JP3190195B2 - 貯水位制御装置 - Google Patents

貯水位制御装置

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JP3190195B2
JP3190195B2 JP01059194A JP1059194A JP3190195B2 JP 3190195 B2 JP3190195 B2 JP 3190195B2 JP 01059194 A JP01059194 A JP 01059194A JP 1059194 A JP1059194 A JP 1059194A JP 3190195 B2 JP3190195 B2 JP 3190195B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はダム等の貯水池管理シス
テムに関し、特に貯水池水位を目標水位の近傍に調整し
たり、計画的に上昇又は低下させることができる貯水位
制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ダム等の貯水池は、平常時には農業用水
や上水道等の利水補給量を確保し、洪水時には下流河川
の流水の適量を維持するために、その水位が管理され
る。従って、ダム等の貯水池の貯水位調節は非常に重要
である。従来、主な貯水位の調整方式として、貯水池へ
の流入量を計算し、これに応じて放流量を増減する方法
や、貯水位の一定値変化毎に貯水池からの放流量を増減
する方法が行われていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、貯水池
へはあらゆる周囲から流入するものであるから、現時点
における貯水池への流入量を直接的に計測することは非
常に困難である。従って、流入量の計測は、貯水量の変
化量とその間の積算放流量の合計から、あくまでも過去
のある時間内の平均値としてしか求めることができな
い。従って、この求めた値に対応して貯水池からの放流
量を増減したのでは流入量の急激な変化に対して操作遅
れや操作上のハンチングを起こす恐れがあった。
【0004】一方、貯水位の一定値変化毎に放流量を増
減する方法では、大雨等で貯水位変化が激しくなったと
き、放流操作が追従できなくなることが予想される。本
発明の目的は、上述の従来の問題に鑑み、貯水池水位を
目標水位の近傍に調節したり、計画的に上昇若しくは下
降させることが可能な貯水位制御装置を提供することに
ある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明はダム等の貯水池
の水位を計測し制御する貯水位制御装置であって、現在
の貯水位と目標水位の水位差を検出する水位差検出部4
と、貯水位の時間的な変化を検出する貯水位変化速度検
出部5と、前記水位差検出部で検出された水位差と、前
記貯水位変化速度検出部で検出された変化速度に基づき
貯水池の放流ゲート9からの放流量を制御する放流ゲー
ト制御部8とを備えている。
【0006】さらに、本発明の貯水位制御装置は、目標
水位を一定時間毎に一定量づつ変化させることにより、
貯水池水位を制御する制御手段をさらに備えている。
【0007】
【作用】本発明では、先ず、貯水位変化の評価を行う。
貯水位の変化は、設定水位からの水位偏差、設定水
位への接近速度の2つの量で評価する。これを以下に説
明する。 貯水位偏差の評価 ダム等の貯水池では、平常時は貯水位を一定に維持する
管理が行われるが、この一定貯水位を設定水位とし、現
在の貯水位との差により次式で評価する。
【0008】D=(Ha−Hs)/Δh ここで、Dは貯水位偏差評価量、Haは現在貯水位、H
sは設定貯水位、Δhは許容水位差、である。
【0009】また、Δhは、ダム等の貯水池の大きさや
運用での貯水位維持精度に応じて決定される。通常は1
cm乃至数cmである。 貯水位変化速度の評価 上記の設定水位に対して、現在の貯水位が単位時間当た
りどれだけの割合で設定貯水位に接近(又は離脱)して
いるかを次式により評価する。
【0010】S=(Ha−Ht)/t ここで、Sは貯水位変化速度評価値、Haは現在貯水
位、Htはt分前貯水位、tは貯水位変化速度判定時
間、である。
【0011】また、tは貯水池の面積や低水位時の上下
流の流量、降雨等地理的条件から、貯水池等の操作側に
より定められる放流設備の操作間隔を基準に決定する。
一般に、10分又は15分である。これらの評価に基づ
いて、貯水位変化の評価による放流設備の制御を以下に
説明する。
【0012】先ず、貯水池からの放流に際しては、下流
河川水位を急激に上昇させないように現在の放流量から
の増加制限が定められている。従って、この増加制限値
を1回の制御の最大制御量とする。また、制御量の最小
値は、上記許容水位差をt分で修正するとした時の流量
とし、次式より算出する。
【0013】q=Vh/t ここで、qは最小制御量、Vhは許容水位差に相当する
貯水池容量、tは貯水位変化速度判定時間、である。 上記の2つの評価値と、これら最大及び最小制御量か
ら、放流設備の制御量を次式のように決定する。ここ
で、Qが正の時は増加し、負の時は減少する。
【0014】Q=q(D+S) ここで、|Q|≧増加制限量、となる場合は増加制限量
を制御量とする。
【0015】
【実施例】図1は本発明による貯水位制御装置の一実施
例ブロック図である。1は水位を計測するための貯水位
計であり、2は計測された水位の入力部であり、3は目
標水位設定部であり、4は現貯水位と目標水位の水位差
検出部であり、5は貯水位の変化速度検出部であり、6
は貯水位変化の評価部であり、7は評価結果に基づき目
標放流量を演算する演算部であり、8は放流ゲートの開
閉を制御する放流ゲート制御部であり、9は貯水池の放
流ゲートである。
【0016】このような装置構成において、まず、貯水
位計1で計測した貯水位データを貯水位入力部2に入力
し、データの検定と平滑処理を行って波浪成分を除去し
た後、目標水位設定部3にて設定した目標水位と現在の
貯水位の差を水位差検出部4にて検出する。貯水位変化
速度検出部5では一定時間毎に貯水位を記録し、さら
に、所定時間前に記録した貯水位と現在の貯水位との差
を求め、貯水位の変化速度を検出する。そして、貯水位
評価部6にて、水位差検出部4及び貯水位変化速度検出
部5で検出した値の合計を求め、これを貯水位変化状態
の評価値とし、目標放流量演算部7でその評価値から放
流量の増減量を決定し、目標放流量を算出する。放流ゲ
ート制御部8は目標放流量となるようなゲートの制御量
(目標開度)を演算し、放流ゲート9に開閉指令を与え
る。開閉指令を受けたゲートは目標開度に従って、ゲー
トを開閉する。
【0017】図2及び図3は貯水位変化の評価方式と放
流量増減量の関係の説明図である。図2はグラフで示
し、図3は表で示したものである。図2において、縦軸
は水位偏差を示し、横軸は時間を示している。計測時間
周期(縦の点線の間隔)は、約10分である。縦軸に示
すように、目標水位設定部3により設定された設定水位
を中心にして水位偏差「0」の不感帯を上下に設けてい
る。グラフにおいて、矢印は水位変化の状態を示してい
る。矢印が急峻であればあるほど急激に水位が変化して
いることを示し、矢印は急峻でなければ水位の変化が緩
慢であることを示している。
【0018】図3から明らかなように、例えば、矢印
は貯水位の変化量が「−2」であり、設定水位との偏差
が「1」であり、従って、放流量増加量は「−1」とな
る。放流量増加量は、例えば、最大放流量変化量相当値
を「5」とすると、放流量増加量「1」はその1/5だ
け増加し、「−2」は2/5だけ減少することを示して
いる。
【0019】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
ダム等の貯水池水位を、目標水位の近傍に調節したり、
計画的に上昇若しくは下降させることが容易に可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による貯水位制御装置の一実施例ブロッ
ク図である。
【図2】貯水位変化の評価方式と放流量増減量の関係の
説明図(その1)である。
【図3】貯水位変化の評価方式と放流量増減量の関係の
説明図(その2)である。
【符号の説明】
1…貯水位計 2…貯水位入力部 3…目標水位設定部 4…水位差検出部 5…貯水位変化速度検出部 6…貯水位変化評価部 7…目標放流量演算部 8…放流ゲート制御部 9…貯水池放流ゲート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01F 23/00 - 25/00 E02B 7/20 105 G05D 9/12

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ダム等の貯水池の水位を計測し制御する
    貯水位制御装置であって、 現在の貯水位と目標水位の水位差を検出する水位差検出
    部(4)と、 貯水位の時間的な変化を検出する貯水位変化速度検出部
    (5)と、 前記水位差検出部で検出された水位差と、前記貯水位変
    化速度検出部で検出された変化速度に基づき貯水池の放
    流ゲート(9)からの放流量を制御する放流ゲート制御
    部(8)とを備えたことを特徴とする貯水位制御装置。
  2. 【請求項2】 目標水位を一定時間毎に一定量づつ変化
    させることにより、貯水池水位を制御する制御手段をさ
    らに備える請求項1に記載の貯水位制御装置。
JP01059194A 1994-02-01 1994-02-01 貯水位制御装置 Expired - Lifetime JP3190195B2 (ja)

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JP01059194A JP3190195B2 (ja) 1994-02-01 1994-02-01 貯水位制御装置

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JP01059194A JP3190195B2 (ja) 1994-02-01 1994-02-01 貯水位制御装置

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JPH07218314A JPH07218314A (ja) 1995-08-18
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