JP2018171447A - 空気清浄緑化装置 - Google Patents

空気清浄緑化装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2018171447A
JP2018171447A JP2018070233A JP2018070233A JP2018171447A JP 2018171447 A JP2018171447 A JP 2018171447A JP 2018070233 A JP2018070233 A JP 2018070233A JP 2018070233 A JP2018070233 A JP 2018070233A JP 2018171447 A JP2018171447 A JP 2018171447A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
air
layer
porous
metal
photocatalyst layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2018070233A
Other languages
English (en)
Inventor
裕介 河目
Yusuke Kawame
裕介 河目
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daiwa House Industry Co Ltd
Original Assignee
Daiwa House Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daiwa House Industry Co Ltd filed Critical Daiwa House Industry Co Ltd
Publication of JP2018171447A publication Critical patent/JP2018171447A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Cultivation Of Plants (AREA)
  • Disinfection, Sterilisation Or Deodorisation Of Air (AREA)
  • Catalysts (AREA)

Abstract

【課題】空気(外気)を装置内に取り込む際に植栽部に通過させるタイプの空気清浄緑化装置において、タバコ臭を迅速かつ効果的に低減させることができる空気清浄緑化装置が望まれていた。
【解決手段】本発明に係る空気清浄緑化装置は、土壌層と、多孔質光触媒層と、金属担持光触媒層と、送風手段を備えることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は空気清浄緑化装置に関するものである。詳しくは、装置内に特定の2種類の光触媒層を設けることによって、従前の空気清浄装置では困難であったタバコ臭を迅速かつ効果的に低減させることができる空気清浄緑化装置に関するものである。
また、土壌層を通過した空気を2種類の光触媒層に通過させることによって、土壌層に生息している微生物が通気によって土壌層の外に放出された場合でも光触媒層によって係る微生物の殺菌、分解を行うことができ、装置外への微生物の放出を抑制することができる空気清浄緑化装置に関するものである。
従前から、室内や屋外に設置されることによって、設置環境の空気清浄を行うとともに緑化も行う空気清浄緑化装置(空気(外気)を装置内に取り込む際に植栽部に通過させるタイプの空気清浄緑化装置)が各種開発されている。またこのような空気清浄緑化装置の中には、清浄効果を向上させるために光触媒を用いたものも開発されている(例えば、特許文献1〜3)。
特開2004−173607号号公報 特開2008−263869号公報 特開2010−284431号公報
しかしながら、特許文献1〜3に記載の光触媒を用いた空気清浄緑化装置は、一定の空気清浄機能の向上効果は認められるものの、タバコ臭、ペット臭、トイレ臭、生ごみ臭などのいわゆる生活臭に対する清浄効果は不十分なものであった。そして生活臭の中でも特にタバコ臭はニコチンや窒素酸化物などの窒素化合物、アセトアルデヒド、アンモニア、酢酸などが混合したものであることから清浄することが困難であり、特許文献1〜3に記載の光触媒を用いた空気清浄緑化装置であっても人間が気にならないレベルにまで清浄することはできなかった。
