JP3190132B2

JP3190132B2 - 棒状物品の空気流通装置

Info

Publication number: JP3190132B2
Application number: JP22414792A
Authority: JP
Inventors: 敬幸入倉
Original assignee: Japan Tobacco Inc
Current assignee: Japan Tobacco Inc
Priority date: 1992-08-24
Filing date: 1992-08-24
Publication date: 2001-07-23
Anticipated expiration: 2016-07-23
Also published as: DE69323132D1; JPH0666713A; US5490526A; EP0584773A1; DE69323132T2; EP0584773B1

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、棒状物品としてフィ
ルタ付きシガレットのダイリューション度合を測定する
検査装置に好適した棒状物品の空気流通装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】フィルタ付きシガレットには、そのフィ
ルタの外周面に複数の微細孔を形成したものがあり、こ
のものは、喫煙時、微細孔やその巻紙を通じて流入する
空気により煙流が希釈されると同時にその温度が低下さ
れるため、喫煙者に軽い喫味感を与え、また、ニコチン
やタールの摂取量を大きく低減することができる。

【０００３】それ故、この種のフィルタ付きシガレット
にあっては、微細孔や巻紙を通じて流入する空気量の度
合つまり煙流の希釈度（ダイリューション度合）を個々
に一定としなければ、その喫味感が安定せず、その品質
にばらつきが生じることになる。このようなことから、
シガレットにフィルタを装着するフィルタアタチッメン
トや、また、その完成後のフィルタ付きシガレットに前
記微細孔を形成する穿孔機には、個々のフィルタ付きシ
ガレットの希釈度を検査する検査装置が組み込まれてお
り、その検査装置の一例は例えば特開平３−１７２９３
６号公報に開示されている。

【０００４】この公知の検査装置は搬送ドラム、即ち、
ダイリューションドラムを備えており、このダイリュー
ションドラムはフィルタ付きシガレットの搬送経路を構
成している。つまり、ダイリューションドラムの周面に
は多数の搬送溝が形成されており、フィルタ付きシガレ
ットは、ダイリューションドラムの回転に伴い、個々の
搬送溝に吸引保持された状態で搬送可能となっている。

【０００５】また、ダイリューションドラムの周面に
は、各搬送溝に対して一対ずつの挟持パッドが組み合わ
されている。これら挟持パッドは、その搬送溝の両側に
位置付けられ、ダイリューションドラムの回転に伴い、
互いに接離する方向に移動可能となっている。従って、
フィルタ付きシガレットがダイリューションドラムの周
方向でみて所定の回転角領域に達すると、一対の挟持パ
ッドは、そのフィルタ付きシガレットの両端に押圧され
て、このフィルタ付きシガレットを挟持することにな
る。

【０００６】このようにしてフィルタ付きシガレットが
挟持されると、フィルタ付きシガレットの刻側の一端に
は、一方の挟持パッドを通じて入力空気圧が与えられ、
これに対し、フィルタ側の他端に現れる出力空気圧に関
しては他方の挟持パッドから取り出し可能となってい
る。従って、フィルタ付きシガレットの両端間の入力空
気圧と出力空気圧を夫々検出すれば、これらの差圧に基
づき、そのフィルタの微細孔を通じて流入する空気量の
度合つまり煙流の希釈度を求めることができる。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した検
査装置の挟持パッドは弾性を有した合成ゴムからなり、
その円形のパッド面の中央には開口が形成されている。
また、パッド面は、周囲に比べて肉厚が薄く、弾性変形
の容易な平坦面に形成されている。従って、挟持パッド
がそのパッド面を介してフィルタ付きシガレットの端面
に押し付けられても、この端面を損傷させるようなこと
はない。

【０００８】しかしながら、フィルタ付きシガレットに
おいて、通常、その円筒度やその軸線に対しての両端面
の直角度に関し、ある程度のばらつきは避けることがで
きない。このため、挟持パッドのパッド面がフィルタ付
きシガレットの端面に押し付けられても、この端面とパ
ッド面との間に隙間が生じてしまう。このような隙間は
空気漏れを引き起こすことから、前述した入力空気圧及
び出力空気圧の検出に誤差を発生させ、そのフィルタ付
きシガレットの希釈度が正確に検出できなくなる。

