JP3186879B2 - 差動制限トルク制御装置 - Google Patents

差動制限トルク制御装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、左右駆動輪間に付与す
る差動制限トルクにより旋回外輪のスリップ状態を電子
制御する差動制限トルク制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、左右駆動輪間に付与する差動制限
トルクにより旋回外輪のスリップ状態を電子制御する差
動制限トルク制御装置としては、例えば、特開平2−1
55842号公報に記載のものが知られている。
【0003】上記従来出典には、旋回時、実外輪スリッ
プ量を、路面への駆動伝達力と旋回に必要な横力とを保
つ範囲でアクセル増加量に応じて値が増加する目標外輪
スリップ量に一致する方向に差動制限トルクを制御する
ことにより、旋回加速時にアクセルの踏み加減によりテ
ールスライド量のコントロールを可能とする技術が示さ
れている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の差動制限トルク制御装置にあっては、旋回外輪側で
許容するスリップ量である目標外輪スリップ量がアクセ
ル操作量と比例ゲインにより決まってくるため、この比
例ゲインを大きくとった場合、アクセル操作量が中域で
のアクセルの踏み加減によりテールスライド量のコント
ロール性を高めることができるが、その反面、アクセル
を踏み込みすぎると、目標外輪スリップ量が大きくなり
過ぎ、強オーバステア特性が出易い特性となる。
【0005】一方、差動制限トルク制御システムが搭載
される車両でエンジンが高出力エンジンである場合、エ
ンジン出力が十分に高くなるアクセル操作量が中域での
トラクション性能を向上させたいという要求がある。
【0006】しかし、上記の様に、アクセル踏み込み過
ぎ時に強オーバステアが出易く、操安性が低下するとい
う問題の発生により、安全性をより重視する立場から必
然的に、比例ゲインを小さくとらざるを得ず、アクセル
操作量が中域でのアクセルコントロール性が劣ってしま
い、要求性能を満足できないものとなっていた。
【0007】本発明は、上記のような問題に着目してな
されたもので、左右駆動輪間に付与する差動制限トルク
により旋回外輪のスリップ状態を電子制御する差動制限
トルク制御装置において、アクセル操作量が中域でのト
ラクション性能の向上とアクセル操作量が高域での操安
性の向上との両立を図ることを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
本発明の差動制限トルク制御装置では、検出されるアク
セル操作量が設定操作量までの通常操作量領域ではアク
セル操作量の増加に応じて増加し、検出されるアクセル
操作量が設定操作量を超える高操作量領域ではアクセル
操作量の増加に対し増加を抑えるあるいは一定あるいは
減少する目標外輪スリップ状態を設定する目標外輪スリ
ップ状態設定手段を設け、実外輪スリップ状態が目標外
輪スリップ状態に一致するように差動制限トルク制御を
行なう手段とした。
【0009】すなわち、図1のクレーム対応図に示すよ
うに、左右駆動輪間に設けられ、外部からの制御指令に
応じた差動制限トルクを付与する差動制限トルク付与手
段aと、アクセル操作量を検出するアクセル操作量検出
手段bと、検出されるアクセル操作量が設定操作量まで
の通常操作量領域ではアクセル操作量の増加に応じて増
加する目標外輪スリップ状態を設定し、検出されるアク
セル操作量が設定操作量を超える高操作量領域ではアク
セル操作量の増加に対し増加を抑えるあるいは一定ある
いは減少する目標外輪スリップ状態を設定する目標外輪
スリップ状態設定手段cと、左右駆動輪のそれぞれのス
リップ状態を検出する左駆動輪スリップ状態検出手段d
及び右駆動輪スリップ状態検出手段eと、旋回時に旋回
内輪と旋回外輪を識別する旋回時内外輪識別手段fと、
旋回時内外輪識別により左駆動輪スリップ状態と右駆動
輪スリップ状態の一方を実外輪スリップ状態として選択
する実外輪スリップ状態選択手段gと、実外輪スリップ
状態を目標外輪スリップ状態に一致させる差動制限トル
クを得る制御指令を前記差動制限トルク付与手段aに出
力する差動制限トルク制御手段hとを備えている。
【0010】
【作用】加速旋回時、目標外輪スリップ状態設定手段c
において、アクセル操作量検出手段bからの検出される
アクセル操作量が設定操作量までの通常操作量領域では
アクセル操作量の増加に応じて増加する目標外輪スリッ
プ状態が設定され、検出されるアクセル操作量が設定操
