JP3188324B2 - 溶接ビードの仕上加工方法 - Google Patents

溶接ビードの仕上加工方法

Info

Publication number
JP3188324B2
JP3188324B2 JP27213692A JP27213692A JP3188324B2 JP 3188324 B2 JP3188324 B2 JP 3188324B2 JP 27213692 A JP27213692 A JP 27213692A JP 27213692 A JP27213692 A JP 27213692A JP 3188324 B2 JP3188324 B2 JP 3188324B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
grinding
grinder
weld bead
bead
spring constant
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP27213692A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH06114708A (ja
Inventor
孝志 柏熊
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissan Motor Co Ltd filed Critical Nissan Motor Co Ltd
Priority to JP27213692A priority Critical patent/JP3188324B2/ja
Publication of JPH06114708A publication Critical patent/JPH06114708A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3188324B2 publication Critical patent/JP3188324B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Grinding And Polishing Of Tertiary Curved Surfaces And Surfaces With Complex Shapes (AREA)
  • Finish Polishing, Edge Sharpening, And Grinding By Specific Grinding Devices (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アークブレージング溶
接法によって形成された溶接ビードの仕上加工方法に関
し、さらに詳しくは力制御ロボットに持たせたグライン
ダで溶接ビードに研削加工を施す方法に関する。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】自動車の
車体組立工程においては、図7に示すように車体Bのう
ちリアフェンダーパネル(リアピラー部)Fとルーフパ
ネルRとの合わせ目にイナートガスアーク溶接の一つで
あるMIG溶接法によってブレージング(ろう付けもし
くは硬ろう付け)を施すことが行われ、その後処理とし
てブレージング部Wの溶接ビードbと母材との段差をな
くして車体外板面を平滑に仕上げるためにグラインダに
よる研削加工が行われる。
【0003】この溶接ビードbの研削加工は、周知のよ
うに車体外板面を所定の三次元形状に仕上げる難易度の
高い作業であることから、一般に作業者の手作業によっ
て行われている。その一方、作業自体が悪環境下での作
業であること、ならびに最近の熟練技能者の不足傾向か
ら、かかる溶接ビードbの研削作業を力制御方式の産業
用ロボットを使って行うことが試られている。
【0004】この力制御ロボットを使った溶接ビードb
の研削加工は、基本的には手作業の場合と同様に、溶接
ビードbに対し力制御ロボットに持たせたグラインダの
砥石を押し付けるとともに、そのグラインダを溶接ビー
ドbの長手方向に沿って複数回移動させることになるの
であるが、短時間のうちに溶接ビードbを過不足なく削
り取って平滑に仕上げるためには、単にグラインダの押
付力が一定となるようにコントロールしただけでは必ず
しも十分でない。
【0005】すなわち、図8に示すように、MIG溶接
法によって形成された溶接ビードbについては、その特
殊性として溶接開始位置および溶接終了位置に相当する
始終端部(長手方向両端部)eでは、それ以外の一般部
Pと比べてビード幅および肉盛高さともに大きくなって
