JP3190141B2 - 液晶表示素子の駆動法 - Google Patents
液晶表示素子の駆動法Info
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Description
動する方法に関する。
ンパクトでかつ大容量の情報の表示を実現するものとし
て、液晶表示素子が注目されている。かかる液晶表示素
子としては、ツイステッドネマチックタイプの液晶表示
素子の画素各々をそれぞれに対応して形成された薄膜フ
ィルムトランジスタで駆動するものと、いわゆるツイス
テッドネマチックタイプおよびスーパーツイステッドネ
マチックタイプの液晶表示素子を、薄膜フィルムトラン
ジスタを用いずに駆動するもの(単純マトリクスタイ
プ)との2種類に、大きく分けられる。
スタを用いるものは比較的高速に駆動できるが、素子の
製造工程が複雑で、製造コストが高いという問題点があ
る。一方、単純マトリクスタイプのものは、比較的素子
の製造工程は単純であるが、高速表示切替が困難で、端
末におけるマウス表示や、ビデオ表示に対応しにくいと
いう問題点がある。
示素子において高速駆動が困難なのは、ツイステッドネ
マチックタイプおよびスーパーツイステッドネマチック
液晶表示素子の特性上、印加電圧に対する、液晶分子の
配向の追随速度が遅いからである。すなわち、通常の2
50msec程度の平均応答速度を有するスーパーツイ
ステッドネマチック液晶表示素予では、ビデオ表示等で
通常要求される20〜30Hzでの表示切替(30〜5
0msecごとの表示切替に相当)はとうてい実現でき
ない。
答速度が大きい液晶素子を使用することも考えられる。
このような液晶素子を高速応答性液晶素子と呼ぶことが
ある。高速応答性液晶素子を得るための方法には、低粘
性の液晶を用いる方法、屈折率異方性の大きい液晶を用
いて液晶層の厚みを小さくする方法などがある。
素子の応答時間は、おおよそ、液晶の粘度ηに比例し、
液晶層の厚みdの二乗に比例する。一方、スーパーツイ
ストネマチック液晶表示素子の屈折率異方性Δnと液晶
層の厚みdの積はほぼ一定にしなければならないという
要請を考慮すると、スーパーツイステッドネマチック液
晶表示素子の応答時間は、粘度ηに比例し、屈折率異方
性Δnの二乗に反比例することになる。すなわち、液晶
層の厚みdを小さくするとともに、この液晶素子に使用
する液晶としては、低粘性で、屈折率異方性の大きい液
晶を用いることが好ましいことになる。
子を得たとしても、この素子の使用は、現実には、以下
のような極めて大きな問題点を有していた。
は、通常、電圧平均化法とよばれる方法が用いられてい
る。走査線数(行電極の本数)をN、フレーム周期をT
としたときの電圧平均化法における行電極印加電圧の波
形は、時間T内に、1本の選択パルスが存在し、選択パ
ルス印加時以外には、オン電圧選択パルスの1/bの波
高値をもつバイアス波が存在する。すなわち、選択期間
にはT/N、非選択期間には(N−1)T/Nの時間が
割り当てられる。図5(a)のAに代表的な印加波形を
示した。横軸は時間、縦軸は電圧である。多くの場合、
2フレーム使用することにより、交流化が行われる。
印加電圧の実効値で応答することが前提となっており、
これにより所定のコントラスト比を得ることができる。
図5(b)のCに実効値応答の様子を示す。横軸は時
間、縦軸は液晶層の両側に偏光板を配置し、行電極の選
択時に列電極にオン電圧を印加した場合の透過光強度で
ある。通常、フレーム周期は10〜数10msec程度
であるのに対して、通常の液晶表示素予の平均応答速度
は、250msec程度であるため、数〜十数フレーム
を使用することにより、一つのオンまたはオフの表示が
完了することになる。
と、液晶分子の分子軸方向の変化が、電圧に対して追随
しやすいため、図5(b)のBのように、光学応答波形
がいわゆるピーク値応答的な挙動を示すようになり、実
効値応答(C線で示した)から外れるようになる。すな
わち、選択期間に立ち上がった光学応答波形が、非選択
期間では保持できず、減衰するようになるので、透過率
の平均レベルが下がり、コントラスト比が低下するとい
う問題点が生じる。以下、この現象を液晶の「緩和現
象」と呼ぶ。
のダイナミック駆動を行う際にはいわゆる液晶表示素子
の平均応答速度が150msec程度以下になると大き
な問題となり、特にダイナミック駆動における平均応答
速度100msec程度以下の液晶表示素子において顕
著である。
下のように本明細書では定義する。すなわち、充分時間
が経過した時点でのオフ電圧での光透過度をTOFF、
オン電圧での光透過度をTONとし、オフ電圧からオン
電圧に切り替えた時刻をt1、その後、光透過度Tが
(TON−TOFF)×0.9+TOFFとなる時刻を
t2、また、オン電圧からオフ電圧に切り替えた時刻を
t3、その後、光透過度Tが(TON−TOFF)×
0.1+TOFFとなる時刻をt4とすると、平均応答
速度τは、 τ=((t4−t3)+(t2−t1))/2 で表される。
数を上げて選択パルスの間隔を短くする方法をとること
が考えられる。しかし、この場合は、必然的に1本の行
電極を選択する時間(パルス幅)が短くなるため、液晶
分子が選択パルスに反応しにくくなるので、表示のコン
トラスト比の向上効果は大きくない。また、駆動周波数
が大きくなると、電極の抵抗値が無視できず、電極の信
号入力部近傍とそれ以外で表示むらを生じたり、Vthが
変動して表示むらを生じたりする問題点がある。このよ
うな理由で、高速応答性の液晶素子は、事実上、表示に
使用することが困難であった。
(T.N.Ruckmongathan)は駆動電圧を
低くし、表示むらを低減するための方法として、複数の
行電極を一括して選択し、駆動する方法(以下、IHA
T法という)を提案している(1988 Intern
ational Display ResearchC
onference)。その駆動法の概要は、以下のよ
うなものである。
なるp個(p=N/M)のサブグループに分けてM本の
行電極を一括して選択して駆動する。任意の1つの列電
極上で、選択されたサブグループ内の表示データを、 [dkM+1,dkM+2,・・・,dkM+M];d
kM+j=0or1(ここで0はオフ、1はオンを表
す。また、kは選択されるサブグループに応じて0から
(p−1)まで変化する整数である。) なるMビット語で表す。行電極の選択パターンを、 [akM+i,akM+2,・・・,akM+M];a
kM+j=0or1となる2M(=Q)種類のMビット
語(w1,w2,・・・,wQ)で表示する。
選ばれる。 (3)選択されない行電極は接地されるとすると、選択
された行電極は、0に対しては−Vr、1に対しては+
Vrが印加される。 (4)選択されたサブグループの行電極パターンとデー
タパターンとを排他的論理和でビットごとに比較し、こ
れらの排他的論理和を求める。 (5)上記の排他的論理和により求められる二つのパタ
ーンの非整合の数iが求められる。
整合の数がiならば、Viと選ばれる。 (7)それぞれの列電極への印加電圧は、マトリクス内
で上記の(4)〜(6)のステップを繰り返すことによ
り、独立に決められる。 (8)行電極と列電極とに同時に時間Tの間、電圧印加
される。 (9)新しい行電極の選択パターンが選ばれ、上記の
(4)〜(6)のステップにより列電極への印加電圧が
決められる。同様に、新しい行電極と列電極とに同時に
時間Tの間、電圧印加される。 (10)サイクルは、すべてのサブグループについて、
すべての2M個の選択パターンが一度選ばれて完了す
る。 (11)表示は、このサイクルを連続して繰り返すこと
により更新される。
比は、 VON/VOFF=((N1/2+1)/(N1/2−1))1/2 となり、従来より用いられている電圧平均化法における
VON/VOFFと等しくなる。したがって、コントラ
ストも同等となる。また、マトリクスにおける各点灯部
の電圧実効値が均一になるので、表示パターンによらず
均一な表示が得られる効果がある。
るが、高速駆動の用途としては必ずしも有利なものとは
いえない。その理由の第1に、通常のIHAT法では、
複数の行電極をを同時に選択する代わりに、その選択の
ために必要な選択パルスの数が多くなることがある。す
なわち、一つの行電極サブグループを選択するに長時間
必要となり、結局、非選択期間がそれほど短くならず、
液晶の緩和減少が有効な抑止に結び付かない。
て選択する場合には、一つの表示(オンまたはオフ)を
完了するのに選択パルスの数は2M本必要であり、同時
に選択する行電極の数が増えると、必要な選択パルスの
数は指数関数的に増えることがある。つまり、もし一つ
の選択パルスの幅が等しいなら、1表示には従来法の2
M−1/M倍の時間が必要になる。例えば、M=7な
ら、64/7=9.1倍の時間がかかる。
決すべくなされたものであり、以下のような液晶表示素
子の駆動法を提供するものである。
列電極(J,Lはそれぞれ2以上の整数)とからなるマ
トリクス型液晶表示素子であって、平均応答速度が10
0msec以下である液晶表示素子の駆動法において、
行電極のうちのJ×L本の行電極をそれぞれL本の行電
極からなるJ個の行電極サブグループに分けて、この行
電極サブグループについて一括して選択して行う駆動法
であって、 行電極に印加する電圧については、非選択時
の電圧を0とすると、選択時には+V r ,−V r (V r
>0)のいずれかの電圧レベルをとるものとし、 列電極
に印加する電圧については、(L+1)個の電圧レベル
V 0 ,V 1 ,・・,V L であって、V 0 <V 1 <・・・
<V L となるものから選ばれるものとし、 特定列におけ
る、j番目の行電極サブグループの二値表示からなる表
示データを(ここでjは1〜Jまで変化する整数)、L
個の要素を有する縦ベクトルD j (ここで、ベクトルD
j の要素は、オンを示す1もしくはオフを示す0からな
る )で表現する場合に、以下の条件(1)および(2)
を満足して行い、 ひとつの行電極サブグループを選択す
る選択電圧列は、他の行電極サブグループを選択する選
択電圧列のベクトルの配列順序をずらして配列したもの
である液晶表示素予の駆動法を提供する。 (1)j番目の行電極サブグループの選択は、以下の
(a),(b)のように定められた選択電圧列を構成す
る選択電圧ベクトルの要素がj番目の行電極サブグルー
プを構成する行電極の電圧に対応するように、順次電圧
印加されることによりなされる。 (a)要素が+V r もしくは−V r からなり、自身の転
置行列との積が単位行列のスカラー倍となるL行K列の
行列A=[α 1 ,α 2 ,・・・,α q ,・・・,α K ]
(ここで、α q はL個の要素を有する縦ベクトル)を選
ぶ。ここで、Kはpを自然数としてL≦2 P =Kとなる
整数である。 (b)選択電圧列として、それを構成する選択電圧ベク
トルが少なくともα 1 ,α 2 ,・・・,α K ,−α 1 ,
−α 2 ,・・・,−α K の1個ずつを含んでなり、該選
択電圧ベクトルが配列されたベクトルの列を選ぶ。 (2)(1)の条件でj番目の行電極サブグループが選
択されている時にベクトルD j で表現されるデータを表
示するために列電極に印加される電圧は以下の(a),
(b)のように定められる。 (a)j番目の行電極サブグループに印加されている選
択電圧について、+V r を1,−Vrを0として表して
ベクトルβを構成する。 (b)ベクトルβとベクトルD j の、対応する要素の排
他的論理和の総和をiとして、V i (iは0〜Lのいず
れかの整数)が列電極に印加される。
極(J,Lはそれぞれ2以上の整数)とからなるマトリ
クス型液晶表示素子であって、平均応答速度が100m
sec以下である液晶表示素子の駆動法において、 行電
極のうちのJ×L本の行電極をそれぞれL本の行電極か
らなるJ個の行電極サブグループに分けて、この行電極
サブグループについて一括して選択して行う駆動法であ
って、 行電極に印加する電圧については、非選択時の電
圧を0とすると、選択時には+V r ,−V r (V r >
0)のいずれかの電圧レベルをとるものとし、 列電極に
印加する電圧については、(L+1)個の電圧レベルV
0 ,V 1 ,・・,V L であって、V 0 <V 1 <・・・<
V L となるものから選ばれるものとし、 特定列におけ
る、j番目の行電極サブグループの二値表示からなる表
示データを(ここでjは1〜Jまで変化する整数)、L
個の要素を有する縦ベクトルD j (ここで、ベクトルD
j の要素は、オンを示す1もしくはオフを示す0からな
る)で表現する場合に、以下の条件(1)および(2)
を満足して行い、 先のデータ表示の選択電圧列形成に使
用した行列Aの行を入れ替えて形成した行列を、あらた
めて選択電圧列形成用の行列Aとして使用することを特
徴とする液晶表示素子の駆動法を提供する。 (1)j番目の行電極サブグループの選択は、以下の
(a),(b)のように定められた選択電圧列を構成す
る選択電圧ベクトルの要素がj番目の行電極サブグルー
プを構成する行電極の電圧に対応するように、順次電圧
印加されることによりなされる。 (a)要素が+V r もしくは−V r からなり、自身の転
置行列との積が単位行列のスカラー倍となるL行K列の
行列A=[α 1 ,α 2 ,・・・,α q ,・・・,α K ]
(ここで、α q はL個の要素を有する縦ベクトル)を選
ぶ。ここで、Kはpを自然数としてL≦2 P =Kとなる
整数である。 (b)選択電圧列として、それを構成する選択電圧ベク
トルが少なくともα 1 ,α 2 ,・・・,α K ,−α 1 ,
−α 2 ,・・・,−α K の1個ずつを含んでなり、該選
択電圧ベクトルが配列されたベクトルの列を選ぶ。 (2)(1)の条件でj番目の行電極サブグループが選
択されている時にベクトルD j で表現されるデータを表
示するために列電極に印加される電圧は以下の(a),
(b)のように定められる。 (a)j番目の行電極サブグループに印加されている選
択電圧について、+V r を1,−V r を0として表して
ベクトルβを構成する。 (b)ベクトルβとベクトルD j の、対応する要素の排
他的論理和の総和を iとして、V i (iは0〜Lのいず
れかの整数)が列電極に印加される。
極(J,Lはそれぞれ2以上の整数)とからなるマトリ
クス型液晶表示素子であって、平均応答速度が100m
sec以下である液晶表示素子の駆動法において、 行電
極のうちのJ×L本の行電極をそれぞれL本の行電極か
らなるJ個の行電極サブグループに分けて、この行電極
サブグループについて一括して選択して行う駆動法であ
って、 行電極に印加する電圧については、非選択時の電
圧を0とすると、選択時には+V r ,−V r (V r >
0)のいずれかの電圧レベルをとるものとし、 列電極に
印加する電圧については、(L+1)個の電圧レベルV
0 ,V 1 ,・・,V L であって、V 0 <V 1 <・・・<
V L となるものから選ばれるものとし、 特定列におけ
る、j番目の行電極サブグループの二値表示からなる表
示データを(ここでjは1〜Jまで変化する整数)、L
個の要素を有する縦ベクトルD j (ここで、ベクトルD
j の要素は、オンを示す1もしくはオフを示す0からな
る)で表現する場合に、以下の条件(1)および(2)
を満足して行い、 行電極サブグループを構成するL本の
行電極のうち、一部は、仮想的な電極である液晶表示素
子の駆動法を提供する。 (1)j番目の行電極サブグループの選択は、以下の
(a),(b)のように定められた選択電圧列を構成す
る選択電圧ベクトルの要素がj番目の行電極サブグルー
プを構成する行電極の電圧に対応するように、順次電圧
印加されることによりなされる。 (a)要素が+V r もしくは−V r からなり、自身の転
置行列との積が単位行列のスカラー倍となるL行K列の
行列A=[α 1 ,α 2 ,・・・,α q ,・・・,α K ]
(ここで、α q はL個の要素を有する縦ベクトル)を選
ぶ。ここで、Kはpを自然数としてL≦2 P =Kとなる
整数である。 (b)選択電圧列として、それを構成する選択電圧ベク
トルが少なくともα 1 ,α 2 ,・・・,α K ,−α 1 ,
−α 2 ,・・・,−α K の1個ずつを含んで なり、該選
択電圧ベクトルが配列されたベクトルの列を選ぶ。 (2)(1)の条件でj番目の行電極サブグループが選
択されている時にベクトルD j で表現されるデータを表
示するために列電極に印加される電圧は以下の(a),
(b)のように定められる。 (a)j番目の行電極サブグループに印加されている選
択電圧について、+V r を1,−Vrを0として表して
ベクトルβを構成する。 (b)ベクトルβとベクトルD j の、対応する要素の排
他的論理和の総和をiとして、V i (iは0〜Lのいず
れかの整数)が列電極に印加される。
極(J,Lはそれぞれ2以上の整数)とからなるマトリ
クス型液晶表示素子であって、平均応答速度が100m
sec以下である液晶表示素子の駆動法において、 行電
極のうちのJ×L本の行電極をそれぞれL本の行電極か
らなるJ個の行電極サブグループに分けて、この行電極
サブグループについて一括して選択して行う駆動法であ
って、 行電極に印加する電圧については、非選択時の電
圧を0とすると、選択時には+V r ,−V r (V r >
0)のいずれかの電圧レベルをとるものとし、 列電極に
印加する電圧については、(L+1)個の電圧レベルV
0 ,V 1 ,・・,V L であって、V 0 <V 1 <・・・<
V L となるものから選ばれるものとし、 特定列におけ
る、j番目の行電極サブグループの二値表示からなる表
示データを(ここでjは1〜Jまで変化する整数)、L
個の要素を有する縦ベクトルD j (ここで、ベクトルD
j の要素は、オンを示す1もしくはオフを示す0からな
る)で表現する場合に、以下の条件(1)および(2)
を満足して行い、 行列Aとして式1Bを用いる液晶表示
素子の駆動法を提供する。 (1)j番目の行電極サブグループの選択は、以下の
(a),(b)のように定められた選択電圧列を構成す
る選択電圧ベクトルの要素がj番目の行電極サブグルー
プを構成する行電極の電圧に対応するように、順次電圧
印加されることによりなされる。 (a)要素が+V r もしくは−V r からなり、自身の転
置行列との積が単位行列のスカラー倍となるL行K列の
行列A=[α 1 ,α 2 ,・・・,α q ,・・・,α K ]
(ここで、α q はL個の要素を有する縦ベクトル)を選
ぶ。ここで、Kはpを自然数としてL≦2 P =Kとなる
整数である。 (b)選択電圧列として、それを構成する選択電圧ベク
トルが少なくともα 1 ,α 2 ,・・・,α K ,−α 1 ,
−α 2 ,・・・,−α K の1個ずつを含んでなり、該選
択電圧ベクトルが配列されたベクトルの列を選ぶ。 (2)(1)の条件でj番目の行電極サブグループが選
択されている時にベクトルD j で表現されるデータを表
示するために列電極に印加される電圧は以下の(a),
(b)のように定められる。 (a)j番目の行電極サブグループに印加されている選
択電圧について、+V r を1,−V r を0として表して
ベクトルβを構成する。 (b)ベクトルβとベクトルD j の、対応する要素の排
他的論理和の総和をiとして、V i (iは0〜Lのいず
れかの整数)が列電極に印加される。
極(J,Lはそれぞれ2以上の整数)とからなるマトリ
クス型液晶表示素子であって、平均応答速度が100m
sec以下である液晶表示素子の駆動法において、 行電
極のうちのJ×L本の行電極をそれぞれL本の行電極か
らなるJ個の行電極サブグループに分けて、この行電極
サブグループについて一括して選択して行う駆動法であ
って、 行電極に印加する電圧については、非選択時の電
圧を0とすると、選択時には +V r ,−V r (V r >
0)のいずれかの電圧レベルをとるものとし、 列電極に
印加する電圧については、(L+1)個の電圧レベルV
0 ,V 1 ,・・,V L であって、V 0 <V 1 <・・・<
V L となるものから選ばれるものとし、 特定列におけ
る、j番目の行電極サブグループの二値表示からなる表
示データを(ここでjは1〜Jまで変化する整数)、L
個の要素を有する縦ベクトルD j (ここで、ベクトルD
j の要素は、オンを示す1もしくはオフを示す0からな
る)で表現する場合に、以下の条件(1)および(2)
を満足して行い、 L r 本の行電極(L r <L)からなる
行電極サブグループについては、(L−L r )本の行電
極を仮想的に加えて駆動することを特徴とする液晶表示
素子の駆動法を提供する。 (1)j番目の行電極サブグループの選択は、以下の
(a),(b)のように定められた選択電圧列を構成す
る選択電圧ベクトルの要素がj番目の行電極サブグルー
プを構成する行電極の電圧に対応するように、順次電圧
印加されることによりなされる。 (a)要素が+V r もしくは−V r からなり、自身の転
置行列との積が単位行列のスカラー倍となるL行K列の
行列A=[α 1 ,α 2 ,・・・,α q ,・・・,α K ]
(ここで、α q はL個の要素を有する縦ベクトル)を選
ぶ。ここで、Kはpを自然数としてL≦2 P =Kとなる
整数である。 (b)選択電圧列として、それを構成する選択電圧ベク
トルが少なくともα 1 ,α 2 ,・・・,α K ,−α 1 ,
−α 2 ,・・・,−α K の1個ずつを含んでなり、該選
択電圧ベクトルが配列されたベクトルの列を選ぶ。 (2)(1)の条件でj番目の行電極サブグループが選
択されている時にベクトルD j で表現されるデータを表
示するために列電極に印加される電圧は以下の(a),
(b)のように定められる。 (a)j番目の行電極サブグループに印加されている選
択電圧について、+V r を1,−V r を0として表して
ベクトルβを構成する。 (b)ベクトルβとベクトルD j の、対応する要素の排
他的論理和の総和をiとして、V i (iは0〜Lのいず
れかの整数)が列電極に印加される。 また、上記の駆動
法において、選択電圧列として、それを構成する選択ベ
クトルが、可能な選択ベクトルすべてを含むように選ぶ
ことが好ましい。 また、上記の駆動法において、特定列
における、j番目の行電極サブグループの表示データ
を、二値表示に代えて、(U+1)段(Uは2以上の自
然数)の階調を有するものとし、選択電圧列として、そ
れを構成する選択電圧ベクトルが、少なくともα1,α
2,・・・,αK,−α1,−α2,・・・,−αKの
それぞれU個を含んでなり、該選択電圧ベクトルが配列
されたベクトルの列を選ぶとともに、それぞれU個ずつ
の各選択電圧ベクトルについて、合計U個のオンもしく
はオフを所定の比率で表示することにより、(U+1)
段の階調表示をすることが好ましい。
同様に、複数の行電極が一括して選択される。本明細書
では、一括して選択される行電極の集まりを、「行電極
サブグループ」と呼ぶことにする。駆動回路を簡単なも
のとするためには、行電極サブグループを構成する行電
極の本数をそれぞれ等しくすることが好ましい。むろ
ん、一般的なセル構成においては、行電極全体の数が、
行電極サブグループを構成する行電極の本数の倍数とな
っているわけではないので、各行電極サブグループを構
成する行電極の数をすべて等しくすることはできない。
端数として存在する、他の行電極サブグループよりも構
成する行電極の本数が少ない行電極サブグループの扱い
は後に説明することにし、まず、行電極サブグループを
構成する行電極の本数がL本でそれぞれ等しい部分の駆
動について説明する。
るときは、必ずしも隣り合う行電極同志を一つの行電極
サブグループとする必要はない。基板上の配線の問題が
許せば、離れた位置にある行電極を、同じ行電極サブグ
ループ内の行電極として同時に選択することが可能であ
る。
速応答性のものが好ましい。前述のように、高速応答性
の液晶表示素子は、液晶層の厚みdを小さくするととも
に、低粘性で、屈折率異方性の大きい液晶を用いること
によって得られる。このような、屈折率異方性の大きい
液晶としては、例えば、トラン系のものが有用である。
トラン系の液晶としては、例えば、特開昭61−563
1号公報に記載されているものがあり、また、化1に示
すような構造のものがある。
−,−CH2CH2−,または、炭素2個が3重結合し
たものを示す。また、R1,R2は相互に独立して炭素
数1〜10のアルキル基、ハロゲン原子、シアノ基、−
SCN基を示し、炭素−炭素結合を持つ場合にはその結
合間もしくはこの基と環との間の炭素−炭素結合間に酸
素が挿入されたり、炭素−炭素結合の一部が−COO
−,−OCO−,−CH=CH−で置換されていてもよ
い。なお、これらの化合物は、単なる例示にすぎなく、
水素原子のハロゲン原子、シアノ基、メチル基等への置
換等、種々の材料が選択使用される。
粘性の材料としてはジフルオロスチルベン系の液晶が有
用である。ジフルオロスチルベン系の液晶としては、例
えば、特開平1−96475号公報に記載されているも
のがあり、また、化2に示すような構造のものがある。
−,−CH2CH2−,または、炭素2個が3重結合し
たものを示す。また、R1,R2は相互に独立して炭素
数1〜10のアルキル基、ハロゲン原子、シアノ基、−
SCN基を示し、炭素−炭素結合を持つ場合にはその結
合間もしくはこの基と環との間の炭素−炭素結合間に酸
素が挿入されたり、炭素−炭素結合の一部が−COO
−,−OCO−,−CH=CH−で置換されていてもよ
い。なお、これらの化合物は、単なる例示にすぎなく、
水素原子のハロゲン原子、シアノ基、メチル基等への置
換等、種々の材料が選択使用される。
の液晶とは、それぞれ別々に使用してもよく、また、両
者を同時に使用してもよい。特にジフルオロスチルベン
系の液晶を1〜80%、好ましくは5〜70%、さらに
好ましくは10〜60%、含有する液晶組成物は粘度が
著しく低下し、高速応答を実現できる。
極について、複数本からなるサブグループ単位の選択を
行うためには、選択電圧はそれぞれの行電極ごとに異な
るパターンで印加する必要がある。
ては、非選択時の電圧を0とした場合、選択時には+V
r,−Vr(Vr>0)のいずれかの電圧レベルをとる
ものとされる。ここで、非選択時の電圧0は、必ずしも
大地に対する接地を意味するものではない。液晶素予の
駆動電圧は、行電極と列電極との間に印加される電圧
(電位差)で決まるものであり、両方の電極の電位を、
並行して同量変化させても、両電極間の電位差は変わら
ないからである。
択時の電圧は、各行電極に印加される電圧を要素とする
L次のベクトルを時系列にしたがって並べたもので表せ
る。このベクトルの列を本明細書では、「選択電圧列」
と呼び、また選択電圧列を構成するベクトルを「選択電
圧ベクトル」と呼ぶことにする。すなわち、特定の選択
電圧列が定まれば、その選択電圧列を構成するL次の選
択ベクトルの要素を各行電極の電圧に対応させながら、
選択電圧列を構成するすべての選択電圧ベクトルについ
て、順次各行電圧に電圧印加していくことによって、そ
の行電極サブグループの選択を行うことができることに
なる。
方法について説明する。
り、自身の転置行列との積が単位行列のスカラー倍とな
るL行K列の行列A=[α1,α2,・・・,αk,,
αK](ここで、αkはL個の要素を有する縦ベクト
ル)を選ぶ。ここで、Kはpを自然数としてL≦2P=
Kとなる整数である。すなわち具体的には、Lが2の場
合、KはK=2(p=1),4(p=2),8(p=
3),・・・等であり、Lが3,4の場合、KはK=
4,8,16,・・・等であり、Lが5,6,7,8の
場合、KはK=8,16,32,・・・等である。Kを
あまり大きくすると、行電極選択に必要な選択パルスの
数も大きくなるため、Kはとり得る値のうち最も小さい
値とすることが好ましい。
合について、行列Aの具体例を挙げると、上記式1Bま
たは下記式1A、下記式1Cのようになる。
列と呼ばれる。
との積が単位行列のスカラー倍となるK次の行列から、
任意の(K−L)行を削ることにより、上記のL行K列
の行列Aを構成することができる。例えば、式1Cの8
次のアダマール行列から構成した例を以下の式3A、式
3Bに示す。
8列の行列であり、式3Bは式1Cから第1行および第
8行を削除した6行8列の行列である。これらは、いず
れも自身の転置行列との積が単位行列のスカラー倍とな
っている。
すことにより、A=[α1,α2,・・・,αq,・・
・,αK](ここで、αqはL個の要素を有する縦ベク
トル)と形式的に表現できる。
構成する選択電圧ベクトルが、少なくともα1,α2,
・・・,αK,−α1,−α2,・・・,−αKからな
り、この選択電圧ベクトルを配列したベクトルの列を選
ぶ。
(すなわち、オンまたはオフ)であれば、選択電圧列中
に上記各ベクトルが1回ずつ現れるようにした、2K個
のベクトルからなる選択電圧列を選ぶことできる。
ずつのみからなる必要はなく、要素が+Vrもしくは−
Vrからなる他のベクトルを加えたり、同じベクトルを
複数個配列することも、本発明の効果を損しない範囲で
可能である。
(この場合、選択電圧列の中の選択電圧ベクトルの数が
2L以上となる)選択電圧列を考えることもできる。こ
の場合は、例えば、一つの行電極サブグループが4本の
行電極からなるとすると、全体としてとり得る電位状態
は24=16通り存在する。したがって、この場合の選
択電圧列には、選択電圧ベクトルのが16以上存在す
る。そして、かかる選択電圧列に対応する電圧が、本発
明の駆動法における行電極選択波形となる。
の電位状態を経ることになるため、表示むらを抑える観
点では、有利なものとなる。しかし、Lが大きくなる
と、行電極選択に必要な選択パルスの数が指数関数的に
増大することになるので、パルス幅を同じにとるなら、
一つの表示サイクルを完了するために必要な時間が極め
て長くなってしまう。
を構成する選択電圧ベクトルが、実質的に、α1,
α2,・・・,αK,−α1,−α2,・・・,−αK
からなり、この選択電圧ベクトルを配列したベクトルの
列を選び、選択電圧列を構成する選択電圧ベクトルの数
が、実質的に2K個となるようにすることがもっとも好
ましい。このようにすれば、行電極の選択に必要な選択
パルスの数を最少にすることができ、高速表示としても
っとも有利である。また、上述の説明は二値表示に関す
るものであるが、同様の方法で、階調表示を実現するこ
とも可能になる。
配列順序は任意であって、サブグループごとに、もしく
は表示データごとに入れ替えて用いることもできる。実
際の駆動における表示むらを抑制するためには、上記の
入れ替えを適当に行いながら駆動することがかえって好
ましい場合が多い。
ルの要素のうち、+Vr、を1、−Vrを0としたパタ
ーンで表し、これを「選択パターン」と呼び、また、選
択パターンを時系列で並べたものを「選択コード」と呼
ぶ。
列(選択コード)について次に説明する。
果、選択電圧列に含まれる選択電圧ベクトルの数を21
個とし(Iは2I≧2Kの自然数)、かつ、前半分のI
個の選択電圧ベクトルの列と、後半分のI個の選択電圧
ベクトルの列とは絶対値が同じで正負が反対になるよう
にするものが、駆動の表示むらを抑制する観点で好まし
いことがわかった。かかるベクトル列が駆動の表示むら
を抑制することについてその原因は明らかではないが、
1表示を行うときに電極間に生ずる供給電圧波形が表示
データにかかわらず一様の周期で交流化されるためと推
測される。以下、このように配列した選択コードを特に
「反転コード」と呼ぶ。
択コード電圧列がなっている場合に、第1番目から第I
番目の選択パターンの列と、第(I+1)番目から第2
I番目の選択パターンの列との2つの列を考えたとき、
第s番目の選択パターンと第(s+I)番目の選択パタ
ーンとの内容が、否定の関係になるような選択コードを
用いることを特徴とする。すなわち、第s番目の選択パ
ターンをWsとして表すと、式4のような関係を満たす
ように、行電極選択コードが形成されるということであ
る。
選択電圧ベクトルからなるものの場合に適用することに
より、[α1,α2,・・・,αK,−α1,−α2,
・,−αK]となる順序のベクトルの列を選ぶことが、
駆動の表示むらを抑制する観点で好ましいことがわかっ
た。
ダマール行列から構成したものを表1に示す。
[α1,α2,・・・,αK,−α1,−α2,・・
・,−αK]となる順序の条件を満たしている。また、
サブグループごとに、もしくは表示データごとに選択電
圧列(選択パターン)を入れ替えて用いる場合は、表2
もしくは表3に示すような選択コードを採用することが
できる。表中の数字は表1の選択パターン番号を示して
おり、左から右に向かって時系列的に選択パターンが行
電極に印加されていくものとする。表2は行電極サブグ
ループひとつを選択するごとに選択パターンをずらすも
の、表3は行電極サブグループふたつを選択するごとに
選択パターンをずらすものである。
択電圧列による場合の例が表4である。表4では自然二
進法による選択コードを示した。また4本の行電極をa
1,a2,a3,a4として示した。
でなく、ランダムコードやグレイコードを採用すること
もできる。
行電極について、行電極選択波形の周波数が等しくなる
ようにした周波数均一化コードを用いることもできる。
L=4の場合の一例を表5に示した。
択電圧列による場合の反転コードの一例を、L=3の場
合について表6に示す。
番目から第4番目までの行電極選択パターンの否定をと
ったものが、それぞれの順番で第5番目から第8番目ま
で並ぶことになる。
(U+1)段(Uは2以上の自然数)の階調を有するも
のである場合は、選択電圧列として、それを構成する選
択電圧ベクトルが、少なくともα1,α2,・・・,α
K,−α1,−α2,・・・,−αKのそれぞれU個を
含むベクトルの列を選ぶ。
ずしも上記各ベクトルU個ずつのみからなる必要はな
く、要素が+Vrもしくは−Vrからなる他のベクトル
を加えたり、同じベクトルをU個以上配列することも、
本発明の効果を損しない範囲で可能である。また、選択
電圧列を実質的に上記各ベクトルU個ずつからなるよう
にすれば、行電極の選択に必要な選択パルスの数を少な
くすることができ、高速表示のためには好ましく、特
に、選択電圧列を上記各ベクトルU個ずつのみからなる
ようにすれば、行電極の選択に必要な選択パルスの数を
最少にすることができ、高速表示のためには非常に好ま
しい。
トルの配列順序もやはり任意であって、選択電圧ベクト
ルをランダムに配列したり、または、サブグループごと
に、もしくは表示データごとに配列を入れ替えて用いる
こともできる。実際の駆動における表示むらを抑制する
ためには、上記の入れ替えを適当に行いながら駆動する
ことがかえって好ましい場合が多いのも二値表示の場合
と同様である。
圧を構成する選択電圧ベクトルの配列については種々の
ものが採用できる。例えば、ベクトル列[α1,α2,
・,αK]を1単位としてSと表すと、[S,S,・・
・,S,−S,−S,・・,−S]と配列したり、
[S,−S,S,−S,・・・,S,−S]と配列する
ごとくである。特に、フリッカを防止する観点では、
[S,S,・・・,S,−S,−S,・・・,−S]と
配列することが好ましい。
で表される選択パルスを各行電極に印加するタイミング
について説明する。
子の電圧印加に対する立ち上がりを急峻にするために
は、高速応答性の液晶表示素子を用いることが好まし
い。この場合、前述のように液晶分子に選択パルスが印
加されていない時に液晶分子の配向が緩和してしまう問
題がある。この問題は、数百以上の高デューティ比のダ
イナミック駆動を行う際にはいわゆる液晶表示素子の平
均応答速度が150msec以下になると大きな問題と
なってくるが、特にダイナミック駆動における平均応答
速度100msec以下の液晶表示素子において顕著で
ある。
行電極について選択電圧が印加されない非選択期間の長
さを調整することが好ましい。この調整は具体的には、
本発明の方法において、選択パルスを一つの表示データ
を表示する期間内で分散して印加することにより行え
る。
する選択電圧列に対応する電圧の印加を連続的に一度で
行うのではなく、選択電圧列をいくつかのステージに分
割して、一つのステージを印加したら次の行電極サブグ
ループの選択に移ることにする。具体的には、以下のシ
ーケンスをとる。 (a)行電極サブグループを構成する各行電極に対し
て、一つのステージに含まれるベクトルに対応する電圧
を選択電圧ベクトルの順序にしたがって連続的に電圧印
加する(以下、これをa工程という)。 (b)a工程をすべての行電極のサブグループについて
行う(以下、これをb工程という)。 (c)a工程およびb工程をすべてのステージについて
その順序にしたがって行う。
圧が印加されない非選択期間の長さを調整することが可
能になる。
これは、一つの表示データを表示する間に、位相の異な
る二つの選択パルスを各行電極に印加することにより選
択電圧を交流化しているため、選択パルスは二本が単位
となる。
ステージに分割した数だけの選択パルス列が現れること
になる。したがって、選択電圧列を3分割以上すれば、
一つの表示データを表示する間に現れる選択電圧列の数
を、従来法より多くすることができる。
れる選択電圧ベクトルの数をそれぞれ等しくすることは
極めて好ましいことである。駆動回路構成を簡易にする
ことができるからである。
非選択期間の長さの調整は、液晶表示素子の高速応答性
に応じて行うことができる。一般的には、選択電圧列の
分割数を増やしたほうが、非選択期間が短縮されるた
め、液晶の緩和現象防止にはより効果がある。つまり、
選択パルスがより多く分散されれば、選択期間に立ち上
がった光学応答波形が、非選択期間で保持しやすくな
る。したがって、透過率平均レベルの低下を抑え、コン
トラスト比の低下を防ぐために、もっとも好ましいのは
各ステージが1個の選択電圧ベクトルからなる場合であ
る。以下は説明の簡単のため、この場合について主に説
明する。
ずつ一括して選択して二値表示をする場合に、一つの表
示をするために各行電極に印加されるべき選択パルスの
数は、最少で2K・(N/L)本であり、これは従来の
電圧平均化法における2N本とほぼ同等である。したが
って、表示切替速度を両方法で同じとすると、一つの選
択パターンに対応する選択パルスの幅もほぼ同等にな
る。一方、各行電極についてみれば、1表示をする間に
印加される選択パルスの数は2L本であり、これをすべ
て分散して印加することにより、行電極に選択電圧が印
加されていない時間を従来の方法に比べて1/Lにする
ことができる。すなわち、実質的に選択パルスの幅を変
えることなく、選択パルスの本数を増やせることが本発
明の方法の特長となっている。
印加される電圧を示したのが図1である。R1〜R4は
行電極のそれぞれを表しており、時間間隔Tは全体でN
本の行電極をL本ずつの行電極からなる行電極サブグル
ープに分けた場合、行電極サブグループが一回選択され
るための時間間隔となる。
プR1〜R4について、表4の選択コードに基づいて、
行電極に印加される電圧を示したのが、図7である。図
7によれば、100ラインの走査(つまり100の行電
極サブグループについて走査する)ごとに一本の選択パ
ルスが現れることがわかる。
場合の、行電極サブグループR1〜R3についての印加
電圧の時系列変化を、図8に示す。ここで行電極の総本
数N=240とした。
明したような条件で選択されている時に特定のデータを
表示するために列電極に印加される電圧について、以下
に説明する。
ら、行電極サブグループの選択パターンに応じて選ばれ
た電圧を列電極に印加することにより駆動される。この
(L+1)個の電圧レベルは、表示むら防止の観点から
電圧波形が交流化された方が有利であることを考慮する
と、少なくとも以下のような条件を満たす電圧レベルV
0,V1,・・・,VLとされることが好ましい。
る。表示データと、行電極に印加される選択電圧から、
このうちどの電圧レベルを選ぶべきかが決定される。こ
の方法は後に説明する。
が奇数のときは(すなわちnを整数として、L+1=2
n)、V2n−m−1=−Vm(mは0≦m≦n−1の
整数でV2n−m−1>0)とされ、Mが偶数のときは
(M=2n)、V2n−m=−Vm(mは0≦m≦n−
1の整数でV2n−m>0)とされる。ただし、これ
は、行電極に印加する非選択時の電圧を0とした場合で
あり、行電極、列電極両方の電位を並行して同量変化さ
せることはむろん可能である。両電極間の電位差は変わ
らないからである。
れの絶対値は液晶素子の構成等によって、適宜決定する
必要がある。
の、上記の(L+1)個の電圧レベルからの印加電圧の
選び方を説明する。
いて説明する。図2は行電極400本からなるマトリク
ス表示の表示パターンの一部を模式的に示したものであ
る。図2のような表示パターンを表示する場合に、これ
に対応するデータのパターンは、オンを1、オフを0と
すると、図中の表のようになる。行電極は4本を一括選
択することにすると、一本の列電極では各サブグループ
に対して、4ビットごとのデータパターンに分割され
る。j番目の行電極サブグループの表示データ(ここで
jは1〜Jまで変化する整数)を、L個の要素を有する
縦ベクトルDj(ここで、ベクトルDjの要素は、オン
を示す1もしくはオフを示す0からなる)で表現する。
例えば列電極C9ではD1=t(d1,d2,d3,d
4)=t(1,0,1,0)である。tは、転置を表
す。
るために、行電極に印加されている選択電圧の選択パタ
ーンのベクトル(これをβとする)と、列電極のデータ
のベクトルとで、対応する要素ごとに排他的論理和をと
り、その総和iを求める。例えば、図2の行電極の一番
目のサブグループの選択電圧が[1,1,1,1]とい
う選択パターンで表される場合、図2の列電極C9に印
加すべき電圧を決定するとする。このときの、上記の排
他的論理和の和iは式5で表される。
印加すべき電圧レベルは、Viとして表される。
ごとく選ぶ。この場合、図2の表示パターンを表示する
場合、列電極C1,C2,C3,C9に印加する電圧は
図3のようになる。図で、例えばR1〜R4とあるのは
R1〜R4の行電極のサブグループが選択されている期
間についての電圧変化を示している。ここで、R1〜R
4、R5〜R8、R9〜R12はそれぞれ独立して描か
れている。また、見やすさのため横軸の時間軸は、他の
サブグループ選択期間を省略して描いている。したがっ
て、本発明において、選択パルスを分散して印加する場
合には、グラフに示した電圧印加が連続して行われるの
ではなく、グラフ上の一つの電圧印加が行われた後に、
他の行電極サブグループへの電圧印加が行われ、その時
間が経過した後に、グラフ上の次の電圧印加が行われ
る。
=Vc(2i−L)/L,Vr=VcN1/2/L(こ
こで、Nは行電極の総本数)と選ぶことにより、電圧実
効値のVON/VOFFを最大にすることができるので
極めて好ましい。
傍で最も良いコントラスト比を得られるようにVr,V
iのレベルを調整することもできる。
C,V3=+VC/2,V2=0,V1=−Vc/2,
V0=−Vcなどと選ぶ。また、前記条件では、Vr=
5VCとなる。この場合の図2のR1−C9(オン状
態)およびR2−C9(オフ状態)の電圧変化を示した
のが図4である。ただし、これも図3と同様に、見やす
さのため横軸の時間軸は他のサブグループ選択期間を省
略して描いている。
されるが、特定の行電極サブグループに注目した場合、
1もしくは複数の表示を終えるごとに、選択電圧列(選
択パターン)の構成を変えていくことが、表示むら低減
のために有効な場合がある。特に、各行電極に印加され
る選択電圧が、特定のサブグループ内のそれぞれの行電
極同志で入れ替わるようにすることは表示むらを低減す
るために好ましい。すなわち、先のデータ表示の選択電
圧列形成に使用した行列Aの行を入れ替えて形成した行
列を、改めて選択電圧列形成用の行列Aとして使用す
る。
の表示に採用した場合、表7、表8、表9のような選択
コードを、表示データが切り替わるごとに、順次使用す
ることができる。それぞれの表の選択コードは、それぞ
れの行電極に印加する選択電圧をずらしたものになって
いる。
示する場合の本発明の駆動法のシーケンスを、一括して
選択する行電極の本数を4とし(L=4)、行電極サブ
グループの数をJ個とした場合の代表的なものについて
まとめて述べておく。
おく。この例では、表1の選択コードを採用することに
する。
選択パターン1を印加する。同時に、各列電極には、こ
の選択パターンと、表示データから決定される電圧を印
加する。次に、第2の行電極サブグループには、表1の
選択パターン2を印加し、同時に、各列電極には、この
選択パターンと、表示データから決定される電圧を印加
する。次いで、第3の行電極サブグループには、表1の
選択パターン3を印加し、各列電極については同様に行
う。そしてこれを繰り返して、第J番目サブグループま
で行う。
選択パターン2を印加する。次に、第2の行電極サブグ
ループには、表1の選択パターン3を印加し、以下、こ
れを繰り返して、第J番目サブグループまで行う。
ープに選択パターンを印加していき、これをすべての選
択パターンが印加されるまで行う。これで一つの表示が
完了する。
は、表7の選択コードを採用する。これは、表1の選択
コードで印加される選択電圧を各行電極についてずらし
たものになっている。
う時は、表8の選択コードを採用し、順に、表示データ
が切り替わるごとに、表9の選択コード、戻って表1の
選択コードと、採用する選択コードを切り替えていく。
このようにして、順次、各表示データに基づいた表示が
なされる。
合で、表4の選択コードを選ぶなら、列電極C1,
C2,C3,C9に印加する電圧は図9のようになる。
図で、例えばR1〜R4とあるのはR1〜R4の行電極
のサブグループが選択されている期間についての電圧変
化を示している。ここで、R1〜R4、R5〜R8、R
9〜R12はそれぞれ独立して描かれている。また、見
やすさのため横軸の時間軸は、他のサブグループ選択期
間を省略して描いている。したがって、本発明におい
て、選択パルスを分散して印加する場合には、グラフに
示した電圧印加が連続して行われるのではなく、グラフ
上の一つの電圧印加が行われた後に、他の行電極サブグ
ループへの電圧印加が行われ、その時間が経過した後
に、グラフ上の次の電圧印加が行われることになる。以
上のことは図3と同様である。
+Vc/2,V2=0,V1=−Vc/2,V0=−V
cと選び、かつ、Vr=5Vcと選んだ場合の図2のR
1−C9(オン状態)およびR2−C9(オフ状態)の
電圧変化を示したのが図10である。ただし、これも見
やすさのため図9と同様に、横軸の時間軸は図7の非選
択状態にある他の99のサブグループ選択期間を省略し
て描いている。
ては以下のようになる。表4に示すとおり、一本の列電
極について、行電極サブグループにおけるデータパター
ンD=t(d1,d2,d3)のとり得る状態は全部で
8通りあり、これらの組合せで、任意の表示パターンが
構成され得る。各行電極選択パターンとデータパターン
のビットごとの排他的論理和の合計i、およびそのiに
おけるViを Vi=V c (2i−L)/L にしたがって計算した結果が、表10に示されている。
ただしViの値はV c の係数のみ代表して示した。
択している期間に列電極に印加すべき電圧波形が決定さ
れ、図11のようになる。この図における8通りの波形
の組合せで、任意の表示が可能となる。
波形を全面オン((d1,d2,d3)=(1,1,
1))のデータパターン、および全面オフ((d1,d
2,d3)=(0,0,0))のデータパターンで見る
と、常に4ステージあとに同じ電圧が印加されているこ
とがわかる。これは全面オフ、全面オン以外のデータパ
ターンでも同じである。
ドとして採用することにより、一画面を走査する周期
(以下、フレーム周期という、また、その逆数をフレー
ム周波数という)の間に絶対値の同じ電位が2回繰り返
されるようにすることができる。
圧のパルスのうち、絶対値として最大の電圧を持つ+
(Vr+Vc),−(Vr+Vc)の印加がもっとも液
晶分子の動きに寄与すると思われるが、これも4ステー
ジに一度、すなわちフレーム周波数の2倍の周波数で正
確に現れることになる。
の光学的応答の周波数はフレーム周期に等しかったが、
本発明の駆動法において選択コードとして反転コードを
用いれば、フレーム周波数を実質的に2倍にすることが
できる。したがってこれにより、オン輝度、およびコン
トラスト比を増加させることができる。また、いかなる
表示パターンにおいても液晶の光学的応答周期が一定な
ため、均一な表示が得られる。
1)段(Uは2以上の自然数)の階調を有するものであ
る場合は、二値表示の場合とほぼ同様にして行うことが
できる。この場合、前述のように、選択電圧列として、
それを構成する選択電圧ベクトルが、実質的にα1,α
2,・・・,αK,−α1,−α2,・・・,−αKの
それぞれU個からなり、該選択電圧ベクトルが配列され
たベクトルの列が選ばれる。
ずつあるそれぞれの選択電圧ベクトルについて、合計U
個のオンもしくはオフを所定の比率で表示することによ
り、行うことができる。
の表示を行う場合について説明する。このときの選択コ
ードは例えば、4次のアダマール行列から構成したもの
として、表11のようなものがある。左から右に向かっ
て選択パターンが進むものとし、また、上下方向の段は
各行電極に対応する。
3回ずつ現れる。この3個の選択パターンをオンもしく
はオフに振り分けることにより、階調表示が可能であ
る。例えば、二つをオンとし、一つをオフとすれば、オ
ンから数えて2番目の階調に相当する表示となる。ま
た、一つをオンとし、二つをオフとすれば、オンから数
えて3番目の階調に相当する表示となる。このオン、オ
フの振り分けは、均等に行ったほうが見栄え上は有利で
ある。
電極サブグループよりも少ないLr本の行電極から構成
される行電極サブグループからなる部分について、その
行電極と列電極に印加する電圧については、(L−
Lr)本の行電極を仮想的に加えて駆動することによ
り、行電極サブグループを構成する行電極の本数がL本
である場合と同様に駆動できる。
ループを駆動する場合は、Lr番目、(Lr+1)番
目、・・・、L番目に相当する(L−Lr)本の行電極
を仮想的に考えるとともに、その仮想的な行電極上の表
示データも仮想的に選んでおく。この表示データは、二
値表示の場合は0もしくは1であり、階調表示の場合は
どの階調に相当する表示データでもよい。
サブグループを駆動する場合は、L=4の場合に構成し
た選択コードのうちの、行電極3本分を使用する。具体
的には、もし、表1に示した選択コードを採用する場合
は、例えば、行電極2〜4にあたる3本分の選択コード
を使用して、選択パルスを印加する。選び方は、行電極
2〜4に相当するものだけではなく、行電極1〜3に相
当するものを使用するのなど、他の選び方をしてもよ
い。
うに決定される。すなわち、表示データについては、仮
想的な表示データを仮想的に加えて、表示データのベク
トルDjを構成する。一方、選択パターンについては、
Lr本の行電極用の選択コードを構成するために用いた
L本の行電極の選択コードにおける選択パターンを用い
る。そして、前述のように、これらの対応する要素ごと
に排他的論理和をとり、その総和iを求めることにより
列電極への印加電圧が決定される。
を構成するL本の行電極がすべて実際の電極である場合
について説明したものであるが、その一部を仮想電極で
あるとして扱うことも可能である。
構成する行電極に比べて、選択に必要な選択パルスおよ
び、列電極に印加すべき電圧の電圧レベルの数が最低必
要な値より大きくなることになる。しかし、列電極に印
加する電圧のレベルについて他の電圧レベルと共用する
場合などに利点のある場合がある。
路の一例が図6である。以下の説明は16階調表示を行
う場合のものである。表示データはR,G,B別々にア
ナログ信号で入力される。これをR,G,Bそれぞれ6
ビットのA/D変換器1,1,1でデジタルデータに変
換し、これを液晶の光学特性に合わせて補正器2で補正
を行って(いわゆるγ補正)、階調によって決まる所定
ビット数の階調のデータに変換し、いったん表示メモリ
3に納める。次に、この表示メモリ3から所定の順序で
読み出しを行い、データセレクタ4によりL個の各サブ
グループメモリ5,5,・・・,5に振り分ける。この
L個のデータをそれぞれ階調制御回路6,6,・・・,
6で、15サイクルをひとまとめとして、1ビットのオ
ンオフ表示データ列(L個)のデータに変換し、排他的
論理和および加算器7に送る。
選択パターン発生回路11から送られるLビットの行選
択パターンとの排他的論理和がとられ、ついで加算が行
われ、列電極ドライバ8へと送られる。行選択パターン
は遅延回路12で1行の選択時間だけ遅延されて行電極
ドライバ13へと送られる。行電極ドライバ13、列電
極ドライバ8の出力は液晶パネル9の各電極に入力され
る。なお、10はタイミング発生回路である。
択コードを使用した場合の回路構成を示した図が図13
である。
列電極からなるとし、前述のようにN1本の行電極をM
本の行電極からなるサブグループに分け、サブグループ
ごとに一括して選択することとする。また、表示データ
はαビットのパラレルデータを転送して表示する。
31で発生し、列アドレスカウンタ32のクロックに入
力する。このパルス列を列アドレスカウンタ32で1/
αに分周したものをクロック信号34として、N2/α
段シフトレジスタ45のクロックに入力する。また、列
アドレスカウンタ32でα/N2に分周したものをロー
ド信号35として、サブグループカウンタ36のクロッ
ク、フリップフロップ37のクロック、N2/αビット
ラッチ46のロード、M個のN1/M段シフトレジスタ
48のクロック、および1個のN1/M段シフトレジス
タ49のクロックに入力する。ここで、N 2 /α段シフ
トレジスタ45およびN2/αビットラッチ46は、g
を2g−1<L+1≦2gを満足する自然数とするとg
×α個が必要となる。
号35をL/N1に分周してフリップフロップ37のデ
ータに入力し、フリップフロップ37の出力をフレーム
信号38として行ステージカウンタ39のクロックおよ
び1個のN1/L段シフトレジスタ49のデータに入力
する。また、行ステージカウンタ39のMビット出力を
直接に、またはグレイコードなどに変換してそれぞれM
個のN1/L段シフトレジスタ48のデータに入力す
る。
力および1個のN1/L段シフトレジスタ49の出力を
N1ビットの3レベルドライバ50に入力し、3レベル
ドライバ50のN1本の出力を液晶パネル51の行電極
に入力する。
形成は以下のように行った。表示データ40は、Lk+
1行用,Lk+2行用,・・・・,Lk+k行用(k=
0,・・・,N1/L−1)のL個のRAM41,4
1,・・・,41に分けてそれぞれαビットのデータと
して順次書き込みを行い、列アドレスカウンタ32の出
力をRAMアドレス33としてこれらL個のRAM4
1,41,・・・,41に並列に入力してアドレス指定
を行う。
1,41,・・・,41から同時に読み出し、それぞれ
行ステージカウンタ39の対応する行とα個の排他的論
理和形成および加算器44で排他的論理和をとり、かつ
加算してgビットの結果とする。その結果をN2/α段
シフトレジスタ45のデータに入力し、クロック信号3
4により順次シフトを行いN2/α段のデータがすべて
揃ったところで並列出力をN2/αビットラッチ46に
送り、ロード信号35でメモリーする。N2/αビット
ラッチ46の出力はL個のL+1レベルドライバ47に
入力され、L+1レベルドライバ47のN2本の出力を
それぞれ液晶パネル51の列電極に入力する。
応答速度が50msec(25℃)のSTN液晶表示素
子を行電極本数Nは490本に対して、L=7,J=7
0,K=8とし、1つの選択パターンに対応する選択パ
ルス幅を変化させて本発明の駆動法で駆動をしたとこ
ろ、25℃で最大コントラスト比が図14の三角印に示
したようになった。
を30wt%、トラン系液晶を43%含有するもので、
全体としての特性は、屈折率異方性Δnが0.237、
粘性ηが12.1cSt、透明点Tcが86.7℃であ
った。また、液晶層厚みdは3.7μmで用いた。
を使用した。これは、表14に示したような8次のアダ
マール行列から構成した選択コードのうち、行電極2〜
行電極8に相当する選択コードを使用したものである。
るごとに次の行電極サブグループを印加することにし、
Vi=V c (2i−L)/L、Vr=V c N1/2/L
と選び、電圧の絶対値は最大のコントラスト比が得られ
るように調整した。以下の実施例においてはすべて、選
択パターンの一つを行電極に印加するごとに次の行電極
サブグループを印加している。
5バイアス、選択パルス幅を変化させながら、実施例1
の素子を駆動したところ、最大コントラスト比は図14
の丸印のようになった。図14から、1/480デュー
ティ比の電圧平均化法で通常用いられるパルス幅20μ
sec(フレーム周波数100Hz程度)付近で、本発
明と従来法でコントラスト比に大きな違いがあり、本発
明では、液晶の緩和現象が抑制され、コントラスト比が
極めて高くなることが理解される。
(25℃)のSTN液晶表示素子を行電極本数Nは49
0本に対して、L=7,J=70,K=8とし、1つの
選択パターンに対応する選択パルス幅を変化させて本発
明の駆動法で駆動をしたところ、25℃で最大コントラ
スト比が図15の三角印に示したようになった。
晶、トラン系液晶をいずれも含有せず、全体としての特
性は、屈折率異方性Δnが0.131、粘性ηが18.
9cSt、Tcが93.9℃であった。また、液晶層厚
みdは6.7μmで用いた。
じものを用いた。また、選択パターン1つを行電極に印
加するごとに次の行電極サブグループを印加することに
し、V i =V c (2i−L)/L、Vr=V c N 1/2
/Lと選び、電圧の絶対値は最大のコントラスト比が得
られるように調整した。
5バイアス、選択パルス幅を変化させながら、実施例1
の素子を駆動したところ、最大コントラスト比は図15
の丸印のようになった。図15から、1/480デュー
ティ比の電圧平均化法で通常用いられるパルス幅20μ
sec(フレーム周波数100Hz程度)付近で、従来
法で、すでに液晶の緩和現象の影響が出ており、本発明
に比べてコントラスト比が下がってきていることが理解
される。実施例1と比較例1との比較におけるほどは効
果が顕著ではない。
示素子を行電極本数Nは240本に対して、L=7,J
=34,K=8,Lr=5とし、一つの選択パターンに
対応する選択パルス幅を20μSecとし、表13の選
択コードを用いて本発明の駆動法で駆動をしたところ、
25℃で最大コントラスト比が80:1となった。
を含まず、トラン系液晶を61%含有するもので、全体
としての特性は、屈折率異方性Δnが0.229、粘性
ηが17.4cSt.Tcが89.2℃であった。ま
た、液晶層厚みdは3.9μmで用いた。
極サブグループのうちの1本はダミーの電極で実電極は
6本からなるようにして、J=40のサブグループに分
け、1つの選択パターンに対応する選択パルス幅を20
μsecとし、実施例2と同じ選択コードを用い、本発
明の駆動法で駆動をしたところ、25℃で最大コントラ
スト比が75:1となった。
ブグループの数が、実施例2より多くなったため、若干
長くなった。
で、1/240デューティ比、1/15バイアス、選択
パルス幅20μsecとして駆動をしたところ、最大コ
ントラスト比は55:1であった。
℃)のSTN液晶表示素子をN=240、L=4、選択
パルス幅20μsecで、表5に示したような考えられ
るすべての16(=24)個の選択パターンからなる選
択コードを用いて、駆動をしたところ、最大コントラス
ト比が80:1となったが、1つの表示サイクルを完了
するのに必要な時間は、実施例3の2倍であった。
を含まず、トラン系液晶を61%含有するもので、全体
としての特性は、屈折率異方性Δnが0.224、粘性
ηが22.2cSt、Tcが89.4℃であった。ま
た、液晶層厚みdは3.9μmで用いた。
て、L=4、パルス幅12μsecとして、表5に示し
たような考えられるすべての16(=24)個の選択パ
ターンからなる選択コードを用いて、駆動をしたとこ
ろ、25℃で最大コントラスト比が75:1となった。
て、L=4、フレーム周波数90Hz(選択パルス幅1
1.6μsec程度)として、表5に示したような考え
られるすべての16(=24)個の選択パターンからな
る選択コードを用いて、駆動をしたところ、25℃で最
大コントラスト比が80:1となった。
で1/240デューティ比、1/15バイアス、選択パ
ルス幅12μsecで駆動をしたところ、最大コントラ
スト比は55:1であった。
で1/240デューティ比、1/15バイアス、フレー
ム周波数90Hz(選択パルス幅46μsec程度)で
駆動をしたところ、最大コントラスト比は47:1であ
った。
40、L=4、フレーム周波数90Hz(パルス幅1
1.6μsec程度)で駆動をした。この場合、選択パ
ターンを1つの行電極サブグループに連続的にすべて印
加した後、次の行電極サブグループを印加するようにし
て、選択パルスは分散しなかった。最大コントラスト比
は30:1となった。
示素子を、行電極本数Nは240本に対して、L=7,
J=34,K=8,Lr=5とし、1つの選択パターン
に対応する選択パルス幅を20μsecとし、本発明の
駆動法で駆動をしたところ、25℃で最大コントラスト
比が54:1となった。
を44wt%含有し、トラン系液晶を含有しないもの
で、全体としての特性は、屈折率異方性Δnが0.18
5、粘性ηが13.8cSt、Tcが92.2℃であっ
た。また、液晶層厚みdは4.7μmで用いた。
択パターンで、行電極サブグループを2つ選択するごと
に、使用する選択パターンを表12でひとつ右にずらし
たものを使用する以外は、同様に行った。最大コントラ
スト比は、54:1と実施例7とほぼ同様であったが、
表示むらがより小さく、見栄えの良い駆動法が得られ
た。
行電極サブグループ内の行電極と選択パターンの要素と
の対応を、一つずつずらして選択した。最大コントラス
ト比は、54:1と、実施例8とほぼ同様であり、実施
例8よりもさらに表示むらの小さい見栄えの良い表示が
得られた。
で1/240デューティ比、1/15バイアス、選択パ
ルス幅20μsecで駆動をしたところ、最大コントラ
スト比は11:1まで低下した。
℃)のSTN液晶表示素子を、行電極選択コードとし
て、表6に示した反転コードを用い、N=240、L=
3、選択パルス幅23μsecとして、駆動をしたとこ
ろ、最大コントラストは50:1であった。
を44wt%含有し、トラン系液晶を31wt%含有す
るもので、全体としての特性は、屈折率異方性Δnが
0.187、粘性ηが15.1cSt、Tcが84.9
℃であった。また、液晶層厚みdは4.7μmで用い
た。
3、選択パルス幅23μsecとして、行電極選択コー
ドとして周波数均一化コードを選び、本発明の方法で駆
動をしたところ、最大コントラストは25:1であっ
た。
は、すべて実施例10と同様の条件としたところ、最大
コントラストは62:1であった。
法で1/240デューティ比、1/15バイアス、フレ
ーム周波数90Hz(パルス幅23μsec相当)で駆
動をしたところ、最大コントラスト比は18:1となっ
た。
択パターンをずらしながら、RGBカラー4階調表示を
行った。選択パターンとしては、表12の第8番目の選
択パターンまでを行列Sで表すと、[S,S,S,−
S,−S,−S]と構成されるものを用いた。コントラ
スト比が高く、表示むらの小さい駆動が可能であった。
S,S,−S]と構成されるものを用いた。実施例13
と比べて、コントラスト比、表示むらの程度ともほぼ同
等の表示が得られたが、若干、フリッカが認められた。
複数分散することによって、従来の単純マトリクス方式
における電圧平均化法が1フレーム内に一本の選択パル
スしか存在しないのと比べて、光学的状態の変化を少な
く抑制することが可能となった。これにより、ダイナミ
ック駆動時の平均応答速度が100msec以下、特に
50msec以下の液晶表示素子を駆動する場合に有効
である。
が生かされているので、L≧4とすれば供給電圧を従来
の電圧平均化法に比べて低減することができるという効
果も有している。
電圧がさらに低減されていくが、Lの数が大きいと、列
電極印加波形のレベル数(L+1)も増えてハードウエ
ア上複雑になるので、今のところLは32以下が好まし
い。上記の実施例ではL=3、4または7の条件で駆動
を行った。
を表示する間に必要な選択パルスの数は、従来の電圧平
均化法に比べて実質的に変わらないので、特に高速表示
を行う場合に有利となっている。また、コントラスト比
の高い階調表示、カラー表示を行うことが可能になっ
た。
て、従来の電圧平均化法と比べてもその効果は大であ
る。
の周波数成分が大きく異なり、表示むらの要因になって
いたが、本発明においては、表示パターンによる周波数
成分の変動が少ないので、表示むらが出にくいと考えら
れる。
のサブグループR1〜R4についての電位の時系列変化
を示すグラフ
表示パターンで列電極C1,C2,C3,C9に印加す
る電圧を示すグラフ
表示パターンでR1−C9およびR2−C9の電圧を示
すグラフ
ブロック図
のサブグループR1〜R4についての電位の時系列変化
を示すグラフ
のサブグループR1〜R3についての電位の時系列変化
を示すグラフ
表示パターンで列電極C1,C2,C3,C9に印加す
る電圧を示すグラフ
の表示パターンでR1−C9およびR2−C9の電圧を
示すグラフ
示パターンで列電極に印加すべき電圧波形を示すグラフ
に印加される電圧を示すグラフ
すブロック図
化させたときの、コントラスト比変化のグラフ
化させたときの、コントラスト比変化のグラフ
Claims (7)
- 【請求項1】J×L本以上の行電極と複数の列電極
(J,Lはそれぞれ2以上の整数)とからなるマトリク
ス型液晶表示素子であって、平均応答速度が100ms
ec以下である液晶表示素子の駆動法において、 行電極のうちのJ×L本の行電極をそれぞれL本の行電
極からなるJ個の行電極サブグループに分けて、この行
電極サブグループについて一括して選択して行う駆動法
であって、 行電極に印加する電圧については、非選択時の電圧を0
とすると、選択時には+Vr,−Vr(Vr>0)のい
ずれかの電圧レベルをとるものとし、 列電極に印加する電圧については、(L+1)個の電圧
レベルV0,V1,・・,VLであって、V0<V1<
・・・<VLとなるものから選ばれるものとし、 特定列における、j番目の行電極サブグループの二値表
示からなる表示データを(ここでjは1〜Jまで変化す
る整数)、L個の要素を有する縦ベクトルDj(ここ
で、ベクトルDjの要素は、オンを示す1もしくはオフ
を示す0からなる)で表現する場合に、以下の条件
(1)および(2)を満足して行い、 ひとつの行電極サブグループを選択する選択電圧列は、
他の行電極サブグループを選択する選択電圧列のベクト
ルの配列順序をずらして配列したものである液晶表示素
子の駆動法。 (1)j番目の行電極サブグループの選択は、以下の
(a),(b)のように定められた選択電圧列を構成す
る選択電圧ベクトルの要素がj番目の行電極サブグルー
プを構成する行電極の電圧に対応するように、順次電圧
印加されることによりなされる。 (a)要素が+Vrもしくは−Vrからなり、自身の転
置行列との積が単位行列のスカラー倍となるL行K列の
行列A=[α1,α2,・・・,αq,・,αK](こ
こで、αqはL個の要素を有する縦ベクトル)を選ぶ。
ここで、Kはpを自然数としてL≦2P=Kとなる整数
である。 (b)選択電圧列として、それを構成する選択電圧ベク
トルが少なくともα1,α2,・・・,αK,−α1,
−α2,・・・,−αKの1個ずつを含んでなり、該選
択電圧ベクトルが配列されたベクトルの列を選ぶ。 (2)(1)の条件でj番目の行電極サブグループが選
択されている時にベクトルDjで表現されるデータを表
示するために列電極に印加される電圧は以下の(a),
(b)のように定められる。 (a)j番目の行電極サブグループに印加されている選
択電圧について、+Vrを1,−Vrを0として表して
ベクトルβを構成する。 (b)ベクトルβとベクトルDiの、対応する要素の排
他的論理和の総和をiとして、Vi(iは0〜Lのいず
れかの整数)が列電極に印加される。 - 【請求項2】J×L本以上の行電極と複数の列電極
(J,Lはそれぞれ2以上の整数)とからなるマトリク
ス型液晶表示素子であって、平均応答速度が100ms
ec以下である液晶表示素子の駆動法において、 行電極のうちのJ×L本の行電極をそれぞれL本の行電
極からなるJ個の行電極サブグループに分けて、この行
電極サブグループについて一括して選択して行う駆動法
であって、 行電極に印加する電圧については、非選択時の電圧を0
とすると、選択時には+V r ,−V r (V r >0)のい
ずれかの電圧レベルをとるものとし、 列電極に印加する電圧については、(L+1)個の電圧
レベルV 0 ,V 1 ,・・,V L であって、V 0 <V 1 <
・・・<V L となるものから選ばれるものとし、 特定列における、j番目の行電極サブグループの二値表
示からなる表示データを(ここでjは1〜Jまで変化す
る整数)、L個の要素を有する縦ベクトルD j (ここ
で、ベクトルD j の要素は、オンを示す1もしくはオフ
を示す0からなる)で表現する場合に、以下の条件
(1)および(2)を満足して行い、 先のデータ表示の選択電圧列形成に使用した行列Aの行
を入れ替えて形成した行列を、あらためて選択電圧列形
成用の行列Aとして使用することを特徴とする 液晶表示
素子の駆動法。 (1)j番目の行電極サブグループの選択は、以下の
(a),(b)のように定められた選択電圧列を構成す
る選択電圧ベクトルの要素がj番目の行電極サブグルー
プを構成する行電極の電圧に対応するように、順次電圧
印加されることによりなされる。 (a)要素が+V r もしくは−V r からなり、自身の転
置行列との積が単位行列のスカラー倍となるL行K列の
行列A=[α 1 ,α 2 ,・・・,α q ,・・・,α K ]
(ここで、α q はL個の要素を有する縦ベクトル)を選
ぶ。ここで、Kはpを自然数としてL≦2 P =Kとなる
整数である。 (b)選択電圧列として、それを構成する選択電圧ベク
トルが少なくともα 1 ,α 2 ,・・・,α K ,−α 1 ,
−α 2 ,・・・,−α K の1個ずつを含んでなり、該選
択電圧ベクトルが配列されたベクトルの列を選ぶ。 (2)(1)の条件でj番目の行電極サブグループが選
択されている時にベクトルD j で表現されるデータを表
示するために列電極に印加される電圧は以下の(a),
(b)のように定められる。 (a)j番目の行電極サブグループに印加されている選
択電圧について、+V r を1,−V r を0として表して
ベクトルβを構成する。 (b)ベクトルβとベクトルD j の、対応する要素の排
他的論理和の総和をiとして、V i (iは0〜Lのいず
れかの整数)が列電極に印加される。 - 【請求項3】J×L本以上の行電極と複数の列電極
(J,Lはそれぞれ2以上の整数)とからなるマトリク
ス型液晶表示素子であって、平均応答速度が100ms
ec以下である液晶表示素子の駆動法において、 行電極のうちのJ×L本の行電極をそれぞれL本の行電
極からなるJ個の行電極サブグループに分けて、この行
電極サブグループについて一括して選択して行う駆動法
であって、 行電極に印加する電圧については、非選択時の電圧を0
とすると、選択時には+V r ,−V r (V r >0)のい
ずれかの電圧レベルをとるものとし、 列電極に印加する電圧については、(L+1)個の電圧
レベルV 0 ,V 1 ,・ ・,V L であって、V 0 <V 1 <
・・・<V L となるものから選ばれるものとし、 特定列における、j番目の行電極サブグループの二値表
示からなる表示データを(ここでjは1〜Jまで変化す
る整数)、L個の要素を有する縦ベクトルD j (ここ
で、ベクトルD j の要素は、オンを示す1もしくはオフ
を示す0からなる)で表現する場合に、以下の条件
(1)および(2)を満足して行い、 行電極サブグループを構成するL本の行電極のうち、一
部は、仮想的な電極である液晶表示素子の駆動法。 (1)j番目の行電極サブグループの選択は、以下の
(a),(b)のように定められた選択電圧列を構成す
る選択電圧ベクトルの要素がj番目の行電極サブグルー
プを構成する行電極の電圧に対応するように、順次電圧
印加されることによりなされる。 (a)要素が+V r もしくは−V r からなり、自身の転
置行列との積が単位行列のスカラー倍となるL行K列の
行列A=[α 1 ,α 2 ,・・・,α q ,・・・,α K ]
(ここで、α q はL個の要素を有する縦ベクトル)を選
ぶ。ここで、Kはpを自然数としてL≦2 P =Kとなる
整数である。 (b)選択電圧列として、それを構成する選択電圧ベク
トルが少なくともα 1 ,α 2 ,・・・,α K ,−α 1 ,
−α 2 ,・・・,−α K の1個ずつを含んでなり、該選
択電圧ベクトルが配列されたベクトルの列を選ぶ。 (2)(1)の条件でj番目の行電極サブグループが選
択されている時にベクトルD j で表現されるデータを表
示するために列電極に印加される電圧は以下の(a),
(b)のように定められる。 (a)j番目の行電極サブグループに印加されている選
択電圧について、+V r を1,−V r を0として表して
ベクトルβを構成する。 (b)ベクトルβとベクトルD j の、対応する要素の排
他的論理和の総和をiとして、V i (iは0〜Lのいず
れかの整数)が列電極に印加される。 - 【請求項4】J×L本以上の行電極と複数の列電極
(J,Lはそれぞれ2以上の整数)とからなるマトリク
ス型液晶表示素子であって、平均応答速度が100ms
ec以下 である液晶表示素子の駆動法において、 行電極のうちのJ×L本の行電極をそれぞれL本の行電
極からなるJ個の行電極サブグループに分けて、この行
電極サブグループについて一括して選択して行う駆動法
であって、 行電極に印加する電圧については、非選択時の電圧を0
とすると、選択時には+V r ,−V r (V r >0)の
いずれかの電圧レベルをとるものとし、 列電極に印加する電圧については、(L+1)個の電圧
レベルV 0 ,V 1 ,・・,V L であって、V 0 <V 1 <
・・・<V L となるものから選ばれるものとし、 特定列における、j番目の行電極サブグループの二値表
示からなる表示データを(ここでjは1〜Jまで変化す
る整数)、L個の要素を有する縦ベクトルD j (ここ
で、ベクトルD j の要素は、オンを示す1もしくはオフ
を示す0からなる)で表現する場合に、以下の条件
(1)および(2)を満足して行い、 行列Aとして式1Bを用いる液晶表示素子の駆動法。 (1)j番目の行電極サブグループの選択は、以下の
(a),(b)のように定められた選択電圧列を構成す
る選択電圧ベクトルの要素がj番目の行電極サブグルー
プを構成する行電極の電圧に対応するように、順次電圧
印加されることによりなされる。 (a)要素が+V r もしくは−V r からなり、自身の転
置行列との積が単位行列のスカラー倍となるL行K列の
行列A=[α 1 ,α 2 ,・・・,α q ,・・・,α K ]
(ここで、α q はL個の要素を有する縦ベクトル)を選
ぶ。ここで、Kはpを自然数としてL≦2 P =Kとなる
整数である。 (b)選択電圧列として、それを構成する選択電圧ベク
トルが少なくともα 1 ,α 2 ,・・・,α K ,−α 1 ,
−α 2 ,・・・,−α K の1個ずつを含んでなり、該選
択電圧ベクトルが配列されたベクトルの列を選ぶ。 (2)(1)の条件でj番目の行電極サブグループが選
択されている時にベクトルD j で表現されるデータを表
示するために列電極に印加される電圧は以下の(a),
(b)のように定められる。 (a)j番目の行電極サブグループに印加されている選
択電圧について、+ V r を1,−V r を0として表して
ベクトルβを構成する。 (b)ベクトルβとベクトルD j の、対応する要素の排
他的論理和の総和をiとして、V i (iは0〜Lのいず
れかの整数)が列電極に印加される。 【数1】 - 【請求項5】J×L本以上の行電極と複数の列電極
(J,Lはそれぞれ2以上の整数)とからなるマトリク
ス型液晶表示素子であって、平均応答速度が100ms
ec以下である液晶表示素子の駆動法において、 行電極のうちのJ×L本の行電極をそれぞれL本の行電
極からなるJ個の行電極サブグループに分けて、この行
電極サブグループについて一括して選択して行う駆動法
であって、 行電極に印加する電圧については、非選択時の電圧を0
とすると、選択時には+V r ,−V r (V r >0)のい
ずれかの電圧レベルをとるものとし、 列電極に印加する電圧については、(L+1)個の電圧
レベルV 0 ,V 1 ,・・,V L であって、V 0 <V 1 <
・・・<V L となるものから選ばれるものとし、 特定列における、j番目の行電極サブグループの二値表
示からなる表示データを(ここでjは1〜Jまで変化す
る整数)、L個の要素を有する縦ベクトルD j (ここ
で、ベクトルD j の要素は、オンを示す1もしくはオフ
を示す0からなる)で表現する場合に、以下の条件
(1)および(2)を満足して行い、 L r 本の行電極(L r <L)からなる行電極サブグルー
プについては、(L−L r )本の行電極を仮想的に加え
て駆動することを特徴とする液晶表示素子の駆動法。 (1)j番目の行電極サブグループの選択は、以下の
(a),(b)のように 定められた選択電圧列を構成す
る選択電圧ベクトルの要素がj番目の行電極サブグルー
プを構成する行電極の電圧に対応するように、順次電圧
印加されることによりなされる。 (a)要素が+V r もしくは−V r からなり、自身の転
置行列との積が単位行列のスカラー倍となるL行K列の
行列A=[α 1 ,α 2 ,・・・,α q ,・・・,α K ]
(ここで、α q はL個の要素を有する縦ベクトル)を選
ぶ。ここで、Kはpを自然数としてL≦2 P =Kとなる
整数である。 (b)選択電圧列として、それを構成する選択電圧ベク
トルが少なくともα 1 ,α 2 ,・・・,α K ,−α 1 ,
−α 2 ,・・・,−α K の1個ずつを含んでなり、該選
択電圧ベクトルが配列されたベクトルの列を選ぶ。 (2)(1)の条件でj番目の行電極サブグループが選
択されている時にベクトルD j で表現されるデータを表
示するために列電極に印加される電圧は以下の(a),
(b)のように定められる。 (a)j番目の行電極サブグループに印加されている選
択電圧について、+V r を1,−V r を0として表して
ベクトルβを構成する。 (b)ベクトルβとベクトルD j の、対応する要素の排
他的論理和の総和をiとして、V i (iは0〜Lのいず
れかの整数)が列電極に印加される。 - 【請求項6】L=3〜7である請求項1、2、3、4ま
たは5に記載の液晶表示素子の駆動法。 - 【請求項7】平均応答速度が80msec以下である請
求項1〜6のいずれか1項記載の液晶表示素子の駆動
法。
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