作量を超える高操作量領域ではアクセル操作量の増加に
対し増加を抑えるあるいは一定あるいは減少する目標外
輪スリップ状態が設定される。
【0011】一方、左駆動輪スリップ状態検出手段d及
び右駆動輪スリップ状態検出手段eにおいて、左右駆動
輪のそれぞれのスリップ状態が検出され、旋回時内外輪
識別手段fにおいて、旋回時に旋回内輪と旋回外輪が識
別され、実外輪スリップ状態選択手段gにおいて、旋回
時内外輪識別により左駆動輪スリップ状態と右駆動輪ス
リップ状態の一方が実外輪スリップ状態として選択され
る。
【0012】そして、差動制限トルク制御手段hにおい
て、実外輪スリップ状態を目標外輪スリップ状態に一致
させる差動制限トルクを得る制御指令が、左右駆動輪間
に設けられ、外部からの制御指令に応じた差動制限トル
クを付与する差動制限トルク付与手段aに出力される。
【0013】したがって、検出されるアクセル操作量が
設定操作量までの通常操作量領域ではアクセル操作量の
増加に応じて増加する目標外輪スリップ状態が設定され
ることで、外輪側で許容される外輪スリップ量はアクセ
ル操作量に応じて増加することになり、アクセル操作量
通常操作量領域であっても旋回外輪側で高い路面伝達
駆動力が保たれることで、通常アクセル操作量領域での
アクセルワークに対して良好な加速性が確保される。
【0014】また、検出されるアクセル操作量が設定操
作量を超える高操作量領域ではアクセル操作量の増加に
対し増加を抑えるあるいは一定あるいは減少する目標外
輪スリップ状態が設定されることで、外輪側で許容され
る外輪スリップ量はアクセル操作量にかかわらず増加を
抑えられるか一定かアクセル操作量に応じて減少するこ
とになり、アクセル操作量が高操作量領域において、旋
回外輪側でコーナリングフォースの低下が防止されるこ
とで、高アクセル操作量領域でのアクセルワークに対し
て車両挙動の安定性が確保される。
【0015】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。
【0016】まず、構成を説明する。
【0017】図2は本発明実施例の差動制限トルク制御
装置が適用された後輪駆動車の全体システム図である。
【0018】図2において、1はエンジン、2はトラン
スミッション、3はプロペラシャフト、4は電制リミテ
ッドスリップディファレンシャル(以下、電制LSDと
略称する)、5,6は後輪、7,8は前輪である。
【0019】前記電制LSD4には、油圧ユニット9か
ら付与されるクラッチ制御圧に応じて左右後輪5,6間
に差動制限トルクを発生させる差動制限クラッチ10が
内蔵されている。
【0020】前記油圧ユニット9は、油圧源11とLS
制御バルブ12とを有して構成されている。尚、油圧
ユニット9及び差動制限クラッチ10は、差動制限トル
ク付与手段aに相当する。
【0021】前記LSD制御バルブ12は、LSDコン
トローラ13からの制御電流ILSDにより制御作動を
し、差動制限クラッチ10へのクラッチ制御圧を作り出
す。
【0022】前記LSDコントローラ13には、左前輪
回転センサ14からの左前輪回転数NFLと、右前輪回転
センサ15からの右前輪回転数NFRと、左後輪回転セン
サ16からの左後輪回転数NRLと、右後輪回転センサ1
7からの右後輪回転数NRRと、横加速度センサ18から
の横加速度YG と、前後加速度センサ19からの前後加
速度XG と、アクセル開度センサ20(アクセル操作量
検出手段bに相当)からのアクセル開度ACCと、ブレー
キスイッチ21からのスイッチ信号BSと、ABSコント
ローラ22からのABS作動信号ASなどが入力される。
【0023】次に、作用を説明する。
【0024】[差動制限トルク制御作動処理] 図3はLSDコントローラ13で10msecの制御周期で行
なわれる差動制限トルク制御作動処理の流れを示すフロ
ーチャートであり、以下、各ステップについて説明す
る。
【0025】ステップ30では、左前輪回転数NFLと、
右前輪回転数NFRと、左後輪回転数NRLと、右後輪回転
数NRRと、横加速度YG と、アクセル開度ACCとが読み
込まれる。
【0026】ステップ31では、各車輪回転数NFL,N
FR,NRL,NRRからそれぞれ左前輪速VFLと、右前輪速
VFRと、左後輪速VRLと、右後輪速VRRが演算される。
【0027】ステップ32では、左前輪速VFLと右前輪
速VFRとの平均値により車体速VFが演算される。
【0028】ステップ33では、図4に示す目標外輪ス
リップ比特性とアクセル開度ACCにより目標外輪スリッ
プ比SA が演算される(目標外輪スリップ状態設定手段
cに相当)。
【0029】ここで、目標外輪スリップ比特性は、図4
に示すように、アクセル開度ACCが、0≦ACC≦ACC1
の領域では、比例ゲインKA によりアクセル開度ACCの
増大に応じて約20%まで増す目標外輪スリップ比SA
が与えられ、ACC1 <ACC≦100%の領域では約20
%で一定の目標外輪スリップ比SA が与えられる。
【0030】ステップ34では、左右後輪のスリップ比
L ,SR がそれぞれ下記の式により演算される(左駆
動輪スリップ状態検出手段d及び右駆動輪スリップ状態
検出手段eに相当)。
【0031】 SL ={(VRL−VF )/VRL}×100(%) SR ={(VRR−VF )/VRR}×100(%) ステップ35では、センサ信号による横加速度YG の出
方により右旋回時か左旋回時かの判別と同時に左右後輪
のうちいずれが旋回外輪側となるかの判別が行なわれる
(旋回時内外輪識別手段fに相当)。
【0032】ステップ36では、旋回外輪速である左後
輪速VRLが旋回内輪速である右後輪速VRR未満かどうか
が判断される。
【0033】ステップ37では、ステップ36において
旋回初期等であって旋回半径差によりVRL≧VRRの関係
にある時、左右後輪の差動を許容するべく差動制限トル
クをゼロにする制御信号が出力される。
【0034】ステップ38では、左後輪スリップ比SL
が目標外輪スリップ比SA を越えているかどうかが判断
される。
【0035】ステップ39では、左後輪スリップ比SL
と目標外輪スリップ比SA が同じかどうかが判断され
る。
【0036】ステップ40では、ステップ38での判断
によりSL >SA の時、旋回外輪である左後輪への駆動
力伝達を減少させるべく差動制限トルクを減少させる制
御信号が出力される。
【0037】ステップ41では、ステップ38とステッ
プ39での判断によりSL <SA の時、旋回外輪である
左後輪への駆動力伝達を増大させるべく差動制限トルク
を増大させる制御信号が出力される。
【0038】なお、SL =SA の時にはその状態を保持
するべく現在出力されている制御信号がそのまま保持さ
れ、この増大・減少・保持を繰り返すことにより右旋回
時において旋回外輪の左後輪スリップ比SL を目標外輪
スリップ比SA に一致させる差動制限トルク制御が行な
われる。
【0039】ステップ42では、旋回外輪速である右後
輪速VRRが旋回内輪速である左後輪速VRL未満かどうか
が判断される。
【0040】ステップ43では、ステップ42において
旋回初期等であって旋回半径差によりVRR≧VRLの関係
にある時、左右後輪の差動を許容するべく差動制限トル
クをゼロにする制御信号が出力される。
【0041】ステップ44では、右後輪スリップ比SR
が目標外輪スリップ比SA を越えているかどうかが判断
される。
【0042】ステップ45では、右後輪スリップ比SR
と目標外輪スリップ比SA が同じかどうかが判断され
る。
【0043】ステップ46では、ステップ44での判断
によりSR >SA の時、旋回外輪である右後輪への駆動
力伝達を減少させるべく差動制限トルクを減少させる制
御信号が出力される。
【0044】ステップ47では、ステップ44とステッ
プ45での判断によりSR <SA の時、旋回外輪である
右後輪への駆動力伝達を増大させるべく差動制限トルク
を増大させる制御信号が出力される。
【0045】なお、SR =SA の時にはその状態を保持
するべく現在出力されている制御信号がそのまま保持さ
れ、この増大・減少・保持を繰り返すことにより左旋回
時において旋回外輪の右後輪スリップ比SR を目標外輪
スリップ比SA に一致させる差動制限トルク制御が行な
われる。
【0046】以上のステップ36〜ステップ47は、実
外輪スリップ状態選択手段g及び差動制限トルク制御手
段hに相当する。
【0047】[加速旋回時]旋回途中からアクセル踏み
込み量を増して加速旋回を行なう時の作用について説明
する。
【0048】*旋回初期 例えば、右旋回初期であってVRL≧VRRの時には、図3
のフローチャートで、ステップ30→ステップ31→ス
テップ32→ステップ33→ステップ34→ステップ3
5→ステップ36→ステップ37へと進む流れとなり、
ステップ37では、差動制限トルクがゼロとされる。
【0049】また、右旋回初期であってVRL<VRRの時
には、横加速度YG が小さく、ゲインKは最大値K2
設定されることになるが、アクセル開度ACCがアクセル
踏み込み前で小さいことから目標外輪スリップ比SA
小さな値となり、外輪スリップ量の許容幅が狭く、差動
制限トルクが低めの制御となる。
【0050】したがって、旋回初期には、いずれの場合
であっても旋回外輪のスリップ比は小さく抑えられるこ
とになり、図5のコーナリングフォースCFの特性に示
すように、高いコーナリングフォースCFが得られ、旋
回安定性が確保される。
【0051】*旋回中期 上記旋回初期からアクセル踏み込み量を増してゆく旋回
中期においては、アクセル開度ACCが増大してゆく。
【0052】したがって、アクセル開度ACCの増大によ
り、図4からも明らかなように、アクセル開度ACCが0
≦ACC≦ACC1 の領域では、比例ゲインKA によりアク
セル開度ACCの増大に応じて約20%まで増す目標外輪
スリップ比SA が与えられ、外輪スリップ量の許容幅が
アクセル開度ACCの増大に応じて増す。
【0053】このように、目標外輪スリップ比SA が0
%側から20%へと上昇した場合、図5に示すように、
タイヤ−路面摩擦係数μが最大値に向かって増加する傾
向となり、アクセル開度ACCが中域であっても旋回外輪
側で高い路面伝達駆動力が保たれることで、アクセル開
度ACCがACC1 付近の中域でのアクセルワークに対して
良好な加速性が確保される。
【0054】また、このアクセル開度ACCの中域で、後
輪側を旋回外方に流すテールスライド量をアクセルの踏
み込み増減によりコントロールすることもできる。
【0055】*旋回後期 コーナ出口での加速旋回後期では、コーナ出口からの直
線路での加速性を確保するべくアクセルの踏み込み量を
さらに増す。
【0056】したがって、アクセル開度ACCがACC1 <
ACC≦100%となる高アクセル開度域では、図4から
も明らかなように、アクセル開度ACCの増大にかかわら
ず約20%で一定の目標外輪スリップ比SA が与えら
れ、外輪スリップ量の許容幅がアクセル開度ACCの増大
にかかわらず一定量が保たれる。
【0057】このように、目標外輪スリップ比SA が約
20%に保持された場合、図5に示すように、タイヤ−
路面摩擦係数μの最大値が維持されると共に旋回外輪側
でのコーナリングフォースCFも低下することなく一定
値が維持されることで、アクセル開度ACCの高域で加速
を増すアクセルワークに対して強オーバステアになるこ
となく車両挙動の安定性が確保される。
【0058】次に、効果を説明する。
【0059】(1)左右後輪5,6間に付与する差動制
限トルクにより外輪スリップ比を電子制御する差動制限
トルク制御装置において、アクセル開度ACCが、0≦A
CC≦ACC1 の領域では、比例ゲインKA によりアクセル
開度ACCの増大に応じて約20%まで増す目標外輪スリ
ップ比SA を与え、ACC1 <ACC≦100%の領域では
約20%で一定の目標外輪スリップ比SA を与え、旋回
外輪となる実後輪スリップ比SL またはSR が目標外輪
スリップ比SA に一致するように差動制限トルク制御を
行なう装置としたため、アクセル操作量が中域でのトラ
クション性能の向上とアクセル操作量が高域での操安性
の向上との両立を図ることができる。
【0060】(2)アクセル開度ACCがACC1 <ACC≦
100%の領域では約20%で一定の目標外輪スリップ
比SA を与えるようにしたため、アクセル操作量が高域
でアクセル操作に対して一定のステア特性が保たれ、ド
ライバーにとって違和感がなく高い操安性が確保され
る。特に、エンジン出力がスポーツ車ほど高出力ではな
い乗用車などにおいて、トラクション性能の向上と操安
性の向上との最適な両立を達成することができる。
【0061】以上、実施例を図面により説明してきた
が、具体的な構成は実施例に限られるものではなく、本
発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加等があ
っても本発明に含まれる。
【0062】例えば、実施例では、油圧式の多板クラッ
チにより差動制限トルクを付与する例を示したが、外部
からの制御指令により可変に差動制限トルクを制御でき
るものであれば電磁クラッチなどであっても良い。
【0063】実施例では、後輪駆動車への適用例を示し
たが、前輪駆動車にも適用することができる。
【0064】実施例では、アクセル開度ACCに対する目
標外輪スリップ比SA の特性として図4に示す特性を示
したが、この特性に限られず、アクセル開度ACCが通常
操作量領域を超える領域ではアクセル開度ACCの増加に
対し目標外輪スリップ比SAの増加を抑える特性とした
り、目標外輪スリップ比SA を減少させる特性としても
よい。
【0065】例えば、ハイパワーエンジンを搭載した車
両では、高出力となる中アクセル領域で安定性を考慮