【０００９】また、機械の高速化に伴い、フィルタ付き
シガレットにおける前記回転角領域の通過時間が短くな
ると、空気漏れに起因する希釈度の誤差はより大きなも
のとなる。この発明は、上述した事情に基づいてなされ
たもので、その目的とするところは、前述の希釈度の検
査装置に好適し、フィルタ付きシガレットのような棒状
物品に対し、空気漏れを生じることなく、入力空気圧の
供給や出力空気圧の取り出しを可能とする棒状物品の空
気流通装置を提供することにある。

【００１０】

【課題を解決するための手段】この発明の棒状物品の空
気流通装置は、搬送ドラムの両側に設けられ、棒状物品
とともに搬送経路に沿って搬送されるとともに棒状物品
の軸線方向に移動可能な一対のパッドホルダと、各パッ
ドホルダにそれぞれ取り付けられ、棒状物品が所定の位
置まで搬送されたとき、パッドホルダが休止位置から作
動位置に移動することにより棒状物品の両端に押し付け
られ、棒状物品を挟持する一対の挟持パッドと、棒状物
品が一対の挟持パッド間に挟持されているとき、一方の
挟持パッドを通じ棒状物品の一端に入力空気圧を供給
し、棒状物品の他端の出力空気圧を他方の挟持パッドを
通じて取り出し可能とする入出力手段とを備えている。

【００１１】そして、前記挟持パッドは、前記棒状物品
の対応する側の端面に面するパッド面と、このパッド面
の外周部に該外周部を他の部位よりも薄肉して形成され
た薄肉部とを有し、そして、この薄肉部はパッドホルダ
が前記作動位置にあるときには前記棒状物品の前記端面
に向けて突出状態となる環状の膨出部を形成し、この環
状の膨出部は前記作動位置にて、前記棒状物品の前記端
面の外周縁に弾性変形して密着する。

【００１２】

【作用】上述した空気流通装置によれば、搬送経路上を
棒状物品が搬送されるとき、この棒状物品が所定の位置
に達するまで間、一対のパッドホルダは休止位置にあ
る。この後、棒状物品が所定の位置に達すると、一対の
パッドホルダは休止位置から作動位置に移動し、このと
き、挟持パッドのパッド面は、その膨出部が棒状物品の
対応する端縁に当接して弾性変形し、これにより、棒状
物品の端部を包み込むようにして、その端縁に気密に密
着する。

【００１３】

【実施例】図１を参照すると、フィルタ付きシガレット
のダイリューション検出装置２が示されている。このダ
イリューション検出装置２は、シガレットにフィルタを
装着するフィルタアタッチメントや、また、完成後、フ
ィルタ付きシガレットのフィルタに微細孔を形成する穿
孔機に組み込まれるものである。なお、フィルタアタッ
チメントにあっては、予め微細孔が形成されているチッ
プペーパが使用されている。

【００１４】ダイリューション検出装置２は駆動軸４を
備えており、この駆動軸４は軸受ハウジング６を貫通し
て延びている。軸受ハウジング６は、立設されたベース
８を貫通して固定されており、その両端部内には一対の
軸受１０が取り付けられている。従って、駆動軸４はベ
ース８側に一対の軸受１０を介して回転自在に支持され
ている。

【００１５】駆動軸４の一端は軸受ハウジング６から突
出し、その突出端には駆動ギヤ１２がキー１４を介して
取り付けられている。駆動ギヤ１２は図示しないがギヤ
列を介して駆動源に接続されており、駆動軸４は駆動源
からの駆動力を受けて回転駆動可能となっている。駆動
軸４の他端側もまた軸受ハウジング６から突出されてお
り、この他端部にはフランジ付きのスリーブ１６を介し
てダイリューションドラム１８が取り付けられている。
駆動軸４とスリーブ１６との間は、キー２０を介して連
結されており、一方、スリーブ１６とダイリューション
ドラム１８との間は連結ねじ２２を介してフランジ結合
されている。従って、ダイリューションドラム１８は駆
動軸４と一体的に回転駆動されることになる。

