JP3193431B2 - 油圧装置の補給油供給制御装置 - Google Patents
油圧装置の補給油供給制御装置Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エンジンにより駆動さ
れる油圧装置に関し、さらにはその油圧装置に補給油を
供給する補給油供給制御装置に関する。
れる油圧装置に関し、さらにはその油圧装置に補給油を
供給する補給油供給制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】油圧装置を駆動するエンジンの始動性を
良くする方法は、例えば、特開昭63−145869号
公報や同63−145870号公報において提案されて
いる。これらは、エンジンの停止時に、油圧装置内から
作動油を排出させることにより、作動油の粘性抵抗を減
少させ、エンジンの始動負荷を軽減しようとするもので
ある。このような方法は、特に作動油の粘性が大きくな
る低温時におけるエンジンの始動性の向上に有効であ
る。なお、エンジンの停止時に油圧装置内から排出され
た作動油は、エンジンの始動とほぼ同時に補給油として
油圧装置内に供給されるため、油圧装置の正常作動が可
能となる。
良くする方法は、例えば、特開昭63−145869号
公報や同63−145870号公報において提案されて
いる。これらは、エンジンの停止時に、油圧装置内から
作動油を排出させることにより、作動油の粘性抵抗を減
少させ、エンジンの始動負荷を軽減しようとするもので
ある。このような方法は、特に作動油の粘性が大きくな
る低温時におけるエンジンの始動性の向上に有効であ
る。なお、エンジンの停止時に油圧装置内から排出され
た作動油は、エンジンの始動とほぼ同時に補給油として
油圧装置内に供給されるため、油圧装置の正常作動が可
能となる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、低温時
において、エンジンの始動とほぼ同時に補給油が油圧装
置内に供給されると、エンジンの始動直後から負荷が増
加してそのエンジンのアイドル回転数の上昇が抑えられ
てしまうという問題がある。このため、エンジンの暖機
を効率的に行えず、エンジンの始動から長時間、油圧装
置の性能を十分に引き出せないことにもつながる。
において、エンジンの始動とほぼ同時に補給油が油圧装
置内に供給されると、エンジンの始動直後から負荷が増
加してそのエンジンのアイドル回転数の上昇が抑えられ
てしまうという問題がある。このため、エンジンの暖機
を効率的に行えず、エンジンの始動から長時間、油圧装
置の性能を十分に引き出せないことにもつながる。
【0004】本発明は、このような問題に鑑みてなされ
たものであり、エンジンの始動性を良好とする一方、エ
ンジン始動後の暖機運転も効率的に行うことができるよ
うにした油圧装置の補給油供給制御装置を提供すること
を目的としている。
たものであり、エンジンの始動性を良好とする一方、エ
ンジン始動後の暖機運転も効率的に行うことができるよ
うにした油圧装置の補給油供給制御装置を提供すること
を目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の補給油供給制御装置は、油圧装置を駆動
するエンジンの作動時に油圧装置内に補給油を供給する
補給手段と、エンジンの停止時に油圧装置内から作動油
を排出させる排出手段とを備えるとともに、上記補給手
段による油圧装置への補給油の供給開始を、エンジンの
始動時から遅らせる補給遅延手段を備えている。その上
で、補給遅延手段が、補給手段からの補給油圧を調圧す
るレギュレータバルブと、レギュレータバルブにより調
圧された補給油を油圧装置に供給するタイミングを遅ら
せるディレイバルブとから構成され、このディレイバル
ブはバルブ内部空間にスプールを軸方向に移動自在に嵌
合配設して構成される。ディレイバルブにおいて、バル
ブ内部空間をスプールにより区分けして形成されるバル
ブ制御油室に、レギュレータバルブにより調圧された補
給油がオリフィスを通って供給され、一方、バルブ内部
空間をスプールにより区分けしてバルブ制御油室と反対
側に形成されてドレンに繋がるドレン油室に、スプール
をバルブ制御油室側に押圧するスプリングが配設されて
いる。そして、レギュレータバルブから油圧装置に繋が
る油路から分岐したドレン油路がドレン油室に繋がり、
バルブ制御油室内の油圧を受けてスプールがスプリング
の押圧力に抗してドレン油室側に移動されたときにドレ
ン油路を閉止するように構成されている。
めに、本発明の補給油供給制御装置は、油圧装置を駆動
するエンジンの作動時に油圧装置内に補給油を供給する
補給手段と、エンジンの停止時に油圧装置内から作動油
を排出させる排出手段とを備えるとともに、上記補給手
段による油圧装置への補給油の供給開始を、エンジンの
始動時から遅らせる補給遅延手段を備えている。その上
で、補給遅延手段が、補給手段からの補給油圧を調圧す
るレギュレータバルブと、レギュレータバルブにより調
圧された補給油を油圧装置に供給するタイミングを遅ら
せるディレイバルブとから構成され、このディレイバル
ブはバルブ内部空間にスプールを軸方向に移動自在に嵌
合配設して構成される。ディレイバルブにおいて、バル
ブ内部空間をスプールにより区分けして形成されるバル
ブ制御油室に、レギュレータバルブにより調圧された補
給油がオリフィスを通って供給され、一方、バルブ内部
空間をスプールにより区分けしてバルブ制御油室と反対
側に形成されてドレンに繋がるドレン油室に、スプール
をバルブ制御油室側に押圧するスプリングが配設されて
いる。そして、レギュレータバルブから油圧装置に繋が
る油路から分岐したドレン油路がドレン油室に繋がり、
バルブ制御油室内の油圧を受けてスプールがスプリング
の押圧力に抗してドレン油室側に移動されたときにドレ
ン油路を閉止するように構成されている。
【0006】なお、油圧装置に、エンジンにより駆動さ
れる油圧ポンプと、この油圧ポンプに油圧閉回路を介し
て接続された油圧モータとが備えられている場合には、
補給手段にエンジンの作動時に上記油圧閉回路内に補給
油を供給させ、排出手段にエンジンの停止時に上記油圧
閉回路内から作動油を排出させ、さらに、補給遅延手段
に補給手段による上記油圧閉回路内への補給油の供給開
始を、エンジンの始動時から遅らせるようにしても良
い。また、油圧装置に、エンジンにより駆動される油圧
ポンプと、この油圧ポンプを冷却するための冷却用油室
とが備えられている場合には、補給手段にエンジンの作
動時に冷却用油室内に補給油を供給させ、排出手段にエ
ンジンの停止時に冷却用油室内から冷却用作動油を排出
させ、さらに、補給遅延手段に補給手段による冷却用油
室内への補給油の供給開始を、エンジンの始動時から遅
らせるようにしても良い。
れる油圧ポンプと、この油圧ポンプに油圧閉回路を介し
て接続された油圧モータとが備えられている場合には、
補給手段にエンジンの作動時に上記油圧閉回路内に補給
油を供給させ、排出手段にエンジンの停止時に上記油圧
閉回路内から作動油を排出させ、さらに、補給遅延手段
に補給手段による上記油圧閉回路内への補給油の供給開
始を、エンジンの始動時から遅らせるようにしても良
い。また、油圧装置に、エンジンにより駆動される油圧
ポンプと、この油圧ポンプを冷却するための冷却用油室
とが備えられている場合には、補給手段にエンジンの作
動時に冷却用油室内に補給油を供給させ、排出手段にエ
ンジンの停止時に冷却用油室内から冷却用作動油を排出
させ、さらに、補給遅延手段に補給手段による冷却用油
室内への補給油の供給開始を、エンジンの始動時から遅
らせるようにしても良い。
【0007】このような補給油供給制御装置では、エン
ジンの停止時に排出手段により油圧装置(油圧ポンプや
冷却用油室)内から作動油が排出されることにより、エ
ンジンの始動性は良好に維持される。さらに、補給遅延
手段によって、補給手段による油圧装置への補給油の供
給開始をエンジンの始動時から適度に遅らせることによ
り、エンジンの始動後からしばらくはエンジンを低負荷
状態に維持し、その間エンジンのアイドル回転数を十分
に上昇させることができる。特に、補給遅延手段を構成
するディレイバルブにおいて、バルブ制御油室にレギュ
レータバルブにより調圧された補給油がオリフィスを通
って供給されるため、油温に応じてこのオリフィスを通
る油量が変動し、油温が低いときにはスプールによるド
レン油路の閉止タイミングが遅くなって、補給手段によ
る油圧装置への補給油の供給開始タイミングを油温の高
いときより遅くすることができる。
ジンの停止時に排出手段により油圧装置(油圧ポンプや
冷却用油室)内から作動油が排出されることにより、エ
ンジンの始動性は良好に維持される。さらに、補給遅延
手段によって、補給手段による油圧装置への補給油の供
給開始をエンジンの始動時から適度に遅らせることによ
り、エンジンの始動後からしばらくはエンジンを低負荷
状態に維持し、その間エンジンのアイドル回転数を十分
に上昇させることができる。特に、補給遅延手段を構成
するディレイバルブにおいて、バルブ制御油室にレギュ
レータバルブにより調圧された補給油がオリフィスを通
って供給されるため、油温に応じてこのオリフィスを通
る油量が変動し、油温が低いときにはスプールによるド
レン油路の閉止タイミングが遅くなって、補給手段によ
る油圧装置への補給油の供給開始タイミングを油温の高
いときより遅くすることができる。
【0008】また、もう一つの本発明に係る補給油供給
制御装置は、エンジンにより駆動される油圧装置と、エ
ンジンの作動時に油圧装置内に補給油を供給する補給手
段と、エンジンの停止時に油圧装置内から作動油を排出
させる排出手段と、補給手段による油圧装置への補給油
の供給開始を、エンジンの始動時から遅らせる補給遅延
手段とから構成される。その上で、油圧装置は、エンジ
ンにより駆動される油圧ポンプと、この油圧ポンプに油
圧閉回路を介して接続された油圧モータと、油圧ポンプ
を冷却するための冷却用油室とを備えている。補給手段
はエンジンの作動時に油圧閉回路内に補給油を供給する
とともに冷却用油室内に補給油を供給し、排出手段はエ
ンジンの停止時に油圧閉回路内から作動油を排出すると
ともに冷却用油室内から冷却用作動油を排出する。補給
遅延手段は、補給手段による油圧閉回路内への補給油の
供給開始および冷却用油室内への補給油の供給開始を、
エンジンの始動時から遅らせるように構成されており、
油圧閉回路内への補給油の供給開始より遅れて冷却用油
室内への補給油の供給を開始させるように構成されてい
る。この構成の補給油供給制御装置によっても、エンジ
ンの停止時に排出手段により油圧装置(油圧ポンプや冷
却用油室)内から作動油が排出されることにより、エン
ジンの始動性は良好に維持される。さらに、補給遅延手
段によって、補給手段による油圧装置への補給油の供給
開始をエンジンの始動時から適度に遅らせることによ
り、エンジンの始動後もしばらくはエンジンを低負荷状
態に維持し、その間エンジンのアイドル回転数を十分に
上昇させることができる。このとき、油圧閉回路内への
補給油供給を先に開始し、これより遅れて冷却用油脂津
内への補給油への供給を開始するため、エンジン負荷が
これに応じて段階的に増加する制御となる。
制御装置は、エンジンにより駆動される油圧装置と、エ
ンジンの作動時に油圧装置内に補給油を供給する補給手
段と、エンジンの停止時に油圧装置内から作動油を排出
させる排出手段と、補給手段による油圧装置への補給油
の供給開始を、エンジンの始動時から遅らせる補給遅延
手段とから構成される。その上で、油圧装置は、エンジ
ンにより駆動される油圧ポンプと、この油圧ポンプに油
圧閉回路を介して接続された油圧モータと、油圧ポンプ
を冷却するための冷却用油室とを備えている。補給手段
はエンジンの作動時に油圧閉回路内に補給油を供給する
とともに冷却用油室内に補給油を供給し、排出手段はエ
ンジンの停止時に油圧閉回路内から作動油を排出すると
ともに冷却用油室内から冷却用作動油を排出する。補給
遅延手段は、補給手段による油圧閉回路内への補給油の
供給開始および冷却用油室内への補給油の供給開始を、
エンジンの始動時から遅らせるように構成されており、
油圧閉回路内への補給油の供給開始より遅れて冷却用油
室内への補給油の供給を開始させるように構成されてい
る。この構成の補給油供給制御装置によっても、エンジ
ンの停止時に排出手段により油圧装置(油圧ポンプや冷
却用油室)内から作動油が排出されることにより、エン
