内部材Eは、略U字形をしており、
先端部を船首より前方の海面内に水没させるようにして
海苔作業船Aから張り出されている。ごみ除去装置23
は前部案内部材Eを形成する左右の案内部材6上に設置
されている綱類通過装置3、3と、これらの綱類通過装
置3、3によって支持されているとともに、前部案内部
材Eの先端部より前方において海苔網Bを海面内に強制
的に水没させる海苔網水没体24とによって形成されて
いる。綱類通過装置3は前記実施形態と同様に形成され
ているので、詳細な説明を省略する。海苔網水没体24
は、左右1対の綱類通過装置3、3の上方部材7、7の
主ロッド9、9間に連結ロッド25を掛け渡し、この連
結ロッド25から前部案内部材Eの先端部より前方まで
達する長さを有する略U字形をした水没バー26を延設
し、水没バー26の先端部に海苔網B上を転動しながら
海苔網Bを押し下げるローラ27を回転自在に配設して
形成されている。このローラ27の長さは海苔網Bの幅
より大きく形成しておくとよい。また、ローラ27の後
方には、海苔網Bから除去されて海面部分を浮遊するご
みが、前部案内部材Eによって掬い上げられている海苔
網Bに再び付着するのを防止するために、少なくとも海
苔網Bより外側まで排除するごみ排除スクレーパ28が
水没バー26に固着されている。このごみ排除スクレー
パ28は海水を通過させる網製としたり、海水を通過さ
せない板製等としたり、設置目的に応じて適宜の素材を
選択するとよい。なお、水没バー26および前部案内部
材Eを、それぞれ前後の長手方向の途中から屈曲自在に
形成して、不必要な時にはそれぞれの前方部を海苔作業
船A上に折り返すようにするとよい。また、吊り綱通過
装置3は前部案内部材Eのどの位置に設置する要にして
もよいことは勿論である。
【0037】次に、本実施形態のごみ除去装置23の作
用を説明する。
【0038】水没バー26および前部案内部材Eを、そ
れぞれ図8および図9に示すように先端部を海水中に水
没させた状態にして、海苔網Bの端から海苔作業船Aを
進行させて行くと、先ず水没バー26の先端部のローラ
27が海苔網Bの上に乗り上がると同時に海苔網Bを強
制的に海水中に水没させる。これにより海苔網Bおよび
海苔の葉体に付着しているごみが、ローラ27にしごか
れたり自身の浮力により海苔網B等から離れて海面部分
に浮遊する。海面部分に浮遊しているごみは、その後ご
み排除スクレーパ28によって海苔網Bの左右両側端よ
り外側へ排除させられる。このようにしてごみを確実に
除去された海苔網Bは、前部案内部材Eの先端部から次
第に海苔作業船A上に掬い上げられて行く。その後、海
苔網Bおよび吊り綱Baは海苔網水没体24を支持して
いる綱類通過装置3の部分に達し、前記実施形態におけ
る場合と同様にして、綱類通過装置3の上方部材7と前
部案内部材Eとの間をスムースに通過してゆく。
【0039】このように本実施形態によれば、海苔網B
が海面に展張されている間にごみが確実に除去され、ご
みが付着していない海苔だけが繁殖している海苔網Bを
海苔作業船Aに掬い上げさせることができ、ごみの混合
していない高品質の海苔を提供することができる。
【0040】その後、海苔作業船Aの進行に伴って、刈
取り機Fにより海苔網Bから海苔が刈取られ、続いて海
苔網薬剤処理装置1により、海苔網Bが海苔網浸漬体5
の下を潜って処理液4に浸漬される間に、刈取り後の海
苔網Bに対して薬剤処理の1態様である酸処理が均一に
施され、更に、後部案内部材Iの後端部まで相対移動す
る間に酸処理剤が海苔の細胞内に十分に浸透され、ま
た、葉体に付着している雑菌が殺菌される。
【0041】図10から図12は綱類通過装置の他の実
施形態を示すものである。
【0042】本実施形態においては、海苔作業船A上に
掬い上げた吊り綱Baを下から支えて後方へ案内する案
内部材を前側案内部材6aと後側案内部材6bに分割
し、それぞれの後部と前部とを重複するようにして海苔
作業船Aの両側部に配設している。そして、両案内部材
6a、6bの交差部分の上に本実施形態の綱類通過装置
3aを配設している。本実施形態の綱類通過装置3aに
おいては、前記案内部材6a、6bが吊り綱Baが上面
