JP3190138B2 - ガス処理装置およびガス処理方法 - Google Patents

ガス処理装置およびガス処理方法

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JP3190138B2
JP3190138B2 JP27092392A JP27092392A JP3190138B2 JP 3190138 B2 JP3190138 B2 JP 3190138B2 JP 27092392 A JP27092392 A JP 27092392A JP 27092392 A JP27092392 A JP 27092392A JP 3190138 B2 JP3190138 B2 JP 3190138B2
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acid
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紀夫 相部
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、臭気成分や有害成分の
除去に有用なガス処理装置およびガス処理方法に関す
る。さらに詳しくは、コンテナ、自動車、病院、老人ホ
ーム、会議室、事務所、家庭、ホテル、飲食店、カラオ
ケボックス、動物飼育室、ペットショップ、冷蔵庫、冷
蔵室、ゲタ箱、押入れ、物置、食器棚、汚物を取扱う部
屋、トイレなどから発生する臭気成分や有害成分を除去
し、清浄化したり、閉鎖系空間内の被処理ガスを処理
し、植物や果物などの鮮度を保持する上で有用なガス処
理装置およびガス処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、臭気成分や有害成分を除去するた
め、粒状活性炭、繊維状活性炭などの充填層に臭気成分
や有害成分を含むガスを流通する装置が知られている。
この装置は、通常、一方の端部にガス導入口、このガス
導入口と対向する他方の端部にガス排出口が形成された
ケーシングと、ガス導入口からガス排出口に至るケーシ
ングのガス流路内に設けられた送風手段および前記充填
層とを備えている。前記送風手段は、外部電源に接続可
能なモータとファンとで構成されている。
【0003】この装置において、臭気成分や有害成分を
含む被処理ガスは、送風手段により前記ガス導入口から
吸引され、前記充填層で処理され、ガス排出口から排出
される。一方、前記被処理ガスには、硫化水素、メルカ
プタン類、スルフィッド類などのイオウ含有化合物、ア
ンモニア、アミン類などの窒素化合物、アルデヒド類、
カルボン酸類、炭化水素類、一酸化炭素などの種々の臭
気成分や有害成分が含まれている。これらの臭気成分や
有害成分は、通常、大気中に極低濃度で存在し、前記活
性炭単独では、全ての臭気成分や有害成分を選択的に吸
着除去できず、除去速度および除去容量も非常に小さ
い。そのため、臭気成分や有害成分を吸着除去するため
には多量の活性炭を必要とする。また、活性炭充填層の
通気抵抗が大きいため、臭気成分や有害成分を円滑に除
去できず、送風手段による通気のための電気代も増大す
る。さらに劣化した活性炭の交換も厄介である。
【0004】また、ガス導入口とガス排出口とがケーシ
ングの両端部に形成されているため、被処理ガスの吸引
および排出のための空間が必要となり、処理空間を有効
に活用できなくなる。すなわち、室内のコーナー部など
にガス処理装置を配置すると、前記ガス導入口及び/又
はガス排出口が壁面などで塞がれ易くなり、ガスの円滑
な吸引及び排出、ひいては円滑なガス処理が損われ易
い。
【0005】さらに、外部電源により送風手段を駆動す
るガス処理装置では、電源をとりにくい小さい空間、例
えば、冷蔵庫、ゲタ箱、押入れ、トイレ、自動車、食器
棚などの閉鎖系空間を処理することが困難である。ま
た、閉鎖系空間内に植物や果物などを収容すると、前記
植物などが生成するエチレンなどにより、植物や果物の
鮮度が低下する。そのため、植物や果物などを収容する
冷蔵庫、植物や果物などを移送するためのキャリアーケ
ースやボックス内のガスを処理できず、植物などの鮮度
を維持できない。
【0006】特開昭62−262742号公報には、活
性炭ハニカムに薬品を担持した薬品担持活性炭ハニカム
が提案されている。しかし、この薬品担持活性炭ハニカ
ムでも、吸着除去できる臭気成分が、担持された薬品の
種類により限定される。そのため、多数の臭気成分や有
害成分を含む被処理ガスを効率よく処理するのが困難で
ある。さらに、硫化水素などのイオウ含有化合物を除去
するためアルカリ性薬品を担持させると、引火点が低下
する。このようなアルカリ薬品を担持した活性炭ハニカ
ムを、通常の日常生活品に使用するのは危険である。し
かも、活性炭ハニカムが炭素質であるため、ハニカムが
さらに燃焼し易くなり、実用上難点がある。これらのハ
ニカムにおいて、十分な吸着効果を達成するためには、
活性炭ハニカムに多量の薬品を担持させる必要がある。
さらに、その活性炭ハニカムの有効な利用装置について
は何ら示されいない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、室内のコーナー部などに配置しても、被処理ガスを
円滑に吸引・排出し、処理空間を有効に活用できると共
に、多数の臭気成分や有害成分を効率よく除去できる、
通気抵抗が小さなガス処理装置およびガス処理方法を提
供することにある。
【0008】本発明の他の目的は、多数の臭気成分や有
害成分を含む被処理ガスであっても臭気成分や有害成分
をさらに効率よく除去できるガス処理装置およびガス処
理方法を提供することにある。
【0009】本発明のさらに他の目的は、電源をとりに
くい小さい空間であっても効率よく処理できるガス処理
装置およびガス処理方法を提供することにある。
【0010】本発明の他の目的は、冷蔵庫や、植物、果
物などを収容するキャリアーケース、ボックスなどの密
閉空間内の被処理ガスを脱臭処理したり、植物や果物な
どの鮮度を保持できるガス処理装置およびガス処理方法
を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、ガス導入口か
らガス排出口に至るガス流路内に、活性炭ハニカムと、
前記ガス導入口から排出口の方向に被処理ガスを送風す
る送風手段とが備られ、前記被処理ガスの導入方向と排
出方向とが異なるように前記ガス導入口と排出口とが配
置されているガス処理装置であって、前記活性炭ハニカ
ムが、上流側に配した(1)薬品無担持活性炭ハニカ
ム、又はヨウ素及び/又は無機ヨウ化物を担持する活性
炭ハニカムと、下流側に配した(2)無機酸担持活性炭
ハニカム又は臭素担持活性炭ハニカムとで構成されてい
るガス処理装置を提供する。
【0012】この装置において、活性炭ハニカムは、例
えば、上流側に配した(1)薬品無担持活性炭ハニカ
ム、又はヨウ素及び/又は無機ヨウ化物を担持する活性
炭ハニカム(以下、単にヨウ素担持活性炭ハニカムとい
う)と、下流側に配した(2)無機酸担持活性炭ハニカ
ムとを組合せて構成できる。送風手段はファンで構成で
き、ガス流路の下流側に設けてもよい。電源をとりにく
い閉鎖系空間内を処理する装置において、ファンの好ま
しい動力源は、乾電池である。
【0013】ケーシングのガス導入口または該導入口か
ら活性炭ハニカムに至るガス流路内には、帯電フィルタ
などの除塵フィルタを設けてもよい。
【0014】なお、電池を備えたガス処理装置のケーシ
ングには、送風手段の作動状態を確認するための窓を設
けてもよい。また、ファンの作動状態を容易に確認する
ため、ファンに着色を施してもよい。
【0015】本発明のガス処理方法においては、前記の