【００１６】ダイリューションドラム１８の外周面に
は、多数の搬送溝２４が設けられており、これら搬送溝
２４は断面半円形をなし且つダイリューションドラム１
８の軸方向に延びている。図示の実施例の場合、搬送溝
２４は複数の周溝によって、その溝方向に分割されたも
のとなっている。各搬送溝２４の底には複数の吸引孔２
６の一端が開口しており、その他端側はダイリューショ
ンドラム１８内をその径方向内方に向かって延びてい
る。

【００１７】更に、ダイリューションドラム１８には、
対応する搬送溝２４と回転位相を同一にして軸方向孔２
８が形成されており、この軸方向孔２８にその搬送溝２
４における吸引孔２６の他端が接続されている。軸方向
孔２８は、ダイリューションドラム１８の一方の端面に
開口しており、これら開口は、コントロールリング３０
によって覆われている。コントロールリング３０は、固
定リング３２上を回転不能にして摺動自在に支持されて
いる。なお、固定リング３２の支持手段は図示されてい
ない。

【００１８】また、コントロールリング３０と固定リン
グ３２との間には、図示しないけれども付勢ばねが介装
されており、この付勢ばねにより、コントロールリング
３０はダイリューションドラム１８の端面に気密を保持
して押圧されている。従って、ダイリューションドラム
１８は、その端面がコントロールリング３０の内面に摺
接しながら回転駆動されることになる。

【００１９】コントロールリング３０の内面には環状の
吸引制御溝３４が形成されており、ダイリューションド
ラム１８の回転に伴い、各軸方向孔２８の開口は吸引制
御溝３４に順次接続可能となっている。ここで、吸引制
御溝３４は、図２に示すようにダイリューションドラム
１８の回転方向Ｒでみて、回転角領域θ1に亘って延び
ている。

【００２０】図示しないけれども、吸引制御溝３４は吸
引チューブを通じて送風機等の負圧源に接続されてお
り、従って、吸引制御溝３４には、常時所定の吸引圧が
供給されている。また、コントロールリング３０の内面
には、前記回転方向Ｒでみて回転角領域θ2に亘って大
気開放溝（図示しない）が形成されており、この大気開
放溝は大気に常時連通している。

【００２１】従って、ダイリューションドラム１８の回
転に伴い、各搬送溝２４と組をなす軸方向孔２８が回転
角領域θ1に進入して、コントロールリング３０の吸引
制御溝３４に連通すると、この吸引制御溝３４がその軸
方向孔２８及び吸引孔２６を通じて搬送溝２４に接続さ
れ、この搬送溝２４に吸引圧が伝達されることになる。

【００２２】このようにして搬送溝２４に吸引圧が供給
されると、フィルタアタッチメントや穿孔機において、
そのダイリューションドラム１８よりも直上流に位置し
且つこのドラム１８と同様な構成の前段の搬送ドラムか
ら、その搬送溝２４にフィルタ付きシガレットが吸引さ
れて乗り移る。この後、フィルタ付きシガレットは、そ
の軸方向溝２８が吸引制御溝３４に接続されている限
り、つまり、前記回転角領域θ1を通過する間、搬送溝
２４に吸引保持されながら搬送される。

【００２３】しかしながら、ダイリューションドラム１
８が更に回転し、搬送溝２４の軸方向溝２８が大気開放
溝に接続されると、その時点でフィルタ付きシガレット
の吸引が解除され、そして、このフィルタ付きシガレッ
トは、ダイリューションドラム１８の直下流に位置する
後段の搬送ドラムに乗り移って搬送されていくことにな
る。

