JP3185510B2 - スピーカー装置 - Google Patents

スピーカー装置

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JP3185510B2
JP3185510B2 JP00146694A JP146694A JP3185510B2 JP 3185510 B2 JP3185510 B2 JP 3185510B2 JP 00146694 A JP00146694 A JP 00146694A JP 146694 A JP146694 A JP 146694A JP 3185510 B2 JP3185510 B2 JP 3185510B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、スピーカー装置に関
し、詳細には音響振動板と駆動用コイルであるボイスコ
イルが巻回されるボビンとを有するスピーカー装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】音響振動板と駆動用コイルが巻回される
ボイスコイルボビンよりなる、いわゆる動電型のスピー
カー装置は、駆動用コイルが磁石、磁性材料等よりなる
磁気回路に磁気的に接続され、一様な磁場中にある。こ
のため、駆動用コイルに音響電流が流れると、ボイスコ
イルボビンが振動し、この振動が音響振動板に伝達され
て音響信号に基づく再生音が出力される。
【0003】上記音響振動板としては、中低音域用の円
錐形状のコーン型、高音域用の半球状のドーム型等が一
般的である。そして、低音域用の音響振動板は主に紙、
高分子材料、アルミニウム等によって形成され、高音域
用の音響振動板は主に紙、高分子材料フィルム、布、金
属材料等によって形成される。これら音響振動板は、駆
動用コイル、ボイスコイルの巻回されるボイスコイルボ
ビンと接続されており、コーン型の音響振動板の場合、
音響振動板の円錐体の頂点を開口部とし、ここにボイス
コイルボビンが接着剤によって固着されている。一方、
ドーム型の音響振動板の場合、音響振動板の半球の開口
部に接着剤によってボイスコイルボビンが固着されてい
る。なお、ボイスコイルボビンは通常、紙、アルミニウ
ム等によって形成される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、動電型
のスピーカー装置においては、駆動用コイルに流れる音
響電流の変化によってボイスコイルボビンが振動し、こ
の振動が音響振動板に伝達される。このため、ボイスコ
イルボビンを形成する材料としては、軽量且つ高剛性で
ある材料が好ましい。通常、ボイスコイルボビンは、
紙、アルミニウム等によって形成されている。紙でボイ
スコイルボビンを形成した場合、紙のヤング率は1.5
〜2GPa程度であるので剛性が低く、振動を音響振動
板に十分に伝達することが困難である。一方、アルミニ
ウムでボイスコイルボビンを形成した場合、アルミニウ
ムの導電性により、ボイスコイルボビンに渦電流が発生
し、忠実な再生を妨げる。近年では、ボイスコイルボビ
ンの形成材料として高分子材料を使用することも提案さ
れているが、この場合も高分子材料自体の剛性が低いこ
とから、振動を音響振動板に十分に伝達することが困難
である。また、アルミニウム等の金属や高分子材料にお
いては共振鋭度Qが高く、十分な音響特性を得られな
い。
【0005】そこで、本発明は、従来の実情に鑑みて提
案されたものであり、軽量,高剛性であり、導電性が小
さく,共振鋭度Qの低いボビンを提供し、ボビンに発生
する音響振動板の駆動力が該音響振動板に十分に伝達さ
れ、ボビン形成材料特有の異常音が発生しにくく、低音
から高音域の広い領域において良好な音響特性を有し、
高忠実再生を可能とするスピーカー装置を提供すること
を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに本発明者等が鋭意検討した結果、上述したようなス
ピーカー装置の少なくともボビンを特開昭61−281
800号公報或いは米国特許4,742,164に示さ
れるような微生物による培養(いわゆる、バクテリア培
養)によって産出されるセルロースによって形成すれ
ば、上記ボビンは軽量,高剛性,導電性が小さく,共振
鋭度Qが低くなるため、低音から高音域の広い領域にお
いて良好な音響特性を有し、高忠実再生を可能とするス
ピーカー装置を形成することが可能であることを見出し
た。
【0007】すなわち、本発明に係るスピーカー装置
は、振動板部とボビン部を有する音響振動板と上記ボビ
ン部に巻回されるボイスコイル、上記ボイスコイルと対
向する位置に配される磁気回路よりなるスピーカー装置
において、上記振動板部と上記ボビン部とがバクテリア
培養によって産出されたセルロースにより一体的に成形
したものである。
【0008】また、本発明は、上記振動板部を、円錐状
に形成するとともに、上記振動板部の外壁に、紙、高分
子材料フィルム、カーボン繊維、芳香族ポリアミドから
なる繊維、マイカのうちの何れか一つからなる振動板材
料を積層したものである。
【0009】さらに、本発明は、上記振動板部を、半球
状に形成するとともに、上記振動板部の内壁に、金属材
料からなる振動板材料を積層したものである。
【0010】バクテリア培養により産出されたセルロー
スは、結晶性の高いα−セルロースで構成され、非常に
表面配向性が強いこと等から極めて高い強度を有する。
また、その太さは0.02〜0.04μmと極めて微細
なものとなる。なお、該セルロースのヤング率はその製
法によって異なるが、5〜20GPa以上のヤング率を
有し、その共振鋭度Qは紙と同程度である。
【0011】上記セルロースを産出する微生物として
は、酢酸菌が代表的であり、アセトバクター・アセチ
(Acetobacter aceti )、アセトバクター・キシリナム
(Acetobacter xylinum )、アセトバクター・ランセン
ス(Acetobacter rancens )、ザルチナ・ベントリクリ
(Sarcina ventriculi)、バクテリウム・キシロイジス
(Bacterium xyloides)、アセトバクター・パスツリア
ヌス(Acetobacter pasteurianus)、アグロバクテリウ
ム・ツメファシエンス(Agrobacterium tumefacien)等
が挙げられ、さらにはシュードモナス(Pseudomonas )
属、リゾビウム(Rhizobium )属等が挙げられる。これ
らの中でも、アセトバクター属、シュードモナス属、ア
グロバクテリウム属がより好ましい。なお、上記セルロ
ースは、培地と空気の界面にある程度の厚さをもったゲ
ル状物質として産出させる方法や、通気撹拌培養法等に
よって得られる。
【0012】
【作用】本発明は、振動板部とボビン部を有する音響振
動板と上記ボビン部に巻回されるボイスコイル、上記ボ
イスコイルと対向する位置に配される磁気回路よりなる
スピーカー装置において、上記振動板部とボビン部がバ
クテリア培養によって産出されたセルロースにより一体
的に成形されているため、異なる剛性を有する固着部分
がなく、またボビンとして機能するボビン部と音響振動
板として機能する振動板部が同一材料によって構成され
ていることから、ボビンに発生する振動が音響振動板に
一層正確に伝達される。
【0013】
【実施例】以下、本発明を適用した具体的な実施例につ
いて図面を参照しながら詳細に説明する。
【0014】まず、本発明の実施例の説明に先立って、
本発明に先行するスピーカー装置を説明する。
【0015】本発明に先行する第1の例のスピーカー装
置は、図1に示すように、コーン型の音響振動板を備え
ている。このスピーカー装置は、頂点が開口部1aとな
される円錐状の音響振動板1と、開口部1aに嵌合する
大きさの円筒体であるボイスコイルボビン3及びボイス
コイルボビン3上に巻回される駆動用コイルとしてのボ
イスコイル4、そしてボイスコイル4に対向する位置に
配される磁気回路2により構成される。
【0016】上記音響振動板1とボイスコイルボビン3
は、各固着部1b,3aにて接着剤等により固着されて
いる。また、ボイスコイル4は、磁気回路2と磁気的に
接続されており、一様な磁場中にあるため、ボイスコイ
ル4に音響信号に基づく電流が流れると、ボイスコイル
ボビン3が振動する。その結果、ボイスコイルボビン3
の振動が音響振動板1に伝達されて音響信号に基づく再
生音が出力される。
【0017】なお、音響振動板1の他端1cは固着部5
aによってエッジ5と固着され、該音響振動板1は上記
エッジ5を介し、固定状態の磁気回路2上に固定される
フレーム6に固着されている。そして、音響振動板1と
ボイスコイルボビン3の固着部分もしくはボイスコイル
ボビン3の上端部分と磁気回路2との間にダンパ7が設
けられている。従って、上記ダンパ7とエッジ5によ
り、音響振動板1とボイスコイルボビン3は、固定状態
となされる磁気回路2及びフレーム6に対して図1中上
下方向に振動可能に支持されている。
【0018】一方、磁気回路2は、図1中に示すよう
に、センターポール2bを有するヨーク2a,永久磁石
2c及びプレート2dにより構成される。そして、セン
ターポール2bの上端側を音響振動板1の開口部1a内
に配されるボイスコイルボビン3内に挿入し、センター
ポール2bとプレート2dとの間にボイスコイルボビン
3のボイスコイル4が巻回されている部分が挿入される
ようにしている。すなわち、前述したように、ボイスコ
イル4が磁気回路2の直流磁界中に位置することとな
る。
【0019】ボイスコイル4に音響信号に基づく交流電
流が供給されると、駆動力が発生し、ボイスコイルボビ
ン3が図1中上下方向に振動させられることとなる。
【0020】なお、プレート2dの上面には、フレーム
6の下端側が固着されて上述のようにフレーム6が磁気
回路2上に固定状態となされるとともに、フレーム6上
にダンパ7の一端が取り付けられており、上述のように
音響振動板1とボイスコイルボビン3が固定状態となさ
れる磁気回路2及びフレーム6に対して図1中上下方向
に振動可能に支持されている。このとき、フレーム6は
プレート2d上に接着またはネジ止め等の手法により取
り付けられている。
【0021】上記音響振動板1は、紙、高分子材料、ア
ルミニウム等により形成されている。特に、ボイスコイ
ルボビン3がバクテリア培養により産出されたセルロー
スによって形成されている。
【0022】バクテリア培養により産出されたセルロー
スは、結晶性の高いα−セルロースにより構成され、非
常に表面配向性が強いこと等から極めて高い強度を有す
る。また、その太さは0.02〜0.04μmと極めて
微細なものとなる。なお、該セルロースのヤング率はそ
の製法によって異なるが、5〜20GPa以上のヤング
率を有し、その共振鋭度Qは紙と同程度である。
【0023】上記セルロースを産出する微生物として
は、酢酸菌が代表的であり、アセトバクター・アセチ
(Acetobacter aceti )、アセトバクター・キシリナム
(Acetobacter xylinum )、アセトバクター・ランセン
ス(Acetobacter rancens )、ザルチナ・ベントリクリ
(Sarcina ventriculi)、バクテリウム・キシロイジス
(Bacterium xyloides)、アセトバクター・パスツリア
ヌス(Acetobacter pasteurianus)、アグロバクテリウ
ム・ツメファシエンス(Agrobacterium tumefacien)等
が挙げられ、さらにはシュードモナス(Pseudomonas )
属、リゾビウム(Rhizobium )属等が挙げられる。これ
らの中でも、アセトバクター属、シュードモナス属,ア
グロバクテリウム属がより好ましい。なお、上記セルロ
ースは、培地と空気の界面にある程度の厚さをもったゲ
ル状物質として産出させる方法や、通気撹拌培養法等に
よって得られる。
【0024】すなわち、本例のスピーカー装置は、使用
されるボイスコイルボビンが軽量且つ高剛性であり、そ
の共振鋭度Q、導電性が低くなる。従って、このスピー
カー装置は、ボイスコイルボビンに発生する振動が音響
振動板に十分に伝達され、ボビン形成材料特有の異常音
が発生しにくく、低音から高音域の広い領域において良
好な音響特性を有し、高忠実再生が可能となる。
【0025】ところで、上記のようなセルロースにより
形成されるボイスコイルボビン3は以下のようにして製
造される。先ず、バクテリアにより生成されたセルロー
スを、叩解もしくは離解された後に抄紙するために懸濁
液とする。そして、懸濁液状となったセルロースを抄紙
プロセスによりシート状の部材に抄紙する。この抄紙後
のシート状部材は水分を含んだ状態にあるので該シート
状部材に加熱されたプレス機によって乾燥及びプレスを
施す。そして、プレス乾燥されたシート状部材を適当な
大きさに切断し、ボビン素材とする。
【0026】次に、ボビン素材を円筒状の巻き治具に筒
状となるように巻き付ける。さらに、巻き治具に巻き付
けたボビン素材に接着剤が表面に塗布されたリード線を
巻き付ける。このとき、ボビン素材の合わせ部分は接着
剤等を用いて貼り合わされている。次に、これらを加熱
乾燥する。加熱することによってリード線の表面に塗布
されている接着剤が硬化してリード線同士が接着される
とともにボビン素材にリード線が付着する。そして、加
熱乾燥が終了した後、巻き治具を抜き取り、ボイスコイ
ルボビンが完成する。
【0027】次に、ドーム型の音響振動板を有するスピ
ーカー装置の例を、図2を参照して説明する。このスピ
ーカー装置は、主に、半円状の音響振動板11と、音響
振動板11の開口部11aに嵌合する大きさの円筒体で
あるボイスコイルボビン13およびボイスコイルボビン
13上に巻回される駆動用コイルとしてのボイスコイル
14より構成される。上記音響振動板11とボイスコイ
ルボビン13は、各固着部11b,13aにて接着剤等
により固着されている。なお、該スピーカー装置の動作
状態については前述した例と同様であり、ボイスコイル
14に流れる音響信号に基づく電流の変化によって、ボ
イスコイルボビン13が振動する。そして、上記ボイス
コイルボビン13で発生した振動が音響振動板11に伝
達されて音響信号に基づく再生音が出力される。
【0028】また、音響振動板11は固着部11bの背
面にあたる固着面11cにおいてダンパ15と固着部1
5aにて固着されている。さらに、ダンパ15はスピー
カー装置の図示しない固定部に固着され、音響振動板1
1とボイスコイルボビン13が図中上下方向に振動可能
となされている。
【0029】このとき、音響振動板11は、紙,高分子
材料フィルム、布、金属材料等により形成されている。
そして、ボイスコイルボビン13は、前述した例のもの
と同様に、バクテリア培養により産出されたセルロース
によって形成される。
【0030】そこで、上述した各例のスピーカー装置の
効果を確認すべく、以下のような実験を行った。すなわ
ち、ボイスコイルボビンを、上述のようなバクテリア培
養により産出されたセルロースによって成形してその特
性を評価したところ、該成形物のヤング率は10GPa
程度であり、通常のボイスコイルボビンに使用される紙
の成形物のヤング率の5倍程度であった。また、共振鋭
度Qは30であり、通常のボイスコイルボビンに使用さ
れるアルミニウムの1/10程度であった。従って、上
述した例のスピーカー装置は、通常の紙よりなるボイス
コイルボビンよりも高剛性で且つアルミニウムよりなる
ボイスコイルボビンよりも共振鋭度Qが低いボイスコイ
ルボビンを用いていることから、低音領域から高音領域
の広い領域において良好な音響特性を有し、高忠実再生
性を有することが確認された。
【0031】ところで、近年ではスピーカー装置の忠実
再生性の更なる向上が望まれている。上述した図1及び
図2に示すような音響振動板とボイスコイルボビンを接
着剤で固着したスピーカー装置においては、音響振動板
及びボイスコイルボビンと接着剤の剛性が著しく異な
る。そして、この固着部分を介してボイスコイルボビン
の振動が音響振動板に伝達することから、振動を正確に
音響振動板に伝達できない可能性があり、忠実再生性の
向上には限界が生じる。
【0032】そこで、音響振動板とボイスコイルボビン
を一体成形してなるスピーカー装置が提案されており、
紙、金属材料、高分子材料を用い、このような構成のス
ピーカー装置が作製されている。紙を用いた場合におい
ては、剛性が低く、金属材料、高分子材料においては、
共振鋭度Qが高く、十分な音響特性を得ることが難し
い。また、金属材料,高分子材料においては、それぞれ
前述したようなボイスコイルボビンのみを形成した場合
と同様の問題も生じる。
【0033】本発明は、このような音響振動板とボイス
コイルボビンを一体成形してなるスピーカー装置の問題
点を解消したスピーカー装置を提供するものである。
【0034】実施例1 本発明に係るスピーカー装置の実施例1を図3を参照し
て説明する。本実施例のスピーカー装置は、主に円錐体
の頂点を開口部としてこれを円筒状に延長した形状の音
響振動板21と該音響振動板21の一部である円筒部2
1aに巻回される駆動用コイルとしてのボイスコイル2
3によって構成される。
【0035】なお、本発明に係るスピーカー装置の動作
状態も前述した図1に示すものと同様であり、ボイスコ
イル23に流れる音響信号に基づく電流の変化によっ
て、ボイスコイルボビン部にあたる円筒部21aが振動
する。そして、上記円筒部21aで発生した振動が音響
振動板部にあたる振動板部21bに伝達されて音響信号
に基づく再生音が出力される。
【0036】また、本実施例のスピーカー装置も、前述
した図1に示すものと同様に、音響振動板21の他端が
固着部21cにおいてエッジ25の固着部25aと接着
剤等により固着され、エッジ25を介して図示しないフ
レームに固着されており、ボイスコイルボビン部にあた
る円筒部21aと音響振動板部にあたる振動板部21b
よりなる音響振動板21が図3中上下方向に振動可能と
なされている。
【0037】そして、本実施例においては、特に、円筒
部21a及び振動板部21bより構成される音響振動板
21が、前述したバクテリア培養により産出されるセル
ロースによって一体的に形成されている。このように、
上記セルロースによって振動板部21bと円筒部21a
とを一体成形すると、音響振動板部にあたる振動板部2
1bとボイスコイルボビン部にあたる円筒部21aとの
間に著しく剛性の異なる箇所がないため、円筒部21a
に発生する振動をさらに正確に振動板部21bに伝達す
ることができる。従って、本実施例のスピーカー装置に
おいては、忠実再生性が更に向上される。
【0038】実施例2 実施例1で述べたようなスピーカー装置は、ドーム型の
音響振動板を用いたスピーカー装置においても適用可能
であり、本実施例のスピーカー装置を図4に示す。本実
施例のスピーカー装置は、主に半球体の開口部を円筒状
に延長した形状の音響振動板31と該音響振動板31の
一部でありボイスコイルボビン部に相当する円筒部31
aに巻回される駆動用コイルとしてのボイスコイル33
によって構成される。なお、本実施例のスピーカー装置
の動作状態も、前述した図1に示すスピーカー装置と同
様である。
【0039】また、本実施例のスピーカー装置において
も、前述した図1に示すものと同様に、音響振動板31
は、その側面である固着部31cがダンパ35の固着部
35aと接着剤等により固着され、且つダンパ35を介
してスピーカー装置の図示しない固定部に固着され、本
実施例においても図1に示すスピーカー装置と同様にボ
イスコイルボビン部と音響振動板部を有する音響振動板
31が図中上下方向に振動可能となされている。
【0040】そしてこのとき、本実施例においても、音
響振動板31はバクテリア培養により産出されるセルロ
ースによって形成されており、実施例1のスピーカー装
置と同様の効果を有する。なお、このようにセルロース
にて音響振動板の一部がボイスコイルボビンとなされ、
これらが一体成形されてなるドーム型の音響振動板を有
するスピーカー装置は高音域用スピーカー装置として好
適である。
【0041】ところで、上記のようなセルロースによっ
て形成される音響振動板の一部がボイスコイルボビンと
されている音響振動板は以下のようにして形成される。
バクテリアにより産出されたセルロースをシート状部材
とするまでは、前述した図1に示すスピーカー装置の例
で述べたボイスコイルボビンの製造方法と同じであるの
で、その後の工程について説明する。なお、以下に述べ
る製造方法は、実施例1で述べたコーン型或いは実施例
2で述べたドーム型の音響振動板の何れにも適用可能で
ある。
【0042】先ず、上記シート状部材をキャリア上に載
置してコーン型もしくはドーム型の凹凸形状の一対の合
わせ型のキャビティー間に挿入し、合わせ型によってプ
レス及び加熱する。このとき、凹凸形状の一対の合わせ
型の凹状の型を排水性の良好な部材を用いて形成してお
き、プレスによる排水と同時に真空ポンプにより吸引を
行ってシート状部材を型に沿って成形し、音響振動板素
材を形成する。そして、上記凹凸形状の一対の合わせ型
は、コーン状もしくはドーム状の音響振動板部となる部
分とボイスコイルボビン部となる部分を一体的に成形で
きるように図3及び図4に示されているその一部がボイ
スコイルボビン部とされている音響振動板の断面形状に
沿った形状となっている。
【0043】次に、このようにして凹凸形状の一対の合
わせ型によって成形された音響振動板素材のボイスコイ
ルボビン部となる部分に実施例1と同様にボイスコイル
を巻回するが、ボイスコイルボビン部となる部分の底の
部分は未だ塞がれた状態にあるので、この底の部分を切
削して開口を形成し、巻き治具の挿入が可能なようにす
る。そして、実施例1で述べたボイスコイルボビンの製
造方法と同様にして巻き治具を開口より挿入する。以
下、図1に示すスピーカー装置の例で述べたボイスコイ
ルボビンの製造方法と同様にしてリード線を音響振動板
素材のボイスコイルボビン部となる部分に巻き付ける。
その結果、図3及び図4に示すような、その一部がボイ
スコイルボビンとして機能する音響振動板が形成され
る。
【0044】実施例3、4 上述した実施例1、2においては、音響振動板が単層で
ある場合について述べてきたが、中低音用のスピーカー
装置のように厚さの厚い音響振動板を必要する場合に用
いられる多層構造の音響振動板を用いたスピーカー装置
の実施例についても述べる。なお、本実施例において
は、音響振動板がコーン型であるスピーカー装置の実施
例について述べる。
【0045】実施例3、4のスピーカー装置を、それぞ
れ図5及び図6に示す。実施例3、4のスピーカー装置
は、いずれにおいても、主に、円錐体の頂点を開口部と
してこれを円筒状に延長した形状の音響振動板41と該
音響振動板41の一部である円筒部41aに巻回される
ボイスコイル43によって構成される。なお、該スピー
カー装置における動作状態は、前述した図1に示すスピ
ーカー装置と同様である。
【0046】図5に示す実施例3においては、特に、音
響振動板41の音響振動板として機能する円錐状の振動
板41bの外壁に第2の振動板材料46が積層形成され
ている。一方、図6に示す実施例4においては、特に、
音響振動板41の音響振動板として機能する振動板部4
1bの内壁に第2の振動板材料46が積層形成されてい
る。
【0047】このとき、実施例3及び実施例4におい
て、上記音響振動板41はバクテリアにより産出された
セルロースにより形成される。また、実施例3及び実施
例4における上記第2の振動板材料46は、紙、高分子
材料フィルム、カーボン繊維、芳香族ポリアミド等の高
強度繊維、マイカ等の一般に振動板材料として用いられ
ているものであれば何れでも良い。さらに、上記振動板
材料の内、紙はバクテリアにより産出されるセルロース
との接着性が良いため好ましい。
【0048】なお、実施例3のスピーカー装置も、前述
した図1に示すスピーカー装置と同様に、音響振動板4
1の振動板部41bの内壁にエッジ45が固着され、且
つ図示しないフレームにエッジ45が固着されている。
一方の実施例4のスピーカー装置も、前述した図1に示
すスピーカー装置と同様に、音響振動板41の振動板部
41b上の第2の振動板材料46上にエッジ45が固着
され、且つ図示しないフレームにエッジ45が固着され
ている。その結果、実施例3及び実施例4においても、
前述した図1に示すスピーカー装置と同様に、音響振動
板41が図中上下方向に振動可能なように支持されてい
る。
【0049】本実施例のスピーカー装置は、第2の振動
板材料46を音響振動板41の振動板部41bの内壁或
いは外壁上に設けることによって音響振動板41の音響
振動板として機能する振動板部41bの厚さを増加させ
ているため、前述のように中低音用のスピーカー装置と
して好適である。これは、特に中低音用のスピーカー装
置の場合には音響振動板の厚さの3乗に比例してスピー
カー装置の周波数特性の高域部分が伸び、該中低音用の
スピーカー装置においては厚さの厚い音響振動板が要求
されるためである。
【0050】さらに、本実施例のスピーカー装置におい
ては、単に第2の振動板材料46によって音響振動板4
1の振動板部41bの厚さを増加させているだけでな
く、音響振動板41の材料としてバクテリアにより産出
されたセルロースを使用しているため、周波数特性の高
域部分を更に延ばすことができ、特性が更に向上され
る。
【0051】ところで、上記のように音響振動板41の
内壁或いは外壁に紙よりなる第2の振動板材料46を積
層形成する方法としては、前述のような接着剤を使用す
る方法の他に、抄紙プロセスを用いて行う方法が挙げら
れる。なお、ここでは、第2の振動板材料46を音響振
動板41の外壁に形成する場合について述べる。
【0052】上記のように抄紙プロセスを用いて第2の
振動板材料46を積層形成する場合には、先ず1回目の
抄紙プロセスによって紙からなる第2の振動板材料46
を図5に示したようなコーン形状に抄紙する。その後、
第2の振動板材料46をもう少し深い型に移して第2の
振動板材料46上にバクテリアにより産出されたセルロ
ースからなる音響振動板41を抄紙する。このように2
回抄紙を行うことによって音響振動板41の振動板部4
1bと第2の振動板材料46とが水素結合により結合さ
れ、音響振動板41の外壁に第2の振動板材料46が積
層形成される。
【0053】そして、上記抄紙プロセスによれば、セル
ロースのみにより音響振動板部の厚さの厚い音響振動板
41を形成することも考えられるが、抄紙に長時間を要
する等の理由から適切ではない。
【0054】また、第2の振動板材料46に要求される
特性としては、縦波伝播速度が速く、且つ共振鋭度Qの
低いことが挙げられるため、第2の振動板材料としては
上記のような材料が挙げられるが、本実施例のように、
第2の振動板材料46として紙を用いることは、コスト
の面及び水素結合による音響振動板41との接合が可能
である点から、先に挙げた高強度繊維,マイカ等を用い
ることよりも好ましく、中低音用のスピーカー装置の特
性をより改善できる。
【0055】実施例5、6 次に、音響振動板がドーム型であるスピーカー装置の実
施例について述べる。実施例5及び実施例6のスピーカ
ー装置をそれぞれ図7及び図8に示す。実施例5、6の
スピーカー装置はいずれにおいても、主に、半球体の開
口部を円筒状に延長した形状の音響振動板51と該音響
振動板51の一部である円筒部51aに巻回される駆動
用コイルとしてのボイスコイル53によって構成され
る。なお、該スピーカー装置における動作状態は実施例
1に述べたものと同様である。
【0056】そして、図7に示す実施例5においては、
音響振動板51の音響振動板として機能する半球状の振
動板部51bの内壁に第2の振動板材料56が積層形成
されている。一方、図8に示す実施例6においては、音
響振動板51の音響振動板として機能する振動板部51
bの外壁に第2の振動板材料56が積層形成されてい
る。
【0057】このとき、実施例5及び実施例6において
は、上記音響振動板51はバクテリアにより産出される
セルロースにより形成される。また、実施例5、6にお
ける上記第2の振動板材料56を構成する材料として
は、ドーム型の音響振動板が比較的高音域用のスピーカ
ー装置に適していることからTi,Al等の金属材料を
用いることが好ましい。
【0058】なお、本実施例のスピーカー装置も、図2
に示すスピーカー装置と同様に、音響振動板51にダン
パ55が固着され、図示しないスピーカ装置の固定部に
ダンパ55が固着されている。その結果、実施例5及び
実施例6においても、図1に示すスピーカー装置と同様
に、音響振動板51が図中上下方向に振動可能なように
支持されている。
【0059】従って、本実施例のスピーカー装置におい
ては、第2の振動板材料56として金属材料を用いてい
ることから、周波数特性の高域を伸ばすことができる。
また、本実施例のスピーカー装置においては、音響振動
板51をバクテリアにより産出されるセルロースによっ
て形成していることから、第2の振動板材料56の金属
材料によって周波数特性の高域部分に発生する鋭いピー
クを下げることができる。
【0060】そして、本実施例のスピーカー装置をツイ
ータとして用いた場合には、応答性のよいスピーカー装
置を実現することができる。これは音響振動板51自体
の重量が軽いため、他の振動板材料を用いた場合に比べ
て入力信号に対して立ち上がりがはやく、入力信号が途
絶えた際の減衰振動時には、音響振動板51を構成する
バクテリアの産出によるセルロース自身の共振鋭度Qが
低いことから、すばやく振動が減衰するためである。
【0061】上述のように、音響振動板51の内壁或い
は外壁に金属よりなる第2の振動板材料56を取り付け
る方法としては、上述のように接着剤を使用する方法の
他、スパッタリング等を用いた方法が挙げられる。
【0062】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明は、振動板部とボビン部を有する音響振動板と上記ボ
ビン部に巻回されるボイスコイル、上記ボイスコイルと
対向する位置に配される磁気回路よりなるスピーカー装
置において、上記振動板部とボビン部がバクテリア培養
によって産出されたセルロースにより一体的に成形され
ているため、異なる剛性を有する固着部分がなく、また
ボビンとして機能するボビン部と音響振動板として機能
する振動板部が同一材料によって構成されていることか
ら、ボビン部に発生する振動を振動板部にさらに正確に
伝達することが可能であり、忠実再生性が更に向上され
る。
【0063】さらにまた、本発明においては、上記のよ
うなスピーカー装置において、振動板部に第2の振動板
材料が積層されても良く、厚さの厚い音響振動板を必要
とする中低音領域に適したスピーカー装置を形成するこ
とも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に先行するコーン型の音響振動板を有す
るスピーカー装置の一例を示す要部概略断面図である。
【図2】本発明に先行するドーム型の音響振動板を有す
るスピーカー装置の一例の音響振動板近傍を示す要部概
略断面図である。
【図3】本発明を適用したコーン型の音響振動板を有す
るスピーカー装置の音響振動板近傍を示す要部概略断面
図である。
【図4】本発明を適用したドーム型の音響振動板を有す
るスピーカー装置の音響振動板近傍を示す要部概略断面
図である。
【図5】本発明を適用したコーン型の音響振動板を有す
るスピーカー装置の他の実施例の音響振動板近傍を示す
要部概略断面図である。
【図6】本発明を適用したコーン型の音響振動板を有す
るスピーカー装置のさらに他の実施例の音響振動板近傍
を示す要部概略断面図である。
【図7】本発明を適用したドーム型の音響振動板を有す
るスピーカー装置のさらに他の実施例の音響振動板近傍
を示す要部概略断面図である。
【図8】本発明を適用したドーム型の音響振動板を有す
るスピーカー装置のさらに他の実施例の音響振動板近傍
を示す要部概略断面図である。
【符号の説明】
2 磁気回路、 6 フレーム、 21,31,41,
51 音響振動板、13 ボイスコイルボビン、 2
3,33,43,53 ボイスコイル、 25,45
エッジ、 35,55 ダンパ、 21a,31a,4
1a,51a円筒部、 21b,41b,51b 振動
板部、 46,56 第2の振動板材料
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04R 9/04 104 C12S 3/08 D21C 5/00 H04R 7/02

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 振動板部とボビン部を有する音響振動板
    と上記ボビン部に巻回されるボイスコイル、上記ボイス
    コイルと対向する位置に配される磁気回路よりなるスピ
    ーカー装置において、 上記振動板部と上記ボビン部とがバクテリア培養によっ
    て産出されたセルロースにより一体的に成形されている
    ことを特徴とするスピーカー装置。
  2. 【請求項2】 上記振動板部は、円錐状に形成されてい
    るとともに、上記振動板部の外壁に、紙、高分子材料フ
    ィルム、カーボン繊維、芳香族ポリアミドからなる繊
    維、マイカのうちの何れか一つからなる振動板材料が積
    層されていることを特徴とする請求項1記載のスピーカ
    ー装置。
  3. 【請求項3】 上記振動板部は、半球状に形成されてい
    るとともに、上記振動板部の内壁に、金属材料からなる
    振動板材料が積層されていることを特徴とする請求項1
    記載のスピーカー装置。
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