JP3192416B2 - ヒトインターロイキン―3の変異体 - Google Patents

ヒトインターロイキン―3の変異体

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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は組換えDNA技術によって得られるコロニー刺
激因子変異体に関する。特に本発明はインターロイキン
−3変異体に関する。さらに該変異体は1つ以上の欠失
および、または1つ以上の置換を含む。これらの変異体
の医薬的応用はそれらの特異的レセプター結合性および
シグナル誘導性に依存している。
歴史的に造血細胞に影響する因子は軟寒天培地におけ
る骨髄細胞の増殖および、または分化を測定する検定法
で検出された。この活性を示す因子は集約的にコロニー
刺激因子(CSF)と呼ばれてきた。最近、部分的には刺
激を受ける造血系で分類し得る多種多様なCSFが存在す
ることが分った。
ヒトおよびマウスの系のこれらのたんぱく質にはG−
CSFおよびM−CSFが含まれる。これらのたんぱく質は各
々中好性顆粒球およびマクロファージのコロニーのイン
ビトロでの生成を刺激する。インターロイキン−2
(“IL−2")は活性T細胞および活性B細胞の両方の増
殖を刺激するがコロニー刺激因子とは考えられていな
い。
GM−CSFおよびインターロイキン−3(“IL−3"、ま
た“マルチCSF"としても知られている)はマクロファー
ジおよび酸好性顆粒球の両コロニーの形成を刺激する。
さらにIL−3はマスト、巨核球、および純粋および混合
赤芽球のコロニーの形成を刺激する(D.メカルフ(Metc
alf)、“造血性コロニー刺激因子"1984、エルセビア
版、アムステルダム、およびD.メカルフ(Metcalf)、S
cience 299(1985)16−22)。
増殖因子誘導の細胞増殖は複雑な過程である。増殖因
子による細胞表面のレセプターへの非常に特異的な結合
につづいて、その複合体はエンドサイト−シスにより内
部に入り、しばしばそのセレプターのリン酸化により先
行される細胞内応答を誘導する(シブリー(Sibley)、
等、Cell 48(1987)913−922)。これらの細胞内シグ
ナルは特異的遺伝子転写を起こし、最終的にDNA合成お
よび細胞増殖を引き起こす。
CSFは造血性およびリンパ性幹細胞由来の細胞レベル
の抑制を回復する治療能力を有することからたいへん興
味がもたれている。
ヒトIL−3(“hIL−3")はそのような性質を有するC
SFである。成熟hIL−3は133個のアミノ酸からなる。こ
のたんぱく質は1個のジスルフィド結合と2個の潜在的
グリコシル化部位を有している(ヤン(Yang)等、Cell
47(1986)3−10)。それはとりわけ次のような活性
を有している。
1.形成する細胞が赤芽球、顆粒球、巨核球、顆粒性マク
ロファージおよびこれらの混合物を含むヒト造血性前駆
細胞によるコロニー形成の刺激、 2.ヒト急性骨髄性白血病(AML)幼若化によるDNA合成の
刺激。
たんぱく質の有用なアゴニストおよびアンタゴニスト
はその分子の構造−機能関係が理解されれば作り得る。
一般にこの関係はアミノ酸の修飾、置換または欠失によ
り研究される。この方法では該たんぱく質の活性に対す
る各アミノ酸の重要性に関する情報が得られる。たんぱ
く質の重要なドメインは活性部位、金属および共因子結
合部位、レセプター結合部位、サブユニットの相互作用
に関するアミノ酸および抗原決定基である可能性があ
る。
たんぱく質の一次配列が決定されれば上述の特性を調
べる種々の操作が応用できる。たとえば他の種に由来す
る相同たんぱく質の一次構造が入手できればこれらの配
列を整列させてみることが可能である。保存されている
配列は特定のアミノ酸の重要性の指標となることがよく
ある。
既知のアルゴリズムを用いて二次構造を予測すること
もできる。たとえばホップ(Hopp)およびウッズ(Wood
s)、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 78(1981)3824−3828、
ガーニア(Garhier)等、J.Mol,Biol,120(1978)97−1
20,ビオウ(Biou)等、Prot,Eng,(1988)185−191、
カーメンス(Carmenes)等、Biochem,Biophys,Res,Comm
un.159(1989)687−693。
もし相同たんぱく質間で種間相同性が高くかつ、それ
らのうちの1つの3−D構造が分っていればこの構造か
ら重要なアミノ酸が誘導し得る。
一次および、または空間的構造データを用いて突然変
異誘発実験の推測が可能となる。変異たんぱく質の発現
および生物学的検定におけるこれら変異たんぱく質のテ
ストは特定のアミノ酸の相対的重要性に関する情報を提
供する。
本発明の目的は、好まくは上述の操作を用いて、天然
のIL−3と同程度か、もしくはそれ以上の医薬的性質を
有するIL−3変異体を提供することである。
(関連文献) (ヒトインターロイキン−3) 1984年マウスIL−3をコードするcDNAクローンが単離
された(ファング(Fung)等、Nature307(1984)233−
237およびヨコタ(Yokota)等、Proc.Natl.Acad.Sci.US
A81(1984)1070−1074)。このcDNAはヒトDNAもしくは
cDNAクローンとはハイブリダイズしなかった。したがっ
てマウスIL−3(mIL−3)は対するヒトの対応部分は
存在しないことが推察される。このことはヒトGM−CSF
の巾広い活性によっても支持された。1986年テナガザル
のcDNA発現ライブラリーはテナガザルIL−3配列を提供
した。ひきつづきこの配列はヒトゲノムライブラリーに
対するプローブとして使用された。このことはヒトにお
けるIL−3の存在に関する証拠を提供した(ヤン(Yan
g)等、Cell 47(1986)3−10)。
一方、ドーサーズ(Dorssers)等(Gene55(1987)11
5−124)は驚くべきことにmIL−3にハイブリダイズす
るヒトcDNAライブラリー由来のクローンを発見した。こ
のハイブリダイゼーションはmIL−3とhIL−3の3′側
非コード領域の高いホモロジーによるものであった。
(修正CSF(IL−3以外)) ムーネン(Moonen)等(Proc.Natl.Acad.Sci.USA84
(1987)4428−4431)は大腸菌、イーストおよび動物の
細胞を含むいくつかの組換え源によるヒトGM−CSFの生
産について述べている。イーストおよび動物細胞由来の
部分精製発現産物を脱グリコシル化の効果について検定
した。N結合オリゴ糖の除去でその免疫活性は4〜8倍
増加した。この特異的生物学的活性は慢性骨髄性白血病
(CML)およびヒト骨髄検定において20倍の増加をみせ
た。
カウシャンスキー(Kanshansky)等(Proc.Natl.Aca
d.Sci.USA86(1989)1213−1217)は生物学的活性に必
要なGM−CSFポリペプチドの領域の決定を試みた。ヒト
およびマウスのGM−CSFが各々のコロニー形成検定で交
叉反応しないのでその方法は種々の長さのh−およびmG
M−CSFのコード領域を含むハイブリッドDNA分子の使用
に基づくものであった。GM−CSFの2つの領域が造血機
能に重要であることが分った。これらの領域は構造的に
両親媒性ヘリックスおよびジスルフィド結合ループとい
う特徴を有している。