【００２４】そして、ダイリューションドラム１８の外
周面には、個々の搬送溝２４毎に一対のパッドアセンブ
リ３６が備えられており、これらパッドアセンブリ３６
は対応する搬送溝２４の両側に位置付けられている。図
１中、パッドアセンブリ３６は１点鎖線で囲んだブロッ
クのみで示されているが、その詳細は図３に示されてい
る。

【００２５】ここで、各搬送溝２４の両側に位置する一
対のパッドアセンブリ３６は実質的に同一の構成となっ
ているので、以下には図３でみて搬送溝２４の右側に位
置するパッドアセンブリ３６について説明する。先ず、
ダイリューションドラム１８の右端面からは軸部１８ａ
が一体にして且つ同軸に突出されており、この軸部１８
ａには、段付き形状をなした支持リング３８がその段差
面４０を搬送溝２４に向けて取り付けられている。この
支持リング３８は軸部１８ａに固定されており、これに
より、支持リング３８はダイリューションドラム１８と
一体にして回転される。また、支持リング３８における
小径リング部３８ｓの外周面には所定の幅を有する周溝
４２が形成されており、この周溝４２の一方の溝壁は前
記段差面４０と面一となっている。

【００２６】段差面４０からは中空のガイドピン４４が
突設されており、このガイドピン４４は、その組をなす
搬送溝２４に対して同軸上に位置付けられている。従っ
て、ガイドピン４４の内部通路４６は、その突出側の一
端が搬送溝２４に向けて開口されている。一方、ガイド
ピン４４の他端部は支持リング３８の大径リング部３８
ｂ内に埋設されており、その内部通路４６の他端は大径
部３８ｂ内に形成した入力孔４８に連通されている。入
力孔４８は、ガイドピン４４の他端から大径部３８ｂ内
を一旦同軸にして延びてから径方向外側に折曲されて、
その外周面に開口されており、その開口は入力ポート５
０となっている。

【００２７】ガイドピン４４にはパッドホルダ５２が取
り付けられており、このパッドホルダ５２はガイドピン
４４上を摺動自在となっている。パッドホルダ５２から
は、前述した小径リング部３８ｓの周溝４２に向けて、
ホルダアーム５４が一体にして突出されており、このホ
ルダアーム５４の先端は周溝４２内に位置付けられてい
る。

【００２８】ホルダアーム５４の先端部には、ガイドピ
ン４４と平行にして駆動ロッド５６が貫通しており、こ
の駆動ロッド５６とホルダアーム５４とは止めねじ５８
により相互に連結されている。従って、ホルダアーム５
４即ちパッドホルダ５２と駆動アーム５６とは一体にし
て移動可能である。なお、支持リング３８の小径リング
部３８ｓには、その内周面から周溝４２の底まで延びる
径方向孔６０が形成されており、この径方向孔６０は前
記止めねじ５８をホルダアーム５４にねじ込むのに利用
される。

【００２９】駆動ロッド５６のホルダアーム５４から延
びる一端側の部位は、小径リング部３８ｓ内に同軸にし
て形成されたガイド孔６２に進入し、ガイドスリーブ６
４を介して摺動自在に案内されている。従って、ガイド
孔６２は一端が小径リング部３８ｓの一方の端面に開口
し、その他端が前記周溝４２に臨んで開口するものとな
っている。

【００３０】一方、駆動ロッド５６の他端側の部位は、
ホルダアーム５４から大径ロッド部５６ｂとなって延
び、この大径ロッド部５６ｂは小径リング部３８ｓ内を
ガイドスリーブ６５を介して摺動自在に貫通している。
なお、支持リング３８が駆動ロッド５６の摺動に耐え得
る材質からなっていれば、前述したガイドスリーブ６
４，６５は省略することができる。

【００３１】大径ロッド５６ｂの先端には、Ｌ字形をな
したローラホルダ６６が取り付けられている。このロー
ラホルダ６６はローラ６８を回転自在に支持しており、
このローラ６８のローラ軸は、支持リング３８の径方向
に延びている。ローラ６８の近傍には、フェースカム７
０のカム面７２が位置付けられており、ローラ６８はこ
のカム面７２に常時押圧付勢されている。即ち、駆動ロ
ッド５６の一端側を案内するガイドスリーブ６４とパッ
ドホルダ５２のホルダアーム５４との間には、駆動ロッ
ド５６を囲むようにして圧縮コイルばね７４が配置され
ている。つまり、圧縮コイルばね７４の一端は、ガイド
スリーブ６４の端面を固定のばね座として、このばね座
に支持されており、その他端はホルダアーム５４に当接
されている。従って、圧縮コイルばね７４は、ホルダア
ーム５４つまり駆動ロッド５６をフェースカム７０に向
けて付勢するものとなっている。なお、フェースカム７
０は、図１を参照すれば明かなように、前述した軸受ハ
ウジング６に複数の固定ねじ７３を介して固定されてい
る。

【００３２】フェースカム７０のカム面７２は、ダイリ
ューションドラム１８の回転に伴い、各パッドアセンブ
リ３６が所定の回転角領域θ3を通過するとき、そのロ
ーラ６８に一定のカムリフトを与えるものとなってい
る。回転角領域θ3は、図２に示されているように前述
した回転角領域θ1内に存在しており、また、前記回転
角領域θ1の始端を基準としてローラ６８のカムリフト
を表した場合、図４に示すように、そのカムリフトは、
回転角領域θ3の始端から徐々に増加して最大となり、
この後、その最大値をある期間維持してから徐々に減少
するものとなっている。

【００３３】なお、支持リング３８の大径リング部３８
ｂからは、カバーリング７６が延長して取り付けられて
おり、このカバーリング７６は、フェースカム７０のカ
ム面７２とローラ６８とを覆うものとなっており、この
カバーリング７６により、カム面７２とローラ６８との
間への異物の噛み込みを防止することができる。そし
て、パッドアセンブリ３６のパッドホルダ５２には、ガ
イドピン４４を覆うようにして挟持パッド７８が装着さ
れている。この挟持パッド７８は、ウレタンゴムやニト
リルゴムなどの軟質ゴムからなり、全体として中空の筒
形状をなしている。

【００３４】ここで、挟持パッド７８の形状に関して詳
述すると、挟持パッド７８は肉厚の基部８０と、この基
部８０よりも薄肉の先端部８２とからなり、基部８０は
パッドホルダ５２の装着部に外側から嵌合され、一方、
先端部はガイドピン４４の先端に外側から気密を存して
嵌合されている。挟持パッド７８における先端部の端面
は、パッド面８４として形成されており、このパッド面
８４は自由状態において、環状の膨出部８６を有してい
る。即ち、図５及び図６に示されているように、パッド
面８４の中央部はその基部８０よりも小径の係止部８４
ａとして形成され、この係止部８４ａがガイドピン４４
の先端に形成した係止溝に係止して固定されるようにな
っている。

【００３５】係止部８４ａの外周縁と基部８０との間
は、断面Ｕ字形をなした環状の薄肉部によって接続され
ており、この薄肉部が前記膨出部８６となっている。な
お、膨出部８６は、断面Ｕ字形を有するものに限らず、
断面コ字形であってもよい。そして、支持リング３８の
大径リング部３８ｂには、その外周面が気密を存して摺
接される入力側ターミナル８８が固定して配置されてお
り、この入力側ターミナル８８は円弧形状をなしたプレ
ートからなり、前述した回転角領域θ3内に位置付けら
れている。

【００３６】入力側ターミナル８８には一端がその内周
面に開口し、他端がその外周面に開口する２つの孔が形
成されており、これら孔のうち、図７に示されているよ
うにダイリューションドラム１８の回転回入側に位置す
る孔は予圧供給孔９０として形成されており、また、そ
の回転回出側に位置する孔は測定圧供給孔９２として形
成されている。これら予圧供給孔９０及び測定圧供給孔
９２の夫々は図示しないけれども、独立した空圧源に接
続されており、これら空圧源から所定の予圧及び測定圧
が供給されるようになっている。また、予圧供給孔９０
及び測定圧供給孔９２には、図示しないけれども圧力セ
ンサが夫々接続されている。

【００３７】一方、図３でみてダイリューションドラム
１８の左側に位置するパッドアセンブリ３６に関して
は、前述したように右側のパッドアセンブリと実質的に
同一の構成となっているから、図３及び図７中、同一の
機能を有する部材及び部位には同一の参照符号を付し
て、その説明を省略し、以下には相違する点のみを説明
する。

【００３８】先ず、左側のパッドアセンブリ３６と組を
なすフェースカム７０は、図１から明かなように前述し
た固定リング３２にスペーサリング９４及び固定ねじ９
６を介して固定されている。また、左側の各パッドアセ
ンブリ３６にあっては、前記入力孔４８が出力孔９７と
なっており、また、出力孔９７の開口は出力ポート９８
となっている。

【００３９】そして、左側のパッドアセンブリ３６に
は、前述した入力側ターミナル８８ではなく、出力側タ
ーミナル１００が組み合わされており、この出力側ター
ミナル１００もまた、前述の回転角領域θ3内に位置付
けられている。出力側ターミナル１００には１つの孔が
形成されており、この孔は検出圧出力孔１０２となって
いる。この検出圧出力孔１０２は、前述した測定圧供給
孔９２に対し、ダイリューションドラム１８の周方向で
みた回転角位相を合わせて位置付けられている。

【００４０】なお、検出圧供給孔１０２にも図示しない
けれども、圧力センサが接続されている。また、図１、
図３、図５及び図７において、参照符号ＦＴは、そのフ
ィルタに微細孔が既に形成されているフィルタ付きシガ
レットを示している。上述したダイリューション検査装
置によれば、前述したように前段の搬送ドラムから、ダ
イリューションドラム１８の回転に伴い、１つの搬送溝
２４にフィルタ付きシガレットＦＴが乗り移る。

【００４１】このとき、その搬送溝２４と組をなす一対
のパッドアセンブリ３６の駆動ロッド５６は、フェース
カム７０のカム面７２によってはリフトされていない状
態にあり、従って、駆動ロッド５６即ちパッドホルダ５
２は、支持リング３８の段差面４０に近接した休止位置
に位置付けられている。この休止位置では、パッドホル
ダ５２はその挟持パッド７８の基部８０を段差面４０側
に向けて引っ張ることから、挟持パッド７８のパッド面
８４即ちその膨出部８６は弾性変形を受け、自由状態か
ら引き伸ばされた状態にある。この結果、図３中上側の
部分のパッドアセンブリ３６に示してあるように、挟持
パッド７８は、そのパッド面８４がフィルタ付きシガレ
ットＦＴの端部から所定の間隔を存して離間した状態に
ある。

【００４２】この後、搬送溝２４に吸引保持されながら
フィルタ付きシガレットＦＴが搬送され、そして、回転
角領域θ3に進入すると、両側のパッドアセンブリ３６
の駆動ロッド５６は、フェースカム７０のカム面７２と
ローラ６８により、圧縮コイルばね７４に抗してリフト
し始め、そのパッドホルダ５２はガイドピン４４に案内
されながら、その搬送溝２４側に移動する。従って、挟
持パッド７８もまた図７に示されているように、その搬
送溝２４のフィルタ付きシガレットＦＴに向けて移動す
る。

【００４３】駆動ロッド５６のリフトが最大になると、
両側の挟持パッド７８の移動量も最大となって作動位置
に位置付けられ、この作動位置では、これら挟持パッド
７８はその搬送溝２４上のフィルタ付きシガッレットＦ
Ｔの端部に押し付けられて、このフィルタ付きシガレッ
トＦＴを挟持する。ここで、挟持パッド７８の移動量が
最大になる状態にあっては、その基部８０がパッドホル
ダ５２によりガイドピン４４の先端側に押し戻されるこ
とから、挟持パッド７８のパッド面８４はその引っ張り
が解除されて自由状態に復帰し、この結果、パッド面８
４には、ガイドピン４４の先端から突出するようにして
環状の膨出部８６が形成される。この状態は、図３中、
下側部分のパッドアセンブリ３６に関して示されてい
る。

【００４４】このようにして膨出部８６が形成された状
態で、挟持パッド７８のパッド面８４がフィルタ付きシ
ガレットＦＴの端面に押し付けられると、図５中、２点
鎖線で示してあるように、膨出部８６はフィルタ付きシ
ガレットＦＴの端部を包込むようにして弾性変形し、そ
の端部の周縁に気密に密着することになる。この後、フ
ィルタ付きシガッレトＦＴが入力側及び出力側ターミナ
ル８８，１００の領域まで搬送されると、一方の側つま
り図３でみて右側に位置するパッドアセンブリ３６の入
力ポート５０が入力側ターミナル８８の予圧供給孔９０
に接続され、この予圧供給孔９０から入力ポート５０を
通じて予圧が導入される。この予圧は、入力ポート５０
から入力孔４８、ガイドピン４４の内部通路４６を通じ
て、フィルタ付きシガレットＦＴの端面つまりその刻側
の端面に与えられる。一方、このとき、左側のパッドア
センブリ３６における出力ポート９８は出力側ターミナ
ル１００によって閉塞された状態にある。従って、フィ
ルタ付きシガレットＦＴ内の圧力は予備的に高められ
る。

【００４５】この後、右側のパッドアセンブリ３６の入
力ポート５０が入力側ターミナル８８の測定圧供給孔９
２に引き続いて接続されると、この測定圧供給孔９２か
ら入力ポート５０を通じて測定圧が供給され、フィルタ
付きシガレットＦＴの刻側の端面に測定圧が供給され
る。一方、このときには、左側のパッドアセンブリ３６
の出力ポート９８は出力側ターミナル１００の検出圧出
力孔１０２に接続された状態にあり、フィルタ付きシガ
レットＦＴにおいては、その刻側の端面からそのフィル
タの端面に向かう空気の流れが生成されることになる。

【００４６】従って、この時点で、入力側ターミナル８
８の測定圧供給孔９２及び出力側ターミナル１００の検
出圧出力孔１０２での圧力、つまり、測定圧及び検出圧
を夫々測定すれば、これらの差圧に基づき、フィルタ付
きシガレットＦＴのダイリューション度合を検出するこ
とができる。即ち、測定圧をＰi、検出圧をＰoとすれ
ば、ダイリューション度合Ｄは次式から算出される。

【００４７】Ｄ＝（Ｐi−Ｐo）／Ｐi ×１００（％）ここで、フィルタ付きシガレットＦＴの両端には、各挟
持パッド７８のパッド面８４即ちその膨出部８６が気密
にして密着されているから、これら挟持パッド７８のパ
ッド面８４とフィルタ付きシガレットＦＴの端面との間
に隙間が生じて、この隙間から空気が漏れたりすること
はない。従って、測定圧と検出圧との間の差圧から求め
たダイリューション度合は正確な値となる。

【００４８】この後、そのフィルタ付きシガレットＦＴ
が入力側及び出力側ターミナル８８，１００の領域を通
過すると、両側のパッドアセンブリ３６における挟持パ
ッド７８は、フェースカム７０のカムリフトが減少され
始めることにより、作動位置から休止位置に向けて移動
され、フィルタ付きシガレットＦＴの両端面から離間す
る。なお、上述したダイリューション度合の検査が終了
したフィルタ付きシガレットＦＴは、前述したようにダ
イリューションドラム１８から後段の搬送ドラムに乗り
移って搬送されていくことになる。

