JP3183283B2 - フレキシブル配線基板上に部材を接合する方法 - Google Patents
フレキシブル配線基板上に部材を接合する方法Info
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Description
基板上に部材を接合する方法に関するものである。
いて、例えば、アウターリードを金属リードフレームに
よって構成し、インナーリードを絶縁フィルム上に導体
の微細配線パターンを形成したフレキシブル配線基板に
よって構成してなる複合リードフレームには、各種の構
成ものが従来提案されているが、いずれの構造であって
もフレキシブル配線基板のインナーリードと外枠側のア
ウターリードとを何らかの方法で電気的に接合する必要
がある。フレキシブル配線基板からのインナーリードは
絶縁層(通常ポリイミドフィルム)上に積層されている
ため接合に当たって以下のような問題点が生じる。
の接合は加圧、加熱下に行われるが、加熱ツール温度が
340℃以上の高温となると絶縁層を構成する樹脂(例
えばポリイミド樹脂)あるいは該絶縁層とインナーリー
ドを接着するのに用いられている接着剤(例えば、エポ
キシ樹脂系接着剤)が加熱劣化し、酸化もしくは炭化し
絶縁性を損ったり、強度が低下したりするので好ましく
ない。
目的でPb−Sn半田を用いると、その共晶点(融点1
83℃)が低いので上記の問題は生じないがアウターリ
ードとインナーリードとを接合した後に200℃付近で
行われる樹脂封止工程が存在するためにアウターリード
とインナーリードとの安定した接合が得られない。一
方、一般的に用いられるSn含有量20重量%のAu−
Sn合金の接合への使用は、ツール温度が340℃を越
え、380〜540℃と高いのでやはり樹脂劣化の問題
が生じる。
フレキシブル配線基板上に部材を接合するにあたり、絶
縁フィルムや接着剤に熱劣化の生じない、フレキシブル
配線基板上に部材を接合する方法の提供を目的としてい
る。
ィルム上に接着剤を介して導体の微細配線パターンを形
成したフレキシブル配線基板の前記配線パターン上に部
材を金錫共晶合金法により接合する方法であって、配線
パターンもしくは部材の接合面に厚さ4.0〜8.0μ
mの錫めっきを施すと共に、部材もしくは配線パターン
の接合面に厚さ0.5〜1.0μmの金めっきを施し、
前記両接合面を加圧加熱して金錫共晶合金法により接合
することにより、接合層として、実質的に金と錫の合金
からなり、かつ、該合金中の金含有量が10〜40重量
%の金錫合金層を形成することを特徴とするフレキシブ
ル配線基板上に部材を接合する方法が提供される。
フィルム(テープ状のものを含む)上に導体の微細配線
パターンを形成した、いわゆるフレキシブルな配線基板
をいう。TABテープと称するものも、絶縁フィルム上
に導体の微細配線パターンを形成したフレキシブルなも
のであり、そういう意味で構造的になんら変わりがない
ことから、ここでいうフレキシブルな配線基板として用
いられる。
法により接合することにより、接合層として、実質的に
金と錫の合金からなり、かつ、該合金中の金含有量が1
0〜40重量%の金錫合金層を形成することにあるが、
そのような合金は適切な融点範囲を有し(210〜30
5℃)、しかも脆い金属間化合物であるAuSnからな
る相が存在しないため、接合にあたって340℃以上の
高温に加熱することが不要で、しかも安定な接合が達成
される。
にとって、本発明の接合方法を詳細に説明する。
フレキシブル配線基板のインナーリードと外枠のアウタ
ーリードを接合するに際して、まず、インナーリードの
接合面に金めっきを施すが、ニッケルめっきを施してか
らその上に金めっきを施すことがより好ましい態様であ
る。そしてアウターリードの接合面に錫めっきが施され
る。
赤外線ビーム加熱、加熱ヒータによる加熱などそれ自体
の加熱手段が採用されるが、加熱ヒータを用いて加熱す
る方法が好ましい。加熱温度は、加熱ヒータを用いた場
合、加熱ヒータの温度を300〜500℃とし、リード
に対して31〜94gの圧をかけつつ0.5〜20秒間
加熱する。
て、結果として錫と金の合金層が生成する。この合金層
の金含有量は10〜40重量%であるが、このような組
成とするには、前記の金めっき量および錫めっき量を適
切に調整することにより達成される。通常インナーリー
ドへの金めっき量とアウターリードへの錫めっき量の割
合が上記の範囲となるようにめっきが行われる。
厚さは0.3〜6.0μm、好ましくは、0.5〜1.
0μmとなるよう行われ、またニッケルのめっきは通常
0.1〜1.5μmの厚さとなるよう行われる。アウタ
ーリードへの錫めっきは通常1.5〜7.5μmの厚さ
となるように行われる。
自体公知の方法、例えば、電気めっき法で行われる。金
めっきについては、中性浴あるいは酸性浴による半光沢
めっきが採用される。また錫めっきについては、硫酸浴
あるいはほうふっ化浴による無光沢めっきが採用され
る。
ームの一例を図1および図2を用いて説明する。
枠13からアウターリード15(15a、15b)が外
枠13の中心近傍に向かって延設されている。
レキシブル多層配線基板17(以下単に「多層配線基
板」と称する)が配置され、この多層配線基板17は、
上側に、例えばポリイミドよりなる絶縁フィルム層19
と、下側に、例えば銅よりなる接地および電源供給用導
体層21との2層からなっている。
わち上面)銅箔付ポリイミドフィルムである。
リードとなる。絶縁フィルム層19は、接地および電源
供給用ホール23とがプレスパンチング等により開口さ
れている。この絶縁フィルム層19に導体層21が接着
剤等により貼着されている。この多層配線基板17の絶
縁フィルム層19の上側表面に貼付された銅箔を例えば
エッチングもしくは蒸着して、インナーリード27が形
成されている。このインナーリード27の内側先端に
は、ワイヤボンディング接続が良好になされるように、
例えばSn−Niの下地の上に金のような良導体がめっ
きされている。このようにワイヤボンディングのために
インナーリードの内側先端にも金めっきが施されるので
あれば、金錫共晶合金法によってインナーリードとアウ
ターリードの接続を行うにあたりインナーリード側に金
めっきを施すようにしたことは、それぞれの金めっき作
業を同時に行うことができるのでめっき作業上非常に都
合がよい。上記多層配線基板17のホール23から露出
した導体層21上にも、例えばSn−Niの下地の上に
金のような良導体がめっきされている。
bと、多層配線基板17のインナーリード27との電気
的接続は、前記した方法により加熱圧着して達成されて
いる。
ムのアウターリードは、外枠13の例えば四隅近傍から
それぞれ延在するリードを接地および電源供給用アウタ
ーリード15aとし、その他を信号用アウターリード1
5bとしている。信号用アウターリード15bは、上述
したようにインナーリード27との接続がなされている
が、接地および電源供給用リード15aは、導体層21
に直接接地される。この接地のため、まず、上記絶縁フ
ィルム層19の切り欠きから露出する導体層21の隅部
に金めっきによりバンプを形成し、このバンプに接地お
よび電源供給用リード15aの先端をあて、加熱圧着し
て、接合層(Sn−Au合金)31を形成し導体層21
と接地および電源供給用リード15aとを導通接続して
いる。
33を搭載し、半導体素子33の信号端子とインナーリ
ード27のめっき端子との間をボンディングワイヤ35
でボンディング接続するとともに、さらに半導体素子3
3の接地端子と導体層21の多層配線基板17の接地お
よび電源供給用ホール23から露出する部分との間をボ
ンディングワイヤ35でボンディングして接続する。最
後にインナーリード27を包むように樹脂封止して半導
体装置を作製することができる。
記したもの以外にフレキシブル配線基板が単層のもの即
ち図2の導体層21が無いものであっても良く、また導
体層21に絶縁層を介して更に導体層を積層し接地用導
体層と電源供給用導体層とを有する構造のものであって
も良い。
て、図2および図3に示すような、外枠13およびアウ
ターリード15を作製する。ここで、アウターリード1
5の先端におけるピッチは0.37mmである。次に厚さ
0.05mmの、ポリイミド絶縁フィルム層に接地および
電源供給用ホール23を穿設し、このポリイミド絶縁フ
ィルム層の片面に厚さ0.10mmの42合金(Fe−4
2%Ni合金)箔を接着した2層の多層配線基板17を
作製する。この多層配線基板17に厚さ0.018mmの
銅箔を貼付し、エッチングして0.12mmピッチのイン
ナーリード27を形成し、インナーリード27の外側端
部にAu/Niめっきを施し(Au:2.0μm、N
i:0.5μm)、このインナーリード27の外側端部
に、Snめっきが施された(Sn:7.5μm)アウタ
ーリード15の信号用リード15bをツール(加熱ヒー
タ)により加熱加圧接合する。ここでAuとSnめっき
量の割合はAuが26重量%であり、Snが74重量%
である。なお、符号37はAu/Sn接合層である。
あった。
ら露出した導体層21上に、Au/Niめっきを施し、
Snめっきが施された接地および電源供給用アウターリ
ード15aを加熱加圧接合して接続し本複合リードフレ
ームを作製した。
ムのインナーリードとアウターリードの接合部付近のポ
リイミド樹脂や接着剤が炭化した様子あるいは酸化した
様子は認められなかった。
強度が安定していることを確認する目的で接合部のピー
ル強度を測定した処、150℃に1000時間放置した
後でも約5gf/mmと初期値とほとんど変化がなかった。
験結果を説明する。
っきされ、アウターリード15の下部に錫がめっきされ
た接合前の横断面図であり、一方図4は加圧接合後の横
断面図であり、37は錫と金の合金からなる接合層であ
る。
m)とした場合図5に示されるようにAu/Sn接合断
面の厚さは、Auめっき厚さが大きくなると厚くなる傾
向が観察された。これは、加圧接合時の温度が低いため
金の厚さが大きいと反応しないAu層がそのまま残るた
めである。このようにAu層の存在は、単に接合層の厚
さが増して構造上不利となるだけでなく、無駄な金を消
費するという意味で経済的にも作業性の上からも好まし
くないものである。
場合には、図6で示されるように錫のめっき厚さに関係
なく接合断面の厚さはほぼ一定(4.0μm)か、むし
ろ錫めっき厚さが厚くなるほど逆に薄くなる傾向であっ
た。
示されるように、Auめっき厚さが0.5〜2.0μ
m、好ましくは0.5〜1.0μm未満の処に引張強さ
の最も大きい領域が存在した。また、Auめっきの厚さ
を0.1μmと一定とした場合には、錫めっき厚さが
4.0〜8.0μm厚の処に引張強さの大きい領域が存
在した(図8参照)。
関係をプロットしたのが図9であるが、図7と関係させ
ると引張強さの大きい領域は、金含有量が10〜40重
量%の合金組成の処となっていることが理解される。
−Sn接合部につきX線回析による分析を行った処、図
10の如き回折パターンが得られAuSnで示される脆
い金属間化合物は生成していなかった。金10重量%の
合金、金40重量%の合金にもAuSnは生成していな
かった。
試験の目的で、150℃の高温放置試験を実施した処接
合部の組成がSn−10wt%Au〜Sn−40wt%
Auの範囲のものは1000時間後もピール強度の低下
は認められなかった。その一例を図11に示した。ま
た、温度サイクル試験(−30℃×30分保持⇔150
℃×30分保持)を1000サイクル実施したがハガレ
も無く、ピール強度の低下もほとんどなかった。
線基板上に部材を直接接合しても、絶縁フィルムや接着
剤に熱劣化を生じさせることがなく、健全な接合部を形
成することができる、という効果を奏する。
断面図である。
平面図である。
の状態を示す横断面図である。
の状態を示す横断面図である。
合断面の厚さの変化を示すグラフである。
したときの接合断面の厚さの変化を示すグラフである。
の接合層の強度を示すグラフである。
たときの接合層の強度を示すグラフである。
フである。
Claims (2)
- 【請求項1】絶縁フィルム上に接着剤を介して導体の微
細配線パターンを形成したフレキシブル配線基板の前記
配線パターン上に部材を金錫共晶合金法により接合する
方法であって、配線パターンもしくは部材の接合面に厚
さ4.0〜8.0μmの錫めっきを施すと共に、部材も
しくは配線パターンの接合面に厚さ0.5〜1.0μm
の金めっきを施し、前記両接合面を加圧加熱して金錫共
晶合金法により接合することにより、接合層として、実
質的に金と錫の合金からなり、かつ、該合金中の金含有
量が10〜40重量%の金錫合金層を形成することを特
徴とするフレキシブル配線基板上に部材を接合する方
法。 - 【請求項2】請求項1において、絶縁フィルムがポリイ
ミドフィルムで、接着剤がエポキシ樹脂系接着剤である
ことを特徴とするレキシブル配線基板上に部材を接合す
る方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10873599A JP3183283B2 (ja) | 1999-04-16 | 1999-04-16 | フレキシブル配線基板上に部材を接合する方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10873599A JP3183283B2 (ja) | 1999-04-16 | 1999-04-16 | フレキシブル配線基板上に部材を接合する方法 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP272897A Division JP2970568B2 (ja) | 1997-01-10 | 1997-01-10 | 複合リードフレームの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11330145A JPH11330145A (ja) | 1999-11-30 |
JP3183283B2 true JP3183283B2 (ja) | 2001-07-09 |
Family
ID=14492206
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10873599A Expired - Lifetime JP3183283B2 (ja) | 1999-04-16 | 1999-04-16 | フレキシブル配線基板上に部材を接合する方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3183283B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014022778A (ja) * | 2012-07-12 | 2014-02-03 | Buffalo Inc | 通信システム、外部記憶装置、データ処理方法及びデータ処理プログラム |
-
1999
- 1999-04-16 JP JP10873599A patent/JP3183283B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014022778A (ja) * | 2012-07-12 | 2014-02-03 | Buffalo Inc | 通信システム、外部記憶装置、データ処理方法及びデータ処理プログラム |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH11330145A (ja) | 1999-11-30 |
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