JP3188921B2 - 誘電体磁器組成物および素子 - Google Patents
誘電体磁器組成物および素子Info
- Publication number
- JP3188921B2 JP3188921B2 JP05402493A JP5402493A JP3188921B2 JP 3188921 B2 JP3188921 B2 JP 3188921B2 JP 05402493 A JP05402493 A JP 05402493A JP 5402493 A JP5402493 A JP 5402493A JP 3188921 B2 JP3188921 B2 JP 3188921B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- composition
- dielectric ceramic
- ceramic composition
- dielectric
- present
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Landscapes
- Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)
- Inorganic Insulating Materials (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、圧力センサーなどに用
いられる誘電体磁器組成物およびこの組成物からなる素
子に関する。
いられる誘電体磁器組成物およびこの組成物からなる素
子に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、高温用の圧力センサーを始めとす
る高温用圧電磁器材料として、PbTiO3(チタン酸鉛)系
の誘電体磁器材料が用いられていた。PbTi03はキュリー
点(Tc)、つまり強誘電相と常誘電相の境界温度が490℃
と非常に高いため、高温環境下で使用されても、分極処
理が解けて圧電性能が劣化することは少ない。
る高温用圧電磁器材料として、PbTiO3(チタン酸鉛)系
の誘電体磁器材料が用いられていた。PbTi03はキュリー
点(Tc)、つまり強誘電相と常誘電相の境界温度が490℃
と非常に高いため、高温環境下で使用されても、分極処
理が解けて圧電性能が劣化することは少ない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たPbTiO3系圧電磁器材料にあっては、現在までに達成さ
れている最大の機械的強度が抗折強度で160MPa程度であ
り、これを越えるような強度の高いものは実現されてい
ない。
たPbTiO3系圧電磁器材料にあっては、現在までに達成さ
れている最大の機械的強度が抗折強度で160MPa程度であ
り、これを越えるような強度の高いものは実現されてい
ない。
【0004】本発明の目的は、高温環境下においても使
用可能で、かつ、従来の圧電磁器材料に比較して機械的
強度が向上した誘電体磁器組成物を提供することにあ
る。
用可能で、かつ、従来の圧電磁器材料に比較して機械的
強度が向上した誘電体磁器組成物を提供することにあ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意研究
の結果、PbTiO3で表される誘電体磁器材料に下記に示す
原子比率でBi(Ni1/2Ti1/2)O3を固溶させると、これらの
固溶体からなる誘電体磁器組成体の機械的強度が向上す
ることを見出し、本発明を成すに至った。そこで、本発
明は、一般式(1):yBi(Ni1/2Ti1/2)O3+xPbTiO3(但
し、x、yは原子比率)で表され、xが0.25≦x≦0.
9、yが0.1≦y≦0.75、x+y=1の組成範囲内にある
誘電体磁器組成物およびこの組成物からなる素子を構成
することにより上記目的を達成している。一般式(1)で
表される組成物は、Bi(Ni1/2Ti1/2)O3にモル比率で25〜
90%のPbTiO3を加えたものが好ましい。PbTiO3の含有量
が25%より少ないとキュリー点が400℃以下に低下し、
高温環境下において分極処理が解けて圧電性能が劣化す
るおそれがある。一方、PbTiO3の含有量が90%より多い
と160MPa以上の機械的強度が得られない。
の結果、PbTiO3で表される誘電体磁器材料に下記に示す
原子比率でBi(Ni1/2Ti1/2)O3を固溶させると、これらの
固溶体からなる誘電体磁器組成体の機械的強度が向上す
ることを見出し、本発明を成すに至った。そこで、本発
明は、一般式(1):yBi(Ni1/2Ti1/2)O3+xPbTiO3(但
し、x、yは原子比率)で表され、xが0.25≦x≦0.
