JP3189604U - 段ボール製印刷加工物 - Google Patents
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Abstract
【課題】表示面側にインクジェット用紙を採用した段ボールを用いることにより、POP広告情報、その他の印刷表示をインクジェットプリンタにより直接印刷する際の発色性に優れた効果を発揮でき、印刷表示のイメージアップに寄与できるようにした段ボール製印刷加工物を提供する。【解決手段】段ボールの表示面2にPOP広告情報、その他の印刷表示3を付した段ボール製印刷加工物であって、表示面2側にインクジェット用紙を用い、成型後の段ボールのインクジェット用紙の表示面2に印刷表示3を直接インクジェット印刷する。【選択図】図1
Description
本考案は、小売店で使用される段ボール製POP広告表示体、その他の段ボール製印刷加工物に関するものである。
段ボール製印刷加工物には、スーパー、ホームセンター等の小売店で店内に配置又は設置されるPOP広告表示体又は屋内看板、各種催しもの会場に設置される案内表示板、更には結婚式会場に配置されるウエルカムボード等、多種類のものがある。
この種の段ボール製印刷加工物、例えばPOP広告用の場合には、段ボール製の表示体を使用し、この表示体の表示面にインクジェットプリンタにより所定のPOP広告用の広告情報を印刷している(特許文献1)。
段ボール製印刷加工物において、段ボールの表示面にPOP広告用の広告情報を表示する場合、成型後の段ボールに直接印刷する後印刷法と、オフセット印刷、グラビア印刷等で印刷した印刷用紙をライナーに合紙し、コルゲーターで段ボールに成型する先印刷法との二つの方法がある。
出来上がった段ボールに後印刷する後印刷法の場合は、ゴムや樹脂の凸版印刷では写真や細かい文字等の多色で精度の高い印刷はできない欠点がある。このため広告情報として写真等の高品質の印刷をする場合には、段ボールに成型する前の用紙に広告情報を印刷する前印刷法を採用しなければならない。従って、この場合には版代や抜き型代等が必要になり、ロット印刷しない限りコスト的な問題があり、大量に製作する場合に限られる欠点がある。
特許文献1に記載のような段ボール製の表示体を使用すれば、成型後の段ボールにインクジェットプリンタにより広告情報を直接印刷できるため、廃棄後のリサイクルが容易であり、環境問題の発生を未然に防止できるだけでなく、表示体自体の製造コストを大幅に低減でき、少量の表示体でも容易且つ安価に製作できる利点がある。
しかし、従来の表示体はクラフトパルプ、古紙を原料とする段ボール等、本来、インクジェットプリンタによる直接印刷を目的としない段ボールを使用しているため、その表示面に広告情報を印刷しても発色性が悪く、商品のイメージアップを企図して使用するPOP広告用としては、却って商品のイメージダウンを招来する惧れがある。
本考案は、このような従来の問題点に鑑み、表示面側にインクジェット印刷対応用紙を採用した段ボールを用いることにより、POP広告情報、その他の印刷表示をインクジェットプリンタにより直接印刷する際の発色性に優れた効果を発揮でき、印刷表示のイメージアップに寄与できる段ボール製印刷加工物を提供することを目的とする。
本考案は、段ボールの表示面にPOP広告情報、その他の印刷表示を付した段ボール製印刷加工物において、前記表示面側にインクジェット印刷対応用紙を用い、前記段ボールに成型後の前記インクジェット印刷対応用紙の前記表示面に前記印刷表示をインクジェット印刷したものである。
前記インクジェット印刷対応用紙は、表面にインクジェット印刷用のコーティング層が形成されたインクジェット用紙、又はインクの浸透性を有するインク浸透性用紙である。段ボール製印刷加工物は、波形紙の両側に平形紙を貼り合わせた両面段ボールを用い、前記平形紙の少なくとも一方を前記インクジェット印刷対応用紙とし、該インクジェット印刷対応用紙の前記表示面に前記印刷表示をインクジェット印刷してもよい。
段ボール製印刷加工物は、波形紙の片面に平形紙を貼り合わせた片面段ボールを用い、前記波形紙と前記平形紙との少なくとも一方を前記インクジェット印刷対応用紙とし、該インクジェット印刷対応用紙の前記表示面に前記印刷表示をインクジェット印刷してもよい。
段ボール製印刷加工物は、前記中芯を前記インクジェット印刷対応用紙とし、該インクジェット印刷対応用紙の前記表示面に前記印刷表示をインクジェット印刷してもよい。
段ボール製印刷加工物は、表示面にPOP広告用の広告情報がインクジェット印刷された段ボール製POP広告表示体であってもよい。
本考案によれば、表示面側にインクジェット印刷対応用紙を採用した段ボールを用いることにより、POP広告情報、その他の印刷表示をインクジェットプリンタにより直接印刷する際の発色性に優れた効果を発揮でき、印刷表示のイメージアップに寄与できる利点がある。
以下、本考案の各実施形態を図面に基づいて詳述する。図1〜図4は段ボール製印刷加工物の一つである段ボール製のPOP広告表示体1に本考案を適用した第1の実施形態を例示する。この段ボール製のPOP広告表示体1は、図1に示すように、商品陳列台又はその近傍の支持台17上配置される自立型であって、POP広告表示体1の表示面2にPOP広告用の広告情報(印刷表示)3が表示されている。
POP広告表示体1は基材として両面段ボール4を用いたものであり、図1に示すように、縦長状の前面部5と、この前面部5の左右両側の折り曲げ部7を介して後側に折り曲げられた左右一対の側面部6とを有し、前面部5及び側面部6の下端が商品陳列台上に当接して自立するようになっている。POP広告表示体1は前面部5の前面及び側面部6の外側面が表示面2となっており、その各表示面2に例えば商品名「ABC」、製造販売元「○○○○○○」、商品の写真(図1の斜線部分)等により構成されるPOP広告用の広告情報3がインクジェット印刷により印刷されている。
POP広告表示体1に使用する両面段ボール4は、図2に示すように、波形状に成型された中芯(波形紙)8と、この中芯8の表裏両側に糊付けにより貼り合わされたライナー(平形紙)9,10とを有する。表裏両面のライナー9,10の内、表示面2側となるライナー9には、その表示面2側にインクジェット印刷用のコーティング層11が形成されたインクジェット用紙12が使用されている。インクジェット用紙12は例えば白色又は白色系のものであり、このインクジェット用紙12の表示面2側であるコーティング層11に、両面段ボール4の成型後にインクジェットプリンタにより広告情報3が直接インクジェット印刷されている。
なお、インクジェット用紙12は広告情報3を印刷したときの発色性の点からは白色又は白色系が適当であるが、他の淡い色をした淡色系のものでもよい。またインクジェット用紙12に代えて、白度が高くインクの浸透性を有する白色系のインク浸透性用紙を使用してもよい。従って、インクジェット印刷対応用紙であれば、インクジェット用紙12以外のものでも十分に使用可能である。
このPOP広告表示体1を製作する際には、先ず両面段ボール原反を裁断して前面部5及び側面部6に相当する大きさの両面段ボール4を準備する。そして、この両面段ボール4をインクジェットプリンタに通して図3に示すように所定の広告情報3を直接インクジェット印刷し、必要に応じて折り曲げ部7用の罫線13、裁断用等の罫線14等を入れる。次に図4に示すように、罫線14に沿って両面段ボール4を所定形状に裁断した後、折り曲げ部7用の罫線13に沿って折り曲げて、図1に示すような前面部5と側面部6とを有する形状に仕上げる。
このように表示面2側のライナー9に、表示面2側にインクジェット印刷用のコーティング層11が形成されたインクジェット用紙12を用いて両面段ボール原反を成型し、この成型後の両面段ボール原反を裁断して得た両面段ボール4をインクジェットプリンタに通して、そのインクジェット用紙12に広告情報3を直接インクジェット印刷することにより、従来の通常の段ボールを使用する場合に比較して印刷時のインクの発色性が向上する利点がある。従って、POP広告表示体1に表示された広告情報3が発色性に優れたものとなり、その発色性によりPOP広告表示体1自体の見栄えが格段に向上し購買者等に対して好印象を与える結果、商品その他のイメージの向上に寄与することができる利点がある。
またPOP広告表示体1は両面段ボール4を使用しているため、廃棄後のリサイクルが容易であり、環境問題の発生を未然に防止することができる。更に製作に当たっては、一方のライナー9にインクジェット用紙12を用いて成型した両面段ボール原反から、所定の大きさの両面段ボール4を得た後、その両面段ボール4の表示面2のインクジェット用紙12に広告情報3をインクジェット印刷すればよい。従って、POP広告表示体1自体の製造コストを大幅に低減でき、少量でも容易且つ安価に製作できることは云うまでもない。
図5、図6は本考案の第2の実施形態を例示する。この段ボール製のPOP広告表示体1は、図5に示すように両面段ボール製であって、商品陳列棚15の前面に装着された支持部16に横方向に着脱自在に挿入され、その前面の表示面2に商品広告、その他の広告情報3が表示されている。
POP広告表示体1は両面段ボール4を横長状に裁断したものであって、図6に示すように、波形状に成型された中芯(波形紙)8と、この中芯8の表裏両側に糊付けにより貼り合わされたライナー(平形紙)9,10とを有する。表示面2側となる一方のライナー9はインクジェット用紙12により構成されており、そのインクジェット用紙12にはインクジェット印刷用のコーティング層11が設けられている。そして、インクジェット用紙12のコーティング層11に、広告情報3が直接インクジェット印刷されている。他の構成は第1の実施形態と同じである。
このように両面段ボール4の一方のライナー9を表示面2側として広告情報3を表示する場合には、その一方のライナー9にインクジェット用紙12を用いたものを使用すればよい。POP広告表示体1の形状、構造は適宜変更可能である。
なお、一方のライナー9を表示面2側として、その表示面2側にのみ広告情報3を表示する場合にも、両側のライナー9,10にインクジェット用紙12を用いたものを採用してもよい。
図7、図8は本考案の第3の実施形態を例示する。この段ボール製のPOP広告表示体1は、図7に示すように商品陳列棚15の前面の支持部16に前方に突出して装着され、その左右両側の表示面2に売り場表示、その他のPOP広告用の広告情報3が表示されている。
このPOP広告表示体1は両面段ボール製であるが、左右両面が広告情報3の表示面2となっているため、その両面段ボール4には、図8に示すように中芯(波形紙)8の両側のライナー(平形紙)9,10に、表示面2側にコーティング層11を有するインクジェット用紙12が使用されている。
このように両面が広告情報3の表示面2となるPOP広告表示体1の場合には、両側のライナー9,10に、表示面2側にコーティング層11を有するインクジェット用紙12が採用された両面段ボール4を使用すればよい。他の構成は第1の実施形態又は第2の実施形態と同様である。
図9〜図11は本考案の第4の実施形態を例示する。この段ボール製のPOP広告表示体1は、図9に示すように商品陳列台等の上に配置される自立型であって、片面段ボール18により円筒状に構成され、その外周側の表示面2にPOP広告用の広告情報3が表示されている。
このPOP広告表示体1は、図10に示すように、波形状の中芯(波形紙)8と、この中芯8の一側に貼り合わされたライナー(平形紙)9とを有する片面段ボール18を使用して、その中芯8が外側となる円筒状に構成されている。そして、中芯8の外周面が表示面2となっており、その表示面2に図10に示すように広告情報3がインクジェット印刷により印刷されている。中芯8は表示面2側にインクジェット印刷用のコーティング層11が形成されたインクジェット用紙12により構成されている。他の構成は第1の実施形態と同様である。
このように片面段ボール18を使用して、その中芯8側を表示面2とする場合には、表示面2側にインクジェット印刷用のコーティング層11が形成されたインクジェット用紙12を使用すればよい。また中芯8側を表示面2とする場合には、そのインクジェット用紙12自体が波形状に成型されており、表示面2に凹凸があるが、インクジェット印刷であれば、その凹凸に影響されずに容易に広告情報3を直接印刷することができる。
しかも、インクジェット用紙12によって構成される中芯8の表示面2が凹凸状になっているので、インクジェット用紙12の使用によりインクの発色性が向上するだけでなく、単に平坦面に広告情報3を直接インクジェット印刷する場合に比較して、表示面2側の波形形状による凹凸により立体感等が加わる等、今までにない変化に富んだ表現を低コストで釀し出すことができる。
なお、この第4の実施形態では、円筒状のPOP広告表示体1を例示しているが、その他の立体形状でもよいし、第2の実施形態のような横長状(又は縦長状)の平板に構成してもよい。従って、POP広告表示体1の形状は、立体形状、平板形状等の何れでもよい。
図12、図13は本考案の第5の実施形態を例示する。この段ボール製POP広告表示体1は、図12に示すように商品陳列台等に配置される自立型であって、片面段ボール18の中芯8を内側とする円筒状に構成され、その外周側の表示面2にPOP広告用の広告情報3が表示されている。
POP広告表示体1は波形状の中芯(波形紙)8と、この中芯8の一側に貼り合わされたライナー(平形紙)9とを有する片面段ボール18を使用して、そのライナー9が外側となる円筒状に構成されている。そして、ライナー9には、図13に示すように、外周の表示面2側にコーティング層11を有するインクジェット用紙12が使用されており、その表示面2に広告情報3がインクジェット印刷により印刷されている。
このようにライナー9を外側とする円筒状のPOP広告表示体1の場合には、そのライナー9にインクジェット用紙12を使用すればよい。なお、POP広告表示体1は立体形状、平板形状の何れでもよい。また内外周が表示面2となる場合には、中芯8及びライナー9にインクジェット用紙12を用いてもよい。
以上、本考案の各実施形態について詳述したが、本考案はこの各実施形態に限定されるものではなく、本考案の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、インクジェット用紙12は白色又は白色系の他、それ以外の淡色系のものでもよい。POP広告用の広告情報3の印刷はフルカラー印刷の他、1色又は複数色での印刷でもよい。
広告情報3は商品名、商品説明、商品写真等の商品情報の他、売り場表示、順路表示等、POP広告の範疇に属する一切のものが含まれる。従って、広告情報3は文字、絵、写真等でもよいことは云うまでもない。POP広告表示体1の形状、構造は適宜変更可能である。
また各実施形態では、段ボール製印刷加工物の一例としてPOP広告表示体1を例示しているが、POP広告表示体1だけでなく、各種の屋内看板、案内表示板、掲示板にも適用できるし、結婚式会場のウエルカムボード、ペーパートルソー(段ボール製人型のボディー)、各種の段ボール製箱等にも適用できることは云うまでもない。
印刷表示はPOP広告表示体1の場合には広告情報3となるが、段ボール4,18の表示面2に印刷される印刷表示は、段ボール製印刷加工物の種類に応じて文字、絵、写真の他、1色又は複数色の着色、更にはそれらの組み合わせ等が考えられる。
1 POP広告表示体
2 表示面
3 広告情報(印刷表示)
4 両面段ボール
8 中芯(波形紙)
9,10 ライナー(平形紙)
11 コーティング層
12 インクジェット用紙(インクジェット印刷対応用紙)
18 片面段ボール
2 表示面
3 広告情報(印刷表示)
4 両面段ボール
8 中芯(波形紙)
9,10 ライナー(平形紙)
11 コーティング層
12 インクジェット用紙(インクジェット印刷対応用紙)
18 片面段ボール
Claims (6)
- 段ボールの表示面にPOP広告情報、その他の印刷表示を付した段ボール製印刷加工物において、前記表示面側にインクジェット印刷対応用紙を用い、前記段ボールに成型後の前記インクジェット印刷対応用紙の前記表示面に前記印刷表示をインクジェット印刷したことを特徴とする段ボール製印刷加工物。
- 前記インクジェット印刷対応用紙は、表面にインクジェット印刷用のコーティング層が形成されたインクジェット用紙、又はインクの浸透性を有するインク浸透性用紙であることを特徴とする請求項1に記載の段ボール製印刷加工物。
- 波形紙の両側に平形紙を貼り合わせた両面段ボールを用い、前記平形紙の少なくとも一方を前記インクジェット印刷対応用紙とし、該インクジェット印刷対応用紙の前記表示面に前記印刷表示をインクジェット印刷したことを特徴とする請求項1又は2に記載の段ボール製印刷加工物。
- 波形紙の片面に平形紙を貼り合わせた片面段ボールを用い、前記波形紙と前記平形紙との少なくとも一方を前記インクジェット印刷対応用紙とし、該インクジェット印刷対応用紙の前記表示面に前記印刷表示をインクジェット印刷したことを特徴とする請求項1又は2に記載の段ボール製印刷加工物。
- 前記波形紙を前記インクジェット印刷対応用紙とし、該インクジェット印刷対応用紙の前記表示面に前記印刷表示をインクジェット印刷したことを特徴とする請求項4に記載の段ボール製印刷加工物。
- 前記印刷表示としてPOP広告用の広告情報がインクジェット印刷された段ボール製POP広告表示体であることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の段ボール製印刷加工物。
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JP2014000051U JP3189604U (ja) | 2014-01-08 | 2014-01-08 | 段ボール製印刷加工物 |
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JP2021032968A (ja) * | 2019-08-21 | 2021-03-01 | 大日本印刷株式会社 | ダミー体 |
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2014
- 2014-01-08 JP JP2014000051U patent/JP3189604U/ja not_active Expired - Fee Related
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JP2021032968A (ja) * | 2019-08-21 | 2021-03-01 | 大日本印刷株式会社 | ダミー体 |
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