ジンの始動性は良好に維持される。さらに、補給遅延手
段によって、補給手段による油圧装置への補給油の供給
開始をエンジンの始動時から適度に遅らせることによ
り、エンジンの始動後もしばらくはエンジンを低負荷状
態に維持し、その間エンジンのアイドル回転数を十分に
上昇させることができる。このとき、油圧閉回路内への
補給油供給を先に開始し、これより遅れて冷却用油脂津
内への補給油への供給を開始するため、エンジン負荷が
これに応じて段階的に増加する制御となる。
【0009】
【実施例】以下、本発明の好ましい実施について図面を
参照しながら説明する。図1は、本発明に係る補給油供
給制御装置を備えた車両用油圧式無段変速機(油圧装
置)10の油圧回路を示している。この油圧式無段変速
機10は、入力軸INを介してエンジンEに連結された
モータ駆動用油圧ポンプ(以下、単に油圧ポンプとい
う)DPと、車両の車輪Wを駆動する出力軸OUTを有
する油圧モータMとを備えている。
参照しながら説明する。図1は、本発明に係る補給油供
給制御装置を備えた車両用油圧式無段変速機(油圧装
置)10の油圧回路を示している。この油圧式無段変速
機10は、入力軸INを介してエンジンEに連結された
モータ駆動用油圧ポンプ(以下、単に油圧ポンプとい
う)DPと、車両の車輪Wを駆動する出力軸OUTを有
する油圧モータMとを備えている。
【0010】油圧ポンプDPの吐出口および油圧モータ
Mの吸入口は第1油路Laにより接続されており、ま
た、油圧ポンプDPの吸入口および油圧モータMの吐出
口は第2油路Lbにより接続されている。これにより、
油圧ポンプDPと油圧モータM間に油圧閉回路CCが形
成される。
Mの吸入口は第1油路Laにより接続されており、ま
た、油圧ポンプDPの吸入口および油圧モータMの吐出
口は第2油路Lbにより接続されている。これにより、
油圧ポンプDPと油圧モータM間に油圧閉回路CCが形
成される。
【0011】なお、油圧ポンプDPは、アキシャルプラ
ンジャポンプであり、冷却用作動油(以下、冷却油とい
う)で満たされた油密室(冷却用油室)CR内に設置さ
れている。油圧ポンプDPのプランジャはその冷却油中
で回転することにより、過熱状態とならないよう冷却さ
れる。また、油密室CRには冷却油リリーフバルブ15
を備えた第3油路Lcが接続されており、その冷却油リ
リーフバルブ15により油密室CR内の油圧が調圧され
る。
ンジャポンプであり、冷却用作動油(以下、冷却油とい
う)で満たされた油密室(冷却用油室)CR内に設置さ
れている。油圧ポンプDPのプランジャはその冷却油中
で回転することにより、過熱状態とならないよう冷却さ
れる。また、油密室CRには冷却油リリーフバルブ15
を備えた第3油路Lcが接続されており、その冷却油リ
リーフバルブ15により油密室CR内の油圧が調圧され
る。
【0012】また、第1油路Laおよび第2油路Lbに
は両油路を短絡させる第4油路Ldが設けられており、
この第4油路Ld上にはこの油路の開度を制御する可変
絞り弁からなるクラッチ弁16が設けられている。
は両油路を短絡させる第4油路Ldが設けられており、
この第4油路Ld上にはこの油路の開度を制御する可変
絞り弁からなるクラッチ弁16が設けられている。
【0013】さらに、第1油路Laおよび第2油路Lb
には、シャトルバルブ17を備える第5油路Leおよび
第6油路Lfが設けられている。シャトルバルブ17は
3位置切換え弁であり、第5油路Leおよび第6油路L
fの油圧差に応じて切換え作動し、第5油路Leおよび
第6油路Lfのうち低圧側の油路を、低圧リリーフバル
ブ18を備えた第7油路Lgに対して連通させる。これ
により、低圧側の油路のリリーフ油圧は、低圧リリーフ
バルブ18により調圧される。
には、シャトルバルブ17を備える第5油路Leおよび
第6油路Lfが設けられている。シャトルバルブ17は
3位置切換え弁であり、第5油路Leおよび第6油路L
fの油圧差に応じて切換え作動し、第5油路Leおよび
第6油路Lfのうち低圧側の油路を、低圧リリーフバル
ブ18を備えた第7油路Lgに対して連通させる。これ
により、低圧側の油路のリリーフ油圧は、低圧リリーフ
バルブ18により調圧される。
【0014】このように構成された油圧式無段変速機1
0では、アクセルスイッチ(図示せず)をオフにして、
エンジンEをアイドリング状態としたときは、クラッチ
弁16が開作動するようになっており、このとき油圧ポ
ンプDPから吐出された作動油は第4油路Ldを介して
流れるため、油圧モータMは駆動されない。
0では、アクセルスイッチ(図示せず)をオフにして、
エンジンEをアイドリング状態としたときは、クラッチ
弁16が開作動するようになっており、このとき油圧ポ
ンプDPから吐出された作動油は第4油路Ldを介して
流れるため、油圧モータMは駆動されない。
【0015】アクセルスイッチをオンにして、エンジン
Eの回転数をアイドリング状態よりも上昇させると、そ
の上昇に伴ってクラッチ弁16が閉作動するようになっ
ており、油圧ポンプDPから吐出された作動油圧により
油圧モータMが回転駆動される。そして、その油圧モー
タMの回転出力が出力軸0UTおよびデファレンシャル
Dを介して車輪W,Wに伝達され、各車輪Wが回転駆動
される。ここで、油圧モータMは、例えば、斜板アキシ
ャルプランジャモータであり、その斜板の角度を制御す
ることにより、油圧ポンプDPとの回転比(変速比)を
無段階に変化させることができる。
Eの回転数をアイドリング状態よりも上昇させると、そ
の上昇に伴ってクラッチ弁16が閉作動するようになっ
ており、油圧ポンプDPから吐出された作動油圧により
油圧モータMが回転駆動される。そして、その油圧モー
タMの回転出力が出力軸0UTおよびデファレンシャル
Dを介して車輪W,Wに伝達され、各車輪Wが回転駆動
される。ここで、油圧モータMは、例えば、斜板アキシ
ャルプランジャモータであり、その斜板の角度を制御す
ることにより、油圧ポンプDPとの回転比(変速比)を
無段階に変化させることができる。
【0016】車両の減速時(アクセルスイッチはオフ)
においては、車輪W側から油圧モータMが駆動され、こ
の油圧モータMから吐出された作動油により油圧ポンプ
DPさらにはエンジンEが駆動されることになる。これ