9、yが0.1≦y≦0.75、x+y=1の組成範囲内にある
誘電体磁器組成物およびこの組成物からなる素子を構成
することにより上記目的を達成している。一般式(1)で
表される組成物は、Bi(Ni1/2Ti1/2)O3にモル比率で25〜
90%のPbTiO3を加えたものが好ましい。PbTiO3の含有量
が25%より少ないとキュリー点が400℃以下に低下し、
高温環境下において分極処理が解けて圧電性能が劣化す
るおそれがある。一方、PbTiO3の含有量が90%より多い
と160MPa以上の機械的強度が得られない。
【0006】
【作用】本発明において、yBi(Ni1/2Ti1/2)O3+xPbTiO
3の組成を用いることによって、なぜ機械的強度が上が
るのかは解らないが、実験事実がそれを証明する。以
下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本
発明はこれに限られるものではない。
3の組成を用いることによって、なぜ機械的強度が上が
るのかは解らないが、実験事実がそれを証明する。以
下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本
発明はこれに限られるものではない。
【0007】
【実施例1】yBi(Ni1/2Ti1/2)O3+xPbTiO3において、
x=1/2の組成、つまり(Bi1/2Pb1/2)(Ni1/4Ti3/4)O3の
焼結体を、以下に示す製造工程により得た。まず、所望
の組成((Bi1/2Pb1/2)(Ni1/4Ti3/4)O3)になるようにBi
2O3、PbO、NiO、TiO2を調合し、調合物をボールミルで1
0時間湿式混合した後、800℃で1時間仮焼した。さら
に、仮焼された組成物をボールミルで20時間粉砕し、得
られた粉末をペレットに成形して1150℃で2時間焼結し
たところ、密度96.8%と非常に緻密な焼結体が得られ
た。
x=1/2の組成、つまり(Bi1/2Pb1/2)(Ni1/4Ti3/4)O3の
焼結体を、以下に示す製造工程により得た。まず、所望
の組成((Bi1/2Pb1/2)(Ni1/4Ti3/4)O3)になるようにBi
2O3、PbO、NiO、TiO2を調合し、調合物をボールミルで1
0時間湿式混合した後、800℃で1時間仮焼した。さら
に、仮焼された組成物をボールミルで20時間粉砕し、得
られた粉末をペレットに成形して1150℃で2時間焼結し
たところ、密度96.8%と非常に緻密な焼結体が得られ
た。
【0008】得られた焼結体試料についての結晶構造の
評価は粉末X線回折法を用いて行い、誘電率及び誘電損
失の評価はマルチ・フリケンシLCRメータを用いて行
った。また、圧電特性の評価は、試料を60℃に保った状
態で5kV/mmの電界を5分間印加して分極処理を施した
後、インピーダンス・アナライザを用いておこなった。
機械的強度の評価は、3点曲げ試験機を用いて抗折強度
を測定することによりおこなった。
評価は粉末X線回折法を用いて行い、誘電率及び誘電損
失の評価はマルチ・フリケンシLCRメータを用いて行
った。また、圧電特性の評価は、試料を60℃に保った状
態で5kV/mmの電界を5分間印加して分極処理を施した
後、インピーダンス・アナライザを用いておこなった。
機械的強度の評価は、3点曲げ試験機を用いて抗折強度
を測定することによりおこなった。
【0009】その結果、図1に示すように、本焼結体は
正方晶系のペロブスカイト構造をもち、格子定数はa=
3.948Å、b=4.040Å(c/a=1.023)であることが確認さ
れた。比誘電率εrと誘電損失tanδの温度依存性は図2
に示すとおりであり、室温での比誘電率εrは1MHzで56
0である。電気機械結合係数はKp=30.7%、Kt=46.2
%、K33=50%であった。また、圧電材料としての動作
温度の上限となるキュリー点は430℃と非常に高く、機
械的強度も従来のPbTiO3系圧電磁器材料よりも高い抗折
強度で220MPaの値をもつことが確認された。
正方晶系のペロブスカイト構造をもち、格子定数はa=
3.948Å、b=4.040Å(c/a=1.023)であることが確認さ
れた。比誘電率εrと誘電損失tanδの温度依存性は図2
に示すとおりであり、室温での比誘電率εrは1MHzで56
0である。電気機械結合係数はKp=30.7%、Kt=46.2
%、K33=50%であった。また、圧電材料としての動作
温度の上限となるキュリー点は430℃と非常に高く、機
械的強度も従来のPbTiO3系圧電磁器材料よりも高い抗折
強度で220MPaの値をもつことが確認された。
【0010】
【実施例2】yBi(Ni1/2Ti1/2)O3+xPbTiO3において、
x=0.25の組成、つまり(Bi3/4Pb1/4)(Ni3/8Ti5/8)O
3を、実施例1で示したものと同様の製造工程により焼
結したところ、キュリー点が400℃で抗折強度250MPaの
材料が得られた。
x=0.25の組成、つまり(Bi3/4Pb1/4)(Ni3/8Ti5/8)O
3を、実施例1で示したものと同様の製造工程により焼
結したところ、キュリー点が400℃で抗折強度250MPaの
材料が得られた。
【0011】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
れば、一般式(1):yBi(Ni1/2Ti1/2)O3+xPbTiO3で表
される誘電体磁器組成物を構成し、かつ、その組成範囲
を、xが0.25≦x≦0.9、yが0.1≦y≦0.75、x+y=
1としたので、キュリー点が高くしかも機械的強度が従
来の圧電磁器材料に比べて向上した誘電体磁器組成物を
実現することができる。したがって、本発明の誘電体磁
器組成物を圧力センサー等のセンサーとして用いた場
合、高温環境下で使用しても耐久性に優れた性能をもつ
素子を実現することができる。本発明の誘電体磁気組成
物からなり、高温環境下で動作し、耐久性の優れた素子
としては、圧力センサーをはじめ、ジャイロ、焦電セン
サー、アクチュエータ、コンデンサ等が考えられ、薄膜
にすればメモリー材料にも用いられる。
れば、一般式(1):yBi(Ni1/2Ti1/2)O3+xPbTiO3で表
される誘電体磁器組成物を構成し、かつ、その組成範囲
を、xが0.25≦x≦0.9、yが0.1≦y≦0.75、x+y=
1としたので、キュリー点が高くしかも機械的強度が従
来の圧電磁器材料に比べて向上した誘電体磁器組成物を
実現することができる。したがって、本発明の誘電体磁
器組成物を圧力センサー等のセンサーとして用いた場
合、高温環境下で使用しても耐久性に優れた性能をもつ
素子を実現することができる。本発明の誘電体磁気組成
物からなり、高温環境下で動作し、耐久性の優れた素子
としては、圧力センサーをはじめ、ジャイロ、焦電セン
サー、アクチュエータ、コンデンサ等が考えられ、薄膜
にすればメモリー材料にも用いられる。