いる。
【0006】したがって、溶接ビードbの両端部eとそ
れ以外の一般部Pとでは必然的に研削時の力加減条件が
異なり、この条件が見い出せないかぎり高品質でしかも
効率的な仕上研削加工は望めない。
【0007】本発明は以上のような課題に着目してなさ
れたもので、溶接ビードに対し力制御ロボットに持たせ
たグラインダで研削加工を施すにあたり、溶接ビードの
形状の特殊性を考慮して効率よく研削加工を行えるよう
にした方法を提供しようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、アー
クブレージング溶接法によって形成された溶接ビードに
力制御ロボットに持たせたグラインダを押し付けながら
このグラインダを前記溶接ビードの長手方向に移動させ
て、荒研削と仕上研削とに分けて前記溶接ビードに研削
加工を施すようにした溶接ビードの仕上加工方法におい
て、前記荒研削時および仕上研削時に、グラインダの先
端の制御上の位置偏差に力制御ロボットの設定ばね定数
を乗じた上これに設定押付力を加えたものが前記溶接ビ
ードに対するグラインダの実押付力となるように制御す
る一方、前記仕上研削に際して、グラインダを支持する
力制御ロボットの設定ばね定数を荒研削時よりも低くし
て研削加工を行うことを特徴としている。
【0009】また、請求項2の発明は、アークブレージ
ング溶接法によって形成された溶接ビードに力制御ロボ
ットに持たせたグラインダを押し付けながらこのグライ
ンダを前記溶接ビードの長手方向に移動させて、前記溶
接ビードに研削加工を施すようにした溶接ビードの仕上
加工方法において、前記溶接ビードの長手方向両端部に
研削加工を施す際に、グラインダを支持する力制御ロボ
ットのばね定数を、前記溶接ビードの長手方向両端部以
外の一般部を研削する際のばね定数よりも高くして研削
加工を行うことを特徴としている。
【0010】さらに、請求項3の発明は、アークブレー
ジング溶接法によって形成された溶接ビードに力制御ロ
ボットに持たせたグラインダを押し付けながらこのグラ
インダを前記溶接ビードの長手方向に一往復させて、前
記溶接ビードに研削加工を施すようにした溶接ビードの
仕上加工方法において、前記グラインダの復動時には、
このグラインダを支持する力制御ロボットのばね定数を
往動時よりも低くして研削加工を行うとともに、前記溶
接ビードの長手方向両端部に研削加工を施す際には、前
記グラインダを支持する力制御ロボットのばね定数を、
前記溶接ビードの長手方向両端部以外の一般部を研削す
る際のばね定数よりも高くして研削加工を行うことを特
徴としている。
【0011】
【作用】請求項1の発明によると、荒研削時のばね定数
を高目に設定し、それに続く仕上研削時のばね定数を荒
研削時よりも低くして研削を行うと、仮に荒研削時と仕
上研削時とでグラインダの設定押付力が一定であって
も、荒研削時の方が力制御ロボットのばね定数が高いた
めに力制御ロボット自体の制御剛性が高くなり、それに
応じて溶接ビードに及ぼすグラインダの押付力も仕上研
削時よりも高くなる。
【0012】そして、研削加工前は、溶接ビード表面は
最終仕上形状との高さの差が大きく、しかも溶接ビード
の両端部と一般部との間にも大きな高さの差があるもの
の、上記のように荒研削時のばね定数を高くして研削を
行うと、そのばね定数に応じて力制御ロボットの剛性が
高くなってグラインダの押付力も増大し、さらに溶接ビ
ードの削り取り量はグラインダの押付力に比例するた
め、溶接ビードを効率よく削り取ることができるととも
に、溶接ビードの両端部と一般部との高さの差も小さく
なって溶接ビードの高さが全体的にほぼ均一にならされ
る。
【0013】こののち、荒研削に続く仕上研削時には逆
にばね定数を低くして研削を行うと、そのばね定数の低
下に応じて力制御ロボットの剛性が低くなることから、
溶接ビード表面に対するグラインダの追従性がよくなっ
て砥石が溶接ビード表面に忠実に追従することから、グ
ラインダの送り速度を高くして研削を行える。これによ
り、短時間のうち、しかも最小限のグラインダの移動回
数で溶接ビードの研削を行うことができる。
【0014】また、請求項2の発明によると、荒研削で
あるか仕上研削であるかにかかわらず、溶接ビードの両
端部の研削時のばね定数を一般部よりも高くすると、そ
のばね定数に応じてグラインダの押付力が変化し、さら
にその押付力に溶接ビードの削り取り量が比例すること
から、1回の研削で溶接ビードの両端部ほど大きく削り
取ることができる。したがって、少ない研削回数で溶接
ビードの高さの差をなくして溶接ビード全体を均一にな