ゴー(Gough)等、(Eur,J,Biochem,169(1987)353
−358)はマウスGM−CSFの内部欠失変異体について述べ
た。これらの変異体のいずれも生物学的活性を示さない
ことが報告された。
クガ(Kuga)等(Biochem,Biophys,Res.Commun,159
(1989)103−111)はヒトG−CSFの突然変異誘発につ
いて報告した。その結果は内部またはC末端領域に変異
をもつほとんどの発現産物はhG−CSF活性を有さないこ
とを示した。一方、全部で174個のアミノ酸のうち、
4、5、7、または11個のアミノ酸を欠くN末端欠失変
異体は活性を保持していた。N末端アミノ酸変異体のう
ちのいくつかは活性の増加を示した。
ヒトインターロイキン−1(IL−1)の欠失変異体は
使用可能なエンドヌクレアーゼ制限部位および真核細胞
中での発現を用いて作られる。このポリペプチドのカル
ボキシル末端3分の1は(63個のアミノ酸)活性部位を
含んでいる(マキノ(Makino)等、Proc.Natl.Acad.Sc
i,USA84(1987)7841−7845)。IL−1αおよびIL−1
βに関する最近の研究は各々140個および147個のアミノ
酸が(計153個のアミノ酸のうち)完全な生物学的活性
に必要であることを示した(モスレー(Mosley)等、Pr
oc.Natl.Acad.Sci,USA84(1987)4572−4576)。両末端
における単一のアミノ酸変化は有意な生物学的活性の減
少を引き起こす。しかしIL−1のレセプター結合ドメイ
ンに関する詳細な情報はこれらの研究から得られていな
い。
ヒトインターロイキン−2の活性は両Cys58およびCys
105の除去により著しく阻害されることが示されたが、
3番目のCys残基の欠失はなんの影響も示さなかった
(ワン(Wang)等、Science 224(1984)1431−1433;コ
ーエン(Cohen)等、Science 234(1986)349−352)。
このたんぱく質のヘリックス構造を乱す全ての置換はそ
の生物学的活性に有意に減少することが分った。IL−2
の潜在的レセプター結合部位はアミノ酸7残基長のペプ
チドに割りふられた。この領域の各アミノ酸置換は著し
い影響を与えた(コーエン(Cohen)等、上述;ズラウ
スキー(Zurawski)およびズラウスキー(Zurawski)、
EMBO J、(1988)1061−1069)。さらに変異分析は
IL−2の種々のドメインがIL−2レセプター複合体の高
および低アフィニティー結合に関係していることを明ら
かにした(ロブ(Robb)等、Proc.Natl.Acad.Sci,USA85
(1988)5654−5658;コリンズ(Collins)等、Proc.Nat
l.Acad.Sci,USA85(1988)7709−7713)。
一般にCSFの修正はこれらの分子の生物学的活性に著
しい変化を起こすと結論づけられる。たとえばヒトG−
CSFは内部またはC末端変異の導入後その活性を失う。
ヒトG−CSFのN末端における11個までのアミノ酸の欠
失(174個のアミノ酸中)はその活性に著しい影響を与
えない。このことは完全な活性を維持するのに153個の
アミノ酸中少なくとも140個のアミノ酸を必要とするIL
−1と同じレベルである。明らかにこれらの分子のうち
の10%以下ならそのアミノ酸を失い得る。
(修正IL−3) クラークルイス(Clark−Lewis)等(Science 231(1
986)134−139)は合成マウスIL−3類似体の機能分析
を行った。彼等は完全な分子の安定な三次構造が完全な
生物学的活性に必要であると結論した。ジスルフィド結
合の役割りに関する研究は4個のCys残基のうちの2個
のAlaによる置換(Cys79、Cys140→Ala79、Ala140)は
活性の増加を起こすことを示した(クラークルイス(Cl
ark−Lewis)等、Proc.Natl.Acad.Sci,USA85(1988)78
97−7901)。
hIL−3の修正について提唱された文献は少ない。hIL
−3について実際に行った修正の文献はさらに少ない。
国際特許出願(PCT)WO88/00598は‘天然の'Ser27→Pro
27置換を公開した。〔WO 88/00598におけるアミノ酸の
番号は19個のアミノ酸からなる単一ペプチドを含むこと
に注意せよ〕。さらにジスルフィド結合を切断するCys
のSerによる置換およびグルコシル化部位、Asn34Cys35S
er36およびAsn89Ala90Ser91における1個以上のアミノ
酸の置換への示唆が与えられている。
EP−A−0275598(WO 88/04691)はAla1が欠失して
も生物学的活性が保持されることを示している。いくつ
かの変異hIL−3配列が提供されている。たとえば2個
の2重変異体Ala1→Asp1、Trp13→Arg13(pGB/IL−30
2)およびAla1→Asp1、Met3→Thr3(pGB/IL−304)およ
び1個の3重変異体Ala1→Asp1、Leu9→Pro9、Trp13→A
rg13(pGB/IL−303)〔成熟たんぱく質の第1アミノ酸
から始まる番号付け〕。
WO 88/05469は先に述べた脱グリコシル化変異体がど
のようにして得られ、かつArg54Arg55およびArg108Arg
109Lys110の変異体がどのようにして得られたか述べて
いる(EP−A−0275598と同じ番号付けに変換してあ
る)。後者はサッカロミセスセレビシアエ(Sacchoromy
cescerevisiae)における発現の際のKEXプロテアーゼに
よるたんぱく質分解の回避が示唆される。変異したたん
ぱく質は公開されていない。前後関係からイーストにお
ける発現にはグリコシル化およびKEX2プロテアーゼ活性
のみが重要である。
最後にEP−A−0282185は構造的かつ抗原的に中立な
種々の変異体について述べている。これを行うため、一
連の同意語的アミノ酸置換が示唆された。提案されたア
ミノ酸置換はIL−3分子の構造および荷電分布を変化さ
せないことを目的とした。実際に行った変異はMet2→Il
e2およびIle131→Leu131のみである。企まれた中立性が
得られたかどうかは公開されていない。
hIL−3に関するさらに広範な突然変異誘発実験は今
日まで公開されていない。
本発明は2つの新しいクラスの医薬的に興味ある化合
物すなわちhIL−3の欠失変異体および置換変異体を提
供しており、これらはhIL−3と同等の生物学的活性を
有し、またある場合にはアンタゴニスト的性質を有す
る。
本発明の1つの特徴は少なくとも2個のアミノ酸欠失
を有するインターロイキン−3の生物学的に活性なポリ
ペプチド類似体(以後“hIL−3変異体”または“変異
体”とも呼ぶ)を提供することである。
好ましい変異体はN末端(アミノ酸1〜14)および、
またはC末端(アミノ酸120〜130および、または130〜1
33)に1つ以上の欠失を有するものである。
本発明のもう1つの特徴は以下の置換のうちの少なく
とも1つを有するhIL−3の置換変異体を公開すること
である。
また本発明の別の特徴はDNA合成の刺激においてアン
タゴニストにより示されるものより強力なレセプター結
合能を示すhIL−3の置換変異体を公開することであ
る。より特定するとこれらは単一または二重Cys変異体
である。CysはAlaと置換するのが好ましい(Cys16→Ala
16、Cys16Cys84→Ala16Ala84)。アンタゴニスト効果を
示す別の変異体はGlu50→Lys50およびLys79→Glu79であ
る。