し、高アクセル開度域では、コーナリングフォースCF
の増大を図って車両を安定方向に挙動コントロールする
必要から、図6に示すように、アクセル開度域を低アク
セル開度域(0〜ACC2 )と中アクセル開度域(ACC2
〜ACC3 )と高アクセル開度域(ACC3 〜)に分け、低
アクセル開度域では比例ゲインKB により、また中アク
セル開度域では比例ゲインKC (<KB )により、高ア
クセル開度域では比例ゲイン−KD による目標外輪スリ
ップ比SA の特性としてもよい。
【0066】実施例では、スリップ状態としてスリップ
比を用いる例を示したが、スリップ速度(すべり速度)
やスリップ率やスリップ量としてもよい。
【0067】例えば、駆動輪速と車体速との差であるす
べり速度を用いる場合、図7に示すように、アクセル開
度ACCが、0≦ACC≦ACC4 の領域では、比例ゲインK
S によりアクセル開度ACCの増大に応じてVSmaxまで増
す目標外輪すべり速度VS を与え、ACC4 <ACC≦10
0%の領域ではVSmaxで一定の目標外輪すべり速度VS
を与えるようにしてもよい。
【0068】
【発明の効果】以上説明してきたように本発明にあって
は、左右駆動輪間に付与する差動制限トルクにより旋回
外輪のスリップ状態を電子制御する差動制限トルク制御
装置において、検出されるアクセル操作量が設定操作量
までの通常操作量領域ではアクセル操作量の増加に応じ
て増加し、検出されるアクセル操作量が設定操作量を超
える高操作量領域ではアクセル操作量の増加に対し増加
を抑えるあるいは一定あるいは減少する目標外輪スリッ
プ状態を設定する目標外輪スリップ状態設定手段を設
け、実外輪スリップ状態が目標外輪スリップ状態に一致
するように差動制限トルク制御を行なう装置としたた
め、アクセル操作量が通常操作量領域でのトラクション
性能の向上とアクセル操作量が高操作量領域での操安性
の向上との両立を図ることができるという効果が得られ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の差動制限トルク制御装置を示すクレー
ム対応図である。
【図2】実施例の差動制限トルク制御装置が適用された
後輪駆動車の全体システム図である。
【図3】実施例装置のLSDコントローラで行なわれる
差動制限トルク制御作動処理の流れを示すフローチャー
トである。
【図4】実施例装置でのアクセル開度ACCに対する目標
外輪スリップ比SA の特性図である。
【図5】スリップ比に対するコーナリングフォースCF
及びタイヤ−路面間摩擦係数μの特性図である。
【図6】ハイパワーエンジン用のアクセル開度ACCに対
する目標外輪スリップ比SA の特性図である。
【図7】アクセル開度ACCに対する目標外輪すべり速度
S の特性図の一例である。
【符号の説明】
a 差動制限トルク付与手段 b アクセル操作量検出手段 c 目標外輪スリップ状態設定手段 d 左駆動輪スリップ状態検出手段 e 右駆動輪スリップ状態検出手段 f 旋回時内外輪識別手段 g 実外輪スリップ状態選択手段 h 差動制限トルク制御手段

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 左右駆動輪間に設けられ、外部からの制
    御指令に応じた差動制限トルクを付与する差動制限トル
    ク付与手段と、 アクセル操作量を検出するアクセル操作量検出手段と、検出されるアクセル操作量が設定操作量までの通常操作
    量領域では アクセル操作量の増加に応じて増加する目標
    外輪スリップ状態を設定し、検出されるアクセル操作量
    が設定操作量を超える高操作量領域ではアクセル操作量
    の増加に対し増加を抑えるあるいは一定あるいは減少す
    る目標外輪スリップ状態を設定する目標外輪スリップ状
    態設定手段と、 左右駆動輪のそれぞれのスリップ状態を検出する左駆動
    輪スリップ状態検出手段及び右駆動輪スリップ状態検出
    手段と、 旋回時に旋回内輪と旋回外輪を識別する旋回時内外輪識
    別手段と、 旋回時内外輪識別により左駆動輪スリップ状態と右駆動
    輪スリップ状態の一方を実外輪スリップ状態として選択
    する実外輪スリップ状態選択手段と、 実外輪スリップ状態を目標外輪スリップ状態に一致させ
    る差動制限トルクを得る制御指令を前記差動制限トルク
    付与手段に出力する差動制限トルク制御手段と、 を備えていることを特徴とする差動制限トルク制御装
    置。
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