また、光触媒を用いた従前の空気清浄緑化装置はいずれも酸化チタンや酸化チタンに白金などの金属を担持させたもの(金属担持光触媒)を用いるものばかりとなっているものであった。
今般、本願発明者らは鋭意検討を重ねた結果、多孔質光触媒と金属担持光触媒という2種類の光触媒を用いることによって、従前の空気清浄装置(空気(外気)を装置内に取り込む際に植栽部に通過させるタイプの空気清浄緑化装置)では困難であったタバコ臭を迅速かつ効果的に低減させることができるという知見を得るに至った。また、この効果は、多孔質光触媒または金属担持光触媒という1種類の光触媒を単独で複数層(2層)とした場合には発現せず、多孔質光触媒と金属担持光触媒という2種類の光触媒を併用することによって始めて発現するものであるとの知見を得るに至った。
本発明は、上記した従来の問題点に鑑みてなされたものであって、従前の空気清浄装置では困難であったタバコ臭を迅速かつ効果的に低減させることができる空気清浄緑化装置の提供を目的とするものである。
上記目的を達成するために、本発明の請求項1に係る空気清浄緑化装置は、土壌層と、多孔質光触媒層と、金属担持光触媒層と、送風手段を備えることを特徴とする。
本発明の請求項2に係る空気清浄緑化装置は、多孔質光触媒層が、メソポーラスシリカ、シリカゲル、多孔質シリカ、ゼオライト、アルミナ、メソポーラスアルミノシリケート、メソポーラスカーボン、活性炭から選ばれる少なくとも一種の材料と、酸化チタンまたは酸化亜鉛との混合物であることを特徴とする。
本発明の請求項3に係る空気清浄緑化装置は、金属担持光触媒層が、基材の表面または格子内に、酸化チタン又は酸化亜鉛と、白金、金、銀、銅、鉄、亜鉛、ニッケル、コバルトから選ばれる少なくとも1つの金属を担持したもの、または、白金、金、銀、銅、鉄、亜鉛、ニッケル、コバルトから選ばれる少なくとも1つの金属製の基材の表面又は格子内に、酸化チタンまたは酸化亜鉛を担持したものであることを特徴とする。
本発明の請求項4に係る空気清浄緑化装置は、土壌層が、活性炭、木炭、メソポーラスシリカ、シリカゲル、多孔質シリカ、ゼオライト、パーライト、バーミキュライト、軽石から選ばれる少なくとも一種の多孔質材料を含有するものであることを特徴とする。
本発明の請求項5に係る空気清浄緑化装置は、土壌層、金属担持光触媒層、多孔質光触媒層、の順に空気を通過させることを特徴とする。
本発明の請求項6に係る空気清浄緑化装置は、多孔質光触媒層および金属担持光触媒層がフィルター層であって、送風手段によって、空気を土壌層に通過させた後、多孔質光触媒層および金属担持光触媒層については、目の粗い層から目の細かい層の順に空気を通過させるものであることを特徴とする。
本発明の空気清浄緑化装置によれば、多孔質光触媒層と金属担持光触媒層という2種類の光触媒を併用することによって、従前の空気清浄装置では困難であったタバコ臭を迅速かつ効果的に低減させることができる。
また、土壌層を通過した空気を2種類の光触媒層に通過させることによって、土壌層に生息している微生物が通気によって土壌層の外に放出された場合でも光触媒層によって係る微生物の殺菌、分解を行うことができ、装置外への微生物の放出を抑制することができる空気清浄緑化装置に関するものである。
本発明の請求項2〜4に係る空気清浄緑化装置によれば、各光触媒層に特定の材料を用いることによって、タバコ臭をより迅速かつ効果的に低減させることができる。
本発明の請求項5に係る空気清浄緑化装置によれば、土壌層、多孔質光触媒層、金属担持光触媒層 の順に空気を通過させることによって、タバコ臭をより迅速かつ効果的に低減させることができる。
本発明の請求項6に係る空気清浄緑化装置によれば、光触媒層をフィルター層とし、土壌層に通過した空気を目の粗い層から目の細かい層の順に通過させることによって、タバコ臭をより迅速かつ効果的に低減させることができる。
本発明に係る空気清浄緑化装置の一の実施形態を示す断面模式図である。 図1の空気清浄緑化装置の斜視図である。 図1の空気清浄緑化装置に用いられる光触媒装置(筐体)の構造を示す斜視図である。 図1の空気清浄緑化装置に用いられる光触媒装置を示す模式図である。 図4のA―A‘断面模式図である。 実施例および比較例1、2の空気清浄緑化装置のにおいの評価結果を示すグラフである。 実施例の空気清浄緑化装置と従前の空気清浄緑化装置(比較例3)のにおいの評価結果を示すグラフである。 実施例および比較例1、2の空気清浄緑化装置のにおいの評価結果を示すグラフである。
