JP3190106B2 - 二液性接着剤組成物 - Google Patents

二液性接着剤組成物

Info

Publication number
JP3190106B2
JP3190106B2 JP11055792A JP11055792A JP3190106B2 JP 3190106 B2 JP3190106 B2 JP 3190106B2 JP 11055792 A JP11055792 A JP 11055792A JP 11055792 A JP11055792 A JP 11055792A JP 3190106 B2 JP3190106 B2 JP 3190106B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
weight
group
compound
acid
parts
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP11055792A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH05306379A (ja
Inventor
栄一 寺山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Konishi Co Ltd
Original Assignee
Konishi Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Konishi Co Ltd filed Critical Konishi Co Ltd
Priority to JP11055792A priority Critical patent/JP3190106B2/ja
Publication of JPH05306379A publication Critical patent/JPH05306379A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3190106B2 publication Critical patent/JP3190106B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、常温で短時間で硬化
し、多種材料に対して優れた接着性を有し、かつ安全性
の高い二液性アクリル系接着剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】二液性のアクリル系接着剤は、常温での
速硬化、多種材料に対する優れた接着性、強靭な接着特
性、油面接着性等を有する故に、建材、電気、機械、車
両等、多くの分野でその使用が拡大しつつある。
【0003】この二液性アクリル系接着剤の第1の成分
は、主に水酸基及びカルボキシル基を有しないアクリル
化合物又は水酸基及びカルボキシル基を有しないメタ
クリル系化合物と有機過酸化物とからなり、第2の成分
は常温にて水酸基及びカルボキシル基を有しないアクリ
ル又はメタクリル系化合物の重合を開始させる活性化剤
からなる。第2の成分にさらに水酸基及びカルボキシル
基を有しないアクリル系化合物又は水酸基及びカルボキ
シル基を有しないメタクリル系化合物を配合したものも
使用されている。
【0004】一般的には、さらに、第1、第2の成分の
どちらか一方もしくは両方に、ポリマーあるいはエラス
トマー、接着促進剤、安定剤等を配合し、粘度調節、接
着性の付与、保存安定性の改良等をおこなつている。
【0005】これらの二液性アクリル系接着剤の中で、
米国特許第3890407号或いは特開昭55−652
775号等に開示されている組成物は、クロルスルホン
化ポリエチレン単独又は塩化スルホニルと塩素化ポリエ
チレンとの混合物、水酸基及びカルボキシル基を有しな
アクリル系化合物又は水酸基及びカルボキシル基を有
しないメタクリル系化合物、及び有機過酸化物からな
り、アミン−アルデヒド縮合物との接触により急速に硬
化することができるものである。
【0006】また、特開昭57−87484号には、ク
ロルスルホン化ポリエチレン単独又は塩化スルホニルと
塩素化ポリエチレンとの混合物、テトラヒドロフルフリ
ルメタクリレート又はテトラヒドロフルフリルアクリレ
ート、他の水酸基及びカルボキシル基を有しないアクリ
ル系又はメタクリル系化合物、有機過酸化物、及び安定
剤からなる組成物が開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記のクロルスルホン
化ポリエチレン単独又は塩化スルホニルと塩素化ポリエ
チレンとの混合物を使用した二液性アクリル系接着剤
は、接着性改良剤又は硬化促進剤としてメタクリル酸又
はアクリル酸を使用している。メタクリル酸やアクリル
酸は皮膚刺激性が強く、取扱いに厳重な注意を要する。
また、刺激臭も在り、これらを接着剤に配合すること
は、本来好ましいことではない。
【0008】本発明は、上記従来技術の問題点を解決
し、クロルスルホン化ポリエチレン単独又は塩化スルホ
ニルと塩素化ポリエチレンとの混合物を使用した二液性
アクリル系接着剤において、メタクリル酸又はアクリル
酸を含まず安全性が高く、接着性、保存安定性にも優れ
た二液性接着剤組成物を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の目的を
達成するために本発明者が鋭意研究を重ねた結果完成し
たものであって、本発明者は、メタクリル酸又はアクリ
ル酸の代わりとしての、アルキレン基の炭素数が2〜4
のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートと多価カル
ボン酸又は無水カルボン酸との反応で得られるカルボキ
シル基含有単量体と、安定剤の一つとしての単官能エポ
キシ化合物とを組み合わせることにより、保存安定性、
接着強さ、安全性に優れた二液性アクリル系接着剤組成
物が得られることを見出だし、本発明を完成するに至っ
た。すなわち、本発明の二液性接着剤組成物は、(A) (1)水酸基及びカルボキシル基を有しないアク
リル系化合物ならびに水酸基及びカルボキシル基を有し
ないメタクリル系化合物からなる群から選ばれた少なく
とも一種の化合物(単官能エポキシ化合物を除く)、 (2)クロルスルホン化ポリエチレン単独又は塩化スル
ホニルと塩素化ポリエチレンとの混合物、 (3)有機過酸化物、
【0010】(4)アルキレン基の炭素数が2〜4のヒ
ドロキシアルキルアクリレート又はヒドロキシアルキル
メタクリレートと多価カルボン酸又は無水カルボン酸と
の反応により得られるカルボキシル基含有単量体、 (5)単官能エポキシ化合物、及び (6)酸化防止剤よりなる第1成分と (B) アミン系活性化剤よりなる第2成分とからなるも
のである。
【0011】クロルスルホン化ポリエチレン単独又は塩
化スルホニルと塩素化ポリエチレンとの混合物を使用し
た二液性アクリル系接着剤においては、従来より脱塩素
安定剤として、ビスフェノールA型ジグリシジルエーテ
ルが使用されている。しかしながら、メタクリル酸やア
クリル酸の代替として、アルキレン基の炭素数が2〜4
のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートと多価カル
ボン酸又は無水カルボン酸との反応により得られるカル
ボキシル基含有単量体を使用した場合、ビスフェノール
A型ジグリシジルエーテルを安定剤として使用すると、
短期間でゲル化し、逆に保存安定性を損ねてしまうこと
がわかつた。また、このビスフェノールA型ジグリシジ
ルエーテルを除いてしまうと、脱塩素安定剤としての効
果が得られず、ゲル化はしないが、短期間のうちに接着
剤としての機能を失ってしまうことも分かつた。
【0012】本発明者は上記の事実に基づき種々考究し
た結果、前記カルボキシル基含有単量体を使用する場合
には、単官能エポキシ化合物を脱塩素安定剤として使用
することにより、接着性、保存安定性、安全性に優れた
二液性アクリル系接着剤組成物が得られることを見出だ
した。
【0013】上記したアルキレン基の炭素数が2〜4の
ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートと多価カルボ
ン酸又は無水カルボン酸との反応により得られるカルボ
キシル基含有単量体としては、2−アクリロイルオキシ
エチルコハク酸、2−アクリロイルオキシエチルフタル
酸、2−アクリロイルオキシエチルマレイン酸、2−ア
クリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2−メ
タクリロイルオキシエチルコハク酸、2−メタクリロイ
ルオキシエチルマレイン酸、2−メタクリロイルオキシ
エチルフタル酸、2−メタクリロイルオキシエチルヘキ
サヒドロフタル酸、2−メタクリロイルオキシプロピル
マレイン酸、2−メタクリロイルオキシブチルフタル
酸、2−メタクリロイルオキシエチルトリメリット酸等
が挙げられる。なお、無水カルボン酸とアルコール類が
加温下において容易に反応しエステルを形成することは
公知である。したがって、例えば、無水フタル酸と2−
ヒドロキシエチルメタクリレートを他の単量体ととも
に、接着剤原料として仕込み、クロルスルホン化ポリエ
