JP3189644B2 - スクロール形流体機械 - Google Patents

スクロール形流体機械

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JP3189644B2
JP3189644B2 JP26838595A JP26838595A JP3189644B2 JP 3189644 B2 JP3189644 B2 JP 3189644B2 JP 26838595 A JP26838595 A JP 26838595A JP 26838595 A JP26838595 A JP 26838595A JP 3189644 B2 JP3189644 B2 JP 3189644B2
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rad
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祥孝 芝本
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    • F04POSITIVE - DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS FOR LIQUIDS OR ELASTIC FLUIDS
    • F04CROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; ROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT PUMPS
    • F04C18/00Rotary-piston pumps specially adapted for elastic fluids
    • F04C18/02Rotary-piston pumps specially adapted for elastic fluids of arcuate-engagement type, i.e. with circular translatory movement of co-operating members, each member having the same number of teeth or tooth-equivalents
    • F04C18/0207Rotary-piston pumps specially adapted for elastic fluids of arcuate-engagement type, i.e. with circular translatory movement of co-operating members, each member having the same number of teeth or tooth-equivalents both members having co-operating elements in spiral form
    • F04C18/0246Details concerning the involute wraps or their base, e.g. geometry

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  • Mechanical Engineering (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Rotary Pumps (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主に空調機や冷凍
機の冷媒圧縮機として用いられるスクロール形流体機械
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、一対のスクロールの渦巻体間に画
成する流体作動室に液冷媒が寝込んだ状態で起動した
り、過渡運転時に液冷媒が多量に流体作動室に戻ってき
た場合など、流体作動室内に非圧縮性流体である液体が
満たされた状態で運転すると、内部圧力が異常上昇し、
渦巻体の破損や過負荷によるモータ損傷を招くことか