本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下に述べる実施形態は本発明を具体化した一例に過ぎず、本発明の技術的範囲を限定するものでない。
図1は本発明に係る空気清浄緑化装置の一の実施形態を示す断面模式図であり、図2は図1の空気清浄緑化装置の斜視図であり、図3は図1の空気清浄緑化装置に用いられる光触媒装置(筐体)の構造を示す斜視図であり、図4は図1の空気清浄緑化装置に用いられる光触媒装置を示す模式図であり、図5は図4のA―A‘断面模式図である。
(基本構造)
まず、本発明に係る空気清浄緑化装置の基本構成を図1、2に基づいて説明する。
本発明の空気清浄緑化装置1は、土壌層2が形成された植栽容器3と、金属担持光触媒層4と多孔質光触媒層5を収納した光触媒装置6と、送風手段7と、これらを収納する筐体8を主要部品として構成されているものであり、土壌層2と金属担持光触媒層4と多孔質光触媒層5(光触媒装置6)を必須構成要件とするものである。
なお、図1、2に示す空気清浄緑化装置1においては、植栽容器3をさらに収納容器9に収納するとともに収納容器9の後方に背面カバー10を設けることによって、第一空間11と第二空間12を形成した構造となっている。
また、空気清浄緑化装置1の下方には排気手段13、灌水ポンプ14、水タンク15、制御装置16が設けられており、空気清浄緑化装置1の下部には設置脚17が取り付けられている構造となっている。
さらに、水タンク15と植栽容器3は灌水ポンプ14および給水配管(図示せず)によって接続されており、植栽容器3および筐体8には植栽容器3からの排水を水タンク15に戻したり、空気清浄緑化装置1の外に排出したりするための排水配管(図示せず)など排水手段が設けられている構造となっている。
次に、各構成要件を説明する。
(植栽容器、土壌層)
本発明に用いられる植栽容器3は、図1、2に示すように、縦長の直方体の箱型形状をした容器であり、正面側には植栽が植えられる植栽部18が設けられており、背面側は全面に通気孔19が設けられた背面板20によって閉じられている構造となっているものである。
また、植栽容器3内には土壌層2が形成されている構造となっている。なお、土壌層2の構造については植栽を植えることができ、かつ空気を通過させることができるものであれば特に限定されるものではなく、土壌を充填することによって形成したものだけでなく、ロックウール、スポンジ、オアシスなどを充填することによって形成したものでもよい。
さらに、土壌層2には空気の清浄効果を向上させるために多孔質材料を含有することが好ましい。そしてこのような多孔質材料としては、活性炭、木炭、メソポーラスシリカ、シリカゲル、多孔質シリカ、ゼオライト、パーライト、バーミキュライト、軽石などが挙げられる。
(光触媒装置)
本発明に用いられる光触媒装置6は、金属担持光触媒層4および多孔質光触媒層5と、金属担持光触媒層4および多孔質光触媒層5を活性化させるための光源21と、これらを収納する筐体22を主要部品として構成されるものであり、植栽容器3(土壌層2)の後方の位置(植栽容器3(土壌層2)を通過した空気が通過する位置)に配置されるものである。
このように本発明の空気清浄緑化装置は光触媒装置6を植栽容器3(土壌層2)の後方に配置することによって、まず植栽および土壌層2において空気中の汚染物質の大部分を清浄(吸着または/および分解)し、その後、植栽や土壌層2では清浄(吸着または/および分解)しきれなかった空気中の汚染物質(特にタバコ臭)を2種類の光触媒を用いて清浄(吸着または/および分解)するのである。
また、金属担持光触媒層4と多孔質光触媒層5という2種類の光触媒を用いることによって、タバコ臭を確実に清浄(吸着または/および分解)することができるのである。
なお、筐体22の構造としては、光源21によって金属担持光触媒層4および多孔質光触媒層5を活性化させることができるように収納できるものであれば特に限定されるものではなく、各種の構造を採用することができる。そして各種の構造の中でも、図3に示すように、筐体22の前後に空気を通過させるように柵23を設けるとともに係る柵23の内側に光源21を配置し、さらに筐体22内部の左右の側面には板状物を挿入することができるスリット部材24を設けた構造とすれば、図4、5に示すように、係るスリット部材24に板状(フィルター状)にした金属担持光触媒層4と多孔質光触媒層5を挿入することができ、空気を効率的に金属担持光触媒層4と多孔質光触媒層5に通過させることができるので好適である。
また、光触媒装置6に用いられる光源21の種類についても各光触媒層を励起させる波長であれば特に限定されるものではなく、各種の紫外光を用いることができ、また太陽光や室内に設置された蛍光灯などの装置の外部の光を光源として筐体22内に取り込んで、係る外部の光の紫外光や可視光の青〜紫色の光を活用することもできる。そして、これらの光源の中でもLEDを用い、上記のとおり係るLEDを柵23に取り付ける構造とすれば、図5に示すように光触媒に効率よく光を照射することができるので好適である。また、LEDを用いれば、省電力であるとともに使用する光触媒に最適な波長を容易に得ることができ、さらに発熱を抑えることもできるので好適である。
なお、光触媒装置6に収納する金属担持光触媒層4および多孔質光触媒層5の配置形態(順序)については、以下の2つの形態のいずれかを採用することが好ましい。
(1)金属担持光触媒層、多孔質光触媒層の順に空気を通過させる形態(まず金属担持光触媒層において汚染物質の分解を行い、その後分解しきれなかった汚染物質を多孔質光触媒層において吸着しつつ、分解する)。
(2)目の粗い光触媒層から目の細かい光触媒層の順に空気を通過させる形態(まず目の粗い光触媒層において汚染物質の清浄(吸着または/および分解)を行い、その後清浄しきれなかった汚染物質を目の細かい質光触媒層において清浄(吸着または/および分解)する)。
(金属担持光触媒層)
本発明に用いられる金属担持光触媒層4は、酸化チタンまたは酸化亜鉛が有する光触媒機能を特定の金属によってより向上させたものである。具体的には、ステンレスなどの基材の表面または格子内に、酸化チタン又は酸化亜鉛と、白金、金、銀、銅、鉄、亜鉛、ニッケル、コバルトから選ばれる少なくとも1つの金属を担持したもの、または、白金、金、銀、銅、鉄、亜鉛、ニッケル、コバルトから選ばれる少なくとも1つの金属製の基材の表面又は格子内に、酸化チタンまたは酸化亜鉛を担持したものを用いることが好ましい。なお、金属の種類については、清浄効率をより向上させることができる点から、白金、金、銀を用いることが好ましい。
また、金属担持光触媒層4は、空気の通過を確保するためにフィルター状とすることが好ましい。
そして、上記を考慮すると、白金、金、銀を担持した酸化チタンをステンレス製のフィルターに蒸着させたものを用いることが好ましい。
(多孔質光触媒層)
本発明に用いられる多孔質光触媒層5は、多孔質材料と、酸化チタンまたは酸化亜鉛との混合物となっているものである。具体的には、多孔質材料による吸着機能と、酸化チタンまたは酸化亜鉛が有する光触媒機能とを合わせ持つものである。なお、多孔質材料の種類については特に限定されるものではないが、清浄効率を向上させるためにはメソポーラスシリカ、シリカゲル、多孔質シリカ、ゼオライト、アルミナ、メソポーラスアルミノシリケート、メソポーラスカーボン、活性炭から選ばれる少なくとも一種の材料を用いることが好ましい。
また、多孔質光触媒層5についても、空気の通過を確保するためにフィルター状とすることが好ましい。
(送風手段)
送風手段7については、空気を吸気し排気することができるものであれば特に限定されるものではなく、ファンなど各種の送風手段を用いることができる。
なお、送風手段7の筐体8内における設置形態についても特に限定されるものではなく、各種の形態を採用することができる。そしてその中でも、図1に示すように、送風手段7を収納容器9の背面板25(第一空間11と第二空間12の間)に設置する形態とすれば、土壌層2による空気清浄と金属担持光触媒層4および多孔質光触媒層5による空気清浄を1つの送風手段7によって行うことができるので好適である。つまり、送風手段7を収納容器9の背面板25(第一空間11と第二空間12の間)に設置する形態とすれば、室内や屋外などの外部の空気を吸引して植栽容器3(土壌層2)に通過させて土壌層2によって清浄した空気を第一空間11内に回収することと、第一空間11内に回収した空気(土壌層2によって清浄した空気)を第二空間12および光触媒装置6に送り込むことを1つの送風手段7によって行うことができることになるのである。
次に、本発明に係る空気清浄緑化装置の効果を実施例および比較例に基づいて説明する。なお、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(光触媒装置の作製)
まず、金属担持光触媒層として銀を担持した酸化チタンをステンレス製のフィルターに蒸着したもの(フィルターの目の粗さとしては後記の多孔質光触媒層よりも粗い)を用い、多孔質光触媒層として目付け量40g/mの不織布で作製したフィルターの格子表面にメソポーラスシリカと酸化チタンの混合物を塗布して定着させたものを用い、光源としてピーク波長が405nmのLEDを用い、図3に示す筐体に収納することによって光触媒装置を作製した。なお、金属担持光触媒層と多孔質光触媒層については、金属担持光触媒層、多孔質光触媒層の順に空気が通過するように収納した。
(空気清浄緑化装置の作製)
次に、作製した光触媒装置を用いて図1に示す空気清浄緑化装置を作製した。
(実施例1)
まず、1mの箱の中に作製した空気清浄緑化装置と6mgのタバコ一本を入れて密封し、係る箱の中で上記タバコ一本を燃焼した。
次に、運転前の箱内の空気をフレックスポンプ(近江オドエアサービス社製)を用いてテドラバックに採取した後、空気清浄緑化装置を30分間運転した。
次に、空気清浄緑化装置の運転を停止し、箱内の空気をフレックスポンプを用いてテドラバックに採取した。
次に、5種類の基準臭を用いた嗅覚検査に合格した4名の試験者にテドラバックのにおいを以下の0〜5の6段階臭気強度表示法に基づいて評価してもらい、4名の平均値を算出した。
臭気強度0:無臭
臭気強度1:やっと感知できるにおい(検知閾値)
臭気強度2:何のにおいであるかわかる弱いにおい(認知閾値)
臭気強度3:楽に感知できるにおい
臭気強度4:強いにおい
臭気強度5:強烈なにおい
なお、臭気強度(人間が感じるにおいの感覚的強度)は、ウエーバー・フェヒナーの法則が成立すること、すなわち人間が感じるにおいの感覚的強度は臭気物質の濃度の対数に比例することが知られている。より具体的には、人間が感じるにおいの感覚的強度をY、臭気物質の濃度をXとすると、Y=10logXの関係式が成り立つことが知られている(環境省「臭気対策行政ガイドブック」:https://www.env.go.jp/air/akushu/guidebook/01.pdf、環境省「においの評価パンフレット」:https://www.env.go.jp/air/akushu/pamph_hyoka/full.pdf)。従って、臭気強度が1異なることは、臭気物質の濃度に換算すると10倍の差となる。
(比較例1)
多孔質光触媒層の代わりに金属担持光触媒層を用いた(金属担持光触媒層を2層にした)以外は実施例1と同様にして、においの評価を行った。
(比較例2)
金属担持光触媒層の代わりに多孔質光触媒層を用いた(多孔質光触媒層を2層にした)以外は実施例1と同様にして、においの評価を行った。
次に、光触媒を使用するタイプの従前の空気清浄緑化装置との比較評価を行った。
(実施例2)
まず、小窓付きの5mの箱(喫煙室などの室内空間を想定)の中に作製した空気清浄緑化装置と6mgのタバコ一本を入れ、係る箱の中で上記タバコ一本を燃焼した。
次に、5種類の基準臭を用いた嗅覚検査に合格した3名の試験者に箱内の空気を箱の小窓から嗅いでもらい、6段階臭気強度表示法に基づいて運転前のにおいの評価(3名の平均値による評価)を行った。
次に、空気清浄緑化装置の運転を開始し、20分後、40分後、60分後の箱内の空気を3名の試験者に箱の小窓から嗅いでもらい、6段階臭気強度表示法に基づいて評価(3名の平均値による評価)を行った。
(比較例3)
本発明の空気清浄緑化装置の代わりに光触媒を使用するタイプの従前の空気清浄緑化装置(SPP−20iT、盛和工業社製)を用いた以外は実施例2と同様にして、においの評価を行った。
次に、作製した空気清浄緑化装置を用いて、5mの箱におけるにおいの評価(喫煙室などの室内空間を想定したにおいの評価)を行った。
(実施例3)
まず、小窓付きの5mの箱の中に作製した空気清浄緑化装置と6mgのタバコ一本を入れ、係る箱の中で上記タバコ一本を燃焼した。
次に、運転前の箱内の空気をフレックスポンプを用いてフレックサンプラーバッグ(近江オドエアサービス社製)に採取した後、空気清浄緑化装置を60分間運転するとともに、20分ごとに箱内の空気をフレックスポンプを用いてフレックサンプラーバッグに採取した。
次に、5種類の基準臭を用いた嗅覚検査に合格した6名の試験者にテドラバックのにおいを以下の0〜5の6段階臭気強度表示法に基づいて評価してもらい、6名の平均値を算出した。
(比較例4)
多孔質光触媒層の代わりに金属担持光触媒層を用いた(金属担持光触媒層を2層にした)以外は実施例3と同様にして、においの評価を行った。
(比較例5)
金属担持光触媒層の代わりに多孔質光触媒層を用いた(多孔質光触媒層を2層にした)以外は実施例3と同様にして、においの評価を行った。
結果を図6〜8に示す。
まず、図6に示すとおり、実施例1(本発明)の空気清浄緑化装置は、多孔質光触媒層と金属担持光触媒層という2種類の光触媒を併用していることから、6段階臭気強度表示法において2.0という評価結果となった。ここで、6段階臭気強度表示法における2.0は認知閾値(何のにおいであるかわかる弱いにおい)、つまり何のにおいであるかわかるが、気になるレベルのにおいではない水準を示すものであることから、タバコ臭を効果的に低減させることができることが分かった。
一方、比較例1、2の空気清浄緑化装置では、多孔質光触媒または金属担持光触媒という1種類の光触媒を単独で用いた複数層(2層)とした場合であっても、6段階臭気強度表示法において2.8という認知閾値を超える値、すなわち人間にとって気になるレベルのにおいであることから、タバコ臭を清浄できていないという結果となった。
なお、都道府県知事あるいは政令指定都市市長が悪臭防止法第4条に基づいて特定悪臭物質の種類ごとの規制基準を定める際には、臭気強度2.5〜3.5の範囲内においてその基準(濃度)を定めなければならないことが規定されている。従って、臭気強度を2.5よりも低くすることができる本発明の空気清浄緑化装置はタバコ臭を効果的に低減させるものとなり得る。
次に、図7に示すとおり、実施例2(本発明)の空気清浄緑化装置は、従前の光触媒を使用する空気清浄緑化装置に比べて、タバコ臭を迅速かつ効果的に低減させることができるという結果となった。
次に、図8に示すとおり、実際の使用形態を想定した比較評価においても、実施例3(本発明)の空気清浄緑化装置は、多孔質光触媒層と金属担持光触媒層という2種類の光触媒を併用していることから、タバコ臭を迅速かつ効果的に低減させることができるという結果となった。特に、60分経過後の6段階臭気強度表示法における評価は1.9という2未満の評価、すなわち臭気強度2の「タバコ臭であるとわかる(認知閾値)」レベルのものではなく、何らかのにおいがあることはわかるがタバコ臭であるとは認識できないレベルまで空気の清浄ができているとの評価であることから、本発明の空気清浄緑化装置は従前の空気清浄装置では困難であったタバコ臭を迅速かつ効果的に低減させることができることがわかった。
一方、比較例4、5の空気清浄緑化装置は、複数層(2層)ではあるものの、多孔質光触媒または金属担持光触媒という1種類の光触媒のみを用いたものであることから、60分経過後においてもタバコ臭を清浄できていないという結果となった。
なお、比較例5の空気清浄緑化装置(多孔質光触媒を2層としたもの)については、60分経過後の6段階臭気強度表示法における評価が2.2となっており、一見すると実施例3の空気清浄緑化装置における評価結果である1.9と近似しているように見える。しかしながら、段落[0035]に記載のとおり、臭気強度(人間が感じるにおいの感覚的強度)は臭気物質の濃度の対数に比例することから、60分経過後における実施例3と比較例5の空気清浄緑化装置の臭気強度の差0.3は、臭気物質の濃度(タバコ臭成分の濃度)としては約2倍の違いがあることになる。つまり、実施例3(本発明)の空気清浄緑化装置は、60分経過後におけるタバコ臭成分の濃度を比較例5の空気清浄緑化装置を使用した場合よりも約1/2も低減させていることがわかった。これは、タバコ臭成分の中に人体にとって有害な物質も含まれていることを考慮すると有利な効果を示すものである。
以上のことから、本発明の空気清浄緑化装置は、多孔質光触媒層と金属担持光触媒層という2種類の光触媒を併用していることによって、従前の空気清浄装置では困難であったタバコ臭を迅速かつ効果的に低減させることができることがわかった。
本発明の空気清浄緑化装置は、屋外や屋内の空気清浄および緑化に用いることができる。
1 空気清浄緑化装置
2 土壌層
3 植栽容器
4 金属担持光触媒
5 多孔質光触媒層
6 光触媒装置
7 送風手段
8 筐体
9 収納容器
10 背面カバー
11 第一空間
12 第二空間
13 排気手段
14 灌水ポンプ
15 水タンク
16 制御装置
17 設置脚
18 植栽部
19 通気孔
20 背面板
21 光源
22 筐体
23 柵
24 スリット部材
25 背面板

