JP3188779B2 - 半導体装置 - Google Patents

半導体装置

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JP3188779B2
JP3188779B2 JP02949493A JP2949493A JP3188779B2 JP 3188779 B2 JP3188779 B2 JP 3188779B2 JP 02949493 A JP02949493 A JP 02949493A JP 2949493 A JP2949493 A JP 2949493A JP 3188779 B2 JP3188779 B2 JP 3188779B2
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邦博 高橋
芳和 小島
博昭 鷹巣
健太郎 久原
潤 小山内
章滋 中西
和敏 石井
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セイコーインスツルメンツ株式会社
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  • Metal-Oxide And Bipolar Metal-Oxide Semiconductor Integrated Circuits (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体装置に関するも
のである。なかんずく絶縁物上の半導体シリコン、即ち
SOI(Silicon On Insulator) と呼ばれている半導体
装置に関する。以下、簡単のため絶縁物上の半導体シリ
コンをSOIと呼ぶことにする。
【0002】
【従来の技術】図2は、SOIウエハの断面構造を示
す。21は厚い単結晶シリコン基板、22は厚さ数百Å
〜数μmのシリコン酸化膜SiO2 、23は厚さ数百Å
〜数μmの薄い単結晶シリコン層である。SOIウエハ
では、トランジスタ、抵抗、容量等の電気素子を薄い単
結晶シリコン層23に形成する。
【0003】ところで本発明は厚い単結晶シリコン基板
21上全面に層として形成された電気絶縁性物質上の半
導体単結晶シリコン上に、少なくとも相補型金属・絶縁
性半導体トランジスタ集積回路(相補型MISトランジ
スタ)から形成される半導体装置に関するものである。
MISトランジスタは、ゲート絶縁膜にシリコン酸化膜
に限らないある種の絶縁膜(例えばシリコン窒化膜単
層、シリコン窒化膜とシリコン酸化膜の多層等)が使用
された電界効果型トランジスタをいう。本発明の以下の
説明においては、MISトランジスタの中で最も一般的
な金属・酸化膜・半導体トランジスタ(MOSトランジ
スタ)を例に挙げて説明していく。説明の中でMOSト
ランジスタと説明していても、一般的にはMISトラン
ジスタについて述べているものである。
【0004】図3は、SOIウエハに形成された従来の
相補型MOS集積回路(以後、CMOSICと略す)の
一部の箇所の断面構造を示す。31は単結晶シリコン基
板、32は厚さ数百Å〜数μmのシリコン酸化膜(以
下、BOX(Buried Oxide: 埋め込み酸化膜の略) と略
す)、33と34はそれぞれN型MOSトランジスタの
ソースとドレイン、35は多結晶シリコンから成るゲー
ト電極、36はシリコン酸化膜からなるゲート絶縁膜、
37は薄い濃度のP型不純物からなるPウェルを示す。
N型MOSトランジスタはソース33、ドレイン34、
ゲート電極35、ゲート絶縁膜36、Pウェル37から
形成されている。38と39はそれぞれP型MOSトラ
ンジスタのソースとドレイン、310は多結晶シリコン
からなるゲート電極、311はシリコン酸化膜からなる
ゲート絶縁膜、312は薄い濃度のN型不純物からなる
Nウェルを示す。P型MOSトランジスタは、ソース3
8、ドレイン39、ゲート電極310、ゲート絶縁膜3
11、Nウェル312から形成されている。
【0005】図3において、3箇所に示されている31
3は素子分離用の厚いシリコン酸化膜SiO2 (以後、
フィールド酸化膜と呼ぶ)である。図3において、従来
のSOIウエハ上に形成されたCMOSICではN型M
OSトランジスタのソース33及びドレイン34とP型
MOSトランジスタのソース38及びドレイン39の底
はBOX32に接していた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】図4は、Pウェル37
及びBOX32の深さ方向のPウェルを形成しているP
型不純物であるボロンの濃度の、図3に示した直線A−
A’上における分布を示している。
【0007】図4から明らかなように、単結晶シリコン
層であるPウェル37とBOX32の境界において、ボ
ロンの偏析により、単結晶シリコン層側でボロンの濃度
が急激に減少している。このため、Pウェル37のBO
X32と接している図3に示す314の領域は、ボロン
の濃度が非常に薄く、N型MOSトランジスタの電流通
路が形成され易い領域となる。
【0008】このため、図3に示すCMOSICのN型
MOSトランジスタは、領域314において寄生チャネ
ルを生じやすく、リーク電流が非常に大きくなってしま
う。一方、図5はNウェル312及びBOX32の深さ
方向のNウェルを形成しているN型不純物であるリンの
濃度の、図3に示した直線B−B’上における分布を示
している。
【0009】図5から明らかなように、単結晶シリコン
層であるNウェル312とBOX32の境界において、
リンの偏析により、単結晶シリコン層側でリンの濃度が
上昇している。このため、Nウェル312のBOX32
と接している図3に示す315の領域はリンの濃度が比
較的高く、この領域で電流通路は形成されにくい。
【0010】このため図3に示すMOSICのP型MO
Sトランジスタは、領域315において寄生チャネルを
生じにくく、従ってリーク電流も小さく、良好なトラン
ジスタ特性を示す。以上において説明したように、従来
のSOIウエハに形成したCMOSICにおいては、N
型MOSトランジスタのソース及びドレインの底がBO
Xに接しているため、N型MOSトランジスタではPウ
ェルとBOXの境界において、寄生チャネルが形成さ
れ、リーク電流が大きく、良好なトランジスタ特性が得
られない。従って、CMOSICとしての特性も、リー
ク電流が大きいため、消費電力の少ない優れたCMOS
IC特性が得られない欠点を有していた。
【0011】本発明は、SOIウエハに形成したCMO
SICにおいて、N型MOSトランジスタのリーク電流
を低く抑え、その結果、消費電力の小さいCMOSIC
本来の優れた特性を得ることを目的としたものである。
又、本発明の半導体装置における電気絶縁物上の単結晶
シリコン層の厚みは、図3に示す従来構造の電気絶縁物
上の単結晶シリコン層の厚みより厚い。
【0012】図3に示す構造を持つ従来の半導体装置で
は、素子分離領域であるフィールド酸化膜313の下に
は単結晶シリコン層が存在せず、フィールド酸化膜31
3の両側にある素子間の素子分離は、フィールド酸化膜
下に電流通路がないことから完全である。
【0013】一方、本発明の半導体装置では、少なくと
もN型MOSトランジスタが形成されている領域をはさ
む素子分離領域であるフィールド酸化膜の下には単結晶
シリコン層が残っている。このため、図3に示す構造を
持つ従来の半導体装置に比べ素子分離は弱い構造を持つ
欠点を有している。
【0014】そこで、本発明の他の目的は、素子分離領
域に単結晶シリコン層が残っている場合でも素子分離を
強固に行うことである。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は、SOIウエハ
の電気絶縁性物質上の薄い単結晶シリコン内にCMOS
ICを形成する場合、N型MOSトランジスタが形成さ
れる領域のシリコンの厚みがP型MOSトランジスタが
形成される領域のシリコンの厚みより厚くすることを特
徴とする。
【0016】又、本発明は、SOIウエハの電気絶縁性
物質上の薄い単結晶シリコン内に相補型金属・絶縁膜、
半導体トランジスタ集積回路(相補型MISトランジス
タ集積回路)が形成されている場合、N型のMISトラ
ンジスタの少なくともソース又はドレインの底は電気絶
縁性物質から離れている構造とし、寄生チャネルが形成
されないようにした。
【0017】さらに、本発明の半導体装置における素子
分離領域の単結晶シリコン層の不純物濃度を素子が形成
されている領域の単結晶シリコン層の不純物濃度より高
くした。
【0018】
【作用】N型MOSトランジスタが形成される領域のシ
リコン厚みを厚くすることにより、N型MOSトランジ
スタのソース及びドレインの底がBOXにつかなくな
り、PウェルとBOXの境界で寄生チャネルが発生しに
くくすることにある。また、P型MOSトランジスタが
形成される領域のシリコン厚みが薄く、ソース及びドレ
インの底がBOXに接していても、寄生チャネルは発生
しないようにする。これにより、N型とP型の両方のM
OSトランジスタにリーク電流が発生せず、消費電力の
少ないCMOSICを得ることができる。
【0019】又、素子分離領域の単結晶シリコン層内の
不純物濃度を高くすることにより、そこに電流通路が形
成されにくくなり、確実な素子分離が実現することにあ
る。
【0020】
【実施例】図1は、本発明のSOIウエハ上に形成され
たCMOSICの一部のカ所 の構造断面図である。1
1は単結晶シリコン基板、12は厚さ数百Å〜数μmの
シリコン酸化膜、13と14はそれぞれN型MOSトラ
ンジスタのソースとドレイン、15は多結晶シリコンか
らなるゲート電極、16はシリコン酸化膜SiO2から
なるゲート絶縁膜、17は薄い濃度のP型不純物からな
るPウェルを示す。
【0021】N型MOSトランジスタは、ソース13、
ドレイン14、ゲート電極15、ゲート絶縁膜16、P
ウェル17から形成されている。18と19はそれぞれ
P型MOSトランジスタのソースとドレイン、110は
多結晶シリコンからなるゲート電極、111はシリコン
酸化膜からなるゲート絶縁膜、112は薄い濃度のN型
不純物からなるNウェルを示す。P型MOSトランジス
タは、ソース18、ドレイン19、ゲート電極110、
ゲート絶縁膜111、Nウェル112から形成されてい
る。
【0022】113はPウェル17上に、114はPウ
ェル17とNウェル112の両方の上にまたがって、1
15はNウェル113上にそれぞれ形成された素子分離
用のシリコン酸化膜SiO2 からなるフィールド酸化膜
である。図1において、N型MOSトランジスタが形成
されている領域の単結晶シリコンの厚みtS1は、P型M
OSトランジスタが形成されている領域の単結晶シリコ
ンの厚みtS2より厚い。同時に、N型MOSトランジス
タのソース13とドレイン14の底は、BOX12に接
していない。このため、図1に示す本発明のN型MOS
トランジスタの構造では、図3において説明したような
Pウェル37とBOX32の境界314において生じた
寄生チャネルは生じない。また、図1においては、P型
MOSトランジスタのソース18とドレイン19の底も
BOX12とは接していない。
【0023】図6は、本発明の他の実施例であるSOI
ウエハ上に形成されたCMOSICの一部の箇所の構造
断面図である。図6の本発明の実施例と図1の本発明の
実施例の異なる箇所は、図6においてP型MOSトラン
ジスタのソース62とドレイン63の底がシリコン酸化
膜(BOX)61に接しているところとフィールド酸化
膜64のNウェル側にある底がやはりBOX61に接し
ているところだけであり、その他のカ所は全く同じ構造
になっている。また、65の僅かな領域は、Nウェル即
ちN- 領域になっている。
【0024】P型MOSトランジスタは、ソース電極と
ドレイン電極の底がBOXに接していようがいまいが、
寄生チャネルは生じないため、図1の本発明の構造で
も、また図6の本発明の構造でも、N型MOSトランジ
スタとP型MOSトランジスタのどちらもがリーク電流
が少なく、どちらの構造でも消費電力の少ないCMOS
ICを得ることができる。
【0025】図7(a)〜(c)、図8(a)〜(c)
に示す工程順断面図により、N型MOSトランジスタと
P型MOSトランジスタが形成される領域の単結晶シリ
コン層の厚みが異なる本発明の半導体装置を形成する方
法を示す。図7(a)において、71は単結晶シリコン
基板、72は厚さ数百Åから数μmのシリコン酸化膜、
73は同じく厚さ数百Åから数μmの単結晶シリコンを
示している。71、72、73によってSOIウエハに
なっている。74は単結晶シリコン73の表面を酸化し
て形成した厚さ数百Åのシリコン酸化膜、75は化学気
相成長(以下、CVDと略す)により堆積したシリコン
窒化膜を示す。76はシリコン窒化膜上に塗布したレジ
ストを示す。
【0026】図7(b)において、露光・現像工程によ
りNウェルが形成される領域、即ちP型MOSトランジ
スタが形成される領域の上のレジスト膜を除去し、その
後ドライエッチングによりシリコン窒化膜75をエッチ
ングする。その後、Nウェルを形成するためのリンや砒
素のN型不純物77をイオン注入する。図7(b)の左
半分、即ちPウェルが形成される領域の上には、レジス
ト76が残っており、Nウェル形成用のN型不純物77
は、その領域で単結晶シリコン73の中には入らない。
【0027】図7(c)において、図7(b)において
残っていたレジスト76を除去する。また、単結晶シリ
コン73の内、同図の右半分のNウェルが形成される領
域には、図7(b)においてイオン注入されたN型不純
物が入っており、Nウェル78が形成されている。
【0028】図8(a)において、同図の右側半分のN
ウェル領域の単結晶シリコン層73を酸化し、厚み数千
Åのシリコン酸化膜79を形成する。図8(b)におい
て、残っているシリコン窒化膜75を除去し、その後、
Pウェル形成用のP型不純物710をイオン注入する。
この時、既に形成されているNウェル領域78の上には
厚いシリコン酸化膜79が存在しているため、イオン注
入されたP型不純物710はNウェル領域78には侵入
しない。
【0029】図8(c)において、窒素雰囲気中で90
0℃〜1200℃のアニールを行い、その後、シリコン
酸化膜74および79を除去すると、深さ方向にほぼ均
一な濃度のPウェル711とNウェル78が形成され
る。しかもPウェルの領域711、即ちN型MOSトラ
ンジスタが形成される領域の単結晶シリコン層の厚みは
S1であり、この厚みはNウェルの領域78、即ちP型
MOSトランジスタが形成される領域の単結晶シリコン
層の厚みtS2より厚く形成される。
【0030】図7(a)〜(c)、図8(a)〜(c)
の工程で示すように、1回の露光、現像工程によってN
ウェルとPウェルを形成する本発明の製造方法によれ
ば、NウェルとPウェルの2回のイオン注入をそれぞれ
に対応する露光、現像工程の中で行う、即ちNウェルと
Pウェルの形成を合計2回の露光、現像工程によって行
う方法に比べ、マスクによるNウェルとPウェルの合わ
せずれが格段に少なくなる利点を持つ。
【0031】図9は、本発明の一実施例を示す、SOI
ウエハ上に形成されたCMOSICの一部の箇所の構造
断面図である。図1と図6に示した本発明の実施例と図
9に示す本発明の実施例の異なるところは、図9に示す
実施例ではN型MOSトランジスタが形成されている領
域の単結晶シリコンの厚みとP型MOSトランジスタが
形成されている領域の単結晶シリコンの厚みが等しいこ
とである。91は厚さ500〜700μmの単結晶シリ
コン基板、92は厚さ数百Å〜数μmのシリコン酸化
膜、93と94はそれぞれN型MOSトランジスタのソ
ースとドレインで、0.3〜0.5μmの深さに制御可
能であり、95は多結晶シリコンから成るゲート電極、
96はシリコン酸化膜SiO2 から成るゲート絶縁膜、
97は薄い濃度のP型不純物からなるPウェルを示す。
N型MOSトランジスタは、ソース93、ドレイン9
4、ゲート電極95、ゲート絶縁膜96、Pウェル97
から形成されている。
【0032】98と99はそれぞれP型MOSトランジ
スタのソースとドレイン、910は多結晶シリコンから
なるゲート電極、911はシリコン酸化膜から成るゲー
ト絶縁膜、912は薄い濃度のN型不純物からなるNウ
ェルを示す。P型MOSトランジスタは、ソース98、
ドレイン99、ゲート電極910、ゲート絶縁膜91
1、Nウェル912から形成されている。
【0033】913はPウェル97上に、914はPウ
ェル97とNウェル912の両方の上にまたがって、9
15はNウェル913上にそれぞれ形成された素子分離
用のシリコン酸化膜SiO2 からなるフィールド酸化膜
である。ところで、本発明においてN型MOSトランジ
スタが形成されている単結晶シリコンの領域をPウェ
ル、P型MOSトランジスタの形成されている単結晶シ
リコンの領域をNウェルと述べている。Pウェルはイオ
ン注入などによる薄い濃度のP型不純物からなっている
が、もしSOIウエハの薄い側の単結晶シリコンがP型
不純物からなり、かつ、イオン注入や拡散によって新た
にP型不純物をN型MOSトランジスタが形成される領
域に導入しなくとも、そのN型MOSトランジスタが形
成されうる領域であればこの領域もPウェルと本発明で
は呼ぶことにしている。Nウェルに対しても同様であ
る。
【0034】図9において、N型MOSトランジスタの
ソース93とドレイン94の底は、BOX92に接して
いない。このため、図9に示す本発明のN型MOSトラ
ンジスタの構造では、図3において説明したようなPウ
ェル37とBOX32の境界314において生じた寄生
チャネルは生じない。
【0035】又、図9においてはP型MOSトランジス
タのソース98とドレイン99の底もBOX92とは接
していない。同時にフィールド酸化膜913、914、
915の底と共にBOX92と接していない。図10に
BOX上に形成されたN型MOSトランジスタの平面図
を示す。101と102はそれぞれN型MOSトランジ
スタのソース及びドレイン、103はN型不純物を高濃
度に含んだ多結晶シリコンからなるゲートを示してい
る。図10において、ソース101、ドレイン102、
ゲート103以外の箇所104は厚い酸化膜からなるフ
ィールド酸化膜を示している。
【0036】図11は、フィールド酸化膜がBOXと接
している場合のN型MOSトランジスタの図10の直線
C−C’で切った断面図を示している。1101は、S
OIウエハの厚み500〜700μmの単結晶シリコン
基板、1102は厚さ数百Å〜数μm程度のBOX、1
103は薄い濃度のP型不純物からなるPウェル、11
04はシリコン酸化膜からなるゲート絶縁膜、1105
は厚み0.5〜1μm程度のシリコン酸化膜からなるフ
ィールド酸化膜、1106は高濃度のN型不純物を含む
多結晶シリコンからなるゲートを表わしている。ソース
とドレインは紙面に垂直方向の前方と後方にあり、電流
の方向も紙面に垂直方向にある。
【0037】フィールド酸化膜1105の端部は通常テ
ーパー状に形成され、その箇所1107はバーズビーク
と呼ばれている。フィールド酸化膜1105の形成後、
バーズビーク1107の下に非常に厚みの薄い単結晶シ
リコン層1108が形成されている。
【0038】Pウェル1103を形成するP型不純物に
は、通常ボロンが使われる。単結晶シリコンを酸化した
時、シリコン表面近傍に存在していたボロンは、シリコ
ン中に残るよりシリコン酸化膜中に取り込まれやすい。
このため、フィールド酸化をした時、バーズビーク下の
単結晶シリコンの箇所1108のボロンのかなりの量が
フィールド酸化膜1105の中に吸収されてしまう。こ
のため、バーズビーク下の薄い厚みの単結晶シリコンの
箇所1108のボロンの濃度は、ゲート酸化膜1104
の直下のPウェルの領域のボロンの濃度より大分薄い。
【0039】通常、絶縁ゲート電界効果型トランジスタ
の場合、電流の流れる箇所はチャネルと呼ばれ、ゲート
絶縁膜直下にある。N型MOSトランジスタの場合、チ
ャネル部のボロン濃度がある程度高いと、チャネルを形
成するためのゲート電圧(以下、VTHと略す)もそれな
りに高い。
【0040】しかし、SOIウエハ上に形成されたN型
MOSトランジスタにおいて、図11に示すように、フ
ィールド酸化膜1105の底がBOX1102に接触し
ていると、ボロン濃度が非常に薄い箇所1108がで
き、その箇所のVTHは低く、かつソース101とドレイ
ン102の底がBOX1102に接している場合には、
ボロン濃度の低い箇所1108が新たに電流通路になっ
てしまう。
【0041】図11に示すバーズビーク下の箇所110
8は、図10において斜線で示す105に対応する。こ
のN型MOSトランジスタの幅方向端部の箇所105に
寄生チャネルが生じ、リーク電流を増やしてしまう。図
9に示した、本発明の実施例においては、フィールド酸
化膜913、914、915の底はBOX92に接して
いない。図12は、本発明の実施例を示す図9におい
て、N型MOSトランジスタの領域を通る直線D−D’
で切った、N型MOSトランジスタの幅方向の断面図を
示している。1201はSOIウエハの厚み500〜7
00μmの単結晶シリコン基板、1202は厚さ数百Å
〜数μm程度のBOX、1203は薄い濃度のP型不純
物からなるPウェル、1204はシリコン酸化膜からな
るゲート絶縁膜、1205は厚み0.5〜1μm程度の
シリコン酸化膜からなるフィールド酸化膜、1206は
高濃度のN型不純物を含む多結晶シリコンからなるゲー
トを表わしている。ソースとドレインは紙面に垂直方向
の前方と後方にあり、電流の方向も紙面に垂直方向にあ
る。
【0042】1207はバーズビークを示す。図12に
おいて、フィールド酸化膜1205の底は、BOX12
02に接していない。即ち、バーズビーク1207の下
にある厚みの単結晶シリコン層が残っている。このた
め、バーズビーク直下1208におけるPウェルを形成
しているP型不純物であるボロンの濃度は、フィールド
酸化膜1205を形成する際の酸化中、バーズビーク直
下1208の領域よりさらに下側のPウェル内からボロ
ンが供給され、図11におけるフィールド酸化膜の底が
BOXに接している場合のバーズビーク直下の領域11
08のボロン濃度に比べかなり高い。このため、フィー
ルド酸化膜の底がBOXに接していない、図9に示す本
発明の半導体装置においては、図10と図11で説明し
たようなN型MOSトランジスタの幅方向両端部で発生
する寄生チャネルは形成されない。
【0043】図13は、図14はそれぞれ本発明の他の
実施例を示す、SOIウエハ上に形成されたCMOSI
Cの一部の箇所の構造断面図である。1301、140
1は、厚さ500〜700μmの単結晶シリコン基板、
1302、1402は厚さ数百Å〜数μmのBOX、1
303、1403はN型MOSトランジスタのソース1
304、1404はN型MOSトランジスタのドレイ
ン、1305、1405は多結晶シリコンからなるゲー
ト電極、1306、1406はシリコン酸化膜からなる
ゲート絶縁膜、1307、1407は薄い濃度のP型不
純物からなるPウェルを示す。
【0044】1308、1408はP型MOSトランジ
スタのソース、1309、1409はP型MOSトラン
ジスタのドレイン、1310、1410は多結晶シリコ
ンからなるゲート電極、1311、1411はシリコン
酸化膜からなるゲート絶縁膜、1312、1412は薄
い濃度のN型不純物からなるNウェルを示す。131
3、1413はそれぞれ厚み数千Å〜1μm程度の厚い
シリコン酸化膜からなるフィールド酸化膜である。
【0045】これら、図13、図14の本発明の実施例
が図9の本発明の実施例と異なるところを以下に説明す
る。図13において、フィールド酸化膜1313の底と
P型MOSトランジスタのソース1308とドレイン1
309の底が共にBOX1302に接しているが、N型
MOSトランジスタのソース1303及びドレイン13
04の底はBOX1302に接していない。N型MOS
トランジスタのソース及びドレインの底がBOXに接し
ていない限り、フィールド酸化膜1313の底がBOX
に接していても、N型MOSトランジスタの幅方向両端
部における寄生チャネルは生じない。P型MOSトラン
ジスタのソース及びドレインの底がBOXに接していて
も、P型MOSトランジスタでは寄生チャネルが生じ
ず、リーク電流が低く抑えられることは前述したとおり
である。
【0046】図14においては、フィールド酸化膜14
13の底はBOX1402に接しているが、N型MOS
トランジスタのソース1403とドレイン1404の底
及びP型MOSトランジスタのソース1408とドレイ
ン1409の底は共にBOX1402に接していない。
この場合にも図13の本発明の実施例において説明した
と同様に、N型MOSトランジスタとP型MOSトラン
ジスタの両方共に寄生チャネルは生じず、リーク電流は
低く抑えられる。
【0047】図15に本発明のCMOSICが形成され
ている半導体装置の一動作方法の実施例を示す。150
1は半導体単結晶シリコン基板、1502は厚さ数百Å
〜数μmのシリコン酸化膜からなるBOX、1503は
N型MOSトランジスタが形成されているPウェル領
域、1504はP型MOSトランジスタが形成されるN
ウェル領域を示している。但し、図15において、P型
MOSトランジスタは描いていない。また、3カ所にあ
る1505は素子分離用のフィールド酸化膜、150
6、1507、1508、1509はそれぞれN型MO
Sトランジスタのソース、ドレイン、多結晶シリコンか
らなるゲート電極、シリコン酸化膜からなるゲート絶縁
膜を表している。
【0048】1510はPウェル1503の電位をある
値に固定するために設けた高濃度のP型不純物からなる
領域を示す。本発明のCMOSICが形成されている半
導体装置の一動作方法は、図15に示すようにN型MO
Sトランジスタが形成されているPウェル領域に負の電
圧を加えることである。
【0049】例えば、図15に示すように、N型MOS
トランジスタのソース1506は、アース電位にゲート
電極1508とドレイン1507は正の同電位、例えば
5Vに、Pウェルの電位を負の電位にするため、高濃度
のP型不純物の領域1510に負の電位、例えば−3V
を加える。このときに生じる空乏層の境界を破線151
1により示す。高濃度のP型不純物領域1510に負の
電位を加えることにより、この領域の電位を0Vにした
場合に比べ、破線1511の境界を持つ空乏層の領域1
512は広く、ソース・基板間、ドレイン・基板間、ゲ
ート・基板間の容量は小さくなり、CMOSICのスピ
ードは速くなる利点を有する。特に図15に示すよう
に、空乏層の底がBOX1502に接触すると、ドレイ
ン・基板間の容量はさらに小さくなり、スピードは速く
なる。
【0050】同様に、図16にN型MOSトランジスタ
とP型MOSトランジスタが形成されている領域の単結
晶シリコンの厚みが等しい、本発明の相補型MOSトラ
ンジスタ集積回路(CMOSIC)が形成されている半
導体装置の一動作方法を示す実施例を示す。図16はC
MOSICのインバータ回路の構造断面図を示してい
る。1601は半導体単結晶シリコン基板、1602は
厚み数百Å〜数μmのBOX、1603と1604はそ
れぞれN型MOSトランジスタのソースとドレイン、1
605はシリコン酸化膜からなるゲート絶縁膜、160
6は多結晶シリコンからなるゲート電極、1607は薄
い濃度のP型不純物から形成されているPウェルを示
す。
【0051】又、1608と1609はそれぞれP型M
OSトランジスタのソースとドレイン、1610はシリ
コン酸化膜からなるゲート絶縁膜、1611は多結晶シ
リコンからなるゲート電極、1612は薄い濃度のN型
不純物から形成されているNウェルを示す。
【0052】図16上に5箇所ある1613は数千Å〜
1μmの厚みを持つシリコン酸化膜からなる素子分離用
のフィールド酸化膜を示す。Pウェル1607とNウェ
ル1612は中央のフィールド酸化膜の下で接してい
る。1614はPウェルの電位を固定するために、Pウ
ェル内に形成したP型不純物の高濃度層、1615はN
ウェルの電位を固走するために、Nウェル内に形成した
N型不純物の高濃度層である。
【0053】図16において、P型MOSトランジスタ
のソース1608とNウェル内に形成されたN型不純物
の高濃度層1615が電気的に接続されて、電圧供給手
段から例えば電源電圧5Vが加えられている。また、N
型MOSトランジスタのソース1603は接地電位、即
ち0V(GND)に固定されている。N型MOSトラン
ジスタのゲート1606とP型MOSトランジスタのゲ
ート1611は電気的に接続されて入力端子となる。
又、Pウェル内に形成されたP型不純物の高濃度層16
14には例えば−3Vの負の電圧が加えられている。そ
して、N型MOSトランジスタのドレイン1604とP
型MOSトランジスタのドレイン1609が電気的に接
続されて出力端子となっている。
【0054】いま、例えば入力端子に電圧Vinとして0
Vが加えられると、出力端子に電圧Vout として電源電
圧VDDとほぼ等しい5Vが出てくる。即ち、N型MOS
トランジスタのドレイン1604に5Vがかかってく
る。しかもP型不純物の高濃度層1614に−3Vが加
わっており、Pウェル1607の電位は−3Vに近い値
となる。この時、N型MOSトランジスタのソース16
03とPウェル1607間には約3Vの、又、N型MO
Sトランジスタのドレイン1604とPウェル1607
の間には約8Vの逆方向の電圧が加わり、Pウェル側に
大きく空乏層が広がる。
【0055】図16において、2本の破線1616と1
617はこの時に広がった空乏層の境界を表わしてい
る。空乏層は、境界1616の右側及び上側と境界16
17の左側及び上側に広がっている。図16からも明ら
かなように、N型MOSトランジスタのドレインにプラ
スの電圧がかかっている時、空乏層は下側のシリコン酸
化膜からなるBOXに達している。この状態ではN型M
OSトランジスタのソースとPウェル間及びドレインと
Pウェル間の接合容量は、空乏層と厚い絶縁体であるB
OXが直列に接続した容量となり、非常に小さい値とな
る。さらにゲート電極とPウェル間の容量もPウェルの
空乏層がBOXに接したことにより小さくなる。この結
果、SOIウエハに形成された相補型MISトランジス
タ集積回路において、N型MOSトランジスタがその中
に形成されているPウェルの領域にマイナスの電圧を加
えて集積回路を動作させる本発明の動作方法によれば、
N型MOSトランジスタのソース及びドレインのシリコ
ン基板(Pウェル)との接合容量及びゲート電極とPウ
ェル間の容量が非常に小さくなり、相補型MISトラン
ジスタ集積回路がSOIウエハでない普通の単結晶シリ
コンウエハに形成された場合に比べ、その集積回路はよ
り高速な動作速度が得られる利点を有するのである。
【0056】もし、形成された相補型MISトランジス
タ集積回路において、複数のPウェル領域がそれぞれ独
立して離れて形成されている場合には、それぞれのPウ
ェルの領域にボロン等のP型不純物の高濃度層を設け、
そこに負の電位を加えればよい。さらに、Pウェル領域
に負の電圧を加えると、Pウェルの電位が負となり、B
OXをゲート絶縁膜、下側の厚い単結晶シリコン基板を
ゲート電極、PウェルとBOXの境界をチャネルと考え
るMOSトランジスタは、Pウェルに負の電圧を加えな
い場合に比べ導通しにくくなる。このトランジスタは寄
生チャネルとして働くため、このトランジスタが導通し
ないことは望ましいことである。
【0057】又、本発明のSOIウエハの構造である
と、N型MOSトランジスタのソースとドレインの底と
Pウェル内に形成されたフィールド酸化膜の底が共にB
OXについていないことにより、Pウェル領域のシリコ
ン基板の電位を希望の値に設定することができる。この
ため、SOIウエハでない通常の単結晶シリコンウエハ
に相補型MOSトランジスタ集積回路(CMOSIC)
を形成する時に使用するマスクをそのまま本発明の構造
を持つSOIウエハに適用でき、通常の単結晶シリコン
上に形成した場合に比べ、同一の集積回路ながら高速
で、かつ後述するラッチアップが非常に起こりにくい、
優れた集積回路を作ることができる。
【0058】次に、CMOSICに実際に使われるバイ
アス条件を考え、BOX1602の上の単結晶シリコン
の厚みがいくらの時に、ドレイン1604の下に広がる
空乏層がBOX1602に接触するかを考えてみる。ま
ず、電源電圧VDDを5V、即ちN型MOSトランジスタ
のドレインに加わる最大電圧を5V、基板バイアスを−
3Vとする。次に、Pウェル1607におけるP型不純
物濃度をボロンで5×1014cm-3とする。通常、これ
以下の濃度のP型基板は使用されることは稀である。こ
の時、ドレイン1604の底より約4μmだけPウェル
側に空乏層は広がる。故に、BOX1602の上の単結
晶シリコンの厚みが4μm以下であれば、空乏層の底は
BOX1602に接し、ドレイン基板間の容量は非常に
小さくなり、集積回路のスピードは速くなる。このよう
に、本発明は電気絶縁性基板上の単結晶シリコンの厚み
が4μm以下であることを特徴とする。
【0059】ところで、Pウェル領域1607のP型不
純物濃度が前述した場合の5E14cm-3より高い場
合、ドレインの下に拡がる空乏層の幅がどれくらいであ
るかを考えてみる。Pウェル1607のP型不純物濃度
か5E15cm-3、1E16cm-3、5E16cm-3
三つの場合について考えてみる。電源電圧、即ちN型M
OSトランジスタのドレインに加える最大電圧は5V、
基板バイアスが−3Vであると仮定する。この時、Pウ
ェル1607のP型不純物濃度が5E15cm-3、1E
16cm-3、5E16cm-3の三つの場合に対し、ドレ
インの下に拡がる空乏層の幅はそれぞれ約1.5μm、
1.1μm、0.5μmになる。
【0060】次に、電源電圧、即ち、N型MOSトラン
ジスタのドレインに加える最大電圧が5V、基板バイア
スが0Vと仮定する。この時、Pウェル1607のP型
不純物濃度が5E15cm-3、1E16cm-3、5E1
6cm-3の三つの場合に対し、ドレインの下に拡がる空
乏層の幅は、それぞれ約1.2μm、0.9μm、0.
4μmである。
【0061】故に、Pウェル1607のP型不純物濃度
が1E16cm-3で、かつドレインの深さが0.3μm
であると仮定した場合、電気絶縁物上の単結晶シリコン
の厚みは、基板バイアスが−3Vの時には、1.4μm
以下、基板バイアスが0Vの時には、1.2μm以下で
あることが望ましい。
【0062】又、本発明のSOIウエハの構造である
と、素子分離用のフィールド酸化膜と、シリコン酸化膜
からなるBOXの間には単結晶シリコン層は全くない
か、あっても数μm程度の非常に薄い層に過ぎない。フ
ィールド酸化膜の底がBOXに接している場合には、フ
ィールド酸化膜の下には単結晶シリコン層は存在してい
ないため、そのフィールド酸化膜下にキャリヤは全く流
れない。又フィールド酸化膜下に高々数μm以下の非常
に厚みの薄い単結晶シリコン層が残っている場合でも、
その単結晶シリコン層の抵抗は非常に高く、電子または
ホールのキャリヤは流れにくくなっている。このため、
CMOSICに特有に起こるラッチアップも、本発明の
SOIウエハに形成したCMOSICでは全く起こらな
いか、非常に起こりにくい。
【0063】我々の実験によれば、素子分離領域の下の
単結晶シリコンの最小厚みが2μmより厚くなると、ラ
ッチアップは起こり得る。しかし、素子分離領域の下の
単結晶シリコンの最小厚みが2μmより薄くなると、ラ
ッチアップは生じない。故に、素子分離領域の下の単結
晶シリコンの厚みは2μm以下であることが望ましい。
【0064】以上の議論においては、本発明の半導体装
置はSOIウエハ上にCMOSICのみが形成されてい
る半導体装置について説明してきたが、本発明は、SO
Iウエハ上に形成されているICがCMOSICだけに
限定されるものではなく、CMOSICと共にバイポー
ラICなどが一緒に形成されているBiCMOSIC
(バイポーラ・CMOSIC)等に対しても適用できる
ものである。
【0065】ところで、現在半導体単結晶シリコンを使
ったSOIウエハの内、主に使われているウエハは2種
類ある。1つは単結晶シリコン基板に酸素をある深さに
イオン注入し、その後アニールすることにより、図2に
示す構造のSOIウエハを形成することができる。この
SOIウエハはSIMOX(Separation by Implantatio
n of Oxygen)と呼ばれている。このウエハはSOI層の
シリコン厚みのウエハ内バラツキが非常に小さい利点を
持っている。しかし、このSIMOXウエハでは、SO
Iシリコン層の厚みが約0.2μm以下でないと、アニ
ール後にSOI層が良好な単結晶シリコンの性質を持た
ない。
【0066】又、このSIMOXウエハでは、アニール
後、シリコン酸化膜の上にある単結晶シリコン層におけ
る転位密度を500ケ/cm2 以下にすることは大変難
しい。更に、SIMOXウエハにおけるシリコン酸化膜
は、熱酸化によって得られるシリコン酸化膜が絶縁物と
して有する優れた性質をまだ実現できていない。
【0067】SOI層の単結晶シリコンの厚みがこのよ
うに薄いと、そのSOI層に形成したN型MOSトラン
ジスタとP型MOSトランジスタの両方のソース及びド
レインの底はBOXについてしまい、図1に示すような
本発明の構造にすることは難しい。SIMOXウエハを
使用する場合、わざわざ本発明の構造のようにしなくて
も、図3に示す従来の半導体装置の構造にすれば高速性
は得られるのである。
【0068】本発明は、以下に述べる張り合わせウエハ
により形成されたSOIウエハを用いることを特徴とす
る。図17(a)〜(d)により、張り合わせウエハの
作成方法を示す。図17(a)において、1枚の単結晶
シリコン基板1701は一方の面を熱酸化して、シリコ
ン酸化膜1702を形成してある。他の1枚の単結晶シ
リコン基板1703は熱酸化していない。
【0069】図17(b)において、上記2枚の単結晶
シリコン基板をシリコン酸化膜1702を内側に挟ん
で、1100℃〜1200℃の高温酸素雰囲気中におい
て張り合わせる。2枚の単結晶シリコンの周囲は酸化さ
れ、厚さ1μm程度のシリコン酸化膜1704が形成さ
れる。
【0070】図17(c)において、単結晶シリコン基
