JP3191425B2 - 運搬用具 - Google Patents

運搬用具

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JP3191425B2
JP3191425B2 JP21442992A JP21442992A JP3191425B2 JP 3191425 B2 JP3191425 B2 JP 3191425B2 JP 21442992 A JP21442992 A JP 21442992A JP 21442992 A JP21442992 A JP 21442992A JP 3191425 B2 JP3191425 B2 JP 3191425B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、枠組構造体から成り、
段積みを行える箱形の運搬用具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の運搬用具としては、たと
えば実公平3−22165号公報に開示されたものがあ
る。すなわち、上部枠板の前部の左右端には一対の前部
支柱が垂設され、上部枠板の後部の左右端には一対の後
部支柱が垂設される。両後部支柱の下端間は後部横材で
連結される。前後方向に相対向する前部支柱の下端と後
部横材の各端とは脚部材によりそれぞれ連結される。
【0003】上記脚部材は断面逆V字状のアングル材で
構成される。これら脚部材の前端部は所定長さを有する
嵌合凹部として形成され、この嵌合凹部を除く脚部材の
開放側の面(すなわち下端面)を塞ぎ板で塞いでいる。
また、前部支柱の上端面には、積み重ね時に上段運搬用
具の嵌合凹部に下方から嵌合自在な断面逆V字状の嵌合
突部が設けられる。そして、上部枠板の後面両端部には
板状ストッパーが設けられる。
【0004】上記運搬用具を積み重ねる場合は、下段の
運搬用具の上部枠板上に上段の運搬用具を積み上げれば
よい。この際、上段の運搬用具の嵌合凹部が上方から下
段の運搬用具の嵌合突部に嵌合するため、上段の運搬用
具が左右方向にずれることを防止できる。また、下段の
運搬用具のストッパーが上段の運搬用具の後部横材に当
接することにより、上段の運搬用具が後方にずれること
を防止できる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
従来形式では、図19に示すように、運搬用具を積み重ね
るために上段運搬用具60を降下させた際、上段運搬用具
60が前方にずれた場合は、上段運搬用具60の嵌合凹部61
が下段運搬用具62の嵌合突部63に嵌合せず、上段運搬用
具60の塞ぎ板64の前端部が下段運搬用具62の嵌合突部63
の上端に当接する。この状態で上段運搬用具60を矢印ハ
で示すように後方に押し込み、上段運搬用具60の嵌合凹
部61を下段運搬用具62の嵌合突部63に嵌め込んだ場合、
嵌合凹部61は一気に嵌合突部63にはまり込むため、大き
な衝撃が発生し、運搬用具の積み重ねをスムーズに行う
ことはできなかった。また、上述のように、上段運搬用
具60の塞ぎ板64の前端部が下段運搬用具62の嵌合突部63
の上端に当接した状態では、上段運搬用具60は不安定で
あり左右方向にずれ落ちる心配があった。
【0006】本発明は上記問題を解決するもので、運搬
用具の積み重ねを安定してスムーズに行うことができる
運搬用具を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記問題を解決するため
に本第1発明における運搬用具は、左右一対の前部縦支
柱と、左右一対の後部縦支柱とを有し、前後で相対向す
る縦支柱の下端間を下面が長さ方向にわたり開口した
支持部材で連結し、後部縦支柱の下端間を後部横材で連
結し、これら各支柱の上端部間を天枠で連結し、上記被
支持部材内に、下面が被支持部材の下端よりも上方に位
置する受け材を長さ方向に設け、この受け材の前端部を
上部が前方に傾斜する傾斜面として形成し、上記被支持
部材内の前部かつ上記傾斜面の前方に下面開口の被嵌合
部を形成し、上記各前部縦支柱の上端面に、積み重ね時
に上段運搬用具の被嵌合部が上方から嵌合自在な嵌合部
材を上方へ突出させて設け、上記天枠の後面に、積み重
ね時に上段運搬用具の後部横材の後面に当接自在なスト
ッパ体を設けたものである。そして、本第2発明におけ
る運搬用具は、上記した第1発明において、被支持部材
は下面が開口した断面チャンネル形状に形成され、嵌合
部材は断面山形状でかつその角部を頂部として前部縦支
柱の上端面に設けられているものである。
【0008】また、本第発明における運搬用具は、左
右一対の前部縦支柱と、左右一対の後部縦支柱と、これ
ら支柱の下部間を連結する底枠とを有し、前後で相対向
する縦支柱の下端部間を下面が長さ方向にわたり開口し
被支持部材で連結し、前後で相対向する縦支柱の上端
部間を支持部材で連結し、上記被支持部材内に、下面が
被支持部材の下端よりも上方に位置する受け材を長さ方
向に設け、この受け材の前端部を上部が前方に傾斜する
傾斜面として形成し、上記被支持部材内の前部かつ上記
傾斜面の前方に下面開口の被嵌合部を形成し、上記各支
持部材に、積み重ね時に上段運搬用具の被嵌合部が上方
から嵌合自在な嵌合部材を上方へ突出させて設けるとと
もに、上段運搬用具の被支持部材の後面に当接自在なス
トッパ体を設けたものである。そして、本第4発明にお
ける運搬用具は、上記した第3発明において、被支持部
材は下面が開口した断面チャンネル形状に形成され、嵌
合部材は断面山形状でかつその角部を頂部として支持部
材に設けられているものである。
【0009】
【作用】上記本第1発明の構成によると、運搬用具を複
数段積み重ねる場合は、上段運搬用具の被嵌合部を下段
運搬用具の嵌合部材に上方から嵌合させて、上段運搬用
具を下段運搬用具の天枠上に載置すればよい。この際、
上段運搬用具の後部横材の後面が下段運搬用具のストッ
パ体に当接するため、上段の運搬用具が前後左右方向に
ずれることを防止できる。
【0010】また、積み上げの際、上段運搬用具が前方
にずれた状態で下段運搬用具上に降下した場合、下段運
搬用具の嵌合部材の上部が上段運搬用具の被支持部材内
にはまり込んで受け材の下面に当接する。これにより、
上段運搬用具は左右方向にずれ落ちることを防止され
る。その後、上段運搬用具を後方に押し込むことによ
り、上段運搬用具の受け材の下面が下段運搬用具の嵌合
部材に当接した状態で摺動し、上段運搬用具の被嵌合部
が下段運搬用具の嵌合部材に嵌合する。この際、下段運
搬用具の嵌合部材は上段運搬用具の傾斜面に案内されな
がらスムーズに被嵌合部内に導かれる。
【0011】積み上げ後、振動やフォークの出退動など
により、上段運搬用具が前方にずれようとしても、上段
運搬用具の傾斜板が下段運搬用具の嵌合部材の後端に当
接するため、前方へのずれを防止できる。また、上段運
搬用具が後方にずれようとした場合は、上段運搬用具の
後部横材の後面が下段運搬用具のストッパ体に当接する
ため、後方へのずれを防止できる。また、本第2発明の
構成によると、両被支持部材を断面が下部開放のチャン
ネル形状に形成したことにより、各被支持部材の強度が
向上する。さらに、上段運搬用具の被支持部材の内側面
下端が下段運搬用具の嵌合部材の両傾斜面に当接するこ
とにより、上段運搬用具は下段運搬用具に対してセンタ
リングされる。
【0012】上記本第発明の構成によると、運搬用具
を複数段積み重ねる場合は、下段の運搬用具の両支持部
材上に、上段の運搬用具の各被支持部材を積み上げれば
よい。この際、上段の運搬用具の被嵌合部が下段の運搬
用具の嵌合部材に上方から嵌合し、かつ上段運搬用具の
被支持部材の後面が下段運搬用具のストッパ体に当接す
るため、上段の運搬用具が前後左右方向にずれることを
防止できる。
【0013】また、積み上げの際、上段運搬用具が前方
にずれた状態で下段運搬用具上に降下した場合、下段運
搬用具の嵌合部材の上部が上段運搬用具の被支持部材内
にはまり込んで受け材の下面に当接する。これにより、
上段運搬用具は左右方向にずれ落ちることを防止され
る。その後、上段運搬用具を後方に押し込むことによ
り、上段運搬用具の受け材の下面が下段運搬用具の嵌合
部材に当接した状態で摺動し、上段運搬用具の被嵌合部
が下段運搬用具の嵌合部材に嵌合する。この際、下段運
搬用具の嵌合部材は上段運搬用具の傾斜面に案内されな
がらスムーズに被嵌合部内に導かれる。
【0014】積み上げ後、振動やフォークの出退動など
により、上段運搬用具が前方にずれようとしても、上段
運搬用具の傾斜板が下段運搬用具の嵌合部材の後端に当
接するため、前方へのずれを防止できる。また、上段運
搬用具が後方にずれようとした場合は、上段運搬用具の
被支持部材の後面が下段運搬用具のストッパ体に当接す
るため、後方へのずれを防止できる。また、本第4発明
の構成によると、両被支持部材を断面が下部開放のチャ
ンネル形状に形成したことにより、各被支持部材の強度
が向上する。さらに、上段運搬用具の被支持部材の内側
面下端が下段運搬用具の嵌合部材の両傾斜面に当接する
ことにより、上段運搬用具は下段運搬用具に対してセン
タリングされる。
【0015】
【実施例】以下、本第1発明の実施例を図1〜図9に基
づいて説明する。図2,図5〜図7に示すように、1
A,1Bは左右一対の前部縦支柱、2A,2Bは左右一
対の後部縦支柱で、これらは前部縦支柱1A,1Bの内
面間隔L1よりも後部縦支柱2A,2Bの外面間隔L2
が小さくなるようにほぼ四角形の四隅に配設される。
【0016】そして前後で相対向する縦支柱1A,2
A、ならびに1B,2Bの各下端間には、下面が開口す
る断面チャンネル形状の被支持部材4A,4Bが連結さ
れている。このうち、前部縦支柱1A,1Bは下端面を
平坦状に切断したのち上記被支持部材4A,4Bの上面
に接合されている。上記被支持部材4A,4Bの内面間
隔L3 は後部縦支柱2A,2Bの外面間隔L2 よりも大
きく形成される。そして、被支持部材4A,4Bの上方
には、奥行部材3が前記被支持部材4A,4Bに平行に
設けられる。そして、前記被支持部材4A,4Bは、中
間部を奥行部材3から垂下されたアングル状のステー材
7に支持されている。なお、このステー材7は下端面を
平坦状に切断したのち被支持部材4A,4Bの上面に接
合される。また、後部縦支柱2A,2Bの下端間には、
後部横材6が連結されている。8は連結板であり、これ
ら連結板8は、各後部縦支柱2A,2Bの下端部と、各
奥行部材3の後端面と、後部横材6の左右各端部とにわ
たって連結されている。また、各縦支柱1A,1B,2
A,2Bの上端部間は、天枠(荷受台)9により連結さ
れる。この天枠9の幅L4 は前部縦支柱1A,1Bの内
面間隔L1 よりも小さく形成されている。
【0017】図1〜図4に示すように、上記被支持部材
4A,4Bの前端面は補強用の前蓋板12で覆われてい
る。また、各被支持部材4A,4Bを形成する両側板部
13間には受け板14(受け材の一例)が長さ方向に設けら
れている。これら受け板14は、各被支持部材4A,4B
内に位置するとともに、その下面14aは被支持部材4
A,4Bの下端よりも上方に位置している。上記受け板
14の前端部は、上部が前方に傾斜する傾斜板16として形
成されている。これら傾斜板16は、上記前蓋板12から所
定距離だけ後方に設置されており、これにより、上記被
支持部材4A,4B内の前蓋板12と傾斜板16との間には
下面開口の被嵌合部17が形成される。
【0018】上記前部縦支柱1A,1Bの上端面には、
断面山形状の嵌合部材18が、その角部を頂部として設け
られる。尚、図3,図4に示すように、嵌合部材18の頂
部は所定寸法のアール(R1)が形成されているととも
に、上端前部には所定寸法のアール(R2)が形成され
ている。これにより、搬送物を積載した運搬用具を上下
に積み上げるとき、上段運搬用具の被嵌合部17は、下段
運搬用具の嵌合部材18に対して、上方から嵌合自在であ
る。
【0019】上記天枠9の後面には、格納時に上段運搬
用具の後方への移動を規制するストッパ体19が取り付け
られる。これにより、この運搬用具は、前面ならびに下
面が開放された箱状枠組体となり、前記寸法L1 〜L4
の設定により、ネスティング時に上段運搬用具を少し持
ち上げた状態で下段運搬用具の後面から挿入可能とな
る。
【0020】以下、上記構成における作用を説明する。
図2で示すように、運搬用具を上下に複数段に積み重
ね、各運搬用具の天枠9上に搬送物を積載する。たとえ
ば図1に示すように、運搬用具を上下2段に積み重ねる
場合は、着地した下段運搬用具の前部で上段運搬用具を
フォークリフト等により下段運搬用具の嵌合部材18の上
面よりもわずかに高く持ち上げ、前後左右方向に移動さ
せて上段運搬用具の両被嵌合部17が下段運搬用具の各嵌
合部材18に上方から嵌合可能に位置決めさせる。次い
で、上段運搬用具を降下させ、図3,図4に示すよう
に、上段運搬用具の両被嵌合部17を下段運搬用具の各嵌
合部材18に上方から嵌合させるとともに、上段運搬用具
の後部横材6を下段運搬用具の天枠9の後辺上に載置さ
せる。これにより、上段運搬用具は下段運搬用具上に積
み上げられる。
【0021】この積み上げの際、図8に示すように、上
段運搬用具が前方にずれた状態で下段運搬用具上に降下
した場合、下段運搬用具の嵌合部材18の上部が上段運搬
用具の被支持部材4A,4Bの両側板部13間にはまり込
んで受け板14の下面14aに当接する。これにより、上段
運搬用具は左右方向にずれ落ちることを防止される。そ
の後、上段運搬用具を矢印イで示すように後方に押し込
むことにより、上段運搬用具の受け板14の下面14aが下
段運搬用具の嵌合部材18に当接した状態で後方へ摺動
し、図4に示すように、上段運搬用具の被嵌合部17が下
段運搬用具の嵌合部材18に嵌合する。
【0022】この際、下段運搬用具の嵌合部材18は上段
運搬用具の傾斜板16に案内されながらスムーズに被嵌合
部17内に導かれる。これとともに、上段運搬用具の後部
横材6の後面が下段運搬用具のストッパ体19に当接する
ことにより、上段運搬用具が後方にずれることを防止で
きる。尚、嵌合部材18の頂部および上端前部にそれぞれ
アール(R1,R2)を形成したことにより、この嵌合
部材18の上端部に受け板14が当接した場合、受け板14が
滑り易くなるため、上段運搬用具を容易に後方に押し込
むことができる。
【0023】積み上げ後、振動やフォークの出退動など
により、上段運搬用具が前方にずれようとしても、上段
運搬用具の傾斜板16が下段運搬用具の嵌合部材18の後端
に当接するため、前方へのずれを防止できる。また、上
段運搬用具が後方にずれようとした場合は、上段運搬用
具の後部横材6の後面が下段運搬用具のストッパ体19に
当接するため、後方へのずれを防止できる。さらに、上
段運搬用具が左右にずれようとした場合は、上段運搬用
具の被嵌合部17における被支持部材4A,4Bの内側面
下端が下段運搬用具の嵌合部材18の両傾斜面端に当接す
るため、左右へのずれを防止できる。
【0024】上記運搬用具を搬送物の運搬やストックに
利用しない場合には、かさ低くネスティングし得る。す
なわち、図9に示すように、着地している下段運搬用具
の後部で、ネスティングしようとする上段運搬用具を持
ち上げ、上段運搬用具の天枠9を下段運搬用具の天枠9
の上面よりも少し高い位置にする。次いで下段運搬用具
の後部支柱2A,2Bの両外側方に上段運搬用具の前部
支柱1A,1Bおよび被支持部材4A,4Bを押し込
み、下段運搬用具の天枠9の上面よりも上方に上段運搬
用具の天枠9を対向させて下降する。そして、上段運搬
用具の被支持部材4A,4Bを下段運搬用具の奥行部材
3上に載置させて、図9の仮想線で示すようにネスティ
ングし得る。
【0025】尚、上記実施例では、被支持部材4A,4
Bの前端面を前蓋板12で覆うことにより、被支持部材4
A,4Bの強度アップとともに安全性が向上する。ま
た、上記実施例では、前部縦支柱1A,1Bの下端面お
よびステー材7の下端面を平坦状に切断したのち被支持
部材4A,4Bの上面に接合しているため、前部縦支柱
1A,1Bおよびステー材7の接合部の加工が容易であ
り、かつ前部縦支柱1A,1Bおよびステー材7からの
荷重はバランス良く被支持部材4A,4Bにかかる。
【0026】以下、本第2発明の実施例を図10〜図18に
基づいて説明する。図11,図14〜図16に示すように、31
A,31Bは左右一対の前部縦支柱、32A,32Bは左右一
対の後部縦支柱で、これらは前部縦支柱31A,31Bの内
面間隔L1よりも後部縦支柱32A,32Bの外面間隔L2
が小さくなるようにほぼ四角形の四隅に配設される。前
記各支柱31A,31B,32A,32Bの下部間は、その幅L
3 が前記内面間隔L1 内に納まる格子状の底枠(荷受
台)33で連結される。
【0027】そして前後で相対向する縦支柱31A,32
A、ならびに31B,32Bの各下端間には、下面が開口す
る断面チャンネル形状の被支持部材34A,34Bが底枠33
の側辺の下方に沿って連結されている。この被支持部材
34A,34Bは、前後端部が縦支柱31A,31B,32A,32
Bと底枠33に亘って固着された前後補強板35A,35B,
36A,36Bに取り付けられるとともに、中間部および後
部を底枠33から垂下されたアングル状のステー材37に支
持されて、下端面が縦支柱31A,31B,32A,32Bの下
面と同一平面状になるように設定される。なお、このス
テー材37は下端面を平坦状に切断したのち被支持部材34
A,34Bの上面に接合される。
【0028】また、前後で相対向する縦支柱31A,32A
ならびに31B,32Bの各上端部間には、上記被支持部材
34A,34Bよりも幅広な四角パイプ状の支持部材38A,
38Bが連結される。すなわち、前記支持部材38A,38B
の前端部は、前部縦支柱31A,31Bの上端部内側に取り
付けられた補助部材40A,40Bに支持される。そして、
前記支持部材38A,38Bの後端部は、後部縦支柱32A,
32Bの上端部間に連結された奥横材39の両端部に支持さ
れる。
【0029】図10〜図13に示すように、上記被支持部材
34A,34Bの前端面は補強用の前蓋板42で覆われてい
る。また、各被支持部材34A,34Bを形成する両側板部
43間には受け板44(受け材の一例)が長さ方向に設けら
れている。これら受け板44は、各被支持部材34A,34B
内に位置するとともに、その下面44aは被支持部材34
A,34Bの下端よりも上方に位置している。上記受け板
44の前端部は、上部が前方に傾斜する傾斜板46として形
成されている。これら傾斜板46は、上記前蓋板42から所
定距離だけ後方に設置されており、これにより、上記被
支持部材34A,34B内の前蓋板42と傾斜板46との間には
下面開口の被嵌合部47が形成される。
【0030】上記支持部材38A,38Bの上面前端部に
は、断面山形状の嵌合部材48が、その角部を頂部として
設けられる。尚、図12,図13に示すように、嵌合部材48
の頂部は所定寸法のアール(R1)が形成されていると
ともに、上端前部には所定寸法のアール(R2)が形成
されている。これにより、搬送物を積載した運搬用具を
上下に積み上げるとき、上段運搬用具の被嵌合部47は、
下段運搬用具の嵌合部材48に対して、上方から嵌合自在
である。
【0031】前記支持部材38A,38Bの後端面には、格
納時に上段の運搬用具の後方への移動を規制するストッ
パ体49が取り付けられる。ここで図11に示すように、支
持部材38A,38Bの内面間隔L4 は前記後部縦支柱32
A,32Bの外面間隔L2 よりも大きく設定してある。し
たがって、この運搬用具は前面ならびに上面が開放され
た箱状枠組体となり、ネスティング時に上段運搬用具を
少し持ち上げた状態で下段運搬用具の前面から挿入可能
となる。
【0032】以下、上記構成における作用を説明する。
図11で示すように、運搬用具を上下に複数段に積み重
ね、各運搬用具の底枠33上に搬送物を積載する。たとえ
ば図10に示すように、運搬用具を上下2段に積み重ねる
場合は、着地した下段運搬用具の前部で上段運搬用具を
フォークリフト等により下段運搬用具の嵌合部材48の上
面よりもわずかに高く持ち上げ、前後左右方向に移動さ
せて上段運搬用具の両被嵌合部47が下段運搬用具の各嵌
合部材48に上方から嵌合可能に位置決めさせる。次い
で、上段運搬用具を降下させ、下段運搬用具の支持部材
38A,38B上に上段運搬用具の被支持部材34A,34Bを
上方から載置する。これにより、図12,図13に示すよう
に、上段運搬用具の両被嵌合部47が下段運搬用具の各嵌
合部材48に上方から嵌合して、上段運搬用具は下段運搬
用具上に積み上げられる。
【0033】この積み上げの際、図17に示すように、上
段運搬用具が前方にずれた状態で下段運搬用具上に降下
した場合、下段運搬用具の嵌合部材48の上部が上段運搬
用具の被支持部材34A,34Bの両側板部43間にはまり込
んで受け板44の下面44aに当接する。これにより、上段
運搬用具は左右方向にずれ落ちることを防止される。そ
の後、上段運搬用具を矢印ロで示すように後方に押し込
むことにより、上段運搬用具の受け板44の下面44aが下
段運搬用具の嵌合部材48に当接した状態で後方へ摺動
し、上段運搬用具の被嵌合部47が下段運搬用具の嵌合部
材48に嵌合する。
【0034】この際、下段運搬用具の嵌合部材48は上段
運搬用具の傾斜板46に案内されながらスムーズに被嵌合
部47内に導かれる。これとともに、上段運搬用具の被支
持部材34A,34Bの後面が下段運搬用具のストッパ体49
に当接することにより、上段運搬用具が後方にずれるこ
とを防止できる。また、嵌合部材48の頂部および上端前
部にそれぞれアール(R1,R2)を付けたことによ
り、この嵌合部材48の上端部に受け板44が当接した場
合、受け板44が滑り易くなるため、上段運搬用具を容易
に後方に押し込むことができる。
【0035】積み上げ後、振動やフォークの出退動など
により、上段運搬用具が前方にずれようとしても、上段
運搬用具の傾斜板46が下段運搬用具の嵌合部材48の後端
に当接するため、前方へのずれを防止できる。また、上
段運搬用具が後方にずれようとした場合は、上段運搬用
具の被支持部材34A,34Bの後面が下段運搬用具のスト
ッパ体49に当接するため、後方へのずれを防止できる。
さらに、上段運搬用具が左右にずれようとした場合は、
上段運搬用具の被嵌合部47における被支持部材34A,34
Bの内側面下端が下段運搬用具の嵌合部材48の両傾斜面
端に当接するため、左右へのずれを防止できる。
【0036】上記運搬用具を搬送物の運搬やストックに
利用しない場合には、かさ低くネスティングし得る。す
なわち、図18に示すように、着地している下段運搬用具
の前部で、ネスティングしようとする上段運搬用具を下
段運搬用具の底枠33の上面よりも少し高い位置に持ち上
げる。次いで下段運搬用具の前部支柱31A,31B間から
上段運搬用具の後部支柱32A,32Bおよび底枠33ならび
に被支持部材34A,34Bを押し込み、下段運搬用具の底
枠33の上面よりも上方に上段運搬用具の底枠33を対向さ
せて下降する。そして、上段運搬用具の底枠33を下段運
搬用具の底枠33上に着地させて、図18の仮想線で示すよ
うにネスティングし得る。
【0037】尚、上記実施例では、被支持部材34A,34
Bの前端面を前蓋板42で覆うことにより、被支持部材34
A,34Bの強度アップとともに安全性が向上する。
【0038】
【発明の効果】以上のように本第1発明によれば、積み
上げの際、上段運搬用具が前方にずれた状態で下段運搬
用具上に降下した場合、下段運搬用具の嵌合部材の上部
が上段運搬用具の被支持部材内にはまり込んで受け材の
下面に当接する。これにより、上段運搬用具は左右方向
にずれ落ちることを防止される。その後、上段運搬用具
を後方に押し込むことにより、上段運搬用具の受け材の
下面が下段運搬用具の嵌合部材に当接した状態で摺動
し、上段運搬用具の被嵌合部が下段運搬用具の嵌合部材
に嵌合する。この際、下段運搬用具の嵌合部材は上段運
搬用具の傾斜面に案内されながらスムーズに被嵌合部内
に導かれる。このように、運搬用具の積み上げが安定し
てスムーズに行えるため、作業効率および安全性の向上
が図れる。
【0039】積み上げ後、振動やフォークの出退動など
により、上段運搬用具が前方にずれようとしても、上段
運搬用具の傾斜板が下段運搬用具の嵌合部材の後端に当
接するため、前方へのずれを防止できる。また、上段運
搬用具が後方にずれようとした場合は、上段運搬用具の
後部横材の後面が下段運搬用具のストッパ体に当接する
ため、後方へのずれを防止できる。また、本第2発明に
よれば、両被支持部材を断面が下部開放のチャンネル形
状に形成したことにより、各被支持部材の強度が向上す
る。さらに、上段運搬用具の被支持部材の内側面下端が
下段運搬用具の嵌合部材の両傾斜面に当接することによ
り、上段運搬用具は下段運搬用具に対してセンタリング
される。
【0040】また、本第発明によれば、積み上げの
際、上段運搬用具が前方にずれた状態で下段運搬用具上
に降下した場合、下段運搬用具の嵌合部材の上部が上段
運搬用具の被支持部材内にはまり込んで受け材の下面に
当接する。これにより、上段運搬用具は左右方向にずれ
落ちることを防止される。その後、上段運搬用具を後方
に押し込むことにより、上段運搬用具の受け材の下面が
下段運搬用具の嵌合部材に当接した状態で摺動し、上段
運搬用具の被嵌合部が下段運搬用具の嵌合部材に嵌合す
る。この際、下段運搬用具の嵌合部材は上段運搬用具の
傾斜面に案内されながらスムーズに被嵌合部内に導かれ
る。このように、運搬用具の積み上げが安定してスムー
ズに行えるため、作業効率および安全性の向上が図れ
る。
【0041】積み上げ後、振動やフォークの出退動など
により、上段運搬用具が前方にずれようとしても、上段
運搬用具の傾斜板が下段運搬用具の嵌合部材の後端に当
接するため、前方へのずれを防止できる。また、上段運
搬用具が後方にずれようとした場合は、上段運搬用具の
被支持部材の後面が下段運搬用具のストッパ体に当接す
るため、後方へのずれを防止できる。また、本第4発明
の構成によれば、両被支持部材を断面が下部開放のチャ
ンネル形状に形成したことにより、各被支持部材の強度
が向上する。さらに、上段運搬用具の被支持部材の内側
面下端が下段運搬用具の嵌合部材の両傾斜面に当接する
ことにより、上段運搬用具は下段運搬用具に対してセン
タリングされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本第1発明の実施例における運搬用具を積み重
ねる際の一部切欠き側面図である。
【図2】運搬用具を積み重ねた状態での正面図である。
【図3】図2における嵌合部材と被嵌合部との嵌合を示
す正面図である。
【図4】嵌合部材と被嵌合部との嵌合を示す縦断側面図
である。
【図5】運搬用具を下方から見た斜視図である。
【図6】運搬用具を上方から見た斜視図である。
【図7】運搬用具の底面図である。
【図8】ずれた状態で積み重ねられた運搬用具の被嵌合
部と嵌合部材とを示す縦断側面図である。
【図9】運搬用具をネスティングした際の側面図であ
る。
【図10】本第2発明の実施例における運搬用具を積み
重ねる際の一部切欠き側面図である。
【図11】運搬用具を積み重ねた状態での正面図であ
る。
【図12】図11における嵌合部材と被嵌合部との嵌合
を示す正面図である。
【図13】嵌合部材と被嵌合部との嵌合を示す縦断側面
図である。
【図14】運搬用具を下方から見た斜視図である。
【図15】運搬用具を上方から見た斜視図である。
【図16】運搬用具の底面図である。
【図17】ずれた状態で積み重ねられた運搬用具の被嵌
合部と嵌合部材とを示す縦断側面図である。
【図18】運搬用具をネスティングした際の側面図であ
る。
【図19】従来例における、ずれた状態で積み重ねられ
た運搬用具の被嵌合部と嵌合部材とを示す一部切欠き側
面図である。
【符号の説明】
1A,1B 前部縦支柱 2A,2B 後部縦支柱 4A,4B 被支持部材 6 後部横材 9 天枠 14 受け板(受け材) 14a 下面 16 傾斜板 17 被嵌合部 18 嵌合部材 19 ストッパ体 31A,31B 前部縦支柱 32A,32B 後部縦支柱 33 底枠 34A,34B 被支持部材 38A,38B 支持部材 44 受け板(受け材) 44a 下面 46 傾斜板 47 被嵌合部 48 嵌合部材 49 ストッパ体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B65D 19/06

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 左右一対の前部縦支柱と、左右一対の後
    部縦支柱とを有し、前後で相対向する縦支柱の下端間を
    下面が長さ方向にわたり開口した被支持部材で連結し、
    後部縦支柱の下端間を後部横材で連結し、これら各支柱
    の上端部間を天枠で連結し、上記被支持部材内に、下面
    が被支持部材の下端よりも上方に位置する受け材を長さ
    方向に設け、この受け材の前端部を上部が前方に傾斜す
    る傾斜面として形成し、上記被支持部材内の前部かつ上
    記傾斜面の前方に下面開口の被嵌合部を形成し、上記各
    前部縦支柱の上端面に、積み重ね時に上段運搬用具の被
    嵌合部が上方から嵌合自在な嵌合部材を上方へ突出させ
    設け、上記天枠の後面に、積み重ね時に上段運搬用具
    の後部横材の後面に当接自在なストッパ体を設けたこと
    を特徴とする運搬用具。
  2. 【請求項2】 被支持部材は下面が開口した断面チャン
    ネル形状に形成され、嵌合部材は断面山形状でかつその
    角部を頂部として前部縦支柱の上端面に設けられている
    ことを特徴とする請求項1記載の運搬用具。
  3. 【請求項3】 左右一対の前部縦支柱と、左右一対の後
    部縦支柱と、これら支柱の下部間を連結する底枠とを有
    し、前後で相対向する縦支柱の下端部間を下面が長さ方
    向にわたり開口した被支持部材で連結し、前後で相対向
    する縦支柱の上端部間を支持部材で連結し、上記被支持
    部材内に、下面が被支持部材の下端よりも上方に位置す
    る受け材を長さ方向に設け、この受け材の前端部を上部
    が前方に傾斜する傾斜面として形成し、上記被支持部材
    内の前部かつ上記傾斜面の前方に下面開口の被嵌合部を
    形成し、上記各支持部材に、積み重ね時に上段運搬用具
    の被嵌合部が上方から嵌合自在な嵌合部材を上方へ突出
    させて設けるとともに、上段運搬用具の被支持部材の後
    面に当接自在なストッパ体を設けたことを特徴とする運
    搬用具。
  4. 【請求項4】 被支持部材は下面が開口した断面チャン
    ネル形状に形成され、嵌合部材は断面山形状でかつその
    角部を頂部として支持部材に設けられていることを特徴
    とする請求項3記載の運搬用具。
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