ら、特公平2−2477号や特開平4−255586号
等で知られているのように、一対のスクロールの渦巻体
端面にチップシールは介装せず、これらスクロール間を
軸方向に移動可能に支持し、常時は一方のスクロールに
背圧を与えて他方側に付勢し、液圧縮による異常圧力上
昇時には、スクロール間を軸方向に変位させて渦巻体の
端面部に微少な隙間を空け、異常圧力を逃がし得る構造
にしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、以上のもので
は、液圧縮時、渦巻体の端面に微少な隙間を空けるもの
であるから、ある程度の異常圧力を逃がすことはできる
が、流体作動室に液体が多量に満たされた場合、異常圧
力上昇は回避困難である。これを解消すべく、渦巻体の
端面に確保する圧逃がし用の隙間を大きくとると、正常
時の、すなわち、流体作動室にガスが満たされた状態で
起動したとき、ガス圧縮動作が阻害され、圧縮作用をせ
ずに空回りになる問題がある。従って、液圧縮を回避し
つつ、良好なガス圧縮動作を確保する逃げ隙間を設定す
ることは実際には不可能であり、液冷媒を回収する大形
のサクションアキュムレータを必要としたり、必要冷媒
量に至らない少ない冷媒量しか充填できない弊害が生じ
ていた。
【0004】本発明の主目的は、流体作動室内に溜る液
体の速やかな排出を可能にして液圧縮を回避しつつ、ガ
ス圧縮動作をも良好ならして高効率が得られるスクロー
ル形流体機械を提供する点にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
一回転中常時、液体の連続的な排出を可能にして、上記
主目的を効果的に達成するため、図1に示すように、各
渦巻体の端面にチップシール3,4を介装した第1およ
び第2スクロール1,2を備え、これらスクロール1,
2の少なくとも一方を他方に付勢する付勢手段5を設
け、渦巻外方側の低圧ポート6と渦巻中心側の高圧ポー
ト7との間で作動流体を給排するスクロール形流体機械
において、図2又は図3に示すように、各チップシール
3,4の介装範囲(図中黒塗りした部分)を、次の関
係、すなわち、第1および第2スクロール(1,2)の
渦巻体間に画成される中間作動室(M)は、低圧側のチ
ップシール非介装範囲内にある渦巻体の端面を横切って
低圧ポート(6)へ連通する状態が遮断された直後に、
高圧側のチップシール非介装範囲内にある渦巻体の端面
を横切って高圧ポート(7)のみに連通する関係となる
ように、設定した。
【0006】請求項2記載の発明は、請求項1記載の発
明において、その具体化のための一般式を提供するもの
であって、図2に示すように、一方側チップシールは、
渦巻体に沿う巻角でα1[rad]〜β1[rad]、
他方側チップシールは、渦巻体に沿う巻角でα2[ra
d]〜β2[rad]にわたり各々介装され、α1,β
1,α2,β2の間には、次のa,b,cの関係式が成
立するものとした。 β1−α2=3π ・・・・a β2−α1=3π ・・・・b 2π≦β1−α1≦3π (但し、α1,β1は介装範囲角度が小さい方のチップシール)・・・・c 請求項3記載の発明は、請求項1記載の発明において、
製作性を向上すると共にスクロール間に画成する対称な
2系統の流体作動室の負荷バランスをも良くするため、
図3に示すように、各チップシール3,4は、ともに渦
巻体に沿う巻角で3π[rad]にわたり介装され、こ
れらチップシール3,4の巻角範囲をほぼ一致させてい
る構成にした。
【0007】請求項4記載の発明は、一回転中一時的で
はあるが液体の強制的な排出を可能にして、上記主目的
を達成するため、図4又は図10に示すように、各渦巻
体の端面にチップシール3,4を介装した第1および第
2スクロール1,2を備え、これらスクロール1,2の
少なくとも一方を他方に付勢する付勢手段5を設け、渦
巻外方側の低圧ポート6と渦巻中心側の高圧ポート7と
の間で作動流体を給排するスクロール形流体機械におい
て、図5〜図9に示すように、各チップシール3,4の
介装範囲(図中黒塗りした部分)を、チップシール介装
範囲内の渦巻体間に、チップシール非介装範囲内の渦巻