を通過する下方部材となる。この案内部材6a、6b上
に上方部材7aが接離自在にして載置されているととも
に、上方部材保持機構8aによって上方部材7aと案内
部材6aとの間を吊り綱Baが通過している際に上方部
材7aを案内部材6aに対して一定位置に保持するよう
にされている。前記上方部材7aは、海苔作業船Aの両
側部に配設した両側の案内部材6a、6bの間に掛け渡
すように形成されている。即ち、前記上方部材7aは、
両側の案内部材6a、6bの間隔とほぼ同長のロッド状
の上水平部材7bと、この上水平部材の両端から下方に
延出された下向き部材7cと、各下向き部材7cの下端
から海苔作業船Aの両側部外方に向けて下水平部材7d
を延出して形成されており、両下水平部材7dをもって
両側の案内部材6a、6bの交差部の上に載置される。
上水平部材7bからは前記実施形態と同様に海苔網浸漬
体5を形成するロッド状の浸漬バー15、15が後方へ
延設されている。下水平部材7dの外方端からは、吊り
綱Baの通過を可能とするとともに、綱類通過装置3a
が海苔作業船Aの内側に外れるのを阻止するために下方
に突出するように湾曲する下方湾曲部10aが延出さ
れ、その下方湾曲部10aの上向き端部からは、吊り綱
Baを確実に下方湾曲部10aと案内部材6a、6bと
の間に導くガイドロッド9aが前方上方に向けて延設さ
れている。上水平部材7bの端部とガイドロッド9aと
の間に、上水平部材7bとほぼ同一水平面内において掛
け渡されている略L字形の水平連結部材29から、吊り
綱Baの通過を可能とするとともに、綱類通過装置3a
が海苔作業船Aの外側に外れるのを阻止するためのロッ
ド状の下向き揺動体30が後側案内部材6bの内側位置
に揺動自在にして垂下されている。この下向き揺動体3
0の下端は後側案内部材6bの水平部分より下方まで達
している。また、下向き部材7cの途中とガイドロッド
9aの途中との間には、横連結材31が掛け渡されてお
り、全体の剛性を維持するように形成されている。ま
た、後側案内部材6bの前側案内部材6aとの交差部よ
り後方位置には、上方部材7aの下水平部材7dと係合
して、上方部材7aが後方へ移動するのを阻止する作用
を発揮する円弧状のストッパ13aが突設されている。
更に、上方部材7aはその自重により上方への移動を阻
止されるようになっている。従って、本実施形態におけ
る上方部材保持機構8aは、案内部材6a、6bと下方
湾曲部10aおよび下向き揺動体30との係合部、下水
平部材7dとストッパ13aとの係合部および上方部材
7aの自重とにより形成されている。
【0043】次に、前述した構成からなる本実施形態の
作用を説明する。
【0044】海苔作業船Aが海苔網Bの下に潜って行く
と、海苔網Bの吊り綱Baは、案内部材6a、6b上を
後方に移動し、綱類通過装置3aの下方湾曲部10aの
部分に達すると、海苔作業船Aの進行力により綱類通過
装置3aおよび海苔網浸漬体5の自重の総和に抗して下
方湾曲部10aの下を潜りつつ上方部材7aの下水平部
材7dを持ち上げるようにしながら後方へ移動し、更に
下向き揺動体30を水平連結部材29を回転中心として
後方へ持上げるように揺動させながら後方へ移動するこ
とにより、上方部材7aと案内部材6a、6bとの間を
スムースに通過する。吊り綱Baが通過した後には、上
方部材7aは下水平部材7dをもって案内部材6a、6
b上に載置され、下向き揺動体30は鉛直位置に戻り、
次の吊り綱Baの通過を待機する。この上方部材7aと
案内部材6a、6bとの間を通過するのは吊り綱Baだ
けであるから、吊り綱Baによる上方部材7aを持ち上
げようとする上向きの力は比較的小さいので、前述した
構成を有する上方部材保持機構8aによって上方部材7
aは常に案内部材6a、6bに対して一定位置に保持さ
れることとなる。特に、本実施形態においては、案内部
材6a、6bとこれらを左右から挟んでいる下方湾曲部
10aおよび下向き揺動体30との係合部により、上方
部材7aが案内部材6a、6bの上から左右方向に外れ
ないようにしており、海苔作業船Aの前後方向の1箇所
の上方部材保持機構8aをもって綱類通過装置3aを形
成することができ、全体構成をコンパクトに形成するこ
