JP3185215U - レンズズレによる見え方の違いを体感する眼鏡 - Google Patents
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Abstract
【課題】眼鏡技術者及び眼鏡使用者が、レンズの位置及び角度のズレによる見え方の違いを体感することができ、使用者に適合した正しい眼鏡を選択する際に役立つ眼鏡を提供する。
【解決手段】メインフレーム41に一対のテンプル31,32と鼻当て51,52を配備した眼鏡において、左右方向にロッド状に延び、中央部が軸周りに回動可能にメインフレーム41に支持されたサブフレーム71と、サブフレーム71上へ移動可能に支持された左右の移動片81,82と、外側部が目尻に接近または離間するように、サブフレーム71と直交する軸線周りに回動可能に各移動片81,82に支持される一対のレンズ21,22とを具え、レンズ間距離、前傾角、反り角を変更可能とした。
【選択図】図3
【解決手段】メインフレーム41に一対のテンプル31,32と鼻当て51,52を配備した眼鏡において、左右方向にロッド状に延び、中央部が軸周りに回動可能にメインフレーム41に支持されたサブフレーム71と、サブフレーム71上へ移動可能に支持された左右の移動片81,82と、外側部が目尻に接近または離間するように、サブフレーム71と直交する軸線周りに回動可能に各移動片81,82に支持される一対のレンズ21,22とを具え、レンズ間距離、前傾角、反り角を変更可能とした。
【選択図】図3
Description
本考案は、レンズの位置や角度のズレによる、見え方の違いを体感できる眼鏡に関する。
眼鏡の作成と選択にあたっては、被験者に検査用の眼鏡を装着して、見え方の違いを体感させている。従来の検査用の眼鏡では、眼鏡技術者が、機器による測定の結果を参照して、レンズを調整しながら、視力に合わせた度数や、乱視に合わせた角度を選択するようになっている。例えば、特許文献1には、累進焦点レンズの体感・調整を行う眼鏡が提案されている。
上述の従来技術を始めとして、従来の眼鏡の調整は、レンズの前記度数の調整が行われるのみであり、眼鏡の使用者は、レンズの位置や角度(仰角や反り角)が、どの方向にどれだけズレたら、像はどのように見えるかと言う、見え方の違いを具体的に理解する機会の無いのが実状である。また、使用者に眼鏡を販売・調整する眼鏡技術者にとっても、前記見え方の違いを詳しく体感できる機会が無く、そのような機会があれば、前記販売・調整時に、より適合した眼鏡の選択や調整のアドバイスを行うことができ、好適である。
本考案の目的は、眼鏡技術者及び眼鏡使用者にとって、レンズの位置及び角度のズレによる見え方の違いを体感することができ、使用者に適合した正しい眼鏡を選択する際に役立つ眼鏡を提供することである。
本考案の眼鏡は、
左右一対のテンプルと、
前記左右一対のテンプル間を、その前端側で連結するメインフレームと、
前記メインフレームの中央部に設けられる鼻当てと、
左右方向に延びるロッド状に形成され、軸周りに回動可能に、その中央部が前記メインフレームに支持されるサブフレームと、
前記サブフレーム上を移動可能な左右一対の移動片と、
外側部が目尻に接近又は離間するように、前記サブフレームと直交する軸線回りに回動可能に前記各移動片に支持される一対のレンズとを具え、
レンズの位置と角度のズレによって見え方の違いを体感できる、
ものである。
左右一対のテンプルと、
前記左右一対のテンプル間を、その前端側で連結するメインフレームと、
前記メインフレームの中央部に設けられる鼻当てと、
左右方向に延びるロッド状に形成され、軸周りに回動可能に、その中央部が前記メインフレームに支持されるサブフレームと、
前記サブフレーム上を移動可能な左右一対の移動片と、
外側部が目尻に接近又は離間するように、前記サブフレームと直交する軸線回りに回動可能に前記各移動片に支持される一対のレンズとを具え、
レンズの位置と角度のズレによって見え方の違いを体感できる、
ものである。
本考案の眼鏡によれば、サブフレーム上の移動片の移動によって、左右一対のレンズ間距離、すなわち瞳孔間距離の調整が可能になり、前記サブフレームの回動によって、左右一対のレンズの水平面に対する角度、すなわち前傾角調整が可能になり、前記移動片に対するレンズの回動によって、前記レンズの外側部が目尻に接近又は離間するように傾かせることができ、反り角調整が可能になる。
したがって、このような体感眼鏡を被験者が装着することで、レンズの位置と角度のズレによる見え方の違いを体感することができる。
図1は本考案の一実施形態に係る体感眼鏡(10)を上方から見た斜視図であり、図2は下方から見た斜視図であり、図3及び図4はこの体感眼鏡(10)の操作を説明するそれぞれ斜視図及び縦断面図である。図4は、図1のIV−IV線に沿って切断し、矢視方向に視ている。この体感眼鏡(10)は、被験者が装着することで、レンズ(21)(22)の位置と角度のズレによる見え方の違いを前記被験者に体感させるものであり、例えば、眼鏡の作成などに際して、被験者には、レンズ(21)(22)が、どの位置で、どの角度にある状態が、自身に最も適合した状態にあるのか等を体感させられ、また眼鏡技術者にとっては、装着経験が、より適合した眼鏡の選択や調整のアドバイスを行うのに役立つものである。
この体感眼鏡(10)は、メインフレーム(41)と、前記メインフレーム(41)の両端に枢支された左右一対のテンプル(31)(32)と、前記メインフレーム(41)の中央から下向きに突出した左右一対の鼻当て(51)(52)と、前記メインフレーム(41)と平行に配備されたサブフレーム(71)と、前記サブフレーム(71)上を摺動可能に配備された左右一対の移動片(81)(82)と、前記移動片(81)(82)に枢支された左右一対の前記レンズ(21)(22)とを具えて構成される。
前記左右一対のテンプル(31)(32)は、その前端側が、蝶番(33)(34)を介してメインフレーム(41)に回動可能に連結されている。前記メインフレーム(41)の中央部からは、前記左右一対の鼻当て(51)(52)が垂下して設けられている。これらのテンプル(31)(32)と、メインフレーム(41)と、鼻当て(51)(52)とによって、該体感眼鏡(10)は被験者の顔面に装着可能となっており、これらの構造は、所謂、ナイロール眼鏡のレンズが取付けられていない状態に近い構造となっている。
前記メインフレーム(41)の中央部からは垂下片(42)が突設されており、その垂下片(42)の下端部において、後方(後述の被験者(1)の顔面側)には左右一対の分岐片(43)(44)が形成されており、その分岐片(43)(44)に前記鼻当て(51)(52)におけるクリングスの一端がそれぞれろう付けされる。
前記垂下片(42)の下端部において、前方(外方側)には、第1の蝶番(61)が取付けられている。この第1の蝶番(61)は、図4で拡大して示すように、一対の揺動部材(62)(63)の一端がピン(64)によって枢支されて構成されている。前記ピン(64)はメインフレーム(41)と平行な左右方向の軸線周りに回動可能となっており、一方の揺動部材(62)が前記垂下片(42)の下端部に取付けられ、他方の揺動部材(63)には立上げ片(65)を介して前記サブフレーム(71)が取付けられる。こうして、立上げ片(65)を介してサブフレーム(71)及びサブフレーム(71)によって支持されるレンズ(21)(22)は起伏可能となっている。以下の説明では、第1の蝶番(61)が回動しておらず、前記立上げ片(65)が垂直な状態、すなわちサブフレーム(71)を持上げている状態を閉じた状態と言い、回動して前記立上げ片(65)が前傾した状態、すなわちサブフレーム(71)を降ろした状態を開いた状態と言う。
前記サブフレーム(71)は、左右方向に延びるロッド状に形成され、その中央部が前記立上げ片(65)に取付けられる。前記ロッド状のサブフレーム(71)には、左右一対の移動片(81)(82)が移動可能に設けられている。本実施形態では、前記サブフレーム(71)は角柱状に形成され、前記移動片(81)(82)はその角柱に被せられる角筒状に形成されて、該移動片(81)(82)がサブフレーム(71)上を摺動可能であるとともに、該移動片(81)(82)のサブフレーム(71)の軸回りの相対的な回転は阻止されている。前記の回転止め構造としては、前記移動片(81)(82)の軸方向に長孔を形成し、その長孔にサブフレーム(71)から突出したピンが嵌合するなど、他の構造が採用されてもよい。
上記の構造によって、左右一対の移動片(81)(82)は、立上げ片(65)から、左右方向に相互に接近・離間変位可能となっており、サブフレーム(71)の端部付近には、抜止め用ピン(73)(74)が立設されている。
前記左右一対の移動片(81)(82)の下面には、第2の蝶番(91)(92)がそれぞれろう付けされている。その第2の蝶番(91)(92)には、前記レンズ(21)(22)を保持するリム(23)(24)の上辺において、立上げ片(65)側の端部がろう付けされている。前記リム(23)(24)の上辺において、外方寄りの端部には、前記第1及び第2の蝶番(61)(91)(92)によるサブフレーム(71)の回動と、該リム(23)(24)の回動と、移動片(81)(82)の摺動を補助する把持片(25)(26)を突設している。
図3乃至図6はこの体感眼鏡(10)の操作を説明する図であり、これらの図面を参照して、上述のように構成される体感眼鏡(10)を被験者(1)の顔面に装着して行なう使用例を説明する。先ず、前記把持片(25)(26)が操作されて、サブフレーム(71)上で移動片(81)(82)を摺動させることで、左右一対のレンズ(21)(22)間の距離、すなわち瞳孔に合わせたレンズ(21)(22)のアイライン調整が可能になる。図3及び図5では、矢符F1で示すように、左眼用レンズ(21)を、一杯に(移動片(81)がピン(73)に当接する最大ストロークに)引き出した状態を示している。したがって、被験者(1)の頭部における左右方向の中央を通る中心線L0に対して、左側のレンズ(21)の中心線L1までの距離D1は、右側のレンズ(22)の中心線L2までの距離D2よりも大きくなっている。これによって、左眼の像にボケを生じる(ピントが合わなくなる)。
また、前記把持片(25)(26)を把持して、レンズ(21)(22)を左右方向の軸線周りに回動させる(具体的には被験者(1)の前方(外側)へ押し倒す)と、図1、図2及び図4の実線で示す第1の蝶番(61)が閉じた状態から、図3及び図4の仮想線で示す第1の蝶番(61)が開いた状態となり、前記左右一対のレンズ(21)(22)の水平面に対する角度、すなわち前傾角の調整が可能になる。図3、図4及び図6は、矢符F2で示すように、レンズ(21)(22)を前傾させた状態を示している(図3は極端に水平近くまで)。図6では、被験者(1)の頭部における中心線(水平線)L10に対して、レンズ(21)(22)の中心線L1,L2は、角度αで前傾している。これによって、像は上下に縮んで見える。
さらに、前記把持片(25)(26)を把持して、被験者(1)の後方(顔側)へ引くと、各レンズ(21)(22)は第2の蝶番(91)(92)を中心として回動し、左右一対のレンズ(21)(22)の外側部を目尻に接近するように、個別に傾かせることができ、反り角調整が可能になる。図3及び図5は、2枚のレンズ(21)(22)の内、左眼用レンズ(21)の外側部を、矢符F3で示すように、目尻に接近させた状態を示している。図5では、前記中心線L0と平行な線L01,L02に対して、右側のレンズ(22)の中心線L2は、角度β2で若干内傾しているのに対して、左側のレンズ(21)の中心線L1は、角度β1で外傾して(反って)いる。これによって、左眼の像が外側に見え、距離感が得難くなる。
したがって、上述のような体感眼鏡(10)を被験者(1)が装着することで、レンズ(21)(22)の位置と角度のズレによる見え方の違いを、前記被験者(1)に体感させることができる。これによって、眼鏡を購入しようとする使用者は、眼鏡技術者に、自身での見え方や調整の方向性をより正確に伝えることができ、また眼鏡技術者は、前記使用者からの意見をより正確に理解し、眼鏡の選択や調整のアドバイスを行うことができる。こうして、被験者に、より適合した正しい眼鏡を選択する機会を与えることができる。
なお、上述の実施形態では、レンズ(21)(22)を左右方向の軸線周りに回動させるために、垂下片(42)、第1の蝶番(61)及び立上げ片(65)を設けているが、前記テンプル(31)(32)の長さ、すなわちメインフレーム(41)と被験者(1)の顔面との距離を適宜設定し、前記メインフレーム(41)の上下方向の湾曲形状、すなわちレンズ(21)(22)の高さ位置を適宜設定することで、垂下片(42)及び立上げ片(65)に代えて、メインフレーム(41)に、直接、前記サブフレーム(71)を回動自在に取付けてもよい。
(1) 被験者
(10) 体感眼鏡
(21)(22) レンズ
(23)(24) リム
(31)(32) テンプル
(41) メインフレーム
(42) 垂下片
(51)(52) 鼻当て
(61) 第1の蝶番
(65) 立上げ片
(71) サブフレーム
(81)(82) 移動片
(91)(92) 第2の蝶番
(10) 体感眼鏡
(21)(22) レンズ
(23)(24) リム
(31)(32) テンプル
(41) メインフレーム
(42) 垂下片
(51)(52) 鼻当て
(61) 第1の蝶番
(65) 立上げ片
(71) サブフレーム
(81)(82) 移動片
(91)(92) 第2の蝶番
Claims (5)
- 左右一対のテンプルと、
前記左右一対のテンプル間を、その前端側で連結するメインフレームと、
前記メインフレームの中央部に設けられる鼻当てと、
左右方向に延びるロッド状に形成され、軸周りに回動可能に、その中央部が前記メインフレームに支持されるサブフレームと、
前記サブフレーム上を移動可能な左右一対の移動片と、
外側部が目尻に接近又は離間するように、前記サブフレームと直交する軸線回りに回動可能に前記各移動片に支持される一対のレンズとを具え、
レンズの位置と角度のズレによって見え方の違いを体感する眼鏡。 - 前記メインフレームの中央部から垂下して形成される垂下片と、
前記垂下片の下端側で揺動自在に枢支され、上端側に前記サブフレームを支持する立上げ片とを具えることで、
前記サブフレームを前記メインフレームに回動可能に支持する、請求項1に記載の眼鏡。 - 前記立上げ片は、左右方向の軸線周りに回動可能な第1の蝶番によって前記垂下片に枢支される、請求項2に記載の眼鏡。
- 前記レンズは、移動片に設けた第2の蝶番によって該移動片に枢支される、請求項3に記載の眼鏡。
- 前記レンズの外側部に、前記第1の蝶番及び第2の蝶番による回動と、前記移動片の移動を行わせる把持片が突設されている、請求項4記載の眼鏡。
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WO2017163643A1 (ja) * | 2016-03-22 | 2017-09-28 | 富士フイルム株式会社 | 装着性調整値出力メガネシステム、装着性調整値出力メガネ、装着性情報検出メガネ、および装着性調整値出力メガネシステムに用いられるプログラム、並びに調整機能付メガネ |
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WO2017163643A1 (ja) * | 2016-03-22 | 2017-09-28 | 富士フイルム株式会社 | 装着性調整値出力メガネシステム、装着性調整値出力メガネ、装着性情報検出メガネ、および装着性調整値出力メガネシステムに用いられるプログラム、並びに調整機能付メガネ |
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