JP3189614B2 - 音声帯域拡大装置 - Google Patents

音声帯域拡大装置

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JP3189614B2
JP3189614B2 JP05255895A JP5255895A JP3189614B2 JP 3189614 B2 JP3189614 B2 JP 3189614B2 JP 05255895 A JP05255895 A JP 05255895A JP 5255895 A JP5255895 A JP 5255895A JP 3189614 B2 JP3189614 B2 JP 3189614B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、狭帯域音声信号のみが
得られる環境下において、狭帯域音声信号から広帯域な
音声信号へと帯域を拡大することにより、明瞭度、帯域
感のある音声を提供する音声帯域拡大装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、音声帯域の拡大方法は学会等で幾
つか提案されている。それらの多くは電話音声の帯域拡
大を主眼としたものであり、それぞれの手法での効果が
発表されている。以下に従来の音声帯域拡大方法につい
て説明する。
【0003】図4は、電子情報通信学会技報(SP93
−61)「コードブックマッピングによる狭帯域音声か
ら広帯域音声の復元法」において吉田、阿部氏らによっ
て提案された手法であり、第1の従来例の音声帯域拡大
方法を実現するための装置構成図を示すものである。図
4において、41はLPC分析部、42はベクトル量子
化部、43はディコーディング部、44は狭帯域コード
ブック、45は広帯域コードブック、46は低域復元
部、47は第1の高域復元部、48は第2の高域復元
部、49は加算部、410はアップサンプリング部であ
る。以下、その動作について説明する。
【0004】入力された狭帯域音声信号は、LPC分析
部41で線形予測分析される。LPC分析部41により
抽出されたスペクトル包絡情報を狭帯域コードブック4
4を用いて、ベクトル量子化部42でベクトル量子化を
行なう。ベクトル量子化部42の結果を用い狭帯域コー
ドブック44に対応する広帯域コードブック45に格納
されている広帯域スペクトル包絡情報をディコーディン
グ部43で得る。低域復元部46ではLPC分析部41
により抽出されたピッチ情報、パワ情報、および、ディ
コーディング部43から得られるスペクトル包絡情報を
用い、LPC合成により低域を復元する。同様に第1の
高域復元部47では、前記ピッチ情報と前記パワ情報と
ディコーディング部43から得られるスペクトル包絡情
報により高域を復元する。低域復元部46と第1の高域
復元部47の出力と、前記入力された狭帯域信号をアッ
プサンプリング部410でサンプリング周波数を変換さ
れた出力を加算部49で代数的に加算し、広帯域合成音
声を得る。
【0005】また、この第1の従来例では、第1の高域
復元部47の代わりに第2の高域復元部48を用いた手
法も提案されており、第2の高域復元部48では、ベク
トル量子化部42の出力を参照して、蓄積された波形素
片データとLPC分析部41からの前記ピッチ情報と前
記パワ情報から高域を復元し、低域復元部46の出力と
アップサンプリング部410からの出力とを加算部49
で加算し、広帯域合成音声を得る。それ以外の構成は、
第1の高域復元部47を用いる手法と同様である。
【0006】図5は、日本音響学会論文講演集1−P−
6(1994ー11)「電話帯域音声の疑似広帯域化の
検討」において田中氏らによって提案された手法であっ
て、第2の従来例の音声帯域拡大方法を実現する装置構
成図を示すものである。図5において、51はLPC分
析部、52はLPC逆フィルタ部、53は整流部、54
はLPC合成部、55は帯域通過フィルタ部、56は高
域通過フィルタ部、57はイコライザー部である。以
下、その動作について説明する。
【0007】入力された狭帯域信号は、LPC分析部5
1で線形予測分析される。LPC分析部51から得た出
力を用い、LPC逆フィルタ部52で残差信号を算出す
る。前記残差信号は、整流部53において半波整流を用
いて非線形処理される。整流部53の出力とLPC分析
部51から得られるスペクトル包絡情報により、LPC
合成部54で線形合成が行なわれる。帯域通過フィルタ
55では、前記入力された狭帯域信号から、0〜300
Hzの帯域をろ波する。高域通過フィルタ部56では、
前記入力された狭帯域信号から300Hz〜4kHz帯
域の高域成分をろ波する。帯域通過フィルタ55の出力
と高域通過フィルタ56の出力を加算し、イコライザー
部57で、合成音声がこもり感の無いように周波数のイ
コライジングを行ない、広帯域な出力音声を得る。
【0008】図6は、日本音響学会論文講演集1−5−
9(1994−11)「狭帯域CELP符号からの広帯
域音声の復元」において田崎氏らによって提案された手
法であって、第3の従来例の音声帯域拡大方法を実現す
る装置構成図を示すものである。図6において、61は
アップサンプリング部、62はLSP分析部、63は適
応音源分析部、64は広帯域LSP推定部、65はLS
P合成フィルタ部、66は適応音源合成部、67は雑音
生成部、68は高域通過フィルタ部、69、610は乗
算器、611、612は加算器である。以下、その動作
について説明する。
【0009】入力された狭帯域信号は、線形予測分析の
うちのLSP分析を用いてLSP分析部62で分析を行
なう。すなわち、よく知られているCELP(Code Exc
itedLinear Prediction)の考えを用いて、分析した
後、狭帯域な適応音源ゲイン、適応音源ラグ長、残差ゲ
インを適応音源分析部63から出力する。前記適応音源
ラグ長は2倍され、この値を用いて適応音源合成部66
で適応音源を合成する。適応音源合成部66からの出力
は、乗算器69にて、前記適応音源ゲインを2倍した値
と乗算される。また、雑音コードブックから雑音生成部
67で雑音成分を生成し、この雑音成分は、乗算器61
0にて、前記残差ゲインを2倍した値と乗算される。乗
算器69の出力と乗算器610の出力を加算器611で
加算することにより広帯域音源を生成する。LSP分析
部62からのLSPを次数を低減することにより、広帯
域LSP推定部64で疑似広帯域化する。加算器611
から出力される前記広帯域音源と、広帯域LSP推定部
64からの出力とを用いて、LSP合成フィルタ部65
で広帯域音声を合成する。前記広帯域音声から高域通過
フィルタ部68により3400Hz〜7200Hzの高
域成分を抽出し、前記入力された狭帯域信号をアップサ
ンプリング部61でアップサンプリングされた信号と、
高域通過フィルタ部68の出力とを加算器612で加算
し、広帯域合成音を得る。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記の従
来の構成において、まず、第1の従来例の方法では、音
源情報がピッチ、白色雑音であるため、ピッチ推定誤り
による音質劣化が問題となる。また、包絡情報の推定に
多くの計算量とメモリを必要とする。
【0011】第2の従来例の方法では、0Hz〜300
Hzの帯域のみを拡大するもので、3400Hz以上の
帯域は拡大していないため、帯域感が得られない。
【0012】第3の従来例の方法では、300Hz以下
の低域は生成されておらず、充分な自然性が得られな
い。また、LSP次数の低減によるスペクトル包絡情報
の広帯域化は、充分な精度で広帯域なスペクトル包絡情
報の復元ができないなどの問題を有していた。
【0013】本発明は上記従来の問題点を解決するもの
で、低域成分と高域成分の両者を合成することで、明瞭
でかつ帯域感のある音声帯域拡大装置を提供することを
目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、本発明の音声帯域拡大装置は、入力信号からスペク
トル情報と残差信号を線形予測分析法を用いて抽出する
LPC分析部と、前記LPC分析部により抽出された前
記スペクトル包絡情報を所望の周波数帯域に線形写像関
数により帯域を拡大する包絡拡大部と、前記LPC分析
部により算出された前記残差信号を非線形処理により、
所望の周波数帯域の特性を有する信号へと変換する駆動
音源拡大部と、前記包絡拡大部より得られる帯域拡大さ
れた包絡情報と前記駆動音源拡大部より得られる帯域拡
大された音源情報を用いて音声をLPC合成するLPC
合成部と、前記LPC合成部から得られた信号列を時間
軸上で平滑化する波形平滑化部と、前記波形平滑化部よ
り得られた信号から前記入力信号に付加すべき周波数帯
域成分を漉波するフィルタ部と、前記入力信号を周波数
特性を保持しながら前記入力信号のサンプリング周波数
よりも高いサンプリング周波数に変換した信号列を出力
するアップサンプリング部と、前記フィルタ部の出力信
号と前記アップサンプリング部の出力信号を加算する加
算部とを有し、前記入力信号よりも広帯域な出力信号を
得る構成を有している。
【0015】
【作用】本発明は上記構成によって、低域成分および高
域成分の両者を帯域拡大する構成であるため、自然感お
よび帯域感のある音声を得ることができ、線形写像関数
によりスペクトル包絡情報を帯域拡大しているので、少
ない計算量で正確なスペクトル包絡情報を得ることがで
き、非線形処理により残差信号の帯域拡大をしているの
で、音声の調波構造を保持したまま広帯域化が可能とな
る。また、波形平滑化処理を行なうことで、合成音声の
時間的な不連続性を取り除くことができ、より自然な合
成音を得ることが可能となる。
【0016】
【実施例】以下、本発明の一実施例について、図面を参
照しながら説明する。
【0017】図1は本発明の一実施例における音声帯域
拡大装置の全体構成図である。図1において、入力され
た狭帯域音声信号は、LPC分析部12で線形予測分析
法で分析され、スペクトル包絡情報と残差信号が抽出さ
れる。前記スペクトル包絡情報は、包絡拡大部13によ
って広帯域なスペクトル包絡情報に変換される。前記残
差信号は、駆動音源拡大部14で広帯域な残差信号に変
換され、LPC合成部15にて、包絡拡大部13からの
出力と駆動音源拡大部14からの出力によって広帯域な
合成音声にLPC合成される。広帯域な合成音声は、波
形平滑化部16にて、フレーム分析による合成波形の不
連続性を減少させるために平滑化処理が行なわれる。波
形平滑化部16からの出力は、フィルタ部17によっ
て、狭帯域な入力信号に欠落している周波数成分をろ波
される。フィルタ部17からの出力は、入力信号をアッ
プサンプリングするアップサンプリング部11からの出
力と加算部18にて加算され、出力信号を得る。
【0018】各部の詳細な説明を、図2を用いて行な
う。図2は、図1の音声帯域拡大装置の詳細な全体構成
図である(図1におけるフィルタ部17と波形平滑化部
16は、より具体的な構成として、帯域通過フィルタ部
210とクロスフェード部29で構成している)。
【0019】図2において、入力された狭帯域音声信号
は、LPC分析部12にて線形予測分析され、スペクト
ル包絡情報と残差信号に分離する。LPC分析部12で
は、例えば、入力信号に対して(数1)の窓関数を乗算
する。
【0020】
【数1】
【0021】ここで、(数1)はハミング窓を示す関数
であり、h(i);ただしi=0,2,・・・,N-1は窓関数、Nは分析
フレーム長を示す。そしてこの次にこのh(i)を用い
て、(数2)で定義される相関関数を算出する。
【0022】
【数2】
【0023】(数2)において、y(i)は時刻iにおける
入力信号で、r(j)はj次の相関値を示す。
【0024】次に(数2)の相関値を用いて、(数3)
の正規方程式を導く。
【0025】
【数3】
【0026】(数3)において、a0,a1,・・・,anは線形予
測係数で、Vnはn次の線形予測係数であり、モデルを構
成した場合の予測誤差パワを示す。但し、a0 = 1 であ
る。最後に、(数4)の目的関数を最小化するようにし
て、(数3)の正規方程式から線形予測係数を算出する
ことで、スペクトル包絡情報を抽出することができる。
【0027】
【数4】
【0028】残差信号は、(数4)の目的関数を最小化
する線形予測係数を用いて、例えば(数5)などで算出
される。
【0029】
【数5】
【0030】(数5)のε(i)は時刻iにおける残差信号
である。LPC分析部12で抽出されたスペクトル包絡
情報、例えばLPC係数、PARCOR係数などは、線
形写像関数部23で、複数の線形写像関数を用いて、入
力と同数の広帯域なスペクトル包絡情報へと写像され
る。また、LPC分析部12で抽出されたスペクトル包
絡情報は、狭帯域コードブック21を参照して、ベクト
ル量子化部22でベクトル量子化により距離を算出され
る。包絡加算部24では、線形写像関数部23で得られ
た広帯域なスペクトル包絡情報を、ベクトル量子化部2
2で算出された距離に基づいて重みつけ加算し、広帯域
なスペクトル包絡情報を得る。コードブックは予め狭帯
域なスペクトル包絡情報により学習させておき、線形写
像関数は、狭帯域なスペクトル包絡情報から広帯域なス
ペクトル包絡情報への写像関係を学習させておく。スペ
クトル包絡情報の帯域拡大は、例えば、(数6)に示す
ように、狭帯域なスペクトル包絡情報を入力し、狭帯域
の包絡情報を関数の数だけ広帯域な包絡情報へと線形写
像する。
【0031】
【数6】
【0032】(数6)において、zkiは、Akはk番目の線
形写像関数で、狭帯域な包絡情報xiを写像した結果であ
る。
【0033】次に、狭帯域なスペクトル包絡情報から、
(数7)で定義されるベクトル量子化の式を用いて、各
コードと狭帯域なスペクトル包絡情報との距離を算出す
ることで、線形写像された各々のスペクトル包絡情報に
対する重み係数を得る。
【0034】
【数7】
【0035】(数7)に示すように、重みwikはk番目の
包絡情報の代表点Vkと狭帯域な包絡情報xiとの距離から
算出される。(数6)で得られる線形写像されたスペク
トル包絡情報と、(数7)で得られた重み係数とを用い
て、(数8)によって広帯域なスペクトル包絡情報に写
像される。
【0036】
【数8】
【0037】(数8)において、広帯域な包絡情報y
iは、前出の(数6)と(数7)で算出された値により
定まる。
【0038】一方、LPC分析部12で抽出された残差
情報は、残差アップサンプリング部25でアップサンプ
リングされ、非線形処理部26にて全波整流などの処理
を施される。非線形処理部26では、全波整流、半波整
流、二乗処理、クリッピング等の非線形操作を用いても
よい。それらの非線形操作を行なうことで、音源情報の
低域成分と高域成分を歪みによって生成することができ
る。非線形処理部26からの出力は、歪みによって生じ
たスペクトル包絡情報を含有しているため、スペクトル
平滑化部27で、低次のLPC分析を施した残差を得る
ことで周波数特性を平滑化する。例えばスペクトル平滑
化部27におけるLPC分析の次数は3次程度とする。
スペクトル平滑化部27からの出力は、スペクトル平滑
化部27への入力に対してパワが減衰しているため、ゲ
イン制御部28で定数倍を乗じることによって補正す
る。あるいは、スペクトル平滑化部27への入力と出力
のパワ比を乗じることで補正する方法や、後処理的にL
PC合成部15で信号を合成してから、LPC分析部1
2に入力される入力信号が持つ周波数帯域と同じ帯域を
通過する帯域通過フィルタを用いて、LPC合成部15
からの出力をろ波し、入力信号と前出の帯域通過フィル
タ後の出力のパワを同一にするように分析フレームごと
に比を算出し、その比を乗じる方法を用いてもよい。
【0039】駆動音源の帯域拡大は、例えば、狭帯域な
残差信号を(数9)の演算によって、残差アップサンプ
リング部25でアップサンプリングを行なう。
【0040】
【数9】
【0041】(数9)において、uε(i)は、ε(i)をア
ップサンプリングした信号列である。次に、残差アップ
サンプリング部25の出力を、非線形処理部26で(数
10)を用いて全波整流を行なう。
【0042】
【数10】
【0043】(数10)において、cε(i)は、uε(i)を
全波整流したものである。全波整流された信号をスペク
トル平滑化部27で(数11)のように低次の線形予測
法の残差信号を得ることで、スペクトル平滑化処理を行
なう。
【0044】
【数11】
【0045】(数11)において、fε(i)は、cε(i)を
スペクトル平滑化したもので、biはcε(i)を入力信号と
して、前出の線形予測の方法を用いて算出した線形予測
係数である。
【0046】ゲイン制御部28の出力として得られた広
帯域残差信号と、包絡加算部24で得られた前記広帯域
なスペクトル包絡情報とを用いて、LPC合成部15で
LPC合成し、広帯域な合成音を得る。この広帯域な合
成音は、クロスフェード部29において、フレーム分析
のシフト幅がフレーム分析長よりも短くした場合に、時
間的にオーバーラップして得られる結果を一つの時間軸
上で滑らかに得るために用いる。なお、クロスフェード
部29の概念図を図3に示す。
【0047】図3において、a)は入力信号で、c)、
e)、g)はそれぞれ時間的に連続した分析フレームで
あるフレーム1、フレーム2、フレーム3における合成
出力波形である。b)、d)、f)は前記フレーム1か
らフレーム3のフレームごとの合成波形出力に乗じる重
み関数であり、出力波形h)はc)にb)を乗じた波形
と、e)にd)を乗じた波形、さらにg)にf)を乗じ
た波形を加算するなどして算出される。例えば、1フレ
ーム長が400ポイントで、フレームシフト幅が100
ポイント、現時刻でのLPC合成出力列がyi、一つ前の
時刻のLPC合成出力列がxiである時、クロスフェード
による合成出力は、(数12)のziとして算出される。
【0048】
【数12】
【0049】クロスフェード部29からの出力信号は帯
域通過フィルタ210で、例えば0〜300Hzと34
00Hz〜7200Hzの成分を抽出するFIRフィル
タやIIRフィルタを用いてろ波される。
【0050】アップサンプリング部11では、入力信号
をそのままアップサンプリングし、帯域通過フィルタ部
210の出力と代数的に加算部18で加算され、出力信
号を得る。アップサンプリング部11では、例えば8kH
zサンプリングを16kHzサンプリングにアップサンプリ
ングする。
【0051】以上のように本実施例によれば、低域成
分、高域成分の両者を推定し合成することで、明瞭で帯
域感のある自然な音声を得ることができる。具体的に
は、ピッチ推定を直接行なって駆動音源を帯域拡大する
のではなく、アップサンプリングした残差信号に対し
て、全波整流などの非線形処理を行なうことで低域成分
および高域成分を生成しているので、ピッチ推定誤り時
に起こる不自然な合成音を生成するという問題を避ける
ことができる。また、線形写像関数を用いてスペクトル
包絡情報の広帯域化を行なっているため、少ないコード
ブック数と計算量で広帯域なスペクトル包絡情報を生成
することができる。また、合成波形をクロスフェードを
用いて時間的に平滑化することで、合成によるフレーム
間の不連続性を平坦化することが容易に行なえる。
【0052】
【発明の効果】以上のように、本発明の音声帯域拡大装
置は、陽(暗の反意語)にピッチ推定を用いないで帯域
拡大を行なうことにより、ピッチ推定誤りの無い自然な
合成音を得ることができる。また、ファジーベクトル量
子化によるスペクトル包絡情報の帯域拡大では計算量も
非常に多いのに対し、本発明では線形写像関数により帯
域拡大しているので、比較的少ない計算量とメモリで構
成できる。さらに、本発明は、低域、高域成分の両者を
帯域拡大する方式であるため、低域による自然感の向上
と高域による帯域感の向上との両者を実現することがで
きる優れた音声帯域拡大装置を実現できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例における音声帯域拡大装置の
構成図
【図2】本発明の音声帯域拡大装置の実施例における、
さらに具体的な構成図
【図3】本発明の実施例に係るクロスフェード部の動作
説明のための概念図
【図4】第1の従来例の動作説明のための説明図
【図5】第2の従来例の動作説明のための説明図
【図6】第3の従来例の動作説明のための説明図
【符号の説明】
11 アップサンプリング部 12 LPC分析部 13 包絡拡大部 14 駆動音源拡大部 15 LPC分析部 16 波形平滑化部 17 フィルタ部 18 加算部 21 狭帯域コードブック 22 ベクトル量子化部 23 線形写像関数部 24 包絡加算部 25 残差アップサンプリング部 26 非線形処理部 27 スペクトル平滑化部 28 ゲイン制御部 29 クロスフェード部 210 帯域通過フィルタ部
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−164098(JP,A) 特開 平6−118995(JP,A) 特開 平7−56599(JP,A) 特開 平8−123495(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G10L 19/00 - 19/14 H03M 7/30 H04B 14/04

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】入力信号からスペクトル包絡情報と残差信
    号を線形予測分析法を用いて抽出するLPC分析部と、
    前記LPC分析部により抽出された前記スペクトル包絡
    情報を所望の周波数帯域に帯域を拡大する包絡拡大部
    と、前記LPC分析部により算出された前記残差信号
    を、所望の周波数帯域に帯域を拡大した周波数特性を有
    する残差信号へと変換する駆動音源拡大部と、前記包絡
    拡大部より得られる帯域拡大されたスペクトル包絡情報
    と前記駆動音源拡大部より得られる帯域拡大された残差
    信号を用いて音声をLPC合成するLPC合成部と、前
    記LPC合成部から得られた信号列を時間軸上で平滑化
    する波形平滑化部と、前記波形平滑化部より得られた信
    号から前記入力信号に付加すべき周波数帯域成分をろ波
    するフィルタ部と、前記入力信号を周波数特性を保持し
    ながら前記入力信号のサンプリング周波数よりも高いサ
    ンプリング周波数に変換した信号列を出力するアップサ
    ンプリング部と、前記フィルタ部からの出力信号と前記
    アップサンプリング部からの出力信号を加算する加算部
    とを有する音声帯域拡大装置。
  2. 【請求項2】包絡拡大部は、入力されたスペクトル包絡
    情報を広帯域なスペクトル包絡情報に線形写像する複数
    の関数を有する線形写像部と、複数の狭帯域なスペクト
    ル包絡情報を有するコードブックと前記コードブック中
    のコードと前記入力されたスペクトル包絡情報との距離
    を算出し、ベクトル量子化を行なうベクトル量子化部
    と、前記線形写像部の一つ一つの関数の出力に、前記ベ
    クトル量子化部からの出力で重み付けを行ない加算する
    包絡拡大部とを具備してなり、前記入力されたスペクト
    ル包絡情報を広帯域な包絡情報に変換することを特徴と
    する請求項1記載の音声帯域拡大装置。
  3. 【請求項3】駆動音源拡大部は、入力された残差信号を
    アップサンプリングする残差アップサンプリング部と、
    前記残差アップサンプリング部からの出力を非線形処理
    する非線形処理部と、前記非線形処理部からの出力信号
    の周波数特性を平坦化するスペクトル平滑化部と、前記
    スペクトル平滑化部からの出力のパワを前記残差アップ
    サンプリング部からの出力を参照して制御するゲイン制
    御部とを具備することを特徴とする請求項1記載の音声
    帯域拡大装置。
  4. 【請求項4】波形平滑化部は、時間的に重なりのあるフ
    レームごとに合成された信号列を一つの時間軸上に連続
    した波形として得るために、前記フレーム合成された信
    号列の各々に重み付けを行ない、加算することにより時
    間軸上で平滑化された信号列を得ることを特徴とする請
    求項1記載の音声帯域拡大装置。
  5. 【請求項5】ゲイン制御部は、合成音声から入力音声の
    可観測な帯域をろ波し、入力音声のパワとろ波した合成
    音声のパワとを同一にすることによりゲイン制御を行な
    うことを特徴とする請求項3記載の音声帯域拡大装置。
  6. 【請求項6】入力信号からスペクトル包絡情報と残差波
    形を線形予測分析法を用いて抽出するLPC分析部と、
    前記LPC分析部により抽出された前記スペクトル包絡
    情報を複数の関数を用いて線形写像することにより、広
    帯域なスペクトル包絡情報に変換する線形写像部と、複
    数の狭帯域なスペクトル包絡情報により構成されるコー
    ドブックと前記コードブック中の各コードと前記LPC
    分析部により抽出されたスペクトル包絡情報との距離を
    算出することによりベクトル量子化を行なうベクトル量
    子化部と、前記線形写像部の各々の関数の出力を、前記
    ベクトル量子化部の出力により重み付けを行ない加算す
    ることにより広帯域スペクトル包絡情報を出力する包絡
    加算部と、前記LPC分析部より抽出された前記残差信
    号をアップサンプリングする残差アップサンプリング部
    と、前記残差アップサンプリング部からの出力を非線形
    処理する非線形処理部と、前記非線形処理部からの出力
    の周波数特性を平坦化するスペクトル平滑部と、前記ス
    ペクトル平滑化部からの出力を前記残差アップサンプリ
    ング部からの出力を参照してパワについて制御するゲイ
    ン制御部と、前記ゲイン制御部からの出力と前記包絡加
    算部からの出力を用いてLPC合成を行なうLPC合成
    部と、前記LPC合成部から得られた信号列を時間軸上
    で平滑化する波形平滑化部と、前記波形平滑化部より得
    られた信号から前記入力信号に付加すべき周波数帯域成
    分をろ波する帯域通過フィルタ部と、前記入力信号を周
    波数特性を保持しながら前記入力信号のサンプリング周
    波数よりも高いサンプリング周波数に変換した信号列を
    出力するアップサンプリング部と、前記帯域通過フィル
    タ部からの出力信号と前記アップサンプリング部からの
    出力信号を加算する加算部とを有する音声帯域拡大装
    置。
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