とができる。
【0045】また、本発明は、前記実施形態に限定され
るものではなく、必要に応じて変更することができる。
【0046】
【発明の効果】以上説明したように本発明の綱類通過装
置によれば、海苔網の綱類をスムースに通過させつつ綱
類および海苔網より上方位置に所望の部材を支持するこ
とができ、しかも複雑なメカニズムが不要な簡単な構成
となり、軽量であり、コストが非常に低廉となり、ま
た、海苔網処理装置によれば、前記綱類通過装置を利用
して海苔網浸漬体を処理液槽に対して常に所定位置関係
に保持し、海苔網の綱類もスムーズに通過させることが
でき、海苔網を確実に処理液槽中の処理液中に浸漬通過
させることができ、適正な処理を施すことができ、また
前記綱類通過装置を利用して薬剤処理や海苔の刈取りを
施すことのできる海苔作業船を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る綱類通過装置を利用した海苔網
薬剤処理装置を搭載した海苔作業船の構成を示す側面図
【図2】 本発明に係る海苔網薬剤処理装置の実施の形
態の1例をスケルトン的に示す平面図
【図3】 図2のA−A線に沿った断面図
【図4】 図2のB−B線に沿った断面図
【図5】 図2に示す海苔網薬剤処理装置の要部を示す
斜視図
【図6】 綱類通過装置の綱類通過時の要部を示す拡大
側面図
【図7】 海苔網浸漬体の他の例を示す斜視図
【図8】 本発明に係る綱類通過装置を利用したごみ除
去装置を示す図5と同様の斜視図
【図9】 図8の要部を示す側面図
【図10】 綱類通過装置の他の実施形態の要部を示す
斜視図
【図11】 図10の平面図
【図12】 図11のC矢視図
【符号の説明】
1 海苔網薬剤処理装置 2 薬剤処理液槽 3、3a 綱類通過装置 4 処理液 5 海苔網浸漬体 6、6a 案内部材 7、7a 上方部材 8、8a 上方部材保持機構 A 海苔作業船 B 海苔網 Ba 吊り綱 F 刈取り機 G 海苔網薬剤処理装置 H 薬剤処理液槽

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 海苔養殖施設を構成する綱類が上面を通
    過する下方部材と、この下方部材上に接離自在にして載
    置されている上方部材と、前記両部材間を前記綱類が通
    過している際に前記上方部材を下方部材に対して一定位
    置に保持する上方部材保持機構とを有することを特徴と
    する海苔養殖施設を構成する綱類通過装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の海苔養殖施設を構成す
    る綱類通過装置における下方部材を薬剤が投入される薬
    剤処理液槽の両側にそれぞれ配設し、前記薬剤処理液槽
    の上部を海苔養殖施設を構成する綱類と一緒に通過する
    海苔網を薬剤処理液槽中の処理液中に押し下げて浸漬さ
    せる海苔網浸漬体を前記両側の上方部材によって支持す
    るように配設したことを特徴とする海苔養殖施設を構成
    する綱類通過装置を用いた海苔網薬剤処理装置。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の海苔養殖施設を構成す
    る綱類通過装置を用いた海苔網薬剤処理装置を搭載した
    ことを特徴とする海苔養殖施設を構成する綱類通過装置
    を用いた海苔作業船。
  4. 【請求項4】 請求項2に記載の海苔養殖施設を構成す
    る綱類通過装置を用いた海苔網薬剤処理装置および海苔
    網から海苔を刈取る刈取り機を搭載したことを特徴とす
    る海苔養殖施設を構成する綱類通過装置を用いた海苔作
    業船。
JP01250297A 1996-09-30 1997-01-27 海苔養殖施設を構成する綱類通過装置、海苔養殖施設を構成する綱類通過装置を用いた海苔網薬剤処理装置および海苔養殖施設を構成する綱類通過装置を用いた海苔作業船 Expired - Lifetime JP3193655B2 (ja)

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