JP3188547B2 - アルカリ金属アジ化物粉体の製造方法 - Google Patents

アルカリ金属アジ化物粉体の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、医薬、写真薬等の原料
であるテトラゾール類の主たる出発原料として、また、
自動車用安全装置であるエアーバッグ用ガス発生剤とし
て極めて有用な化合物である、自己分解特性が穏やかな
アルカリ金属アジ化物粉体の製造方法に関し、また、こ
れらのうちでも特に粉体流動性に優れたアジ化ナトリウ
ム粉体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、アジ化ナトリウムの製造法は
いくつか知られており、例えば、米国特許第1,628,380
号公報には、ヒドラジンと亜硝酸アルキルエステルとの
反応を含水反応媒体(non-anhydrous reaction medium
s)中で行う方法および実質的に非水反応媒体(anhydro
us reaction mediums)中で行う方法について記載され
ている。また、西独特許第1,144,243号公報には、ナト
リウムアミドと亜酸化二窒素との反応を液体アンモニア
中で行う方法について記載されている。
【0003】しかしながらこれらの従来法による代表的
なアルカリ金属アジ化物であるアジ化ナトリウムは、一
般に平均粒径が 50〜400μ程度の流動性の良くない粉体
であり、いずれも自己分解特性が激越で、その取扱いに
は消防法危険物第5類第1種として極めて厳しい規制を
うけている。そのため、アジ化ナトリウムを大量に取扱
うには設備に多額の投資が必要であること、また、その
輸送に際しては輸送数量、包装形態などに厳しい規制が
あることなどの問題点がある。
【0004】特に近年、アジ化ナトリウムは、自動車用
安全装置であるエアーバッグ用ガス発生剤として多量に
使われるようになってきており、この場合には、一般に
平均粒径が 30μ程度のもの、或いは 10μ以下の微粒子
状のものが要求され、粉砕等の処理が必要であるが、ア
ジ化ナトリウムを粉砕するに際しては、その自己分解特
性の激越さとともに粉体流動性の悪さが問題となってい
た。
【0005】
【発明が解決すべき課題】本発明者等は、上記のような
自己分解特性が穏やかで、且つ、粉体としての流動特性
にも優れた安定化されたアルカリ金属アジ化物を得るた
めに検討を行ってきた。その結果、通常の製法により製
造された市販のアルカリ金属アジ化物を水性溶媒に溶解
させて得た水性溶媒溶液を、特定の pH条件下で、例え
ば濃縮するなどしてアルカリ金属アジ化物を晶析させ、
これを濾別して得たアルカリ金属アジ化物は、その自己
分解特性が極めて緩やかであり、消防法危険物第5類第
2種に分類されるものであること、
【0006】またこれらアルカリ金属アジ化物のうちで
も特定の粒子形状を有するアジ化ナトリウム粉体、すな
わち、それを特定の方法によって超音波分散処理を行っ
た後に測定したマイクロトラック式比表面積の値が 0.0
8m2/cc以下であるようなアジ化ナトリウム粉体が、粉
体流動性に優れ、粉砕処理やその他各種の取り扱いに極
めて適したものであることなどを見出だし、本発明を完
成した。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、アルカリ金属
アジ化物を水性溶媒に溶解させ、次いで得られるアルカ
リ金属アジ化物の水性溶媒溶液から pH7〜13の条件下
に該アルカリ金属アジ化物を析出させることを特徴とす
る、例えばアジ化ナトリウムなどのアルカリ金属アジ化
物粉体の製造方法の提供を目的とするものであり、また
中でも、超音波分散処理後のマイクロトラック式比表面
積が 0.08m2/cc以下であることを特徴とするアジ化ナ
トリウム粉体の提供を目的とするものである。
【0008】以下、本発明を詳細に説明する。
【0009】本発明におけるアルカリ金属アジ化物と
は、例えば、アジ化リチウム、アジ化ナトリウム、アジ
化カリウム等が例示でき、これらのうちアジ化ナトリウ
ムが最も一般的である。
【0010】また本発明方法の出発物質であるアルカリ
金属アジ化物としては、どのような結晶形であっても、
また、どのような製造法によるものでもよく、市販のも
のがそのまま使用されるが、後記する消防法の危険物評
価方法の9mmφオリフィス板を用いた圧力容器試験によ
る危険物第5類第1種に分類されるものが使用される。
該アルカリ金属アジ化物の純度は、一般に97重量%以
上、好ましくは99重量%以上であるのがよい。
【0011】上記アルカリ金属アジ化物を水性溶媒に溶
解させて得られるアルカリ金属アジ化物水性溶媒溶液中
のアルカリ金属アジ化物濃度は、その水性溶媒における
該アルカリ金属アジ化物の飽和濃度までの適宜の濃度で
あればよいが、一般に5〜30重量%、好ましくは10〜25
重量%程度であるのがよい。
【0012】上記水性溶媒とは、水の含有量が50重量%
以上、好ましくは90重量%以上の溶媒をいう。該水性溶
媒は、水の他にアルカリ金属アジ化物の安定化の妨げに
ならないものであれば適宜の親水性有機溶媒が混入して
もよいが、火災や爆発等の危険性を排除する観点から、
また、高濃度アルカリ金属アジ化物水性溶媒溶液の使用
による該アルカリ金属アジ化物析出効率向上の観点から
有機溶媒の混入はなるべく少ないのが望ましい。
【0013】得られるアルカリ金属アジ化物の水性溶媒
溶液の pHは7〜13、好ましくは 7.5〜11、さらに好ま
しくは8〜10の範囲に調節されることが必要である。該
pH値が該下限値未満と低すぎては、危険性の高いアジ化
水素が発生することがあり好ましくなく、また、該上限
値を超えて高すぎては、得られるアルカリ金属アジ化物
の流動性が不十分となったり、自己分解特性が激化する
ことがあり好ましくない。
【0014】なお、前記西独特許第1,144,243号公報等
に記載のナトリウムアミドを出発原料とする方法では、
アジ化ナトリウムとともにこれと当モル量の水酸化ナト
リウムを副生するため、本発明方法の出発物質であるア
ルカリ金属アジ化物としてこのようなアジ化ナトリウム
を用いる時には、得られるアジ化ナトリウムの水性溶媒
溶液が強アルカリ性となることがあり、この場合、該水
性溶媒溶液を陽イオン交換樹脂等を用いて処理して上記
の pH範囲となるように調製するのがよい。
【0015】また、エアーバッグ用ガス発生剤に使用さ
れる場合には、少量のアルカリ成分の混入が要求される
ことがあり、そのときには、所望量のアルカリ成分、例
えば水酸化ナトリウムなどをアルカリ金属アジ化物の水
性溶媒溶液中に加えて、pH8〜11、特には8.5〜10とな
るように調製することもできる。(該水性溶媒溶液中の
アルカリ成分の量としては、通常、アルカリ金属アジ化
物1モルに対して、1〜5ミリモル程度の量とするのが
適当である。)
【0016】前記アルカリ金属アジ化物の水性溶媒溶液
には、必要に応じて界面活性剤などを含有させることが
できる。これらの含有量は、一般に0〜1重量%、好ま
しくは0〜0.5重量%程度である。
【0017】前記アルカリ金属アジ化物を水性溶媒に溶
解させるには、例えば、適宜の容器中に前記水性溶媒を
入れ、その中に市販の粉末状などの形態のアルカリ金属
アジ化物を加え、更に必要に応じて界面活性剤等を加え
て、例えば、4〜100℃、好ましくは4〜40℃程度の温
度で攪拌溶解させるなどの方法が好適に採用できる。
【0018】本発明方法によれば、このようにして得ら
れたアルカリ金属アジ化物水性溶媒溶液を、そのまま、
または、適宜な濃度まで濃縮した後冷却して、アルカリ
金属アジ化物を析出させ、次いで析出物を濾別し乾燥す
ることにより、自己分解特性が穏やかな安定化されたア
ルカリ金属アジ化物を得ることができる。
【0019】なお、アルカリ金属アジ化物を析出させる
に際しての、上記水性溶液又は濃縮等により該アジ化物
の一部が析出した水性溶媒スラリー液における該アジ化
物と水性溶媒との割合は、溶解した該アジ化物又は溶解
した該アジ化物と析出した該アジ化物との合計100重量
部に対して、水性溶媒が一般に190〜400重量部、好まし
くは250〜300重量部程度とするのがよい。
【0020】瀘液は、必要に応じて水で希釈した後、前
記市販のアルカリ金属アジ化物を加えて調整し、リサイ
クル使用することができる。
【0021】本発明方法はバッチによる通常の形態で
も、または、上記のように濾液を循環する形態でも実施
することができる。いづれを選ぶかは、生産規模、設備
要件を考えて決めればよい。
【0022】かくして得られるアルカリ金属アジ化物
は、純度が 97重量%以上、好ましくは 98重量%以上、
その平均粒径(体積平均粒径)は 50〜400μ程度、好ま
しくは 150〜350μ程度のものである。該アジ化物は、
必要に応じて分級し、或いは、粉砕後分級するなどして
所望の粒径のアルカリ金属アジ化物粉末を得ることもで
きる。
【0023】このような本発明方法による安定化された
アルカリ金属アジ化物は、その自己分解特性が極めて緩
やかである。自己分解特性の測定は、消防法の危険物評
価方法に定められたもので、下記のように9mmφオリフ
ィス板を用いた圧力容器試験により行う。
【0024】自己分解特性の測定 自己分解特性の測定は、消防法の「危険物確認試験実施
マニアル」〔消防庁危険物規制課監修、新日本法規出版
(株)発行〕の第66〜82頁「第5類の試験方法」の中の
「3.圧力容器試験」の項に定められた方法による。オリ
フィス板としては9mmφオリフィス板を用いた。
【0025】テスト試料5gを所定容器に入れ、これを
上記圧力容器に入れて 40±5℃/分の昇温速度で200℃
まで昇温し、さらに400℃まで加熱を続ける。自己分解
特性が穏やかな場合は昇温時、分解ガスはオリフィスよ
り流出するが、自己分解特性が激越な場合は、内部圧力
が急上昇して破裂板が破裂する。
【0026】自己分解特性の評価は、同一テスト試料に
ついて10回のテストを繰り返し、破裂板の破裂が起きた
回数により評価する。消防法では、10回のうち5回以上
の破裂がみられるものは危険物第5類第1種に分類され
て、また破裂が5回未満のものは危険物第5類第2種に
分類される。なお参考として、破裂が起きないテスト試
料については、分解時間、すなわち、オリフィスよりの
分解ガスの流出持続時間を測定した。
【0027】上記試験法により、アジ化ナトリウムの一
例として、従来より市販の粉末状アジ化ナトリウムと本
発明方法による安定化されたアジ化ナトリウムとを比較
すると、市販品は分解性が激越で自己分解特性試験にお
いては破裂板が毎回破裂し、危険物第5類第1種に分類
されるのに対して、本発明方法によるものは、分解に1
〜2秒を要するなどかなり穏やかであり、自己分解特性
試験における破裂回数は4回以下で危険物第5類第2種
に分類されることが判明した。
【0028】従って従来の市販品は、特にその輸送に際
しては輸送数量、包装形態などに厳しい規制を受けるも
のであるのに対して、本発明方法による安定化されたア
ジ化ナトリウムはそれに比べて遥かに簡単な包装形態
で、遥かに多量に輸送できるなどその規制もかなり緩や
かであり、取扱いもはるかに簡便に行うことができる。
【0029】本発明方法における最も好適な生成物であ
るアジ化ナトリウム粉体は、その超音波分散処理後のマ
イクロトラック式比表面積が 0.1m2/cc以下、好ましく
は 0.09m2/cc以下、特に好ましくは 0.02〜0.08m2/cc
のものである。該比表面積が該上限値以下であれば、そ
の粉体流動特性が優れたものとなり、該アジ化ナトリウ
ム粉体のさらなる粉砕処理などに際しての作業性が低下
することがなく好ましい。
【0030】なお上記マイクロトラック式比表面積、並
びに、前記体積平均粒径および粒径分布の測定は、日機
装(株)発行 カタログ No.3060「マイクロトラック 光と
レーザーを応用した粒度分析計の測定原理集」第16〜23
頁及び第28頁に記載された原理によるものであり、具体
的には後記する「マイクロトラック式粒径分布、体積平
均粒径及び比表面積の測定」の方法により測定して得た
値である。
【0031】マイクロトラック式粒径分布、体積平均粒
径及び比表面積の測定 レーザー回折式の粒度分布測定装置「マイクロトラック
(MICROTRAC) FRA」(商品名)(LEEDS & NORTHRUP社
製)を使用し、粒度測定範囲 0.12〜704.00μで行う。
測定用分散溶剤には n-ヘプタンを使用し、試料循環装
置として SVR(小量試料仕様)を用いる。測定試料は平
均粒径が 50μ以下であれば 0.1〜0.35g、100μ前後で
あれば 0.15〜0.25g、200μ前後であれば 0.25〜0.35g
を目安にして適量を 50mlビーカーに取り、高分子ポリ
エステルアミン塩系分散剤「ディスパロン KS-873N」
(商品名)〔楠本化成(株)製〕をスポイトで4〜5滴添
加し、マイクロスパチュラでよく攪拌混合してペースト
状とする。これに n-ヘプタン約20mlを加えてよく分散
させてスラリー状試料とする。
【0032】次いで該ビーカーを超音波水槽「W-103T」
(商品名)〔本多電子(株)製〕中に置き、1分間超音波
分散処理を行う。このとき水槽液面はビーカーの n-ヘ
プタン液面より下になるようにする。超音波分散処理後
このスラリー全量を試料循環装置に投入し、以下装置の
表示画面の支持に従って測定を行う。
【0033】また本発明方法の最も好適な生成物である
アジ化ナトリウム粉体は、そのゆるみ見掛け比重が 0.6
5以上であるのが好ましく、0.7以上であるのがより好ま
しく、0.75以上であるのがさらに好ましく、0.8以上で
あるのが最も好ましい。該見掛け比重の値が該下限値以
上であれば、アジ化ナトリウム粉体の粉体流動性が優れ
ているので好ましい。なおアジ化ナトリウムの真比重は
1.84であり、該見掛け比重がこの値を越えることはな
いが、なるべくその値に近いことが望ましい。このよう
な見掛け比重条件を満たすためには、アジ化ナトリウム
粉体の粒子形状は板状のものより、塊状のものあるいは
塊状のものの凝集体のほうが好ましく、さらには、立方
体あるいは球形に近くすることが有利である。また、粒
径の分布もなるべくシャープにした方が有利である。
【0034】さらに上記アジ化ナトリウム粉体は、その
圧縮度が 35%以下であるのが好ましく、30%以下であ
るのがより好ましく、0.5〜25%であるのがさらに好ま
しく、1〜20%であるのが特に好ましい。該圧縮度が該
上限値以下であれば、アジ化ナトリウム粉体の粉体流動
性が特に優れているので好ましい。なお上記見掛け比重
及び該圧縮度の値は下記の方法により測定して得た値で
ある。
【0035】圧縮度の測定 1) ゆるみ見掛け比重(A)の測定 JIS標準篩目開き710μの直径10cmの篩を用い、「パウダ
ーテスター」(商品名)〔ホソカワミクロン(株)製〕を
使用して、試料150gを重量既知の100cc粉体受けカップ
に20〜30秒で山盛になるような強さで振動させ、次いで
試料を平らなヘラを垂直に立てて擦り切って試料重量を
該カップごと測定し、ゆるみ見掛け比重Aの値を算出す
る。
【0036】2) タップ比重(P)の測定 上記「パウダーテスター」を使用し、上記粉体受けカッ
プに付属のキャップを継ぎ足し、さらにキャップカバー
を取り付けてタッピングホルダーに入れる。スコップで
試料を継ぎ足しながらタッピング回数180回/分で180秒
タッピングを行う。タッピング終了後、キャップ及びキ
ャッキカバーをはずし、以下上記と同様にしてタップ比
重Pの値を算出する。
【0037】3) 圧縮度の算出 上記の見掛け比重Aおよびタップ比重Pを用いて、次式
にしたがって粉体圧縮度を計算する。
【0038】
【数1】
【0039】さらにまた本発明方法の最も好適な生成物
であるアジ化ナトリウム粉体は、その安息角が 52以
下、特には 50以下であるのが該アジ化ナトリウム粉体
の粉体流動特性の優秀さの観点より好ましい。なお該安
息角の値は下記の方法により測定して得た値である。
【0040】安息角の測定 前記「パウダーテスター」を使用し、安息角測定用テー
ブルの上に開口部 65mmφ、下管部5mmφのロートを該
下管部の下端の該テーブルからの高さが75mmとなるよう
に取り付け、該ロートの上に目開き710μの篩を取り付
ける。約150gの試料粉体を該篩に入れ、振幅2mm以下で
振動させて試料をロートを通して該テーブル上に流下さ
せる。堆積した試料粉体の稜線に分度器を当ててその安
息角を測定する。
【0041】
【実施例】以下、実施例及び比較例により本発明を一層
詳細に説明する。
【0042】実施例1 減圧用シールをした攪拌装置、蒸留管及び温度計を取り
付けた500mlの3ツ口セパラブルフラスコを使用した。
蒸留管は冷却管、フラスコ及び減圧用アダプターに接続
し、減圧用アダプターは真空ポンプに接続した。
【0043】上記フラスコに脱イオン水 280gを仕込
み、次いで市販のアジ化ナトリウム100g(純度99.7重量
%、水分0.1重量%)を攪拌しつつ仕込み、40℃にて完
全に溶解させた。水溶液の pHは約9.5であった。溶解完
了後、該フラスコ内容物の温度が40℃を保つように減圧
の度合を調整して攪拌しつつ濃縮を開始した。留出する
水が190mlとなったところで該フラスコ内の圧力を大気
圧下に戻し濃縮を止め、室温まで冷却した。濃縮後のフ
ラスコ内容物は水性溶媒スラリー液であり、その重量は
180.2g、pHは約9.5であった。
【0044】得られたスラリー液を遠心濾過器にて濾過
して湿結晶 60.4gを得、これを103℃の乾燥オーブンで
乾燥して、乾燥粉体 59.1g(純度 99.8重量%、水分 0.