体の端面を横切った低圧ポート6への連通が遮断された
状態で、高圧ポート7を内方に見込む中心側単一閉領域
Hを画成する関係に設定していると共に、図4又は図1
0に示すように、流体機械内部に、作動流体の逆流阻止
機構8を設けている構成にした。
【0008】請求項5記載の発明は、請求項4記載の発
明において、その具体化のための一つの関係式を提供す
るものであって、図5又は図6に示すように、一方側チ
ップシールは、渦巻体に沿う巻角でα1[rad]〜β
1[rad]、他方側チップシールは、渦巻体に沿う巻
角でα2[rad]〜β2[rad]にわたり各々介装
され、α1,β1,α2,β2の間には、次のd,e,
f,gの関係式が成立するものとした。 β1−α2≧π ・・・・d β2−α1≧π ・・・・e β1−α1≧π ・・・・f π≦β2−α2≦2π・・・・g 請求項6記載の発明は、請求項5記載の発明において、
可動スクロールを固定スクロールに押付ける構造の採用
時、可動スクロールの渦巻体端面の初期隙間を固定スク
ロール側よりも大きく設定することが多い実情に鑑み、
可動スクロール先端側でのガス漏れを極小化するため、
図5に示すように、第1スクロール1は可動スクロール
を構成し、且つ、第2スクロール2は固定スクロールを
構成し、付勢手段5は可動側の第1スクロール1を固定
側の第2スクロール2に付勢する構成としており、可動
側の第1スクロール1のチップシールを、渦巻体のほぼ
全域に設けている構成にした。
【0009】請求項7記載の発明は、請求項5記載の発
明において、液体の排出機能に必要最小のチップシール
長さに近付け、低コスト化を図るため、図6に示すよう
に、各チップシール3,4は、ともに渦巻体に沿う巻角
で2π[rad]以下の長さにしている構成にした。
【0010】請求項8記載の発明は、請求項4記載の発
明において、その具体化のために、請求項5とは異なる
別の関係式を提供するものであって、図7に示すよう
に、一方側チップシールは、渦巻体に沿う巻角でα1
[rad]〜β1[rad]、他方側チップシールは、
渦巻体に沿う巻角でα2[rad]〜β2[rad]に
わたり各々介装され、α1,β1,α2,β2の間に
は、次のh,i,j,kの関係式が成立するものとし
た。 β1−α2≦3π ・・・・h β2−α1≦3π ・・・・i 2π≦β1−α1≦3π・・・・j β2−α2≧2π・・・・k 請求項9記載の発明は、請求項4記載の発明において、
その具体化のために、請求項5,8とは異なる別の関係
式を提供するものであって、図8に示すように、一方側
チップシールは、渦巻体に沿う巻角でα1[rad]〜
β1[rad]、他方側チップシールは、渦巻体に沿う
巻角でα2[rad]〜β2[rad]にわたり各々介
装され、α1,β1,α2,β2の間には、次のl,
m,nの関係式が成立するものとした。 β1−α2=π ・・・・l β1−α1≧2π・・・・m β2−α2≧2π・・・・n 請求項10記載の発明は、請求項4記載の発明におい
て、製作性を向上すると共にスクロール間に画成する対
称な2系統の流体作動室の負荷バランスをも良くするた
め、図9に示すように、各チップシール3,4は、とも
に渦巻体に沿う巻角でπ[rad]〜3π[rad]に
わたり介装され、これらチップシール3,4の巻角範囲
をほぼ一致させている構成にした。
【0011】請求項11記載の発明は、請求項1〜請求
項10何れか一記載の発明において、液体の排出動作か
らガス圧縮動作への移行を円滑に行わせるため、図1又
は図4に示すように、付勢手段5は、スクロールの裏面
に区画形成する背圧室50に高圧側作動流体を導く機構
から成る構成とした。
【0012】請求項12記載の発明は、請求項1〜請求
項10何れか一記載の発明において、スクロールの摺動
部の潤滑を円滑に行うため、付勢手段5は、スクロール
の裏面に区画形成する背圧室50に高圧の潤滑油を導く
機構から成る構成にした。
【0013】請求項13記載の発明は、請求項11記載
の発明において、更に、スクロールの摺動部の潤滑を円
滑に行うため、図1又は図4に示すように、背圧室50
に高圧の潤滑油を併せて導くこととした。
【0014】請求項14記載の発明は、請求項11〜請
求項13何れか一記載の発明において、高圧と低圧との
シールを確実にするため、図1又は図4に示すように、
背圧室50に臨むスクロールの裏面に、バネ55による
付勢力を加算させている構成にした。
【0015】請求項15記載の発明は、請求項4〜請求
項10何れか一記載の発明において、逆流阻止機構8を
簡易に形成するため、該逆流阻止機構8は、高圧ポート
7の下流に配設する吐出弁であるものとした。
【0016】
【発明の作用効果】請求項1記載の発明では、図2又は
図3に示すように、図中斜線を施した中間作動室Mは、
チップシール非介装範囲内の渦巻体の端面を幅方向に横
切った低圧ポート6への連通が遮断された直後に、すな
わち図2のものでは回転角が90゜を越えたとき並びに
回転角が180゜を越えたとき、図3のものでは、回転
角が90゜を越えたときに、チップシール非介装範囲内
の渦巻体の端面を幅方向に横切って高圧ポート7のみに
連通する(低圧ポート6の連通はない)。このため、中
間作動室M内の液体は圧縮されることなく、高圧ポート
7に強制的に排出されることになる。スクロール1,2
の渦巻体間には、その外周部から中心部にかけて複数の
流体作動室が形成されているから、結局、図中、点を打
った中心側領域で常時液体の排出が行われることにな
る。このため、液体の速やかな排出が可能となり、液圧
縮を速やかに回避できる。一方、ガス圧縮の初期時に
も、中間作動室Mが低圧ポート6に対して遮断された後
は、チップシール3,4の介在により低圧ポート6にガ
スが漏れることはなく、高圧ポートへのガスの排出が可
能であり、このガス排出により圧力の上昇を促すことが
できるため、正常な定常運転への立ち上げもスムーズに
行える。そして、定常時には、付勢手段5により、スク
ロール1,2は互いに密着されるため、低圧ポート6か
ら高圧ポート7にかけて全域にわたり、ガスの圧縮が行
える。このため、ガス圧縮動作をも良好にできて、高効
率の運転が確保できる。
【0017】請求項2記載の発明では、図2に示すよう
に、スクロール1,2の渦巻体間に画成される2系統の
流体作動室のうち、チップシール3,4の介装部分のも
のが低圧ポート6に対し遮断されて閉じた室になるタイ
ミングが系統間でずれていても、すなわち、図2のもの
では、一方の系統の中間作動室Mは回転角が90゜に達
したときに、他方の系統の中間作動室Mは回転角が18
0゜に達したときに、それぞれチップシール3,4によ
り低圧ポート6に遮断されることになるが、上記関係式
a,b,cを全て満足しているから、何れの中間作動室
Mもその容積が縮小されようとしたときには高圧ポート
7に連通し、内部に閉じ込めた液体は圧縮されることは
なく、高圧ポート7へ排出される。従って、上記関係式
a,b,cを全て満足する限りにおいて、所期の目的を
達成することができる。
【0018】請求項3記載の発明では、図3に示すよう
に、各チップシール3,4の形状がほぼ同一になり、こ
れを介装するスクロール1,2の介装部分の形状もほぼ
同一となるため、製作性を向上することができる。又、
2系統の中間作動室M,Mは何れも同時にチップシール
3,4によって低圧ポート6に対し遮断され(回転角が
90゜のとき)、その直後(回転角が90゜を越えたと
き)に高圧ポート7に連通することになるため、対称な
2系統の流体作動室の負荷バランスを良くすることがで
きる。
【0019】請求項4記載の発明では、図5〜図9に示
すように、図中斜線を施した中心側単一閉領域Hは、チ
ップシール非介装範囲内の渦巻体の端面を幅方向に横切
った低圧ポート6への連通が遮断された状態で、即ち、
図5では180゜、図6では90゜、図7では0゜,9
0゜,270゜、図8では270゜、図9では0゜,9
0゜,180゜の時、高圧ポート7を内方に見込む単一
で且つ閉じた領域となるため、この領域H内の液体を高
圧ポート7に排出することができる。この中心側単一閉
領域Hは、一回転中、特定の回転角あるいは特定の回転
角範囲にあるときに形成され、他の回転角のときには、
流体作動室の中心側領域と外周側領域とは、チップシー
ル非介装範囲内の渦巻体の端面を幅方向に横切って連通
し、高圧ポート7と低圧ポート6とが連通することにな
るが、一旦、中心側単一閉領域Hが形成されて、この領
域Hから高圧ポート7に液体が排出されると、逆流阻止
機構8により、この排出された液体の逆流は阻止される
ため、強制的な液体の排出が確保される。こうして、一
回転中一時的ではあるが液体の強制的な排出が可能とな
り、液圧縮を速やかに回避できる。一方、ガス圧縮の初
期時にも、中心側単一閉領域Hが形成されたとき、チッ
プシール3,4の介在により低圧ポート6にガスが漏れ
ることはなく、高圧ポート7へのガスの排出が可能であ
り、このガス排出により圧力の上昇を促すことができる
ため、正常な定常運転への立ち上げもスムーズに行え
る。そして、定常時には、付勢手段5により、スクロー
ル1,2は互いに密着されるため、低圧ポート6から高
圧ポート7にかけて全域にわたり、ガスの圧縮が行え
る。このため、ガス圧縮動作をも良好にできて、高効率
の運転が確保できる。
【0020】請求項5記載の発明では、図5又は図6に
示すように、中心側単一閉領域Hは特定の回転角のとき
に一瞬だけあるいはある狭い回転範囲に対応する時だけ
形成されるのみであるが、逆流阻止機構8により、少量
ずつではあるが、確実に流体を排出してゆく。こうし
て、上記関係式d,e,f,gを全て満足する限りにお
いて、所期の目的を達成することができる。
【0021】請求項6記載の発明では、図5に示すよう
に、可動側の第1スクロール1の渦巻体のほぼ全域にチ
ップシールを設けているため、可動側の第1スクロール
1を固定側の第2スクロール2に付勢する構成とし、可
動側の第1スクロール1の渦巻体端面の初期隙間を固定
側の第2スクロール2側よりも大きく設定することとし
た場合にも、通常ガス圧縮運転時において可動側の第1
スクロール1の渦巻先端側でのガス漏れを極小化するこ
とができる。
【0022】請求項7記載の発明では、図6に示すよう
に、各チップシール3,4は、ともに渦巻体に沿う巻角
で2π[rad]以下の長さであるから、液体の排出機
能に必要最小のチップシール長さに近くすることがで
き、それだけ低コスト化を図ることができる。
【0023】請求項8記載の発明では、図7に示すよう
に、中心側単一閉領域Hは一回転中に一瞬だけではなく
ある回転角の範囲内において形成される。図7のもので
は、0゜〜90゜,270゜〜0゜の範囲、つまり、2
70゜〜90゜の180゜の回転角範囲内において形成
されることになる。この中心側単一閉領域Hが形成され
ているときには、この領域Hは高圧ポート7に連通して
いるから、液圧縮することなく、その領域内の容積縮小
により液体を積極的に押出して排出することができる。
こうして、上記関係式h,i,j,kを全て満足する限
りにおいて、良好に所期の目的を達成することができ
る。
【0024】請求項9記載の発明では、図8に示すよう
に、ある特定の回転角のとき、図8のものでは90゜の
ときに中間の流体作動室mが一瞬だけ閉鎖領域になるこ
とがあるが、その次の瞬間にはその閉鎖が破られ、低圧
ポート6側にも連通するから液圧縮することはなく、他
の特定の回転角(図示のものでは270゜)のときに、
中心側単一閉領域Hが形成されて、液体の排出が可能に
なる。こうして、上記関係式l,m,nを全て満足する
限りにおいて、良好に所期の目的を達成することができ
る。
【0025】請求項10記載の発明では、図9に示すよ
うに、各チップシール3,4の形状がほぼ同一になり、
これを介装するスクロール1,2の介装部分の形状もほ
ぼ同一となるため、製作性を向上することができる。
又、中心側単一閉領域Hは、一回転中に、0゜〜90
゜,90゜〜180゜の範囲、つまり、0゜〜180゜
の回転角範囲内において形成され、容積縮小による積極
的な液体の排出が可能になると共に、この中心側単一閉
領域Hは、回転角の変化に対して常に中心に対し点対称
なの関係に形成されるため、対称な2系統の流体作動室
の負荷バランスを良くすることができる。
【0026】請求項11記載の発明では、図1又は図4
に示すように、付勢手段5は、スクロールの裏面に区画
形成する背圧室50に高圧側作動流体を導く機構として
