JP3576805B2 - 音声符号化方法及びシステム並びに音声復号化方法及びシステム - Google Patents

音声符号化方法及びシステム並びに音声復号化方法及びシステム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、CELP方式などによる音声符号化/復号化の方法及びシステムに係り、特に合成フィルタを駆動する駆動信号を構成するための雑音符号ベクトルのピッチ周期化技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
音声を線形予測分析し、スペクトル包絡を表す線形予測係数と残差信号に分解して扱う手法は、古くから用いられている。近年、携帯電話やインターネットなで音声や楽音を少ない情報量に圧縮し、伝送または蓄積するための符号化技術として盛んに研究されているCELP方式(Code Excited Linear Prediction(M.R.Schroeder and B.S.Atal,“Code Excited Linear Prediction (CELP) :High Quality Speech at Very Low Bit Rates, “Proc.ICASSP, pp.937−940,1985(文献1)、およびW.S.Kleijin, D.J.Krasinskl et al. “Improved Speech Quality and Efficient Vector Quantization in SELP,“Proc.ICASSP, pp.155−158, 1988(文献2))も、その一つである。
【0003】
CELP方式では、入力音声信号は線形予測分析によって音韻情報を表す線形予測係数と、音の高さ等を表す予測残差信号に分けられる。線形予測係数を基に再帰型のディジタルフィルタ(合成フィルタ)を構成し、この合成フィルタに予測残差信号を入力することにより、合成音声信号として元の入力音声信号が復元される。
【0004】
入力音声信号を低レートで符号化するためには、これら線形予測係数と予測残差信号をより少ない情報量で符号する必要がある。CELP方式では、適応符号ベクトルと雑音符号ベクトルの2種類の信号に適当なゲインを乗じた後、線形和をとることによって、予測残差信号を符号化した信号を合成フィルタの駆動信号として生成する。適応符号ベクトルの生成方法については、文献2に詳しく述べられている。雑音符号ベクトルは通常、多数の候補を符号帳に格納しておき、この中から最適なものを選択するという方法で生成される。これらの符号ベクトルの選択において、符号ベクトルと残差信号との誤差を直接計算せずに、符号ベクトルを合成フィルタに通して合成音声信号を生成し、この合成音声信号と入力音声信号との誤差を計算する点がCELP方式の特徴である。このとき、誤差に対して聴覚重み付けがなされるのが普通である。
【0005】
合成音声の音質を改善するために、雑音符号ベクトルのピッチ周期化によるピッチ強調が行われることがある。雑音符号ベクトルのピッチ周期化の方法には、ピッチ強調フィルタを用いる方法や、雑音符号ベクルの一部を繰り返す方法(PSI化)(三樹 他、“ピッチ同期雑音励振源を持つCELP符号化(PSI−CELP)”、電子情報通信学会春季大会講演論文集、SA−5−5、1993(文献3))などが挙げられる。ピッチ強調フィルタを用いる方法では、符号ベクトルにピッチ周期成分を重畳する形態となり、PSI化ではピッチ周期の長さの波形の繰り返しになる。
【0006】
これらいずれのピッチ周期化の方法も、雑音符号ベクトルにピッチ成分を反映させることで品質の改善を図っている。雑音符号ベクトルのピッチ周期化には、従来、適応符号ベクトルの探索で得られたピッチ周期がそのまま用いられる。このような雑音符号ベクトルのピッチ周期化を行うことで、音声のピッチ成分がより強調され、明瞭な合成音声が得られる。
【0007】
ところで、適応符号ベクトルの探索では、ピッチ周期として基本ピッチ周期の整数倍の周期(倍ピッチという)が得られることがある。適応符号ベクトルの探索では、倍ピッチも含め目標信号との歪みが最小になるピッチ周期を選択する。適応符号ベクトルとして倍ピッチが選ばれても、致命的な問題にはならない。なぜなら、適応符号帳を構成する過去の駆動信号の周期がTのとき、ここから周期2Tの波形を切り出して2Tで繰り返したとしても、繰り返された信号の周期はTであるからである。
【0008】
一方、従来では上述したように適応符号ベクトルの探索で得られたピッチ周期で雑音符号ベクトルをピッチ周期化していた。従って、適応符号帳の探索で倍ピッチが選ばれると、雑音符号ベクトルの周期化も倍ピッチで行われていた。しかし、雑音符号ベクトルにはもともと周期性がないので、この方法ではピッチ周期化により得られた周期化雑音符号ベクトルの周期は倍ピッチとなってしまい、正しいピッチ周期で周期化されないことがあるという問題が起こる。
【0009】
この問題を軽減する方法として、雑音符号ベクトルのピッチ周期化を異なる複数の周期、例えばTとT/2などで試み、目標ベクトルとの歪みが小さくなる方の周期で最終的にピッチ周期化を行うという方法もある。しかし、この方法ではどの周期を用いてピッチ周期化を行ったかを示す情報を付加情報として符号化側から復号化側に伝送する必要があり、符号量が増大してしまうという問題が新たに生じる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、従来のピッチ周期化の手法では、適応符号ベクトルの探索で得られたピッチ周期で雑音符号ベクトルをピッチ周期化していたため、適応符号ベクトルの探索で倍ピッチが選ばれた場合、雑音符号ベクトルも倍ピッチで周期化されてしまうことにより、正しいピッチ周期での周期化がなされないという問題があり、また複数種類の周期でピッチ周期化を試み、目標ベクトルとの歪みが小さくなる周期で最終的にピッチ周期化を行う方法では、符号量が増大するという問題があった。
【0011】
本発明は、このような従来のピッチ周期化の問題点を解消し、正しいピッチ周期で周期化された周期化雑音符号ベクトルを得ることができ、しかも符号化側から復号化側にピッチ周期化に関する付加情報を伝送する必要がなく、符号量を増大させない音声符号化方法及びシステム並びに音声復号化方法及びシステムを提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、本発明に係る音声符号化方法は、フレーム単位の入力音声を近似する合成音声を適応符号ベクトルと周期化雑音符号ベクトルの線形和からなる駆動信号に基づいて生成し、適応符号ベクトルおよび雑音符号ベクトルを特定するインデックスを出力する音声符号化方法において、適応符号ベクトルを過去の駆動信号からなる適応符号帳の探索で得られた第1のピッチ周期に基づいて生成し、周期化雑音符号ベクトルを雑音符号帳より得られた雑音符号ベクトルに対し第1のピッチ周期とは独立に決定された第2のピッチ周期でピッチ周期化を施すことにより生成することを基本的な特徴とする。
【0013】
また、この音声符号化方法に対応する本発明に係る音声復号化方法は、フレーム単位の入力音声を近似する合成音声を適応符号ベクトルと周期化雑音符号ベクトルの線形和からなる駆動信号に基づいて生成する音声復号化方法において、記適応符号ベクトルを入力されたインデックスより得られた第1のピッチ周期に基づき過去の駆動信号からなる適応符号帳より生成し、周期化雑音符号ベクトルを入力されたインデックスに基づき雑音符号帳より得られた雑音符号ベクトルに対し第1のピッチ周期とは独立に決定された第2のピッチ周期でピッチ周期化を施すことにより生成することを特徴とする。
【0014】
より具体的には、本発明に係る音声符号化方法および音声復号化方法では、雑音符号ベクトルをピッチ周期化するための第2のピッチ周期を適応符号ベクトルの分析(ピッチ分析)によって求める。
【0015】