らすことができる。
【0015】さらに、請求項3の発明によると、グライ
ンダの復動時よりも往動時の研削時のばね定数を高く
し、同時に溶接ビードの両端部の研削時のばね定数を一
般部よりも高くすることにより、きわめて効率的な研削
が行え、グラインダの一往復だけで溶接ビードの研削を
完了することができる。
【0016】
【実施例】図2および図3は本発明の一実施例を示す図
で、前述した自動車の車体パネルのブレージング部Wに
後処理として研削加工を施す場合の例を示している。
【0017】図2,3に示すように、自動車の車体Bは
前工程のアークブレージング工程でMIG溶接法により
アークブレージングが施された上で、コンベヤCにより
研削工程Sに搬入される。研削工程Sには力制御ロボッ
ト1が設けられており、そのアーム2の先端には図4に
も示すように6軸の力センサ3を介してエア駆動方式の
グラインダ4が装着されている。そして、研削工程Sに
車体Bが位置決めされると、力制御ロボット1はグライ
ンダ4の砥石ディスク5をブレージング部Wの溶接ビー
ド部bに順次押し付けて研削加工を施すことになる。な
お、図3に示すように、グラインダ4には図示外の集塵
機に接続された集塵ノズル6を砥石ディスク5に向けて
取り付けてある。
【0018】前記力制御ロボット1は仮想コンプライア
ンス制御方式と称されるもので、概略図4に示すように
構成されている。すなわち、力制御ロボット1は、その
力制御コントローラ7内に位置制御系とは別に力制御系
をもち、前記力センサ3の出力を力制御コントローラ7
に取り込んで力フィードバックループを形成する一方、
力制御コントローラ7のばね定数設定部8には予め前記
砥石ディスク5の軌跡の仮想ばね定数Kが設定されてい
る。同様に、前記力制御コントローラ7の力目標値設定
部9にはグラインダ4の力目標値として設定押付力が、
また位置目標値設定部10には前記グラインダ4を動か
すべき軌跡の位置目標値がそれぞれ設定されている。
【0019】そして、前記グラインダ4の砥石ディスク
5の先端の位置目標値をXO、現在位置をXN、設定押付
力(力目標値)をFOとした場合に、グラインダ4の砥
石ディスク5の先端の位置目標値XOと現在位置XNとの
位置偏差に上記の仮想ばね定数Kを乗じた上、これを力
目標値FOに加えた結果得られる荷重、すなわち(XO
N)・K+FO=FGで得られる荷重FGでグラインダ4
をワークに押し付けて研削加工を行うことで、力制御ロ
ボット1自体をあたかも仮想ばねの如く機能させてその
力加減を積極的にコントロールできるものである。な
お、この力制御ロボット1そのものについては特開平2
−45806号公報等に開示されている。
【0020】溶接ビードbの研削に際しては、図1に示
すように、力制御ロボット1が持つグラインダ4の砥石
ディスク5を溶接ビードbに押し付けた上、グラインダ
4を引くようにこれを溶接ビードbの長手方向に沿って
複数回移動させることでその溶接ビードbの余盛を削り
取り、溶接ビードbが車体パネルBと面一状態となって
滑らかに連続するように平滑に仕上げることになるが、
その際の研削条件を次のように設定する。
【0021】すなわち、グラインダ4の一往復で研削を
終えるために、図1に示すようにグラインダ4の往動時
を荒研削、復動時を仕上研削としてそれぞれ割り当て、
荒研削では溶接ビードbを比較的大きく削り取ってその
凹凸を少なくして溶接ビードb全体を均一な高さになら
すことに主眼をおき、また仕上研削では溶接ビードbの
表面に砥石ディスク5を忠実に追従させて微小な凹凸を
除去しつつ平滑に仕上げることに主眼をおく。そのため
に、図5に示すように、荒研削時の力制御ロボット1の
仮想ばね定数Kの値を仕上研削時の仮想ばね定数Kの値
よりも高く設定する一方、グラインダ4の送り速度につ
いては仕上研削時の方を高く設定する。
【0022】また、上記の溶接ビードbは、図1に示す
ようにその溶接開始位置および溶接終了位置に相当する
長手方向両端部eではその一般部Pに比べてビード幅d
およびビード高さhともに大きくなるのが通常である。
したがって、溶接ビードbに研削加工を施すにあたり、
その溶接ビードbの全長を通して常にグラインダ4の押
付力が一定となるようにコントロールして研削加工を行
ったのでは、速やかに溶接ビードbの凹凸をなくして均
一高さにならすことができない。
【0023】そこで、図5に示すように、荒研削時およ
び仕上研削時ともに、溶接ビードbの両端部eを研削す
る際の力制御ロボット1の仮想ばね定数Kの値を、一般
部Pを研削する際の仮想ばね定数Kの値よりも大きく設
