JP3190250B2

JP3190250B2 - フィルタ装着装置

Info

Publication number: JP3190250B2
Application number: JP09538096A
Authority: JP
Inventors: 雅昭谷川; 達也長谷川; 耕一郎小原
Original assignee: Japan Tobacco Inc
Current assignee: Japan Tobacco Inc
Priority date: 1996-04-17
Filing date: 1996-04-17
Publication date: 2001-07-23
Anticipated expiration: 2016-04-17
Also published as: JPH09275962A

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、２本のシガレッ
トとフィルタプラグとからフィルタシガレット２本分に
相当するダブルフィルタシガレットを製造するフィルタ
装着装置に関する。

【０００２】

【関連する背景技術】公知のようにダブルフィルタシガ
レットは、先ず、２本のシガレット間にフィルタプラグ
を位置付けてダブルフィルタシガレットの中間品とし、
この中間品にチップペーパ片を巻き付け、両シガレット
とフィルタプラグとを相互に連結して得られている。こ
の後、ダブルフィルタシガレットはその中央から切断さ
れて個々のフィルタシガレットとなる。

【０００３】上述したダブルフィルタシガレットを形成
するにあたり、フィルタシガレット製造機はフィルタ装
着装置を備えており、その一例が特開昭63-196257号公
報、または、特開平4-211355公報に開示されている。し
かしながら、一般的なフィルタ装着装置は基本的に、所
定の供給経路に沿ってチップペーパ片を供給する供給手
段と、この供給手段の供給経路とローリングプレートと
の間に形成された転動通路とを備えており、その転動通
路に前述したチップペーパ片及びダブルフィルタシガレ
ットの中間品が導かれてくると、この中間品は転動通路
内を転動し、この転動を利用してチップペーパ片が中間
品に巻き付けられ、これにより、ダブルフィルタシガレ
ットが形成される。なお、中間品に対するチップペーパ
片の巻き付けのため、その片面は糊付着面となってい
る。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】近年、フィルタシガレ
ット製造機の生産性を向上するため、中間品の搬送速度
はますます高速化する傾向にある。このため、中間品へ
のチップペーパの安定した巻き付け、つまり、チップペ
ーパ片のラップ部分の締め具合を良好にするために、転
動通路内では、中間品を複数回転に亘って転動させるよ
うにしている。

【０００５】しかしながら、中間品が転動するとき、そ
の中間品は供給経路とローリングプレートとの間に挟ま
れた状態にあるので、中間品の各シガレットはその転動
の回数が増加すればするほど、その内部の刻みたばこが
揉みほぐされてしまい、シガレットの硬さが低下してし
まうことになる。更に、フィルタシガレット製造機内に
おいて、ダブルフィルタシガレットが転動通路から更に
搬送される過程にて、ダブルフィルタシガレット自体、
また、このダブルフィルタシガレットを切断して得た個
々のフィルタシガレットから刻みたばこが脱落し易く、
フィルタシガレットの先端から刻みたばこが脱落した、
いわゆる先落ち不良が発生する。

【０００６】この発明は、上述の事情に基づいてなされ
たもので、その目的とするところは、フィルタシガレッ
トのシガレット部分の硬さの低減を防止すると同時に、
刻みたばこの脱落を低減し、フィルタシガレットの先落
ち不良を防止することができるフィルタ装着装置を提供
することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記の目的はこの発明に
よって達成され、請求項１のフィルタ装着装置は、所定
の供給経路に沿い、チップペーパ片を供給する供給手段
と、この供給経路に沿って配置され、供給経路との間に
転動通路を形成するローリングプレートと、その転動通
路内に向けて、２本のシガレット間にフィルタプラグを
位置付けたダブルフィルタシガレットの中間品を搬送す
る搬送手段と、転動通路を形成するローリングプレート
及び供給経路の少なくとも一方に設けられ、中間品の各
シガレットとの接触を回避すべく凹んだ段差とを備えて
いる。

【０００８】請求項１のフィルタ装着装置によれば、転
動通路内を中間品が転動しながら通過する際、その中間
品の各シガレットは段差の存在により、転動通路との接
触が減少される。従って、中間品の各シガレットにあっ
ては、その内部の刻みたばこの揉みほぐしが低減され、
各シガレットは転動通路を通過した後にあっても、その
硬さが維持される。

【０００９】請求項２のフィルタ装着装置は、転動通路
の通路方向でみて、その段差がローリングプレート側の
左右に離間した一対の凹部からなり、これら凹部は転動
通路の通路方向に延びている。この請求項２の場合、中
間品のフィルタプラグは供給経路とローリングプレート
との間にてしっかりと挟まれるものの、フィルタプラグ
両側に位置する各シガレットは左右一対の凹部の存在に
より、ローリングプレートとの接触が減少される。

【００１０】請求項３のフィルタ装着装置は、左右一対
の凹部が中間品が最初に１回転、転動する転動通路の入
口部分を除き、その通路方向に延びている。この請求項
３の場合、転動通路の入口部に進入した中間品は各シガ
レット及びフィルタプラグ共に供給経路とローリングプ
レートとの間にしっかりと挟まれた状態で、最初の１回
転転動し、この間にて、中間品の外周にチップペーパ片
が巻き付けられる。

【００１１】請求項４のフィルタ装着装置は、そのロー
リングプレートが左右一対の転動面部を更に有してお
り、これら転動面部は左右一対の凹部の外側に位置付け
られている。この請求項４の場合、転動通路を通過する
中間品は、そのフィルタプラグが供給経路とローリング
プレートの中央部分との間に挟まれた状態で転動し、ま
た、各シガレットは部分的に供給経路とローリングプレ
ートの左右一対の転動面部との間に挟まれた状態で転動
する。

【００１２】

【発明の実施の形態】図１を参照すると、フィルタシガ
レット製造機が概略的に示され、その下側にはフィルタ
シガレットの製造工程をも併せて示されている。フィル
タシガレット製造機はメインフレーム２を備え、図１で
みてメインフレーム２の右側部分にはドラム列４が配置
されている。ドラム列４はダブルシガレットやシングル
シガレットの搬送経路を構成しており、ローリングセク
ション（フィルタ装着装置）６まで延びている。

【００１３】ドラム列４は複数の溝付きドラムからな
り、各溝付きドラムの外周面にはその周方向に等間隔を
存して多数の搬送溝が設けられている。ドラム列４中、
その最右端に位置する溝付きドラムは入口ドラム８とな
っており、この入口ドラム８の各搬送溝にダブルシガレ
ットＤが順次供給される。ダブルシガレットＤは、いわ
ゆる巻上機と称されるシガレット製造機にて製造され、
その長さはフィルタシガレットにおけるシガレット部分
の２倍の長さを有している。

【００１４】ドラム列４の入口ドラム８に供給されたダ
ブルシガレットＤは、ドラム列中の各ドラムの回転に伴
い、公知のように左側に隣接するドラムに乗り移りなが
らローリングセクション６に向けて搬送される。ドラム
列４の途中の溝付きドラム１０にはロータリナイフ１２
が備えられており、このロータリナイフ１２はその溝付
きドラム１０上を搬送されるダブルシガレットＤをその
中央から切断し、これにより、溝付きドラム１０上に
て、ダブルシガレットＤから２本のシングルシガレット
Ｓが得られる。更に、切断した得た２本のシングルシガ
レットＳはその後の搬送過程、つまり、溝付きドラム１
０の左側に順次隣接する２個の溝付きドラム上にて、そ
の軸線方向に互い分離され、これらシングルシガレット
Ｓ間に所定の間隔が確保される。上述のダブルシガレッ
トＤから互いに分離した２本のシングルシガレットＳを
得るまでの製造手順は、図１の製造工程でみてＡ1の領
域で示されている。

【００１５】図１に示されているようにドラム列４の上
方には、フィルタプラグ供給装置１４が配置されてい
る。このフィルタプラグ供給装置１４はその上部に左右
一対のホッパ１６を備え、これらホッパ１６には図示さ
れていないけれども多数のフィルタロッドが蓄えられて
いる。左右のホッパ１６とドラム列４との間にはドラム
列１８が配置されており、このドラム列１８の下端に位
置するドラムがドラム列４中のアセンブリドラム２０に
接続されている。ここで、アセンブリドラム２０は、ド
ラム列４において、シングルシガレットＳの分離に使用
される２つの分離ドラムの左側に隣接した溝付きドラム
である。ドラム列１８は、左右のホッパ１６からフィル
タロッドを１本ずつ取り出し、ドラム列４のアセンブリ
ドラム２０に向けて搬送する。この搬送過程にて、フィ
ルタロッドは切断、グレーディング、整列処理などを受
けて個々のフィルタプラグＦとなり、これらフィルタプ
ラグＦがドラム列４のアセンブリドラム２０に順次供給
される。詳しくは、フィルタプラグＦは、アセンブリド
ラム２０上にて２本のシングルシガレットＳ間に位置付
けられる。ここで、フィルタプラグＦは、フィルタシガ
レットにおけるフィルタ部分の２倍の長さを有してい
る。なお、左右のホッパ１６内にチャコールフィルタロ
ッド及びプレーンフィルタロッドが分けて蓄えられてい
る場合、そのフィルタプラグＦはデュアルフィルタプラ
グとなり、これに対し、左右のホッパ１６に共にプレー
ンフィルタロッドが蓄えられている場合、そのフィルタ
プラグＦはプレーンフィルタプラグとなる。

【００１６】この後、ドラム列４のアセンブリドラム２
０上にて組み合わされた２本のシングルシガレットＳと
１個のフィルタプラグＦは、アセンブリドラム２０から
次の溝付きドラム上に乗り移り、この溝付きドラム上で
整列されて、フィルタプラグＦの両端に各シングルシガ
レットＳが密着したダブルフィルタシガレットの中間品
Ｉとなる。そして、この中間品Ｉはその溝付きドラムか
らドラム列４の最左端に位置する出口ドラムを経てロー
リングセクション６に供給される。なお、Ａ1領域から
上述の中間品Ｉを得るまで製造手順は、図１の製造工程
でみてＡ2の領域で示されている。

【００１７】一方、ローリングセクション６には、前述
したドラム列４の他にチップペーパＰの供給ラインが延
びており、この供給ラインは一対のペーパロール２２，
２４から始まっている。これらペーパロール２２，２４
は、図１でみてメインフレーム２の左端上部に配置され
ており、その一方のペーパロール２２が使用中ロール、
他方のペーパロール２４は待機ロールとなっている。使
用中のペーパロール２２から繰り出されたチップペーパ
Ｐは、供給ライン中の多数のガイドローラに案内されな
がら、ローリングセクション６まで導かれている。供給
ラインには、その上流側から使用ロールの交換に使用さ
れるペーパ接続装置２６やチップペーパＰのリザーバ２
８、また、チップペーパＰの片面に糊を塗布し、その片
面を糊付着面に形成する糊塗布装置３０、そして、チッ
プペーパＰの糊付着面をある程度、乾燥させるヒータ３
２が順次配置されている。

【００１８】ローリングセクション６に供給されたチッ
プペーパＰは、所定の長さ毎に切断されて個々のチップ
ペーパ片Ｐcとなり、これらチップペーパ片Ｐcは、ドラ
ム列４からローリングセクション６に供給されてきた中
間品Ｉに順次巻き付けられることになる。詳しくは、個
々のチップペーパ片Ｐcは、中間品Ｉのフィルタプラグ
Ｆから両側のシングルシガレットＳの端部に亘る部分に
巻き付けられて接着され、これにより、２本のシングル
シガレットＳをフィルタプラグＦを介して相互に連結し
たダブルフィルタシガレットＤＦＳが得られる。なお、
ローリングセクション６内での製造手順は、図１の製造
工程でみてＡ3の領域に示されている。なお、ローリン
グセクション６に関しては後述する。

【００１９】この後、ダブルフィルタシガレットＤＦＳ
は、ローリングセクション６から延びるドラム列３４に
供給され、このドラム列３４上を搬送される。つまり、
ドラム列３４もまた前述のドラム列４と同様に複数の溝
付きドラムからなり、ダブルフィルタシガレットＤＦＳ
はドラム列３４の個々の溝付きドラムの回転に伴い、そ
の溝付きドラムを順次乗り移りながら搬送される。この
搬送過程において、ダブルフィルタシガレットＤＦＳ
は、ロータリナイフにより、その中央から切断されて２
本のフィルタシガレットＦＳとなり、この後、２本のフ
ィルタシガレットＦＳはその軸線方向に互いに分離され
て搬送される。そして、フィルタシガレットＦＳは個々
に前述した先落ちや、ダイリューション等が検査され、
不良品のフィルタシガレットＦＳはドラム列３４から排
除される。

【００２０】ドラム列３４の終端にはコンベア３６が接
続されており、このコンベア３６はドラム列３４からフ
ィルタシガレットＦＳを受け取り、それらの向きを揃え
た後、図示しない包装機に向けて搬送する。なお、ロー
リングセクション６から製造手順は、図１の製造工程で
みてＡ4の領域で示されている。図２を参照すると、ロ
ーリングセクション６が拡大して示されている。ローリ
ングセクション６は、前述したチップペーパＰを受け取
るためのドラム、いわゆるコークドラム３８を備えてお
り、このコークドラム３８は、前述したドラム列４の出
口ドラム４０とドラム列３４の入口ドラム４２との間を
繋ぐようにして、これら入口ドラム４０及び入口ドラム
４２の上側に配置されている。

【００２１】コークドラム３８の外周面はその幅が前述
したダブルフィルタシガレットＤＦＳの中間品Ｉの長さ
よりも僅かに広く、その幅方向中央部分は全周に亘って
サクション面となっている。従って、供給ラインに沿っ
て導かれてきたチップペーパＰはその糊付着面を外側に
向けた状態で、コークドラム３８のサクション面に吸着
され、コークドラム３８が図２でみて時計方向に回転さ
れる伴い、サクション面とともに移動、つまり、供給さ
れる。ここで、コークドラム３８のサクション面はコー
クドラム３８の回転に関して、回転角域θを通過すると
きにのみ、サクション圧の供給を受けるようになってい
る。詳しくは、図２から明らかなようにチップペーパＰ
は、コークドラム３８の外周面頂部から吸着され、その
吸着はコークドラム３８の外周が出口ドラム４０の外周
に近接するコークドラム８の回転角位置まで維持される
ようになっている。ここで、ドラム列４内を搬送される
中間品Ｉの搬送速度がＶ1 である場合、コークドラム３
８における外周面、即ち、その周速Ｖ2は中間品Ｉの搬
送速度Ｖ1の２倍となっている。

【００２２】コークドラム３８の外側近傍には、コーク
ドラム３８と協働する刃付きドラム４４が配置されてお
り、この刃付きドラム４４は、コークドラム３８の回転
方向でみて、チップペーパＰのサクション域（回転角域
θ）内に位置付けられている。刃付きドラム４４は、コ
ークドラム３８とは逆に反時計方向に回転され、その外
周面にはその周方向に等間隔を存して複数の刃４６が突
設されている。従って、コークドラム３８の回転に伴
い、コークドラム３８上のチップペーパＰが刃付きドラ
ム４４を通過すると、チップペーパＰは、刃付きドラム
４４の刃４６によって所定の長さ毎に切断され、これに
より、コークドラム３８のサクション面上に個々のチッ
プペーパ片Ｐcが形成される。この後、これらチップペ
ーパ片Ｐcは、前述したサクション域の終端まで吸着保
持されながら、コークドラム３８のサクション面を供給
経路として供給されることになる。

【００２３】コークドラム３８の下側には、ローリング
プレート４８が配置されており、このローリングプレー
ト４８はホルダ５０を介して保持されている。ローリン
グプレート４８の上面はコークドラム３８の外周面に沿
った円弧形状をなし、その円弧の長さは、例えばダブル
フィルタシガレットＤＦＳの中間品Ｉでみて、その周長
の３倍長さ、つまり、中間品Ｉが３回転する長さを有し
ている。また、コークドラム３８の軸線方向に沿うロー
リングプレート４８の幅は中間品Ｉの長さにほぼ等しく
なっている。ホルダ５０内には、ローリングプレート４
８側に位置してヒータ５１が収容されており、このヒー
タ５１はローリングプレート４８を適度な温度に加熱す
る。

【００２４】ローリングプレート４８とコークドラム３
８との間には、下方に向けて湾曲した転動通路５２が形
成されており、この転動通路５２の垂直方向の間隔は中
間品Ｉの直径よりも若干小さく設定されている。図３か
ら明らかなようにローリングプレート４８の上面におい
ては、コークドラム３８の回転方向でみて、その下流側
部分に左右一対の凹部５４が形成されており、これら凹
部５４はその深さが例えば０．５〜１．０mmとなってい
る。より詳しくは、左右の凹部５４間の幅Ｗは、中間品
ＩのフィルタプラグＦよりも僅かに長く、具体的にはそ
の幅ＷはチップペーパＰの幅と同一となっている。更
に、左右一対の凹部５４はコークドラム３８の回転方向
でみて、ローリングプレート４８の上流端から円弧長Ｌ
1を置いて形成され、その回転方向に延びている。ここ
で、円弧長Ｌ1は中間品Ｉの周長に等しく、それ故、ロ
ーリングプレート４８の全円弧長が前述したように中間
品Ｉの３回転長に設定されていると、左右の凹部５４の
円弧長Ｌ2は中間品Ｉの周長の２倍の長さを有してい
る。

【００２５】ローリングプレート４８の上流端からはそ
の上面の仮想延長円弧面に沿うようにして複数のフィン
ガ５６が延びており、これらフィンガ５６は出口ドラム
４０の外周面に形成した周溝（図示しない）にぞれぞれ
侵入している。従って、ドラム列４の出口ドラム４０ま
で搬送されてきた中間品Ｉは出口ドラム４０からフィン
ガ５６にすくい取られ、そして、前述した転動通路５２
内に確実に送り込まれる。一方、ローリングプレート４
８の下流端は、ドラム列３４の入口ドラム４２の外周面
に連なるように位置付けられている。

【００２６】ローリングプレート４８の上面は、前述し
た左右の凹部５４を除き、フィンガ５６の上面を含めて
ローレット加工を施したグリップ面５７として形成され
ている。更に、ローリングプレート４８の上面にはその
上流端中央部分に僅かな突条５８が形成されており、こ
の突条５８はローリングプレート４８の幅方向に前述し
た幅Ｗよりも長く延びている。

【００２７】次に、上述したローリングセクション６の
作用に関して説明する。図４に示されているようにドラ
ム列４の出口ドラム４０からダブルフィルタシガレット
ＤＦＳの中間品Ｉがコークドラム３８とローリングプレ
ート４８との間に形成された転動通路５２内に搬送速度
Ｖ1で進入すると、中間品Ｉの中央部分、即ち、そのフ
ィルタプラグＦＰからシングルシガレットＳの端部に至
る部分は、先ずローリングプレート４８の上流端にある
突条５８に乗り上げ、これにより、中間品Ｉはその全体
がローリングプレート４８上を転動し始める。このと
き、コークドラム３８の回転に伴い、Ｖ2の供給速度で
供給されてくるチップペーパ片Ｐcはその先端が中間品
Ｉと同期して転動通路５２に進入し、チップペーパ片Ｐ
cの糊付着面先端が中間品Ｉの外周に付着される。この
際、中間品Ｉは転動し始めているので、中間品Ｉにおけ
る外周面は搬送速度Ｖ1よりも加速され、中間品Ｉの外
周面の移動速度とチップペーパ片Ｐcの供給速度とはそ
の相対速度がほぼ０となっている。この結果、チップペ
ーパ片Ｐcの先端部は中間品Ｉの外周面に確実に接着
し、その初期接着を安定化させることができる。なお、
このとき、初期接着の完了したチップペーパ片Ｐcと転
動通路５２に次に進入しようとする中間品Ｉとの間には
ギャップが確保されており、そのチップペーパ片Ｐcが
次の中間品Ｉに接着してしまうことはない。

【００２８】この後、中間品Ｉは、コークドラム３８と
の間にチップペーパ片Ｐｃを介在させ、ローリングプレ
ート４８とコークドラム３８の外周面との間に挟まれた
状態にあるので、中間品Ｉは転動通路５２内をコークド
ラム３８の周速Ｖ2に一致した速度で転動しながら移動
する。この際、転動通路５２内に進入したチップペーパ
片Ｐcはコークドラム３８のサクション域（回転角θ）
を完全に通過した状態にあり、それ故、転動通路５２内
を中間品Ｉが転動しながら移動するに伴い、チップペー
パ片Ｐcはコークドラム３８のサクション面から離れ、
そして、中間品Ｉの外周に巻き付けられながら接着さ
れ、最終的にその両端縁が相互にオーバラップする。

【００２９】ここで、前述したようにコークドラム３８
の周速Ｖ2は、中間品Ｉの搬送速度Ｖ1に対して２倍の速
さを有していることから、中間品Ｉの外周にチップペー
パ片Ｐcが完全に巻き付けられたとき、つまり、転動通
路５２内にて中間品Ｉが最初に１回転転動したときに
は、そのチップペーパ片Ｐcはその後端縁が次の中間品
Ｉを追い越して移動しており、これにより、次の中間品
Ｉと次のチップペーパ片Ｐcの場合にあっても、これら
は前述したように転動通路５２内に互いに同期して進入
することになる。

【００３０】転動通路５２内にて最初に中間品Ｉが１回
転転動する領域には、ローリングプレート４８の上面に
ローレット加工を施したグリップ面５７が設けられてお
り、しかも、そのグリップ面５７は中間品Ｉの全長をカ
バーしているので、中間品Ｉはローリングプレート４８
のグリップ面５７上を滑ることなく転動し、中間品Ｉに
対するチップペーパ片Ｐcの巻き付けを安定して行うこ
とができる。

【００３１】この後、チップペーパ片Ｐcが完全に巻き
付けられた中間品Ｉ、つまり、ダブルフィルタシガレッ
トＤＦＳは、コークドラム３８の回転に伴い、コークド
ラム３８とローリングプレート４８の間に挟まれた状態
で、転動通路５２内を更に２回転転動しながら移動し、
この後、転動通路５２から抜け出し、そして、前述した
ドラム列３４の入口ドラム４２に乗り移って搬送され
る。

【００３２】なお、前述したようにローリングプレート
４８はホルダ５０内のヒータ５１により加熱された状態
にあるので、巻き付けられたチップペーパ片Ｐcの糊付
着面は速やかに乾燥され、その接着が確実なものとな
る。ここで、ダブルフィルタシガレットＤＦＳが転動通
路５２内を２回転転動する際、ローリングプレート４８
の上面には前述したような左右一対の凹部５４が形成さ
れているので、図５から明らかなようにダブルフィルタ
シガレットＤＦＳはその中央部分、つまり、チップペー
パ片Ｐcが巻き付けられている部分のみがローリングプ
レート４８のグリップ面５７に接触するだけであり、左
右のシングルシガレットＳがローリングプレート４８に
実質的に接触することはない。従って、この際、左右両
側のシングルシガレットＳ内の刻みたばこがその転動に
よって揉みほぐされることは少なく、これらシングルシ
ガレットＳの硬さを維持することができる。

【００３３】以下の表は、フィルタシガレット製造機に
て製造されたフィルタシガレットＦＳを抜き取り、これ
らフィルタシガレットＦＳにおけるシガレット部分の硬
さを互いに直交する２方向にて測定して得た結果であっ
て、ローリングプレート上を転動する前のシガレットの
歪み率に対する、本発明のローリングプレート４８上及
び従来のローリングプレート上を転動した後におけるフ
ィルタシガレットＦＳのシガレット部分の歪み率の開
差、即ち、ローリングプレート上を転動して通過したこ
とに伴う歪み率の増加を示したものである。（なお、測
定値は、フィルタシガレットＦＳに負荷をかけたときの
シガレット部分の変形量を歪み率（％）で表しており、
巻紙のラップ部分から負荷をかけた場合を垂直方向とし
ている。）

【００３４】

【表１】

【００３５】表１から明らかなように実施例のローリン
グプレート４８を使用すれば、従来のローリングプレー
トを使用した場合に比べ、フィルタシガレットＦＳにお
けるシガレット部分の歪み率が小さく抑えられており、
このことは、ローリングセクション６を通過する際、ダ
ブルフィルタシガレットＤＦＳのシガレット部分におい
て、その刻みたばこの揉みほぐし度合いが減少し、その
硬さが維持されることを示している。

【００３６】従って、ローリングセクション６から送出
されたダブルフィルタシガレットＤＦＳがドラム列３４
上を搬送される過程において、シガレット部分の硬さが
維持されると同時に、そのダブルフィルタシガレットＤ
ＦＳの両端や、また、個々のフィルタシガレットＦＳの
先端からの刻みたばこの脱落が減少される。即ち、従来
のローリングプレートを使用した場合と、この実施例の
ローリングプレート４８を使用した場合とで、ダブルフ
ィルタシガレットＤＦＳがローリングセクション６を通
過した後の刻みたばこの脱落量を比較すると、図６中の
白抜きの棒から明らかなように実施列のローリングプレ
ート４８の方が刻みたばこの脱落量を大幅に少なくな
る。なお、図６中の斜線を施した棒から明らかなように
ローリングセクション６を通過する以前において、刻み
たばこの脱落量が多いのはダブルシガレットＤの切断
時、その切断端から刻みたばこが脱落することによる。
また、従来のローリングプレートを使用した場合には、
ローリングセクション６を通過する以前よりも、通過し
た後の方が刻みたばこの脱落量が多いが、これに対し、
実施例のローリングプレート４８を使用した場合には、
ローリングセクション６を通過する以前に比べ、その通
過後の方が刻みたばこの脱落量を大幅に少なくできる。
これは、実施例のローリングプレート４８を使用すれ
ば、ローリングセクション６内でのダブルフィルタシガ
レットＤＦＳ内の刻みたばこの揉みほぐしが低減され、
これにより、ローリングセクション６を通過した後にあ
っても、ダブルフィルタシガレットＤＦＳや個々のフィ
ルタシガレットＦＳの硬さが維持されることによる。こ
の結果、フィルタシガレットＦＳの先落ち不良は大幅に
低減され、その生産効率の向上を図ることができる。

【００３７】この発明は、上述の一実施例に制約される
ものではなく種々の変形が可能である。例えば、図７に
示すローリングプレート６０もまた、その上面に左右一
対の凹部６２が形成されているが、これら凹部６２は図
３のローリングプレート４８の凹部５４とは以下の点で
異なっている。即ち、凹部５４はローリングプレート４
８の下流端側のみに設けられているのに対し、凹部６２
はローリングプレート６０の上流端から下流端に亘る全
域に亘って延びている。また、凹部６２は、ローリング
プレート６０の両側縁を残して形成されており、これに
より、ローリングプレート６０の両側縁にその中央のグ
リップ面５７と同様な左右一対のグリップ面６４が確保
されている。従って、ローリングセクション６の転動通
路５２内を中間品ＩやダブルフィルタシガレットＤＦＳ
が転動しながら通過するとき、それらの両端は図５中、
２点鎖線で示すローリングプレート６０の左右一対のグ
リップ面６４に支持され、そして、これらグリップ面６
４上を転動する。従って、この場合には、中間品Ｉやダ
ブルフィルタシガレットＤＦＳに対するローリングプレ
ート６０の接触を低減しつつ、これらの安定した支持及
び転動を確保することができる。

【００３８】また、ローリングプレート４８にあって
も、その左右の凹部５４をローリングプレート４８の上
流端から下流端の全域に亘って延長することができ、こ
の場合、中間品Ｉに対するローリングプレート４８の接
触を更に低減することができる。上述の実施例では何れ
も、中間品ＩやダブルフィルタシガレットＤＦＳに対す
る転動通路５２との接触を低減するためにローリングプ
レートの上面に段差を設けるようにしているが、これに
限らず、図８に示されているようにコークドラム３８の
外周面において、そのサクション面６６の両側をサクシ
ョン面よりも僅かに小径とし、これにより、その接触を
低減するようにしてもよい。この場合、そのコークドラ
ム３８と協働するローリングプレートには従来と同様な
ローリングプレート６８を使用することができる。

【００３９】

【発明の効果】以上説明したように、請求項１のフィル
タ装着装置によれば、ダブルフィルタシガレットを形成
するにあたり、その中間品やダブルフィルタシガレット
自体の転動通路に対する接触が段差により低減されてい
るから、転動通路内をこれらが転動しながら通過する
際、中間品やダブルフィルタシガレット内の刻みたばこ
の揉みほぐしが低減され、その硬さを維持することがで
きる。更に、この後の搬送過程において、ダブルフィル
タシガレットや個々のフィルタシガレットから刻みたば
こが脱落するのを防止でき、その先落ち不良の発生を低
減することができる。

【００４０】請求項２のフィルタ装着装置によれば、ロ
ーリングプレートの段差を左右一対の凹部により簡単に
実現でき、そして、請求項３のフィルタ装着装置によれ
ば、左右一対の凹部は転動通路の入口部分を除いて設け
られているので、転動通路の入口に進入した中間品はそ
の最初の１回転の転動を安定して行え、その外周にチッ
プペーパ片を確実に巻き付けることができる。そして、
請求項４のフィルタ装着装置によれば、ローリングプレ
ートの両側縁に更に左右一対の転動面を有しているの
で、中間品及びダブルフィルタシガレットの両端は左右
一対の転動面に支持されることなり、その転動を安定し
て行わせることが可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】フィルタシガレットの製造工程とともに、フィ
ルタシガレット製造機を示した概略図である。

【図２】図１中のローリングセクションを拡大して示し
た図である。

【図３】図２のローリングプレートの上面を示した図で
ある。

【図４】図２のローリングセクションの作用を説明する
ための図である。

【図５】ローリングプレートの横断面図である。

【図６】ローリングプレートの有効性を示したグラフで
ある。

【図７】ローリングプレートの他の実施例を示した図で
ある。

【図８】ローリングセクションの他の実施例を示した図
である。

【符号の説明】

４ドラム列（搬送手段）６ローリングセクション３４ドラム列３８コークドラム（供給手段）４０出口ドラム４２入口ドラム４４刃付きドラム（供給手段）４８ローリングプレート５０ホルダ５４凹部５６フィンガ５７グリップ面５８突条６０ローリングプレート６２凹部６４グリップ面（転動面）

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献特開平４−316475（ＪＰ，Ａ) 特開平７−203932（ＪＰ，Ａ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) A24C 5/47

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】所定の供給経路に沿い、チップペーパ片
を供給する供給手段と、前記供給経路に沿って配置さ
れ、前記供給経路との間に転動通路を形成するローリン
グプレートと、前記転動通路内に向けて、２本のシガレット間にフィル
タプラグを位置付けたダブルフィルタシガレットの中間
品を搬送する搬送手段とを備え、前記転動通路の前記ローリングプレート上にて前記中間
品を前記チップペーパ片の供給方向に転動させながら、
前記供給経路からの前記チップペーパ片を前記中間品に
巻き付けて、ダブルフィルタシガレットを形成するフィ
ルタ装着装置において、前記転動通路を形成する前記ローリングプレート及び前
記供給経路の少なくとも一方に設けられ、前記中間品の
各シガレットとの接触を回避すべく凹んだ段差を備える
ことを特徴とするフィルタ装着装置。
【請求項２】前記段差は、前記ローリングプレートに
形成され、且つ、前記転動通路の通路方向でみて左右に
離間した一対の凹部を含み、これら凹部は前記転動通路
の通路方向に延びていることを特徴とする請求項１に記
載のフィルタ装着装置。
【請求項３】前記左右一対の凹部は、前記中間品が最
初に１回転、転動する前記転動通路の入口部分を除き、
前記通路方向に延びていることを特徴とする請求項２に
記載のフィルタ装着装置。
【請求項４】前記ローリングプレートは、前記左右一
対の凹部の外側に前記中間品の各シガレットを転動支持
する左右一対の転動面部を更に有することを特徴とする
請求項２又は３に記載のフィルタ装着装置。