JP3187673U - 模様紙 - Google Patents

模様紙 Download PDF

Info

Publication number
JP3187673U
JP3187673U JP2013004679U JP2013004679U JP3187673U JP 3187673 U JP3187673 U JP 3187673U JP 2013004679 U JP2013004679 U JP 2013004679U JP 2013004679 U JP2013004679 U JP 2013004679U JP 3187673 U JP3187673 U JP 3187673U
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pattern
mass
coating
water
paper
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2013004679U
Other languages
English (en)
Inventor
一樹 渡辺
孝雄 坂部
敏典 小林
恒夫 吉田
克哉 佐野
宜世子 府川
潤一 真島
政夫 渡辺
健一 横山
真 鈴木
克之 布施
克彦 福地
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hokuetsu Kishu Paper Co Ltd
Original Assignee
Hokuetsu Kishu Paper Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hokuetsu Kishu Paper Co Ltd filed Critical Hokuetsu Kishu Paper Co Ltd
Priority to JP2013004679U priority Critical patent/JP3187673U/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3187673U publication Critical patent/JP3187673U/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Paper (AREA)
  • Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)

Abstract

【課題】従来のインクジェット記録紙における良好な印字品質を維持しつつ、デザイン性(流体調模様)に富み、脱臭性能も有し、環境に悪影響を与えない記録媒体を提供する。
【解決手段】木材パルプを主原料とした支持体1の少なくとも片面に、該シートとは異なる色で着色された水溶性高分子とカチオン性物質の相互作用により形成された流体調の模様層2が形成されており、その模様層2の上には、サイズプレス塗工を行い、さらに、その上に、多孔性無機顔料とバインダーを含み、かつ、タンパク質と易結合性を有する蛍光染料やアミン系化合物を含まない塗工層3を有する脱臭インクジェット模様紙であって、前記水溶性高分子が天然高分子であり、塗工層の乾燥塗工量は5〜17g/mであり、バインダーとして、ポリビニルアルコール及びポリエチレン酢酸ビニルを使用し、顔料100質量部に対して、バインダーを25〜70質量部使用する。
【選択図】図2

Description

本考案は、人体に無害である材料から構成された、インクジェット印字適性と脱臭性能に優れ、かつ流体調の模様を有した模様紙に関する。
現在、様々な種類のインクジェット用紙が市販されている。例えば、時期や季節限定の葉書用紙については、基材を薄く着色したものや、意匠材料を混抄した商品が市場に出てきている。さらに、個人向けのインクジェットプリンターが普及しており、こうしたファンシー系用紙の中でもインクジェット印字適性を有した葉書の需要は増えていくと考えられ、それに合わせて種々の模様紙が製造されている(例えば、特許文献1)。
製紙業界においては、その他の多くの製造業とは異なり、流行をコントロールするリーダーが存在しないので、デザイン開発におけるシーズが殆ど無く、あったとしてもニーズが一致するかは別問題であり、開発や製造側としては、新規品の開発は商用上、かなりリスクがある。また、単一なデザインを有する商品や従来公知の汎用的な機能を有する商品は、同業者が類似のものを模して製造することで、市場においては、いつしかコスト競争が激化し、生産コストを下げることだけに注力するようになる事例が多い。そのような環境下において、多大なコストをかけることなく、ユーザーニーズが見込まれるデザイン性、及び、それに加え付加的な機能性を有した提案商品を上市する必要がある。
一方、近年の生活環境の変化、特に建築技術の進歩に伴う居住空間の密閉化、気密化により、家庭や職場の閉鎖空間における空気浄化が求められており、紙の持つ付加的な機能性の一つとして、脱臭機能が注目されている(例えば、特許文献2)。脱臭の方法としては、例えば、光触媒を使用する方法が示されている(例えば、特許文献2)。しかしながら、光触媒を用いる方法で高い脱臭効果をえるためには、非常に高いエネルギーを有する光を照射する必要があり、また、効率の良い光触媒は高価であるという問題がある。
また、一方では、環境意識の高まっている昨今、いわゆる環境に優しいインクジェット用紙が求められている。インクジェット用紙に用いる資材としては、インクを吸収する無機顔料とそれらを繋ぎ留めるバインダー、インクを定着させるためのカチオン性の薬品(アミン系化合物等)を基本として、色調を調整するための蛍光増白剤が添加されることが多い。特にインクジェット専用紙は、印字の彩度を際立たせるためか、塗工層を青白くさせる傾向にある。従って、蛍光増白剤を適用する事例が多い。蛍光増白剤はタンパク質と容易に結合してしまう為、衛生上好ましくはない。
特開平7−279100 特開2001−58002
本考案は、従来のインクジェット記録紙における良好な印字品質を維持しつつ、デザイン性(流体調模様)に富み、脱臭性能も有し、環境に悪影響を与えない記録媒体を提供することにある。
本考案者等は、鋭意思案と検討の結果、着色された水溶性高分子とカチオン性物質とをパルプスラリーにミスト状で供給し、両物質が接触後、不動化することで任意の模様が形成された原紙を作り、さらに、この模様の着色濃淡が視認される形態であることを特徴とする脱臭機能を有するインクジェット記録用模様紙を創製することができた。すなわち、本考案は木材パルプを主原料とした支持体の少なくとも片面に、該シートとは異なる色で着色された水溶性高分子とカチオン性物質の相互作用により形成された流体調の模様層が形成されており、その模様層の上には、サイズプレス塗工を行い、さらに、その上に、多孔性無機顔料とバインダーを含み、かつ、タンパク質と易結合性を有する蛍光染料やアミン系化合物を含まない塗工層を有する脱臭インクジェット模様紙であって、
前記水溶性高分子が天然高分子であり、
塗工層の乾燥塗工量は5〜17g/mであり
バインダーとして、ポリビニルアルコール及びポリエチレン酢酸ビニルを使用し、顔料100質量部に対して、バインダーを25〜70質量部使用する、
脱臭インクジェット模様紙である。
本考案のインクジェット記録用紙は、顔料とバインダーを主成分とする塗工層(インク受容層)を設けた記録面のインクジェット印字適性に優れていることは勿論のこと、デザイン性(流体調)に富み、脱臭性能をも有していた。
本考案の脱臭性能に優れ、流体調模様を有したファンシーインクジェット用紙のX−Y平面図である。 本考案の脱臭性能に優れ、流体調模様を有したファンシーインクジェット用紙のZ軸断面図(片面塗工)である。 本考案の脱臭性能に優れ、流体調模様を有したファンシーインクジェット用紙のZ軸断面図(両面塗工)である。
次に、本考案を図面にて説明する。図1は、本考案における一実施形態としての
紙面(X−Y平面)概要である。木材パルプシートを主構成とする支持体1とは異なる色で着色された流体調の模様層2が散在する形態をとる。この模様は抄紙工程中で形成されるものであるため、大きさや形状は任意のものである。また、支持体と模様は異なる色であるため、視認性が良好であり、かつ、色の組み合わせ次第で、様々な商品の創製が可能となる。使用される色は、メタリック調、蛍光色等といった特色も含めどのような色であってもよい。図2は本考案における一実施形態としての断面(Z方向)概要である。支持体1の片面に、サイズプレス塗工がなされた流体調の模様層2、及びインクジェットの塗工層(インク受容層)3が塗設してある。この受容層の存在で、本考案品の意匠性のみばかりでなく、インクジェット印字適性を付与し得る。また、該受容層は液体吸収性の他、気体分子の吸着性にも優れるため、脱臭性能を付加しうる。図3は、図2において支持体の両面にインクジェットの塗工層を塗設した場合である。