定する一方、グラインダ4の送り速度については一般部
Pよりも両端部eの方の送り速度を低く設定する。
【0024】なお、溶接ビードbに対するグラインダ4
の設定押付力(力目標値)FOは、荒研削であるか仕上
研削であるか、さらには溶接ビードbの両端部eである
か一般部Pであるかにかかわらず、0.3〜0.4kg
fで一定とする。また、砥石ディスク5の直径は100
mm、荒さ#40、最大回転数は12600rpm程度
である。さらに、研削加工後に許容される溶接ビードb
の削り残し量すなわち品質上の許容範囲は0〜0.3m
m程度である。
【0025】ここで、上記の仮想ばね定数Kの値は図4
のばね定数設定部8に予め設定されるとともに、設定押
付力(力目標値)FOの値は同じく図4の力目標値設定
部9に予め設定され、これらの仮想ばね定数K、設定押
付力FOおよび送り速度等の研削条件の一例を整理する
と表1のようになる。
【0026】
【表1】
【0027】例えば、図1の(B)に示す仮想ばね定数
1とK2とがともに等しく、またグラインダ4の設定押
付力FOも一定であると仮定した場合、溶接ビードbの
高さが小さい一般部Pほど仮想のばねが伸びた状態とな
って、実際に溶接ビードbに及ぼす押付力FGは小さく
なる。このことは、削り取るべき溶接ビードbの高さが
異なる荒研削時と仕上研削時との関係においても同様で
ある。そこで、本実施例では、上記のようなばね状態の
変化による押付力の変化に着目し、仕上研削時よりも削
り取り量の多い荒研削時、ならびに溶接ビードbの一般
部Pよりも削り取り量の多い溶接ビード両端部eの研削
時ほど溶接ビードbに及ぼす実際のグラインダ押付力F
Gが大きくなるように、力制御ロボット1の設定ばね定
数(仮想ばね定数)Kを積極的に可変制御するものであ
る。
【0028】したがって、本実施例によれば、図1の
(A)に示すように、グラインダ4の砥石ディスク5が
溶接ビードbの長手方向に沿って右方向に移動する荒研
削時(往動時)には、図6に示すように溶接ビードbの
全高Hを目標削り取り量としながらも削り取り量h1
削り取られ、また図1の(A)に示すように砥石ディス
ク5が左方向に移動する仕上研削時(復動時)には溶接
ビードbの残りの削り取り量h2が削り取られることに>
なる。
【0029】そして、全体として仕上研削時よりも荒研
削時の方が力制御ロボット1の仮想ばね定数Kの値が高
く、またグラインダ4の送り速度については逆に荒研削
時の方が低いために、グラインダ4の設定押付力FO
一定であっても、仮想ばね定数Kの値が高いほど力制御
ロボット1自体の剛性が高くなって、荒研削時の方が仕
上研削時よりも溶接ビードbに及ぼすグラインダ4の刃
先の実際の押付力FGが高くなるとともに、砥石ディス
ク5による溶接ビードbの削り取り量も上記の押付力F
Gに比例して大きくなるため、荒研削時の方が仕上研削
に比べていわゆる重研削が可能となる。
【0030】その結果として、研削開始前は、溶接ビー
ドbの表面は最終仕上形状との高さの差が大きく、しか
も溶接ビードbの両端部eと一般部Pとの間に大きな高
さの差があるものの、荒研削が施されることによって上
記の削り取り量h1が削り取られて、その両端部eと一
般部Pの高さが小さくなるように溶接ビード表面がなら
されることになる。
【0031】その上、図5に示すように、荒研削のなか
でもその溶接ビードbの両端部eの研削時の方が一般部
Pの研削時よりも仮想ばね定数Kの値が大きく設定され
ている故に、一般部Pよりも両端部eの研削時の方がそ
の押付力FGに比例して削り取り量が大きくなる。した
がって、荒研削終了時には溶接ビードbの両端部eと一
般部Pでの高さの差がなくなって、溶接ビードbの全長
をとおしてその高さを均一にならすことができる。
【0032】一方、仕上研削時には、荒研削時に比べて
相対的に力制御ロボット1の仮想ばね定数Kの値が低
く、グラインダ4の送り速度が高いために、荒研削時に
比べて実際のグラインダ4の押付力FGが低くなって削
り取り代が小さくなる。しかしながら、先に荒研削によ
って溶接ビードb全体の高さがほぼ均一にならされてい
るためにグラインダ4の押付力FGおよび削り取り量が
小さくなっても問題となることはなく、むしろ軽研削で
送り速度が高いために砥石ディスク5の加工面への追従
性が良くなり、砥石ディスク5が溶接ビード表面に忠実
に追従して残された溶接ビードbを過不足なく削り取っ
て溶接ビードbが平滑に仕上げられることになる。
【0033】ここで、前記荒研削時および仕上研削時と
もにグラインダ4の砥石ディスク5が溶接ビードbに及
ぼす実際の押付力FGは、FG=(XO−XN)・K+FO