チレン等を加熱溶解するような製造工程をとった場合
は、接着剤製造中に、メタクリロイルオキシエチルフタ
ル酸が生成しているので、かかる態様も本発明の範囲に
包含される。
【0014】上記カルボキシル基含有単量体は、接着剤
全組成物100重量部に対して、1〜50重量部配合さ
れるのが好ましく、特に2〜20重量部配合されるのが
好ましい。
【0015】本発明において使用される水酸基及びカル
ボキシル基を有しないアクリル系又はメタクリル系化合
としては、メチルアクリレート、エチルアクリレー
ト、2−エチルヘキシルアクリレート等のアルキルアク
リレート;
【0016】メチルメタクリレート、エチルメタクリレ
ート、t−ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシル
メタクリレート、ラウリルメタクリレート等のアルキル
メタクリレート;
【0017】シクロヘキシルアクリレート、ベンジルア
クリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、2
−アセトキシエチルアクリレート、2−フェノキシエチ
ルアクリレート、ジシクロペンテノキシエチルアクリレ
ート、モノアクリロキシエチルフォスフェート、ジメチ
ルアミノエチルアクリレート等のモノアクリレート;
【0018】シクロヘキシルメタクリレート、ベンジル
メタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレー
ト、2−アセトキシエチルメタクリレート、2−フェノ
キシエチルメタクリレート、2−ジシクロペンテノキシ
エチルメタクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリ
レート、モノメタクリロキシエチルフォスフェート、ビ
スメタクリロキシエチルフォスフェート等のモノメタク
リレート;
【0019】エチレングリコールジアクリレート、ジエ
チレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコ
ールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアク
リレート、ビスフェノールAジアクリレート、1,1,
1−トリメチロールプロパントリアクリレート等の多価
アクリレート;
【0020】エチレングリコールジメタクリレート、ジ
エチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレング
リコールジメタクリレート、1,4−ブチレングリコー
ルジメタクリレート、ビスフェノールAジメタクリレー
ト、1,1,1−トリメチロールプロパントリメタクリ
レート等の多価メタクリレート;
【0021】ヒドロキシアルキルアクリレート又はヒド
ロキシアルキルメタクリレートとイソシアネート化合物
との反応で得られるウレタンアクリレート又はウレタン
メタクリレート;末端にアクリル基又はメタクリル基を
有する液状ゴム;及び末端にメタクリル基を持ち数平均
分子量が7000以下のポリメチルメタクリレート等が
挙げられるが、これらに限定されるものではない。上記
これらの水酸基及びカルボキシル基を有しないアクリル
化合物又は水酸基及びカルボキシル基を有しないメタ
クリル系化合物は単独もしくは2種以上を組み合わせて
使用される。
【0022】本発明において使用されるクロルスルホン
化ポリエチレン又は塩素化ポリエチレンは、約4〜50
0の溶融指数を有するポリエチレンから製造され、約2
5〜75重量%の塩素を含有する。クロルスルホン化ポ
リエチレンの場合には100gのクロルスルホン化ポリ
エチレンあたり、約3〜160ミリモルのスルホニルク
ロライド部分を含有しているものが好適である。塩化ス
ルホニルとしては、p−トルエンスルホニルクロライ
ド、ジフェニルエーテル−4,4´−ジスルホニルクロ
ライド、ステアリルスルホニルクロライド、クロルスル
ホン化ポリエチレンなどが好適である。クロルスルホン
化ポリエチレン又は塩素化ポリエチレンは、組成物中の
全単量体100重量部に対して、5〜100重量部配合
されるのが好ましい。
【0023】本発明においては、硬化時にラジカルの発
生を促進するために、有機パーオキサイド又は有機ハイ
ドロパーオキサイドを使用する。配合量は全組成物10
0重量に対して、0.01〜10重量部が好ましく、特
に0.2〜5重量部が好ましい。
【0024】本発明で使用される単官能エポキシ化合物
としては、ブチルグリシジルエーテル、2−エチルヘキ
シルグリシジルエーテル、アルキルモノグリシジルエー
テル、フェニルグリシジルエーテル、クレジルグリシジ
ルエーテル、アリルグリシジルエーテル、p−t−ブチ
ルフェニルグリシジルエーテル、ノニルフェニルグリシ
ジルエーテル、p−sec−ブチルフェニルグリシジル
エーテル、アルキルフェノールモノグリシジルエーテ
ル、バーサティック酸モノグリシジルエステル、直鎖ア
ルコールモノグリシジルエーテル、グリセロールモノグ
リシジルエーテル、ポリグリコールグリシジルエーテ
ル、グリシジルメタクリレートなどがあげられるが、こ
れらに限定されるものではない。単官能エポキシ化合物
の好適な配合量は、全組成物100重量部に対して、
0.1〜20重量部である。この配合量未満では安定剤
としての十分な効果が得難く、一方、これを越えた配合
量では接着強さに悪影響を与え易い。
【0025】本発明においては、安定剤としてさらに酸
化防止剤を使用する。好適な酸化防止剤は、2,6−ジ
−t−ブチル−4−メチルフェノールである。酸化防止
剤は、好ましくは全組成物100重量部に対して、0.
01〜10重量部配合され、特に好ましくは0.2〜5
重量部配合される。
【0026】本発明においては、硬化を開始させるため
の活性剤として、アミン系の活性化剤を必要とする。好
適な活性化剤としては、ブチルアルデヒド/アニリン縮
合物(デュポン社製商品名バナックス808など)、ブ
チルアルデヒド/ブチルアミン縮合物(デュポン社製商
品名バナックス833など)、N,N−ジメチルアニリ
ン、N,N−ジメチル−p−トルイジンなどが挙げられ
る。活性化剤の好適な配合量は、接着剤全組成物100
重量部に対して0.1〜50重量部であり、特に好まし
くは1〜20重量部である。
【0027】本発明の組成物においては前記した成分の
他に、必要に応じてさらに、ワックス、ロウなどの空気
接触面の表面硬化性を促進する助剤、充填剤、着色剤、
増量剤、有機溶剤、シランカップリング剤、揺変剤など
を添加することができる。本発明における二液性アクリ
ル系接着剤組成物の態様は次のとおりである。
【0028】すなわち、本発明の組成物は、水酸基及び
カルボキシル基を有しないアクリル系化合物ならびに水
酸基及びカルボキシル基を有しないメタクリル系化合物
からなる群から選ばれた少なくとも一種の化合物(単官
能エポキシ化合物を除く)、クロルスルホン化ポリエチ
レン単独又は塩化スルホニルと塩素化ポリエチレンとの
混合物、有機過酸化物、アルキレン基の炭素数が2〜4
のヒドロキシアルキルアクリレート又はヒドロキシアル
キルメタクリレートと多価カルボン酸又は無水カルボン
酸との反応により得られるカルボキシル基含有単量体、
単官能エポキシ化合物、及び酸化防止剤よりなる第1成
分と、アミン系活性化剤よりなる第2成分とに分けられ
る。第2成分にはさらに、有機溶剤や水酸基及びカルボ
キシル基を有しないアクリル系又はメタクリル系化合
、ポリメチルメタクリレート、アクリルゴム、エピク
ロルヒドリンゴム、ニトリルゴム、アクリルニトリル−
スチレン−ブタジエン共重合体などのポリマーやエラス
トマーを配合することもできる。また、第2成分にナフ
テン酸銅などの銅化合物を少量添加することにより、酸
化速度を早めることができる。
【0029】本発明の接着剤組成物を使用する場合に
は、貼り合わせる被着材の2つの表面のどちらか一方に
第1成分を塗布し、もう一方に第2成分を塗布し、2つ
の表面を接触させることにより硬化させる方法(分別塗
布法)、第1成分と第2成分とをあらかじめ混合した後
被着材に塗布し、貼り合わせる方法(混合法)があり、
用途や作業性により適宜選択される。
【0030】
【作用】クロルスルホン化ポリエチレン単独又は塩化ス
ルホニルと塩素化ポリエチレンとの混合物を使用した二
液性アクリル系接着剤において、従来より使用されてい
るメタクリル酸やアクリル酸の代替として、アルキレン
基の炭素数が2〜4のヒドロキシアルキル(メタ)アク
リレートと多価カルボン酸又は無水カルボン酸との反応
により得られるカルボキシル基含有単量体を使用した場
合、従来用いられている脱塩素安定剤としてのビスフェ
ノールA型ジグリシジルエーテルを使用すると、短期間
でゲル化し、逆に保存安定性を損ねてしまう。また、こ
のビスフェノールA型ジグリシジルエーテルを使用せず
除いてしまうと、脱塩素安定剤としての効果が得られ
ず、ゲル化はしないが、短期間のうちに接着剤としての
機能を失ってしまう。
【0031】本発明のような、メタクリル酸やアクリル
酸の代わりに前記カルボキシル基含有単量体を使用した
二液性接着剤組成物においては、脱塩素安定剤として単
官能エポキシ化合物を使用することにより、接着性、保
存安定性、安全性に優れた二液性アクリル系接着剤組成
物が得られる。
【0032】
【実施例】
実施例1〜2及び比較例1〜3
【0033】表1に示す配合(重量部にて示す)の主剤
(第1成分)を実施例1〜2及び比較例1〜3のそれぞ
れについて調製し、その接着強さ、及び保存安定性につ
いて調べた。
【0034】接着強さの試験は、被着材として75×2
5×1.6mmの寸法の冷間圧延鋼板を用いた。試験片
の一方の面に活性化剤としてバナックス808(デュポ
ン社製ブチルアルデヒド/アニリン縮合物)をうすく均
一に塗布し、もう一方の試験片に主剤をビード状に塗布
し、すり合わせるようにして、両面を重ね合わせ、ラッ
プ面積25×12.5mmの試験片を作成した。20℃
の温度で24時間養生後、JIS K−6850に基づ
き、引張剪断接着強さを測定し、その結果を下記表1に
示した。なお、引張剪断接着強さの単位は、N/cm2
(ニュートン/cm2 )で示した。
【0035】また、保存安定性試験は、それぞれの主剤
を100mlのガラスびんに約80g入れ、温度50℃
の乾燥機中に2週間おいた後、20℃の温度における粘
度を測定し、初期の粘度と比較することによりおこな
い、その結果を下記表1に示した。なお、粘度計はブル
ックフィールド型粘度計(BM型、ローターNo4、1
2rpm)を用いた。
【0036】
【表1】 (注1) 塩素29%、硫黄1.4%を含み、ムーニー
粘度30のクロルスルホン化ポリエチレンを使用。
【0037】上記表1に示すように、本発明の組成物は
保存安定性が良好であり、接着強さもメタクリル酸を含
む従来の組成物(比較例1)と比べて遜色なかつた。一
方、エポキシ化合物としてのビスフェノールA型ジグリ
シジルエーテルと2−メタクリロイルオキシエチルフタ
ル酸を組み合わせた組成物は、接着強さは良好であった
が、保存安定性が悪かった(比較例2)。また比較例3
のようにメタクリル酸の代替としてクロトン酸を使用し
た場合は、保存安定性は良好であるが接着強さが低く、
二液性アクリル系接着剤としての使用は困難であること
が判明した。 実施例3〜7
【0038】下記表2に示す配合(重量部にて示す)の
主剤(第1成分)を実施例3〜7のそれぞれについて調
製し、その接着強さ及び保存安定性について、実施例1
〜2と同様の方法で測定し、その結果を下記表2に示し
た。
【0039】
【表2】 (注2) 表1と同じクロルスルホン化ポリエチレンを
使用。上記表2に示す結果から明らかのように本発明に
基づく実施例3〜7の組成物は良好な保存安定性及び接
着強さを有していた。 実施例8〜11及び比較例4〜8
【0040】クロルスルホン化ポリエチレン(塩素29
%、硫黄1.4%、ムーニー粘度30)27重量部をテ
トラヒドロフルフリルメタクリレート55重量部、2−
ジシクロペンテノキシエチルメタクリレート20重量
部、2−エチルヘキシルメタクリレート7重量部、2−
メタクリロイルオキシエチルフタル酸10重量部、及び
2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール1.0
重量部の混合物中に溶解し、さらにクメンハイドロパー
オキサイドを0.5重量部添加して、ベース溶液[I]
を調製した。
【0041】このベース溶液[I]100重量部に対
し、下記表3に示す種々のエポキシ化合物を5重量部配
合し、実施例8〜11及び比較例4〜8の主剤(第1成
分)を調製した。
【0042】厚さ3mmのガラス板上にこれらの主剤を
点状に塗布し、25mm角、厚さ5mmのガラスブロッ
クに活性化剤としてバナックス808(デュポン社製ブ
チルアルデヒド/アニリン縮合物)にナフテン酸銅を
0.1%配合したものをうすく均一に塗布し、両面をす
り合わせるようにして貼り合わせ、手で動かなくなるま
での時間(セットタイム)を測定した。また、実施例1
〜2と同様の方法で保存安定性についても測定した。こ
れらの結果について下記の表3に示した。
【0043】
【表3】 (注3) ユニオンカーバイド社製3,4−エポキシシ
クロヘキシル−メチル−3,4−エポキシシクロヘキサ
ンカルボキシレート (注4) 旭電化工業株式会社製側鎖型ビスフェノール
Aタイプのジエポキサイド
【0044】上記の表3に示す結果から、エポキシ化合
物として単官能エポキシ化合物を使用すれば保存安定性
は良好であるが、2官能以上のエポキシ化合物を配合し
た場合には、50℃2週間でゲル化してしまうことが判
明した。また、エポキシ化合物を配合しない場合(比較
例4)には、粘度変化は少ないが、セットタイムが50
℃2週間後には大幅に遅れ、接着剤としての機能を失っ
てしまうことも判明した。 実施例12
【0045】塩素43%、硫黄1.1%を含み、ムーニ
ー粘度が30のクロルスルホン化ポリエチレン30重量
部を、メチルメタクリレート30重量部、エチレングリ
コールジメタクリレート5重量部、2−エチルヘキシル
メタクリレート17重量部、2,6−ジ−t−ブチル−
4−メチルフェノール0.5重量部、2−メタクリロイ
ルオキシエチルフタル酸8重量部、及びバーサティック
酸モノグリシジルエステル4重量部の混合物に溶解し、
さらにクメンハイドロパーオキサイド1重量部を添加し
て、第1成分を調製した。
【0046】ニトリルゴム(日本ゼオン株式会社製商品
名ニポール1001)18重量部を練りロールで5分素
練りした後、メチルメタクリレート37重量部及び2−
エチルヘキシルメタクリレート35重量部の混合物に溶
解した。溶解後、バナックス808(デュポン社製ブチ
ルアルデヒド/アニリン縮合物)6重量部を添加し、攪
拌して均一の溶液として、第2成分を調製した。
【0047】この第1成分及び第2成分を約1:1の割
合で混合し、120×25×3mm寸法の硬質ポリ塩化
ビニル板に塗布し、ラップ面積25×12.5mmで貼
り合わせた。温度20℃で1時間養生後、JIS K−
6850に準じて引張剪断接着強さを測定したところ、
470 N/cm2 で硬質ポリ塩化ビニルの母材破壊と
なった。実施例1〜2と同様の方法で50℃の温度にお
ける保存安定性試験をおこなったところ、第1成分、第
2成分ともに、良好な安定性を示した。
【0048】
【発明の効果】本発明の二液性接着剤組成物は、アクリ
ル酸、メタクリル酸等の皮膚刺激性の強い成分を含有し
ていないので、作業上の安定性が高く、なおかつ、多種
材料に対して良好で強靭な接着性を有し、保存安定性も
良好であるので、その産業上の有益性は極めて大きい。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−180974(JP,A) 特開 平2−167379(JP,A) 特開 昭59−221371(JP,A) 特開 平5−105862(JP,A) 特開 平2−178374(JP,A) 特開 平2−170880(JP,A) 特開 昭60−79076(JP,A) 特開 昭57−115477(JP,A) 特開 昭55−65277(JP,A) 特開 昭55−29589(JP,A) 特開 昭59−12983(JP,A) 特開 昭61−51072(JP,A) 特開 平1−210481(JP,A) 特開 昭62−84173(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09J 1/00 - 201/10 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)(1)水酸基及びカルボキシル基
    を有しないアクリル系化合物ならびに水酸基及びカルボ
    キシル基を有しないメタクリル系化合物からなる群から
    選ばれた少なくとも一種の化合物(単官能エポキシ化合
    物を除く)、 (2)クロルスルホン化ポリエチレン単独又は塩化スル
    ホニルと塩素化ポリエチレンとの混合物、 (3)有機過酸化物、 (4)アルキレン基の炭素数が2〜4のヒドロキシアル
    キルアクリレート又はヒドロキシアルキルメタクリレー
    トと多価カルボン酸又は無水カルボン酸との反応により
    得られるカルボキシル基含有単量体、 (5)単官能エポキシ化合物、及び (6)酸化防止剤よりなる第1成分と (B) アミン系活性化剤よりなる第2成分とからなる二
    液性接着剤組成物。
JP11055792A 1992-04-30 1992-04-30 二液性接着剤組成物 Expired - Fee Related JP3190106B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11055792A JP3190106B2 (ja) 1992-04-30 1992-04-30 二液性接着剤組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11055792A JP3190106B2 (ja) 1992-04-30 1992-04-30 二液性接着剤組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH05306379A JPH05306379A (ja) 1993-11-19
JP3190106B2 true JP3190106B2 (ja) 2001-07-23

Family

ID=14538852

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11055792A Expired - Fee Related JP3190106B2 (ja) 1992-04-30 1992-04-30 二液性接着剤組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3190106B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1129748A (ja) * 1997-05-12 1999-02-02 Fujitsu Ltd 接着剤、接着方法及び実装基板の組み立て体
US7348385B2 (en) * 2005-03-09 2008-03-25 Illinois Tool Works Inc. Acrylate/methacrylate adhesives initiated by chlorosulfonated polymer
JP5701613B2 (ja) 2009-01-15 2015-04-15 株式会社カネカ 硬化性組成物、その硬化物、及びその製造方法
US8822570B2 (en) 2009-10-28 2014-09-02 Kaneka Corporation Photocurable coating composition and coating film formed by hardening same

Also Published As

Publication number Publication date
JPH05306379A (ja) 1993-11-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5343563B2 (ja) 弾性メタクリレート系組成物
US4574142A (en) Curable adhesive composition toughened with styrene-butadiene block copolymer rubbers
JP2002348544A (ja) 長い可便時間を有する2部構造の接着剤
JPH02178374A (ja) 二液型アクリル系接着剤組成物
US6632908B1 (en) Bonding system having adherence to low energy surfaces
JPH0726068B2 (ja) 酸変性の接着剤組成物
GB1576483A (en) Adhesives and sealing compositions hardening with the exclusion of oxygen
JP3910069B2 (ja) 水性下塗り材組成物
JP3190106B2 (ja) 二液性接着剤組成物
EP2954017B1 (en) Low surface energy bonding adhesive formulation and process for the use thereof
JP2911991B2 (ja) コンタクト型接着方法
JP2003113207A (ja) 水系エマルション組成物および接着性組成物
US4564657A (en) Rapidly curable acrylic adhesive compositions for bonding polypropylene
JP2676540B2 (ja) 二液非混合型アクリル系接着剤組成物
US4230834A (en) Primers for polymerizable acrylate-chlorosulfonated polyethylene adhesives and two-part adhesives prepared therewith
JPH03134058A (ja) 重合体組成物
JPH0524953B2 (ja)
JPH0772263B2 (ja) 改善された耐熱性を有するアクリル系接着剤
JPH11181361A (ja) 硬化型粘接着シート及び積層体
JPS61130385A (ja) アクリル系接着剤組成物
JPH0321584B2 (ja)
JPS60255879A (ja) ポリウレタン接着剤
JP2000313869A (ja) 接着用硬化性樹脂組成物およびその製造方法
JPS60243179A (ja) アクリル系接着剤主剤組成物
JPH01502035A (ja) 硬化後の改善されたせん断強さを示すアクリル接着組成物およびその部材、とくに構造部材の結合への応用

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090518

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090518

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100518

Year of fee payment: 9

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees