JP3186191B2 - ポリフェニレンエーテル樹脂シート熱成形体 - Google Patents

ポリフェニレンエーテル樹脂シート熱成形体

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JP3186191B2 JP8313692A JP8313692A JP3186191B2 JP 3186191 B2 JP3186191 B2 JP 3186191B2 JP 8313692 A JP8313692 A JP 8313692A JP 8313692 A JP8313692 A JP 8313692A JP 3186191 B2 JP3186191 B2 JP 3186191B2
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  • Blow-Moulding Or Thermoforming Of Plastics Or The Like (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリフェニレンエーテ
ル樹脂からなる真空成形品、圧空成形品、プレス成形品
等のシート成形体に関する。更に、詳しくは美麗な外観
を有するポリフェニレンエーテル樹脂シート熱成形体に
関する。
【0002】
【従来の技術】ポリフェニレンエーテル樹脂は耐熱性、
電気特性に優れた樹脂で、広い温度範囲で機械的性質も
安定しており、その特性を活かし、電気・電子分野、O
A機械分野、自動車分野と幅広い分野でそのほとんどが
射出成形して使用されている。なかでも、近年自動車分
野が注目され、ポリフェニレンエーテル樹脂の耐熱性、
機械的性質、特に耐衝撃特性を活かした用途として外装
部品への適用が展開されつつある。
【0003】しかしながら、自動車の外装部品のほとん
どが大型であり、射出成形によって賦形するためには大
型の設備が必要なため経済的ではない。樹脂材料を一旦
シート状に加工した後、廉価な金型を用いて真空成形、
或いは圧空成形等の方法で賦形する方が経済的であり、
多様化した自動車の多品種少量生産に適している。その
ため、従来の射出成形に代わってポリフェニレンエーテ
ル樹脂のシート押出成形のニーズが高まってきている。
【0004】しかし、変性ポリフェニレンエーテル樹脂
は耐熱性が優れる反面、高温の成形加工が必要なため、
その分劣化を招きやすいという問題を有する。シート押
出成形では、樹脂の熱劣化がシート外観に与える影響が
特に大きく、例えば、熱劣化に起因するゲル、炭化物が
ダイリップに滞留してダイライン、或いはブツ等の外観
不良の原因となる。
【0005】また、シート押出成形では端材が生じるた
め、樹脂材料を比較的高い割合で再生使用することが必
要になり、再生使用の際、樹脂の熱劣化による物性低下
を起こすこともある。そのため、ポリフェニレンエーテ
ル樹脂の熱安定性の改良がシート押出成形の必須課題と
なっており、種々検討がなされている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述のごとき状況下
で、本発明はポリフェニレンエーテル樹脂シートの真空
成形、圧空成形等のシート熱成形について研究を行い、
美しい外観を有するポリフェニレンエーテル樹脂シート
熱成形体を提供することを課題とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、ポリフェ
ニレンエーテル樹脂の熱安定性について種々の改良を重
ね、美麗な外観を有するポリフェニレンエーテル樹脂シ
ート熱成形体を提供するため、そのポリフェニレンエー
テル樹脂シートについて真空成形、圧空成形等の熱成形
を詳細に検討したところ、ポリフェニレンエーテル樹脂
は吸水率が小さい樹脂であるにもかかわらず、加熱工程
での材料発泡が原因で、成形体の表面に凹凸が生じる等
の外観不良が頻繁に生じるという事実がわかった。
【0008】そこで、ポリフェニレンエーテル樹脂シー
ト熱成形体の材料発泡による外観不良について鋭意検討
を進めた結果、発泡による成形体の外観不良には材料内
部に含まれる揮発性成分量と水分量が密接に関係してお
り、材料発泡が発生したり、しなかったりする臨界水分
量領域(150〜250ppm)に於いて、揮発性成分
量がある特定の範囲にあるシートの方が、範囲のシー
トに比べて材料発泡による外観不良が生じ難いという、
従来全く得られていなかった知見を得た。
【0009】即ち、臨界水分量領域に於いて、シートの
揮発性成分含有量が2000ppmを越えると加熱工程
で材料発泡を起こしやすく、また発泡の程度も大きいの
で材料発泡による外観不良を生じやすく、逆にシートの
揮発性成分含有量が300ppm未満になると、300
〜2000ppmのシートと比べて、材料が発泡した際
の気泡サイズが大きくなるため、成形体の外観に及ぼす
影響が大きくなり外観不良が生じやすい事実を見い出
し、本発明に至った。
【0010】すなわち、本発明は揮発性成分含有量が3
00〜2000ppmであり、水分含有量が250pp
m以下であるポリフェニレンエーテル樹脂シートを熱成
形した、相対比重が0.95〜1.0の美麗な外観を有
するポリフェニレンエーテル樹脂シート熱成形体及びそ
れに用いるポリフェニレンエーテル樹脂シートを提供す
るものである。
【0011】本発明のポリフェニレンエーテル樹脂シー
ト熱成形体に使用するポリフェニレンエーテル樹脂シー
トの揮発性成分含有量を2000ppm以内としたの
は、揮発性成分含有量が2000ppmを越えると水分
含有量を250ppm以下に抑えても材料が発泡し、発
泡による成形品の外観不良が生じやすいからである。
又、揮発性成分含有量を300ppm以上としたのは、
揮発性成分含有量が300ppmより少いと材料が発泡
した際、気泡サイズが大きくなるため成形体の外観に及
ぼす影響が大きくなり、成形体の表面に凹凸等の外観不
良を生じやすいからである。
【0012】水分含有量を250ppm以下としたの
は、揮発性成分含有量が300〜2000ppmの範囲
に於いて、水分含有量150〜250ppmが材料発泡
の始まる臨界領域であり、材料発泡が生じたとしても気
泡サイズが小さく、また発泡の程度も小さく、外観への
影響が殆どない領域であるからである。成形体内部の発
泡の有無および発泡の程度は、成形体そのものの比重と
成形体から小片を切取り、該小片を温間下でプレス処理
(成形体を形成する材料のガラス転移温度より30〜5
0℃高い温度にてプレス処理する)して材料内部に気泡
がない状態にして測定した時の比重の比(以下相対比重
という)で表される。
【0013】本発明のシート熱成形体の相対比重を0.
95〜1.0としたのは、相対比重が0.95未満にな
ると発泡の程度が大きすぎて外観不良を起こすからであ
る。水分含有量が250ppm以下でも、揮発性成分含
有量が300ppm未満になると、材料が発泡した際、
気泡サイズが大きくなり、外観不良が生じる。揮発性成
分含有量も水分含有量も少ない領域に、発泡による外観
不良が生じやすい現象が存在することは特に注目されて
も良いことである。本発明でいうポリフェニレンエーテ
ル樹脂とは、一般式
【0014】
【化1】 (式中、R1 、R2 は同一または異なるアルキル基、ア
リール基、ハロゲン、水素等の1価の残基を示し、nは
重合度を表す)で示される重合体を表し、例えば銅、或
はマンガンの錯体の存在下に原料フェノールを酸素と反
応させることによって得られる。
【0015】具体例としては、ポリ(2,6−ジメチル
−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2,6−ジエ
チル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2,6−
ジクロル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2,
6−ジブロム−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ
(2−メチル−6−エチル−1,4−フェニレン)エー
テル、ポリ(2−クロル−6−メチル−1,4−フェニ
レン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−イソプロピル
−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2,6−ジ−
n−プロピル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ
(2−クロル−6−ブロム−1,4−フェニレン)エー
テル、ポリ(2−クロル−6−エチル−1,4−フェニ
レン)エーテル、ポリ(2−メチル−1,4−フェニレ
ン)エーテル、ポリ(2−クロル−1,4−フェニレ
ン)エーテル、ポリ(2−フェニル−1,4−フェニレ
ン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−フェニル−1,
4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−ブロム−6−フ
ェニル−1,4−フェニレン)エーテル等である。更
に、これら重合体は無水マレイン酸、スチレン系化合物
等で処理されたものが好ましい。又、これらポリフェニ
レンエーテルとゴム強化ポリスチレン、及びまたはポリ
アミド、ポリプロピレン、PET、PBT、PPS等か
らなるポリマーアロイが特に好ましい。
【0016】本発明でいうゴム強化ポリスチレンとは、
スチレン系重合体に補強成分して共役ジェン系ゴムを島
状に分散した状態で含む樹脂である。共役ジェン系ゴム
としてはポリブタジェン(ローシスポリブタジェン及び
ハイシスポリブタジェンを含む)スチレン−ブタジェン
共重合体ポリイソプレン、ブタジェン−イソプレン共重
合体、天然ゴム等であり、なかでも最も好ましいのはポ
リブタジェンである。
【0017】本発明の特に好ましいゴム強化ポリスチレ
ンは、熱安定性に優れる二重結合の10%以上が水素化
された共役ジェン系ゴムを含むゴム強化ポリスチレンで
ある。ポリフェニレンエーテル及びポリフェニレンエー
テルのスチレン系化合物とポリアミド、ポリオレフィ
ン、PET、PBT、PPS系樹脂等の非相溶性系のポ
リマーアロイには、相溶化剤が添加され、例えば官能基
として無水マレイン酸を導入したスチレン系樹脂や幹と
枝がお互いに相溶する系ポリマーからなるグラフトポリ
マー等が用いられる。
【0018】更に、上記樹脂組成物等に衝撃特性を向上
させる目的で、例えば共役ジェン、好ましくは二重結合
の20%以上が水素化された共役ジェンとスチレン系化
合物とのブロック共重合体、及びまたは相溶性を向上さ
せたカルボン酸またはその誘導体基を含有する分子単位
が結合した変性ブロック共重合体の熱可塑性エラマトマ
ーを添加させることもできるし、目的に応じて各種添加
剤、例えば難燃剤や可塑剤、安定剤また補強充填剤とし
てガラス繊維、炭素繊維、アスベスト、炭素カルシュウ
ム、タルク、雲母、酸化亜鉛等も添加できる。
【0019】難燃剤としては、リン系化合物、例えばリ
ン酸トリフェニル、オリゴー状の有機リン酸エステル、
ハロゲン系化合物、例えばデカブロモジフェニルオキサ
イド等が用いられる。安定剤としては、ホスファイト系
酸化防止剤、ヒンダードフェノール系酸化防止剤等が用
いられる。
【0020】本発明でいうシートとは、厚さ0.3mm
以上の板状の成形品を意味し、通常押出成形により得ら
れる。厚さ2〜5mmのシートが主に真空成形等の熱成
形用原板として用いられる。本発明でいうシート熱成形
体とは、シートを加熱軟化させた状態で何らかの外力を
加え、変形させたまま、冷却して得られた成形品を意味
し、例えば真空成形品、圧空成形品、プレス加工品、曲
げ加工品等をいう。
【0021】本発明のポリフェニレンエーテル樹脂シー
ト熱成形体を得るシートの加熱温度は、樹脂の組成によ
って異なるが、例えば、スチレン系のポリフェニレン樹
脂シートでは、シートの熱変形温度(ASTM−D64
8 試験片に加える曲げ応力18.5kg/cm 2 )よ
り40〜90℃高めの温度に設定されるのが良く、およ
そ160〜210℃である。
【0022】加熱形態、加熱条件によって多少異なるも
のの、上記温度域に於いて、美麗な外観(材料発泡によ
る外観不良がない)を有するポリフェニレンエーテル樹
脂シート成形体を得るには、揮発成分含有量が300〜
2000ppmの範囲にあり、且つ水分含有量が250
ppm以下のシート、好ましくは水分含有量が200p
pm以下、更に好ましくは150ppm以下のシートを
使用することが必要である。このような低い領域に発泡
による外観不良を起こさない水分含有量の臨界点が存在
することは特に注目される。
【0023】本発明分で使用されるポリフェニレンエー
テル樹脂シート中に含有される揮発性成分としては、ポ
リフェニレンエーテル中に含有されている重合溶媒、残
留モノマーおよびオリゴマー類、ゴム強化ポリスチレン
系重合体やポリアミドやポリオレフィン中に含有されて
いる残留モノマーおよびオリゴマー類、重合溶媒、特に
スチレン系重合が熱分解することによって生成する揮発
成分等であり、具体的にはスチレンモノマー、エチルベ
ンゼン、トルエン、キシレン、テトラヒドロフラン、ピ
リジン、スチレンダイマー、スチレントリマー等があ
る。このなかでも本発明の樹脂シート中に残留しやすい
揮発性成分としては、スチレンモノマー、エチルベンゼ
ン、キシレン、スチレンダイマー等がある。
【0024】より具体的にいえば、本発明でいう揮発性
成分は、樹脂成分をクロロホルムに溶解した溶液を用い
てガスクロマトグラフィー(検出器FID)にて測定し
たもので、スチレンモノマー、キシレン、エチルベンゼ
ン等の成分はカラム充填剤としてPEG−20M 25
%を用いて115℃で、スチレンダイマーおよびスチレ
ントリマーはカラム充填剤としてシリコンOV−17を
3%用いて各190℃、260℃にて測定できる。
【0025】スチレントリマー以前の保持時間の成分を
合計して樹脂シート中の総揮発性成分とする。これらの
揮発性成分の分子量は通常320以下である。本発明に
使用されるポリフェニレンエーテル樹脂シートの水分含
有量はカールフィッシャー法水分測定機によって測定で
きる。水分測定の際は、測定作業中にサンプルに水分が
付着しないように、またできるだけサンプルが吸湿しな
いように注意をして、測定を速やかに行うことが必要で
ある。
【0026】具体的には、23℃、50%RHの恒湿恒
温室内で、ニッパーとポリエチレン樹脂製実験袋等を用
いて、手の水分がシートに付着しないようにシートをペ
レット状に細かく切断して1〜3g程度の試料を速やか
に作成した後、窒素パージされたセルに挿入し、加熱し
て試料の水分をメタクレゾール等を用いて抽出する方法
である。
【0027】本発明でいう相対比重とは、成形体そのも
のの比重(成形体に塗装が施してある場合は塗装層を除
き、塗装の影響がない状態で測定した比重)を分子と
し、成形体から小片(5cm角程度)を切取り、該小片
を温間下でプレス処理(成形体を形成する材料のガラス
転移温度より40〜70℃高い温度にて100〜300
kg/cm 2 )の樹脂圧をかけてプレス処理する。塗装
層がある場合は、塗装層を削り取って処理する)して材
料内部に気泡がない状態にして測定した時の比重を分母
とした値を示し、成形体の発泡の程度を示すものであ
る。
【0028】例えば、値1.0は、成形体が発泡してい
ないことを示し、値が小さくなるにつれ、成形体の発泡
の程度が大きいことを示す。成形体、及び溶融処理した
成形体の比重は、通常の浮力を利用した測定によって求
められる。本発明のシートを製造する方法は、何ら限定
を受けるものではないが、好ましい方法は、シートを製
造する際、ベント付押出機にて、ベント部分を減圧にす
る方法である。更に好ましくは、ベント部分を2箇所な
いし3箇所所有する押出機を用いる。
【0029】ベント部分の減圧状態は、好ましくは、−
600mmHg、更に好ましくは−700mmHgより
高い減圧状態が良い。ベント部分での減圧レベルが低い
と揮発性成分の含有量が本発明の範囲を越える場合があ
るので注意する必要がある。ベント付押出機にて成形し
たシートのスクラップ、端材を何度も再生する際は揮発
性成分含有量が本発明を下回る場合があるので、成形す
るシートの揮発性成分含有量が本発明の範囲に入るよう
に再生率、再生回数を決定する必要がある。
【0030】製板直後はシートの水分含有量が少ないの
で、製板後は出来るだけ早く熱成形することが好まし
い。もし保存中に、シートの水分含有量が本発明の範囲
を越えた場合は、シートを熱成形する前にシートの水分
含有量が本発明の範囲に入るように前処理する必要があ
る。
【0031】処理方法としては、例えば、熱成形する前
に、シートの熱変形温度(ASTM−D648 試験片
に加える曲げ応力18.5kg/cm 2 )より20〜3
0℃低めの温度で12時間以上熱風で予備乾燥する方法
や段階的にシートを加熱できる機能を備えた熱成形機で
は、一旦、シートの熱変形温度近傍で予熱した後、本加
熱を行う方法等が挙げられる。
【0032】
【実施例】以下、実施例および比較例により本発明のポ
リフェニレンエーテル樹脂シート熱成形体を具体的に説
明する。
【0033】実施例1〜3、比較例1〜7 (1)商標サイロンX9653(PPEとスチレン系樹
脂のアロイ;熱変形温度120℃、旭化成工業(株)
製)を260℃の温度で溶融圧縮成形して、厚さ3m
m、400mm角のポリフェニレンエーテル樹脂平板を
作製した。 (2)同様にザイロンX9653を45mmベント付押
出機を用い、270℃の温度にて幅500mm、厚さ3
mmのポリフェニレンエーテル樹脂シートを成形した。
【0034】押出機のベント部は−700mmHgの減
圧状態で運転した。次いで、圧縮成形して得た平板を熱
処理せずに、また押出成形して得たシートは400mm
角の真空成形用の原板サイズに切断し、一方は熱処理を
せずに、他方は150℃で6時間と8時間真空乾燥を行
った後、マスキングフィルム(保護紙)を貼らずにその
ままの状態で、原板を23℃、50%RHの恒湿恒温室
に放置し、揮発性成分含有量と水分含有量の異なる経時
サンプルをとった。
【0035】次いで、経時サンプルの揮発性成分含有量
と水分含有量を測定すると共に真空成形機を用い、35
0℃設定の遠赤外線ヒーターにて両面輻射加熱を行い、
サンプルの表面温度が180℃になったら、サンプルを
速やかに真空成形して図1の成形体を得た。次いで得ら
れた成形体の比重を測定後、該成形体の内部発泡の有無
該成形体の外観を調べた。
【0036】尚、サンプルの加熱温度は、サーモラベル
−H(日油技研工業(株)製)を原板に貼り付け検出し
た。加熱温度180℃は該材料が良好に真空成形できる
粘度になる温度である。サンプルの揮発性成分含有量
は、樹脂成分をクロロホルムで溶解した後、ガスクロマ
トグラフィーを用い、揮発性成分を測定して算出した。
サンプルの水分測定は、京都電子製ADP351カール
フィッシャー水分計を用い、Method1(185℃
の温度条件)で行った。
【0037】相対比重はA/Bで求めた。 A:成形体の比重 B:成形体から5cm角程度の小片を切取り、該小片を
厚さ50μのポリイミドフィルムで挟み、200℃の温
度にて200kg/cmの樹脂圧をかけて5分間プレス
処理した後、測定した小片の比重 尚、比重は浮力を利用した方法にて測定した。
【0038】表1〜4に結果を示す。特に実施例2、3
および比較例2、6が示すように、揮発性成分含有量、
および水分含有量が本発明の範囲にあるポリフェニレン
エーテル樹脂シートから成るシート熱成形体は、外観が
良好であることがわかる。
【0039】
【表1】
【0040】
【表2】
【0041】
【表3】
【0042】
【表4】
【0043】
【発明の効果】本発明はポリフェニレンエーテル樹脂の
シート熱成形分野の用途を拡大するもので、特に真空成
形等における表面の発泡不良を改善した効果は大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例で真空成形にて得た成形体の断面図であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B29C 51/00 - 51/46 C08L 5/18 CEZ

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 揮発性成分含有量が300〜2000p
    pmであり、水分含有量が250ppm以下であるポリ
    フェニレンエーテル樹脂シートを熱成形した、相対比重
    0.95〜1の熱成形体。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の熱成形体に用いる揮発性
    成分含有量が300〜2000ppmであり、水分含有
    量が250ppm以下であるポリフェニレンエーテル樹
    脂シート。
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