08重量%)を得た。得られた粉体の比表面積、粒度分
布、体積平均粒径、ゆるみ見掛け比重、圧縮度及び安息
角などの粉体特性、並びに、自己分解特性の測定結果を
表1に示す。
【0045】実施例2 実施例1において、さらに非イオン界面活性剤「エマル
ゲン950」〔商品名;花王(株)製〕0.12g添加する以外は
実施例1と同様にして、水性溶媒スラリー液181.5g、遠
心濾過による湿結晶 60.0g及び乾燥結晶 58.7g(純度 9
9.8重量%、水分 0.06重量%)を得た。得られた水性溶
媒溶液および水性溶媒スラリー液のpHは、いずれも約9.
5であった。得られた粉体の各種粉体特性、並びに、自
己分解特性の測定結果を表1に示す。
【0046】実施例3 実施例1において、さらに水酸化ナトリウム5g添加す
る以外は実施例1と同様にして、水性溶媒スラリー液 1
80.0g、遠心濾過による湿結晶 62.4g及び乾燥結晶 61.0
g(純度 99.5重量%、水分 0.10重量%)を得た。得ら
れた水性溶媒溶液および水性溶媒スラリー液の pHは、
いずれも約10であった。得られた粉体の各種粉体特性、
並びに、自己分解特性の測定結果を表1に示す。
【0047】比較例1 実施例1〜3で用いた市販のアジ化ナトリウムをそのま
ま用いて、圧力容器試験を行ったところ、該アジ化ナト
リウムの分解は爆発的に起こり、破裂板が毎回破裂し極
めて危険であった。用いたアジ化ナトリウムの各種粉体
特性、並びに、自己分解特性の測定結果を表1に示す。
【0048】
【表1】
【0049】
【発明の効果】本発明方法によるアルカリ金属アジ化物
のうちでも、最も好適な特定の比表面積を有するアジ化
ナトリウム粉体は、次のような顕著な長所を有する。
【0050】(1) その自己分解特性がかなり穏やかであ
り、危険物第5類第2種に分類される。そのため、従来
の市販品に比べてはるかに簡単な包装形態で、はるかに
多量に輸送できるなどその規制も比較的緩やかであり、
市販品に比べて簡便に取扱うことができる。
【0051】(2) 粉体流動特性が優れており、ホッパー
等の貯蔵設備に入れておいても、取り出し時に粉体架橋
現象を起こしにくく、若干の架橋現象が生じたとしても
バイブレーターなどの使用により容易に取り出すことが
可能な程度である。
【0052】(3) 粉体の自動計量化が可能となり、エア
ーバッグ用ガス発生剤などの製造ラインの自動化に貢献
する。
【0053】(4) 粉体圧縮度が小さく、嵩密度が大きい
のでコノパクトな包装が可能となり、輸送上のコストが
低減できる。
【0054】
【図面の簡単な説明】
【図1】は、本発明方法による最も好適な生成物である
アジ化ナトリウム粉体の粒度分布測定結果のチャートで
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き 審査官 大工原 大二 (56)参考文献 特開 平3−339002(JP,A) 特開 平6−206711(JP,A) 特開 平5−254976(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C01B 21/08 CA(STN)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルカリ金属アジ化物を水性溶媒に溶解
    させ、次いで得られるアルカリ金属アジ化物の水性溶媒
    溶液から pH7〜13の条件下に該アルカリ金属アジ化物
    を析出させることを特徴とするアルカリ金属アジ化物粉
    体の製造方法。
  2. 【請求項2】 上記アルカリ金属アジ化物粉体がアジ化
    ナトリウム粉体であることを特徴とする請求項1記載の
    製造方法。
  3. 【請求項3】 アルカリ金属アジ化物を水性溶媒に溶解
    させ、次いで得られるアルカリ金属アジ化物の水性溶媒
    溶液から pH7〜13の条件下に該アルカリ金属アジ化物
    を析出させることを特徴とするアルカリ金属アジ化物粉
    体の製造方法において、上記アルカリ金属アジ化物粉体
    の、超音波分散処理後のマイクロトラック式比表面積が
    0.08m /cc以下であることを特徴とする請求項1〜
    2いずれか記載の製造方法。
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