JP2890998B2 - 溶接ビードの仕上加工方法 - Google Patents

溶接ビードの仕上加工方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アークブレージング溶
接法によって形成された溶接ビードの仕上加工方法に関
し、さらに詳しくは力制御ロボットに持たせたグライン
ダで溶接ビードに研削加工を施す方法に関する。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】自動車の
車体組立工程においては、図13に示すように車体Bの
うちリアフェンダーパネル(リアピラー部)Fとルーフ
パネルRとの合わせ目にイナートガスアーク溶接の一つ
であるMIG溶接法によってブレージング(ろう付けも
しくは硬ろう付け)を施すことが行われ、その後処理と
してブレージング部Wの溶接ビードbと母材との間の段
差をなくして車体外板面を平滑に仕上げるためにグライ
ンダによる研削加工が行われる。
【0003】この溶接ビードbの研削加工は、周知のよ
うに車体外板面を所定の三次元形状に仕上げる難易度の
高い作業であることから、一般に作業者の手作業によっ
て行われている。その一方、作業自体が悪環境下での作
業であること、ならびに最近の熟練技能者の不足傾向か
ら、かかる溶接ビードbの研削作業を仮想コンプライア
ンス制御方式と称される力制御ロボットを使って行うこ
とが試られている。
【0004】この力制御ロボットを使った溶接ビードb
の研削加工は、基本的には手作業の場合と同様に、溶接
ビードbに対し力制御ロボットに持たせたグラインダの
砥石を押し付けるとともに、そのグラインダを溶接ビー
ドbの長手方向に沿って複数回移動させることになるの
であるが、短時間のうちに溶接ビードbを過不足なく削
り取って平滑に仕上げるためには、力制御ロボット自体
の剛性を決める仮想ばね定数の設定値、およびグライン
ダが溶接ビードに及ぼす設定押付力等の条件以外にも、
グラインダの移動軌跡や砥石の回転方向等が重要な要素
となる。
【0005】特に、図14に示すように、MIG溶接法
によって形成された溶接ビードbについては、その特殊
性として溶接開始位置および溶接終了位置に相当する始
終端部(長手方向両端部)eでは、それ以外の一般部P
と比べてビード幅および肉盛り高さともに大きくなって
いる。したがって、溶接ビードbの両端部eとそれ以外
の一般部Pとでは必然的にその削り取り量が異なり、こ
れらの削り取り量の差を含めて溶接ビードb全体を効率
よく、しかも満遍なく削り取るためには力制御条件以外
にもそれなりの研削条件の設定が不可欠となる。
【0006】本発明は以上のような要請に応えるために
なされたもので、溶接ビードに対し力制御ロボットに持
たせたグラインダで研削加工を施すにあたり、グライン
ダの少ない往復移動回数で効率よく、しかも正確に研削
加工を行えるようにした方法を提供しようとするもので
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、アークブレー
ジング溶接法によって形成された溶接ビードに対し力制
御ロボットに持たせたグラインダを押し付けながらこの
グラインダを前記溶接ビードの長手方向に移動させて、
前記溶接ビードに研削加工を施すようにした溶接ビード
の仕上加工方法において、先ず前記溶接ビードの中心線
をはさんでその両側に前記溶接ビードの中心線からずら
したグラインダ移動軌跡を設定する。そして、前記グラ
インダの砥石のうち手元部側の端部を加工面から浮かし
気味として砥石全体をグラインダ移動方向に対して所定
角度傾けるとともに、その砥石の反手元部側の端部が
当するグラインダ移動軌跡側から溶接ビードの中心線側
向かって切り込む方向となるように前記砥石を回転さ
せ、前記砥石の中心を前記グラインダ移動軌跡に合わせ
た上、グラインダをグラインダ移動軌跡に沿って前記手
元部側に引く方向に動かしながら研削を行うことを特徴
としている。
【0008】
【作用】この方法によると、上記のような条件のもとで
研削加工を行うことによって、グラインダを溶接ビード
の長手方向に沿って少なくとも一往復させるだけで溶接
ビードを満偏なく削り取ることができる。
【0009】
【実施例】図2および図3は本発明の一実施例を示す図
で、前述した自動車の車体パネルのブレージング部Wに
後処理として研削加工を施す場合の例を示している。
【0010】図2,3に示すように、自動車の車体Bは
前工程のアークブレージング工程でMIG溶接法により
アークブレージングが施された上で、コンベヤCにより
研削工程Sに搬入される。研削工程Sには力制御ロボッ
ト1が設けられており、そのアーム2の先端には図4に
も示すように6軸の力センサ3を介してエア駆動方式の
グラインダ4が装着されている。
【0011】前記グラインダ4は、図3および図5,6
に示すように、多数のサンドペーバー(研摩布)を放射
状に積層してなるデュアルディスク方式と称される砥石
ディスク5を備えている。そして、図2に示した研削工
程Sに車体Bが位置決めされると、力制御ロボット1は
グラインダ4の砥石ディスク5をブレージング部Wの溶
接ビード部bに順次押し付けて研削加工を施すことにな
る。なお、図3に示すように、グラインダ4には図示外
の集塵機に接続された集塵ノズル6を砥石ディスク5に
向けて取り付けてある。
【0012】前記力制御ロボット1は仮想コンプライア
ンス制御方式と称されるもので、概略図4に示すように
構成されている。すなわち、力制御ロボット1は、その
力制御コントローラ7内に位置制御系とは別に力制御系
をもち、前記力センサ3の出力を力制御コントローラ7
に取り込んで力フィードバックループを形成する一方、
力制御コントローラ7のばね定数設定部8には予め前記
砥石ディスク5の軌跡の仮想ばね定数Kが設定されてい
る。同様に、前記力制御コントローラ7の力目標値設定
部9にはグラインダ4の力目標値として設定押付力が、
また位置目標値設定部10には前記グラインダ4を動か
すべき軌跡の位置目標値がそれぞれ設定されている。
【0013】そして、前記グラインダ4の砥石ディスク
5の先端の位置目標値をXO、現在位置をXN、設定押付
力(力目標値)をFOとした場合に、グラインダ4の砥
石ディスク5の先端の位置目標値XOと現在位置XNとの
位置偏差に上記の仮想ばね定数Kを乗じた上、これを力
目標値FOに加えた結果得られる荷重、すなわち(XO
N)・K+FO=FGで得られる荷重FGでグラインダ4
をワークに押し付けて研削加工を行うことで、力制御ロ
ボット1自体をあたかも仮想ばねの如く機能させてその
力加減を積極的にコントロールできるものである。な
お、この力制御ロボット1そのものについては特開平2
−45806号公報等に開示されている。
【0014】前記溶接ビードbの研削に際しては、図1
に示すように、力制御ロボット1が持つグラインダ4の
砥石ディスク5を溶接ビードbに押し付けた上、グライ
ンダ4を引くようにこれを溶接ビードbの長手方向に沿
って複数回移動させることでその溶接ビードbの余盛を
削り取り、溶接ビードbが車体パネルBと面一状態とな
って滑らかに連続するように平滑に仕上げることになる
が、その際の研削条件を次のように設定する。
【0015】すなわち、グラインダ4の一往復で研削を
終えるために、図1に示すようにグラインダ4の往動時
を荒研削、復動時を仕上研削としてそれぞれ割り当て、
荒研削では溶接ビードbを比較的大きく削り取ってその
凹凸を少なくして溶接ビードb全体を均一な高さになら
すことに主眼をおき、また仕上研削では溶接ビードbの
表面に砥石ディスク5を忠実に追従させて微小な凹凸を
除去しつつ平滑に仕上げることに主眼をおく。そのため
に、荒研削時の力制御ロボット1の仮想ばね定数Kの値
を仕上研削時の仮想ばね定数Kの値よりも高く設定する
一方、グラインダ4の送り速度については仕上研削時の
方を高く設定する。
【0016】また、上記の溶接ビードbは、図1のほか
図14に示すようにその溶接開始位置および溶接終了位
置に相当する長手方向両端部eではその一般部Pに比べ
てビード幅およびビード高さともに大きくなるのが通常
である。したがって、溶接ビードbに研削加工を施すに
あたり、その溶接ビードbの全長を通して常にグライン
ダ4の押付力が一定となるようにコントロールして研削
加工を行ったのでは、速やかに溶接ビードbの凹凸をな
くして均一高さにならすことができない。
【0017】そこで、荒研削時および仕上研削時とも
に、溶接ビードbの両端部eを研削する際の力制御ロボ
ット1の仮想ばね定数Kの値を、一般部Pを研削する際
の仮想ばね定数Kの値よりも大きく設定する一方、グラ