いるから、液体の排出中は、高圧側作動流体の圧力上昇
も遅く、スクロール1,2間を軸方向に離反させて、液
圧縮を回避した状態で効果的に液の排出が行えると共
に、ガス圧縮動作に移行したときには、高圧側作動流体
の圧力上昇に伴い背圧室50からの付勢力を増すことが
でき、スクロール1,2間の軸方向隙間を小さくして良
好なガス圧縮動作が確保される。このため、液圧縮の回
避動作から定常運転への移行を円滑に行わせることがで
きる。
【0027】請求項12記載の発明では、上記請求項1
1の高圧側作動流体に代えて高圧の潤滑油を背圧室50
に導くこととしているため、スクロール裏面の摺動部の
潤滑をも円滑に行うことができる。
【0028】請求項13記載の発明では、背圧室50に
高圧側作動流体を導く請求項11記載の発明において、
更に、背圧室50に高圧の潤滑油を併せて導くこととし
ているため、スクロール裏面の摺動部の潤滑をも円滑に
行うことができる。
【0029】請求項14記載の発明では、請求項11〜
請求項13何れか一記載の発明において、図1又は図4
に示すように、背圧室50に臨むスクロールの裏面に、
バネ55による付勢力を加算させているから、このバネ
55により、ガス圧縮動作に移行した初期時において、
スクロール1,2間の軸方向隙間を小さくする予圧力を
付与でき、ガス圧縮動作への移行をスムーズにできると
共に、定常運転時、スクロール1,2間の付勢力を増す
ことができ、流体作動室内の機密性を高めることができ
るため、高圧側と低圧側との漏れを少なくでき、そのシ
ール性を確実にすることができる。
【0030】請求項15記載の発明では、請求項4〜請
求項10何れか一記載の発明において、逆流阻止機構8
は、高圧ポート7の下流に配設する吐出弁と兼用してい
るから、それだけ構成を簡易化することができる。
【0031】
【発明の実施の形態】図1に示すスクロール形流体機械
は、冷凍機や空調機の冷媒圧縮機に用いるものであっ
て、密閉ケーシング9の内部上部に、ハウジング90を
介して、各鏡板11,21にインボリュート曲線に合致
する渦巻体12,22を突設した第1及び第2スクロー
ル1,2を配設している。各渦巻体12,22の端面に
は、渦巻に沿う凹溝30,40を設けており、各凹溝3
0,40に、軸方向に移動自由としたチップシール3,
4を介装している。第1スクロール1は、内蔵モータで
駆動するクランク軸91の偏心孔92に中心部ボス筒1
3を嵌合し、可動スクロールを構成している。第2スク
ロール2は、ハウジング90にボルト等で固定し、固定
スクロールを構成している。第2スクロール2の外周部
には、低圧側作動流体たる吸入ガスを導く吸入管93に
通じる低圧ポート6を、第1スクロールの中心部には、
圧縮後の高圧側作動流体たる吐出ガスをケーシング9の
下部空間94に排出する高圧ポート7を各々設けてい
る。第2スクロール2の中心部には、吐出座ぐり部70
を設けている。
【0032】可動側の第1スクロール1の背面には、リ
ング部材51の内方に背圧室50を区画形成しており、
この背圧室50からの押圧力により、第1スクロール1
を第2スクロール2に付勢する付勢手段5を構成してい
る。背圧室50には、連通孔95,96を介して、下部
空間94の吐出ガス及び主軸受97に供給後の高圧潤滑
油を導くと共に、ボス部軸受98からにじみ出る高圧潤
滑油を導いている。更に、リング部材51の背面には板
バネ等のバネ55を介装している。
【0033】尚、図1中、99は吐出管、100は低圧
側上部空間、101は第1スクロールの自転防止機構を
構成するオルダムリングである。
【0034】以上の構成で、各チップシール3,4の介
装範囲を、表1並びに図2又は図3に示すようにした。
尚、巻角とは、各スクロール1,2の渦巻体12,22
を構成するインボリュートの基礎円の伸開角を意味す
る。図中、黒色帯で示した範囲がチップシール3,4の
介装範囲となるが、実際のチップシール3,4は、上述
した通り、渦巻体12,22の端面に設けた凹溝30,
40の内部に介装されるのであり、チップシール3,4
の幅は、黒色帯の幅よりも短い。
【0035】
【表1】
【0036】図4に示すものは、固定側の第2スクロー
ル2の外周壁に吸入管93を直結すると共に、第2スク
ロール2の中心部に高圧ポート7を開口し、高圧側上部
空間102と下部空間94とを高圧連通孔103で連結
する一方、リング体51の外周部低圧室104と低圧ポ
ート6とを低圧連通孔105で連結している。更に、高
圧ポート7には、逆流阻止機構8を構成する板状逆止弁
を介装している。尚、この逆流阻止機構8は、常時閉側
に弾性的に付勢するカンチレバー式弁やポペット式弁等
の通常の吐出弁で兼用させてもよい。こうして、図4に
対応する実施形態として、各チップシール3,4の介装
範囲を、表2並びに図5〜図9に示すようにした。
【0037】
【表2】
【0038】ところで、逆流阻止機構8は、高圧ポート
7に設ける他、図10に示すように低圧ポート6に設け
て、該低圧ポート6側からの吸引による逆流を阻止する
ようにしてもよい。すなわち、吸入管93の開口部に板
弁式の逆止弁81とこれを常時閉側に付勢するコイルバ
ネから成る付勢体82とで逆流阻止機構8を構成してい
る。尚、付勢体82の受体83には、ガス圧縮時に吸入
ガスを導く通路84を開口している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるスクロール形流体機械の上部断
面図。
【図2】実施形態1の説明図。
【図3】実施形態2の説明図。
【図4】別形態のスクロール形流体機械の上部断面図。
【図5】実施形態3の説明図。
【図6】実施形態4の説明図。
【図7】実施形態5の説明図。
【図8】実施形態6の説明図。
【図9】実施形態7の説明図。
【図10】その他の別形態のスクロール形流体機械の上
部断面図。
【符号の説明】
1;第1スクロール、2;第2スクロール、3,4;チ
ップシール、5;付勢手段、50;背圧室、55;バ
ネ、6;低圧ポート、7;高圧ポート、8;逆流阻止機
構、M;中間作動室、H;中心側単一閉領域

Claims (15)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 各渦巻体の端面にチップシール(3,
    4)を介装した第1および第2スクロール(1,2)を
    備え、これらスクロール(1,2)の少なくとも一方を
    他方に付勢する付勢手段(5)を設け、渦巻外方側の低
    圧ポート(6)と渦巻中心側の高圧ポート(7)との間
    で作動流体を給排するスクロール形流体機械において、
    各チップシール(3,4)の介装範囲を、次の関係、す
    なわち、第1および第2スクロール(1,2)の渦巻体
    間に画成される中間作動室(M)は、低圧側のチップシ
    ール非介装範囲内にある渦巻体の端面を横切って低圧ポ
    ート(6)へ連通する状態が遮断された直後に、高圧側
    のチップシール非介装範囲内にある渦巻体の端面を横切
    って高圧ポート(7)のみに連通する関係となるよう
    に、設定していることを特徴とするスクロール形流体機
    械。
  2. 【請求項2】 一方側チップシールは、渦巻体に沿う巻
    角でα1[rad]〜β1[rad]、他方側チップシ
    ールは、渦巻体に沿う巻角でα2[rad]〜β2[r
    ad]にわたり各々介装され、α1,β1,α2,β2
    の間には、次のa,b,cの関係式が成立する請求項1
    記載のスクロール形流体機械。 β1−α2=3π ・・・・a β2−α1=3π ・・・・b 2π≦β1−α1≦3π (但し、α1,β1は介装範囲角度が小さい方のチップシール)・・・・c
  3. 【請求項3】 各チップシール(3,4)は、ともに渦
    巻体に沿う巻角で3π[rad]にわたり介装され、こ
    れらチップシール(3,4)の巻角範囲をほぼ一致させ
    ている請求項1記載のスクロール形流体機械。
  4. 【請求項4】 各渦巻体の端面にチップシール(3,
    4)を介装した第1および第2スクロール(1,2)を
    備え、これらスクロール(1,2)の少なくとも一方を
    他方に付勢する付勢手段(5)を設け、渦巻外方側の低
    圧ポート(6)と渦巻中心側の高圧ポート(7)との間
    で作動流体を給排するスクロール形流体機械において、
    各チップシール(3,4)の介装範囲を、チップシール
    介装範囲内の渦巻体間に、チップシール非介装範囲内の
    渦巻体の端面を横切った低圧ポート(6)への連通が遮
    断された状態で、高圧ポート(7)を内方に見込む中心
    側単一閉領域(H)を画成する関係に設定していると共
    に、流体機械内部に、作動流体の逆流阻止機構(8)を
    設けていることを特徴とするスクロール形流体機械。
  5. 【請求項5】 一方側チップシールは、渦巻体に沿う巻
    角でα1[rad]〜β1[rad]、他方側チップシ
    ールは、渦巻体に沿う巻角でα2[rad]〜β2[r
    ad]にわたり各々介装され、α1,β1,α2,β2
    の間には、次のd,e,f,gの関係式が成立する請求
    項4記載のスクロール形流体機械。 β1−α2≧π ・・・・d β2−α1≧π ・・・・e β1−α1≧π ・・・・f π≦β2−α2≦2π・・・・g
  6. 【請求項6】 第1スクロール(1)は可動スクロール
    を構成し、且つ、第2スクロール(2)は固定スクロー
    ルを構成し、付勢手段(5)は可動側の第1スクロール
    (1)を固定側の第2スクロール(2)に付勢する構成
    としており、可動側の第1スクロール(1)のチップシ
    ールを、渦巻体のほぼ全域に設けている請求項5記載の
    スクロール形流体機械。
  7. 【請求項7】 各チップシール(3,4)は、ともに渦
    巻体に沿う巻角で2π[rad]以下の長さにしている
    請求項5記載のスクロール形流体機械。
  8. 【請求項8】 一方側チップシールは、渦巻体に沿う巻
    角でα1[rad]〜β1[rad]、他方側チップシ
    ールは、渦巻体に沿う巻角でα2[rad]〜β2[r
    ad]にわたり各々介装され、α1,β1,α2,β2
    の間には、次のh,i,j,kの関係式が成立する請求
    項4記載のスクロール形流体機械。 β1−α2≦3π ・・・・h β2−α1≦3π ・・・・i 2π≦β1−α1≦3π・・・・j β2−α2≧2π・・・・k
  9. 【請求項9】 一方側チップシールは、渦巻体に沿う巻
    角でα1[rad]〜β1[rad]、他方側チップシ
    ールは、渦巻体に沿う巻角でα2[rad]〜β2[r
    ad]にわたり各々介装され、α1,β1,α2,β2
    の間には、次のl,m,nの関係式が成立する請求項4
    記載のスクロール形流体機械。 β1−α2=π ・・・・l β1−α1≧2π・・・・m β2−α2≧2π・・・・n
  10. 【請求項10】 各チップシール(3,4)は、ともに
    渦巻体に沿う巻角でπ[rad]〜3π[rad]にわ
    たり介装され、これらチップシール(3,4)の巻角範
    囲をほぼ一致させている請求項4記載のスクロール形流
    体機械。
  11. 【請求項11】 付勢手段(5)は、スクロールの裏面
    に区画形成する背圧室(50)に高圧側作動流体を導く
    機構から成る請求項1〜請求項10何れか一記載のスク
    ロール形流体機械。
  12. 【請求項12】 付勢手段(5)は、スクロールの裏面
    に区画形成する背圧室(50)に高圧の潤滑油を導く機
    構から成る請求項1〜請求項10何れか一記載のスクロ
    ール形流体機械。
  13. 【請求項13】 背圧室(50)に高圧の潤滑油を併せ
    て導くこととしている請求項11記載のスクロール形流
    体機械。
  14. 【請求項14】 背圧室(50)に臨むスクロールの裏
    面に、バネ(55)による付勢力を加算させている請求
    項11〜請求項13何れか一記載のスクロール形流体機
    械。
  15. 【請求項15】 逆流阻止機構(8)は、高圧ポート
    (7)の下流に配設する吐出弁である請求項4〜請求項
    10何れか一記載のスクロール形流体機械。
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