ガス処理装置を用いて、被処理ガスを処理する。この方
法において、例えば、被処理ガス中の一酸化炭素を除去
してもよい。
【0016】
【作用】本発明のガス処理装置は、前記活性炭ハニカム
が、性質の異なる複数の活性炭ニカムで構成されている
ので、多種類の臭気成分や有害成分を除去できる。ま
た、活性炭がハニカム構造であるため、通気抵抗が小さ
い。さらに、被処理ガスの導入方向と排出方向とが異な
るように、前記ガス導入口とガス排出口とが配置されて
いるので、処理空間のコーナー部などに配置しても、被
処理ガスの導入及び排出が損われない。
【0017】また、活性炭ハニカムが、薬品無担持活性
炭ハニカムもしくはヨウ素担持活性炭ハニカムと、酸担
持活性炭ハニカム、臭素担持活性炭ハニカムや白金族元
素担持活性炭ハニカムとで構成されている場合には、多
種類の臭気成分や有害成分を効率よく除去でき、被処理
ガスを無臭化できる。特に、薬品無担持活性炭ハニカム
と酸担持活性炭ハニカムとの組合せがよい。
【0018】さらに、前記送風手段の動力源が乾電池で
ある場合には、送風手段により、電源をとりにくい小さ
い空間であっても、被処理ガスを吸引・排出でき、効率
よく処理できる。
【0019】また、ガス導入口側に設けられた帯電フィ
ルタは、複数の活性炭ハニカムの性能を維持する上で有
用である。
【0020】以下に、添付図面を参照しつつ、本発明を
より詳細に説明する。
【0021】図1は本発明の装置の一例を示す一部切欠
概略断面斜視図、図2は図1に示す装置の断面図であ
る。この例では、室内の床面や台上に載置される載置型
ガス処理装置(脱臭装置)が示されている。
【0022】ガス処理装置のケーシング1の前面には開
口したガス導入口2が形成されていると共に、上部傾斜
面にはガス排出口3が形成されている。前記ガス導入口
2には、枠体4に取付けられた帯電フィルタ5が着脱自
在に装着されている。
【0023】この帯電フィルタ5としては、粒子の捕集
効率を高めるため、分極率の高い繊維からなる不織布、
例えば、永久電荷を施し、永久的分極を保持するポリプ
ロピレンなどのエレクトレット繊維からなる不織布[住
友スリーエム(株)製、フィルタレットTM]などが使用
できる。帯電フィルタ5の目付量は圧力損失が著しく大
きくならない範囲で選択でき、例えば、50〜500g
/m2 、好ましくは100〜300g/m2 程度であ
る。
【0024】前記帯電フィルタ5の内側には、格子状枠
体6に取付けられたヨウ素担持活性炭ハニカム7および
酸担持活性炭ハニカム8が着脱自在に装着されている。
【0025】ケーシング1内には、前記ガス排出口3か
ら延び、流路を構成するガイド部材9a,9bが横方向
に形成されている。このガイド部材9a,9b間には、
前記ガス導入口2から吸引した気体を前記ガス排出口3
から排出するためのクロスフローファン10又はシロッ
コファンなどが配設されている。このファン10は、駆
動手段としてのモータ(図示せず)により回転駆動され
る。さらに、前記ガス排出口3には、排気方向をコント
ロールするため、複数のプレート状フィンからなる制御
部材11が回動可能に設けられている。
【0026】前記ケーシング1の側面には、前記クロス
フローファン10の回転数を制御するコントローラ13
が設けられ、このコントローラ13は、コード12を介
して電源に接続される。
【0027】図1及び図2に示す装置では、ファン10
の作動により、被処理ガス中の塵芥が帯電フィルタ5に
より除去されると共に、被処理ガス中の臭気成分がヨウ
素担持活性炭ハニカム7および酸担持活性炭ハニカム8
により略完全に無臭化される。そして、気体の流入方向
と排出方向とが異なるため、室内の壁部やコーナー部な
どに装置を配置しても、気体の吸引・排気を円滑に行な
うことができる。そのため、臭気成分や有害成分の処理
効率が損われることがなく、被処理空間を有効に活用で
きる。
【0028】さらに、ガス流路の最下流側にファン10
が設けられているため、塵芥、腐蝕性臭気成分や有害成
分などによる、ファン10の汚れや腐蝕を防止でき、長
期に亘り高い処理効果を維持できる。しかも、ガス排出
口側のファン10で被処理ガスを吸引するので、ケーシ
ング1と前記ハニカム7,8との間に隙間が生じていた
り、ケーシング1に割れやピンホールなどが生じていて
も、臭気成分や有害成分を確実に吸引して処理でき、臭
気成分や有害成分が装置外に流出することがない。ま
た、ヨウ素担持活性炭及び酸担持活性炭がハニカム状で
あるため、通気抵抗が小さく、各ハニカム7,8の交換
も容易である。
【0029】図3は本発明の他の装置を示す概略断面図
である。この例では、室内用壁掛け型ガス処理装置が示
されている。
【0030】ガス処理装置のケーシング21の前面のう
ち上部には複数のスリットで構成されたガス導入口22
が形成され、下部にはルーバ24により開閉可能なガス
排出口23が形成されている。前記ガス導入口22の内
側には、格子状枠体に取付けられた帯電フィルタ25が
着脱自在に装着される。また、帯電フィルタ25の内側
には、それぞれ、枠体に取付けられたヨウ素担持活性炭
ハニカム26および酸担持活性炭ハニカム27が着脱自
在に装着されている。
【0031】前記ケーシング21内の下部には、流路を
構成するガイド部材28がガス排出口23から延設され
ていると共に、クロスフローファン29が配設されてい
る。
【0032】なお、ケーシング21には、ファンの作動
状態、ファンの作動時間などを制御するタイマーの作動
状態などを表示するランプ30が取付けられている。ま
た、ファン29の作動、タイマーの設定時間はリモート
コントローラにより制御でき、前記ルーバ24は、ファ
ン29の作動に連動して回動し、かつ前記コントローラ
により、ルーバ24の角度を調整可能である。
【0033】図3に示す装置では、図1及び図2に示す
装置と同様に、ガス処理装置内に流入した気体中の塵芥
などを効率よく除去できると共に、臭気成分や有害成分
を除去でき、無臭化できる。また、気体の流入・排出方
向が装置の前方であるため、室内の上部の壁部などに取
付けても、気体の吸引・排気を円滑に行なうことがで
き、処理効率が損われることがない。
【0034】なお、図1ないし図3に示す室内用ガス処
理装置において、帯電フィルタは枠体と一体に取付ける
ことなく、枠体とヨウ素担持活性炭ハニカムとの間に交
換可能に挾持されていてもよい。さらに、ヨウ素担持活
性炭ハニカムおよび酸担持活性炭ハニカムは、ケーシン
グの適所、例えば、前面、下部や側部などから交換可能
にケーシング内に装着してもよい。
【0035】また、帯電フィルタ、ヨウ素担持活性炭ハ
ニカムおよび酸担持活性炭ハニカムへの被処理ガスの流
速は、適当に選択でき、例えば、0.2〜1.5m/
秒、好ましくは0.3〜1.0m/秒程度である。換気
回数は、発生源からの臭気成分濃度などに応じて選択で
き、通常、1〜15回/hr、好ましくは4〜8回/h
r程度である。
【0036】前記ガス処理装置において、ヨウ素担持活
性炭ハニカムに代えて、薬品無担持活性炭ハニカムを用
いるのも有用である。
【0037】薬品無担持活性炭ハニカムは、ベンゼン、
スチレンなどの不飽和炭化水素などの炭化水素類;ギ
酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸などのカルボン
酸類;窒素酸化物;硫黄酸化物;ホルマリン、アセトア
ルデヒドなどの低級アルデヒド類などの臭気成分や有害
成分を除去する上で有用である。
【0038】活性炭ハニカムとしては、活性炭含量が約
30%以上のものが使用できる。活性炭ハニカムは種々
の結合剤を含有していてもよい。
【0039】活性炭ハニカムのBET比表面積は、通
常、200m2 /g以上、好ましくは400m2 /g以