【００４９】この発明は上述した一実施例に制約される
ものではなく、種々の変形が可能である。例えば、一実
施例の挟持パッド７８は、パッドホルダ５２が休止位置
から作動位置に移動したときに、そのパッド面８４が自
由状態に復帰して、パッド面８４に環状の膨出部８６が
形成されるタイプのものとなっているが、この一実施例
の挟持パッド７８とは逆に、パッドホルダ５２が休止位
置にあるとき、そのパッド面は自由状態にあり、作動位
置に移動したとき、パッド面に膨出部が形成されるよう
な挟持パッドであってもよいし、更には、パッドホルダ
５２の休止位置及び作動位置に拘らず、そのパッド面に
常時膨出部を有する挟持パッドであっても良い。

【００５０】また、この発明は棒状物品としてフィルタ
付きシガレットに適用したが、これ以外にもダイリュー
ション検査を必要とする各種の棒状物品にも適用可能で
あることはいうまでもない。更に、棒状物品の搬送経路
はドラム以外のものであってもよいし、パッドホルダの
往復動機構に関しても図示のものに限定されるものでは
ない。

【００５１】

【発明の効果】以上説明したように、この発明の空気流
通装置によれば、パッドホルダが休止位置から作動位置
に移動したとき、挟持パッドのパッド面はその環状の膨
出部が棒状物品の端部に押し付けられることから、パッ
ド面の膨出部は、棒状物品の端部を包み込むようにして
弾性変形し、その端部の周縁に気密を保持して密着す
る。従って、これらパッド面と棒状物品との間に隙間が
生じることはなく、上記挟持パッドを備えるだけの簡単
な構造で、一方の挟持パッドを通じて棒状物品の一端に
入力圧を正確に与えることができ、また、他方の挟持パ
ッドを通じて棒状物品の他端から出力圧を正確に取り出
すことができるなどの優れた効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】図２中、Ｉ−Ｉ線に沿うダイリューションドラ
ムの断面図である。

【図２】図１のダイリューションドラムの正面図であ
る。

【図３】図１のダイリューションドラムのパッドアセン
ブリを示した拡大断面図である。

【図４】フェースカムのカムリフトを示したグラフであ
る。

【図５】挟持パッドの拡大断面図である。

【図６】図５の挟持パッドのパッド面を示した正面図で
ある。

【図７】ダイリューションドラムの周面の一部を展開し
て示した図である。

【符号の説明】

１８ダイリューションドラム２４搬送溝３６パッドアセンブリ４４ガイドピン４６内部通路４８入力孔５０入力ポート５２パッドホルダ５６駆動ロッド６８ローラ７０フェースカム７２カム面７４圧縮コイルばね７８挟持パッド８４パッド面８６膨出部９７出力孔９８出力ポート

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) G01N 15/08 A24C 5/34

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】外周面に規定された搬送経路上に一端か
ら他端に向かって空気が流通可能な棒状物品を受取り、
回転に伴い棒状物品をその軸線方向とは直交する方向に
前記搬送経路に沿って搬送する搬送ドラムと、搬送ドラムの両側にそれぞれ設けられ、棒状物品ととも
に搬送経路に沿って搬送されるとともに棒状物品の軸線
方向に移動可能な一対のパッドホルダと、各パッドホルダにそれぞれ取り付けられ、棒状物品が所
定の位置まで搬送されたとき、パッドホルダが休止位置
から作動位置に移動することにより棒状物品の両端に押
し付けられ、棒状物品を挟持する一対の挟持パッドと、棒状物品が前記一対の挟持パッド間に挟持されていると
き、一方の挟持パッドを通じて棒状物品の一端に入力空
気圧を供給し、棒状物品の他端の出力空気圧を他方の挟
持パッドを通じて取り出し可能とする入出力手段とを備
えており、前記各挟持パッドは、前記棒状物品の対応する側の端面
に面するパッド面と、前記パッド面の外周部に該外周部
を他の部位よりも薄肉して形成された薄肉部とを有し、前記薄肉部は前記パッドホルダが前記作動位置にあると
きには前記棒状物品の前記端面に向けて突出状態となる
環状の膨出部を形成し、前記環状の膨出部は前記作動位
置にて、前記棒状物品の前記端面の外周縁に弾性変形し
て密着することを特徴とする棒状物品の空気流通装置。