JP3189700B2 - シーマの潤滑油供給方法及びその装置 - Google Patents

シーマの潤滑油供給方法及びその装置

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JP3189700B2
JP3189700B2 JP25736396A JP25736396A JP3189700B2 JP 3189700 B2 JP3189700 B2 JP 3189700B2 JP 25736396 A JP25736396 A JP 25736396A JP 25736396 A JP25736396 A JP 25736396A JP 3189700 B2 JP3189700 B2 JP 3189700B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、缶胴に缶蓋を二重
巻締するシーマの潤滑油供給方法及びその装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】シーマにおける潤滑性の向上は、シーマ
の高速化に伴い缶を良好に巻締する上で益々重要となっ
ているが、シーマでは運転中に潤滑油に酸化生成物(ス
ラッジ)と金属摩耗粉及び水が混入し、それらのオイル
内異物が悪影響を及ぼして潤滑を阻害する要因となって
いる。とりわけ、スラッジの発生は潤滑油そのものの劣
化であり、潤滑不足による接触部の摩耗を増大させる原
因となる。スラッジは大きさが0.1μ以下〜10μ程
度の微粒子であり、その発生は連鎖反応を起し次々と生
成を繰り返すため、その発生を極力抑制しなければなら
ない。また、金属摩耗粉混入は、潤滑面を阻害し、接触
部の摩耗・傷の発生要因となり、さらに水の混入はオイ
ルの酸化・発錆及び潤滑面阻害による接触部の摩耗を増
大させる要因となっている。従って、シーマにおいて潤
滑油を再循環使用するには、これらのオイル内異物を極
力除去してから循環させる必要がある。
【0003】従来、シーマの潤滑において潤滑油を浄化
して循環させる方式として、シーマ運転中にアッパーハ
ウジングやメインシャフトを循環した潤滑油を油水分離
ポットで比重差で油水分離させ、その上澄み潤滑油を濾
過装置に導入して油水分離フィルタで不純物を除去し
て、濾過再生された潤滑油を再循環させるようにした潤
滑油循環方法が知られている(例えば、特公平8−89
63号公報)。
【0004】一方、シーマの潤滑において、最も高速回
転部分であるシーミングロールの潤滑は、一般にシーミ
ングロール内に封入したグリースによる潤滑か、又はシ
ーミングロール間を循環する専用の潤滑経路によってお
り、シーミングロールを含むシーマ全体の潤滑油循環経
路を有するものは未だ提案されていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】オイル内異物で特に、
スラッジの発生は、前記のように連鎖反応を起し次々と
生成を繰り返すため、その発生を極力抑制しなければな
らないが、従来の濾過装置のフィルタの除去能力は、一
般的に5μ以上あるので、それ以下の大きさのスラッジ
は除去することはできず、フィルタを通過してしまう。
その結果、固着性のある超微粒子状のスラッジが潤滑油
に存在し、長期の間に給油経路を塞いで給油不良が生じ
たり、機械内に堆積することによって次なるスラッジの
発生の拠点となるような問題があり、早めに新油の潤滑
油に交換しなければならなかった。また、従来のシーマ
における潤滑油循環経路は、アッパーハウジングやメイ
ンシャフトの潤滑経路とシーミングロールの潤滑経路が
別々に構成されているので、それだけオイルポンプや濾
過装置等が重複することになり、コスト高になる等の問
題点があった。
【0006】本発明は、上記実情に鑑み創案されたもの
であって、微粒子状のスラッジでも確実に除去すること
ができて、潤滑油の長期間にわたる循環使用を可能にし
て交換時期の延長が図れてコストを低減させ、且つ良好
に潤滑することができ、機械部品・機械本体のトラブル
を減少させ・長寿命化を図ることができ、しかもシーミ
ングロールの潤滑経路も含めることが可能である、シー
マの潤滑油供給方法及びその装置を提供することを目的
とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発
明のシーマの潤滑油供給方法は、シーマの潤滑個所から
排出される潤滑油を浄化再生し、再びシーマへ供給して
循環潤滑させるシーマの潤滑油供給方法であって、前記
シーマから排出される潤滑油をストレーナを通過させて
タンクに流下させ、該ストレーナにより所定大きさ以上
の異物を除去して第1段階の浄化を行い、前記タンク内
に溜った潤滑油をポンプで静電浄油機に送給して、該静
電浄油機の電極板間を潤滑油を通過させることにより静
電吸着作用により異物を除去して潤滑油を浄化し、該浄
化された潤滑油を分配弁を介してシーマの各潤滑個所に
供給するようにしたことを特徴とするものである。
【0008】電浄油機の処理能力及びシーマへの潤滑
油必要供給量に応じて、前記静電浄油機で浄化された潤
滑油を直接シーマに供給する第1系統管路と、前記静電
浄油機で浄化された潤滑油を一旦タンクに戻して該タン
クから第2ポンプで潤滑油をシーマに供給する第2系統
管路とに切り替え可能にすることによって、単純な構成
で最適な供給方法を選択することができる。
【0009】また、上記供給方法を実施する本発明の潤
滑油供給装置は、シーマの潤滑個所から排出される潤滑
油を浄化再生し、再びシーマへ供給して循環潤滑させる
シーマの潤滑油供給装置であって、前記シーマから排出
される潤滑油を所定大きさ以上の異物を除去して第1段
階の浄化を行うストレーナ、該ストレーナを介して前記
シーマから排出される潤滑油が流入するタンク、該タン
ク内に溜った潤滑油を電極板間を通過させることにより
静電吸着作用により異物を除去して浄化処理する静電浄
油機、シーマの循環経路に潤滑油を分配する分配弁とを
備え、該静電浄油機の流入口及び流出口は前記タンクに
連通し、該静電浄油機はタンク内に貯留される潤滑油を
ポンプにより循環させて浄化処理するように構成され、
該タンクから他のポンプによって前記分配弁を介して
ーマの潤滑経路に前記潤滑油を供給するようにしたこと
技術的手段を採用することによって、上記課題を解決し
た。また、他の手段として、前記静電浄油機の流出口を
前記シーマの潤滑油分配弁に連通させて、前記静電浄油
機で浄化した潤滑油を直接シーマに供給するようにして
も良い。
【0010】さらに、他の手段として、前記静電浄油機
の流入口が第1ポンプを介して前記タンクと連通し流出
口が切替弁を介して一方は前記タンクに連通し他方はシ
ーマの供給管路に連通する管路と、前記タンクから第2
ポンプにより直接シーマに潤滑油を送給する管路とを形
成し、前記切替弁により、前記静電浄油機で浄化された
潤滑油を直接シーマに供給する第1系統管路と、静電浄
油機で浄化された潤滑油をタンクに戻して該タンクから
第2ポンプでシーマに供給する第2系統管路とに切り替
え可能に構成したことを特徴とする技術手段を採用する
ことによって、より好適に達成できる。
【0011】前記タンクを第1室と第2室とに仕切を介
して区画し、第1室にシーマから回収された液を流入さ
せ、該第1室に溜った液を前記静電浄油機で浄化し、前
記第2室に浄化された潤滑油が溜るようにすることが望
ましい。また、前記シーマに供給される潤滑油は、分配
弁によりシーマ内に設けられた少なくともシーミングロ
ールの潤滑を含む複数の潤滑経路に分岐供給されるよう
にすることによって、シーミングロールも一体に潤滑す
ることができ望ましい。
【0012】
【実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の実施形態
を詳細に説明する。図1は本発明に係るシーマの潤滑油
供給装置の実施形態を示す模式図である。本実施形態に
おける潤滑油供給装置は、シーマーの潤滑を必要とする
ところ全てを1つの潤滑装置で給油できるようにシーマ
内に複数の潤滑経路が形成され、本実施形態では分配弁
1から4つの潤滑経路に分岐して形成されている。第1
潤滑経路2はシーマ30のシーミングヘッド固定部31
を通ってシーミングヘッド32のギア・ベアリング・カ
ム等への給油を行う経路である。第2潤滑経路3はセン
ターシャフト33内を通って、リフターテーブル35内
のギア・ベアリング・カム等へ給油を行う経路である。
第3潤滑経路4はベース固定部34を通ってリフターテ
ーブル35、シーミングヘッド32を経由してシーミン
グロール36へ給油を行う経路である。さらに、第4潤
滑経路5はベース固定部34からリフターテーブル35
を経由してリフター37に給油する経路である。そし
て、それぞれの潤滑経路は、図示されていないが、それ
ぞれの潤滑個所を通ってベース固定部から共通の排出路
6に連通するように構成されている。
【0013】従来、シーミングロールの潤滑は、シーミ
ングロール内に充填されているグリースによって行うの
が一般的であるが、本実施形態では、ベース固定部3