上、特に好ましくは500m2 /g以上である。このよ
うな比表面積を有する活性炭ハニカムを用いると、吸着
能を高めることができる。また、活性炭ハニカムのセル
数は10〜1500個/inch2 、好ましくは20〜10
00個/inch2 、さらに好ましくは25〜750個/in
ch2 程度である。このようなセル数を有する活性炭ハニ
カムを用いると、吸着能を低下させることなく通気抵抗
を小さくできる。
【0040】活性炭ハニカムは1個のハニカムで形成さ
れていてもよく、複数個のハニカムで形成されていても
よい。活性炭ハニカムの厚みは、処理効率が低下しない
範囲で選択でき、例えば、1個当り、5mm以上、好ま
しくは7.5mm以上(例えば7.5〜100mm程
度)、さらに好ましくは10mm以上(例えば10〜3
0mm程度)である。
【0041】1個の活性炭ハニカムの通気断面積は、2
〜200cm2 、好ましくは5〜150cm2 、さらに
好ましくは10〜100cm2 程度である。活性炭ハニ
カムの開口率は、50〜80%、好ましくは55〜75
%程度である。
【0042】ヨウ素担持活性炭ハニカムは、通常の活性
炭ハニカムにヨウ素又は/及び無機ヨウ化物を担持する
ことにより得られる。
【0043】無機ヨウ化物には、I2 5 、NH4 I、
金属ヨウ化物などが含まれる。前記金属ヨウ化物として
は、例えば、LiI、NaI、NaIO3 、KI、KI
3 、KIO3 、RbI、CsIなどのヨウ化アルカリ金
属;CaI2 、SrI2 、BaI2 、MgI2 などのヨ
ウ化アルカリ土類金属;CuI、CuI2 、AgIなど
の元素周期表Ib族金属のヨウ化物;ZnI2 などの元
素周期表IIb族金属のヨウ化物;AlI3 などの元素
周期表III族金属のヨウ化物;CrI3 などの元素周
期表VI族金属のヨウ化物;MnI2 などの元素周期表
VII族金属のヨウ化物;CoI2 、NiI2 などの元
素周期表VIII族金属のヨウ化物などが挙げられる。
好ましい無機ヨウ化物には、I2 5 、NH4 I、KI
3 、ヨウ化アルカリ金属、CoI2 、NiI2 、Zn
2 などが含まれる。特に好ましい無機ヨウ化物には、
ヨウ化アルカリ金属、なかでもヨウ化カリウムが含まれ
る。ヨウ素、無機ヨウ化物は一種または二種以上使用で
きる。
【0044】活性炭ハニカムへのヨウ素又は/及び無機
ヨウ化物の担持は慣用の方法で行なうことができる。例
えば、ヨウ素又は/及び無機ヨウ化物を、水、アルコー
ル類などの有機溶媒に溶解又は分散し、前記活性炭ハニ
カムに散布、含浸又は浸漬することにより担持してもよ
く、活性炭ハニカムを製造する際に、ヨウ素又は/及び
無機ヨウ化物を溶液や微粉末の形で原料として練合して
成形し、担持させてもよい。また、ヨウ素の場合には、
固体の状態で活性炭ハニカムにまぶし、例えば、100
〜115℃に加熱して担持させてもよく、液体または気
体の状態で、活性炭ハニカムに吸着させたり、KI、N
4 Iなどの水溶液に溶解して、散布、含浸又は浸漬す
ることにより担持させてもよい。さらに、必要に応じ
て、ヨウ素又は/及び無機ヨウ化物を活性炭ハニカムに
担持させた後、乾燥又は焼成してもよい。
【0045】活性炭ハニカムに対するヨウ素又は/及び
無機ヨウ化物の担持量は、臭気成分や有害成分に対する
消臭・吸着能が損われない範囲で選択でき、ヨウ素換算
で、例えば、0.1〜40重量%、好ましくは0.2〜
20重量%、さらに好ましくは0.4〜10重量%程度
である。
【0046】前記ヨウ素担持活性炭ハニカムは種々の臭
気成分や有害成分に対する消臭・吸着能が高い。特に、
硫化水素、メチルメルカプタンなどのメルカプタン類、
スルフィド類などのイオウ含有化合物や、モノメチルア
ミン、ジメチルアミン、トリメチルアミンなどのアミン
類、ホルマリン、アセトアルデヒドなどのアルデヒド類
に対しては、著しく高い消臭・吸着能を示す。特に、イ
オウ化合物の消臭・吸着能に優れる。
【0047】臭気成分や有害成分をさらに効率よく除去
するためには、前記薬品無担持活性炭ハニカム及び/又
はヨウ素担持活性炭ハニカムと酸担持活性炭ハニカムと
を組合せて被処理ガスを処理するのが好ましい。この場
合、例えば、アンモニア、アミン類、アルデヒド類、ス
ルフィド類などの臭気成分や有害成分もさらに効率よく
吸着除去できる。
【0048】酸担持活性炭ハニカムは、前記活性炭ハニ
カムに酸を担持することにより得られる。酸としては、
例えば、リン酸、硫酸、硝酸などの無機酸、シュウ酸、
マロン酸、酒石酸、コハク酸、クエン酸、リンゴ酸、グ
ルタル酸などの有機酸が挙げられる。これらの酸は一種
又は二種以上使用できる。
【0049】好ましい酸には、例えば、リン酸、シュウ
酸、リンゴ酸などが含まれる。さらに好ましい酸にはリ
ン酸が含まれる。リン酸としては、例えば、オルトリン
酸、メタリン酸、ポリリン酸(ピロリン酸などの鎖状ポ
リリン酸、三メタリン酸、四メタリン酸などの環状ポリ
リン酸、無限鎖状メタリン酸など)などが挙げられる。
好ましいリン酸にはオルトリン酸が含まれる。リン酸は
一種又は二種以上使用できる。
【0050】活性炭ハニカムへの酸の担持も慣用の方法
により行なうことができる。例えば、酸を水溶液又は分
散液の形態で前記活性炭ハニカムに散布、含浸または浸
漬して担持させてもよく、活性炭ハニカムを製造する際
に、酸単独で又は酸水溶液、分散液を原料と練合して成
形し、担持させてもよい。また、必要に応じて、活性炭
ハニカムに酸を担持させた後、乾燥又は焼成してもよ
い。
【0051】活性炭ハニカムに対する酸の担持量は、例
えば、1〜60重量%、好ましくは2〜50重量%、さ
らに好ましくは5〜40重量%程度である。
【0052】被処理ガスがエチレン、アセチレンなどの
低級不飽和炭化水素類、スルフィド類、ジスルフィド類
を含有する場合は、薬品無担持活性炭ハニカム及び/又
はヨウ素担持活性炭ハニカムと、臭素担持担持活性炭ハ
ニカム又は白金族元素担持活性炭ハニカムとを組合せて
使用するのが有効である。
【0053】植物や果物がエチレンなどの低級不飽和炭
化水素類を生成し、密閉空間において植物や果物及び隣
接する植物や果物の鮮度を低下させることが知られてい
る。この場合、薬品無担持活性炭ハニカム及び/又はヨ
ウ素担持活性炭ハニカムと、臭素担持担持活性炭ハニカ
ム及び/又は白金族元素担持活性炭ハニカムとを組合せ
て処理することにより、ガス中の臭気成分及び有害成分
と低級不飽和炭化水素類とを吸着除去し、植物及び果物
の鮮度を維持することができる。薬品無担持活性炭ハニ
カム及び/又はヨウ素担持活性炭ハニカムは、白金族元
素担持活性炭ハニカムと組合せて使用するのが好まし
い。
【0054】また、被処理ガスが窒素酸化物、一酸化炭
素、シアン化水素、低級アルデヒド類、低級不飽和炭化
水素類(例えば、エチレン、プロピレンなど)などを含
有する場合は、薬品無担持活性炭ハニカム及び/又はヨ
ウ素担持活性炭ハニカムと白金族元素担持活性炭ハニカ
ムとを組合せて使用するのが有効である。
【0055】臭素担持活性炭ハニカムは、活性炭ハニカ
ムに、液体状の臭素、臭素を含有する臭化物の溶媒溶液
を散布、含浸、浸漬するか、気体状の臭素を活性炭ハニ
カムに接触させることによって得られる。臭化物として
は、例えば、臭化水素、臭化アンモニウム、アルカリ金
属の臭化物(例えば、臭化カリウム)などが挙げられ
る。また、溶媒としては、水、アルコール類(例えば、
メタノール、エタノールなど)、ケトン類(例えば、ア
セトンなど)、エーテル類(例えば、ジエチルエーテル
など)、ハロゲン化炭化水素類(例えば、クロロホル
ム、四塩化炭素、エチレンクロライドなど)やこれらの
混合溶媒が例示される。活性炭ハニカムに対する臭素の
担持量は1〜30重量%、好ましくは2〜20重量%、
特に好ましくは5〜15重量%である。