本考案の支持体(原紙)に使用される木材繊維としては、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)等の化学パルプ、グランドパルプ、加圧式砕木パルプ、リファイナー砕木パルプ、サーモメカニカルパルプ(TMP)、ケミメカニカルパルプ、ケミグランドパルプ等の機械パルプ、脱墨古紙パルプ等の古紙パルプ等の木材パルプを含む。フレッシュな晒パルプの場合は、環境を考慮し、ECFパルプかTCFパルプが望ましい。白色度等の品質面を考慮すると、ECFパルプが最適である。また、必要に応じて従来公知の填料、バインダー、サイズ剤、定着剤、歩留まり向上剤、紙力増強剤等の各種添加剤を1種類以上用いて混合し、長網抄紙機、円網抄紙機、ツインワイヤー抄紙機等の各種抄紙機にて紙匹を形成し、その後乾燥させた後で得ることができる。また、本考案のパルプスラリーには、パルプ100質量部に対して硫酸バンドを0.01〜2質量%の割合で含有させることが好ましい。
本考案では、木材パルプ繊維を主体としたスラリー若しくはウェブ上の少なくとも片面に、模様層を形成する。模様層は、スラリー若しくはウェブ上において、化学反応して増粘または、凝固する水溶性高分子をカチオン性物質と反応させてゲル化、若しくは、増粘させ、凝固させることで模様を形成する。各種薬品が混合したところで、各種資材が相互作用を及ぼし、着色物質が不動化し、その湿紙が脱水と乾燥工程を経て、染色された流体調の模様を得ることができる。
本考案の水溶性高分子と相互作用させるカチオン性物質としては、硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム、硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム、蟻酸カルシウム、塩化カルシウム等が例示される。以上の中でも、硫酸アルミニウムより好ましい。凝集力が強いからである。
本考案の水溶性高分子としては天然高分子を使用し、例えば、カゼイン、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウムから成る群から1種以上を選択することができる。上記カチオン性物質と相互作用し、ゲル化、増粘または、凝固し、模様層を形成できるからである。さらに、凝集力や凝集体の耐久性の点でアルギン酸ナトリウムの使用が望ましい。
また、本考案においては、流体調の模様は着色されているが、これは着色剤により着色される。着色剤としては、顔料や染料のどちらでも使用が可能であり、黒色、赤色、青色、黄色、蛍光色、メタリック色、任意の色が適宜使用できる。着色の方法はどのような方法でも良いが、最初に水溶性高分子と着色剤と混合することで着色することが好ましい。
本考案においては、原紙の形成時にデザイン性の付与がなされる。単なる均質な着色は、シートを構成するパルプのスラリー、塗工層の乾燥前における塗料の完全混合による着色あるいは、オンマシンでのサイズプレスやトランスファーロールコーター等による着色や、オフマシンでの含浸工程により容易に着色ができる。本考案においては、そのような均一な着色ではなく、デザイン性の側面から商品価値を付与するために意図的に不均一に着色を行う。原紙の形成時にデザイン性の付与を行う場合、抄紙機上で化学反応を伴うような工程を含む抄紙では、抄紙機の仕様、抄造条件や付帯設備等を適切に考慮し操業しなくてはいけないので、困難さが極まる。本考案においては、従来に無かったような機能性を有するインクジェット用紙であり、なおかつ、流体調の模様があるシートを得るために、抄紙工程でおさえるべき条件の探索にも注力した。具体的には、流体調の模様を構成する資材の種類と濃度の選定、模様を形成するための時間的要素と空間的要素の検討(具体的には湿潤状態にあるパルプスラリーが脱水、乾燥されるまでの時間と、模様を形成する際の薬品の拡散と凝固に必要な時間の同調とその場の状態の制御)、並びに、得られる模様の形状と外観以外での性能低下の可能性を判断した。
本考案のデザイン(流体調)を構成させる方法として、着色された水溶性高分子とカチオン性物質を相互作用させることができればどのような方法でも良いが、上記の検討から、たとえば、以下の方法により可能であることがわかった。
1.管に穴を空けたパイプシャワーにて、スラリー又はウェブ上に各種薬品を供給。
2.噴霧器を用い、スラリー又はウェブ上に各種薬品を供給。
上記いずれの方法でも良いが、本考案においては、着色された水溶性高分子とカチオン性物質を相互作用させることで意図的に不均一に着色を行うために、まず、最初に水溶性高分子と着色剤とを均一に混合することで着色することが好ましい。水溶性高分子と着色剤の成分比は、求める着色の度合い等で任意に設定可能であるが、水溶性高分子1質量部に対して、着色剤は0.1〜100質量部でよく、好ましくは0.4〜40質量部、さらには1〜30質量部である。着色剤が0.1質量部よりも少なすぎると色が薄くなるからである。着色剤が100質量部より多いと、水溶性高分子が薄くなりすぎカチオン性物質との相互作用が十分に生じなくなり模様層の形成が進みにくいからである。
このように準備した着色された水溶性高分子溶液と、カチオン性物質溶液を別々に準備し、上記の1又は2の方法によって、繊維スラリー又はウェブ上に供給し、水溶性高分子とカチオン性物質溶液を相互作用させればよい。例えば、着色された水溶性高分子溶液とカチオン性物質溶液を別々の噴霧器にセットし、パルプスラリー上に同時に噴霧すればよい。噴霧の時のパルプの状態は、所望の模様により調整することができるが、乾燥前のウェットの状態が好ましい。これにより繊維が流動し、それにより流体調の模様が形成できるからである。水溶性高分子とカチオン性物質の成分比は、着色された水溶性高分子とカチオン性物質の相互作用が生じ明確な模様層が生じればどのような比でも良く、求める模様の濃淡等で任意に設定可能である。本考案においては、水溶性高分子1質量部に対して、カチオン性物質は10〜400質量部であることが好ましい。この範囲であれば、溶性高分子とカチオン性物質との相互作用が十分に生じ模様層がスムーズに形成されるからである。さらに、好ましくは50〜300質量部である。
本考案においては、上記のように少なくとも片面に模様層を形成したのち、強度等を付与する目的で、模様層の表面をサイズプレス塗工する。サイズプレス塗工としては、酸化澱粉などの澱粉を塗布する。
本考案においては、上記のように少なくとも片面に模様層を形成したのち、さらに塗工層を形成する。紙製品は一般的に、筆記や印字、包装に使用されたりするのが通常であるが、塗工層を設けたものは、種々の機能性を所持させられる。本考案の塗工層は、多くのインクジェット用紙と同じくインク吸収性能を上げるために多孔性の構造を有することが好ましい。この多孔性構造が発現する機能性は種々あるが、さらに、吸収性のうちでも臭い除去の特性(脱臭性能)に焦点を当てて、塗工層の検討を行った。
本考案の塗工層に用いる顔料としては、多孔性無機顔料が使用される。そのなかでも非晶質である合成二酸化珪素、アルミナ等の微粒子を使用することができる。さらに、高い脱臭性能、高いインク吸収性及び優れた印字性能から、非晶質の合成二酸化珪素の微粒子が好適に使用される。
本考案の塗工層においては、インクの中にある色素材料を化学的に定着させる為に一般に使用されるカチオン性の薬品、特に、アミン系の水溶性樹脂は使用しない。人体に対する健康面への影響で懸念されているからである。また、塗工層を青白くさせるために使用する蛍光染料も使用しない。蛍光増白剤はタンパク質と容易に結合してしまう為、衛生上好ましくないからである。さらに、アミン系化合物または蛍光増白剤を含ませると、インクジェット印字適性は良好になるものの、その添加により塗料の調製時に増粘が確認され、製造においての支障があるからである。さらに、この塗料の塗工においては、乾燥後、得られた紙面はざらつきがあり、塗工層の強度が不十分となるからである。
本考案のインクジェットの塗工層には、バインダー(有機系接着剤)として、ポリビニルアルコール及びポリエチレン酢酸ビニルを使用する。高いインク吸収性と優れた印字性能を示すからである。また、顔料100質量部に対して、バインダーを25〜70質量部使用する。高いインク吸収性と優れた印字性能を示すからである。さらに好ましくは、顔料100質量部に対して、バインダーを30〜65質量部使用する。
本考案のインクジェットの塗工層に用いる塗工液には、上記の顔料とバインダーに加えて、必要に応じて分散剤、消泡剤、pH調整剤、湿潤剤、保水剤等が適宜使用できる。
塗工層を設ける為の塗工液に関しては、公知一般の塗工機、例えば、ブレードコーター、ロールコーター、エアーナイフコーター、ロッドコーター、カーテンコーター、MLC(マルチラボラトリーコーター)等が使用できる。そして、塗工液を乾燥塗工量で片面当たり、5〜17g/mとなるように支持体に塗工する。
塗工層の乾燥塗工量は5〜17g/mとする。5g/mに満たないと、インク受容層である塗工層が、支持体表面を完全に覆うことが難しく、塗工層によるインク吸収性が不十分となり、吸収ムラが発生するようになる。また、乾燥塗工量が17g/mを超えると、塗工層と支持体間の接着強度が実用に耐えられないレベルとなる。
塗工後の乾燥方式としては、熱風乾燥、赤外乾燥、ドラム乾燥等が挙げられるが、本考案においては、特に限定されるものではない。
以下に実施例を挙げて本考案をより具体的に説明するが、勿論、本考案はそれらに限定されるものではない。なお、例中の部、及び%は特に断らない限り、それぞれ質量部及び質量%を示す。
実施例1:
<模様原紙の形成方法>
まずは、以下の各種資材を準備した。
・木材パルプ繊維スラリー(LBKPとNBKPとを1:1で混合し、CSF=500mlに調整したスラリー) 100質量%
(硫酸バンドは対パルプで0.2質量%含まれる)
・赤着色剤(商品名:TB1100RED、大日精化社製)5質量%水溶液・・・薬品A
・アルギン酸ソーダ(商品名:アルギン酸ソーダ300〜400、和光純薬工業社製)
0.1質量%水溶液 ・・・薬品B
・硫酸バンド(北越テクノ社製)10質量%水溶液 ・・・薬品C
そして、薬品Aと薬品Bを質量比率で1:10の割合になるように混合した液と、薬品Cをそれぞれ噴霧器にセットし、木材パルプ繊維の脱水前に各々6ccのミストを吹き付けた。なお、反応の場は角型シートマシンであり、木材パルプ繊維が水の中で束縛がなく運動しているようなウェット状態にて行った。また、2つの液が十分に接触できるよう、重なるように吹き付けた。この2つの液が十分に反応し、不動化した後、脱水と乾燥を行い、染色された坪量180g/mのシートを得た。
<サイズプレス塗工>
上記原紙上に酸化澱粉(商品名:王子エースA、王子コンスターチ社製)6%をサイズプレスにより乾燥塗工量が片面当たり1.5g/mとなるように塗布し、シリンダードライヤーで乾燥し支持体を得た。
<塗工層の塗工液の調製>
平均粒子径7μmの合成非晶質シリカ(商品名:サイロジェットP407、グレースデビソン社製)100部をコーレス分散機にて28%の顔料スラリーを調製した。この顔料スラリーにポリビニルアルコール15部(商品名:PVA−117、クラレ社製)及びポリエチレン酢酸ビニルバインダー25部(商品名:スミカフレックス450)を添加・攪拌し、更に水を添加し、固形分濃度で25%の塗工液を得た。
<塗工層の形成>
サイズプレス処理を行った支持体のインクジェット記録面に得られた塗工液を乾燥塗工量が10g/mとなるように、塗工機(MLC)にて塗工・乾燥させた。
ここで、乾燥条件は、120℃、風速2400rpm、塗工速度35m/分、インターバル5秒とした。
実施例2:
薬品Aと薬品Bの質量比率を2:10と変更した以外は、実施例1の通りとした。
実施例3:
薬品Bの質量%を0.05質量%とした以外は、実施例1の通りとした。
実施例4:
実施例1において、ポリビニルアルコールの部数を10質量部、エチレン酢酸ビニル系樹脂の部数を20質量部と変更した以外は、実施例1の通りとした。
実施例5:
実施例1において、乾燥塗工量を7g/mと変更した以外は、実施例1の通りとした。
実施例6:
実施例1において、乾燥塗工量を15g/mと変更した以外は、実施例1の通りとした。
比較例1:
薬品AとBの混合液と薬品Cが接触しないように噴霧した以外は、実施例1の通りとした。
比較例2:
薬品AとBの混合液のみを噴霧した以外は実施例1の通りとした。
比較例3:
薬品Cのみを噴霧した以外は実施例1の通りとした。
比較例4:
実施例1において、薬品AとBとCを噴霧しなかった以外は、実施例1の通りとした。
比較例5:
薬品Bの質量%を0.01質量%とした以外は、実施例1の通りとした。
比較例6:
薬品Cの質量%を0.1質量%とした以外は、実施例1の通りとした。
比較例7:
薬品Aを使用しなかった以外は、実施例1の通りとした。
比較例8:
薬品Bの質量%を2質量%とした以外は、実施例1の通りとした。
比較例9:
薬品Cの質量%を50質量%とした以外は、実施例1の通りとした。
比較例10:
薬品Cに塩化ナトリウム水溶液10質量%と変更した以外は、実施例1の通りとした。
比較例11:
薬品Bにポリビニルアルコール(商品名:PVA117、クラレ社製)水溶液0.1質量%と変更した以外は、実施例1の通りとした。
比較例12:
実施例3において、パルプスラリーを脱水した後、薬品AとBの混合液と薬品Cを同時に供給した以外は、実施例3の通りとした。
比較例13:
実施例1において、薬品AとBの混合液と薬品Cを同時に供給し、薬品の供給直後に(すなわち反応が十分になされない状態で)脱水及び乾燥させ、シートとした以外は実施例1の通りとした。
比較例14:
実施例1において、サイズプレス塗工を未実施とした。
比較例15:
実施例1において、上記原紙上に合成ラテックス(商品名:L−1432、旭化成ケミカルズ社製)6%をサイズプレスにより乾燥塗工量が片面当たり1.5g/mとなるように塗布し、シリンダードライヤーで乾燥し支持体を得た。
比較例16:
比較例2において、使用する木材パルプ繊維スラリーで、硫酸バンドを対パルプで4.0質量%含有させた以外は、比較例2の通りとした。
比較例17:
実施例1において、インクジェット塗工層を設けなかった以外は、実施例1の通りとした。
比較例18:
実施例1において、非晶質の合成二酸化珪素の微粒子の代わりに、炭酸カルシウム(商品名:TP−123CS、奥多摩工業社製)に変更した以外は、実施例1の通りとした。
比較例19:
実施例1において、ポリビニルアルコールとエチレン酢酸ビニル系樹脂の代わりに、合成ラテックス(商品名:L−1432、旭化成ケミカルズ社製)50部に変更した以外は、実施例1の通りとした。
比較例20:
実施例1において、ポリビニルアルコールの部数を5質量部、エチレン酢酸ビニル系樹脂の部数を15質量部と変更した以外は、実施例1の通りとした。
比較例21:
実施例1において、ポリビニルアルコールの部数を20質量部、エチレン酢酸ビニル系樹脂の部数を40質量部と変更した以外は、実施例1の通りとした。
比較例22:
実施例1において、乾燥塗工量を18g/mと変更した以外は、実施例1の通りとした。
比較例23:
実施例1において、乾燥塗工量を3g/mと変更した以外は、実施例1の通りとした。
<外観評価>
目視にて、塗工紙の外観を評価した。
○:模様に着色の濃淡が有り、着目性と誘目性に優れる。
△:模様に着色の濃淡がわかりづらく、着目性と誘目性がやや劣る。
×:模様に着色の濃淡が無く、着目性と誘目性が劣る。
<インクジェット印字適性>
塗工面をCANON MP−980にて絵画パターンを印字させ、その画質の滲み、インク乾燥性といった点を総合評価した。
○:滲みが無く、かつ、インク乾燥が早い状態。
△:滲み、又は、インク乾燥の状態がやや劣る状態。
×:滲み、又は、インク乾燥の状態が劣る状態。
<塗工層強度>
塗工層にセロテープ(商品名:メンディングテープ、住友スリーエム社製)を貼り、一定速度で180°の角度を維持しながら剥離させた。この時の、セロテープ接着面の剥離物の多さにより、塗工層強度を判断した。
○:良好(剥離物少ない)、△:やや不良、×:不良(剥離物多い)
<脱臭特性>
一定容積における密閉空間に一定面積のサンプルと一定量のアンモニア水を入れた。次に、一日後サンプルを取り出し、温度25℃、湿度50%の環境条件下で10分間開放系で保管後、臭いの官能評価を行った。
臭いの判定は、サンプル片から約10cm離れた所で臭いを嗅ぐ官能検査で評価した。
以下が判定基準である。
○…臭いの程度が認識しやすく、アンモニア臭が強い状態
△…臭いの程度が比較的弱く、認識しづらい状態
×…臭わないか、臭いが殆ど確認できない状態
なお、官能検査員としては、健常な臭覚を有する者である。
Figure 0003187673
上記結果より明らかなように、本考案に係る実施例で得られたインクジェット用紙はインクジェット印字適性にも優れていた。なおかつ、脱臭性能と、従来のインクジェット記録用紙には無いデザイン性(流体調)を有していた。従って、本考案品は、デザイン壁紙(ワイドフォーマットのインクジェットプリンターが使用可能)等のインテリア器材としてや、各種建築材の器材等としての利用可能性が広範であった。さらに、これは、経済的に生産されるものであった。
上記結果で、流体調の模様に関して、実施例1〜6は全ての項目で良好であった。比較例1〜4は着色材料が反応しない分、濃淡が有る模様が形成されなかった。比較例5と6は、薬品濃度が低かったため、模様の形成が不十分であった。比較例7は、着色が無かったので、模様が形成できなかった。比較例8と9は、着色材料の反応が強過ぎて、濃い模様は形成されたものの、淡い部分が無く、意匠性に乏しいサンプルとなった。また、濃い模様の箇所で、印刷時にピッキングが発生した。比較例10と11は、反応しづらい材料を使用したため、模様の形成が不十分であった。比較例12は、反応が局部で起こり、比較的濃淡が無い模様となった。また、印刷時でのピッキングもやや劣った。比較例13では、着色材料の反応が不十分であったため、比較的濃淡の模様の形成が困難であった。比較例16では、模様はできたものの濃淡とはならず、かつ、着色された薬品のミストが着弾したところのみの模様形成であったため、局部的な模様紙としかならなかった。
上記結果で、塗工層に関して、比較例17ではインクジェット適性を有する塗工層を設けなかったため、印字が粗悪でかつ、脱臭性能にも乏しかった。比較例18、19、21、23は脱臭性能がやや劣る結果となったが、塗工量が少なく、バインダー成分が多く、吸着性能が低い無機顔料やバインダーを使用した場合においては、脱臭性能は期待できないことがわかった。比較例15では、サイズプレス塗工において合成ラテックスを使用したが、理由は定かではないものの、脱臭性能とインクジェット適性に劣る結果となった。おそらくは、ラテックスの造膜性の特徴が表れたものと推測する。
1 支持体
2 サイズプレス塗工がなされた流体調の模様層
3 塗工層
本考案者等は、鋭意思案と検討の結果、着色された水溶性高分子とカチオン性物質とをパルプスラリーにミスト状で供給し、両物質が接触後、不動化することで任意の模様が形成された原紙を作り、さらに、この模様の着色濃淡が視認される形態であることを特徴とする脱臭機能を有するインクジェット記録用模様紙を創製することができた。すなわち、本考案は木材パルプを主原料とした支持体の少なくとも片面に、該支持体とは異なる色で着色された水溶性高分子とカチオン性物質の相互作用により形成された流体調の模様層が形成されており、その模様層の上には、サイズプレス塗工を行い、さらに、その上に、多孔性無機顔料とバインダーを含み、かつ、タンパク質と易結合性を有する蛍光染料やアミン系化合物を含まない塗工層を有する脱臭インクジェット模様紙であって、
前記水溶性高分子が天然高分子であり、
塗工層の乾燥塗工量は5〜17g/mであり
バインダーとして、ポリビニルアルコール及びポリエチレン酢酸ビニルを使用し、顔料100質量部に対して、バインダーを25〜70質量部使用する、
脱臭インクジェット模様紙である。
<塗工層強度>
塗工層にセロテープ(登録商標)(商品名:メンディングテープ、住友スリーエム社製)を貼り、一定速度で180°の角度を維持しながら剥離させた。この時の、セロテープ(登録商標)接着面の剥離物の多さにより、塗工層強度を判断した。
○:良好(剥離物少ない)、△:やや不良、×:不良(剥離物多い)

Claims (5)

  1. 木材パルプを主原料とした支持体の少なくとも片面に、該シートとは異なる色で着色された水溶性高分子とカチオン性物質の相互作用により形成された流体調の模様層が形成されており、その模様層の上には、澱粉によるサイズプレス塗工を有し、さらに、その上に、多孔性無機顔料とバインダーを含み、かつ、タンパク質と易結合性を有する蛍光染料やアミン系化合物を含まない塗工層を有する脱臭インクジェット模様紙であって、
    前記水溶性高分子が天然高分子であり、
    塗工層の乾燥塗工量は5〜17g/mであり
    バインダーとして、ポリビニルアルコール及びポリエチレン酢酸ビニルを使用し、顔料100質量部に対して、バインダーを25〜70質量部使用する、
    脱臭インクジェット模様紙。
  2. 水溶性高分子1質量部に対して、カチオン性物質を10〜400質量部を使用する、請求項1に記載の模様紙。
  3. 水溶性高分子がカゼイン、カルボキシメチルセルロース、及びアルギン酸ナトリウムから成る群から1種以上選択される請求項1又は2記載の模様紙。
  4. 塗工される塗料に含まれる多孔性無機顔料が、非晶質の合成二酸化珪素であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の模様紙。
  5. 木材パルプ繊維を主原料とした乾燥していないスラリー若しくはウェブ上において、着色された水溶性高分子とカチオン性物質を混合させ相互作用させることで流体調の模様層を形成後、該模様層を乾燥させることで製造される、請求項1〜4のいずれか一つに記載の模様紙。
JP2013004679U 2013-08-12 2013-08-12 模様紙 Expired - Fee Related JP3187673U (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013004679U JP3187673U (ja) 2013-08-12 2013-08-12 模様紙

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013004679U JP3187673U (ja) 2013-08-12 2013-08-12 模様紙

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP3187673U true JP3187673U (ja) 2013-12-12

Family

ID=50431216

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013004679U Expired - Fee Related JP3187673U (ja) 2013-08-12 2013-08-12 模様紙

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3187673U (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20150119832A (ko) 2014-04-10 2015-10-26 (주)아모레퍼시픽 발포폼을 담체로 포함하는 화장품

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20150119832A (ko) 2014-04-10 2015-10-26 (주)아모레퍼시픽 발포폼을 담체로 포함하는 화장품

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN101228316B (zh) 胶版印刷用涂布纸
PL196450B1 (pl) Papier podłożowy i materiał do zapisu metodą drukowania strumieniowego
CN101237996A (zh) 单张纸胶版印刷用的涂布纸
CN1984783A (zh) 经涂布的多功能印刷纸
JP6937772B2 (ja) 接着性微孔性転写材料
JP2018522758A (ja) 昇華印刷用の転写材料
JP2011094253A (ja) 模様紙用凝集体、それを用いた模様紙及びそれらの製造方法
BR112015019424B1 (pt) Papel de base para materiais de revestimento decorativos
JP5047458B2 (ja) 印刷用塗工紙
JP3187673U (ja) 模様紙
JP2024532719A (ja) 感熱記録材料
JPH03199081A (ja) インクジェット記録用シート
JP2010173152A (ja) 色付きインクジェット用葉書用紙
JPH047189A (ja) インクジェット記録媒体
JP5542589B2 (ja) 黒色インクジェット用光沢タイプ記録シート及びその製造方法
CN101490338B (zh) 铸涂纸
JPH08282091A (ja) インクジェット記録材
JP6488259B2 (ja) 転写用紙
JPH0343290A (ja) インクジェット記録用紙
JP2006264124A (ja) インクジェット記録材料の製造方法
JPH05139023A (ja) インクジエツト記録用紙
CN117881546A (zh) 热敏记录材料、对热敏记录材料进行脱色的方法、纤维材料混合物、用于生产再循环纸的方法和再循环纸
JP2017179623A (ja) アクリル絵具用紙
JP3754837B2 (ja) 被記録媒体および印字物
JPH0692190B2 (ja) インクジェット用記録シ−ト

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20131003

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 3187673

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R323533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees