JPH07189024A - 改良された臭気特性を有する照射安定化された布地 - Google Patents

改良された臭気特性を有する照射安定化された布地

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JPH07189024A
JPH07189024A JP4060633A JP6063392A JPH07189024A JP H07189024 A JPH07189024 A JP H07189024A JP 4060633 A JP4060633 A JP 4060633A JP 6063392 A JP6063392 A JP 6063392A JP H07189024 A JPH07189024 A JP H07189024A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 電離線の望ましくない作用によって、不愉快
な臭気を発しない照射安定化されたポリプロピレンまた
はプロピレンコポリマーを提供する。 【構成】 式 【化１】 で示されるヒンダードアミン光安定剤またはポリメチル
プロピル ３‐オキシ〔４‐（２，２，６，６‐テトラ
メチル）ピペリジニル〕シロキサンをポリプロピレンま
たはプロピレンコポリマー中に、約０．２５〜２．０重
量％の量で添加する。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、照射安定化された布地
に関し、より好ましくは、改良された臭気特性を有する
照射安定化されたポリプロピレンに関する。
【０００２】
【従来の技術】マスク、ガウン、掛け布、タオル等の使
い捨て外科用布地は、当該技術分野でよく知られてい
る。かかる布地が外科的環境に受入れられるためには、
静電気の蓄積及びそれによる電気火花を防止できる良好
な導電率、撥アルコール性、強度、及び長期の保存寿命
を有さなければならない。かかる布地から作られた衣料
品を滅菌消毒するために、該衣料品をプラスチック容器
内に密閉し、該密閉した容器をγ線または電離線に曝す
ことは公知である。しかしながら、このような照射処理
は、該材料の臭気特性のみならず上記に列挙した物理特
性にも悪い影響を及ぼす。
【０００３】布地の物理特性に対する有害な照射の影響
を回避するために、布地を製造する過程で布地に照射安
定剤を添加することも公知である。しかしながら、これ
ら安定剤は、一般的には、照射処理が布地に与える不快
な臭気を抑制しない。当該技術分野で公知の安定化され
ていない布地及び安定化された布地と比較して低い臭気
レベルの照射処理された布地の一例は、本発明の譲受人
であるキンバリー・クラーク社に譲渡された米国特許第
4,822,666号（以下、'666号特許という）に開示されて
おり、本願は該特許の開示内容を引用によって本明細書
中に含むものである。'666号特許は、３，５‐ジ‐t-ブ
チル‐４‐ヒドロキシ安息香酸の長鎖脂肪族エステルを
使用して安定化した布地を開示している。この安定剤
は、導電率、強度、及び撥水性の如き布地の物理特性を
害することなしに、電離線を使用して布地を滅菌消毒す
ることを可能にする。'666号特許に従って処理された布
地は、滅菌消毒中及び照射後の保存において最小限の強
度損失しか示さないということが経験によって明らかに
なっている。このような布地も、安定化されていない布
地または当該技術分野で知られている通常の滅菌消毒が
施された布地に比較して、低下した臭気レベルしか有さ
ない。しかしながら、かかる布地も依然として十分に気
になる臭気レベルを有しており、更なる改良が望まれる
ところである。
【０００４】'666号特許に従って処理された布地の気に
なる臭気を低減するための当該技術分野における１つの
試みとして、本願の譲受人であるHazlet, N.J.のインタ
ーナショナル・フレイバーズ・アンド・フレイグレンス
社から入手することのできるポリイフ(Polyiff）15086-
00159 ベビーパウダーの如き臭気遮断剤がある。かかる
臭気遮断剤を添加すると、臭気レベルに関して一定の改
善が見られるが、布地は依然として不愉快な臭気レベル
を有しており、その臭気レベルは処理後約１ヵ月間上昇
する。従って、物理特性の低下を来すことなくかつ不愉
快な臭気の発生もなしに、電離線で滅菌消毒することの
できる使い捨て外科用布地が必要とされているのであ
る。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、電離
線の望ましくない作用に対して安定化され、かつ、不愉
快な臭気を有さない照射安定化されたポリプロピレンま
たはプロピレンコポリマーを提供することにある。本発
明の更なる目的は、不愉快な臭気を有することなく、布
地を十分に滅菌消毒できる電離線での処理後及び経時変
化後もその当初の引張強さの少なくとも７０％を維持す
る照射安定化された布地を提供することにある。また、
不愉快な臭気の生成なしに、かつ、その強度、導電率及
び撥アルコール性の低下なしに、γ線照射によって滅菌
消毒することのできる外科用布地を提供することも本発
明の目的である。
【０００６】
【課題を解決するための手段】本発明は、その物理特性
を実質的に崩壊することなくかつ不愉快な臭気を発生す
ることもなく、従来の電離線技術によって滅菌消毒する
ことのできる使い捨て外科用布地を提供することによっ
て、上記の必要性を満たすものである。概略的に説明す
ると、本発明は、アセチル化されたヒンダードアミン光
安定剤を含有するプロピレンポリマーから形成された不
織布を含む照射安定化された布地を提供するものであ
る。より詳しくは、本発明は、該不織布の約０．２５〜
２．０重量％の CyasorbＵＶ‐３６６８（シアソルブＵ
Ｖ‐３６６８）を含有するプロピレンポリマーから形成
された不織布を含む照射安定化された布地を提供するも
のである。
【０００７】本発明のもう１つの局面は、シロキサンで
置換された低重合度ヒンダードアミンを含有するプロピ
レンポリマーから形成された不織布を含む照射安定化さ
れた布地を提供することである。更に、より詳しい本発
明の局面は、該不織布の約０．２５〜２．０重量％のポ
リメチルプロピル ３‐オキシ〔４‐（２，２，６，６
‐テトラメチル）ピペリジニル〕シロキサンを含有する
プロピレンポリマーから形成された不織布を含む照射安
定化された布地を提供することである。本発明のその他
の目的、特徴、及び効果は、以下の本発明の態様に関す
る詳細な説明を読むことによって明らかになるであろ
う。
【０００８】ポリプロピレンまたはプロピレン‐エチレ
ンコポリマーから作られた外科用布地は、外科用布地に
形成する前に、アセチル化されたヒンダードアミン光安
定剤またはシロキサンで置換された低重合度ヒンダード
アミンのいずれかを該ポリマーに添加することによっ
て、物理特性及び該布地の臭気特性への電離線の有害な
作用に対して安定化され得る。１つの応用においては、
安定化された外科用布地は、スパンボンドされたポリプ
ロピレン(spun-bonded polyprppylene）の２外側層の間
に挟まれたポリプロピレン布地のメルト‐ブローン（me
lt-blown）層の積層体からなる。該スパンボンドされた
ポリプロピレンは、以下の特許で説明された方法に従っ
て製造することができる：ドルシュナーらの米国特許第
3,692,618号、キニーの米国特許第 3,338,992号及び
3,341,394号、レビーの米国特許第 3,502,538号、ハー
トマンの米国特許第 3,502,763及び 3,909,009号、ドボ
らの米国特許第 3,542,615号、モーマンらの米国特許第
4,405,297号、及びハーモンのカナダ特許第 803,714
号。連続したフィラメントで製造されたスパンボンドさ
れた材料は、一般に、３つの一般的特徴を有している。
第１に、該ポリマーは紡糸口金を通って連続的に押し出
されてバラバラのフィラメントを形成する。その後、ポ
リマーフィラメントの分子を配向させかつ靭性を付与す
るために、切断することなく、機械的にかまたは空気圧
を使用して、該フィラメントを延伸する。最後に、移動
ベルトの上に実質的にランダムに載せて布を形成させ
る。
【０００９】メルト‐ブローン内側層も通常のものであ
り、その構造は、ＮＲＬリポート４３６４の V. A.ベン
ト(Wendt), E. L.ブーン（Boon) 及びフルハーティ（Fl
uharty）による「マニュファクチャー・オブ・スーパー
ファイン・オルガニック・ファイバーズ（超微細有機繊
維の製造）」、ＮＲＬリポート５２６５の K. D.ローレ
ンス（Lawrence), R. T.ルーカス (Lukas)及び J. A.ヤ
ング (Young)による「アン・インプルーブド・デバイス
・フォー・ザ・フォーメーション・オブ・スーパー・フ
ァイン・サーモプラスチック・ファイバーズ（超微細熱
可塑性樹脂形成用の改良っされた装置）」；及びバンチ
ン（Buntin）らに１９７４年１１月１９日に発行された
米国特許第 3,849,241号に説明されている。
【００１０】ポリプロピレンまたはポリプロピレンコポ
リマーのスパンボンドされた布の間に挟まれたメルト‐
ブローン布からなる外科用布地は、「ノンボーバン・サ
ーモプラスチック・ファブリック（熱可塑性樹脂不織
布）」についてのブロック(Brock）らの米国特許第 4,0
41,203号に従って作ることができる。かかる布地はキン
バリー‐クラーク社によって製造され、ヘルスケアー製
品において使用され、SPUNGUARD という商標で販売され
ている。かかる外科用布地につき、ポリプロピレンのホ
モポリマーまたはコポリマーの不織布を表面処理剤で処
理して、撥アルコール性を付与し、導電率を高め、それ
によって、静電気の蓄積を抑制することが通例である。
撥アルコール性及び導電性を付与するため、ドクターロ
ールを使用して、約２．１５重量％のフッ素化炭化水素
ポリマー、０．０９重量％の硝酸リチウム、０．０７重
量％のヘキサノール及び９７．０６重量％の水を含む混
合液を布地の表面に適用する。このフッ素化炭化水素ポ
リマーは、３Ｍカンパニー（St. Paul, Minn）によって
製造された３Ｍ FC 808 である。該処理によって、布の
重量の百分率で０．３％のフッ素化炭化水素ポリマーと
０．０３％の硝酸リチウムが乾燥物上に付加される。か
かる処理は、ハルトマン(Hultman）らの米国特許第 4,1
11,605号にも記載されている。
【００１１】先に記載したように、該外科用布地は外科
用製品に加工され、プラスチック容器内に密閉されて、
電離線照射に付されて滅菌消毒される。ポリプロピレン
またはポリプロピレン‐ポリエチレンコポリマーを含む
ポリプロピレンのコポリマーは、照射によって悪影響を
受け、強度、導電率及び撥アルコール性を損ない、か
つ、不愉快な臭気を発生する。当初、ポリプロピレン及
びそのコポリマーの安定化についての試みは、ヒンダー
ドアミン光安定剤に集中した。チバガイギー（Ciba Gei
gy）社（Hawthorne, N.Y.)によって製造されているキマ
ソルブ（Chimassorb）９４４は、分解及び強度に対する
安定性において幾分向上が見られたが、残念ながら、そ
れらは導電率及び撥アルコール性の低下をもたらした。
アメリカン・ヘキスト社（Somerville,N.J.）によって
製造されているホスタビン（Hostavin）ＴＭＮ２０の如
きヒンダードアミン光安定剤は、撥水処理剤と反応して
外科用布地上に好ましくない硝酸塩を堆積する。
【００１２】しかしながら、アセチル化されたヒンダー
ドアミン光安定剤を使用することによって、ポリプロピ
レン及びポリプロピレンのコポリマーを安定化でき、そ
れによって、不愉快な臭気を発生することなしに、布地
の全物理特性を実質的に維持できることが見出された。
効果的に利用できる具体的な安定剤は、商標 CyasorbＵ
Ｖ‐３６６８（シアソルブＵＶ‐３６６８）で販売さ
れ、アメリカン・シアナミド社（Wayne, N.J.)によって
製造されている。最良の結果を得るには、布を形成する
前に、シアソルブＵＶ‐３６６８を布の重量の０．２５
〜２．０重量％の範囲の量でポリマーまたはコポリマー
に添加する。シアソルブＵＶ‐３６６８は、４９９の分
子量を有し次の構造式を有する。
【００１３】
【化２】
【００１４】また、安定剤として、シロキサンで置換さ
れた低重合度ヒンダードアミンを使用することによっ
て、同様な結果が得られることが見出された。具体的に
は、かかるシロキサンは、商標 Uvasil-２９９（ウバシ
ル‐２９９）で販売され、エニケム・アメリカズ（Enic
hem Americas）社（New York, N.Y.）によって製造され
ているポリメチルプロピル ３‐オキシ〔４‐（２，
２，６，６‐テトラメチル）ピペリジニル〕シロキサン
である。最良の結果を得るには、ウバシル‐２９９を布
を形成する前に、布の重量の０．２５〜２．０重量％の
範囲の量で、ポリマーまたはコポリマーに添加する。本
発明の安定剤は、'666号特許のシアソルブＵＶ‐２９０
８に代えて、'666号特許の実施例２に記載されている如
くして布地に添加することができる。
【実施例】臭気テストは、本発明の安定剤を有する布地
の臭気を'666号特許の安定剤を有する布地（サンプル７
６６）及び安定化されていない布地（サンプル８６７）
と比較することによって行った。テストした布地は、標
準的な製造法を利用して形成されたスパンボンド布地で
あった。テスト結果を表１に示した。
【００１５】
【表１】 表 １ ─────────────────────────────────── サンプル 組成 臭気の評価 ─────────────────────────────────── ８６７ エクソン３４３５ＲＧ ４．５ ７６６ 布地の重量の２．０％のＳＣＣ５０６５及び ２．９ １．０％のシアソルブＵＶ‐２９０８を有する エクソン３４３５ＲＧ ８４２ 布地の重量の２％のＳＣＣ５０６５及び １．７ １．０％のシアソルブＵＶ‐３６６８を有する エクソン３４３５ＲＧ ８４１ 布地の重量の２％のＳＣＣ５０６５及び １．１ １．０％のウバシル‐２９９を有する エクソン３４３５ＲＧ ─────────────────────────────────── エクソン３４３５ＲＧは、米国テキサス州ヒューストン
のエクソン社から入手できるポリプロピレン樹脂であ
る。ＳＣＣ５０６５は、スタンドリッジ（Standridge）
・カラー・コーポレーション（Social Circle, Georgi
a）から入手できる中和剤である。ＳＣＣ５０６５は臭
気に対して効果を有しない。臭気の評価は、０（無臭）
から６（強い臭気）までの臭気レベルで評価するパネリ
ストによって行われた主観テストであった。以上の記載
は、本発明の好ましい態様に関するものであり、特許請
求の範囲に規定した本発明の技術的思想及び範囲から逸
脱することなく、変更または改変をなし得るものであ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 // Ｄ０６Ｍ 101:20

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 アセチル化されたヒンダードアミン光安
    定剤を含有するプロピレンポリマーから形成された不織
    布を含む照射安定化された布地。
  2. 【請求項２】 アセチル化されたヒンダードアミン光安
    定剤が、分子量４４９を有するものである請求項１記載
    の布地。
  3. 【請求項３】 前記アセチル化されたヒンダードアミン
    光安定剤が、式 【化１】 で示される請求項１記載の布地。
  4. 【請求項４】 プロピレンポリマーが、ポリプロピレン
    である請求項１記載の布地。
  5. 【請求項５】 プロピレンポリマーが、ポリプロピレン
    ‐エチレンコポリマーである請求項１記載の布地。
  6. 【請求項６】 アセチル化されたヒンダードアミン光安
    定剤が、不織布の約０．２５〜２．０重量％の量で不織
    布中に存在する請求項１記載の布地。
  7. 【請求項７】 アセチル化されたヒンダードアミン光安
    定剤が、不織布の約０．２５〜２．０重量％の量で不織
    布中に存在する請求項２記載の布地。
  8. 【請求項８】 アセチル化されたヒンダードアミン光安
    定剤が、不織布の約０．２５〜２．０重量％の量で不織
    布中に存在する請求項３記載の布地。
  9. 【請求項９】 アセチル化されたヒンダードアミン光安
    定剤が、不織布の約０．２５〜２．０重量％の量で不織
    布中に存在する請求項４記載の布地。
  10. 【請求項１０】 アセチル化されたヒンダードアミン光
    安定剤が、不織布の約０．２５〜２．０重量％の量で不
    織布中に存在する請求項５記載の布地。
  11. 【請求項１１】 シロキサンで置換された低重合度ヒン
    ダードアミンを含有するプロピレンポリマーから形成さ
    れた不織布を含む照射安定化された布地。
  12. 【請求項１２】 シロキサンで置換された低重合度ヒン
    ダードアミンが、ポリメチルプロピル ３‐オキシ〔４
    ‐（２，２，６，６‐テトラメチル）ピペリジニル〕シ
    ロキサンである請求項１１記載の布地。
  13. 【請求項１３】 プロピレンポリマーが、ポリプロピレ
    ンである請求項１１記載の布地。
  14. 【請求項１４】 プロピレンポリマーが、ポリプロピレ
    ン‐エチレンコポリマーである請求項１１記載の布地。
  15. 【請求項１５】 シロキサンで置換された低重合度ヒン
    ダードアミンが、不織布の約０．２５〜２．０重量％の
    量で不織布中に存在する請求項２記載の布地。
  16. 【請求項１６】 シロキサンで置換された低重合度ヒン
    ダードアミンが、不織布の約０．２５〜２．０重量％の
    量で不織布中に存在する請求項１２記載の布地。
  17. 【請求項１７】 シロキサンで置換された低重合度ヒン
    ダードアミンが、不織布の約０．２５〜２．０重量％の
    量で不織布中に存在する請求項１３記載の布地。
  18. 【請求項１８】 シロキサンで置換された低重合度ヒン
    ダードアミンが、不織布の約０．２５〜２．０重量％の
    量で不織布中に存在する請求項１４記載の布地。
JP4060633A 1991-03-29 1992-03-17 改良された臭気特性を有する照射安定化された布地 Expired - Lifetime JP3014205B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US07/677226 1991-03-29
US07/677,226 US5200443A (en) 1991-03-29 1991-03-29 Radiation stabilized fabric having improved odor characteristics containing an hindered amine compound

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JPH07189024A true JPH07189024A (ja) 1995-07-25
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EP (1) EP0505775B1 (ja)
JP (1) JP3014205B2 (ja)
KR (2) KR920018285A (ja)
AU (1) AU653385B2 (ja)
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