インダ4の送り速度については一般部Pよりも両端部e
の方の送り速度を低く設定する。
【0018】なお、溶接ビードbに対するグラインダ4
の設定押付力(力目標値)FOは、荒研削であるか仕上
研削であるか、さらには溶接ビードbの両端部eである
か一般部Pであるかにかかわらず、0.3〜0.4kg
fで一定とする。また、砥石ディスク5の直径は100
mm、荒さ#40、最大回転数は12600rpm程度
である。さらに、研削加工後に許容される溶接ビードb
の削り残り量すなわち品質上の許容範囲は0〜0.3m
m程度である。
【0019】さらに、図1および図7に示すように、グ
ラインダ4の一往復で溶接ビードbを削り取るために、
溶接ビードbの中心線Qをはさんでその両側に前記溶接
ビードbの中心線Qからずらしたグラインダ移動軌跡P
,Pを力制御ロボット1のティーチング時に設定す
る一方、前記グラインダ4の砥石ディスク5のうち手元
部側の端部を母材面に対して浮かし気味として砥石ディ
スク5全体を15〜30°程度傾けて、この砥石ディス
ク5を傾けたままで往動時および復動時ともにグライン
ダ4をグラインダ移動軌跡に沿って前記手元部側に引く
方向に動かしていわゆる斜め研削にて研削加工を行うも
のとする。ここで、前記手元部側とは、砥石ディスク5
の回転中心よりもアーム2によるグラインダ4の支持点
側の部分をいう。
【0020】また、前記グラインダ4の砥石ディスク5
は上面から見て時間回り方向に回転させるものとし、グ
ラインダ4の往動時および復動時ともに、その砥石の反
手元部側の端部が該当するグラインダ移動軌跡Pまた
はP側から溶接ビードbの中心線Q側に向かって切り
込む方向となるように砥石ディスク5を回転させる。
【0021】ここで、上記の仮想ばね定数Kの値は図4
のばね定数設定部8に予め設定されるとともに、設定押
付力(力目標値)FOの値は同じく図4の力目標値設定
部9に予め設定され、これらの仮想ばね定数K、設定押
付力FOおよび送り速度等の研削条件の一例を整理する
と表1のようになる。
【0022】
【表1】
【0023】例えば、図8に示す仮想ばね定数K1とK2
とがともに等しく、またグラインダ4の設定押付力FO
も一定であると仮定した場合、溶接ビードbの高さが小
さい一般部Pほど仮想のばねが伸びた状態となって、実
際に溶接ビードbに及ぼす押付力FGは小さくなる。こ
のことは、削り取るべき溶接ビードbの高さが異なる荒
研削時と仕上研削時との関係においても同様である。そ
こで、本実施例では、上記のようなばね状態の変化によ
る押付力の変化に着目し、仕上研削時よりも削り取り量
の多い荒研削時、ならびに溶接ビードbの一般部Pより
も削り取り量の多い溶接ビード両端部eの研削時ほど溶
接ビードbに及ぼす実際のグラインダ押付力FGが大き
くなるように、力制御ロボット1の設定ばね定数(仮想
ばね定数)Kを積極的に可変制御するものである。
【0024】したがって、本実施例によれば、図1およ
び図7に示すように、グラインダ4全体を所定量だけ傾
けるとともに砥石ディスク5を時計回り方向に回転させ
た上で砥石ディスク5を溶接ビードbに押し付け、荒研
削時(往動時)にはグラインダ移動軌跡Pに沿ってグ
ラインダ4を手元部側に引く方向に動かして研削を行
い、同様に仕上研削時(復動時)にはグラインダ移動軌
跡Pに沿ってグラインダ4を同じく手元部分側に引く
方向に動かして研削を行う。
【0025】その結果、例えば荒研削時には、図1の
(B)に示すように、予め母材と軽く当接して撓んでい
砥石ディスク5の刃先5aがグラインダ移動軌跡P
側から溶接ビードbの中心線Q側に切り込むかたちとな
って符号Mで示すような軌跡をとり、反対側のグライン
ダ移動軌跡P近傍に削り残しRが発生する。
【0026】一方、仕上研削時には、図1の(B)とは
逆に、グラインダ移動軌跡P2側から溶接ビードbの中
心線Q側に砥石ディスク5の刃先5aが切り込むかたち
となって、仕上研削終了時には削り残しのないように溶
接ビードbを満偏なく削り取ることができる。
【0027】このように本実施例によれば、砥石ディス
ク5の刃先5aを溶接ビードbの両脇から効率よく当接
させることができ、グラインダ4の一往復だけで削り残
しのないように溶接ビードbを削り取ることができる。
その上、グラインダ4の砥石ディスク5を傾けてグライ
ンダ4全体を手元部側に引く方向に動かすため、母材に
残る仕上面の疵目が浅く揃っているために後処理が容易
となる。
【0028】図9,10および図11,12は、本実施
例との比較のために、研削条件を異ならしめた場合の研
削状態を示している。図9,10は、荒研削時および仕
上研削時ともにグラインダ4の移動軌跡P,Pを溶
接ビードbの中心線Qに合わせた場合で、図10から明
らかなように、砥石ディスク5の刃先5aが予め母材に
接していることなくいきなり溶接ビードbに対してその
横切り幅方向に切り込むかたちとなって逃げを生じ、ま
た刃先5aが溶接ビードbから離れる際にも同じ挙動と
なるために、溶接ビードbの両脇を中心として削り残し
Rが発生する。
【0029】また、図11,12は、グラインダ4の進
行方向と砥石ディスク5の回転方向との関係を考慮しな
かった場合で、荒研削時および仕上研削時ともに、図1
2から明らかなように、砥石ディスク5の刃先5aが溶
接ビードbから離れる際には刃先5aが母材に接するこ
とにはなるものの、刃先5aが溶接ビードbに切り込む
際にはその刃先5aが母材に接していることなくいきな
り溶接ビードbに対してその横切り幅方向に切り込むか
たちとなるために、この場合には溶接ビードbの中心線
Qの近傍に削り残しRが発生する。
【0030】ここで、上記実施例では、全体として仕上
研削時よりも荒研削時の方が力制御ロボット1の仮想ば
ね定数Kの値が高く、またグラインダ4の送り速度につ
いては逆に荒研削時の方が低いために、グラインダ4の
設定押付力FOが一定であっても、仮想ばね定数Kの値
が高いほど力制御ロボット1自体の剛性が高くなって、
荒研削時の方が仕上研削時よりも溶接ビードbに及ぼす
グラインダ4の刃先の実際の押付力FGが高くなるとと
もに、砥石ディスク5による溶接ビードbの削り取り量
も上記の押付力FGに比例して大きくなるため、荒研削
時の方が仕上研削に比べていわゆる重研削が可能とな
る。
【0031】その結果として、研削開始前は、溶接ビー
ドbの表面は最終仕上形状との高さの差が大きく、しか
も溶接ビードbの両端部eと一般部Pとの間に大きな高
さの差があるものの、荒研削が施されることによって所
定の削り取り量が削り取られて、その両端部eと一般部
Pの高さの差が小さくなるように溶接ビード表面がなら
されることになる。
【0032】その上、表1に示すように、荒研削のなか
でもその溶接ビードbの両端部eの研削時の方が一般部
Pの研削時よりも仮想ばね定数Kの値が大きく設定され
ている故に、一般部Pよりも両端部eの研削時の方がそ
の押付力FGに比例して削り取り量が大きくなる。した
がって、荒研削終了時には溶接ビードbの両端部eと一
般部Pでの高さの差がなくなって、溶接ビードbの全長
をとおしてその高さを均一にならすことができる。
【0033】一方、仕上研削時には、荒研削時に比べて
相対的に力制御ロボット1の仮想ばね定数Kの値が低
く、グラインダ4の送り速度が高いために、荒研削時に
比べて実際のグラインダ4の押付力FGが低くなって削
り取り量が小さくなる。しかしながら、先に荒研削によ
って溶接ビードb全体の高さがほぼ均一にならされてい
るためにグラインダ4の押付力FGおよび削り取り量が
小さくなっても問題となることはなく、むしろ軽研削で
送り速度が高いために砥石ディスク5の加工面への追従
性が良くなり、砥石ディスク5が溶接ビード表面に忠実
に追従して残された溶接ビードbを過不足なく削り取っ
て溶接ビードbが平滑に仕上げられることになる。
【0034】ここで、前記荒研削時および仕上研削時と
もにグラインダ4の砥石ディスク5が溶接ビードbに及
ぼす実際の押付力FGは、FG=(XO−XN)・K+FO
で表されるように、砥石ディスク5の先端の制御上の位
置偏差(XO−XN)と仮想ばね定数Kとによって決定さ
れるものの、目標位置まで削り終わった研削終了時点で
のグラインダ押付力FGは、上記の位置偏差(XO
N)が零となるために仮想ばね定数Kの値には依存し
なくなってFG=FO=0.3〜0.4kgfとなる。
【0035】したがって本実施例によれば、仕上研削時
よりも荒研削時の方が仮想ばね定数Kの値が高く、なお
かつ荒研削および仕上研削時のいずれの場合にも溶接ビ
ードbの両端部を研削する際の仮想ばね定数Kの値が一
般部Pの研削時の仮想ばね定数Kよりも大きく設定され
ているため、グラインダ4の一往復で溶接ビードbを満
遍なく削り取って母材である車体パネルBを平滑に仕上
げることができる。
【0036】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、アークブ
レージング溶接法によって形成された溶接ビードに対し
力制御ロボットに持たせたグラインダを押し付けながら
このグラインダを前記溶接ビードの長手方向に移動させ
て、前記溶接ビードに研削加工を施すにあたり、前記溶
接ビードの中心線をはさんでその両側に前記溶接ビード
の中心線からずらしたグラインダ移動軌跡を設定し、前
記グラインダの砥石のうち手元部側の端部を加工面から
浮かし気味として砥石全体をグラインダ移動方向に対し
所定角度傾けるとともに、その砥石の反手元部側の端
部が該当するグラインダ移動軌跡側から溶接ビードの中
心線側に向かって切り込む方向となるように前記砥石を
回転させ、前記砥石の中心を前記グラインダ移動軌跡に
合わせた上、グラインダをグラインダ移動軌跡に沿って
前記手元部側に引く方向に動かしながら研削を行うよう
にしたことにより、溶接ビードの研削仕上作業を力制御
ロボットで行う場合の研削条件の最適化が図れるように
なり、少なくともグラインダの一往復だけで溶接ビード
を削り残しなく削り取ることができることから研削仕上
作業の効率化が図れ、また手作業に依存していた場合と
比べて個人差による品質上のばらつきがなくなって研削
後の品質の均一化と安定化が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す図で、(A)は溶接ビ
ードとグラインダ移動軌跡との関係を示す平面説明図、
(B)は同図(A)のa−a線に沿う断面図。
【図2】本発明の加工方法を適用した自動車の車体の研
削工程の概略説明図。
【図3】図2のE部拡大図。
【図4】図2に示す力制御ロボットの制御系のブロック
回路図。
【図5】図3に示す砥石ディスクの下面図。
【図6】図3に示す砥石ディスクの正面説明図。
【図7】荒研削時の加工形態を示す要部拡大斜視図。
【図8】溶接ビードと砥石ディスクおよび設定ばね定数
との関係を示す説明図。
【図9】本発明の比較例として、グラインダ移動軌跡と
溶接ビードの中心線とを一致させた時の加工形態を示す
要部拡大斜視図。
【図10】図9のc−c線に沿う断面図。
【図11】本発明の比較例として、グラインダ移動方向
と砥石ディスクの回転方向との関係を考慮しなかった時
の加工形態を示す要部拡大斜視図。
【図12】図11のd−d線に沿う断面図。
【図13】アークブレージングが施された自動車の車体
の要部拡大図。
【図14】(A)は図13に示す車体のブレージング部
の溶接ビードの拡大平面説明図、(B)は同じくその拡
大正面説明図。
【符号の説明】
1…力制御ロボット 2…アーム 3…力センサ 4…グラインダ 5…砥石ディスク B…車体 b…溶接ビード P1…荒研削時のグラインダ移動軌跡 P2…仕上研削時のグラインダ移動軌跡 Q…溶接ビードの中心線

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アークブレージング溶接法によって形成
    された溶接ビードに対し力制御ロボットに持たせたグラ
    インダを押し付けながらこのグラインダを前記溶接ビー
    ドの長手方向に移動させて、前記溶接ビードに研削加工
    を施すようにした溶接ビードの仕上加工方法において、 前記溶接ビードの中心線をはさんでその両側に前記溶接
    ビードの中心線からずらしたグラインダ移動軌跡を設定
    し、 前記グラインダの砥石のうち手元部側の端部を加工面か
    ら浮かし気味として砥石全体をグラインダ移動方向に対
    して所定角度傾けるとともに、その砥石の反手元部側の
    端部が該当するグラインダ移動軌跡側から溶接ビードの
    中心線側に向かって切り込む方向となるように前記砥石
    を回転させ、 前記砥石の中心を前記グラインダ移動軌跡に合わせ
    上、グラインダをグラインダ移動軌跡に沿って前記手元
    部側に引く方向に動かしながら研削を行うことを特徴と
    する溶接ビードの仕上加工方法。
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