上述のポリペプチドは適当に修正したDNA配列の発現
により得られる。これを行うために本発明は適当な発現
ベクターおよびこれに適合する宿主細胞も提供してい
る。
また本発明の別の特徴には医薬的に許容し得るキャリ
ヤーとともに上述のhIL−3の生物学的に活性なペプチ
ド類似体を含む医薬組成物が含まれる。
最後に本発明はアミノ酸29および54の間に存在するエ
ピトープを指向するモノクローナル抗体を公開をしてい
る。
これらの特徴は以下の詳細な説明でより明確となろ
う。
本明細書で使用しているヒトIL−3は第1図に示すア
ミノ酸(1−133)に対応している。天然の変異体も含
まれている。さらに翻訳語に修正された(たとえばグリ
コシル化)hIL−3分子もIL−3で表わされる。化学的
または酵素的に修正を受け、それによってもなおその生
物学的活性の少なくとも一部を保持すIL−3分子はIL−
3誘導体と呼ばれる。
本明細書で取り扱われているヒトIL−3の類似体は1
つ以上の欠失または置換により成熟IL−3とは異なる配
列を有する分子を示している。
さらにヒトIL−3はヒト造血前駆体細胞によるコロニ
ー形成を刺激する生物学的活性を特徴とする。形成した
コロニーには赤芽球、顆粒球、巨核球、顆粒球性マクロ
ファージおよびこれらの混合物が含まれる。hIL−3の
生物学的活性(本発明の目的である)はさらにシグナル
誘導とレセプター結合の2つに分けることができる。
より良い性質を示すhIL−3類似体を用いて我々はこ
の類似体が優れたシグナル誘導/レセプター結合比を有
することを示した。どこが優れているかは目的とする性
質に依存している。たとえばアンタゴニストとしてのよ
り高い結合係数もしくは欠失変異体としての等価または
より大きい生物学的活性などである。またより優れてい
るということはそのポリペプチド類似体が凝集し難くい
ことも意味する。
本目的のためのヒトIL−3類似体の(生物学的)活性
はヒト急性骨髄幼若化細胞によるDNA合成により測定さ
れる。さらに、レセプター結合アッセイは提供者の白血
球、患者のAML細胞またはMV4−11細胞を用いて行なう。
IL−3はレセプター結合およびシグナル誘導の両方で
活性を示す。もしこれらの活性を特定のアミノ酸配列
(連続または不連続を問わず)に帰着させることができ
るならこれらの結合およびシグナル誘導活性を分離し得
るであろう。したがって特異的IL−3レセプターアンタ
ゴニストを生産し得る。
これらの目的を達成する第1ステップとして、hIL−
3の構造−機能関係のしっかりした理解が必要である。
天然の、もしくは天然に変異したIL−3の性質をこのた
んぱく質に多くの変異を導入することにより修正し得
る。このような修正は本明細書で述べている突然変異誘
発技術を用いてうまく導入され、かつその変異した分子
(hIL−3ミューテイン)はここで述べられている発現
ベクターを用いてうまく合成される、構造−機能関係を
決定するため、とりわけ次に示す突然変異誘発技術が考
えられた。
a) あるアミノ酸の異なる機能を有する等立体的残基
による置換、たとえばAsnによるAspの置換。これは水素
結合性は維持されるが荷電が除去される。
b) あるアミノ酸の機能は等しいが構造が異なる別の
アミノ酸による置換、たとえばAspによるGluの置換(こ
れによるカルボキシル基の移動は約1Åとなる)。
c) あるアミノ酸の機能の異なる別のアミノ酸による
置換。
d) ジスルフィド結合の導入または除去。
e) 欠失変異体の構築。
f) ヘリックスブレーカーの導入(たとえばPro)。
g) 挿入変異体の構築。
h) グリコシル化変異体の生成 本発明の1つの特徴、は好ましくはレセプターに高結
合定数で結合してこれをブロックし、そうすることによ
りシグナル誘導を阻害する特異的アンタゴニストの開発
である。
アンタゴニストとはレセプターに結合し、そうするこ
とによりアンタゴニストの結合を阻害する化学物質であ
る。特に本発明はこのような阻害効果を有するたんぱく
質を目標とする。その特徴の1つとして本発明は少なく
とも部分的なアンタゴニスト効果を有するhIL−3ミュ
ーテインを提供している。より特定するとこれらは単一
または二重Cys変異体である。CysはAlaで置換されるの
が好ましい(Cys16→Ala16、Cys16Cys84→Ale16Al
a84)。アンタゴニスト効果を有する別の変異体にはGlu
50→Lys50およびLys79→Glu79がある。上述の変異体を
有効量投与すると生理的に使用可能なIL−3の結合を阻
害し、それによりアンタゴニスト活性が示される。
本発明のもう1つの特徴は、天然のhIL−3分子より
も好ましくは約3〜約25%小さいhIL−3またはhIL−3
様活性を有するたんぱく質を提供することである。さら
に実施例で説明されているように、特定の欠失を導入す
ることにより分子のどの部分がレセプター結合およびシ
グナル誘導に関係しているか決定することができる。
また本発明の別の特徴にはアミノ酸を置換することに
よっても、レセプター結合および、またはシグナル誘導
に重要なアミノ酸を決定し得ることがある。
特に2種類の変異体が作られた。
a) 欠失変異体およびb)置換変異体。これらの変異
体の組合せは従来法により容易に入手し得ることが理解
されよう。
事実上完全なコード領域を含む欠失変異体を作った。
ここで使用している欠失とは最小2つの連続(または分
離している)アミノ酸の欠失を示している。4個以上の
アミノ酸が欠失することが望ましい。この欠失は分子上
のどのアミノ酸でも開始し得る(C末端付近を除い
て)。また分子中離れた2個の欠失も可能である(たと
えば1個のアミノ酸欠失が2カ所、2個の欠失が2カ所
など)。もっとも好ましい態様の1つではこのたんぱく
質のN末端で14個、C末端で18個、計32個のアミノ酸が
欠失している。驚くべきことに発現した欠失変異体たん
ぱく質全ては特異的IL−3の生物学的活性を示したがそ
の活性は非常に減少していた。したがってレセプターに
結合するたんぱく質上の単一の連続するペプチドドメイ
ンは存在しないと結論できる。
変異体のうちの4個、アミノ酸1〜14を欠くN末端欠
失変異体、アミノ酸120−130を欠くC末端欠失変異体、
それらの二重変異体およびC末端変異体130−133は天然
IL−3分子と同等の生物学的および結合活性を示した。
25個までのアミノ酸(全hIL−3の約20%)を失ったhIL
−3がなおその全活性を維持していることは驚くべきこ
とである。ジスルフィド結合の形成に関係するCys16
ら考えて、−15N−末端欠失変異体がその全活性を維持
していることが期待される。14N−末端および18以下C
末端アミノ酸を欠いた二重欠失変異体(第4表、Xおよ
びZ)はなお全活性を保持している。32個のアミノ酸を
欠いている変異体は天然分子のおよそ25%を失ってい
る。この二重変異体は全活性を保持していることから−
18C末端変異体も全活性を維持していることが期待され
る。
内部欠失のみを有する変異体も作成した。完全に活性
を維持する内部欠失変異体が本発明で示されている。こ
の変異体はアミノ酸120−130を欠いている(第4表、93
9)。もっとそのような変異体を作り得るようだ。処理
の都合上成熟IL−3たんぱく質の最初のいくつかのアミ
ノ酸を保持しておいた方がよい。−14N末端欠失変異体
は完全な活性を保持していることからN末端領域の内部
欠失変異体もそのような活性を保持していることが期待
される。欠失を導入する別の領域ではGln29−Leu25領域
がうまくいっているようだ。おそらくLys28→Pro28置換
とともに1〜7個のアミノ酸の欠失が別の内部欠失変異
体を提供する。
hIL−3活性が公開された二重変異体またはたんぱく
質の一部分(たとえばおよそ25パーセント)を欠く別の
変異体で保持されているという発見は別の潜在的利点を
有している。hIL−3を含む医薬組成物は腹腔内、静脈
または皮下注射で投与し得る。該ポリペプチドを包み、
徐々に該ポリペプチドを放出する生分解ポリマーからな
るハイドロゲルの使用は包み込むペプチド量により制限
される。より高い比活性を有するポリペプチドの欠失変
異体を使用することはモル濃度でより多くの活性物質を
一定容積中に包み込め、それにより投与間隔を増大し、
または反復投与を回避できることを意味している。
置換変異体はDNAレベルで特定の変異を導入し、その
コードするたんぱく質にアミノ酸置換を導入することで
作られる。これらの置換は該たんぱく質の構造または活
性に重要な領域に導入される。このような変異の例には
Cys16およびCys84間に存在するジスルフィド結合に影響
する変異がある。これらの各システィン残基(または両
残基)をアラニンで置換することによりこの結合は形成
されず活性は大きく減少する。3種全ての可能な変異体
が作られ、それらはレセプター結合アッセイにおいて比
較的高い結合活性(生物学的活性と比較して)を示す。
相対的生物学的活性に対する相対的結合活性の比が分っ
たので(第4表)、公開されたIL−3類似体を組合せて
使用するのが望ましい。さらに1つ以上の欠失および1
つ以上の置換の両方を有するポリペプチドを使用するの
が望ましい。
ジスルフィド結合の切断は該たんぱく質の3D構造の実
質的変化を起こし、他のアミノ酸置換もこの構造すなわ
ち活性に影響する。
二次構造測定(円二色性)はhIL−3分子が高いパー
センテージでα−ヘリックス(20℃で70%)を含んでい
ることを示している。二次構造予測プログラム(たとえ
ばホップ(Hopp)およびウッズ(Woods)、Proc,Natl,A
cad,Sci,USA78(1981)3824−3828、ガーニア(Garnie
r)等、J.Mol,Biol.120(1978)97−120、ビオウ(Bio
u)等、Prot,Eng,(1988)185−191、カーメンス(Ca
rmenes)等、Biochem,Biophys,Res,Commun,159(1989)
687−693)はα−ヘリックスが以下のアミノ酸Met19−H
is26、Gly42−Arg55、Leu58−Ghi69、Ala71−Leu81、Le
u87−His95、His98−Leu111およびLeu115−Ala121間に
存在することを示唆している。
α−ヘリックス内の荷電分布およびこれらの荷電がレ
セプターとの相互作用に重要な役割を果たすことが考え
られることから以下の“チャージリバーサル”置換も本
発明の範囲に入る。
欠失および置換両変異体はグリコシル化部位の修正に
使用し得る。従って思いどおりに真核宿主細胞中でグリ
コシル化または非グリコシル化ポリペプチドを生産し得
る。
エピトープマッピング実験において、レセプター結合
に関するその分子の露出セグメントがどこに存在するか
を決定するために上述の変異体を使用した。これを行う
ため成熟hIL−3に対するモノクローナル抗体を調製し
た。つづいてこれらの抗体を変異体たんぱく質に対する
ウエスタンブロッティング実験で用いた。最後に1つの
抗原フラグメントが検出し得た。
本発明の新しいhIL−3変異体は部位指定突然変異誘
発により簡便に調製されるが、当分野で知られている他
の多くの技術もたんぱく質を修正するのに用いられる。
微生物をトランスホームし得、目的とするhIL−3変
異体をコードする変異DNA配列を発現し得る適当なベク
ターには発現調節領域およびターミネーター領域に結合
する成熟hIL−3コード配列由来の前記変異配列を含む
発現ベクターが含まれる。これらの領域は宿主細胞とし
て使用される原核性または真核性細胞に依存して選ばれ
る。宿主株としては大腸菌またはバチルス(Bacillus)
を使用することが好ましい。しかし、菌類、イースト細
胞および組織培養細胞も使用される(EP−A−0275598
参照)。
大腸菌用の発現ベクターには各々Lac Zプロモーター
を含むpGB/IL−336およびpGB/IL−339が含まれ、バチル
ス用にはα−アミラーゼプロモーターおよびシグナルペ
プチドを含むpGB/IL−322およびその誘導体が含まれ
る。バチルスにおける発現用のその他の適当なベクター
には、たとえばHpa IIプロモーター含有ベクターおよび
その誘導体がある。これらのベクターおよびその他のベ
クターは全てEP−A−0275598およびEPA90200624.6(以
下の優先権、1989年3月15日登録のEPA89200660.2およ
び1989年7月25日登録のEPA89201967.0に基づき1990年
3月15日登録された)。
宿主細胞からたんぱく質を分泌し得る発現構築物を使
用するのが便利である。これはたとえばバチルス構築物
で行なわれる。大腸菌で例示される内容物からの単離も
可能である。
発現後得られるポリペプチドの精製は使用される宿主
細胞および発現構築に依存する。一般にhIL−3ミュー
テインの精製は天然のhIL−3の精製と同じ方法で行な
い得る。高精製hIL−3ミューテインを得るために以下
のステップが用いられる;疎水性相互作用クロマトグラ
フィー、それにつづくアニオン交換クロマトグラフィー
および場合によってはそれにつづくゲル濾過。またこれ
らの精製ステップのうちのわずか1つか2つを用いるだ
けで十分である(hIL−3の精製の詳細な説明は以下の
優先権;1989年3月15日登録のEPA89200660.2および1989
年7月25日登録のEPA89201967.0に基づく、1990年3月1
5日登録のEPA90200624.6に公開されている)。
簡単に云うと、第1ステップとして大腸菌中での発現
後該たんぱく質を含む内容物を単離する。8M尿素中での
超音波処理後このたんぱく質をさらにアニオン交換クロ
マトグラフィーで精製する。尿素の除去後、濾過除菌に
よりたんぱく質を入手し、ひきつづき生物学的および生
化学的特性を調べた。
ポリペプチドの分泌を伴う宿主株としてバチルスを使
用すると疎水相互作用およびアニオン交換クロマトグラ
フィー後に非常に純粋なポリペプチドが得られる。さら
に荷電が変化した変異体が異なる物理的性質を示し、特
に実施例で使用したものとは異なる溶出条件やカラム物
質を必要とすることは明らかである。
精製したミューテインは医薬的に許容し得る無毒キャ
リヤーと合せて医薬組成物に成型することができる。先
に述べたようにこのような組成物は特に溶液またはサス
ペンジョンの形で非経口(皮下、筋肉または静脈)投与
用に調製される。この組成物は単一投与型で投与するの
が便利であり、たとえば1970年、Pa、イーストン、マッ
ク出版社“レミントン医薬科学”に述べられている医薬
技術分野知られている方法で調製することができる。非
経口投与用の成型には一般的賦型剤、無菌水または生理
食塩水、ポリエチレングリコールなどのポリアルキレン
グリコール、植物油、ハロゲン化ナフタレン類などが使
用される。
本発明の物質は医薬中唯一の活性成分として用いられ
ることも、他の活性成分と合せて使われることもある。
別の活性成分はたとえば適当なヘマトポイエチン、CSF
およびインターロイキンから選択し得る。これらにはGM
−CSF、CSF−1、G−CSF、M−CSF、エリスロポイエチ
ン、IL−1α、IL−1β、IL−2、IL−4〜IL−8およ
び腫瘍壊死因子が含まれる。
本発明のhIL−3類似体の生物学的活性および能力を
検定するには多くのテストが使用可能である。たとえば
たんぱく質がヒト造血前駆細胞によるコロニー形成を刺
激するかどうかを見るための当分野でよく知られている
技術を用いこの類似体をテストし得る。形成したコロニ
ーには赤芽球、顆粒球および顆粒球性マクロファージが
含まれる。それとは別にヒト急性骨髄性白血病(AML)
幼若化によるDNA合成を刺激する本類似体の能力は標識
化チミジン取込みなどで示されるように活性の指標とし
て用いられる。
本発明で提供されるヒトIL−3の生物学的に活性なポ
リペプチド類似体は治療と診断の両方に使用し得る。治
療的使用には悪性および非悪性の病気の治療および予防
が含まれる。提供される変異体の特性によりその応用が
改善された。
その用途には、 −感染による血球減少症および、または免疫抑制 −化学療法および、または照射による血球減少症、 −骨折および骨多孔症などの骨の障害 −一般的麻酔操作による免疫不全、 −骨髄移植後の回復 −感染の予防や付随する治療の補助 本発明を以下の非制限的実施例で説明する。
実施例 1 (発現ベクターの構築) (pGB/IL−336の構築) 成熟ヒトIL−3に非常に似たポリペプチドを生成する
ため、5′側非翻訳配列およびシグナルペプチドコード
配列を欠く構築物を作った。pLH1のIL−3cDNA挿入物(E
P−A−0275598参照)をHinc IIおよびHind IIIで切断
し、成熟IL−3のN末端14アミノ酸を含む合成オリゴヌ
クレオチド(Sal I−突出/平滑、419/420、第1表)に
ライゲーションし、Sal I−Hind III消化pTZ18R(ファ
ルマシア社)に挿入した。配列の確認後完全な挿入物を
たんぱく質生産用のpUC8に移行しプラスミドpGB/IL−33
5を作った。直接的シーケンシングおよび突然変異誘発
を行なうため、f1複製オリジンをもつプラスミドpTZ18R
のPvu IフラグメントをpUC8の相当するPvu Iフラグメン
トとの置換に用いた。この細菌用発現プラスミドpGB/IL
−336は分子量16.384ダルトンと計算される145個のアミ
ノ酸からなる融合たんぱく質を生ずる(第1図)。
(pGB/IL−339の構築) 潜在的に興味ある変異体をバチルス(Bacillus)発現
ベクターに効率的に移行させるために別の発現プラスミ
ドを構築した(以下参照)。この目的のためpGB/IL−33
6をHpa IおよびHind IIIで消化しIL−3cDNAの3′末端
部分のほとんどを除去した。突出末端を平滑化し、つづ
いて対応するIL−3配列(nt137〜497)およびプラスミ
ドpGB/IL−337由来のB.リチェニホルミス(licheniform
is)アルファ−アミラーゼターミネーターを含む平滑末
端フラグメントをそれにライゲーションし、プラスミド
pGB/IL−338を作った。pGB/IL−337は合成オリゴヌクレ
オチドを用い、cDNA中のIL−3停止コドンとアルファ−
アミラーゼターミネーターとの間のアルファ−アミラー
ゼ構造配列と3′非コードIL−3cDNAのループアウトに
よりpGB/IL−324(参考として本明細書で引用している
ヨーロッパ特許出願No.892019670に公開されている)か
ら構築した(第1表、944参照)。またこのオリゴヌク
レオチドはIL−3停止コドンの直ぐ下流にXho I部位を
導入する。プラスミドpGB/IL−338をBamH IおよびHinc
IIで消化し、ポリリンカーの一部および5′末端IL−3
配列をリン酸化合成オリゴヌクレオチド1055/1056(第
1表)で置換しプラスミドpGB/IL−339を生成した。し
たがってわずかに修正した異質シグナルペプチドコード
配列をもつIL−3遺伝子が再構築された。ここで分子量
16541ダルトンと計算される148aaからなる融合たんぱく
質が合成された(第2図)。pGB/IL−339のDNA配列を確
認しこれが正しいことが分った。発現した融合たんぱく
質の生物学的活性は変化していないことが分った。
別の大腸菌発現ベクターpGB/IL−340を構築した。そ
のlac Zプロモーターは下流にアミラーゼターミネータ
ーをもつ成熟IL−3と精密に融合するバチルス(Bacill
us)アルファ−アミラーゼシグナルペプチドをコードす
る配列の直前に位置している。またバチルス(Bacillu
s)発現ベクターの構築用の中間体としても使用される
このプラスミドは先に述べた全ての配列を含むpGB/IL−
337由来のNde I−Kpn IフラグメントをNde I−Kpn I切
断大腸菌ベクターpTZ18RNに導入することにより構築し
た。
pTZ18RNはlac ZATZ開始コドンの直ぐ上流をオリゴヌ
クレオチド731(第1表参照)を用いNde I部位が導入さ
れたpTZ18R(ファルマシア)である。pGB/IL−340は大
腸菌においてIL−3を非常に大量に生産する。
(実施例 2) (欠失および置換変異体の構築) キュンケル(Kunkel)等(1987)、Meth,Enzymol,154
367−382)により開発された操作に従がい合成オリゴ
ヌクレオチド(第1表および第2表)を用いてインビト
ロ突然変異誘発を行った。大腸菌CJ236(バイオラド
社)へのpGB/IL−336またはpGB/IL−339DNAのトランス
ホーメーションおよびM13K07(ファルマシア)ヘルパー
ファージを用いたスーパーインフェクションにより一本
鎖テンプレートDNAを調製した。標準法に従がいファー
ジDNAを調製し、0.6%低融点アガロースによる分画でヘ
ルパーファージssDNAを除去した。切り出したバンドを
融解しフェノールで抽出した。ブタノール濃縮およびエ
タノール沈殿によりpGB/IL−336またはpGB/IL−339ssDN
Aを回収し、シーケンシング反応におけるプライマー依
存DNA合成をテストした。
精製したpGB/IL−336またはpGB/IL−339ssDNA(±100
ng)を65℃でリン酸化したプライマー20ngとアニール
し、ゆっくり室温まで冷却した。相補鎖の合成は1〜2
μgの遺伝子32たんぱく質、4ユニットのT4DNAポリメ
ラーゼおよび2.5ユニットのT4DNAリガーゼを用いて行っ
た。反応は0℃、5分間、20℃、10分間および37℃、90
分間で行った。完結後、反応混合物の3分の1を融解し
たコンピテント(ハナハン(Hanahan)、D.(1985)“D
NAクローニング”(D.M.グローバー(Glover)編)、第
1巻、IRLプレス版、ワシントン)JM109細胞と混合し、
プレーティングした。個々にピックアップしたコロニー
を液体培地への接種に用い、その細胞にM13K07ヘルパー
ファージをスーパーインフェクトしてssDNAを生成させ
た。このクローンの配列をM13リバースシーケンシング
プライマーと2個のIL−3配列特異的プライマー(第1
表、823;nt118〜137および824;nt261−280)を用いて確
めた。
二重システイン変異体(9045)を変異体IL−3遺伝子
904および905を持つプラスミドの対応するBstB I−BamH
Iフラグメントのライゲーションにより構築した。同様
に組合せ変異体XおよびZは5′欠失を含むフラグメン
トと3′欠失を含むフラグメントのライゲーションによ
り構築した。生成したクローンは制限酵素分析および配
列分析でチェックした。
変異体9329はHpa IおよびBamH I消化およびオリゴヌ
クレオチド1424/1425とのライゲーションにより939から
誘導した。クローンをまずHpa I部位の消失で確認し、
ついで正しいDNA配列を確認した。
全てのトランスホーマントからプラスミドDNAを単離
し、親IL−3構築物の潜在的混入を排除するためJM109
細胞へ2回のトランスホーメーションを行った。配列の
確認後これらのクローンをたんぱく質生産に使用した。
ここで述べているいくつかの変異体(811,933および9
329)をpGB/IL−340に導入した。これはpGB/IL−339由
来の変異体のPst I−Xho IフラグメントをPst I−Xho I
切断pGB/IL−340にライゲーションすることによって行
った。これによりプラスミドpGB/IL−340/811、pGB/IL
−340/933およびpGB/IL−340/9329ができた。IL−3ミ
ューテイン用のバチルス(Bacillus)発現ベクターはpG
B/IL−322Pst I−Hind IIIフラグメント(アルファ−ア
ミラーゼシグナルペプチドの一部、完全な成熟IL−3cDN
A配列およびアミラーゼターミネーターを含む)をpGB/I
L−340変異体誘導体のPst I−Hind IIIフラグメント
(アルファ−アミラーゼシグナルペプチド、変異体IL−
3cDNA配列およびアルファアミラーゼターミネーターを
含む)と交換することにより構築した。ミューテイン81
1、933および9329用のバチルス(Bacillus)発現ベクタ
ーを各々pGB/IL−322/811、pGB/IL−322/933およびpGB/
IL−322/9329と命名した。
他の変異体(アミノ酸130〜133を欠く1455)はオリゴ
ヌクレオチド1455(第1表)を用いたループアウト突然
変異誘発によりpGB/IL−340で直接構築し、プラスミドp
GB/IL−340/1455と命名した。つづいて、この変異体配
列を変異体811、933および9329について述べた方法と同
様にpGB/IL−322に移行し、プラスミドpGB/IL−341を作
った。
(実施例 3) (大腸菌またはバチルスからのIL−3ミューテインの精
製) 大腸菌JM109培養物(100)に(変異体)IL−3クロー
ンの新鮮な一晩培養物0.5を接種し550nmにおけるOD値が
0.4〜0.6に到達するまで37℃で増殖した。プラスミド指
定たんぱく質の合成は1mMのIPTG(ファルマシア社)の
添加で誘導した。さらに3〜16時間培養したのち、遠心
によって細胞を収集し、凍結保存した。
10のTE(10mMトリス−HCl、pH8:1mM EDTA)に細菌を
懸濁し、さらにリゾチーム(0.025%=500μg/)を加え
た。室温で30分間インキュベーションした後、MgCl2とD
Naseを各々最終濃度10mMおよび20μg/となるように添加
した。37℃で15分間インキュベーションした後、トライ
ーン20(0.2%)、DTT(2mM)およびPMSF(0.1mM)を添
加した。このサスペンジョンを氷上で冷却してから激し
く超音波処理した(35秒2回)。このホモジネートを4
℃の遠心(ベックマンJS13.1ローター、10000rpm、1500
0×g、30分間)により清澄化し、上清を廃棄した。
超音波を用いてこのペレットをバッファTPD(50mMト
リス−HCl、pH8;0.1mM PMSFおよび2mM DTT)中55%ス
クロース溶液4に再懸濁し、生物学的活性の直接検定用
にペレット化し尿素中で可溶化するか、またはWO 88/0
0598で述べられているように不連続スクロース勾配(TP
Dバッファ中75%および60%スクロース各2)上に重層
した。25℃、200,000×g(ソルバルTH641ローターで35
000rpm)、2時間の遠心後、IL−3たんぱく質を含む内
容物を75%スクロース層から回収した。
少なくとも4倍希釈後、25000×g(ベックマンJS13.
1ローター13000rpm、30分間)でペレット化し、50mMト
リス−HCl、pH8.9、および2mM DTTを含む8M尿素溶液5
中で超音波処理し、一晩4℃で放置した。つづいてその
清澄化溶液を8M尿素、5mMトリス−HCl pH8.9および1mM
DTTバッファで平衡化した3のDEAE−セファロースフ
ァーストフローカラム(ファルマシア社)に通した。IL
−3たん白質はこのカラムに結合するので同バッファ中
75mM NaClで段階的に溶出した。溶出たんぱく質を数部
の10mMトリス−HCl pH8.0および1mM DTTバッファに対
して透析し、1%ウシ血清アルブミンを含む10倍濃度の
RPMI細胞培養培地を添加して等張化した。このフィルタ
ー除菌溶液を生化学的、および生物学的特性を調べるの
に用いた。
バチルス(Bacillus)から生産された変異体たんぱく
質811、933、1455、9329、XおよびZは培養培地中に放
出されたが生物学的活性をテストするのにこのような精
製操作は必要としなかった。それゆえ、清澄化上清(1
リットル)(5mM EDTA、1mM PMSFおよび1M硫酸アンモ
ニウムに調整)を10mMトリス−HCl(pH7.0)バッファ中
1M硫酸アンモニウムで平衡化した15〜20のフラクトゲル
TSKブチル650(C)カラム(メルク社製)に通した。結
合したIL−3たんぱく質を10mMトリス−HClバッファで
溶出し、つづいて10mMトリス−HCl(pH8.0)バッファで
平衡化した1.5のDEAE−セファロースファーストフロー
カラムに通した。流出物を集め、70%硫酸アンモニウム
となるように調整してIL−3たんぱく質を濃縮した。沈
殿を10000rpm(JS−13ローター)での遠心により集め、
溶解後10mMトリス−HCl(pH8.0)、1mM DTTバッファに
対して透析した。
元の細菌培養物25〜100μに相当するサンプルを0.7
5×75×100mm(バイオラド、ミニプロテーンII)13.5%
SDS−ポリアクリルアミドゲル(アクリル/ビスアクリ
ル=29/1)で分析した。たんぱく質はコマージブリリア
ントブルG250染色または免疫学的方法により観測した。
第4図は大腸菌で発現した精製ミューテインの例であ
る。
変異体pGB/IL−339由来のIL−3たんぱく質の大腸菌
における発現は一般にpGB/IL−316発現ベクター由来の
同変異体よりも多い。使用した精製操作は完全に純粋な
IL−3たんぱく質を調製するよう考えられてはいない。
一般にSDSゲルで若干高分子側の混入物が観察された。
染色したSDSゲルのデンシトメータースキャンニングを
用いIL−3たんぱく質の量を測定した。場合によっては
透析後相当のたんぱく質の損失があるが、一般に全回収
量は“精製"IL−3たんぱく質0.1〜1mgであった。例外
は変異体811および933であり、これらはいずれの大腸菌
発現ベクターでも融合たんぱく質の生産は起こらなかっ
た。ノーザン分析はIL−3特異的RNAが大腸菌において
大きく減少していることを示した一方、プラスミドDNA
含量に有意の差は観察されなかった。この結果はおそら
く真核性IL−3cDNA配列中に導入された欠失によりmRNA
の安定性が減少したことを示している。
ミューテイン811および933合成の簡便な方法はバチル
スリチェニホルミス(Bacillus licheniformis)におけ
る発現である。生産されるたんぱく質量は9329や1455な
ど他のミューテインを合成するバチルス(Bacillus)株
により生産されるたんぱく質量と比較して非常に少ない
がここで述べている生物学的アッセイを行なうのに十分
な量のミューテイン811および933を部分的に精製するに
は十分である。
(実施例 4) (IL−3ミューテインの免疫学的特徴) ポリクローナルおよびモノクローナル抗血清の調製法
はWO 88/04691に説明されている。
IL−3ミューテインの免疫学的検出のためゲル分画化
たんぱく質(実施例3参照)に連続的バッファシステム
(39mMグリシン、48mMトリス、0.0375%SDS and 20%
メタノール)を用いたセミドライブロッティングシステ
ム(ノバブロット、ファルマシア/LKB)(1.2mA/cm2、9
0min)によりニトロセルロース(0.2μm、シュレイチ
ャーアンドシュエル社BA83)に移行させた。つづいてこ
のニトロセルロースフィルターを空気乾燥し、3%ウシ
血清アルブミン(BSA、シグマ社)溶液(10mMトリス−H
Cl、pH7.6;350mM NaCl;0.1%PMSFおよび0.1%アジ化ナ
トリウム)中で前処理した後、RIAバッファ(10mMトリ
ス/HCl、pH7.6;150mM NaCl;1%トリトンX−100;0.1%
SDS;0.5%デオキシコール酸ナトリウム;0.1mM PMSFお
よび0.3%BSA)中ヒトIL−3(MCA A1、A4、A5、A8、A
18の10-4希釈物)を指向するポリクローナル(10-3
釈)またはモノクローナル(実験の目的に依存)抗体と
4〜16時間インキュベートした。免疫学的複合体は業者
の説明書に従いビオチン化抗ウサギまたは抗マウスIg、
ストレプトアビジン−ビオチン化ホースラディッシュパ
ーオキシダーゼ(アマーシャムインターナショナル、ア
マーシャム、UK)および4−クロロ−1−ナフトール
(ギブコ−BRL)を用いて観察した。別に抗血清インキ
ュベーションを0.05%トウイーン20を含むトリス緩衝液
中で行った。アルカリホスファターゼ結合抗マウスIg複
合体は標準的方法(プロメガ社)で観察した。
ウエスタンブロッティング実験における特異的モノク
ローナル抗体とhIL−3ミューテインの相互作用を示す
データを第3表に示した。
第3表に示した結果の解析から、ゲル精製した変性た
んぱく質に対する大部分のモノクローナル抗体は成熟IL
−3ポリペプチドの残基30と50との間に存在するエピト
ープを指向する。これらのエピトープはほとんどが線型
ポリペプチド鏡であり、不連続エピトープの唯一の例
(13)が同定された。最も大きいグループは933変異体
を同定し得るが811変異体とは反応しない。したがっ
て、このエピトープは残基37と50の間に存在するはずで
ある。この領域は、β−ターンとα−ヘリックスを含む
と推定される(DNASISソフトウェア)非常に親水的領域
であることが分っており、ホップ(Hopp)およびウッド
(Wood)のアルゴリズムを用いて抗原決定基であると提
唱されている。第2グループの抗体は変異体933(9個
のアミノ酸を欠く)とは反応しないという特徴をもつ。
この疎水的なプロリンリッチコイル領域は主要な抗原部
位ではないと予想されている。
これらのエピトープのより詳細な位置は腹水モノクロ
ーナルと以下の置換変異体;Asp36→Arg、Glu43Asp→Lys
43ArgおよびAsp46→Argとの反応により決められる。
二重サンドイッチELISAによる腹水モノクローナルの
特徴としてA1およびA5またはA8、およびA5およびA18間
には干渉がないことが明らかになった。競合ELISAは、A
1およびA18、A5およびA8、およびA8およびA18の間の交
差競合が存在することを示した。A4とは交差競合は観察
されなかった。これらのデータはイムノブロッティング
実験と一致している。さらに腹水抗体は哺乳類、細菌
類、イースト培養物由来のhIL−3とグリコシル化状態
とは無関係反応することが分った。
これらの免疫学的テストの情報を合せるとエピトープ
は以下のように特定し得る。
−A1およびA18はアミノ酸29と37の間に存在するエピト
ープを指向する。さらに36D→R変異体からA18エピトー
プはA1エピトープよりもいくぶんC末端側に位置すると
結論し得る。
−A5はアミノ酸45と54の間に存在するエピトープを指向
する。
−A8はアミノ酸36と47の間に存在するエピトープを指向
する。
(実施例 5) (IL−3ミューテインの生物学的特徴) AML DNA合成はヒトAML193細胞でテストした。ヒトAM
L193細胞(ATCC:CRL−9589)を0.1%BSA(ベーリンガー
AG、マーバーグ)、10μg/インシュリン(オルガノン)
およびトランスフェリン、0.1mM β−メルカプトエタ
ノールおよび10〜20ユニットのヒトIL−3を含む無血清
培地(SFM)〔アイコブ修正ダルベッコ培地(キブコBR
L)〕中に維持した。
IL−3(変異体)調製物を96穴丸底プレート内でSFM
で希釈した(50μ)。洗浄細胞(50μ SFM中1〜
2×104個)を加え、6日間培養した。20μ SFM中の
3H−チミジン(0.1μCi、2μCi/m mol)を加えた後16
時間後に細胞を収穫した。IL−3活性の1ユニットは、
このアッセイ中最高のDNA合成量の50%を与えるのに必
要な量と定義される。レファレンスIL−3調製物の場
合、たんぱく質mg当り2×106〜2×107ユニットの比活
性を示す。一般にミューテインの生物学的活性はこのレ
ファレンス調製物と比較される。
第4図はミューテイン812をバチルス(Bacillus)に
おいて発現したレファレンスIL−3と比較するAML増殖
アッセイの例を示している。このグラフはミューテイン
812が未修正IL−3に比べ4桁も低い活性を有している
ことを示している。しかし、このミューテインでもなお
AML細胞を刺激でき、最高活性にまで刺激するのにわず
かに多いたんぱく質量が必要なだけである。
精製した組換えhIL−3を用いてIL−3レセプター結
合アッセイを行った(EP−A−0275598およびEP−A−9
0200624.6参照)。IL−3はボルトン−ハンマー試薬で
放射能ラベルした(バデル(Budel)等、Blood、74(19
89)565−571)。その比活性はIL−3ng当り80000cpmと
見積もられた。標的としては提供者の白血球、患者のAM
L細胞、またはMV4−11(ATCC;CRL−9591)細胞を用い
た。細胞をハンクス平衡塩溶液で洗い、1%BSAを含む
アルファ−MEMに懸濁した。通常3〜10×106個の細胞を
200−300pMの放射能ラベル化IL−3および種々の濃度の
非ラベル化変異体たんぱく質と計200μ−溶液中37℃
で1時間インキュベートした。細胞結合ラベル化IL−3
をエッペンドルフチューブ中ウシ血清0.5のクッション
を通し、4℃、1000×g、10分間で遠心した(バテル
(Budel)等、1989)。このチューブを液体窒素中で凍
らせ、パッカードガンマカウンター中での計数のため先
端を切り落した。競合結合はレファレンス調製物に対し
て測定した。第5図はIL−3レセプター結合実験の例を
示している。患者AML幼若化細胞に対する放射能ラベル
化IL−3結合は非ラベル化IL−3たんぱく質(レファレ
ンス調製物)と競合させた。標的細胞上には少数のレセ
プターしかないため(200以下)競合データはほとんど
一桁の変化をみせた。
特定の欠失および置換変異体に関する上述のアッセイ
の結果を第4表に示す。この結果の一部は第6図にグラ
フで示した。
これから分るように両発現プラスミドpGB/IL−336お
よびpGB/IL−339由来のIL−3融合たんぱく質は生物学
的活性は同一であるがpGB/IL−322中の全IL−3 cDNA
の発現に由来するB.リチェニホルミス(licheniformi
s)レファレンス調製物とは有意に違わなかった(EPA89
201967.0参照)。大腸菌融合たんぱく質における異種の
リーダーペプチドにより生物学的活性にネガティブな効
果が引き起こされないことは明白である。ほとんどのIL
−3欠失変異体は生物学的活性が有意に減少している。
アミノ酸50と105の間の欠失は比活性の10000倍以上の減
少をもたらす。しかし、全ての場合に生物学的活性の残
存が検出された。このことはバイオアッセイの感度およ
びたんぱく質調製物における毒性成分の不在を示してい
る。生物学的活性の完全な回収は欠失変異体932(1−1
4)および939(120−130)について観察され、これらに
相当する二重変異体9329およびC末端変異体についても
観察された。欠失したNおよびC末端配列は明らかにレ
セプターへの結合またはこの分子の適正な折りたたみ構
造には関係しない。一方、システィン残基の単一置換
(変異体904および905)は生物学的活性が5000倍も減少
する。同様の効果は二重システィン変異体(9045)でも
見られ、このことはS−S結合が天然のIL−3分子にお
ける安定化に重要な役割を果していることを示してい
る。
上のセクションで述べた大腸菌中で発現したミューテ
インは全て融合たんぱく質である。余分なN末端アミノ
酸が欠失したIL−3特異的アミノ酸の損失の補償に必要
ないという証拠を得るため、pGB/IL−322/9329を構築
し、B,リチェニホルミス(licheniformis)で発現させ
た。この構築物はN末端に余分なアミノ酸を含まない1
−14/120−130IL−3ミューテインを生じた。このミュ
ーテインの活性は野生型の分子と同等であり、このこと
は残存する108個のアミノ酸のみがIL−3活性に効いて
いることを示している。
ほとんどの変異体IL−3たんぱく質のレセプター活性
を測定した。この結合実験では標的細胞上のレセプター
数が少ないことから詳細なレセプター結合活性の比較は
できない。しかし、一般に生物学的活性とレセプター結
合にはよい相関関係が成り立つ(第4表)。ほとんどの
変異体IL−3たんぱく質に関し、相対的結合と生物学的
活性の比はほぼ1である。ミューテイン1483、1488、90
4および9045はかなり高い比を示した(第4表および第
6図)。このことは潜在的アンタゴニスト活性を示して
いる。このことはこれらの分子がIL−3の部分的アンタ
ゴニストと見なし得ることを意味している。さらに実験
していくと、これらのミューテインは天然のIL−3と同
じ結合能を有しているが、その活性は104倍も低いこと
が分った。これらの分子はIL−3の真のアンタゴニスト
と云える。本発明で述べている方法はこのような分子を
得る方法を提供する。
1)成熟ヒトIL−3のアミノ酸番号間の欠失を示してい
る。アミノ酸の置換は一文字コードで示してある。
2)中間の比生物活性はレファレンスIL−3調製物との
比較で表わされている。
3)アンタゴニスト能は相対的レセプター結合活性を相
対的生物学的活性で割った値で表わされる。その範囲は
カッコに示した。
* 内容物はスクロース溶液からペレット化し尿素で可
溶化した。ミューテインを培地で希釈し、その生物学的
活性を測定した。レセプター結合実験は1度行った。
# 変異体たんぱく質をバチルス(Bacillus)中で発現
させた。これはリーダーポリペプチド配列を欠いてい
る。
S ミューテインのたんぱく質濃度はデンシトメーター
スキャンニングには低くすぎるのでゲルおよびウエスタ
ンブロットから見積った。
N.C. 特定のミューテイン調製物に関して競合は観察さ
れない。
本明細書に述べた全ての出版物(特許および出願を含
む)は本発明が属する分野の専門家のレベルで示してあ
る。全ての出版物は各々の出版物が個々に参考として引
用されているのと同じ程度に参考として引用されてい
る。
本発明についてその理解のため説明あるいは実施例に
より詳細に説明してきたが、当業者にとって請求の範囲
を逸脱することなしに多くの変化および修正が可能であ
ることは明白であろう。
【図面の簡単な説明】
第1図はpGB/IL−336の融合たんぱん質挿入物のヌクレ
オチド配列および翻訳されたアミノ酸配列を示してい
る。下段の文字で示したアミノ酸は非IL−3アミノ酸で
あり、IL−3たんぱく質の配列はAla 1から開始してい
る。 第2図はpGB/IL−339を得るために導入された5′側お
よび3′側の配列変化を示している。第1図と同様に下
段文字のアミノ酸は非IL−3のアミノ酸を示しており、
成熟IL−3たんぱん質の配列はAla 1から開始してい
る。 第3図は以下の19個の変異体(各々レーン1〜19)pGB/
IL−336、pGB/IL−339、932、810、934、812、935、81
3、916、820、937、821、938、822、939、9329、904、9
05、9045およびファルマシアLMNマーカー(レーン20)
のポリアクリルアミドゲルの電気泳動パターンを示す図
面に代る写真である。これらの番号に対応する変異は第
4表に示してある。 第4図はIL−3(*)およびIL−3変異体821(・)に
関するAML増殖アッセイを示している。 第5図はIL−3−レセプター結合実験を示している。放
射能ラベル化IL−3の患者AML幼若化細胞への結合を非
ラベル化IL−3たんぱん質(レファレンス調製物)と競
合させた。本実験における非特異的(下棒)および総結
合最大値(上棒)のレベルを示してある(実施例5参
照)。 第6図は相対的生物学的活性(白棒)と相対的結合活性
(黒棒)に関して選択した変異体IL−3たんぱん質を比
較している。レファレンスIL−3調製物に対する活性の
割合いが示されている(第4表)。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI A61P 3/02 102 A61P 7/00 7/00 35/00 35/00 37/00 37/00 C07K 16/24 C07K 16/24 A61K 37/02 (C12P 21/02 C12R 1:19) (C12P 21/02 C12R 1:07) (72)発明者 ロベルト ウィーレム ファン レーン オランダ国 2914テーエヌ ニウエルケ ルク アーデー エイゼル シッケルク ライト 5 (56)参考文献 国際公開88/5469(WO,A1) 国際公開88/598(WO,A1) Science,Vol.231 (1986),pp.134−139 Proc.Natl.Acad.Sc i.USA,Vol.85(1988),p p.7897−7901 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C12N 15/00 - 15/90 C07K 14/00 - 14/825 C12P 21/02 A61K 38/00 - 38/58 A61K 39/395 C07K 16/00 - 16/46 BIOSIS(DIALOG)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】インターロイキン−3アンタゴニストとし
    ての活性を有する、生物学的に活性なヒトインターロイ
    キン−3ポリペプチド類似体であって、 のアミノ酸配列で表されるポリペプチドにおいて、 の置換のうちいずれか1つのみを有する前記類似体。
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