Claims (6)

  1. 土壌層と、
    多孔質光触媒層と、
    金属担持光触媒層と、
    送風手段を備えることを特徴とする空気清浄緑化装置。

  2. 前記多孔質光触媒層が、
    メソポーラスシリカ、シリカゲル、多孔質シリカ、ゼオライト、アルミナ、メソポーラスアルミノシリケート、メソポーラスカーボン、活性炭から選ばれる少なくとも一種の材料と、酸化チタンまたは酸化亜鉛との混合物であることを特徴とする請求項1に記載の空気清浄緑化装置。

  3. 前記金属担持光触媒層が、
    基材の表面または格子内に、
    酸化チタン又は酸化亜鉛と、
    白金、金、銀、銅、鉄、亜鉛、ニッケル、コバルトから選ばれる少なくとも1つの金属を担持したもの、
    または、
    白金、金、銀、銅、鉄、亜鉛、ニッケル、コバルトから選ばれる少なくとも1つの金属製の基材の表面又は格子内に、
    酸化チタンまたは酸化亜鉛を担持したものであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の空気清浄緑化装置。

  4. 前記土壌層が、
    活性炭、木炭、メソポーラスシリカ、シリカゲル、多孔質シリカ、ゼオライト、パーライト、バーミキュライト、軽石から選ばれる少なくとも一種の多孔質材料を含有するものであることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の空気清浄緑化装置。

  5. 前記土壌層、前記金属担持光触媒層、前記多孔質光触媒層、の順に空気を通過させることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の空気清浄緑化装置。

  6. 前記多孔質光触媒層および前記金属担持光触媒層がフィルター層であって、
    前記送風手段によって、
    空気を前記土壌層に通過させた後、
    前記多孔質光触媒層および前記金属担持光触媒層については、目の粗い層から目の細かい層の順に空気を通過させるものであることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の空気清浄緑化装置。
JP2018070233A 2017-03-31 2018-03-30 空気清浄緑化装置 Pending JP2018171447A (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017070968 2017-03-31
JP2017070968 2017-03-31

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2018171447A true JP2018171447A (ja) 2018-11-08

Family

ID=64108070

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018070233A Pending JP2018171447A (ja) 2017-03-31 2018-03-30 空気清浄緑化装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2018171447A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20200004487A (ko) * 2018-07-04 2020-01-14 박헌재 공기 정화용 인더스트리얼 수직 가든

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001239113A (ja) * 2000-03-01 2001-09-04 Mitsubishi Paper Mills Ltd 空気清浄化フィルター
JP2002191931A (ja) * 2000-12-26 2002-07-10 Kajima Corp 脱臭処理装置
JP2007513766A (ja) * 2003-12-16 2007-05-31 キャリア コーポレイション 室内空気品質向上用の二機能層状光触媒/熱触媒

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001239113A (ja) * 2000-03-01 2001-09-04 Mitsubishi Paper Mills Ltd 空気清浄化フィルター
JP2002191931A (ja) * 2000-12-26 2002-07-10 Kajima Corp 脱臭処理装置
JP2007513766A (ja) * 2003-12-16 2007-05-31 キャリア コーポレイション 室内空気品質向上用の二機能層状光触媒/熱触媒

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20200004487A (ko) * 2018-07-04 2020-01-14 박헌재 공기 정화용 인더스트리얼 수직 가든
KR102096168B1 (ko) 2018-07-04 2020-04-24 박헌재 공기 정화용 인더스트리얼 수직 가든

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2007010972A1 (ja) 空気調節装置
KR20150015880A (ko) 공기정화기의 악취 제거 방법 및 그 장치
KR20150104062A (ko) 공기정화기의 악취 제거장치
JP2010022754A (ja) 消臭装置
CN105066309A (zh) 智能家庭生态系统装置
KR20180012021A (ko) 방역형 공기정화 시스템
KR101352776B1 (ko) 실내 공기 정화 장치
JPH09308813A (ja) カセット式空気浄化フィルタ及び脱臭装置
JP2006026239A (ja) 空気清浄機及びこれを用いた収納装置
JP2018171447A (ja) 空気清浄緑化装置
JP3717033B2 (ja) 空気清浄化装置及び空気清浄化方法
KR200279730Y1 (ko) 살균 및 청정 기능을 갖는 복합조명기
CN204477786U (zh) 一种带空气净化的台灯
CN218130886U (zh) 一种纳米光触媒消毒杀菌除味装置
JP2000102598A (ja) 空気浄化膜及びそれを備えた物品
CN211400119U (zh) 一种新型空气净化器
KR200355965Y1 (ko) 공기정화 및 가습기능이 겸비된 장식용 수족관
CN210197529U (zh) 一种静电除异味净化装置
CN208154755U (zh) 一种空调回风口用空气净化装置
JPS63315137A (ja) 空気清浄装置
JP2017063980A (ja) 空気浄化装置
CN201304127Y (zh) 高能离子消毒除味型空气净化机
CN211600930U (zh) 一种具备灭蚊及杀菌消毒功能的空气净化器
CN200997845Y (zh) 一种捕蚊器
KR20050083155A (ko) 살균장치가 내장된 화장지걸이 하우징

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180424

AA64 Notification of invalidation of claim of internal priority (with term)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A241764

Effective date: 20180424

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20210301

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20211109

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20211116

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220107

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220208

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20220802