板1701を所望の厚さまで研磨して、薄い単結晶シリ
コン層(SOI層)1705を形成する。さらに、図1
7(d)に示すように単結晶シリコン基板の周辺のシリ
コン酸化膜1704を除去して、張り合わせSOIウエ
ハができあがる。但し、図17(c)に示すように単結
晶シリコン基板の周辺の厚さ1μm程度のシリコン酸化
膜をつけたままの状態でも勿論張り合わせSOIウエハ
として使用できる。この場合、図17(d)に示すウエ
ハよりウエハのソリが小さい。このため、半導体ICを
作る工程、特にフォトリソ工程において、ウエハ内で均
一な露光、現像が可能になり、高い歩留りの製品を得る
ためには都合が良い。
【0071】この張り合わせSOIウエハは、通常素子
を形成する薄い単結晶シリコン層1705はウエハ内で
シリコン厚みが例えば±0.3μm程度のバラツキを持
つ。このウエハではSOIウエハ内にCMOSICを形
成した従来の図3に示す構造のICは形成できない。
【0072】即ち、ウエハ内のある箇所では単結晶シリ
コン層1705が全くないところがあったり、ウエハ内
の他の箇所では単結晶シリコン層1705の厚みが厚過
ぎてN型MOSトランジスタとP型MOSトランジスタ
の両方のソース及びドレインの底がBOXにつかなかっ
たりして、ICの歩留りが非常に低くなる。
【0073】本発明の構造の半導体装置に対しては、こ
の張り合わせウエハでは半導体シリコン層1705の厚
みをウエハ内の平均値で約1.0μmとした時、ウエハ
内では0.7〜1.3μmの厚みのバラツキを持つ。し
かし、この厚みのバラツキがあっても、本発明の図1、
図6、図9、図13及び図14に示す構造の半導体装置
を形成することができ、何れの構造であっても、高速か
つラッチアップの生じないCMOSICを形成すること
ができる。又、SIMOXウエハは1枚1枚イオン注入
装置で長い時間をかけて作られる。それ故に量産性に乏
しく、価格も張り合わせウエハより約4倍も高い。この
ことからも張り合わせウエハは、本発明の半導体装置に
とって適切なウエハと言える。
【0074】更に、この張り合わせSOIウエハでは、
シリコン酸化膜上に、転位密度が500ケ/cm2 以下
の単結晶シリコン層を得ることは非常に簡単である。更
にこの張り合わせウエハでの薄い単結晶シリコン層の下
にあるシリコン酸化膜は、通常熱酸化によって形成され
るため、その絶縁膜としての性質は非常に優れているこ
とは言うまでもない。
【0075】さて、次に本発明の半導体装置における、
素子分離の方法について述べる。図18は本発明の半導
体装置の素子分離方法に関する一実施例を示す構造断面
である。図18の本発明の実施例は、図9の本発明の実
施例に似ており、図9に示す各部の名称は、図18にお
いてもそのまま使用できる。
【0076】図18において、913、914、915
は素子分離用の厚いシリコン酸化膜から成るフィールド
酸化膜を示す。97はその中にN型MOSトランジスタ
が形成される領域であるPウェルである。Pウェル97
のP型不純物、例えばボロンの濃度は薄く、約1×10
16cm-3である。
【0077】912はその中にP型MOSトランジスタ
が形成される領域であるNウェルである。Nウェル91
2のN型不純物、例えばリンの濃度はPウェル97と同
じく、約1×1016cm-3である。181はフィールド
酸化膜913及び914の左半分の下にある比較的高い
濃度のP型不純物から成る薄い単結晶シリコン層であ
る。181はPウェル97と連続している領域である
が、P型不純物の濃度を例えば約1×1017cm-3程度
に高くしてある。又、182はフィールド酸化膜914
の右半分及び915の下にある比較的高い濃度のN型不
純物から成る薄い単結晶シリコン層である。182はN
ウェル912と連続している領域であるが、P型不純物
の濃度を例えば約1×1017cm-3程度に高くしてあ
る。
【0078】181の高濃度Pウェル領域と182の高
濃度Nウェル領域は、素子分離領域の単結晶シリコン層
であるが、不純物濃度が高いことにより、そこの単結晶
シリコン層とフィールド酸化膜の境界である単結晶シリ
コン層表面が電気的に反転しにくくなり、電流通路にな
りにくい特性を有する。その結果、フィールド酸化膜9
14の両側にあるN型MOSトランジスタとP型MOS
トランジスタの電気的分離が完全になり、図18に示す
本発明の半導体装置では優れた素子分離構造になってい
る。
【0079】図19と図20は本発明の半導体装置の素
子分離方法に関する他の実施例を示す構造断面である。
図19は図11の、又図18は図6の本発明の実施例に
似ており、図19と図20における各部の名称は、それ
ぞれ図11及び図6において使用した名称をそのまま使
用する。
【0080】図19と図20において、191と204
の高濃度Pウェル及び192と206の高濃度Nウェル
の働きは、それぞれ図18において説明した高濃度Pウ
ェル及び181と高濃度Nウェル182の働きと同じで
ある。そのため、本発明の実施例である図19と図20
の構造を持つ本発明の半導体装置は、図20においては
フィールド酸化膜114の両側、図20においてはフィ
ールド酸化膜64の両側にあるN型MOSトランジスタ
とP型MOSトランジスタの電流通路が形成されにくく
なり、電気的分離が完全になり、優れた素子分離構造を
有する構造になっている。
【0081】次に、本発明の半導体装置における素子分
離の他の方法について説明する。図21、図22、図2
3の本発明の実施例は、それぞれ図18、図19、図2
0に示す本発明の実施例と非常によく似た構造を有す
る。このため、共通の箇所の名称の説明は省略する。
【0082】図21、図22、図23において、21
4、224、234は約1×1016cm-3の濃度のP型
不純物から成るPウェル、215、225、235は、
比較的高濃度の例えば約1×1017cm-3程度の濃度の
P型不純物から成るPウェル、216、226、236
は約1×1016cm-3の濃度のN型不純物から成るNウ
ェル、217、227は、比較的高濃度の例えば約1×
1017cm-3程度の濃度のN型不純物から成るNウェル
を示す。
【0083】図21、図22、図23に示す本発明の半
導体装置と図18、図19、図20に示す本発明の半導
体装置の異なる点は、素子分離領域において、後者は厚
い酸化膜から成っていたが、前者においては、211、
212、213、221、222、223、231、2
32、233に示すように、例えば数百〜1000Å程
度の薄い絶縁膜から成っていることである。
【0084】即ち、隣り合うN型MOSトランジスタと
P型MOSトランジスタの素子分離領域は、図21にお
いては高い濃度のPウェル領域215と高い濃度のNウ
ェル領域217の領域である。図22においては、素子
分離領域は高い濃度のPウェル領域225と高い濃度の
Nウェル領域227の領域である。又、図23において
は、素子分離領域は高い濃度のPウェル領域235の領
域である。
【0085】図21においては、N型MOSトランジス
タとP型MOSトランジスタが形成されているPウェル
214とNウェル216の単結晶シリコン層の厚みはt
SAである。図22及び図23においては、N型MOSト
ランジスタが形成されているPウェル224と234の
単結晶シリコン層の厚みがtSAである。
【0086】これに対し、図21においては高濃度のP
ウェル215、高濃度のNウェル217、図22と図2
3においては、高濃度のPウェル225と235の単結
晶シリコン層の厚みがtSFである。tSFはtSAより小さ
い。例えば、tSAの値が1μm程度の時、tSFは0.1
〜0.5μmと非常に小さい。このように、本発明の半