【図1】実施例1の誘電体磁器組成物に対する粉末X線
回折法の測定結果を示す図である。
回折法の測定結果を示す図である。
【図2】実施例1の誘電体磁器組成物の比誘電率および
誘電損失の温度依存性を示す図である。
誘電損失の温度依存性を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭53−25899(JP,A) 特開 昭51−60999(JP,A) Tadashi TAKENAKA, et al.「Ferroelectr ic Properties of(B i1/2Pb1/2)(Ni1/4Ti 3/4)03 for New Piez oelectric Ceramic s」,JAPANESE JOURNA L OF APPLIED PHYSI CS Part2(1993),第32巻,第 7A号,第L928−L931頁 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C04B 35/00 C04B 35/42 - 35/49 CA(STN) REGISTRY(STN)
Claims (2)
- 【請求項1】 一般式(1): yBi(Ni1/2Ti1/2)O3+xPbTiO3 (但し、x、yは原
子比率) で表され、 xが0.25≦x≦0.9 yが0.1≦y≦0.75 x+y=1 の組成範囲内にあることを特徴とする誘電体磁器組成
物。 - 【請求項2】 請求項1に記載の誘電体磁器組成物から
なる素子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP05402493A JP3188921B2 (ja) | 1993-03-15 | 1993-03-15 | 誘電体磁器組成物および素子 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP05402493A JP3188921B2 (ja) | 1993-03-15 | 1993-03-15 | 誘電体磁器組成物および素子 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06263532A JPH06263532A (ja) | 1994-09-20 |
JP3188921B2 true JP3188921B2 (ja) | 2001-07-16 |
Family
ID=12959023
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP05402493A Expired - Lifetime JP3188921B2 (ja) | 1993-03-15 | 1993-03-15 | 誘電体磁器組成物および素子 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3188921B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4529301B2 (ja) * | 2001-03-08 | 2010-08-25 | Tdk株式会社 | 圧電磁器 |
-
1993
- 1993-03-15 JP JP05402493A patent/JP3188921B2/ja not_active Expired - Lifetime
Non-Patent Citations (1)
Title |
---|
Tadashi TAKENAKA,et al.「Ferroelectric Properties of(Bi1/2Pb1/2)(Ni1/4Ti3/4)03 for New Piezoelectric Ceramics」,JAPANESE JOURNAL OF APPLIED PHYSICS Part2(1993),第32巻,第7A号,第L928−L931頁 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH06263532A (ja) | 1994-09-20 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4510966B2 (ja) | 圧電体セラミックス | |
JP3259677B2 (ja) | 圧電磁器組成物 | |
US6004474A (en) | Piezoelectric ceramic composition | |
US6685850B2 (en) | Piezoelectric ceramic material | |
JP3228175B2 (ja) | 圧電磁器組成物 | |
US6461532B1 (en) | Piezoelectric ceramic material | |
JP4001362B2 (ja) | 圧電磁器およびその製造方法 | |
JP4140796B2 (ja) | 圧電セラミックス | |
US5762816A (en) | Piezoelectric ceramic composition | |
WO2006018930A1 (ja) | 圧電磁器組成物、及び圧電素子 | |
Oka et al. | Thickness-shear vibration mode characteristics of SrBi4Ti4O15-based ceramics | |
JP3198906B2 (ja) | 圧電体磁器組成物 | |
JP3188921B2 (ja) | 誘電体磁器組成物および素子 | |
JP4569062B2 (ja) | 圧電磁器 | |
JP3032761B1 (ja) | 圧電セラミックス | |
JP3125624B2 (ja) | 圧電磁器 | |
JP3384048B2 (ja) | 圧電磁器組成物 | |
JP4001366B2 (ja) | 圧電磁器 | |
JP2003095737A (ja) | 圧電磁器組成物 | |
JP2001002468A (ja) | 圧電セラミックス | |
JP2000264727A (ja) | 圧電セラミックス | |
JP2921724B2 (ja) | 強誘電性圧電磁器組成物 | |
JP2567913B2 (ja) | 強誘電性セラミックス | |
JP4108349B2 (ja) | 圧電セラミックス | |
Okuda et al. | Piezoelectric Properties of Solid-Solution (Bi1-x (PbBa) x)(Ni (1-x)/2Ti (1+ x)/2) O3 Ceramics |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100518 Year of fee payment: 9 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130518 Year of fee payment: 12 |