により、車両はエンジンブレーキ作用を受けるが、車速
が所定速度以下になったときにクラッチ弁16が開作動
するようになっており、油圧ポンプDPから受ける負荷
によるエンジンEのストールを回避することができる。
においては、車輪W側から油圧モータMが駆動され、こ
の油圧モータMから吐出された作動油により油圧ポンプ
DPさらにはエンジンEが駆動されることになる。これ
により、車両はエンジンブレーキ作用を受けるが、車速
が所定速度以下になったときにクラッチ弁16が開作動
するようになっており、油圧ポンプDPから受ける負荷
によるエンジンEのストールを回避することができる。
【0017】ところで、この油圧式無段変速機10に
は、上記油圧閉回路CCおよび油密室CRに補給油を供
給する補給回路20、油圧閉回路CCおよび油密室CR
から作動油をオイルサンプTに排出させる排出回路(閉
回路側排出回路30,冷却室側排出回路40)および補
給回路20による油圧閉回路CCおよび油密室CRに対
する補給油の供給を制御する補給遅延回路50からなる
上記補給油供給制御装置が取り付けられている。以下、
それら各回路を詳しく説明する。
は、上記油圧閉回路CCおよび油密室CRに補給油を供
給する補給回路20、油圧閉回路CCおよび油密室CR
から作動油をオイルサンプTに排出させる排出回路(閉
回路側排出回路30,冷却室側排出回路40)および補
給回路20による油圧閉回路CCおよび油密室CRに対
する補給油の供給を制御する補給遅延回路50からなる
上記補給油供給制御装置が取り付けられている。以下、
それら各回路を詳しく説明する。
【0018】補給回路20は、エンジンEにより駆動さ
れるチャージポンプCPを備えており、そのチャージポ
ンプCPの吐出口には、レギュレータバルブ22を備え
たメイン補給油路Lkがつながっている。このレギュレ
ータバルブ22では、メイン補給油路Lkの油圧を図中
左端に形成された制御油室22aに導いており、この制
御油室22a内の油圧が所定圧以上になるとスプリング
22cの付勢力に抗してスプール22bが右動し、メイ
ン補給油路Lkを油圧閉回路CCにつながる閉回路側補
給油路Lmに連通させる。
れるチャージポンプCPを備えており、そのチャージポ
ンプCPの吐出口には、レギュレータバルブ22を備え
たメイン補給油路Lkがつながっている。このレギュレ
ータバルブ22では、メイン補給油路Lkの油圧を図中
左端に形成された制御油室22aに導いており、この制
御油室22a内の油圧が所定圧以上になるとスプリング
22cの付勢力に抗してスプール22bが右動し、メイ
ン補給油路Lkを油圧閉回路CCにつながる閉回路側補
給油路Lmに連通させる。
【0019】この閉回路側補給油路Lmは、第1油路L
aおよび第2油路Lbの双方に分岐してつながってお
り、第1油路Laにつながる分岐油路上には第1補給バ
ルブ24が、第2油路Lbにつながる分岐油路上には第
2補給バルブ25が設けられている。各補給バルブ2
4,25はレギュレータバルブ22側の油圧が油圧閉回
路CC側の油圧よりも高いときに各分岐油路を開通さ
せ、逆の場合には各分岐油路を閉止する。
aおよび第2油路Lbの双方に分岐してつながってお
り、第1油路Laにつながる分岐油路上には第1補給バ
ルブ24が、第2油路Lbにつながる分岐油路上には第
2補給バルブ25が設けられている。各補給バルブ2
4,25はレギュレータバルブ22側の油圧が油圧閉回
路CC側の油圧よりも高いときに各分岐油路を開通さ
せ、逆の場合には各分岐油路を閉止する。
【0020】また、レギュレータバルブ22における制
御油室22a内の油圧が上記所定圧よりも高い所定圧に
達するとスプール22bがさらに右動し、メイン補給油
路Lkを、油密室CRにつながる冷却室側補給油路Ln
に連通させる。
御油室22a内の油圧が上記所定圧よりも高い所定圧に
達するとスプール22bがさらに右動し、メイン補給油
路Lkを、油密室CRにつながる冷却室側補給油路Ln
に連通させる。
【0021】閉回路側排出回路30は、油圧閉回路CC
における第2油路Lb(油圧ポンプMの吸入口につなが
る油路)をオイルサンプTにつなげる閉回路側ドレン油
路Lp上に閉回路側ドレンバルブ31を設けて構成され
ている。閉回路側ドレンバルブ31では、閉回路側ドレ
ン油路Lpの油圧(つまりは第2油路Lbの油圧)が所
定圧以上あるときには、その油圧によりスプリング31
aの付勢力に抗してスプールが図中右動し、閉回路側ド
レン油路Lpを閉止する。一方、閉回路側ドレン油路L
pの油圧が所定圧より低下すると、スプリング31aの
付勢力によりスプールが図中左動し、閉回路側ドレン油
路Lpを開通させる。なお、閉回路側ドレン油路Lpに
おける閉回路側ドレンバルブ31の下流側には絞り32
が設けられている。
における第2油路Lb(油圧ポンプMの吸入口につなが
る油路)をオイルサンプTにつなげる閉回路側ドレン油
路Lp上に閉回路側ドレンバルブ31を設けて構成され
ている。閉回路側ドレンバルブ31では、閉回路側ドレ
ン油路Lpの油圧(つまりは第2油路Lbの油圧)が所
定圧以上あるときには、その油圧によりスプリング31
aの付勢力に抗してスプールが図中右動し、閉回路側ド
レン油路Lpを閉止する。一方、閉回路側ドレン油路L
pの油圧が所定圧より低下すると、スプリング31aの
付勢力によりスプールが図中左動し、閉回路側ドレン油
路Lpを開通させる。なお、閉回路側ドレン油路Lpに
おける閉回路側ドレンバルブ31の下流側には絞り32
が設けられている。
【0022】冷却室側排出回路40は、油密室CRをオ
イルサンプTにつなげる冷却室側ドレン油路Lq上に冷
却室側ドレンバルブ41を設けて構成されている。この
冷却室側ドレンバルブ41では、冷却室側ドレン油路L
qの油圧(つまりは油密室CR内の油圧)が所定圧以上
あるときには、その油圧によりスプリング41aの付勢
力に抗してスプールが図中右動し、冷却室側ドレン油路
Lqを閉止する。一方、冷却室側ドレン油路Lqの油圧
が所定圧より低下すると、スプリング41aの付勢力に
よりスプールが図中左動し冷却室側ドレン油路Lqを開
通させる。なお、冷却室側ドレン油路Lqにおける冷却
室側ドレンバルブ41の下流側には絞り42が設けられ
ている。
イルサンプTにつなげる冷却室側ドレン油路Lq上に冷
却室側ドレンバルブ41を設けて構成されている。この
冷却室側ドレンバルブ41では、冷却室側ドレン油路L
qの油圧(つまりは油密室CR内の油圧)が所定圧以上
あるときには、その油圧によりスプリング41aの付勢
力に抗してスプールが図中右動し、冷却室側ドレン油路
Lqを閉止する。一方、冷却室側ドレン油路Lqの油圧
が所定圧より低下すると、スプリング41aの付勢力に
よりスプールが図中左動し冷却室側ドレン油路Lqを開
通させる。なお、冷却室側ドレン油路Lqにおける冷却
室側ドレンバルブ41の下流側には絞り42が設けられ
ている。
【0023】補給遅延回路50には、ディレイバルブ5
1が設けられており、このディレイバルブ51は、図中
左右に移動が自在なスプール51aと、このスプール5
1aを左方に付勢するスプリング51bとから構成され
ている。スプール51aの左側に形成されたバルブ制御
油室51cには、メイン補給油路Lkから分岐したバル
ブ制御油路Lsがつながっている。なお、バルブ制御油
路Lsには、絞り52が設けられている。
1が設けられており、このディレイバルブ51は、図中
左右に移動が自在なスプール51aと、このスプール5
1aを左方に付勢するスプリング51bとから構成され
ている。スプール51aの左側に形成されたバルブ制御
油室51cには、メイン補給油路Lkから分岐したバル
ブ制御油路Lsがつながっている。なお、バルブ制御油
路Lsには、絞り52が設けられている。
【0024】また、スプール51aの右側に形成された
ドレン油室51dは、オイルサンプTにつながってい
る。さらに、ドレン油室51dにおける中央よりも右側
には第1補給油流入ポート51eが形成されており、こ
の第1補給油流入ポート51eには、閉回路側補給油路
Lmから分岐した閉回路側ドレン油路Ltがつながって
いる。また、第1補給油流入ポート51eよりも右側に
は第2補給油流入ポート51fが形成されており、この
第2補給油流入ポート51fには、冷却室側補給油路L
nから分岐した冷却室側ドレン油路Luがつながってい
る。
ドレン油室51dは、オイルサンプTにつながってい
る。さらに、ドレン油室51dにおける中央よりも右側
には第1補給油流入ポート51eが形成されており、こ
の第1補給油流入ポート51eには、閉回路側補給油路
Lmから分岐した閉回路側ドレン油路Ltがつながって
いる。また、第1補給油流入ポート51eよりも右側に
は第2補給油流入ポート51fが形成されており、この
第2補給油流入ポート51fには、冷却室側補給油路L
nから分岐した冷却室側ドレン油路Luがつながってい
る。
【0025】このディレイバルブ51では、バルブ制御
油室51c内に流入した補給油の油圧が所定圧(レギュ
レータバルブ22において、メイン補給油路Lkと閉回
路側補給油路Lmとを連通させるのに必要な制御油室2
2a内の油圧に対応する)以上になるとスプリング51
bの付勢力に抗してスプール51aが右動し、第1補給
油流入ポート51eを閉じる。また、バルブ制御油室5
1c内の油圧が上記所定圧よりも高い所定圧(レギュレ
ータバルブ22において、メイン補給油路Lkと冷却室
側補給油路Lnとを連通させるのに必要な制御油室22
a内の油圧に対応する)以上になると、第1補給油流入
ポート51eに加えて第2補給油流入ポート51fも閉
じる。
油室51c内に流入した補給油の油圧が所定圧(レギュ
レータバルブ22において、メイン補給油路Lkと閉回
路側補給油路Lmとを連通させるのに必要な制御油室2
2a内の油圧に対応する)以上になるとスプリング51
bの付勢力に抗してスプール51aが右動し、第1補給
油流入ポート51eを閉じる。また、バルブ制御油室5
1c内の油圧が上記所定圧よりも高い所定圧(レギュレ
ータバルブ22において、メイン補給油路Lkと冷却室
側補給油路Lnとを連通させるのに必要な制御油室22
a内の油圧に対応する)以上になると、第1補給油流入
ポート51eに加えて第2補給油流入ポート51fも閉
じる。
【0026】以上のように構成された補給油供給制御装
置では、エンジンEの作動中には、補給回路20によ
り、レギュレータバルブ22によって調圧された補給油
が閉回路側補給油路Lmおよび冷却室側補給油路Lnを
介して油圧閉回路CCおよび油密室CRに供給される。
これにより、油圧ポンプDPや油圧モータMや油密室C
Rから漏れた作動油・冷却油が補給される。
置では、エンジンEの作動中には、補給回路20によ
り、レギュレータバルブ22によって調圧された補給油
が閉回路側補給油路Lmおよび冷却室側補給油路Lnを
介して油圧閉回路CCおよび油密室CRに供給される。
これにより、油圧ポンプDPや油圧モータMや油密室C
Rから漏れた作動油・冷却油が補給される。
【0027】エンジンEを停止させると油圧ポンプDP
も停止し、第2油路Lbおよび油密室CRの油圧が低下
するため、両排出回路30,40により、第2油路Lb
および油密室40から作動油および冷却油が排出され
る。このため、次にエンジンEを始動させる際に、油圧
ポンプDPの作動抵抗となる作動油および冷却油を少な
くしておくことができ、エンジンEにかかる負荷を減少
させ、エンジンEの良好な始動性を得ることができる。
も停止し、第2油路Lbおよび油密室CRの油圧が低下
するため、両排出回路30,40により、第2油路Lb
および油密室40から作動油および冷却油が排出され
る。このため、次にエンジンEを始動させる際に、油圧
ポンプDPの作動抵抗となる作動油および冷却油を少な
くしておくことができ、エンジンEにかかる負荷を減少
させ、エンジンEの良好な始動性を得ることができる。
【0028】こうして、エンジンEを始動すると、チャ
ージポンプCPから吐出された補給油がメイン補給油路
Lkおよびバルブ制御油路Lsに流入する。メイン補給
油路Lkに流入した補給油の大部分は、レギュレータバ
ルブ22を介して閉回路側補給油路Lmおよび冷却室側
補給油路Lnに流入する。ただし、ディレイバルブ51
のスプール51aが左動している間は、第1,第2補給
油流入ポート51e,51fが開いているため、閉回路
側補給油路Lmおよび冷却室側補給油路Lnに流入した
補給油はディレイバルブ51のドレン油室51dを介し
てオイルサンプTにドレンされる。
ージポンプCPから吐出された補給油がメイン補給油路
Lkおよびバルブ制御油路Lsに流入する。メイン補給
油路Lkに流入した補給油の大部分は、レギュレータバ
ルブ22を介して閉回路側補給油路Lmおよび冷却室側
補給油路Lnに流入する。ただし、ディレイバルブ51
のスプール51aが左動している間は、第1,第2補給
油流入ポート51e,51fが開いているため、閉回路
側補給油路Lmおよび冷却室側補給油路Lnに流入した
補給油はディレイバルブ51のドレン油室51dを介し
てオイルサンプTにドレンされる。
【0029】一方、バルブ制御油路Lsに流入した補給
油は、ディレイバルブ51のバルブ制御油室51c内に
流入する。ここで、補給油の温度が高いとき、即ち、粘
度が低いときは、バルブ制御油室51cへの流入流量が
大きいため、ディレイバルブ51のスプール51aは迅
速に右動して第1,第2補給油流入ポート51e,51
fを閉じる。これにより、閉回路側補給油路Lmおよび
冷却室側補給油路Lnに流入した補給油は、それぞれ油
圧閉回路CCおよび油密室CRに供給される。なお、補
給油が供給され始めた直後においては、第2油路Lbお
よび油密室CR内の油圧が低いために両排出回路30,
40から補給油が排出されるが、各排出回路30,40
に設けられた絞り32,42によって、排出流量は補給
流量よりも少なく抑えられるため、まもなく油圧閉回路
CCおよび油密室CRの油圧が上昇し、両排出回路3
0,40からの補給油の排出は停止する。
油は、ディレイバルブ51のバルブ制御油室51c内に
流入する。ここで、補給油の温度が高いとき、即ち、粘
度が低いときは、バルブ制御油室51cへの流入流量が
大きいため、ディレイバルブ51のスプール51aは迅
速に右動して第1,第2補給油流入ポート51e,51
fを閉じる。これにより、閉回路側補給油路Lmおよび
冷却室側補給油路Lnに流入した補給油は、それぞれ油
圧閉回路CCおよび油密室CRに供給される。なお、補
給油が供給され始めた直後においては、第2油路Lbお
よび油密室CR内の油圧が低いために両排出回路30,
40から補給油が排出されるが、各排出回路30,40
に設けられた絞り32,42によって、排出流量は補給
流量よりも少なく抑えられるため、まもなく油圧閉回路
CCおよび油密室CRの油圧が上昇し、両排出回路3
0,40からの補給油の排出は停止する。
【0030】しかし、補給油の温度が低く粘度が高いと
きは、バルブ制御油路Lsに設けられた絞り52によ
り、バルブ制御油室51cへの流入流量は小さく抑えら
れる。このため、ディレイバルブ51のスプール51a
はゆっくり右動して、まず、第1補給油流入ポート51
eを閉じ、さらにその後第2補給油流入ポート51fを
閉じる。これにより、閉回路側補給油路Lmおよび冷却
室側補給油路Lnに流入した補給油が油圧閉回路CCお
よび油密室CRに供給され始めるのは、エンジンEの始
動後ある程度の時間が経過してからとなる。なお、エン
ジンEの始動から補給油の供給開始までの時間は、補給
油の粘度が高いほど、つまりは外気温が低いほど長くな
る。こうして、エンジンEの始動後、補給油の供給が開
始されるまでの間はエンジンEを低負荷状態に維持する
ことができ、エンジンEのアイドル回転数を十分上昇さ
せ、暖機運転を効率的に行うことができる。
きは、バルブ制御油路Lsに設けられた絞り52によ
り、バルブ制御油室51cへの流入流量は小さく抑えら
れる。このため、ディレイバルブ51のスプール51a
はゆっくり右動して、まず、第1補給油流入ポート51
eを閉じ、さらにその後第2補給油流入ポート51fを
閉じる。これにより、閉回路側補給油路Lmおよび冷却
室側補給油路Lnに流入した補給油が油圧閉回路CCお
よび油密室CRに供給され始めるのは、エンジンEの始
動後ある程度の時間が経過してからとなる。なお、エン
ジンEの始動から補給油の供給開始までの時間は、補給
油の粘度が高いほど、つまりは外気温が低いほど長くな
る。こうして、エンジンEの始動後、補給油の供給が開
始されるまでの間はエンジンEを低負荷状態に維持する
ことができ、エンジンEのアイドル回転数を十分上昇さ
せ、暖機運転を効率的に行うことができる。
【0031】なお、上記実施例は、油圧閉回路CCおよ
び油密室CR双方への補給油の供給を制御する補給油供
給制御装置について説明したが、図2に示すように、油
圧モータDPが油密室により覆われていない場合には、
油圧閉回路CCへの補給油の供給制御のみを行わせるよ
うにしても良い。即ち、ディレイバルブ101に形成さ
れた補給油流入ポート101eには、レギュレータバル
ブ72から延びる閉回路側補給油路Lm′より分岐した
閉回路側ドレン油路Lt′が接続されている。メイン補
給油路Lk′から分岐してディレイバルブ101のバル
ブ制御油室101cにつながるバルブ制御油路Ls′に
は絞り102が設けられている。また、油圧閉回路CC
には、閉回路側排出回路80が接続されており、エンジ
ンEの停止時には、油圧閉回路CC内の作動油をドレン
させる。
び油密室CR双方への補給油の供給を制御する補給油供
給制御装置について説明したが、図2に示すように、油
圧モータDPが油密室により覆われていない場合には、
油圧閉回路CCへの補給油の供給制御のみを行わせるよ
うにしても良い。即ち、ディレイバルブ101に形成さ
れた補給油流入ポート101eには、レギュレータバル
ブ72から延びる閉回路側補給油路Lm′より分岐した
閉回路側ドレン油路Lt′が接続されている。メイン補
給油路Lk′から分岐してディレイバルブ101のバル
ブ制御油室101cにつながるバルブ制御油路Ls′に
は絞り102が設けられている。また、油圧閉回路CC
には、閉回路側排出回路80が接続されており、エンジ
ンEの停止時には、油圧閉回路CC内の作動油をドレン
させる。
【0032】このように構成された補給油供給制御装置
では、補給油の温度が低いときにエンジンEを始動する
と、バルブ制御油路Ls′に設けられた絞り102の存
在により、ディレイバルブ101のスプール101aは
ゆっくり右動して、補給油流入ポート101eを閉じ
る。これにより、閉回路側補給油路Lm′に流入した補
給油の油圧閉回路CC内への補給は、エンジンEの始動
後ある程度の時間が経過してから開始され、その間エン
ジンEを低負荷状態に維持することができる。
では、補給油の温度が低いときにエンジンEを始動する
と、バルブ制御油路Ls′に設けられた絞り102の存
在により、ディレイバルブ101のスプール101aは
ゆっくり右動して、補給油流入ポート101eを閉じ
る。これにより、閉回路側補給油路Lm′に流入した補
給油の油圧閉回路CC内への補給は、エンジンEの始動
後ある程度の時間が経過してから開始され、その間エン
ジンEを低負荷状態に維持することができる。
【0033】また、図3に示すように、油圧モータDP
が油密室CRにより覆われている場合に油密室CRへの
補給油の供給制御のみを行わせるようにしても良い。即
ち、ディレイバルブ151に形成された補給油流入ポー
ト151fには、レギュレータバルブ122から延びる
冷却室側補給油路Ln′より分岐した冷却室側ドレン油
路Lu′が接続されている。メイン補給油路Lk′から
分岐してディレイバルブ151のバルブ制御油室151
cにつながるバルブ制御油路Ls′には絞り152が設
けられている。さらに、油密室CRには、冷却室側排出
回路140が接続されており、エンジンEの停止時に
は、油密室CR内の作動油をドレンさせる。
が油密室CRにより覆われている場合に油密室CRへの
補給油の供給制御のみを行わせるようにしても良い。即
ち、ディレイバルブ151に形成された補給油流入ポー
ト151fには、レギュレータバルブ122から延びる
冷却室側補給油路Ln′より分岐した冷却室側ドレン油
路Lu′が接続されている。メイン補給油路Lk′から
分岐してディレイバルブ151のバルブ制御油室151
cにつながるバルブ制御油路Ls′には絞り152が設
けられている。さらに、油密室CRには、冷却室側排出
回路140が接続されており、エンジンEの停止時に
は、油密室CR内の作動油をドレンさせる。
【0034】このように構成された補給油供給制御装置
では、補給油の温度が低いときにエンジンEを始動する
と、絞り152の存在により、ディレイバルブ151の
スプール151aはゆっくり右動して、補給油流入ポー
ト151eを閉じる。これにより、冷却室側補給油路L
n′に流入した補給油の油密室CR内への補給は、エン
ジンEの始動後ある程度の時間が経過してから開始さ
れ、その間エンジンEを低負荷状態に維持することがで
きる。
では、補給油の温度が低いときにエンジンEを始動する
と、絞り152の存在により、ディレイバルブ151の
スプール151aはゆっくり右動して、補給油流入ポー
ト151eを閉じる。これにより、冷却室側補給油路L
n′に流入した補給油の油密室CR内への補給は、エン
ジンEの始動後ある程度の時間が経過してから開始さ
れ、その間エンジンEを低負荷状態に維持することがで
きる。
【0035】なお、上記各実施例は車両の油圧式無段変
速機に用いられた場合について説明したが、本発明の補
給油供給制御装置が用いられる油圧装置はそのような変
速機に限られるものではない。
速機に用いられた場合について説明したが、本発明の補
給油供給制御装置が用いられる油圧装置はそのような変
速機に限られるものではない。
【0036】
【発明の効果】以上のように、本発明の補給油供給制御
装置を用いれば、排出手段によりエンジンの停止時に油
圧装置から作動油がドレンされた場合において、次にエ
ンジンを作動させる際、補給手段による補給油の油圧装
置(油圧ポンプや油密室等)への供給開始を、エンジン
の始動時から遅らせることができる。このため、補給油
の供給開始までの間、エンジンを低負荷状態に維持して
アイドル回転数を十分上昇させることができる。したが
って、エンジンの暖機を効率的に行うことができる。特
に、補給遅延手段を構成するディレイバルブにおいて、
バルブ制御油室にレギュレータバルブにより調圧された
補給油がオリフィスを通って供給されるため、油温に応
じてこのオリフィスを通る油量が変動し、油温が低いと
きにはスプールによるドレン油路の閉止タイミングが遅
くなって、補給手段による油圧装置への補給油の供給開
始タイミングを油温の高いときより遅くすることができ
る。また、もう一つの本発明に係る補給油供給制御装置
によれば、油圧閉回路内への補給油供給を先に開始し、
これより遅れて冷却用油脂津内への補給油への供給を開
始するようになっており、これによりエンジン負荷が段
階的に増加する制御となる。
装置を用いれば、排出手段によりエンジンの停止時に油
圧装置から作動油がドレンされた場合において、次にエ
ンジンを作動させる際、補給手段による補給油の油圧装
置(油圧ポンプや油密室等)への供給開始を、エンジン
の始動時から遅らせることができる。このため、補給油
の供給開始までの間、エンジンを低負荷状態に維持して
アイドル回転数を十分上昇させることができる。したが
って、エンジンの暖機を効率的に行うことができる。特
に、補給遅延手段を構成するディレイバルブにおいて、
バルブ制御油室にレギュレータバルブにより調圧された
補給油がオリフィスを通って供給されるため、油温に応
じてこのオリフィスを通る油量が変動し、油温が低いと
きにはスプールによるドレン油路の閉止タイミングが遅
くなって、補給手段による油圧装置への補給油の供給開
始タイミングを油温の高いときより遅くすることができ
る。また、もう一つの本発明に係る補給油供給制御装置
によれば、油圧閉回路内への補給油供給を先に開始し、
これより遅れて冷却用油脂津内への補給油への供給を開
始するようになっており、これによりエンジン負荷が段
階的に増加する制御となる。
【図1】本発明に係る補給油供給制御装置を備えた油圧
装置(油圧式無段変速機)の油圧回路図である。
装置(油圧式無段変速機)の油圧回路図である。
【図2】上記補給油供給制御装置の第2実施例を示す油
圧回路図である。
圧回路図である。
【図3】上記補給油供給制御装置の第3実施例を示す油
圧回路図である。
圧回路図である。
22,72,122 レギュレータバルブ 30,80 閉回路側排出回路 40,140 冷却室側排出回路 51,101,151 ディレイバルブ E エンジン CC 油圧閉回路 DP モータ駆動用油圧ポンプ M 油圧モータ CR 油密室 CP チャージポンプ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−145870(JP,A) 特開 平3−24305(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16H 61/40
Claims (4)
- 【請求項1】 エンジンにより駆動される油圧装置と、
前記エンジンの作動時に前記油圧装置内に補給油を供給
する補給手段と、前記エンジンの停止時に前記油圧装置
内から作動油を排出させる排出手段と、前記補給手段に
よる前記油圧装置への補給油の供給開始を、前記エンジ
ンの始動時から遅らせる補給遅延手段とから構成され、 前記補給遅延手段が、前記補給手段からの補給油圧を調
圧するレギュレータバルブと、前記レギュレータバルブ
により調圧された補給油を前記油圧装置に供給するタイ
ミングを遅らせるディレイバルブとから構成され、 前記ディレイバルブはバルブ内部空間にスプールを軸方
向に移動自在に嵌合配設して構成され、 前記バルブ内部空間を前記スプールにより区分けして形
成されるバルブ制御油室に、前記レギュレータバルブに
より調圧された補給油がオリフィスを通って供給され、 前記バルブ内部空間を前記スプールにより区分けして前
記バルブ制御油室と反対側に形成されてドレンに繋がる
ドレン油室に、前記スプールを前記バルブ制御油室側に
押圧するスプリングが配設され、 前記レギュレータバルブから前記油圧装置に繋がる油路
から分岐したドレン油路が前記ドレン油室に繋がり、前
記バルブ制御油室内の油圧を受けて前記スプールが前記
スプリングの押圧力に抗して前記ドレン油室側に移動さ
れたときに前記ドレン油路を閉止するように構成されて
いることを特徴とする油圧装置の補給油供給制御装置。 - 【請求項2】 前記油圧装置は、前記エンジンにより駆
動される油圧ポンプと、この油圧ポンプに油圧閉回路を
介して接続された油圧モータとを備えており、前記補給
手段は前記エンジンの作動時に前記油圧閉回路内に補給
油を供給し、前記排出手段は前記エンジンの停止時に前
記油圧閉回路内から作動油を排出し、前記補給遅延手段
は前記補給手段による前記油圧閉回路内への補給油の供
給開始を、前記エンジンの始動時から遅らせることを特
徴とする請求項1に記載の油圧装置の補給油供給制御装
置。 - 【請求項3】 前記油圧装置は、前記エンジンにより駆
動される油圧ポンプと、この油圧ポンプを冷却するため
の冷却用油室を備えており、前記補給手段は前記エンジ
ンの作動時に前記冷却用油室内に補給油を供給し、前記
排出手段は前記エンジンの停止時に前記冷却用油室内か
ら冷却用作動油を排出し、前記補給遅延手段は前記補給
手段による前記冷却用油室内への補給油の供給開始を、
前記エンジンの始動時から遅らせることを特徴とする請
求項1に記載の油圧装置の補給油供給制御装置。 - 【請求項4】 エンジンにより駆動される油圧装置と、
前記エンジンの作動時に前記油圧装置内に補給油を供給
する補給手段と、前記エンジンの停止時に前記油圧装置
内から作動油を排出させる排出手段と、前記補給手段に
よる前記油圧装置への補給油の供給開始を、前記エンジ
ンの始動時から遅らせる補給遅延手段とから構成され、 前記油圧装置は、前記エンジンにより駆動される油圧ポ
ンプと、この油圧ポンプに油圧閉回路を介して接続され
た油圧モータと、前記油圧ポンプを冷却するための冷却
用油室とを備えており、 前記補給手段は前記エンジンの作動時に前記油圧閉回路
内に補給油を供給するとともに前記冷却用油室内に補給
油を供給し、 前記排出手段は前記エンジンの停止時に前記油圧閉回路
内から作動油を排出するとともに前記冷却用油室内から
冷却用作動油を排出し、 前記補給遅延手段は、前記補給手段による前記油圧閉回
路内への補給油の供給開始および前記冷却用油室内への
補給油の供給開始を、前記エンジンの始動時から遅らせ
るように構成されており、前記油圧閉回路内への補給油
の供給開始より遅れて前記冷却用油室内への補給油の供
給を開始させるように構成されていることを特徴とする
油圧装置の補給油供給制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP02217092A JP3193431B2 (ja) | 1992-01-10 | 1992-01-10 | 油圧装置の補給油供給制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP02217092A JP3193431B2 (ja) | 1992-01-10 | 1992-01-10 | 油圧装置の補給油供給制御装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05187546A JPH05187546A (ja) | 1993-07-27 |
JP3193431B2 true JP3193431B2 (ja) | 2001-07-30 |
Family
ID=12075334
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP02217092A Expired - Fee Related JP3193431B2 (ja) | 1992-01-10 | 1992-01-10 | 油圧装置の補給油供給制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3193431B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE10303206A1 (de) * | 2003-01-28 | 2004-07-29 | Zf Friedrichshafen Ag | Hydrostatisches Getriebe |
JP4605604B2 (ja) * | 2005-09-27 | 2011-01-05 | ヤンマー株式会社 | 油圧式無段変速装置 |
-
1992
- 1992-01-10 JP JP02217092A patent/JP3193431B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05187546A (ja) | 1993-07-27 |
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