JP3187901B2 - 電源切り換え装置 - Google Patents

電源切り換え装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【産業上の利用分野】この発明は、電力装置に関するも
ので、特に電力の供給装置に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】ヘリコプタにおいては、主発電機に故障
が生じた場合には、切り換え端子がバックアップ発電機
に切り換えられる構成となっている。しかしながら、こ
の切り換えには比較的長い時間が必要なため、ヘリコプ
タの電子装置には、瞬間的に電力供給が完全に遮断され
た状態が生じる。いくつかの電子装置は、長いウォーム
アップ時間を必要とするため、瞬間停電状態の発生は非
常に好ましくないものである。
【０００３】この問題を解決するために、ブラッドフォ
ード等(Bradford et al.)に付与された「電力分配及び
負荷転送システム」に関するアメリカ特許第４，６３
８，１７５号は、多くのディジタル及びアナログ部品を
使用して、ディジタル的に電圧比較を行い、瞬間停電が
生じないような要領で電源の切り換えを行うようにした
構成を提案している。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このア
メリカ特許第４，６３８，１７５号において提案されて
いる構成は、多くの部品を必要とし、非常に複雑で、し
かも高価な装置となっている。
【０００５】そこで、本発明の目的は、構成が簡単で、
安価に構成することが出来、しかも電源切り換え時の瞬
間停電の発生を未然に防止することが出来る装置を提供
することにある。
【０００６】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、上記の
目的を達成するために、主電源信号の喪失のみに応答し
て第一の電圧信号を発生する第一のスイッチ手段と、第
一の電圧信号の発生のみに応答して所定時間で減衰する
第二の電圧信号を発生する減衰手段と、前記第二の電圧
信号が発生されていないときにのみ第三の電圧信号を発
生する第二のスイッチ手段と、前記第三の電圧信号が発
生されていないときにのみ二次電源信号を負荷に接続す
る第三のスイッチ手段で構成して、主電源信号の喪失に
応じて二次電源を負荷に接続する電源切り換え装置が提
供される。
【０００７】
【実施例】以下に、添付図面を参照して、本発明の好適
実施例を説明する。ヘリコプタの電源切り換え装置１０
は、発電機とＡＣ−ＤＣコンバータの組み合わせ等によ
って構成される２８ボルトの主電源１２と、例えばバッ
テリ等によって構成される２８ボルトの二次電源１４と
を有している。電源信号は、抵抗型負荷１６を駆動す
る。この抵抗型負荷１６は、電子的または電気的なヘリ
コプタの装置である。正常状態の動作において、負荷１
６は、全ての電力を主電源１２より供給される。主電源
１２が停止すると、回路１０が切り換え動作を行って二
次電源信号を０．３５０秒の間負荷に供給する。この
０．３５０秒の時間は、他の図示しない回路が、負荷を
バックアップ発電機（図示せず）に接続するために必要
な時間である。二次電源が使用される時間は、０．３５
０秒に制限され、バッテリの過剰な電力消費を防止す
る。
【０００８】２２ボルトのツェナーダイオード１８及び
２０キロオームの電流制限抵抗３０は主電源１２と第一
の２Ｎ２２２２Ａ ＮＰＮトランジスタ３２のベース間
に直列に接続される。第一のトランジスタ３２のエミッ
タは接地され、第一のトランジスタ３２のコレクタは６
６．５キロオームのプルアップ抵抗３４を介して二次電
源１４に接続されている。主電源信号が発生されている
間（即ち、主電源１２が電源供給を行っている間）、主
電源信号がトランジスタ３２のベースを駆動して、ベー
ス電圧をオン電圧（約０．６ボルト）以上として、トラ
ンジスタ３２をオン（即ち、飽和）させる。これによっ
て、コレクタ電位は実質的にエミッタ電位と等しくな
る。トランジスタ３２のエミッタは接地されているの
で、トランジスタ３２がオン状態の場合は常にトランジ
スタ３２のコレクタには電圧信号が発生されない（即
ち、電圧はゼロに近い値となっている）。
【０００９】３．３ｕＦのコンデンサ３６と１００オー
ムの電流制限抵抗３８は、第一のトランジスタ３２のコ
レクタと第二の２Ｎ２２２２Ａ ＮＰＮトランジスタ４
０のベース間に直列に接続されている。第二のトランジ
スタ４０のコレクタは二次電源１４に１０キロオームの
プルアップ抵抗を介して接続され、第二のトランジスタ
４０のベースは１０キロオームの抵抗４３を介して接地
されている。第一のトランジスタ３２がオンした場合、
第一のトランジスタ３２からの信号は発生されない（即
ち、第一のトランジスタ３２のコレクタ電圧はほぼ接地
電位となる）。従って第二のトランジスタ４０はオフさ
れる（即ち、第二のトランジスタ４０の駆動が遮断され
る。）第二のトランジスタ４０がオフとなっている場
合、プルアップ抵抗４２には電流が流れず、第二のトラ
ンジスタ４０のコレクタには電圧信号が発生する（即
ち、コレクタの電位は、実質的に二次電源の電源電圧に
等しくなる）。
【００１０】４キロオームの電流制限抵抗４４は、第二
のトランジスタ４０のコレクタと２Ｎ６６５０ ＰＮＰ
ダーリントントランジスタ４６のベース間に直列に接続
されている。ダーリントントランジスタ４６のエミッタ
は二次電源１４に接続されている。また、ダーリントン
トランジスタ４６のコレクタは、マサチューセッツ州ウ
オータータウンのユナイトロード カンパニーによって
製造される部品番号ＵＳＤ３４５ＣＨＲのショットキー
ダイオード４８に直列に接続され、このショットキーダ
イオードは負荷１６に直列に接続されている。第二のト
ランジスタ４０がオフの場合、ダーリントントランジス
タ４６のベースには、発生された電圧信号が印加され、
ダーリントントランジスタ４６をオフさせる。これによ
って、負荷１６への、二次電源１４からの二次電源信号
は遮断される。ショットキーダイオード４８は、二次電
源１４と負荷１６の間及び主電源１２と負荷１６の間に
介装され、主電源１２による二次電源１４の充電を防止
するとともに主電源が非動作状態の場合に、主電源の構
成要素により二次電源１４の供給電源が引かれることを
防止する。
【００１１】主電源１２の出力は、ショットキーダイオ
ード４８を介して負荷１６に接続されている。主電源１
２が主電源信号を供給している間、第一のトランジスタ
３２がオンし、トランジスタ３２のコレクタからの電圧
信号は発生されず、従って第二のトランジスタ４０がオ
フされる。第二のトランジスタ４０がオフすると、第二
のトランジスタ４０のコレクタからの電圧信号が発生し
て、ダーリントントランジスタ４６をオフする。ダーリ
ントントランジスタ４６がオフすると、二次電源信号は
負荷１６から遮断され、二次電源１４からは微量の電源
がプルアップ抵抗３４に供給されるのみとなる。
【００１２】トランジスタ３２のベースは、２０キロオ
ームの抵抗５０を介して接地されている。主電源１２が
喪失した場合、第一のトランジスタ３２のベース電圧
は、０．６ボルト（オン電圧）未満に降下して、第一の
トランジスタ３２がオフする。ツェナーダーオード１８
は、トランジスタ３２のオフ点をより正確に制御するた
めに、２２ボルトの１％以内の破壊電圧を持つように選
択される。１Ｎ９１４ダイオード５４は、第一のトラン
ジスタ３２のベースと接地間に接続され、トランジスタ
３２のベースを回路１０のスイッチングによって生じる
過渡状態における負電圧から保護する。
【００１３】第一のトランジスタ３２がオフすると、第
一のトランジスタのコレクタの電圧信号が発生され、コ
ンデンサ３６が充電を開始する。コンデンサ３６が充電
されている間、第二のトランジスタ４０の正の電圧によ
り第二のトランジスタ４０がオンされる。１Ｎ９１４ダ
イオード５６は第二のトランジスタ４０のベースと接地
間に接続されて、トランジスタ４０を回路１０のスイッ
チングによって生じる過渡状態における負電圧から保護
する。
【００１４】第二のトランジスタ４０のオンによって、
第二のトランジスタ４０のコレクタの電源信号が消滅す
る。従って、ダーリントントランジスタ４６がオンされ
る。ダーリントントランジスタ４６がオンされると、二
次電源信号がダーリントントランジスタ４６のコレクタ
及びエミッタを介して負荷１６に接続される。１００ｕ
Ｆの保持コンデンサ５８が、ダーリントントランジスタ
４６のコレクタと接地間に接続される。この保持コンデ
ンサ５８はスイッチング過渡状態において負荷に生じる
電圧信号のＡＣ成分を減衰する。
【００１５】約０．３５０秒が経過すると、コンデンサ
３６は充電を完了し、第一のトランジスタ３２のコレク
タからの電圧信号が減衰され、第二のトランジスタ４０
のベースには電圧信号が印加されなくなる。このため第
二のトランジスタ４０がオフされ、第二のトランジスタ
４０のコレクタには電圧信号が発生し、ダーリントント
ランジスタ４６をオフする。上記のように二次電源１４
は、航空機の電源切り換え端子（図示せず）をバックア
ップ発電機（図示せず）に切り換えるための０．３５０
秒のスイッチング期間のみ負荷１６に電源供給を行う電
源である。
【００１６】主電源１２の電源の供給が再開されると、
第一のトランジスタ３２がオンする。０．０１ｕＦのコ
ンデンサ６０は、抵抗５０と並列に接続され、トランジ
スタ３２のオンを遅延させる。この遅延によってトラン
ジスタ３２の、主電源の供給電圧がオンレベル付近で変
動したときの、急激なオン／オフを防止することが出来
る。第一のトランジスタ３２がオンすると、トランジス
タ３２のコレクタの電圧信号が消滅して、コンデンサ３
６に充電された電荷がトランジスタ３２のエミッタを介
して放電される。抵抗３８は、このコンデンサ３６の放
電中の電流を制限し、ダイオード５６が、この放電中に
生じる可能性のある負電圧から第二のトランジスタ４０
を保護する。
【００１７】上記の説明において、主電源１２及び二次
電源１４をそれぞれ発電機及びバッテリとして説明した
が、上記に説明した電源切り換え回路１０は、電源の種
類とは無関係に使用可能である。また、上記の説明にお
いてスイッチとして使用したトランジスタ３２，４０，
４６はバイポーラ型トランジスタであるが、これらを他
のスイッチ手段と置き換えることは、当業者が容易に実
施できるものである。例えば、本実施例におけるトラン
ジスタを、固相リレイやＭＯＳＦＥＴで置き換えること
が出来る。本実施例で使用したバイポーラ型トランジス
タ以外のスイッチ手段を使用する場合には、一乃至複数
の電圧を検出して、スイッチ手段の切り換えを制御する
ことが必要となる。第一のトランジスタ３２のコレクタ
の電圧信号を所定時間経過後に減衰するコンデンサ３６
も、所定の遅延時間をもって電圧信号を減衰することが
可能な当業者において自明な他の手段によって置き換え
ることが出来る。
【００１８】なお、上記の実施例の回路１０の説明にお
ける種々の構成部材の抵抗値、容量等は、単に説明のた
めに例示したものであり、種々の機能的な因子に応じて
変化されるものであり、例えば、主電源及び二次電源信
号の大きさ、負荷１６の種類等は、用途に応じて適宜選
択されるものであり、この主の選択は当業者において容
易なものである。さらに、抵抗３４及びコンデンサ３６
は、当業者が容易にその遅延時間を調整し得るものであ
り、第一のトランジスタのコレクタから第二のトランジ
スタ４０のベースへの電圧信号の減衰タイミングはこれ
によって適宜調整可能なものである。ダイオード５４，
５６等のいくつかの回路１０の要素は、本実施例の回路
１０の主要な機能には関与しないが、回路１０を高電
流、負電圧、望ましくないＡＣ成分等から保護するため
に設けられるものである。ショットキーダイオード４８
は、電源１２，１４から供給される電源信号の他の電源
への流入を防止するもので、電源への電源信号の流入が
問題とならない場合にはこれを省略することも可能であ
る。さらに、トランジスタ３２のオンを遅延させるコン
デンサ６０も、同様に遅延を必要としない場合には省略
することが可能である。
【００１９】
【発明の効果】上記のように、本発明によれば、主電源
からバックアップ電源への電源切り換え時に、一時的に
二次電源による電源供給を行うことによって、構成が簡
単で、安価に構成することが出来、しかも電源切り換え
時の瞬間停電の発生を未然に防止することが出来る装置
を提供することが出来る効果がある。
【００２０】なお、本発明は上記に説明をしたように種
々の変更、変形が可能である。従って、本発明は、特許
請求の範囲の要件を逸脱しない範囲における如何なる変
更、変形、省略をも包含するものである。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の好適実施例による電源切り換え装置の
概略を示す回路図である。
【符号の説明】
１０ 電源切り換え装置 １２ 主電源 １４ 二次電源 １６ 抵抗型負荷 １８ ツェナーダイオード ３０，３８，４４ 電流制限抵抗 ３２ 第一のトランジスタ ３４，４２ プルアップ抵抗 ３６，６０ コンデンサ ４０ 第二のトランジスタ ４３，５０ 抵抗 ４６ ダーリントントランジスタ ４８ ショットキーダイオード ５４，５６ ダイオード ５８ 保持コンデンサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ジョン カール ステューダー アメリカ合衆国，フロリダ，パーム シ ティ，グロウブ ストリート 5300 (56)参考文献 特開 昭58−163239（ＪＰ，Ａ) 特開 昭54−53236（ＪＰ，Ａ) 特開 昭57−196841（ＪＰ，Ａ) 実開 平１−93932（ＪＰ，Ｕ) (58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名) H02J 9/00 - 11/00

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 主電源信号の喪失のみに応答して第一の
    電圧信号を発生する第一のスイッチ手段と、第一の電圧
    信号の発生のみに応答して所定時間で減衰する第二の電
    圧信号を発生する信号減衰手段と、前記第二の電圧信号
    が発生されていないときにのみ第三の電圧信号を発生す
    る第二のスイッチ手段と、前記第三の電圧信号が発生さ
    れていないときにのみ二次電源信号を負荷に接続する第
    三のスイッチ手段で構成されることを特徴とする主電源
    信号の喪失に応じて二次電源を負荷に接続する電源切り
    換え装置。
  2. 【請求項２】 第一及び第二のスイッチ手段はバイポー
    ラ型ＮＰＮトランジスタであり、前記第三のスイッチ手
    段は、バイポーラ型ＰＮＰ型トランジスタである請求項
    １の電源切り換え装置。
  3. 【請求項３】 前記信号減衰手段はコンデンサである請
    求項１または２の電源切り換え装置。
  4. 【請求項４】 電源信号の流れを制御して、前記第二の
    電源の電源供給源への流入及び前記第一の電源の電源供
    給源への流入を防止する手段と、主電源と前記第一のス
    イッチ手段の間に介装され、前記第一の電圧信号の発生
    を遅延させる手段とを設けた請求項１乃至３のいずれか
    の電源切り換え装置。
  5. 【請求項５】 前記第一の電圧信号の発生を遅延する手
    段がコンデンサである請求項４の電源切り換え装置。
  6. 【請求項６】 前記電源信号の流れを制御する手段はシ
    ョットキーダイオードである請求項１乃至５のいずれか
    の電源切り換え装置。
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