導体装置では素子分離領域の単結晶シリコン層の厚みが
非常に薄いため、その抵抗が非常に高く隣り合うトラン
ジスタ間に十分な電流は流れない。さらに、本発明の半
導体装置では素子分離領域の単結晶シリコン層の不純物
濃度が比較的高いことにより、単結晶シリコン表面に反
転層が生じにくい構造になっており、このことからも、
隣り合うトランジスタ間に十分な電流は流れない。
【0087】このように、図18、図19、図20に示
す本発明の実施例とは異なり、素子分離領域が厚い酸化
膜で形成されていなくても、図21、図22、図23に
示す本発明の半導体装置は十分素子分離を実現すること
が可能である。図24に、さらに本発明の半導体装置の
他の実施例を示す。図24の構造は図9に示す本発明の
半導体装置の構造によく似ているため共通する箇所の名
称の説明は省略する。
【0088】図24において、913、914、915
は厚いシリコン酸化膜から成るフィールド酸化膜、24
1、242、243、244は1×1020cm-3以上の
リン等の不純物が含まれている多結晶シリコンを示す。
これは、アルミ等の金属であっても良い。厚いシリコン
酸化膜から成るフィールド酸化膜913と914の左半
分の上にある多結晶シリコン241と242には負の電
圧を加えている。又、厚いシリコン酸化膜から成るフィ
ールド酸化膜914の右半分と915の上にある多結晶
シリコン243と244に正の電圧を加えている。この
ように電圧を加えることにより、913と914の左半
分のフィールド酸化膜直下には、Pウェルを形成してい
るP型不純物が蓄積し、914の右半分と915のフィ
ールド酸化膜直下には、Nウェルを形成しているN型不
純物が蓄積する。
【0089】このようにすると、Pウェル内に形成され
ているN型MOSトランジスタのキャリヤである電子は
フィールド酸化膜913の下や914の左半分の下を進
むことはできない。他方、Nウェル内に形成されている
P型MOSトランジスタのキャリヤであるホールはフィ
ールド酸化膜914の右半分の下や915の下を進むこ
とはできない。このため隣り合うトランジスタ間の電気
的分離が確実になる。
【0090】図25は、本発明の半導体装置の他の実施
例を示す。図25の構造は図22に示す本発明の半導体
装置の構造によく似ているため、共通する箇所の名称の
説明は省略する。図25において、251、252、2
53、254は1×1020cm−3以上のリン等の不
純物が含まれている多結晶シリコンを示す。これは、ア
ルミ等の金属であっても良い。薄い絶縁膜221と22
2の左半分の上にある多結晶シリコン251と252に
は負の電圧を加えている。又、薄い絶縁膜222の右半
分と223の上にある多結晶シリコン253と254に
正の電圧を加えている。このように電圧を加えることに
より、221と224の左半分の絶縁膜直下には、Pウ
ェルを形成しているP型不純物が蓄積し、222の右半
分と223の絶縁膜直下には、Nウェルを形成している
N型不純物が蓄積する。
【0091】このようにするとPウェル内に形成されて
いるN型MOSトランジスタのキャリヤである電子は絶
縁膜221の下や絶縁膜222の左半分の下を進むこと
はできない。他方、Nウェル内に形成されているP型M
OSトランジスタのキャリヤであるホールは絶縁膜22
2の右半分の下や223の下を進むことはできない。こ
のため、たとえ絶縁膜221、222、223が薄くと
も、隣り合うトランジスタ間の電気的分離がさらに確実
にする。
【0092】ところで本発明は前述したように、N型M
OSトランジスタが形成されているPウェルに負の電圧
を加えて相補型MOSトランジスタを動作させることを
特徴とする。通常、N型MOSトランジスタが形成され
ているPウェル領域に負の電圧を加えると、ソース・ド
レイン間のシリコン表面に形成される電流通路を作るた
めに、必要なゲート電圧(Vth)は、Pウェル領域を
アース電位にとった場合に比べ高くなる。
【0093】ところが、例えば図15に示すフィールド
酸化膜1505の下の単結晶シリコンが薄過ぎると、基
板端子である高濃度P型不純物領域1510の負の電圧
を加えても、N型MOSトランジスタが形成されている
ゲート絶縁膜1509、ソース1506、ドレイン15
07の直下のPウェルには負の電圧が加わらず、Vth
はPウェルが0Vの時のVthと大差なく高くならな
い。実験結果によると、図15におけるフィールド酸化
膜1505直下のシリコン厚みが0.1μm以上の時、
高濃度P型不純物領域1510に負の電圧を加えた時、
N型MOSトランジスタのソース1506、ドレイン1
507、ゲート絶縁膜1509の下のPウェル領域に負
の電圧が加わり、それ以下の厚みの時は、負の電圧が加
わらないことが分かった。
【0094】このことから、本発明では、図1に示すシ
リコン酸化膜113及び114の左半分の下の単結晶シ
リコンの厚みtSF、図6に示すフィールド酸化膜64の
左半分の下の単結晶シリコンの厚みtSF、図9に示すフ
ィールド酸化膜913、914、915の下の単結晶シ
リコンの厚みtSF、図21に示す薄い絶縁膜211、2
12、213の下の単結晶シリコンの厚みtSF、図22
に示す絶縁膜221の下及び222の左半分の下の単結
晶シリコンの厚みtSF、図23に示す薄い絶縁膜231
の下及び薄い絶縁膜232の左半分の下の単結晶シリコ
ンの厚みtSFが0.1μm以上であることを特徴として
いる。
【0095】以上の利点を持つ本発明の半導体装置は、
その産業上の利用の上で非常にすぐれている。
【0096】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明の半
導体装置は以下の利点を持っている。 (1)SOI基板上に形成されている相補型MISトラ
ンジスタ集積回路のうち、N型MISトランジスタの形
成されている領域のシリコンの厚みをP型MISトラン
ジスタが形成されている領域のシリコンの厚みよりも厚
くし、かつ、N型MISトランジスタのソースあるいは
ドレイン電極の底が電気絶縁性物質から離れていること
により、N型MISトランジスタの寄生チャネルを生じ
ず、N型MOSトランジスタもP型MISトランジスタ
もリーク電流が少なく、消費電力の少ない相補型MIS
トランジスタ集積回路を提供できる。
【0097】(2)SOI基板上に形成されている相補
型MISトランジスタ集積回路のうち、N型MISトラ
ンジスタの形成されている領域のシリコンの厚みとP型
MISトランジスタが形成されている領域のシリコンの
厚みを同じにし、かつ、N型MISトランジスタのソー
スあるいはドレイン電極の底が電気絶縁性物質から離れ
ていることにより、従来からあるCMOSプロセスで容
易に、しかも、シリコンと電気絶縁性物質界面におい
て、N型MISトランジスタの寄生チャネルを生じず、
N型MISトランジスタもP型MISトランジスタもリ
ーク電流が少なく、従って、消費電力の少ない相補型M
IS集積回路を提供できる。
【0098】(3)N型MISトランジスタのソースあ
るいはドレインが電気絶縁性物質から浮いた構造になっ
ていることにより、Pウェル側に負の電圧を加えること
ができ、N型MISトランジスタのPウェル内に形成さ
れる空乏層が大きく拡がるため、寄生容量が少ない。こ
のため、通常の単結晶シリコンウエハ上に形成された相
補型MISトランジスタ集積回路に比べ、スピードが速
いことは勿論、図3に示す標準的なSOIウエハに形成
されたCMOSICと同等のスピードが得られる。
【0099】(4)N型MISトランジスタが形成され
ている薄い濃度のP型不純物の領域をはさむ素子分離部
の厚いシリコン酸化膜の底が電気絶縁性物質から離れて
いるので、素子分離部のバーズビーク直下のP型不純物
領域のボロン濃度が、電気絶縁性物質の底がBOXに接
している場合のバーズビーク直下のP型不純物領域のボ
ロン濃度に比べかなり高いことにより、N型MISトラ
ンジスタの幅方向両端部で寄生チャネルが生じない。
【0100】(5)SOI基板上に形成されている相補
型MISトランジスタ集積回路のうち、N型MISトラ
ンジスタの形成されている領域のシリコンの厚みとP型
MISトランジスタが形成されている領域のシリコンの
厚みが同じ場合、電気絶縁性物質上の単結晶シリコンの
厚みは4μm以下であるので、素子分離用のフィールド
酸化膜とシリコン酸化膜からなるBOXの間には単結晶
シリコン層は全くないか、あっても非常に薄い層である
ので、フィールド酸化膜下にはキャリアは全く流れない
か、流れてもごくわずかしか流れないので、ラッチアッ
プが全く起こらないか、あるいは非常に起こりにくくな
る。
【0101】(6)SOI基板上に形成されている相補
型MISトランジスタ集積回路のうち、N型MISトラ
ンジスタの形成されている領域のシリコンの厚みをP型
MISトランジスタが形成されている領域のシリコンの
厚みより厚くした場合、SOIウエハでなく通常の単結
晶シリコンウエハにCMOSICを形成する時に使用す
るマスクをそのまま本発明の構造を持つSOIウエハに
適用でき、また、このときにN型MOSトランジスタの
形成されている領域のシリコンの厚みをP型MOSトラ
ンジスタが形成されている領域のシリコンの厚みより厚
く形成したので、できあがったCMOSICの、N型M
OSトランジスタとP型MOSトランジスタを分離する
素子分離絶縁層のP型MOSトランジスタ側の部分と電
気絶縁性物質間の距離が短くなることにより、通常の単
結晶シリコンウエハ上に形成したCMOSICに比べ、
ラッチアップを生じにくくすることができる。
【0102】(7)本発明の半導体装置において、素子
分離領域のフィールド酸化膜、あるいは薄い絶縁膜の下
の単結晶シリコンの領域(ウェル領域)の不純物濃度を
高くし、その領域の単結晶シリコン表面が電流通路にな
りにくい構造にすることにより、素子分離領域を挟んで
隣り合うトランジスタ間の電気的分離を確実に実現する
ことができる。
【0103】(8)本発明の半導体装置において、素子
分離領域のフィールド酸化膜、あるいは薄い絶縁膜の上
に設けた多結晶シリコン又はアルミ等の金属に電圧を加
えることにより、素子分離領域の単結晶シリコン表面を
反転しずらくし、そこが電流通路になりにくくすること
により、素子分離領域を挟んで隣り合うトランジスタ間
の電気的分離を確実に実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の半導体装置の断面構造図である。
【図2】SOIウエハの断面構造図である。
【図3】従来のSOIウエハ上に形成した半導体装置の
構造断面図である。
【図4】Pウェルを形成しているボロンのSOIウエハ
内の濃度分布を示すグラフである。
【図5】Nウェルを形成しているリンのSOIウエハ内
の濃度分布を示すグラフである。
【図6】本発明の半導体装置の他の実施例を示す半導体
装置の断面構造図である。
【図7】(a)〜(c)は本発明の半導体装置の製造工
程の一部を示す前半工程順断面図である。
【図8】(a)〜(c)は本発明の半導体装置の製造工
程の一部を示す後半工程順断面図である。
【図9】本発明の半導体装置の断面構造図である。
【図10】SOIウエハに形成されたN型MOSトラン
ジスタの平面図である。
【図11】SOIウエハ上に形成されたN型MOSトラ
ンジスタの幅方向の断面図である。
【図12】図9に示す本発明の半導体装置の中のN型M
OSトランジスタの幅方向の断面図である。
【図13】本発明の半導体装置の他の実施例を示す構造
断面図である。
【図14】本発明の半導体装置の他の実施例を示す構造
断面図である。
【図15】本発明の半導体装置の動作方法の一実施例を
示す構造断面図である。
【図16】本発明の半導体装置の動作方法の他の実施例
を示す構造断面図である。
【図17】(a)〜(d)は張り合わせSOIウエハの
製造方法を示す工程順断面図である。
【図18】本発明の半導体装置の断面構造図である。
【図19】本発明の半導体装置の他の断面構造図であ
る。
【図20】本発明の半導体装置の他の断面構造図であ
る。
【図21】本発明の半導体装置の他の断面構造図であ
る。
【図22】本発明の半導体装置の他の断面構造図であ
る。
【図23】本発明の半導体装置の他の断面構造図であ
る。
【図24】本発明の半導体装置の素子分離領域を加える
電圧条件を示す断面構造図である。
【図25】本発明の半導体装置の素子分離領域を加える
電圧条件を示す断面構造図である。
【符号の説明】
11、91、1301、1401 単結晶シリコン基
板 12、92、1302、1402 シリコン酸化膜B
OX 13、93、1303、1403 N型MOSトラン
ジスタのソース 14、94、1304、1404 N型MOSトラン
ジスタのドレイン 15、110、95、910 ゲート絶縁膜 16、111、96、911 ゲート絶縁膜 17、97、1307、1407 Pウェル 18、98、1308、1408 P型MOSトラン
ジスタのソース 19、99、1309、1409 P型MOSトラン
ジスタのドレイン 112、912、1312、1412 Nウェル 113、114、115、64 フィールド酸化
膜 23 単結晶シリコン層 211、212、213 薄い絶縁膜 181、191、215、225 高濃度Pウェル 182、192、217、227 高濃度Nウェル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 久原 健太郎 東京都江東区亀戸6丁目31番1号 セイ コー電子工業株式会社内 (72)発明者 小山内 潤 東京都江東区亀戸6丁目31番1号 セイ コー電子工業株式会社内 (72)発明者 中西 章滋 東京都江東区亀戸6丁目31番1号 セイ コー電子工業株式会社内 (72)発明者 石井 和敏 東京都江東区亀戸6丁目31番1号 セイ コー電子工業株式会社内 (56)参考文献 特開 平1−122154(JP,A) 特開 平1−114070(JP,A) 特開 昭60−180137(JP,A) 特開 昭60−163458(JP,A) 特開 昭61−51961(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/8234 - 21/8238 H01L 27/08 - 27/092 H01L 29/786

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリコン酸化膜と、 前記シリコン酸化膜上に形成され、Pウェル領域と前記P
    ウェル領域より厚さの薄いNウェル領域とが形成された
    半導体単結晶シリコン層と、 前記シリコン酸化膜とPウェル領域にて接触することな
    くNウェル領域にて一部接触し、前記半導体単結晶シリ
    コン層の前記Pウェル領域と前記Nウェル領域とを分離す
    るフィールド酸化膜と、 前記Pウェル領域表面部に形成され、底が前記シリコン
    酸化膜から離れているソース・ドレインよりなるN型M
    ISトランジスタと、 前記Nウェル領域表面部に形成されたP型MISトラン
    ジスタと、 前記シリコン酸化膜表面と前記フィールド酸化膜との前
    記Pウェル領域側の接触部を含む領域にて、前記半導体
    単結晶シリコン層に設けられたN―領域よりなることを
    特徴とする半導体装置。
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