4、リフターテーブル35、シーミングヘッド固定部3
1、巻締ロール支持軸38、ロール軸、第1及び第2ロ
ールからなるシーミングロール36に至る新たな潤滑経
路を形成することにより、他の個所と同じ潤滑油供給装
置での循環潤滑が可能になった。
【0014】排出路6の他端は、タンク10に連通し、
シーマからの汚れた潤滑油(以下排油という)は流下し
て該タンクに回収される。タンク10は、中間部にオー
バーフロー用の仕切11が設けられて内部が第1室12
と第2室13とに区画され、第1室12の上部にストレ
ーナ14が設けられ、排出路6からの排油を受けるよう
になっている。また、第1室12の下部には排油送給管
路16が配置され、該第1室に溜った排油を第1ポンプ
18によりフィルタ17を通って静電浄油機15に送
る。
【0015】静電浄油機15は、潤滑油の排油中に分散
・浮遊している異物が帯電体として存在することを利用
して、従来のフィルタで捕集できないような5μ以下の
スラッジでも確実に捕集しようとするもので、浄油槽内
に正・負の電極板を平行に設けて電界を作り、その浄油
槽に排油を通過させることによって異物を電極板に引き
寄せ収集するように構成されている。従って、この静電
浄油機は、排油中に存在する異物を大きさに関係なく広
範囲にわたって除去する能力を持っている。
【0016】静電浄油機15の出口側に設けられた浄化
油送給管路20の途中には切替弁である第1三方弁21
が設けられ、該三方弁の一方のポートにはタンク10の
第2室13に浄化された潤滑油(以下、浄化油という)
を送給する管路25が接続され、他方のポートには第2
三方弁22を介して分配弁1に連通する管路26が接続
されている。
【0017】本実施形態では、分配弁1に浄化油を供給
するための供給管路が2系統形成され、第1系統管路が
静電浄油機15から第1三方弁21及び第2三方弁22
を介して直接分配弁1に浄化油を供給する管路である。
この第1系統管路は、シーマへの潤滑油供給量が静電浄
油機の処理能力と等しいかそれ以下の場合に適用される
管路である。第2系統管路は、静電浄油機15で浄化さ
れた浄化油を管路25を介してタンク10の第2室13
に供給して貯留し、該第2室に貯留されている浄化油
を、管路27を通って第2ポンプ24により第2三方弁
22を介して分配弁1に送給する管路である。この第2
系統管路は、シーマへの潤滑油供給量が静電浄油機の処
理能力よりも多い場合に適用される。第1系統管路と第
2系統管路の切替えは、第1三方弁21及び第2三方弁
のポートを切り替えることによって簡単にできる。な
お、図中、23はフィルタである。
【0018】本実施形態のシーマの潤滑油供給装置は、
以上のように構成され、シーマの運転状況に応じて、例
えばシーマに供給する潤滑油の供給量が静電浄油機の処
理能力よりも大きい場合には、第2系統管路に切り替え
て行う。即ち、第1三方弁21を管路25が連結されて
いるポートを開き、第2三方弁は管路27が接続されて
いるポートを開いた状態とする。この状態では、第1三
方弁21及び第2三方弁22は何れも、管路26が接続
されているポートは閉塞状態にある。
【0019】この状態で、第2ポンプ24を作動させる
と、第2室13に貯留されている浄化油が管路27を通
ってフィルタ23−第2ポンプ24−第2三方弁22を
介して分配弁1に達し、該分配弁から第1潤滑経路〜第
4潤滑経路に分配されてシーマの各部に達し、該個所の
潤滑を行う。各部の潤滑を行った排油は、シーマのべー
ス固定部を通って共通の排出路6に達し、該排出路を介
してタンクの第1室12上部に設けられているストレー
ナ14に供給され、該ストレーナによってある程度以上
の大きな異物は除去される。ストレーナを通った排油は
第1室12に流下して溜る。従って、タンク内では、排
油と浄化油が混ざることがないので、効果的に浄化油を
シーマに供給することができる。
【0020】そして、第1ポンプ18を作動させること
によって、第1室内の排油は排油送給管路16を通って
静電浄油機15に送給される。第1ポンプ18の吸い込
み口側にはフィルタ17が配置され、該フィルタによっ
て前記ストレーナで捕集されなかったさらに小さな異物
を捕集して第2段階の浄化を行う。
【0021】静電浄油機15は、排油を通過させること
によって異物を静電気作用により電極板に引き寄せて捕
集し、従来のフィルタ式の浄化装置で捕集できないよう
な5μ以下の超微粒子スラッジも確実に捕集する。ま
た、一定量以下の水も確実に捕集することができる。し
かも、静電浄油機15は電極板がオイルの流れに平行且
つある程度の間隔をもって並べられ、その間を排油が通
過するので、フィルタに比べると特段に流路抵抗が少な
いという特徴がある。その結果、異物集積中の目詰りが
少ないので、電極板の交換間隔が長く、メンテナンスが
楽である。また、浄化槽通過時の摩擦が低減されるの
で、静電気の帯電が少なく静電放電によって起こる酸化
を防止するという効果もある。
【0022】静電浄油機15で浄化された浄化油は浄化
油送給管路20に送り出され、第三方弁21から管路2
5を通って第1室13に供給されて貯留される。従っ
て、シーマが運転中第1ポンプ15及び第2ポンプ24
を稼働させておけば、潤滑油は両ポンプを介して、タン
ク10、シーマ30、静電浄油機15の間を常に循環
し、シーマには常に浄化された潤滑油が供給される。
【0023】シーマへの供給される潤滑油量が静電浄油
機15の処理量より少ないと第2室13の液量が増えて
第1室12の液量が減るが、第2室で増加した分は、仕
切11からオーバーフローして第1室に流入するので不
都合を生じることはない。なお、仕切11を移動調節可
能に設けることによって、第1室と第2室の容積をシー
マ及び静電浄油機の運転状況や能力に応じて最適割合に
なるように、調節することができる。
【0024】また、シーマへの潤滑油供給量が静電浄油
機15の処理能力よりも小さいか等しいときには、第1
系統管路に切り替えれば、第1モータ18のみを作動さ
せるだけで潤滑を行うことができる。即ち、第1三方弁
21及び第2三方弁22を管路26が接続されているポ
ートを開くことによって、潤滑油は第1室12−第1ポ
ンプ18−静電浄油機15−第1三方弁21−第2三方
弁−分配弁1−シーマ30−第1室12の第1系統潤滑
路が形成され、第2系統潤滑路の場合と同様に効果的に
排油を浄化させて循環させることができる。特にこの場
合は、第2ポンプ24を稼働させる必要がないからその
分経済的である。なお、その場合は、タンクの仕切を除
去してタンクを第1室のみにしても良い。
【0025】以上、本発明の好適な実施形態について説
明したが、本発明は必ずしも該実施形態に限るものでは
ない。例えば前記実施形態では、第1系統潤滑路と第2
系統潤滑路に切り替え使用できるようにしたが、予め第
1系統潤滑路専用又は第2系統潤滑路専用にそれぞれ分
離して構成することも可能である。図2及び図3はその
場合の実施形態を示し、図2は前記実施形態における第
2系統潤滑路専用に構成されたものであり、図3は第1
系統潤滑路専用に構成されたものである。その構成及び
機能は、前記実施形態の説明から明らかであるので、図
1に示す実施形態と同じ構成部品は同一符号を付し、詳
細な説明は省略する。但し、図2に示す実施形態では、
タンクの仕切を除去して1室のみにしてあるから、タン
ク内に排油と浄化油が混在する状態となる。しかしなが
ら、静電浄油機15を、該タンク内に貯留される潤滑油
の状態に応じて独立して稼働させれば、タンク内の潤滑
油は静電浄油機を常に循環して浄化されることができ、
タンク内の潤滑油を常に一定レベル以上の浄化度に保つ
ことができる。
【0026】
【実施例】上記実施形態における静電浄油機の浄化作用
を確認するために次のような実験を行った。図1に示す
潤滑系統を持つシーマにおいて、新油の潤滑油を2,5
00時間全く浄化処理を行わないで使い続けた後、静電
浄油機を作動させて6時間浄化処理を行い、その間の潤
滑油浄化処理時間に対する潤滑油の濁度の変化、及び汚
染度の変化を調べた。さらに、6時間浄化処理後の潤滑
油の水分濃度を測定した。その結果を、図4〜図5に示
す。
【0027】なお、濁度は潤滑油の透明度を測定し、濁
りの度合いを数値化したもので、潤滑油に使用した新油
の濁度は3〜4ppmであった。また、汚染度は、異物の
混入量を表すもので、新油の汚染度は1mg/100ml以下で
あった。そして、上記新油を2,500時間使用後に測
定した排油の濁度は75ppm、汚染度は13mg/100mlで
あり、さらに水分濃度は80ppmであった。
【0028】この状態から静電浄油機を作動させて浄化
処理を行ったところ、濁度は図3に示すように処理時間
6時間で9ppmまで低下し、新油の状態までは回復して
ないが、潤滑に全く影響のないレベルまで浄化されてい
ることが確認された。また、汚染度は、図4に示すよう
に処理時間6時間で1mg/100mlまで回復し、新油と同レ
ベルまで異物が除去されていた。また、6時間処理後の
水分濃度は10ppmであり、殆どの水分が除去されてい
ることが確認された。
【0029】以上のように、2500時間何も処理を行
わずに使用した潤滑油を本実施形態の静電浄油機を使用
することによって、殆ど新油に近い状態まで浄化するこ
とができ、本発明が潤滑油の浄化に格別な効果があるこ
とが確認された。そして、該静電浄油機を使用し続ける
ことによって、潤滑油の最も大切な特性である動粘度の
変化も顕著に少なくなった。その結果、潤滑油の寿命
は、本発明によれば、汎用のフィルタを使用した場合の
約5倍延長させることができ、経済的にも大きいことが
確認された。
【0030】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本願の
各発明によれば、シーマから排出される潤滑油に含まれ
る従来のフィルタ方式の浄油機では捕獲することのでき
なかった微粒子状のスラッジや水分でも確実に除去する
ことができ、潤滑油の長期間にわたる循環使用を可能し
て交換時期の延長が図られてコストを低減させ、且つシ
ーマを良好に潤滑することができ、機械部品・機械本体
のトラブルを減少させ・長寿命化を図ることができる。
また、静電浄油機はフィルタ等に比べると特段に流路抵
抗が少ないので、異物集積中の目詰りが少なく、電極板
の交換間隔が長く、メンテナンスが非常に楽である。さ
らに、浄化槽通過時の摩擦が低減されるので、静電気の
帯電が少なく静電放電によって起こる酸化を効果的に防
ぐことができる。
【0031】また、静電浄油機で浄化された潤滑油を直
接シーマに供給する第1系統管路と、一旦タンクに戻し
てタンクから浄化された潤滑油をシーマに供給する第2
系統管路とに切替え可能にすることによって、静電浄油
機の処理能力及び前記シーマへの必要供給量に応じて最
適にシーマに潤滑油を供給することができる。
【0032】また、タンクを第1室と第2室とに仕切を
介して区画することによって、同一タンク内に潤滑油の
排油と浄化油を混ざることなく貯留することができ、シ
ーマに常に静電浄油機で浄化した状態で供給することが
できる。また、シーマへ供給される潤滑油を、分配弁に
より少なくともシーミングロールの潤滑を含む複数の潤
滑経路に分岐供給さることによって、従来別系統で行っ
ていたシーミングロール潤滑も同一系統で出来、つねに
シーミングロールへ浄化油を供給することができると共
に、単一の潤滑油供給装置で供給することができ、装置
の簡素化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るシーマの潤滑油供給装
置の概念を示す模式図である。
【図2】本発明の他の実施形態に係るシーマの潤滑油供
給装置の概念を示す模式図である。
【図3】本発明のさらに他の実施形態に係るシーマの潤
滑油供給装置の概念を示す模式図である。
【図4】本実施形態の静電浄油機で排油をした場合の処
理時間に対する濁度の変化を示すグラフである。
【図5】本実施形態の静電浄油機で排油をした場合の処
理時間に対する汚染度の変化を示すグラフである。
【符号の説明】
1 分配弁 6 排出路 10 タンク 11 仕切 12 第1室 13 第2室 14 ストレーナ 15 静電浄油機 18 第1ポンプ 21 第1三方弁 22 第2三方弁 24 第2ポンプ 30 シーマ 36 シーミングロール
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−39652(JP,A) 特開 平7−80204(JP,A) 特開 平7−39972(JP,A) 特開 平9−182927(JP,A) 実開 平7−33426(JP,U) 特公 平8−8963(JP,B2) 特公 昭57−46898(JP,B2) 実公 平4−48801(JP,Y2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B21D 51/30

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シーマの潤滑個所から排出される潤滑油
    を浄化再生し、再びシーマへ供給して循環潤滑させるシ
    ーマの潤滑油供給方法であって、前記シーマから排出さ
    れる潤滑油をストレーナを通過させてタンクに流下さ
    せ、該ストレーナにより所定大きさ以上の異物を除去し
    て第1段階の浄化を行い、前記タンク内に溜った潤滑油
    をポンプで静電浄油機に送給して、該静電浄油機の電極
    板間を潤滑油を通過させることにより静電吸着作用によ
    り異物を除去して潤滑油を浄化し、該浄化された潤滑油
    を分配弁を介してシーマの各潤滑個所に供給するように
    したことを特徴とするシーマの潤滑油供給方法。
  2. 【請求項2】 前記静電浄油機の処理能力及び前記シー
    マへの必要供給量に応じて、前記静電浄油機で浄化され
    た潤滑油を直接シーマに供給する第1系統管路と、前記
    静電浄油機で浄化された潤滑油を一旦タンクに戻して該
    タンクから第2ポンプで潤滑油をシーマに供給する第2
    系統管路とに切り替えることができるようにした請求項
    記載の潤滑油供給方法。
  3. 【請求項3】 シーマの潤滑個所から排出される潤滑油
    を浄化再生し、再びシーマへ供給して循環潤滑させるシ
    ーマの潤滑油供給装置であって、前記シーマから排出さ
    れる潤滑油を所定大きさ以上の異物を除去して第1段階
    の浄化を行うストレーナ、該ストレーナを介して前記シ
    ーマから排出される潤滑油が流入するタンク、該タンク
    内に溜った潤滑油を電極板間を通過させることにより静
    電吸着作用により異物を除去して浄化処理する静電浄油
    、シーマの循環経路に潤滑油を分配する分配弁とを備
    え、該静電浄油機の流入口及び流出口は前記タンクに連
    通し、該静電浄油機はタンク内に貯留される潤滑油をポ
    ンプにより循環させて浄化処理するように構成され、該
    タンクから他のポンプによって前記分配弁を介してシー
    の潤滑経路に前記潤滑油を供給するようにしたことを
    特徴とするシーマの潤滑油供給装置。
  4. 【請求項4】 シーマの潤滑個所から排出される潤滑油
    を浄化再生し、再びシーマへ供給して循環潤滑させるシ
    ーマの潤滑油供給装置であって、前記シーマから排出さ
    れる潤滑油を所定大きさ以上の異物を除去して第1段階
    の浄化を行うストレーナ、該ストレーナを介して前記シ
    ーマから排出される潤滑油が流入するタンク、該タンク
    内に溜った潤滑油を電極板間を通過させることにより静
    電吸着作用により異物を除去して浄化処理する静電浄油
    、シーマの循環経路に潤滑油を分配する分配弁とを備
    え、前記静電浄油機の流出口が前記シーマの潤滑油分配
    弁に連通し、前記静電浄油機で浄化した潤滑油を前記分
    配弁を介して直接シーマの潤滑経路に供給するようにし
    たことを特徴とするシーマの潤滑油供給装置。
  5. 【請求項5】 シーマの潤滑個所から排出される潤滑油
    を浄化再生し、再びシーマへ供給して循環潤滑させるシ
    ーマの潤滑油供給装置であって、前記シーマから排出さ
    れる潤滑油が流入するタンク、該タンク内に溜った潤滑
    油を電極板間を通過させることにより静電吸着作用によ
    り異物を除去して浄化処理する静電浄油機とを備え、且
    つ前記静電浄油機の流入口が第1ポンプを介して前記タ
    ンクと連通し、流出口が切替弁を介して一方は前記タン
    クに連通し他方はシーマの供給管路に連通する管路と、
    前記タンクから第2ポンプにより直接シーマに潤滑油を
    送給する管路とを有してなり、前記切替弁により、前記
    静電浄油機で浄化された潤滑油を該静電浄油機から直接
    シーマに供給する第1系統管路と、静電浄油機で浄化さ
    れた潤滑油をタンクに戻して該タンクから第2ポンプで
    シーマに供給する第2系統管路とに切り替え可能になっ
    ていることを特徴とするシーマの潤滑油供給装置。
  6. 【請求項6】 前記タンクが第1室と第2室とに仕切を
    介して区画され、前記第1室にシーマから回収された液
    が流入し、該第1室に溜った液を前記静電浄油機で浄化
    し、前記第2室に浄化された潤滑油が溜るようにした請
    求項記載のシーマの潤滑油供給装置。
  7. 【請求項7】 前記シーマへ供給される潤滑油は、分配
    弁によりシーマ内に設けられた少なくともシーミングロ
    ールの潤滑を含む複数の潤滑経路に分岐供給される請求
    3〜6何れか記載のシーマの潤滑油供給装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR101902625B1 (ko) * 2015-12-25 2018-09-28 인더스트리얼 테크놀로지 리서치 인스티튜트 배터리 안전 밸브의 작동 구조

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