この分析の方法としては、例えば、適応符号ベクトルの自己相関に基づく相関値を求め、第1のピッチ周期より短いピッチ周期での該相関値が所定の閾値以上のときは該相関値を与えるピッチ周期を第2のピッチ周期とし、第1のピッチ周期より短いピッチ周期での該相関値が該閾値に満たないときは第1のピッチ周期を第2のピッチ周期とすることができる。
【0016】
さらに、適応符号ベクトルの自己相関に基づく相関値を求め、第1のピッチ周期の整数分の1のピッチ周期での該相関値が所定の閾値以上のときは該相関値を与えるピッチ周期を第2のピッチ周期とし、第1のピッチ周期の整数分の1のピッチ周期での該相関値が該閾値に満たないときは第1のピッチ周期を第2のピッチ周期としてもよい。
【0017】
このように、本発明による音声符号化方法および音声復号化方法では、雑音符号化ベクトルのピッチ周期化のための第2のピッチ周期を適応符号帳の探索により適応符号ベクトルを生成する際に用いた第1のピッチ周期とは独立して、例えば適応符号ベクトルのピッチ分析結果に基づき決定するようにしている。
【0018】
従って、例えば適応符号ベクトルの探索で第1のピッチ周期として基本ピッチ周期の倍ピッチが選択されたようなときでも、雑音符号ベクトルのピッチ周期化のピッチ周期を正しいピッチ周期(典型的には、基本ピッチ周期)に変更して、雑音符号ベクトルのピッチ周期化を正しい周期で的確に行うことができる。
【0019】
また、適応符号ベクトルのピッチ分析を適応符号帳の探索で求められた第1のピッチ周期の整数分の1の周期付近に限定して行うようにすれば、よりに少ない計算量で雑音符号ベクトルのピッチ周期化のための第2のピッチ周期を求めることができる。
【0020】
さらに、本発明では復号化側でも符号化側と全く同じアルゴリズムで、雑音符号ベクトルの周期化のための第2のピッチ周期を求めることができるため、符号化側から復号化側に雑音符号ベクトルのピッチ周期化に関する余分な付加情報を伝送する必要がなく、伝送量の増大という問題を伴わない。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
(符号化側について)
図1に、本発明の一実施形態に係る音声符号化方法を適用した音声符号化システムを示す。この音声符号化システムは、符号化されるべき音声信号(入力音声信号)がフレーム単位で入力される入力端子100、適応符号帳101、雑音符号帳102、ピッチ周期再計算部103、雑音符号ベクトルのピッチ周期化のためのピッチ周期化部104、ゲイン乗算器105,106、加算器107、合成フィルタ108、減算器109、聴覚重みフィルタ110および評価部111から構成される。
【0022】
この音声符号化システムの基本動作は、適応符号帳101により生成される適応符号ベクトルと、雑音符号帳102からピッチ周期化部104を介して得られた周期化雑音符号ベクトルをそれぞれゲイン乗算器105,106を通した後、加算器107で両者の線形和をとって合成フィルタ108の駆動信号を生成し、この駆動信号で合成フィルタ108を駆動することにより、入力音声信号を近似する合成音声信号を生成し、最適な適応符号ベクトルおよび雑音符号ベクトルを特定する適応符号ベクトルインデックスおよび雑音符号ベクトルインデックスを評価部111から出力する、というものである。
【0023】
次に、本実施形態の音声符号化システムの処理手順を図2を参照して詳しく説明する。図2のフローチャートは、特に雑音符号ベクトルのピッチ周期化に関する処理手順を示している。
適応符号帳101には、合成フィルタ108を駆動する過去の駆動信号が格納されている。入力端子100へのフレーム単位の入力音声信号を近似する合成音声信号を生成するために、まず最初に適応符号帳101の探索が行われる。適応符号帳101の探索では、決められたピッチ周期の範囲で過去の駆動信号を繰り返すことで適応符号ベクトルが生成される。そして、この適応符号ベクトルをゲイン乗算器105および加算器106を通して合成フィルタ107に入力することにより合成フィルタ107で得られた合成音声信号と、入力音声信号との誤差が減算器109で求められ、これを聴覚重みフィルタ110によって重み付けした誤差が評価部111で評価されることにより、この誤差が最小となる適応符号ベクトルを生成したピッチ周期Tが適応符号帳101から選択される(ステップS1)。
【0024】
次に、この適応符号帳101の探索で得られた適応符号べクトルはピッチ周期再計算部103に入力され、ここでピッチ分析がなされて雑音符号ベクトルのピッチ周期化に用いるピッチ周期Kが決定される(ステップS2〜S6)。このピッチ周期Kの決定手順については、後に詳しく説明する。
【0025】
雑音符号帳102の探索では、雑音符号帳102から得られた雑音符号ベクトルがピッチ周期化部104においてピッチ周期Kでピッチ周期化されることによって、周期化雑音符号ベクトルが生成される。そして、この周期化雑音符号ベクトルがゲイン乗算器106および加算器107を通して合成フィルタ108で畳み込まれ、適応符号帳101の探索の場合と同様に入力音声信号との聴感重み付けされた誤差が小さくなる雑音符号ベクトルが選択される。
【0026】
最後に、こうして選択された適応符号ベクトルおよび雑音符号ベクトルを特定する適応符号ベクトルインデックスおよび雑音符号ベクトルが評価部111から出力される。また、ゲイン乗算器105,106によって適応符号ベクトルと周期化雑音符号ベクトルに乗じられるゲインは図示されていないゲイン符号帳の探索により求められ、これらを特定するゲインインデックスも同時に出力されるものとする。
【0027】
ここで、本実施形態の特徴は、雑音符号ベクトルのピッチ周期化を従来のように適応符号帳101の探索で求められたピッチ周期T(第1のピッチ周期)を直接用いて行うのではなく、ピッチ周期再計算部103でのピッチ周期の分析による再計算によって現在のフレームの符号化パラメータであるピッチ周期Tとは独立に決定されたピッチ周期K(第2のピッチ周期)を用いて行う点である。このようにすると、適応符号帳101の探索において適応符号ベクトルとして倍ピッチが選ばれた場合にも、雑音符号ベクトルの周期化を基本ピッチ周期で行うことができ、合成音声の音質を向上させることが可能となる。
【0028】
また、本実施形態ではピッチ周期再計算部103において、適応符号ベクトルを基に雑音符号ベクトルのピッチ周期化のためのピッチ周期Kの再計算を行っているので、復号化側でも同様の再計算により同じピッチ周期Kを求めることができる。すなわち、雑音符号ベクトルのピッチ周期化のためのピッチ周期Kの情報を符号化側から復号化側に伝送する必要がなく、符号量(ビットレート)の増加を招くことがない。
【0029】
ピッチ周期化部104における雑音符号ベクトルのピッチ周期化の方法としては、ピッチフィルタを用いる方法が挙げられる。ピッチフィルタの例としては、式(1)で表される再帰型のフィルタや、式(2)で表されるフィルタなどがある。
【0030】
【数1】
Figure 0003576805
【0031】
但し、K′はピッチ周期Kの整数部であり、Mはピッチフィルタの次数が(2M+1)次であることを示す。雑音符号ベクトルの周期化のためのピッチ周期Kは、構成によって整数値または小数値をとり、整数値の場合はK=K′である。雑音符号ベクトルのピッチ周期化の別の方法として、先の文献3で述べられているPSI化も使用することができる。
【0032】
一方、ピッチ周期再計算部103で行われるピッチ分析の方法としては、自己相関を用いる方法が挙げられる。図3および図4に、ピッチ周期と自己相関に基づく相関値との関係の例を示す。適応符号ベクトルは、もともと周期Tで同じ波形を繰り返して生成されているので、周期Tの整数倍で相関値が1となる。従って、周期Tが基本ピッチ周期の場合は、図3に示すように周期Tで相関値のピークが現われる。
【0033】
ところが、周期Tが基本ピッチ周期の2倍(倍ピッチ)の場合は、図4に示すように周期Tで相関値のピークが現われることは変りないが、周期T/2(基本ピッチ周期)でもかなり大きな相関が現われる。これは周期Tの波形が長さT/2の良く似た二つの波形から構成されており、図5に示すように周期T/2でも自己相関値が大きくなるためである。このような場合は、雑音符号ベクトルのピッチ周期化に用いるピッチ周期Kを基本ピッチ周期であるT/2と設定することが望ましい。
【0034】
具体的には、図2に示したフローチャートのように、適応符号帳101の探索で適応符号ベクトルを生成してピッチ周期Tを求めた後、適応符号ベクトルの自己相関に基づく相関値を計算し(ステップS2)、T/n(nは2以上の整数)での相関値が閾値L以上かどうかを判定する(ステップS3)。ここで、ステップS3においてT/nのピッチ周期で閾値Lよりも大きな相関値のピークを与えるピッチ周期が存在した場合はK=T/nとし(ステップS4)、存在しない場合はK=Tとする(ステップS5)。そして、このようにして決定されたピッチ周期Kで雑音符号ベクトルのピッチ周期化を行う(ステップS6)。
【0035】
また、ステップS3でT/nでの相関値が閾値L以上という条件を満たすピッチ周期が複数個存在する場合、言い換えればこの条件を満たすnが複数個存在する場合は、最も大きな相関値を用いるとか、最も小さな周期を用いるなどの方法をとればよい。
【0036】
なお、ステップS3の判定を「周期Tより短いピッチ周期で閾値L以上の相関値を与えるピッチ周期T1が存在するかどうか」という判定に一般化し、このようなT1が存在しない場合はK=Tとし、存在する場合はK=T1とする方法をとってもよい。この方法においても、ピッチT1が複数個存在する場合(通常、Tがn倍ピッチの場合)は、最も大きな相関値を用いるとか、最も小さな周期を用いるなどの方法をとればよい。
【0037】
(復号化側について)
図6は、本実施形態に係る音声復号化方法を適用した音声復号化システムを示す図であり、図1に示した音声符号化システムに対応している。この音声復号化システムは、符号化側からのインデックスが入力される入力端子200、適応符号帳201、雑音符号帳202、ピッチ周期再計算部203と、ピッチ周期化部204、ゲイン乗算器205,206、加算器207および合成フィルタ208から構成される。
【0038】
この音声復号化システムの基本動作は、符号化側からの適応符号ベクトルインデックスに基づき適応符号帳201により生成される適応符号ベクトルと、符号化側からの雑音符号ベクトルインデックスに基づき雑音符号帳202により得られ、さらにピッチ周期化部204を介して得られた周期化雑音符号ベクトルをそれぞれゲイン乗算器205,206を通した後、加算器207で両者の線形和をとって得られた駆動信号によって合成フィルタ208を駆動することにより、符号化側で入力された入力音声信号を近似する合成音声信号を生成する、というものである。
【0039】
次に、本実施形態の音声復号化システムの処理手順について説明する。
適応符号帳201には、合成フィルタ208を駆動する過去の駆動信号が格納されている。入力端子200には図1の音声符号化システムから伝送されてきた適応符号ベクトルインデッスおよび雑音符号ベクトルインデックスが入力され、これらのインデックスに基づき、適応符号帳201および雑音符号帳202からそれぞれ適応符号ベクトルと雑音符号ベクトルが復号される。
【0040】
適応符号帳201からの適応符号ベクトルは、ピッチ周期再計算部203に入力され、ここでピッチ周期の再計算が行われて雑音符号ベクトルのピッチ周期化のためのピッチ周期Kが求められる。また、雑音符号蝶202からの雑音符号ベクトルは、ピッチ周期化部204においてピッチ周期Kでピッチ周期化され、周期化雑音符号ベクトルとなる。適応符号ベクトルおよび周期化雑音符号ベクトルは、それぞれゲイン乗算器205,206によりゲインが乗じられた後、加算部207で加算されて、合成フィルタ208の駆動信号となる。この駆動信号は、合成フィルタ208を通ることによって合成音声信号となる。
【0041】
ピッチ周期再計算部203の入力信号は適応符号ベクトルであり、この適応符号ベクトルは符号化側と同一のものであるため、ピッチ周期再計算部203では符号化側と同じアルゴリズムで符号化側と決定されたものと同じピッチ周期Kを求めることができる。従って、符号化側から復号化側にピッチ周期Kの情報を伝送する必要がなく、復号化側では特別に付加情報を必要とすることなく常に基本ピッチに相当するピッチ周期Kで雑音符号ベクトルのピッチ周期化を行うことが可能となる。
【0042】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば適応符号帳の探索で倍ピッチが得られた場合も、正しいピッチ周期、例えば基本ピッチ周期でピッチ周期化された周期化雑音符号ベクトルを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る音声符号化方法を適用した音声符号化システムの構成を示すブロック図
【図2】図1の音声符号化システムにおけるピッチ周期化に関する処理手順を示すフローチャート
【図3】ピッチ周期と適応符号ベクトルの自己相関に基づく相関値との関係の一例を示す図
【図4】ピッチ周期と適応符号ベクトルの自己相関に基づく相関値との関係の他の例を示す図
【図5】適応符号ベクトルの相関を示す図
【図6】同実施形態に係る音声復号化方法を適用した音声復号化システムの構成を示すブロック図
【符号の説明】
101…適応符号帳
102…雑音符号帳
103…ピッチ周期再計算部
104…ピッチ周期化部
105,106…ゲイン乗算器
107…加算器
108…合成フィルタ
109…減算器
110…聴覚重みフィルタ
111…評価部
201…適応符号帳
202…雑音符号帳
203…ピッチ周期再計算部
204…ピッチ周期化部
205,206…ゲイン乗算器
207…加算器
208…合成フィルタ

Claims (8)

  1. フレーム単位の入力音声を近似する合成音声を適応符号ベクトルと周期化雑音符号ベクトルの線形和からなる駆動信号に基づいて生成し、前記適応符号ベクトルと前記雑音符号ベクトルを特定するインデックスを出力する音声符号化方法において、
    前記適応符号ベクトルを過去の駆動信号からなる適応符号帳の探索で得られた第1のピッチ周期に基づいて生成し、
    前記周期化雑音符号ベクトルを雑音符号帳より得られた雑音符号ベクトルに対し前記適応符号ベクトルを分析して得られた第2のピッチ同期でピッチ周期化を施すことにより生成することを特徴とする音声符号化方法。
  2. フレーム単位の入力音声を近似する合成音声を適応符号ベクトルと周期化雑音符号ベクトルの線形和からなる駆動信号に基づいて生成し、前記適応符号ベクトルと前記雑音符号ベクトルを特定するインデックスを出力する音声符号化方法において、
    前記適応符号ベクトルを過去の駆動信号からなる適応符号帳の探索で得られた第1のピッチ周期に基づいて生成し、
    前記適応符号ベクトルの自己相関に基づく相関値を求め、前記第1のピッチ周期より短いピッチ周期での該相関値が所定の閾値以上のときは該相関値を与えるピッチ周期を第2のピッチ周期とし、前記第1のピッチ周期より短いピッチ周期での該相関値が該閾値に満たないときは前記第1のピッチ周期を前記第2のピッチ周期として、前記周期化雑音符号ベクトルを雑音符号帳より得られた雑音符号ベクトルに対し前記第2のピッチ同期でピッチ周期化を施すことにより生成することを特徴とする音声符号化方法。
  3. フレーム単位の入力音声を近似する合成音声を適応符号ベクトルと周期化雑音符号ベクトルの線形和からなる駆動信号に基づいて生成し、前記適応符号ベクトルと前記雑音符号ベクトルを特定するインデックスを出力する音声符号化方法において、
    前記適応符号ベクトルを過去の駆動信号からなる適応符号帳の探索で得られた第1のピッチ周期に基づいて生成し、
    前記適応符号ベクトルの自己相関に基づく相関値を求め、前記第1のピッチ周期の整数分の1のピッチ周期での該相関値が所定の閾値以上のときは該相関値を与えるピッチ周期を第2のピッチ周期とし、前記第1のピッチ周期の整数分の1のピッチ周期での該相関値が該閾値に満たないときは前記第1のピッチ周期を前記第2のピッチ周期として、前記周期化雑音符号ベクトルを雑音符号帳より得られた雑音符号ベクトルに対し前記第2のピッチ同期でピッチ周期化を施すことにより生成することを特徴とする音声符号化方法。
  4. フレーム単位の入力音声を近似する合成音声を適応符号ベクトルと周期化雑音符号ベクトルの線形和からなる駆動信号に基づいて生成する音声復号化方法において、
    前記適応符号ベクトルを入力されたインデックスより得られた第1のピッチ周期に基づき過去の駆動信号からなる適応符号帳より生成し、
    前記周期化雑音符号ベクトルを入力されたインデックスに基づき雑音符号帳より得られた符号ベクトルに対し前記適応符号ベクトルを分析して得られた第2のピッチ周期でピッチ周期化を施すことにより生成することを特徴とする音声復号化方法。
  5. フレーム単位の入力音声を近似する合成音声を適応符号ベクトルと周期化雑音符号ベクトルの線形和からなる駆動信号に基づいて生成する音声復号化方法において、
    前記適応符号ベクトルを入力されたインデックスより得られた第1のピッチ周期に基づき過去の駆動信号からなる適応符号帳より生成し、
    前記適応符号ベクトルの自己相関に基づく相関値を求め、前記第1のピッチ周期より短いピッチ周期での該相関値が所定の閾値以上のときは該相関値を与えるピッチ周期を第2のピッチ周期とし、前記第1のピッチ周期より短いピッチ周期での該相関値が該閾値に満たないときは前記第1のピッチ周期を前記第2のピッチ周期として、前記周期化雑音符号ベクトルを入力されたインデックスに基づき雑音符号帳より得られた符号ベクトルに対し前記第2のピッチ周期でピッチ周期化を施すことにより生成することを特徴とする音声復号化方法。
  6. フレーム単位の入力音声を近似する合成音声を適応符号ベクトルと周期化雑音符号ベクトルの線形和からなる駆動信号に基づいて生成する音声復号化方法において、
    前記適応符号ベクトルを入力されたインデックスより得られた第1のピッチ周期に基づき過去の駆動信号からなる適応符号帳より生成し、
    前記適応符号ベクトルの自己相関に基づく相関値を求め、前記第1のピッチ周期の整数分の1のピッチ周期での該相関値が所定の閾値以上のときは該相関値を与えるピッチ周期を第2のピッチ周期とし、前記第1のピッチ周期の整数分の1のピッチ周期での該相関値が該閾値に満たないときは前記第1のピッチ周期を前記第2のピッチ周期として、前記周期化雑音符号ベクトルを入力されたインデックスに基づき雑音符号帳より得られた符号ベクトルに対し前記第2のピッチ周期でピッチ周期化を施すことにより生成することを特徴とする音声復号化方法。
  7. フレーム単位の入力音声を近似する合成音声を適応符号ベクトルと周期化雑音符号ベクトルの線形和からなる駆動信号に基づいて生成し、前記適応符号ベクトルと前記雑音符号ベクトルを特定するインデックスを出力する音声符号化システムにおいて、
    前記適応符号ベクトルを過去の駆動信号からなる適応符号帳の探索で得られた第1のピッチ周期に基づいて生成する手段と、
    前記周期化雑音符号ベクトルを雑音符号帳より得られた雑音符号ベクトルに対し前記適応符号ベクトルを分析して得られた第2のピッチ同期でピッチ周期化を施すことにより生成する手段とを具備することを特徴とする音声符号化システム。
  8. フレーム単位の入力音声を近似する合成音声を適応符号ベクトルと周期化雑音符号ベクトルの線形和からなる駆動信号に基づいて生成する音声復号化システムにおいて、
    前記適応符号ベクトルを入力されたインデックスより得られた第1のピッチ周期に基づき過去の駆動信号からなる適応符号帳より生成する手段と、
    前記周期化雑音符号ベクトルを入力されたインデックスに基づき雑音符号帳より得られた符号ベクトルに対し前記適応符号ベクトルを分析して得られた第2のピッチ周期でピッチ周期化を施すことにより生成する手段とを具備することを特徴とする音声復号化システム。
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