【0056】白金族元素としては、例えば、白金、イリ
ジウム、オスミウム、パラジウム、ロジウム、ルテニウ
ム、金が挙げられ、これら白金族元素化合物の活性炭ハ
ニカムに対する担持量は、白金族元素として0.1〜2
0重量%、好ましくは0.25〜15重量%、特に好ま
しくは0.5〜10重量%である。
【0057】白金族元素化合物担持活性炭ハニカムは、
活性炭ハニカムに白金族元素化合物の塩酸、ヨウ化水
素、臭化水素、フッ酸、硝酸、硫酸、リン酸などの水溶
液を散布、含浸、浸漬することによって得られ、また、
活性炭ハニカムを製造する際に、これらの白金族元素化
合物の酸水溶液の形で原料と練合して成形することによ
っても得られる。必要に応じて乾燥又は焼成してもよ
い。その際の温度は、40〜500℃、好ましくは50
〜400℃、特に好ましくは60〜350℃であり、そ
の際の雰囲気は減圧下、常圧下、加圧下のいずれでもよ
く、空気、窒素、炭酸ガス、燃焼ガスなどの存在下で行
なうことができる。
【0058】担持薬品として、白金族元素の化合物と、
さらにTi、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、C
u、Agのうち少なくとも一種以上とを同時に用いるこ
とによって、ガスの処理効果が一層向上する。この場合
も白金族元素化合物単独を担持した薬品担持活性炭ハニ
カムと同様の方法で製造できる。この場合、白金族元素
化合物に対するこれら金属化合物の添加比率(金属/元
素重量比率)は0.1〜500、好ましくは0.5〜2
50、特に好ましくは1〜100である。また、必要に
応じて乾燥又は焼成してもよい。その場合の温度は、4
0〜500℃、好ましくは50〜400℃、特に好まし
くは60〜350℃であり、その際の雰囲気は減圧下、
常圧下、加圧下のいずれでもよく、空気、窒素、炭酸ガ
ス、燃焼ガスなどの存在下で行なうことができる。タバ
コの煙を処理しようとする場合は、白金族元素化合物単
独又はこれと上記金属化合物の双方を担持した活性炭ハ
ニカムを用いることにより、一酸化炭素、シアン化水素
やエチレンを除去することができる。
【0059】これらの活性炭ハニカムは、前記以外の種
々の態様、例えば、酸担持活性炭ハニカムと臭素担持活
性炭ハニカム及び/又は白金族元素担持活性炭ハニカム
とを組合せて構成してもよく、前記装置とは逆に、ガス
流路内に、ガス導入口からガス排出口に向って、酸担持
活性炭ハニカムとヨウ素担持活性炭ハニカムとを順次設
けてもよい。また、薬品無担持活性炭ハニカム、ヨウ素
担持活性炭ハニカム、酸担持活性炭ハニカム、臭素担持
活性炭ハニカム、および白金族元素担持活性炭ハニカム
を適当に組合せて使用してもよい。臭気成分や有害成分
に対する吸着特性の異なる複数の活性炭ハニカムを使用
することにより、多種類の臭気成分および有毒成分であ
っても効率よく除去できる。
【0060】臭気成分や有害成分を効率よく除去するた
めには、薬品無担持活性炭ハニカム及び/又はヨウ素担
持活性炭ハニカムと、酸担持活性炭ハニカム、臭素担持
活性炭ハニカムおよび白金族元素担持活性炭ハニカムか
らなる群から選択された少なくとも一種の活性炭ハニカ
ムとを組合せるのが有用である。この場合、活性炭ハニ
カムによる被処理ガスの処理順序は特に制限されず、薬
品無担持活性炭ハニカムなどにより被処理ガスを予め処
理してもよく、酸担持活性炭ハニカムなどにより被処理
ガスを予め処理してもよい。
【0061】好ましい方法は、ガス流路の上流側に配し
た薬品無担持活性炭ハニカム及び/又はヨウ素担持活性
炭ハニカムで被処理ガスを処理した後、ガス流路の下流
側に配した酸担持活性炭ハニカムで処理する方法であ
る。他の好ましい方法は、薬品無担持活性炭ハニカム及
び/又はヨウ素担持活性炭ハニカムで先ず被処理ガスを
処理し、次いで、白金族元素担持活性炭ハニカム及び/
又は臭素担持活性炭ハニカムで処理する方法である。後
者の場合、白金族元素担持活性炭ハニカムが、より好ま
しく使用される。ガス処理に際して、薬品無担持活性炭
ハニカム、ヨウ素担持活性炭ハニカムと、酸担持活性炭
ハニカムなどの他の活性炭ハニカムは、それぞれ、少な
くとも1つ使用すればよい。
【0062】また、前記薬品無担持活性炭ハニカムは、
ヨウ素担持活性炭ハニカムと組合せて使用してもよい。
この場合にも、吸着除去効果をさらに高めることができ
る。特に被処理ガスが、炭化水素類やカルボン酸類など
の臭気成分や有害成分を含む場合には、薬品無担持活性
炭ハニカムをヨウ素担持活性炭ハニカムよりもガス流路
の上流側に設置するのが効果的である。被処理ガスの種
類、特にイオウ含有化合物を含むガスでは、吸着除去処
理に際して、薬品無担持活性炭ハニカムとヨウ素担持活
性炭ハニカムとは、それぞれ、少なくとも1つ使用すれ
ばよい。
【0063】送風手段としてのファンの動力源として
は、交流、直流いずれも使用できる。直流電源として
は、乾電池、充電可能な蓄電池、太陽電池などを用いる
ことができる。特に冷蔵庫、ゲタ箱、押入れ、トイレ、
自動車、食器棚、ペット、植物、果物用のキャリアーケ
ースやボックスなどのように、電源をとりにくい小さい
脱臭空間では、電池、特に乾電池を用いるのが好まし
い。
【0064】電池を動力源として使用する場合、小型モ
ータ及び小型ファンと組合せると、1個の電池(1.5
V)で、約半年間もの長期に亘り連続的に被処理ガスを
処理できるという特色がある。そのため、電池は、少な
くとも1つ使用すればよいが、さらに長期に亘り処理す
る場合には、複数の電池を用いてもよい。複数の電池
は、直列又は並列に接続してもよい。
【0065】電池を動力源として使用する場合、電池の
寿命と、ハニカムの寿命とを合せると便利である。この
場合、処理空間の大きさ、臭気成分や有害成分の種類、
濃度などに応じて乾電池の種類を選び、また、複数の活
性炭ハニカムのセル数、厚さなどにより、飽和吸着量を
調節すればよい。
【0066】図4は本発明のさらに他の装置を示す分解
斜視図である。この例では、電源を取りにくい小さな処
理空間を処理するのに有用なガス処理装置が示されてい
る。
【0067】すなわち、装置のケーシングは、上部が開
口し、両端部に立設壁32a,32bが形成された半割
筒状のケーシング本体31と、前記ケーシング本体31
の開口部を閉塞する断面湾曲状蓋体33とで構成されて
いる。ケーシング本体31の底面は載置安定性を高める
ため、面一に形成されている。ケーシング本体31の一
方の立設壁32aにはスリットが形成され、ガス導入口
34を構成している。
【0068】また、ケーシング本体31のガス導入口3
4側には、ヨウ素担持活性炭ハニカム35と酸担持活性
炭ハニカム36とを保持する環状保持部材37を着脱自
在に装着する装着部38が形成されている。この装着部
38に隣接して、ケーシング本体31には、小型ファン
39を回転駆動する小型モータ40が配設されている。
モータ40の回転軸を回転可能に支持する軸受は、第1
の保持壁41aで保持されていると共に、小型モータ4
0の他方の軸受をカバーする軸受カバーは、第2の保持
壁41bで保持されている。
【0069】さらに、ケーシング本体31には、前記モ
ータ40を回転駆動するため、複数の乾電池42a,4
2bを装着する装着部43a,43bが形成されてい
る。この装着部43a,43bは、電池42a,42b
の陽極及び陰極とそれぞれ弾性的に接触する導電性金属
板44,45a,45bが取付けられた壁部46,47
で構成されている。また、前記モータ40と導電性金属
板44,45a,45bとは、それぞれリード48,4
9により接続されている。
【0070】前記蓋体33には、ファン39の作動を確
認するための窓50が形成されている。また、ケーシン
グ本体31及び蓋体33には、前記ガス導入口34から
吸引され、前記薬品無担持活性炭ハニカム又はヨウ素担
持活性炭ハニカム35および酸担持活性炭ハニカム36
により処理された気体を排出するスリット状のガス排出
口51が形成されている。
【0071】そのため、前記ガス導入口34による被処
理ガスの吸引方向と、ガス排出口51による処理ガスの
排出方向は異なる。
【0072】前記ケーシング本体31と蓋体33とは、
互いに対向して立設されたビス止め部52に螺着される
ビス53により一体化される。
【0073】このような装置では、ファン39の作動に
よりガス導入口34から吸引された被処理ガスは、薬品
無担持活性炭ハニカム又はヨウ素担持活性炭ハニカム3
5および酸担持活性炭ハニカム36により処理され、ケ
ーシング本体31及び蓋体33のガス排出口51から排
出される。
【0074】また、電池42a,42bによりファン3
9を作動させるので、電源のない小さな処理空間、例え
ば、冷蔵庫、下駄箱などの空間内に装置を配置すること
ができる。しかも、前記空間内で強制的に被処理ガスを
吸引するので、薬品無担持活性炭ハニカム又はヨウ素担
持活性炭ハニカム35および酸担持活性炭ハニカム36
による処理効率が極めて高い。さらに、被処理ガスの流
入方向と排出方向とが異なるので、前記処理空間の任意
の箇所に配置しても、被処理ガスの吸引と排出とが損わ
れず、処理効率が低下することがない。特に、ガス排出
口51が形成された蓋体33の周面が、断面湾曲状であ
るため、隣接する物品などによりガス排出口51が閉塞
されることがない。
【0075】また、電池42a,42bの寿命が切れた
場合には、前記窓50を通じてファン39の回転が停止
していることを容易に確認できるので、電池42a,4
2bの交換時期を判断できる。
【0076】さらに、ケーシング本体31から蓋体33
を外すことが可能であるため、各ハニカム35,36お
よび電池42a,42bの交換も容易である。
【0077】ガス導入口とガス排出口は、装置の適所に
形成できる。図5は本発明の他の装置を示す概略分解斜
視図である。なお、前記図4と同一の要素には、同一の
符号を付して説明する。
【0078】この例では、ケーシング本体31および蓋
体33の一方の端部の周壁に、スリット状ガス導入口6
1が形成されている点を除き、図4に示す装置と同様に
構成されている。
【0079】この装置では、前記周壁にガス導入口61
およびガス排出口51が形成されているため、冷蔵庫な
どの空間に他の物品と共に収容しても、前記物品により
ガス導入口61およびガス排出口51が閉塞されること
がない。そのため、処理空間を確実に清浄化できる。
【0080】なお、図4および図5に示す装置におい
て、ケーシング本体及び蓋体の少なくとも一方にガス排
出口が形成されていればよく、ケーシング本体のガス排
出口用スリットは必ずしも必要ではない。また、ビスは
必ずしも必要ではなく、蓋体は、例えば、ヒンジなどを
介してケーシング本体に開閉可能に取付けてもよい。
【0081】図6は本発明のさらに他の装置を示す概略
斜視図、図7は図6に示す装置の部分切欠斜視図であ
る。
【0082】この例では、ケーシング71の上端面には
ガス導入口72が形成され、下部側壁にはガス排出口7
3が形成されている。ガス導入口72に対応するケーシ
ング71の上端面は若干膨出し、ガス排出口73に対応
する両側壁は外方へ湾曲している。前記ケーシング71
内には、ガス導入口72とガス排出口73との間のガス
流路を形成する筒体74が配されている。この筒体74
の下部側面には、前記ガス排出口73と通じる開口部
(図示せず)が形成されている。
【0083】前記筒体74の上部には、ヨウ素担持活性
炭ハニカム75と酸担持活性炭ハニカム76が順次装着
されている。一方、筒体74の下部には、小型モータ7
7により回転されるファン78が配設されている。前記
ファン78の回転に伴なって、被処理ガスは、ガス導入
口72から吸引され、前記ヨウ素担持活性炭ハニカム7
5および酸担持活性炭ハニカム76により処理され、ガ
ス排出口73から排出する。なお、前記ケーシング71
の側壁には、ファン78の回転を確認するための窓79
が形成されている。
【0084】また、前記ケーシング71内には、保持部
材(図示せず)に保持され、かつ乾電池82が装着され
る一対の導電性金属板80a,80bが配設されてい
る。これらの導電性金属板80a,80bは、リード8
1a,81bを介して、前記モータ77に接続されてい
る。また、前記導電性金属板80a,80bは折曲げら
れており、乾電池82の正極と陰極とに弾性的に接触す
る。
【0085】さらに、ケーシング71の側部には、着脱
自在な蓋体83が形成されている。この蓋体83は、前
記乾電池82の交換、および活性炭ハニカム75,76
が装着された筒体74の取出しに利用される。なお、筒
体74の下部側面に形成された前記開口部が、モータ7
7及びファン78よりも大きく形成されているので、ケ
ーシング71から筒体74の取出し及びケーシング71
内への装着に支障を来すことはない。
【0086】このような装置では、前記図4及び図5に
示す装置と同様に、被処理ガスの吸引方向と排気方向と
が異なるケーシング71の部位に形成されたガス導入口
72およびガス排出口73が、物品により塞がれること
がない。そのため、冷蔵庫や下駄箱などの電源のない処
理空間内の臭気成分や有害成分を円滑かつ確実に除去で
きる。また、前記窓79を通じてファン78の回転の有
無を確認することにより、電池82の寿命および交換時
期を判断できると共に、蓋体83により電池82及び筒
体74の交換も容易である。
【0087】図8は本発明の他の装置を示す部分切欠斜
視図である。この装置は、密閉空間、例えば、冷蔵庫、
キャリアーケースやボックスなどにおいて、花、野菜、
リンゴ、バナナなどの植物や果実の鮮度を維持するため
に有用である。
【0088】前記装置は、複数の活性炭ハニカムが、薬
品無担持活性炭ハニカム又はヨウ素担持活性炭ハニカム
75、酸担持活性炭ハニカム76a、及び白金族元素担
持活性炭ハニカム又は臭素担持活性炭ハニカム76bで
構成され、ケーシング71のガス導入口72からガス排
出口73の方向に、筒体74内に順次配設されている点
を除き、前記図5及び6に示す装置と同様の要素で構成
されている。
【0089】この装置では、電源が取りにくい密閉空間
において、前記活性炭ハニカム75,76a,76bに
より、臭気成分を円滑かつ効率よく除去できる。さら
に、白金族元素担持活性炭ハニカムまたは臭素担持活性
炭ハニカム76bがガス流路に配設されているので、植
物や果物などから発生するエチレンなどの低級不飽和炭
化水素類を効率よく除去でき、密閉空間内の植物や果物
などの鮮度を維持できる。 この例において、白金族元
素担持活性炭ハニカム又は臭素担持活性炭ハニカムは、
薬品無担持活性炭ハニカム、ヨウ素担持活性炭ハニカム
や酸担持活性炭ハニカムの上流側や下流側など、ガス流
路の適当な位置に配することができる。また、酸担持活
性炭ハニカムは必ずしも必要ではない。
【0090】なお、前記図4ないし図8に示す装置にお
いて、ケーシングは、前記活性炭ハニカム又は筒体と電
池が装着可能であればよく、例えば、ケーシングのう
ち、活性炭ハニカム又は筒体の装着部と電池の装着部と
に対応するそれぞれの領域が、ケーシング本体にヒンジ
式に取付けられた蓋体により開閉可能であってもよい。
【0091】また、前記ガス排出口は、送風手段として
のファンと駆動手段としてのモータの下流側のケーシン
グの周壁の適所に形成することができ、ファンの下流側
のケーシングの周壁に形成されているのが好ましい。ガ
ス流路のうちファンの下流側には、ガスをガス排出口に
案内するガイド部材を設けてもよい。この場合、前記活
性炭ハニカムにより処理されたガスをガス排出口から円
滑に排出できる。
【0092】ケーシングに形成された窓は、ファンの作
動状態を確認できる適所に形成することができる。ま
た、ファンの作動状態を容易に確認するため、ファンに
は、マーカー、例えば、異なる着色を施してもよく、フ
ァンの羽根に異なる着色を施したり、ファンの表裏面に
異なる着色を施してもよい。さらに、前記ケーシングの
ガス導入口側には、前記図1〜図3に示す装置と同様
に、帯電フィルタを交換可能に配設してもよい。
【0093】さらに、図4ないし図8に示す装置におい
て、前記電池を効率よく使用するため、ケーシングの適
所に電池をON−OFFさせるためのスイッチを設けて
もよい。複数の電池を用いる必要はなく、少なくとも1
つの電池を使用すればよい。さらに、電池が消耗したと
き、電池の寿命および交換時期を知らせる報知手段をケ
ーシングに設けてもよい。
【0094】乾電池をモータの動力源とする図4ないし
図8に示すガス処理装置において、電池の寿命との関係
から風量を大きくするのが困難である。活性炭ハニカム
のセル数は、電源電圧などに応じて適当に選択できる
が、風量が小さなガス処理装置において、活性炭ハニカ
ムのセル数には適正な値が存在する。例えば、風量が8
0〜700L/hr程度と小さい場合、好ましい活性炭
ハニカムのセル数は、例えば、10〜500セル/inch
2 、好ましくは20〜200セル/inch2 、さらに好ま
しくは25〜125セル/inch2 程度である。小型のガ
ス処理装置において、好ましい風量は、100〜600
L/hr、さらに好ましくは150〜500L/hr程
度である。
【0095】ガス流路内に、セル数の少ない活性炭ハニ
カムと、前記のような送風能力を有する送風手段を備え
たガス処理装置を用いると、セル数が少なく、被処理ガ
スとの接触面積が小さくても、活性炭ハニカムと被処理
ガスとの接触時間を十分に高めることができ、略ワンパ
スで臭気成分や有害成分を完全にしかも円滑に除去でき
る。また、万一、ワンパスで臭気成分や有害成分を完全
に除去できないとしても、活性炭ハニカムのセル数が小
さいので、通気抵抗が小さく、被処理ガスの通気量が多
い。そのため、閉鎖系空間内の被処理ガスを処理する
と、換気回数が増大し、短時間内に臭気成分や有害成分
を効率よく除去でき、臭気成分や有害成分の除去効率が
高い。ハニカム構造に関する常識的な認識では、セル数
及び接触面積が大きい方が好ましいとされているが、こ
のような効果は、ハニカム構造物に関する一般的知識に
反して驚くべきことである。
【0096】小型のガス処理装置において、送風手段と
しては、軸流ファンやシロッコファンなどの小型のファ
ンを用いることができる。送風手段は、80〜700リ
ットル/hrの風量で、被処理ガスを前記活性炭ハニカ
ムに通過させる能力を有する。送風手段の動力源として
乾電池を用いる場合には、電源が乾電池であるにも拘ら
ず、約半年もの間、連続的に稼動できるという特色があ
る。そのため、閉鎖系空間内の被処理ガス中の臭気成分
や有害成分を除去でき、植物や果物の鮮度を保持でき
る。
【0097】小型のガス処理装置は、容積10〜500
0リットル、好ましくは25〜2500リットル、さら
に好ましくは50〜2000リットル程度の空間を処理
するのに有用である。また、送風手段は、換気回数0.
05〜150回/hr、好ましくは0.1〜100回/
hr、さらに好ましくは0.2〜80回/hr程度で被
処理空間を換気する能力を有するファンが好ましい。な
お、ガス処理に際しては、複数個のガス処理装置を用い
てもよい。
【0098】前記小型のガス処理装置は、密閉空間、例
えば、冷蔵庫、下駄箱、押入れ、食器棚、タンス、車な
どの脱臭空間を脱臭処理する上で有用である。
【0099】図9はごみ箱用ガス処理装置を示す概略斜
視図、図10は図9に示す装置の概略側面図、図11は
図9に示す装置の蓋体を示す断面斜視図である。
【0100】この装置は、ごみ箱本体を構成する横断面
円筒状のボックス91と、このボックス91にヒンジ部
96で回動自在に取付けられ、前記ボックス91の開口
部を覆う蓋体97とを備えている。
【0101】前記ボックス91の下部には、ペダル92
が設けられている。このペダル92からは、ボックス9
1の下部空間を横断し、かつ支持部材94に枢着された
シャフト93が延びている。このシャフト93の他方の
端部に形成された枢着部93aには、ボックス91の側
壁に沿って延びる連結棒95の端部が枢着され、連結棒
95の他方の端部は、前記ヒンジ部96のピン96aに
取付けられている。そのため、前記ペダル92を踏む
と、シャフト93が支持部材94との枢着部を支点にし
て回動し、連結棒95が持上げられ、蓋体97が前記ヒ
ンジ部96を中心として上方へ回動し、ボックス91の
開口部が開放される。
【0102】前記蓋体97は、前記ボックス91の開口
部を覆う中空の蓋体本体98と、この蓋体本体98の内
面中央部に形成された複数のスリット99と、前記蓋体
本体98の内面に周方向に形成されたリング状スペーサ
100を介して取付けられ、かつ前記ボックス91の開
口部よりも外径が小さな遮蔽板102とを備えている。
前記リング状スペーサ100には、蓋体本体98のスリ
ット99と連通する複数のスリット101が所定間隔毎
に形成されている。
【0103】前記蓋体本体98の中空部と、ガス処理装
置を構成する横断面湾曲状ケーシング111のガス導入
口112とは、可撓性を有するホース103により連通
して接続されている。前記ケーシング111のガス導入
口112からガス排出口113に至るガス流路内には、
前記の装置と同様に、薬品無担持活性炭ハニカム又はヨ
ウ素担持活性炭ハニカム114、酸担持活性炭ハニカム
115、ファン116及びモータ117が順次配設され
ている。前記モータ117は、電池などの直流電源や交
流電源を利用して駆動させることができる。
【0104】なお、酸担持活性炭ハニカムに代えて臭素
担持活性炭ハニカムを用いてもよく、酸担持活性炭ハニ
カムに加えて臭素担持活性炭ハニカム及び/又は白金族
元素担持活性炭ハニカムを用いてもよい。
【0105】この例では、ガス導入口112がケーシン
グ111の上部に形成され、ガス排出口113が、ファ
ン116の下流側のケーシング111の下部側壁に形成
されている。そのため、前記と同様に、ガスの流入方向
と排出方向とが異なる。
【0106】さらに、前記ボックス91の上端面と接触
する蓋体本体98の周縁部の適所には、前記ボックス9
1と蓋体本体98との接触を検出するスイッチ(図示せ
ず)が取付けられ、このスイッチの検出信号に応答し
て、前記モータ117を所定時間駆動させるためのタイ
マー(図示せず)が作動する。
【0107】このような装置においては、ペタル92を
踏んで蓋体97を開放させ、ボックス91内にごみを投
入した後、ペダル92を解放すると、蓋体97がボック
ス91の開口部を塞ぐ。その際、蓋体97には、遮蔽板
102が取付けられているので、塵芥や飛散した汚水な
どが前記蓋体本体98の中空部内に直接至るのを抑制で
きる。また、ビニール袋や紙袋などに収容してごみを投
入する場合であっても、前記袋などにより蓋体本体98
のスリット99が塞がれることがない。なお、ボックス
91の開口部は、前記蓋体97により完全に密閉される
ことはなく、通常、ボックス91と蓋体本体98との間
には若干の隙間がある。
【0108】そして、蓋体本体98がボックス91の開
口部を閉塞したことを前記スイッチが検出すると、スイ
ッチからの検出信号に応答して、タイマーはモータ11
7を所定時間駆動させる。モータ117の駆動により、
ボックス91内の臭気成分は、前記リング状スペーサ1
00のスリット101、蓋体本体98のスリット99、
およびホース103を経てガス処理装置のケーシング1
11内に吸引され、前記薬品無担持活性炭ハニカム又は
ヨウ素担持活性炭ハニカム114及び酸担持活性炭ハニ
カム115により処理される。臭気成分が除去された清
浄なガスは、ケーシング111の下部側壁に形成された
ガス排出口113から排出される。その際、断面湾曲状
のケーシング111の側壁に形成されたガス排出口11
3が塞がれることがなく、円滑に脱臭処理することがで
きる。
【0109】前記ごみ箱用ガス処理装置において、ホー
スは蓋体本体の端部に取付けられているが、ホースは、
蓋体本体の中空部と連通している限り、適所に取付ける
ことができる。
【0110】図12はごみ箱用ガス処理装置の蓋体の他
の例を示す断面図である。この例では、蓋体本体122
の略中央部に、ホース126が取付けられている。すな
わち、蓋体121は、内面にスリット123が形成され
た中空の蓋体本体122と、この蓋体本体の内面に所定
間隔毎に形成されたスペーサ124と、このスペーサに
取付けられた遮蔽板125とを備えている。
【0111】前記蓋体本体122の略中央部には、蓋体
本体122の中空部と連通してホース126が接続され
ている。蓋体本体122の内部には、前記スリット12
3の外周部から前記ホース126の接続部に向う斜め方
向に、被処理ガスを案内する案内板127が設けられて
いる。
【0112】なお、前記ごみ箱用ガス処理装置におい
て、ボックスや蓋体の形状は特に制限されず、例えば、
四角形状などであってもよい。また、ボックス自体をご
み箱としてもよく、このボックス内に、ごみ箱として機
能するケースを取出し可能に配してもよい。後者の場
合、ごみを収容したケースをボックスから取出すことが
できるので、ボックス全体を移送する必要がなく、ごみ
の廃棄などに際して便利である。また、ペダルにより蓋
体を開閉させる機構は、前記の構造に限らず、種々の機
械的機構を組合せて構成できる。また、蓋体のスペーサ
及び遮蔽板は必ずしも必要ではなく、前記蓋体本体に飛
沫などの侵入を抑制できる細幅のスリットや孔を形成し
てもよい。
【0113】さらに、装置は、ボックスに一体に取付け
てもよく、ボックス内に装着可能に内蔵してもよい。ま
た、ボックスの側部に装置を設ける場合、必要に応じて
前記ホースとともに、装置をカバーで覆ってもよい。さ
らに、前記装置において、ケーシングのガス導入口の上
流側には、防塵フィルタを設けてもよい。
【0114】前記遮蔽板と蓋体本体との間に小型の装置
を取付けてもよい。この場合、ファンは電池などで作動
させてもよく、蓋体本体のスリットは不要である。
【0115】また、蓋体の開閉は、前記スイッチに限ら
ず、ペダル、ボックスの上端面、蓋体の内面に取付けた
圧電センサ、連結棒の一方の端部に設けられた接触セン
サなどの種々のセンサやスイッチが使用できる。
【0116】さらには、前記スイッチやセンサを設ける
ことなく、ファンを常時作動させてもよい。
【0117】本発明のガス処理装置は、通常、電源によ
り駆動する駆動手段としてのモータと、この駆動手段に
より回転駆動されるファンとを備えている。ガス処理装
置において、ファンの設置位置は特に制限されず、前記
ハニカムや帯電フィルタの配置位置に応じて適当に選択
できる。例えば、前記図1に示す装置においては、薬品
無担持活性炭ハニカム又はヨウ素担持活性炭ハニカムと
酸担持活性炭ハニカムの前後またはこれらハニカムの間
のいずれであってもよい。ファンの汚れや腐蝕などを防
止するには、これらハニカムの下流側、すなわちガス流
路の最下流側にファンを配置するのが好ましい。
【0118】被処理ガスが、塵埃などの微粒固形物、タ
ール、ニコチンなどを含む場合には、活性炭ハニカムよ
りもガス流路の上流側に除塵フィルタを設置するのが好
ましい。除塵フィルターの種類は特に制限されないが、
前記帯電フィルタ以外に、例えば、電気集塵式フィル
タ、不織布フィルタなどが挙げられ、交換容易なものが
特に好ましい。
【0119】さらに、複数の活性炭ハニカムは、予め一
体化しておいてもよく、ケーシングのガス流路内に、そ
れぞれ個別に装着してもよい。
【0120】前記ガス導入口とガス排出口は、被処理ガ
スの吸引・排出を損わない範囲で、前記被処理ガスの吸
引方向と排出方向とが異なるケーシングの部位、例え
ば、ケーシングの前面と上面、前面と側面などに形成さ
れていればよい。ガス導入口とガス排出口は、好ましく
はケーシングの同一面又は互いに隣接する面に形成され
る。さらに、ガス導入口とガス排出口は、処理空間内の
物品により塞がれないケーシングの部位に形成すればよ
く、例えば、ガスが通過可能な断面波形などに形成され
たケーシングの部位に形成してもよい。
【0121】
【発明の効果】本発明のガス処理装置およびガス処理方
法によれば、被処理ガスの吸引方向と排出方向とが異な
るため、室内のコーナー部などに配置しても、被処理ガ
スを円滑に吸引及び排出し、処理空間を有効に活用でき
る。また、性質の異なる複数の活性炭ハニカムにより、
多数の臭気成分や有害成分を効率よく除去でき、通気抵
抗が小さい。
【0122】複数の活性炭ハニカムが薬品無担持活性炭
ハニカム及び/又はヨウ素担持活性炭ハニカムと酸担持
活性炭ハニカムて構成されている場合には、被処理ガス
中の多数の臭気成分や有害成分を効率よく除去できる。
【0123】また、電池を内蔵するガス処理装置では、
電源をとりにくい小さい処理空間であっても効率よくガ
ス処理できる。そのため、冷蔵庫や、植物、果物などを
収容するキャリアーケース、ボックスなどの密閉空間内
の被処理ガスを処理し、植物や果物などの鮮度を保持し
たり、脱臭処理できる。
【0124】
【実施例】以下に、実施例および試験例に基づいて本発
明をより詳細に説明する。
【0125】実施例1 図1及び図2に示す構成のガス処理装置を作製した。こ
の装置においては、ガス導入口からガス排出口の方向
に、帯電フィルター[住友スリーエム(株)製、G−0
115]1枚、40個の薬品無担持活性炭ハニカム(8
4mm×44mm×厚み20mm、セル数300個/in
ch2 )で構成されたハニカム層、40個の15重量%の
リン酸を担持した活性炭ハニカム(84mm×44mm
×厚み20mm、セル数300個/inch2 )で構成され
たハニカム層、およびクロスフローファンが、それぞれ
この順に配置されている。各ハニカム層は、前記個数の
活性炭ハニカムを縦横に配することにより構成した。
【0126】前記装置は、ガス導入口側が装置の前面
に、ガス排出口が装置の上面の後部に配置されているの
で、装置の後面が部屋の壁面に接触するように配置され
ても、十分な機能を果した。
【0127】ファンの作動により、部屋内の空気は、ガ
ス導入口、帯電フィルター、薬品無担持活性炭ハニカム
層、リン酸担持活性炭ハニカム層、ファンおよびガス排
出口の順に流れ、ガスは床面と平行方向に吸引され、床
面と垂直方向に排出される。そのため、部屋内の空気は
ゆっくりと循環し、均一に処理された。そのときの処理
風量は5m3 /分であった。
【0128】試験例1 実施例1で得られたガス処理装置(脱臭装置)のガス導
入口へ吸引されるガスと、ガス排出口から排出されるガ
スとが混合しないようにビニールシートで隔壁を設け
た。ガス処理装置を作動させガス導入口から、60pp
bのイソ吉草酸および300ppbのトリメチルアミン
を含有するガスを流通させた。
【0129】このような条件で、ガス処理装置を100
時間連続して作動させ、装置のガス排出口から排出され
るガスをガスクロマトグラフィーにより分析したとこ
ろ、イソ吉草酸およびトリメチルアミンはいずれも検出
されず、除去率は100%であった。
【0130】実施例2 図4に示す構成の小型ガス処理装置を作製した。この装
置において、ガス導入口、ヨウ化カリウム(KI)を
1.0重量%担持した活性炭ハニカム(50mmφ×2
0mm、セル数300個/inch2 )、リン酸を20重量
%担持した活性炭ハニカム(50mmφ×20mm、セ
ル数300個/inch2 )、ファンおよびガス排出口が、
それぞれこの順で配置され、動力源として単一乾電池2
個が使用されている。
【0131】この装置は、ガス導入口が装置の側面の一
方に、ガス排出口が装置の上面の端部にも配置されてい
るので、装置を冷蔵庫などの内部壁面に接触するように
配置しても、その脱臭機能は十分に保たれていた。
【0132】ファンの作動により、空気は、ガス導入
口、KI担持活性炭ハニカム層、リン酸担持活性炭ハニ
カム層、ファンおよびガス排出口の順に流れた。ガスは
床面と平行方向に吸引され、床面と垂直方向に排出され
る。そのため、被処理ガスはゆっくりと循環し、均一に
処理された、そのときの処理風量は300L/hr.で
あった。
【0133】試験例2 実施例2で得られたガス処理装置を、内容積281L
(750mm×750mm×500mm)のポリ塩化ビ
ニル製の容器の床面中央に置いた。容器内に、硫化水素
(H2 S)、メチルメルカプタン(CH3 SH)および
トリメチルアミン[(CH3 3 N]をそれぞれ含有す
る標準ガスを所定量注入し、容器内のガスを1分間強制
撹拌し、均一化した後、容器内の中心部のガスを、細い
テフロンチューブを通じてサンプリングし、ガスクロマ
トグラフィーにより分析した。その結果、前記成分の初
期濃度は、H2 Sが1.3ppm、CH3 SHが0.9
8ppm、および(CH3 3 Nが0.56ppmであ
った。
【0134】この状態で、前記装置を稼動させた。運転
開始後、6時間目に容器内のガスを再び1分間強制撹拌
し、直ちにサンプリングして分析した。その結果、H2
S、CH3 SHおよび(CH3 3 Nは、いずれも検出
限界(0.02ppm)以下であり、臭気は全く感じら
れず、よく脱臭されていた。
【0135】対照として、前記容器の床面中央に、顆粒
状活性炭を含む市販の冷蔵庫脱臭剤(アメリカンドラッ
グコーポレーション製、「キムコR 」)1個を置き、H
2 S、CH3 SHおよび(CH3 3 Nをそれぞれ含有
する標準ガスを所定量注入し、容器内を1分間強制撹拌
した後、容器内のガスをサンプリングし、分析したとこ
ろ、前記成分の濃度は、H2 Sが1.1ppm、CH3
SHが0.95ppm、および(CH3 3 Nが0.5
6ppmであった。
【0136】この状態で放置し、6時間目に容器内のガ
スを再び1分間強制撹拌し、直ちにサンプリングして分
析したところ、H2 Sが0.25ppm、CH3 SHが
0.21ppm、および(CH3 3 Nが0.08pp
mであり、著しい臭気が感じられた。
【0137】実施例3 図1及び図2に示す構成の室内脱臭用ガス処理装置を作
製した。この装置は、ガス導入口からガス排出口に至る
ガス流路内に、帯電フィルター[住友スリーエム(株)
製、G−0115]1枚、KIを1.5重量%担持する
活性炭ハニカム(84mm×44mm×20mm、セル
数300個/inch2 )40枚、H3 PO4 を15重量%
担持する活性炭ハニカム(84mm×44mm×20m
m、セル数300個/inch2 )40枚、およびクロスフ
ローファンがこの順序に搭載されている。ファンの作動
により、室内の空気は、帯電フィルター、KI担持活性
炭ハニカム、H3 PO4 担持活性炭ハニカム、およびフ
ァンの順に流れ、そのときの風量は5m3 /分であっ
た。
【0138】試験例3 寝たきり老人の6人部屋A室(内容積90m3 )の中央
に実施例3で得られたガス処理装置を設置した。
【0139】なお、前記A室の隣りに、A室と同じ寝た
きり老人の6人部屋B室(内容積90m3 )があり、こ
のB室を対照とした。B室は前記ガス処理装置で処理し
なかった。
【0140】A室の室内脱臭器を連続して運転し、4日
目に、A室及びB室について、14名のパネラーによる
官能テストを行なったところ、B室では、老人臭とし尿
臭が著しく認められた。これに対して、A室では臭気が
感じられず、よく脱臭され、脱臭効果が顕著に認められ
た。
【0141】試験例4 49人が交替で休憩する部屋(内容積150m3 )の中
央に、実施例3で得られたガス処理装置を置き、室内の
タバコ臭の脱臭テストを行なった。なお、49人中、3
5人が喫煙者である。
【0142】そして、ガス処理装置を運転開始後、10
日目に49人全員により官能評価をしたところ、65%
に相当する32人が脱臭効果を認めた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の装置の一例を示す一部切欠概略断面斜
視図である。
【図2】図1に示す装置の断面図である。
【図3】本発明の他の装置を示す概略断面図である。
【図4】本発明のさらに他の装置を示す分解斜視図であ
る。
【図5】本発明の他の装置を示す概略分解斜視図であ
る。
【図6】本発明のさらに他の装置を示す概略斜視図であ
る。
【図7】図6に示す装置の部分切欠斜視図である。
【図8】本発明の他の装置を示す部分切欠斜視図であ
る。
【図9】ごみ箱用ガス処理装置を示す概略斜視図であ
る。
【図10】図9に示す装置の概略側面図である。
【図11】図9に示す装置の蓋体を示す断面斜視図であ
る。
【図12】ごみ箱用ガス処理装置の蓋体の他の例を示す
断面図である。
【符号の説明】
1,21,71,111…ケーシング 2,22,34,61,72,112…ガス導入口 3,23,51,73,113…ガス排出口 7,26,35,75,114…ヨウ素担持活性炭ハニ
カム 8,27,36,76,76a,115…酸担持活性炭
ハニカム 10,29,39,78,116…ファン 31…ケーシング本体 33…蓋体 40,77,117…モータ 42a,42b,82…電池
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01D 53/04

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガス導入口からガス排出口に至るガス流
    路内に、活性炭ハニカムと、前記ガス導入口から排出口
    の方向に被処理ガスを送風する送風手段とが備えられ、
    前記被処理ガスの導入方向と排出方向とが異なるように
    前記ガス導入口と排出口とが配置されているガス処理装
    であって、前記活性炭ハニカムが、上流側に配した
    (1)薬品無担持活性炭ハニカム、又はヨウ素及び/又
    は無機ヨウ化物を担持する活性炭ハニカムと、下流側に
    配した(2)無機酸担持活性炭ハニカム又は臭素担持活
    性炭ハニカムとで構成されているガス処理装置
  2. 【請求項2】 性炭ハニカムが、上流側に配した
    (1)薬品無担持活性炭ハニカム、又はヨウ素及び/又
    は無機ヨウ化物を担持する活性炭ハニカムと、下流側に
    配した(2)無機酸担持活性炭ハニカムとで構成されて
    いる請求項1記載のガス処理装置。
  3. 【請求項3】 送風手段がファンであり、動力源が乾電
    池である請求項1又は2記載のガス処理装置。
  4. 【請求項4】 ガス導入口または該導入口から活性炭ハ
    ニカムに至るガス流路内に、帯電フィルタを備えている
    請求項1〜3のいずれかの項に記載のガス処理装置。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかの項に記載のガ
    ス処理装置を用いて、被処理ガスを処理するガス処理方
    法。
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