で表されるように、砥石ディスク5の先端の制御上の位
置偏差(XO−XN)と仮想ばね定数Kとによって決定さ
れるものの、目標位置まで削り終わった研削終了時点で
のグラインダ押付力FGは、上記の位置偏差(XO
N)が零となるために仮想ばね定数Kの値には依存し
なくなってFG=FO=0.3〜0.4kgfとなる。
【0034】このように本実施例によれば、仕上研削時
よりも荒研削時の方が仮想ばね定数Kの値が高く、なお
かつ荒研削および仕上研削時のいずれの場合にも溶接ビ
ードbの両端部を研削する際の仮想ばね定数Kの値が一
般部Pの研削時のばね定数Kよりも大きく設定されてい
るため、グラインダ4の一往復で溶接ビードbを満遍な
く削り取って母材である車体パネルBを平滑に仕上げる
ことができる。
【0035】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように請求項1
の発明によれば、グラインダを支持する力制御ロボット
のばね定数を仕上研削時よりも荒研削時の方を大きくし
て研削を行うようにしたことにより、荒研削時の方が溶
接ビードに対するグラインダの押付力が大きくなって押
付力の最適化が図られ、短時間のうちに、しかも最小限
のグラインダの移動回数で溶接ビードの研削を行える。
【0036】また、請求項2の発明によれば、溶接ビー
ドの両端部を研削する際のばね定数が一般部を研削する
際のばね定数よりも大きく、それに伴ってグラインダの
押付力も変化することから、溶接ビードの両端部ほど大
きく削り取ることができ、少ない研削回数で溶接ビード
の高さの差をなくして均一にならすことができる。
【0037】さらに、請求項3の発明によれば、上述し
た請求項1および請求項2の効果が得られるほか、グラ
インダ往動時の研削によって溶接ビードの高さが均一化
されているためにグラインダ復動時の速度を高くするこ
とができ、きわめて効率よく溶接ビードの研削を行え
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す図で、(A)は溶接ビ
ードと砥石ディスクとの関係を示す平面説明図、(B)
は同じく溶接ビードと砥石ディスクとの関係を示す正面
説明図。
【図2】本発明の加工方法を適用した自動車の車体の研
削工程の概略説明図。
【図3】図2のE部拡大図。
【図4】図2に示す力制御ロボットの制御系のブロック
回路図。
【図5】溶接ビード研削時のばね定数の変化を示す説明
図。
【図6】図1に示す溶接ビードの断面説明図。
【図7】アークブレージングが施された自動車の車体の
要部拡大図。
【図8】(A)は図7に示す車体のブレージング部の溶
接ビードの拡大平面説明図、(B)は同じくその拡大正
面説明図。
【符号の説明】
1…力制御ロボット 2…アーム 3…力センサ 4…グラインダ 5…砥石ディスク B…車体 b…溶接ビード e…溶接ビードの両端部 P…溶接ビードの一般部

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アークブレージング溶接法によって形成
    された溶接ビードに力制御ロボットに持たせたグライン
    ダを押し付けながらこのグラインダを前記溶接ビードの
    長手方向に移動させて、荒研削と仕上研削とに分けて前
    記溶接ビードに研削加工を施すようにした溶接ビードの
    仕上加工方法において、前記荒研削時および仕上研削時に、グラインダの先端の
    制御上の位置偏差に力制御ロボットの設定ばね定数を乗
    じた上これに設定押付力を加えたものが前記溶接ビード
    に対するグラインダの実押付力となるように制御する一
    方、 前記仕上研削に際して、グラインダを支持する力制御ロ
    ボットの設定ばね定数を荒研削時よりも低くして研削加
    工を行うことを特徴とする溶接ビードの仕上加工方法。
  2. 【請求項2】 アークブレージング溶接法によって形成
    された溶接ビードに力制御ロボットに持たせたグライン
    ダを押し付けながらこのグラインダを前記溶接ビードの
    長手方向に移動させて、前記溶接ビードに研削加工を施
    すようにした溶接ビードの仕上加工方法において、 前記溶接ビードの長手方向両端部に研削加工を施す際
    に、グラインダを支持する力制御ロボットのばね定数
    を、前記溶接ビードの長手方向両端部以外の一般部を研
    削する際のばね定数よりも高くして研削加工を行うこと
    を特徴とする溶接ビードの仕上加工方法。
  3. 【請求項3】 アークブレージング溶接法によって形成
    された溶接ビードに力制御ロボットに持たせたグライン
    ダを押し付けながらこのグラインダを前記溶接ビードの
    長手方向に一往復させて、前記溶接ビードに研削加工を
    施すようにした溶接ビードの仕上加工方法において、 前記グラインダの復動時には、このグラインダを支持す
    る力制御ロボットのばね定数を往動時よりも低くして研
    削加工を行うとともに、 前記溶接ビードの長手方向両端部に研削加工を施す際に
    は、前記グラインダを支持する力制御ロボットのばね定
    数を、前記溶接ビードの長手方向両端部以外の一般部を
    研削する際のばね定数よりも高くして研削加工を行うこ
    とを特徴とする溶接ビードの仕上加工方法。
JP27213692A 1992-10-12 1992-10-12 溶接ビードの仕上加工方法 Expired - Fee Related JP3188324B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP27213692A JP3188324B2 (ja) 1992-10-12 1992-10-12 溶接ビードの仕上加工方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP27213692A JP3188324B2 (ja) 1992-10-12 1992-10-12 溶接ビードの仕上加工方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH06114708A JPH06114708A (ja) 1994-04-26
JP3188324B2 true JP3188324B2 (ja) 2001-07-16

Family

ID=17509598

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP27213692A Expired - Fee Related JP3188324B2 (ja) 1992-10-12 1992-10-12 溶接ビードの仕上加工方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3188324B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH06114708A (ja) 1994-04-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3041030B2 (ja) グラインダロボット
JPS62207580A (ja) 偏摩耗した太径長尺ロ−ルの溶接補修方法
JP3427389B2 (ja) バリ取り方法及びその装置
JP3188324B2 (ja) 溶接ビードの仕上加工方法
JP3111692B2 (ja) 溶接ビードの仕上加工方法
JP4261493B2 (ja) ドレス装置、研削装置、ドレス方法、及び数値制御プログラム
JP2890998B2 (ja) 溶接ビードの仕上加工方法
JP3628071B2 (ja) ロボットの制御装置
JPH07132471A (ja) 車体修繕用ロボットおよび車体修繕方法
JPH05337804A (ja) 自動仕上げ装置
JP3205827B2 (ja) 非円形工作物の加工データ作成装置
JP2000127040A (ja) 研削盤の研削条件設定装置
JP3255487B2 (ja) グラインダ作業ロボットの制御方法
JP2002219567A (ja) 金型の修正方法
JPH10156720A (ja) 砥石修正方法及びその装置
JPH0752036A (ja) 研削ロボットによる研削方法
JPH0911128A (ja) 砥石修正装置
JP2018020414A (ja) 車体パネルの自動研磨方法
JP3402829B2 (ja) 力制御ロボット
JPH0433575B2 (ja)
JP2000052211A (ja) 溶接ビードの余盛除去方法及びその装置
JPH0694106B2 (ja) 研削砥石の修正装置および修正方法
JP3450459B2 (ja) ロボットの位置決め方法および位置決め装置
JP3911106B2 (ja) 加工方法、加工装置、工具及び金型
JPH0243581Y2 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090511

Year of fee payment: 8

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees