JP3184990B2 - 加熱炉自動挿入装置 - Google Patents

加熱炉自動挿入装置

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JP3184990B2 JP02106192A JP2106192A JP3184990B2 JP 3184990 B2 JP3184990 B2 JP 3184990B2 JP 02106192 A JP02106192 A JP 02106192A JP 2106192 A JP2106192 A JP 2106192A JP 3184990 B2 JP3184990 B2 JP 3184990B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水素ガス雰囲気等の加
熱炉に、加熱されるべき製品が載置されたトレーを自動
挿入する装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、モリブデン、タングステンの板状
材等の加熱されるべき製品が載置されたトレーを加熱炉
に挿入する装置は、図5の(a)ないし(d)に示すよ
うに、まず、加熱炉1の閉状態の挿入口2を開き、チェ
ーン式送り込み装置3のチェーンに取り付けられた短い
押し棒4によりトレー5を挿入口2に挿入する。次に、
短い押し棒4をチェーンからはずし、長い押し棒6をチ
ェーンにセットし、加熱炉1の挿入口を閉じる。続い
て、チェーンに取り付けられた長い押し棒6によりトレ
ー5を加熱炉1に挿入する。したがって、短い押し棒4
による操作と長い押し棒6による操作との2段階の操作
を要し、手数と作業時間とがかかった。また、荷重が大
きい場合、チェーンに取り付けられた押し棒がはずれる
等のトラブルが、発生し易かった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の技術
の2種類の押し棒による2段階の操作を要する装置を改
造して、手数と作業時間とを節減し、また、加熱炉の挿
入口とトレーの送り込み装置とを一体化して省スペース
を図るものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】前記課題を達成するため
に、本発明は、トレーが押し子機構の上部を通過するこ
とを許容し、トレーの通過後にバランスウエイト又はス
プリングにより復元する押し子機構と、押し子機構を前
進後退させるボールネジと押し子機構のガイドとトレー
を搬送するローラコンベアとを一体化して加熱炉の挿入
口下部に組み込んだ自動挿入装置と、自動挿入装置の内
部に配置されて押し子機構の前進端を検出するセンサー
及び後退端を検出するセンサーと、押し子機構の前進端
を検出するセンサーの検出によりダブルクラッチを切り
換えて押し子機構を早戻りさせ、次のトレーの移動を待
機させる機構とを有する加熱炉自動挿入装置を構成した
ものである。
【0005】
【作用】まず、トレーは、台車に設けられたローラコン
ベア上を前進し、押し子をその斜面を押圧して回転軸を
中心に左方向に若干の角度回動させて、押し子の上部を
通過し、自動挿入装置に進入して停止する。このとき、
トレーの後端は、押し子を通過しているから、押し子
は、そのバランスウエイト又はスプリングにより復元す
る。次に、ボールネジの一方向への回転により、押し子
は、その垂直面でトレーの後端を押して、トレーを自動
挿入装置のローラコンベア上を移動させて加熱炉に挿入
する。押し子が、前進端まで移動すると、これをレーザ
ーセンサーが検出してダブルクラッチを切り換えること
により、ボールネジが他方向へ急速に回転して押し子を
早戻りさせ、押し子が、後退端まで移動すると、これを
レーザーセンサーが検出してダブルクラッチを再び切り
換えることにより、押し子を停止させ、次のトレーの移
動を待機させる。押し子機構は、ガイド上を往復移動す
るものであり、また、ストッパーは、押し子の所定角度
以上の回転を阻止する部材である。
【0006】
【実施例】一実施例について図面を参照して説明する。
図1において、まず、台車18の上部に設けられたロー
ラコンベア19上をトレー5を左方向に移動し、更に、
自動挿入装置7内に設けられたローラコンベア20上を
左方向に移動し、破線の位置で停止させる。トレー5が
押し子9の上を通過するときは、トレー5の左端が押し
子9の斜面11を押圧するから、押し子5は、その回転
軸10を中心として若干の角度左方向に図2の破線の位
置まで回転してストッパー15に当接して停止している
ので、トレー5の移動を妨害しない。図1において、ト
レー5が破線の位置にある状態では、トレー5の後端
は、押し子9を通過しているから、押し子9は、そのバ
ランスウエイト13又はスプリング14により復元して
いる。
【0007】次に、可変減速機付電動機24の作動によ
り、トルクリミッター25及び前進動力伝達系を介して
ボールネジ16を一方向へ回転すると、押し子9は、そ
の垂直面12でトレー5の後端を押して、トレー5を自
動挿入装置7のローラコンベア20上を移動させて加熱
炉1に挿入する。この際、押し子9が設けられた押し子
機構8は、ガイド17上を移動する。押し子9が、前進
端(自動挿入装置7の左端付近)まで移動すると、これ
をレーザーセンサー21が検出してダブルクラッチ27
を切り換え、ボールネジ16への動力伝達系は、前述し
た前進動力伝達系から後退動力伝達系へ変わる。する
と、ブレーキ付電動機26が作動し、後退動力伝達系を
介してボールネジ16を他方向へ急速に回転し、押し子
9を早戻りさせる。早戻りさせる理由は、以下のトレー
を順次遅滞なく加熱炉1に挿入するためである。押し子
9が、後退端(自動挿入装置7の右端付近)まで移動す
ると、これをレーザーセンサー22が検出してダブルク
ラッチ27を再び切り換えることにより、押し子9を停
止させ、次のトレーの移動を待機させる。
【0008】点検用蓋23を開くと、自動挿入装置7の
内部全体を見ることができ、点検修理を行うことができ
る。
【0009】実施例の数量事項の一例を述べると、トレ
ー5の大きさは、長さ2.6m、幅0.6m、高さ0.
15mであり、このトレー5に載置される製品は、モリ
ブデン、タングステンの板状材等で、板状材は、1枚1
0kgであり、製品が載置されたトレー5の合計重量
は、300kgである。自動挿入装置7の全体は、耐熱
性の必要上水冷式にされており、長さ3.2m、幅0.
8m、高さ0.7mである。トレー5を加熱炉1に挿入
するときの速度は、60分当り2.6mであり、押し子
機構8が自動挿入装置の前進端(自動挿入装置7の左端
付近)から後退端(自動挿入装置7の右端付近)まで早
戻りするのに要する時間は、1分である。
【0010】なお、トレー5に載置されたモリブデン、
タングステンの板状材等は、加熱炉1内で焼鈍等の熱処
理をされた後に、加熱炉1の左側(図示せず)から排出
される。
【0011】
【発明の効果】本発明は、前述した構成により次の効果
を奏するものである。
【0012】イ 押し子機構の一往復移動により、トレ
ーを自動挿入装置から加熱炉に挿入した後に、押し子機
構の早戻りのため次のトレーの移動を順次遅滞なく待機
するから、手数と作業時間とを節減する。
【0013】ロ 押し子機構を前進後退させるボールネ
ジと押し子機構のガイドとトレーを搬送するローラコン
ベアとを一体化して加熱炉の挿入口下部に組み込んだか
ら、省スペースを図れる。
【0014】ハ 従来の技術のチェーン式送り込み装置
のチェーンに取り付けられた押し棒がトレーを押圧して
移動する構造と異なり、ボールネジの回転により移動す
る押し子機構がトレーを押圧して移動する構造としたか
ら、構造が堅牢となり、トレーの大型化・高荷重化を図
れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の全体の前面図である。
【図2】本発明の一実施例の要部の縦断前面図である。
【図3】本発明の一実施例の全体の右側面図である。
【図4】本発明の一実施例の押し子機構を前進後退させ
る動力伝達系図である。
【図5】従来例の全体の前面図である。
【符号の説明】
1 加熱炉 5 トレー 7 自動挿入装置 8 押し子機構 9 押し子 13 バランスウエイト 14 スプリング 16 ボールネジ 17 ガイド 19,20 ローラコンベア 21,22 レーザーセンサー 27 ダブルクラッチ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C21D 1/00 117 B22F 3/24 B65G 47/82 F27B 9/26 F27D 3/04

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トレーの上部通過を許容し、バランスウ
    エイト又はスプリングにより復元する押し子機構と、押
    し子機構を前進後退させるボールネジと押し子機構のガ
    イドとトレーを搬送するローラコンベアとを一体化して
    加熱炉の挿入口下部に組み込んだ自動挿入装置と、自動
    挿入装置の内部に配置されて押し子機構の前進端を検出
    するセンサー及び後退端を検出するセンサーと、押し子
    機構の前進端を検出するセンサーの検出によりダブルク
    ラッチを切り換えて押し子機構を早戻りさせ、次のトレ
    ーの移動を待機させる機構とを有することを特徴とする
    加熱炉自動挿入装置。
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