JP3193548B2 - ポリプロピレン繊維 - Google Patents

ポリプロピレン繊維

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐放射線性の改良され
たポリプロピレン繊維に関し、特にγ線又は電子線など
の放射線照射の後に長時間経過しても臭気の発生が極め
て少ない医療用不織布もしくは手術用縫合糸等の用途に
好適なポリプロピレン繊維を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリプロピレン繊維は各種分野に用いら
れており、特にカーペット、フィルター、ディスポーザ
ブルの防塵衣や手術衣、シーツなどの不織布製品として
有効に用いられている。これらポリプロピレン繊維に
は、一般に紡糸加工時の安定性並びに得られる不織布の
実用耐久性などを付与するために、酸化防止剤、熱安定
化剤など種々の安定剤などが配合されている。
【0003】一方、近年、病院などで使用されているデ
ィスポーザブルの手術衣や手術用シーツ、覆布などの殺
菌は、残留ガス毒性問題及び包装工程の繁雑さなどから
従来のエチレンオキシドガス滅菌法からCo60によるγ
線照射滅菌法に移行の方向にある。しかしながら、上記
の安定剤を配合したポリプロピレン繊維では、放射線照
射並びにその後の時間経過により臭気が発生するという
問題がある。
【0004】これらの臭気の問題を解決するために、既
に注射筒などの成形品については、ポリプロピレンに、
たとえば水添ロジンメチルエステルを配合すること(特
開昭61−213243号公報)などが提案されてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記したような水添ロ
ジンメチルエステルを配合したポリプロピレンを使用し
た場合、注射筒のように表面積の小さい射出成形品での
放射線照射による臭気は、実用上の支障には至らない。
しかし、表面積の大きな繊維の場合では、放射線照射及
びその後の時間経過による臭気の増加が著しいという問
題があった。
【0006】したがって本発明の目的は、これらの臭気
を抑制した医療用不織布製品もしくは手術用縫合糸等の
用途に好適に使用し得るポリプロピレン繊維を提供する
ことにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の問題
点について鋭意研究の結果、ポリプロピレンにスチレン
系樹脂を配合した繊維が、放射線照射およびその後の時
間経過による臭気を著しく低減させ得ることを見出し、
本発明を提案するに至った。
【0008】即ち、本発明は、(1)ポリプロピレン1
00重量部、および(2)スチレン系樹脂0.1〜20
重量部を含有する組成物からなる繊維径が0.05〜1
00デニールの繊維を放射線処理してなるポリプロピレ
ン繊維である。
【0009】本発明で用いられるポリプロピレンは、プ
ロピレン単独重合体、プロピレンとエチレン、ブテン−
1、ペンテン−1、4−メチルペンテン−1、ヘキセン
−1などプロピレン以外のα−オレフィンとのランダム
あるいはブロック共重合体、または、これらの単独重合
体や共重合体の混合物等をあげることができる。
【0010】次に本発明で使用されるスチレン系樹脂
は、スチレン単独重合体の他、スチレン−ブタジエン共
重合体、AS樹脂(アクロロニトリル−スチレン樹
脂)、ABS樹脂(アクロロニトリル−ブタジエン−ス
チレン樹脂)、ACS樹脂(アクロロニトリル−塩素化
ポリエチレン−スチレン樹脂)、AES樹脂(アクロロ
ニトリル−エチレンプロピレンラバー−スチレン樹
脂)、MBS樹脂(メタクリル酸エステル−ブタジエン
−スチレン樹脂)などのスチレンを主成分とする共重合
体またはその混合物を何等制限なく使用でき、特にスチ
レン単独重合体が好適に使用される。スチレン系樹脂の
配合量は、ポリプロピレン100重量部に対して、0.
1〜20重量部、好ましくは0.5〜10重量部の範囲
である。0.1重量部より少ないと臭気低減効果が発現
せず、20重量部より多いと繊維成形性が困難となり好
ましくない。
【0011】また、本発明においては、本発明の効果を
損なわない範囲で、必要に応じて従来公知の安定剤、紫
外線吸収剤、光安定剤、着色剤、帯電防止剤、滑剤、核
剤、難燃剤、充填材を含有してもよい。
【0012】本発明において、上記の組成物は通常の射
出成形品、シート成形品では、全く効果を発現せず、繊
維であることが必須である。これら組成物の繊維化の方
法は、公知の方法・条件で紡糸して得ることができる。
また、ポリプロピレン繊維の繊維径は、0.05〜10
0デニールの範囲であることが本発明の効果を発現させ
るために必要である。繊維径が0.05デニールより小
さいと繊維としての強度が低下して実用に耐えなくな
り、100デニールより大きいと臭気低減効果が発現し
ないので好ましくない。
【0013】また、本発明においては、繊維の加工性を
向上させる目的で、公知の繊維仕上油剤を繊維の表面に
処理することが、本発明の効果を損わない範囲で何ら制
限なくできる。本発明において、放射線照射の方法は、
特に限定されず、たとえば、Co 60 によるγ線照射等の
従来公知の方法を採用すればよい。
【0014】
【効果】本発明のポリプロピレン繊維は、放射線照射お
よびその後の時間経過による臭気の発生が著しく低減さ
れたものである。したがって、本発明のポリプロピレン
繊維は手術衣、手術用シーツ、手術用覆布などに使用さ
れる医療用織布または不織布の原料糸や、手術用縫合糸
などの医療用糸として好適に使用し得る。
【0015】
【実施例】以下の実施例により放射線照射によるポリプ
ロピレン繊維の臭気抑制効果について示すが、本発明は
これらに限定されるものではない。なお実施例中に用い
た記号は下記の通りである。
【0016】1.ポリプロピレン(徳山曹達(株)製:
粉末状) プロピレンホモポリマー(メルトフローレート 20g/10
min) 2.スチレン系樹脂(新日鉄化学(株)製:エスチレン
G−20) スチレンホモポリマー(メルトフローレート 11.5g/10
min) 3.安定剤 A:ビス−(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタ
エリスリトールジホスファイト B:3,9−ビス[2−{3−(3−t−ブチル−4−
ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキ
シ}−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−
テトラキス−スピロ[5,5]ウンデカン C:ジミリスチルチオジプロピオネート D:ステアリン酸カルシウム 4.相溶化剤 E:ベネット GR−10(High Tech Plastics製) 実施例及び比較例 ポリプロピレン繊維の調製および試験方法は以下のよう
にしておこなった。
【0017】(1)予備混合 ポリプロピレン100重量部に、安定剤としてA:0.
05重量部、B:0.05重量部、C:0.20重量
部、D:0.10重量部、相溶化剤としてE:2重量
部、表1の配合量のスチレン系樹脂を配合し、ヘンシェ
ルミキサーで予備混合した。
【0018】(2)ペレット化 上記混合物を50mmφ押出機でペレット化した。
【0019】(3)繊維の作成 上記ペレットを40mmφ紡糸機で繊維を作成し、次い
でゴデットロール温風式延伸機で2倍に延伸した。
【0020】(4)射出成形品の作成 上記ペレットを150ton射出成形機で50mm×5
0mm×1mmtの射出成形品を作成した。
【0021】(5)効果試験 (イ)放射線照射 金属缶に封入した上記繊維及び射出成形品ををCo60−
γ線照射装置を用いて、試料を線量率20kGy/hで
25kGy照射した。
【0022】(ロ)臭気評価 (1)臭気センサーによる評価 照射した金属缶を開封し、臭気度測定装置アラバスター
計により、5分間の臭気を測定した。(金属缶のみを放
射線照射したときの臭気度は30である。) (2)官能試験による評価 パネラー5人による9段階評価で快・不快度を測定し
た。
【0023】(+4:極端に快、+3:非常に快、+
2:快、+1:やや快、0:快でも不快でもない、−
1:やや不快、−2:不快、−3:非常に不快、−4:
極端に不快)
【0024】
【表1】

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)ポリプロピレン100重量部、およ
    び(B)スチレン系樹脂0.1〜20重量部を含有する
    組成物からなる繊維径が0.05〜100デニールの
    維を放射線処理してなるポリプロピレン繊維。
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