JP3189372B2 - ボンディングツールおよびその製造方法 - Google Patents

ボンディングツールおよびその製造方法

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JP3189372B2
JP3189372B2 JP10481092A JP10481092A JP3189372B2 JP 3189372 B2 JP3189372 B2 JP 3189372B2 JP 10481092 A JP10481092 A JP 10481092A JP 10481092 A JP10481092 A JP 10481092A JP 3189372 B2 JP3189372 B2 JP 3189372B2
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diamond
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敬一朗 田辺
利也 高橋
明彦 池ケ谷
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Sumitomo Electric Industries Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体チップの製造過
程で使用されるTAB用ボンディングツールとその製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】LSIの実装において、TAB方式が急
速に利用され始めてきた。TAB方式とは、LSIチッ
プ上に形成された多数の電極とフィルムキャリアテープ
上のリード線を、加熱されたボンディングツールで一括
接合する方式である。
【0003】このTAB方式に用いられるボンディング
ツールには、長時間にわたる高温下での繰り返し使用に
耐える高い信頼性が要求されることから、耐熱性、耐摩
耗性に優れた素材を用いることが必要となってくる。
【0004】これらの要求特性を満たすものとして、従
来、ボンディングツールの先端部には、合成または天然
のダイヤモンド単結晶、バインダレスcBN焼結体、ダ
イヤモンド焼結体等が接合され使用されてきた。
【0005】しかしながら、天然のダイヤモンド単結晶
は不純物が多く含まれていたり、結晶方位がそろってい
ない等の影響で性能のばらつきが大きく、さらに7〜8
mm四方以上の大型サイズのものは供給が困難であっ
た。
【0006】一方、合成のダイヤモンド単結晶は性能的
には最も優れた素材ではあるが、他の材質に比較して非
常に高価なため、限定された用途でしか使われていない
のが実情である。
【0007】また、バインダレスcBN焼結体、ダイヤ
モンド焼結体については、前者がダイヤモンドを主成分
とする材質に対して耐摩耗性の点で劣り、後者は結合材
を含有するため高温で先端面が大きく反り均一にリード
線を加圧できない、等の問題を抱えており、ユーザーに
とっては必ずしも満足できる状態ではなかった。
【0008】これに対し、気相合成された多結晶ダイヤ
モンド(以下において気相合成ダイヤモンドと略す)
は、結合材が含有されないため、ダイヤモンド素材の特
徴を十分に生かすことができ、しかもサイズの大きいも
のを安価にかつ安定して供給できる。このようなことか
ら、気相合成ダイヤモンドは、ボンディングツールに適
切な素材として最近利用されてきている。
【0009】一般に、このような気相合成ダイヤモンド
は、メタン等の炭化水素と水素を主成分とする原料ガス
を低圧下で分解・励起させる化学蒸着(CVD)によっ
て作製される。
【0010】気相合成ダイヤモンドを用いたボンディン
グツールとして、たとえば、特開昭64−5026に
は、ステンレスのツール材上で接着を行なう部分にCV
Dによるダイヤモンド被膜を設けたものが示されてい
る。
【0011】また、本出願人による特開平2−2243
49は、Si3 4 、SiCまたはAlN等を主成分と
する焼結体からなる基体に気相合成ダイヤモンドを被覆
し、これを工具を先端としたボンディングツールを開示
している。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】このような気相合成ダ
イヤモンドにおいて、気相合成直後のダイヤモンド表面
は粗く、これを圧着のための先端面にしたいならば、研
磨仕上げを行なう必要があった。
【0013】そこで、研摩仕上げ加工を容易にするた
め、基材上に気相合成されるダイヤモンドは、(10
0)面および/または(110)面が基材面に平行に配
向するよう形成されることが多かった。
【0014】したがって、多くの場合、先端面は(10
0)面または(110)面により構成されていた。
【0015】しかし、このような(100)面および
(110)面は、上述したような研磨仕上げの点からは
好ましいが、ボンディングツールの耐摩耗性の点からは
最適といえるものではなかった。
【0016】本発明の目的は、従来よりも耐摩耗性の優
れたボンディングツールを提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】第1の発明に従うボンデ
ィングツールは、圧着のための先端面を気相合成ダイヤ
モンドで構成したツールにおいて、先端面を構成する主
要なダイヤモンド結晶面が(111)面であることを特
徴とする。
【0018】第1の発明に従うボンディングツールにお
いて、先端面から少なくとも10μmの深さまでは、
(111)面が主要面として先端面になるべく平行に配
向していることが望ましい。
【0019】先端面およびその付近(たとえば、先端面
から10μmの深さまで)において、(111)面以外
の結晶面の混入は、できるかぎり抑えることが好まし
く、たとえば、X線解析による(111)面の強度を1
00としたとき、(220)面、(311)面、(40
0)面および(331)面の強度は各々80以下が好ま
しく、10以下がより好ましい(たとえば、2θ−θ法
によりCuKα1 を使用した場合にλ=1.54050
Å)。
【0020】また、先端面を構成する気相合成ダイヤモ
ンドにおいて、(111)面の配向性の指標として、先
端面からX線を入射して得られる(111)面のロッキ
ングカーブのFWHM値(Full Width at
Half MaximumIntensity)が2
0度以内であることがより好ましい。また、(220)
面のロッキングカーブのFWHM値は20度以上あるこ
とが好ましい。
【0021】第1の発明において、気相合成ダイヤモン
ドは、たとえば、Si3 4 、SiCまたはAlNを主
成分とする焼結体からなる基材上に形成されたものとす
ることができる。この場合、ステンレス等からなる工具
機体にこの基材がろう付けされたボンディングツールを
提供することができる。なお、このろう付けは、周期率
表の第IVA族、第IVB族、第VA族、第VB族、第
VIA族、第VIB族、第VIIA族および第VIIB
族に含まれる金属ならびにこれらの化合物のいずれかか
らなるメタライズ層を介して行なわれることが好まし
い。
【0022】一方、第1の発明において、気相合成ダイ
ヤモンドは、単独で工具基体にろう付けされてもよい。
この場合も、ろう付けは上記メタライズ層を介してなさ
れることが好ましい。
【0023】以上に示したボンディングツールにおい
て、圧着のための先端面は、研磨仕上げされていること
が好ましく、その表面粗さRmax は、たとえば0.1μ
m以下が好ましい。
【0024】また、第1の発明に従うボンディングツー
ルを製造するための方法を提供することができる。
【0025】第2の発明の製造方法は、ダイヤモンドを
堆積させるべき面を有する基材を準備する工程と、上記
面に対して平行に(111)面が配向するよう気相合成
により上記面上にダイヤモンドを堆積させる工程と、次
いで、ダイヤモンド上に(111)面より硬度の低い結
晶面が配向するようダイヤモンド層をさらに堆積させる
工程と、このダイヤモンド層を先端面として基材を工具
基体にろう付けする工程と、このダイヤモンド層を鏡面
研磨加工により除去していき、(111)面を露出させ
る工程とを備える。
【0026】第3の発明の製造方法は、ダイヤモンドを
堆積させるべき鏡面仕上げされた面を有する基材を準備
する工程と、上記面に対して平行に(111)面が配向
するよう気相合成により上記面上にダイヤモンドを堆積
させる工程と、ダイヤモンドが堆積されている基材を分
離または除去してダイヤモンド材を得る工程と、このダ
イヤモンド材で基材に接触していた面側を先端面として
このダイヤモンド材を工具基体にろう付けする工程とを
備える。また、第3の発明は、必要に応じて若干の研磨
加工を行なう行程を備えることができる。
【0027】第1〜第3の発明において、気相合成によ
るダイヤモンドの形成には、種々の気相法が適用でき
る。たとえば、熱電子放射やプラズマ放電を利用して原
料ガスを分解・励起させるCVDや、燃焼炎を用いたC
VDが有効である。
【0028】原料ガスとしては、たとえば、メタン、エ
タン、プロパンなどの炭化水素、メタノール、エタノー
ルなどのアルコール、またはエステルなどの有機炭素化
合物と水素とを主成分として混合したガスを用いること
ができる。なお、これら以外に、アルゴンなどの不活性
ガスや酸素、一酸化炭素、水などが、ダイヤモンドの合
成反応やその特性を阻害しない範囲で原料中に含有され
ていてもよい。
【0029】第2および第3の発明において、(11
1)面は、上述したCVDにおいて、通常はカーボン濃
度を下げること(たとえば水素ガスに対して)により形
成させることができる。
【0030】第2の発明に用いられる基材には、たとえ
ば、Si、Si3 4 を主成分とする焼結体、SiCを
主成分とする焼結体、AlNを主成分とする焼結体、お
よびこれらの複合体からなる群から選択される少なくと
も1つの焼結体が好ましく用いられる。このような基材
は、ダイヤモンドとの密着性において特に優れたもので
ある。
【0031】第2の発明に従う方法において、(11
1)面より硬度の低い結晶面は、上述したようなCVD
において、通常はカーボン濃度を上昇させる(たとえば
水素ガスに対して)ことにより形成することができる。
このような硬度の低い結晶面は、たとえば、(220)
面が好ましい。
【0032】(111)面より硬度の低い結晶面が配向
するダイヤモンド層の厚みは、たとえば50μm以下が
好ましく、10μm程度がより好ましい。
【0033】第2の発明の方法において、ダイヤモンド
を形成させた基材は工具基体にろう付けされる。このろ
う付けされるべき面には、上述したようなメタライズ層
がろう付けに先立って形成されてもよい。ろう付けは、
このメタライズ層を介して効果的に行なうことができ
る。
【0034】第2の発明に従う方法において、鏡面研磨
加工により(111)面を露出させて得られる先端面の
面粗さは、たとえばRmax 0.1μm以下とすることが
望ましい。また、鏡面加工後得られる先端面およびその
付近(たとえば先端面から10μmの深さまで)におけ
る(111)面以外の結晶面の混入は、できるかぎり抑
えることが好ましく、たとえば、X線解析による(11
1)面の強度を100とした場合、(220)面、(3
11)面、(400)面および(331)面の強度は各
々80以下が好ましく、10以下がより好ましい。
【0035】第3の発明に用いられる基材には、たとえ
ば、SiおよびMo等が好ましく用いられる。このよう
な基材は、機械加工または化学的処理による分離または
溶解等によって、ダイヤモンドから分離・除去すること
ができる。
【0036】第3の発明に従う方法において、ダイヤモ
ンドが形成されるべき基材の表面は、面粗さRmax が1
μm以下、好ましくは0.2μm以下となるよう鏡面仕
上げされていることがより好ましい。
【0037】第3の発明においては、気相合成後、基材
を分離または除去して得られたダイヤモンド材は、工具
基体にろう付けされる。ろう付けにあたり、基材と接触
していたダイヤモンド面側、すなわち結晶成長開始面側
が、先端面側とされる。したがって、この面側と対向す
る面側、すなわち結晶成長の終了面側が、通常、ろう付
け面とされる。
【0038】このろう付けされるべき面には、上述した
ようなメタライズ層がろう付けに先立って形成されるこ
とが好ましい。ろう付けは、このメタライズ層を介して
効果的に行なうことができる。
【0039】なお、第1〜第3の発明において、ボンデ
ィングツールに用いられるダイヤモンドの厚みは、たと
えば5μm〜3mmが好ましく、5〜300μmがより
好ましい。
【0040】
【発明の作用効果】第1の発明に従うボンディングツー
ルでは、先端面が硬度の最も高い(111)面で占めら
れている。したがって、圧着のための先端面は従来に比
べてより摩耗されにくい。このようなツールは、従来よ
りも耐摩耗性により優れたものである。
【0041】第2の発明に従う方法では、硬度の高い
(111)面が配向したダイヤモンド上に硬度の低い結
晶面を配向させたダイヤモンド層を堆積させる。このダ
イヤモンド層は硬度が低いため、容易に鏡面研磨加工を
施すことができる。
【0042】したがって、ダイヤモンド層側が先端面と
なるよう基材をろう付けした後、ダイヤモンド層を鏡面
研磨加工により除去して(111)面を露出させれば、
平坦度が高く、しかも(111)面でほとんど構成され
る先端面を提供することができる。
【0043】第3の発明に従う方法では、まず、鏡面仕
上げされた基材面上に気相合成によりダイヤモンドを堆
積させる。したがって、ダイヤモンド合成後、基材を分
離または除去して得られたダイヤモンド材において、基
材と接触していた面は鏡面となっている。この面は、研
磨仕上げを行なう必要がないか、必要があっても簡単な
研磨仕上げで十分である。
【0044】さらに、基材面と平行に(111)面が配
向するよう気相合成を行なうので、ダイヤモンド材にお
いて基材と接触していた面は、ほとんど(111)面で
占められている。したがって、基材と接触していた面が
先端面となるようダイヤモンド材を工具基体にろう付け
すれば、容易に従来よりも耐摩耗性の優れたツールを得
ることができる。
【0045】以上第2および第3の発明に従えば、平坦
で、かつ(111)面で実質的に構成される先端面を備
えたボンディングツールを提供することができる。この
ようなツールは、従来よりも耐摩耗性により優れたもの
である。
【0046】
【実施例】実施例1 一辺20mm、厚さ5mmのSiC焼結体からなる基材
を準備した。
【0047】フィラメントに直径0.5mm、長さ10
0mmのタングステン線を用いた公知の熱フィラメント
CVD法により、以下の条件でSiC基材上に厚さ約1
00μmのダイヤモンドを堆積させた。
【0048】 原料ガス(流量):CH4 /H2 =1%、総流量100
0cc/min ガス圧力:80Torr フィラメント温度:2200℃ フィラメント−基板間距離:5mm 基板温度:920℃ 形成されたダイヤモンドについてX線解析を行なった結
果、(111)面の(220)面に対するピーク強度比
I(111)/I(220)は20であり、(111)
面について強い配向性が得られたことがわかった。
【0049】また、(111)面のロッキングカーブに
おけるFWHM値を求めた結果、6°であった。一方、
(220)面のロッキングカーブにおけるFWHM値は
14°であった。
【0050】引き続いて、以下の条件による熱フィラメ
ントCVDを行ない、形成させた多結晶ダイヤモンド上
にさらにダイヤモンド層を約40μmの厚みで堆積させ
た。
【0051】 原料ガス(流量):CH4 /H2 =8%、総流量100
0cc/min ガス圧力:80Torr フィラメント温度:2400℃ フィラメント−基板間距離:5mm 基板温度:920℃ 薄膜X線解析の結果、新たに形成させたダイヤモンド層
のI(111)/I(220)は0.4であり、基材面
と平行に(220)面に配向していることが明らかにな
った。
【0052】次に、このようにして合成条件の異なるダ
イヤモンドを二層蒸着させたSiC基材面に、そのまま
TiおよびNiをそれぞれ2μmずつ蒸着してメタライ
ズ層を形成した後、このメタライズ層を介してステンレ
ス製のシャンクに銀ろうを用い、SiC基材を真空ろう
付けした。
【0053】ろう付け直後のボンディングツールについ
てその主要部を図1(a)に示す。ボンディングツール
10において、ステンレス製のシャンク1上には、ろう
付け層2、メタライズ層3を介してSiC基材4が設け
られる。また、基材4上には、厚さ約100μmの(1
11)面配向ダイヤモンド5および厚さ約40μmの
(220)面配向ダイヤモンド層6が順次堆積されてい
る。
【0054】次に、図1(a)で示される(220)面
配向ダイヤモンド層6を、ラップ処理により除去してい
った。この鏡面加工によって、先に形成させたダイヤモ
ンドの(111)面を露出させるとともに、面粗さR
max 0.1μmの鏡面を得ることができた。また、得ら
れた先端面についてX線解析を行なったところ、I(1
11)/I(220)=15であり、先端面を構成する
主要なダイヤモンド結晶面は(111)面であった。
【0055】このようにして得られたボンディングツー
ルの主要部を図1(b)に示す。ボンディングツール1
0において、シャンク1にろう付けされたSiC基材4
上には(111)面配向ダイヤモンド5が設けられる。
このツールの先端面15は、平坦にされているととも
に、その大部分が(111)面で構成される。
【0056】また、ボンディングツール全体の形状は図
2に示すとおりであり、シャンク1上にSiC基材4を
介して気相合成ダイヤモンド5が設けられている。上述
したように、圧着のための先端面15は、その大部分が
(111)面で構成される。
【0057】以上のように構成されるボンディングツー
ルの耐久テストをボンディング装置に実装して行なった
ところ、200万回の使用に耐えた。
【0058】実施例2 Rmax 0.2μm以下となるよう鏡面仕上げしたSi基
材を用い、実施例1と同様のタングステンフィラメント
を用いた熱フィラメントCVDにより以下の条件で、S
i鏡面上に厚さ40μmの多結晶ダイヤモンドを形成さ
せた。
【0059】 原料ガス(流量):CH4 /H2 =1%、O2 /CH4
=20%、総流量1000cc/min ガス圧力:60Torr フィラメント温度:2200℃ フィラメント−基板間距離:7mm 基板温度:880℃ 引き続いて、以下の条件による熱フィラメントCVDを
行ない、形成させた多結晶ダイヤモンド上にさらにダイ
ヤモンドを約310μmの厚さで堆積させた。
【0060】 原料ガス(流量):CH4 /H2 =12%、CO2 /C
4 =10%、総流量1000cc/min ガス圧力:120Torr フィラメント温度:2400℃ フィラメント−基板間距離:5mm 基板温度:920℃ 最初に形成させたダイヤモンドのX線解析においてI
(111)/I(220)は40であり、最初のダイヤ
モンド形成においては基材面に平行に(111)面が強
く配向していることがわかった。
【0061】一方、後に形成させたダイヤモンド層で
は、I(111)/I(220)は0.01であり、基
材面に平行に(220)面が強く配向していることが明
らかになった。
【0062】次に、このようにして合成条件の異なるダ
イヤモンドを二層蒸着させたSi基材をフッ硝酸により
溶解除去してダイヤモンド材を得た。
【0063】得られたダイヤモンド材において、結晶成
長の終了面に厚さ1μmでTi、厚さ2μmでNiを順
次積層した後、このメタライズ層が形成された面を接合
面としてステンレス製のシャンクに銀ろうを用いて上記
ダイヤモンド材を真空ろう付けした。ろう付け後得られ
た先端面のRmax は0.1μmであった。
【0064】得られた工具についてその主要部を図3に
示す。ボンディングツール20において、ステンレス製
のシャンク11上にはろう付け層12、メタライズ層1
3を介してダイヤモンド材25が設けられる。また、ダ
イヤモンド材25は、その先端面15から約40μmの
深さまでの部分Aは(111)面が配向したダイヤモン
ドで占められ、深さ約40μmから深さ約350μmま
での部分Bは、(220)面が配向したダイヤモンドで
占められる。
【0065】以上のように構成されるボンディングツー
ルの耐久テストをボンディング装置に実装して行なった
ところ、300万回の使用に耐えた。
【0066】比較例 一方、実施例1と同じSiC基材を用いて、上述した熱
フィラメントCVDにより以下の条件で、基材上に厚さ
約100μmの多結晶ダイヤモンドを形成させた。
【0067】 原料ガス(流量):CH4 /H2 =2.5%、総流量1
000cc/min ガス圧力:80Torr フィラメント温度:2100℃ フィラメント−基板間距離:6mm 基板温度:900℃ 引き続いて、以下の条件による熱フィラメントCVDを
行ない、形成させた多結晶ダイヤモンド上にさらにダイ
ヤモンドを40μm堆積させた。
【0068】 原料ガス(流量):CH4 /H2 =3.5% ガス圧力:80Torr フィラメント温度:2100℃ フィラメント−基板間距離:6mm 基板温度:920℃ 最初に形成させたダイヤモンドのX線解析において、I
(111)/I(220)は0.10であった。また、
後に形成させたダイヤモンドではI(111)/I(2
20)は0.05であった。したがって、形成させたダ
イヤモンドは、ともに(220)面が強く配向してい
た。
【0069】このようにして合成条件の異なるダイヤモ
ンドを二層蒸着させたSiC基材の面に、厚さ1μmで
Ti、厚さ2μmでNiを順次積層した後、このメタラ
イズ層が形成された面を接合面として、ステンレス製の
シャンクに銀ろうを用いて基材を真空ろう付けした。
【0070】その後、ダイヤモンド面をさらに研磨仕上
げ加工して先に形成させたダイヤモンドの面を出し、先
端面の面粗さRmax が0.1μmのボンディングツール
を作成した。
【0071】以上のように構成されるボンディングツー
ルの耐久テストをボンディング装置に実装して行なった
ところ、5万回の使用で圧着面側のダイヤモンドおよび
SiC基材にクラックが発生した。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1においてボンディングツールを製造す
るための工程を示す概略断面図である。
【図2】実施例1において作成されたボンディングツー
ルを示す斜視図である。
【図3】実施例2において作成されたボンディングツー
ルの概略を示す断面図である。
【符号の説明】
1、11 シャンク 2、12 ろう付け層 3、13 メタライズ層 4 SiC基材 5 (111)面配向ダイヤモンド 6 (220)面配向ダイヤモンド 10、20 ボンディングツール 15 先端面 25 ダイヤモンド材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−224349(JP,A) 実開 平1−67750(JP,U) ”結晶工学ハンドブック”、共立出版 株式会社、編集委員長山本美喜雄、1985 年9月25日初版4刷発行、1321頁、A. 硬さの方向性 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/603 H01L 21/60 311

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧着のための先端面を気相合成された多
    結晶ダイヤモンドで構成したボンディングツールにおい
    て、 前記先端面を構成する主要なダイヤモンド結晶面が(1
    11)面であり、 前記先端面は研磨仕上げされており、かつ 前記先端面か
    らX線を入射して得られる(111)面のロッキングカ
    ーブのFWHM値が20度以内である ことを特徴とす
    る、ボンディングツール。
  2. 【請求項2】 X線解析による(111)面の強度を1
    00としたとき、(220)面、(311)面、(40
    0)面および(331)面の強度は各々80以下である
    ことを特徴とする、請求項1に記載のボンディングツー
    ル。
  3. 【請求項3】 圧着のための先端面を気相合成された多
    結晶ダイヤモンドで構成したボンディングツールの製造
    方法であって、 ダイヤモンドを堆積させるべき面を有する基材を準備す
    る工程と、 前記面に対して平行に(111)面が配向するよう気相
    合成により前記面上にダイヤモンドを堆積させる工程
    と、 次いで、前記ダイヤモンド上に(111)面より硬度の
    低い結晶面が配向するようダイヤモンド層を堆積させる
    工程と、 前記ダイヤモンド層を前記先端面として前記基材を工具
    基体にろう付けする工程と、 前記ダイヤモンド層を鏡面研磨加工により除去してい
    き、前記(111)面を露出させる工程とを備える、ボ
    ンディングツールの製造方法。
  4. 【請求項4】 圧着のための先端面を気相合成された多
    結晶ダイヤモンドで構成したボンディングツールの製造
    方法であって、 ダイヤモンドを堆積させるべき鏡面仕上げされた面を有
    する基材を準備する工程と、 前記面に対して平行に(111)面が配向するよう気相
    合成により前記面上にダイヤモンドを堆積させる工程
    と、 ダイヤモンドが堆積されている前記基材を分離または除
    去してダイヤモンド材を得る工程と、 前記ダイヤモンド材で前記基材に接触していた面側を前
    記先端面として前記ダイヤモンド材を工具基体にろう付
    けする工程とを備える、ボンディングツールの製造方
    法。
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