JP3182997B2 - 樹脂成形品の射出成形方法及び成形用金型 - Google Patents

樹脂成形品の射出成形方法及び成形用金型

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JP3182997B2 JP26021993A JP26021993A JP3182997B2 JP 3182997 B2 JP3182997 B2 JP 3182997B2 JP 26021993 A JP26021993 A JP 26021993A JP 26021993 A JP26021993 A JP 26021993A JP 3182997 B2 JP3182997 B2 JP 3182997B2
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resin
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    • B29C45/00Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor
    • B29C45/0025Preventing defects on the moulded article, e.g. weld lines, shrinkage marks
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
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  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)
  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えばドアトリム等の
板状の樹脂成形品を成形するに際しての射出成形方法及
び成形用金型に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、例えばドアトリム等の板状の樹脂
成形品は、いわゆる通常の射出成形方法により成形され
る。すなわち、まず、金型が所定圧にて型締めされた
後、ゲートから可塑化された樹脂が金型内のキャビティ
内に射出され、充填される。そして、樹脂が冷却固化し
た後、金型が開かれ、樹脂成形品が取り出される。
【0003】しかし、上記技術では、ゲートを1つとし
た場合、成形品の面積が広いため、金型の内圧が著しく
上昇してしまっていた。そのため、型締め時の圧力を充
分に確保する必要があった。例えば、600mm×11
00mm寸法のドアトリムを上記の成形法で成形しよう
とした場合には、型締圧力が2500tレベルの成形機
を用いる必要があった。
【0004】一方、複数のゲートを設けるとともに、こ
れら複数のゲートから可塑化された樹脂を同時にキャビ
ティ内に射出する方法も考えられる。この方法によれ
ば、ある程度の射出圧力の低減が図られる。ところが、
この方法により成形された成形品は、異なるゲートから
射出された樹脂が互いに合流しあう部分においてウエル
ドライン(外観上認識される細い線)が発生し、外観品
質の著しい低下を招来するものとなっていた。
【0005】そこで、上記のウエルドラインの発生とい
う不具合を解消するための技術として、本件出願人によ
る特開平3−288609号公報に開示されたものが知
られている。この技術では、複数のゲートからキャビテ
ィ内に樹脂が射出されるとともに、該ゲートの少なくと
も1つは開閉制御可能な開閉ゲートとなっている。そし
て、他のゲートから圧入された樹脂の先端が、その開閉
ゲートの位置に到達したときに、開閉ゲートが開かれ、
該ゲートから樹脂が射出される。その結果、ウエルドラ
インの発生がある程度抑制される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来技術では、ウエルドラインの発生がある程度抑制され
るものの、そのメカニズムに関しては「合流面での樹脂
の混合がよくなる」という程度の認識しかなされていな
かった。すなわち、上記従来技術は、未だウエルドライ
ンの発生を完全に抑制することができるとまではいいき
れるものではなかった。
【0007】また、上記技術においては、他のゲートか
ら圧入された樹脂の先端が、その開閉ゲートの位置に到
達したときに、開閉ゲートが開かれ、該ゲートから樹脂
が射出されるのであるが、その後も他のゲート(先に圧
入が行われたゲート)からの樹脂の圧入は継続されてい
た。そのため、他のゲート付近での内圧が上昇すること
となっていた。従って、当初説明したような、高い圧力
レベルでの型締め機能を有する成形機を用いる必要があ
った。
【0008】本発明は上記問題点を解決するためになさ
れたものであって、その目的は、ウエルドラインの発生
の抑制を高い確実性をもって実現して外観品質の向上を
図ることができ、しかも、射出開始から終了に至るまで
の内圧の著しい低減を図り、もって、型締め圧力を低減
することのできる樹脂成形品の射出成形方法及び成形用
金型を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、第1の発明においては、樹脂成形品の意匠面側を形
成するための第1の金型と前記樹脂成形品の非意匠面側
を形成するための第2の金型とを型締めし、前記樹脂成
形品形成用のキャビティを形成するキャビティ形成工程
と、前記キャビティに開口するよう前記第2の金型に形
成された少なくとも1つの第1のゲートから、可塑化さ
れた樹脂を前記キャビティ内に射出する第1段射出工程
と、前記キャビティに開口するよう前記第2の金型に形
成されるとともに、前記第1のゲートよりも外周側に位
置する少なくとも1つの第2のゲートの部分を、前記第
1のゲートから射出された樹脂が通過した後、前記第2
のゲートから、可塑化された樹脂を前記キャビティ内に
射出する第2段射出工程と、前記第2段射出工程とほぼ
同時に、前記第1のゲートからの射出を停止させる第1
段射出停止工程と、前記キャビティ内に可塑化された樹
脂が充填され、その後前記樹脂が固化した後、前記第1
及び第2の金型を分割する金型分割工程とを備えたこと
を特徴とする樹脂成形品の射出成形方法をその要旨とし
ている。
【0010】また、第2の発明においては、第1の発明
の樹脂成形品の射出成形方法において、第1のゲートの
開口面積は、第2のゲートの開口面積よりも大きいこと
をその要旨としている。
【0011】さらに、第3の発明においては、第2の発
明の樹脂成形品の射出成形方法において、第1のゲート
は、キャビティのうち、樹脂成形品の肉圧部分又は将来
的に視認されなくなる部分に開口していることをその要
旨としている。
【0012】併せて、第4の発明においては、樹脂成形
品の意匠面側を形成するための第1の金型と、前記樹脂
成形品の非意匠面側を形成するための第2の金型とを備
え、前記第1及び第2の金型により形成されるキャビテ
ィ内に可塑化された樹脂が射出充填される樹脂成形品の
成形用金型であって、前記キャビティに開口するよう前
記第2の金型に形成され、可塑化された樹脂を前記キャ
ビティ内に射出するための少なくとも1つの第1のゲー
トと、前記キャビティに開口するよう前記第2の金型に
形成されるとともに、前記第1のゲートよりも外周側に
位置し、可塑化された樹脂を前記キャビティ内に射出す
るための少なくとも1つの第2のゲートと、前記第2の
ゲートを封鎖した状態で前記第1のゲートから可塑化さ
れた樹脂を射出させる手段と、前記第1のゲートから射
出された樹脂が通過した後、前記第2のゲートから可塑
化された樹脂を射出させる手段と、前記第2のゲートか
ら可塑化された樹脂が射出されるのとほぼ同時に、前記
第1のゲートからの射出を停止させる手段とを備えたこ
とをその要旨としている。
【0013】
【作用】上記第1の発明の構成によれば、キャビティ形
成工程において、樹脂成形品の意匠面側を形成するため
の第1の金型と樹脂成形品の非意匠面側を形成するため
の第2の金型とが型締めされ、樹脂成形品形成用のキャ
ビティが形成される。次に、第1段射出工程において、
キャビティに開口するよう第2の金型に形成された少な
くとも1つの第1のゲートから、可塑化された樹脂がキ
ャビティ内に射出される。また、第2段射出工程におい
ては、キャビティに開口するよう第2の金型に形成され
るとともに、第1のゲートよりも外周側に位置する少な
くとも1つの第2のゲートの部分を、第1のゲートから
射出された樹脂が通過した後、第2のゲートから、可塑
化された樹脂がキャビティ内に射出される。この第2段
射出工程とほぼ同時に、第1段射出停止工程において
は、第1のゲートからの射出が停止される。そして、キ
ャビティ内に可塑化された樹脂が充填され、その後樹脂
が固化した後、金型分割工程において、第1及び第2の
金型が分割される。
【0014】従って、第1の発明によれば、第2のゲー
トの部分を第1のゲートから射出された樹脂が通過した
後、第2のゲートから、可塑化された樹脂がキャビティ
内に射出される。このため、第2のゲートから射出され
た樹脂は、第1のゲートから射出された樹脂の内部から
楔状に外方へ向かって流れる。このため、意匠面側にお
ける、第2のゲートから射出された樹脂と第1のゲート
から射出された樹脂との境界部分は断面鋭角状となり、
ウエルドラインが形成されない。
【0015】さらに、第2のゲートから樹脂が射出され
るのと同時に、第1のゲートからの樹脂の射出が停止さ
れる。このため、第1のゲート近傍における内圧が著し
く上昇することがない。また、第2のゲートから射出さ
れた樹脂は、キャビティ内を残りの外方へ向かって円滑
に流れ、その流れが特に阻害されて内圧が上昇すること
がない。
【0016】また、第2の発明の構成によれば、第1の
発明の作用に加えて、第1のゲートの開口面積は、第2
のゲートの開口面積よりも大きいので、第2のゲートか
らの樹脂の流量は、第1のゲートからの樹脂の流量より
も小さい。このため、上記の第2のゲートから射出され
た樹脂と第1のゲートから射出された樹脂との境界部分
が断面鋭角状となるという作用は、より確実なものとな
り、より一層のウエルドラインの抑制が図られる。
【0017】さらに、第3の発明の構成によれば、第2
の発明の作用に加えて、第1のゲートは、キャビティの
うち、樹脂成形品の肉圧部分又は将来的に視認されなく
なる部分に開口している。このため、第1のゲートから
の樹脂の流量が多い場合でも、その多い流量に起因し
て、成形品の意匠面側に微弱な模様等が形成される可能
性があるとしても、第1のゲートが肉圧部分に対応して
おれば、それは形成されにくい。また、第1のゲートが
将来的に視認されなくなる部分に対応しておれば、万が
一微弱な模様等が形成された場合でも、成形品の意匠面
側からそれが視認されることはない。
【0018】併せて、第4の発明の構成によれば、キャ
ビティに開口するよう第2の金型に形成された少なくと
も1つの第1のゲートから、可塑化された樹脂がキャビ
ティ内に射出される。このとき、キャビティに開口する
よう第2の金型に形成されるとともに、第1のゲートよ
りも外周側に位置する第2のゲートは、封鎖され、該第
2のゲートからは、樹脂は射出されない。次に、第1の
ゲートから射出された樹脂が第2のゲートを通過した
後、第2のゲートから可塑化された樹脂が射出される。
そして、第2のゲートから可塑化された樹脂が射出され
るのとほぼ同時に、第1のゲートからの射出が停止され
る。
【0019】従って、第4の発明においても、第1の発
明において説明したのとほぼ同様の作用を奏する。
【0020】
【実施例】以下、本発明を具体化した一実施例を図面に
基づいて説明する。図2は、本実施例における樹脂成形
品としてのドアトリム1を意匠面側から見た状態を示す
平面図である。同図に示すように、ドアトリム1は、ポ
リプロピレン(以下、単にPPという)によりほぼ板状
に形成され、図示しない車両のドアの内張りに供され
る。ドアトリム1のほぼ中央部及び同図右上方部には、
図示しない把手を取着するための透孔2,3が形成され
ている。また、図の左上方部には、図示しないドアオー
プナーを取着するための透孔4が、さらに、図の左部に
は、図示しないウインドーオープナーを取着するための
透孔5がそれぞれ形成されている。併せて、ドアトリム
1には、機能上及び意匠性向上の都合から、いたるとこ
ろに複雑な凹凸が形成されている。加えて、図3に示す
ように、前記透孔2の裏面側(非意匠面側)には、円筒
状の突起6が突出形成されている。
【0021】次に、上記のドアトリム1を形成する際に
用いられる金型について説明する。図4,5は、本実施
例で使用される金型のうちの上型8を示す平断面図であ
る。また、図6は、金型の一部を示す縦断面図である。
これらの図に示すように、金型は、第1の金型としての
下型7と、第2の金型としての上型8とを備えている。
両型7,8には、それぞれ成形凹部が形成されており、
両者が互いに型締めされることにより、ドアトリム1を
形成するためのキャビティ9が形成される。
【0022】図5に示すように、上型8には、図示しな
い射出成形機から射出される可塑化されたPP(可塑化
PP)をキャビティ9内に導入するための通路が形成さ
れている。すなわち、通路は、メインホットランナ1
0、分岐ホットランナ11,12,13,14,15及
びダイレクトゲート16,17,18,19,20によ
り構成されている。より詳しく説明すると、メインホッ
トランナ10は前記射出成形機に接続されている。ま
た、分岐ホットランナ11〜15は、前記メインホット
ランナ10から分岐され、平面ほぼ中央部に位置する第
1の分岐ホットラナンナ11及びそれを囲うようにして
配設された4つの第2の分岐ホットランナ12〜15か
ら構成されている。さらに、ダイレクトゲート16〜2
0は、前記各分岐ホットランナ11〜15とキャビティ
9との間を連通するように形成され、第1のゲートとし
ての第1のダイレクトゲート16及び第2のゲートとし
ての4つの第2のダイレクトゲート17〜20から構成
されている。
【0023】図4,6に示すように、前記第1のダイレ
クトゲート16は、前記突起6の円筒部分(肉厚部分)
に対応するよう形成されている。また、第1のダイレク
トゲート16は、第2のダイレクトゲート17〜20よ
りも開口面積が大きく形成されている。さらに、本実施
例では、第2のダイレクトゲート17〜20は、第1の
ダイレクトゲート16から射出された可塑化PPが、ほ
ぼ同時刻にこれらのゲート17〜20を通過するように
設計されている。
【0024】図5に示すように、前記第1のダイレクト
ゲート16の途中には、可塑化PPの流れの許容・遮断
を切り換えるための第1の開閉バルブ21が設けられて
いる。また、各第2のダイレクトゲート17〜20の途
中にも、同様の第2の開閉バルブ22,23,24,2
5が設けられている。これらの開閉バルブ21〜25の
開閉は、図示しないコントローラによって制御される。
すなわち、本実施例において、当初開閉バルブ21〜2
2は全て閉じられた状態となっている。そして、射出成
形機からの可塑化PPの射出に伴い、コントローラは、
その状態からまず第1の開閉バルブ21を開放制御す
る。次に、第1の開閉バルブ21から射出された可塑化
PPが第2の開閉バルブ22〜25を「約40mm」通
過してから、コントローラは、第2の開閉バルブ22〜
25を一斉に開放制御するようになっている。また、コ
ントローラは、第2の開閉バルブ22〜25の開放と同
時に第1の開閉バルブ21を閉鎖制御するようになって
いる。但し、これらの開閉制御は、全て時間の流れに沿
って、つまり、所定のタイミングに従って実行されるも
のである。
【0025】次に、本実施例の作用について説明する。
前述したように、当初において、開閉バルブ21〜22
は全て閉じられた状態となっている。そして、射出成形
機からの可塑化PPの射出に伴い、射出成形機から導入
された可塑化PPは、メインホットランナ10を流れ
て、各分岐ホットランナ11〜15内に導入される。こ
の時点では、各ダイレクトゲート16〜20は閉鎖され
ている。そして、コントローラによって、まず第1の開
閉バルブ21が開放される。すると、図7に示すよう
に、可塑化PPは、メインホットランナ10から第1の
分岐ホットランナ11を流れて、第1のダイレクトゲー
ト16からキャビティ9へと射出される。そして、図8
に示すように、可塑化PPは、キャビティ9内をほぼ同
心円状に広がるようにして流動してゆく。
【0026】次に、第1のダイレクトゲート16から射
出された可塑化PPが第2の開閉バルブ22〜25を
「約40mm」通過した時点で、コントローラにより、
第2の開閉バルブ22〜25が一斉に開放される。この
開放により、図1に示すように、可塑化PPは、メイン
ホットランナ10から第2の分岐ホットランナ12〜1
5を流れて、第2のダイレクトゲート17〜20(図で
は1つの第2のダイレクトゲート18のみを示す)から
キャビティ9へと射出される。このとき、同図に示すよ
うに、第2のダイレクトゲート17〜20から射出され
た可塑化PPは、第1のダイレクトゲート16から射出
された可塑化PPの内部から楔状に外方(図では左方)
へ向かって流れる。このため、同図に示すように、意匠
面側(図の下側)における、第2のダイレクトゲート1
7〜20から射出された可塑化PPと第1のダイレクト
ゲート16から射出された可塑化PPとの境界部分は断
面鋭角状となる。すなわち、意匠面側において、第2の
ダイレクトゲート17〜20から射出された可塑化PP
が第1のダイレクトゲート16から射出された可塑化P
Pで覆われるような恰好となる。そのため、ウエルドラ
インが形成されない。
【0027】また、上記の第2の開閉バルブ22〜25
の開放と同時に、コントローラにより、第1の開閉バル
ブ21が閉鎖される。この閉鎖により、第1のダイレク
トゲート16からの可塑化PPの射出が遮断される。そ
のため、第1のダイレクトゲート16近傍における内圧
が著しく上昇することがない。また、第2のダイレクト
ゲート17〜20から射出された可塑化PPは、図9に
示すように、キャビティ9内を残りの外方へ向かって円
滑に流れ、その流れが特に阻害されて内圧が上昇するこ
とがない。
【0028】そして、キャビティ9内に可塑化PPが充
填され、その後PPが固化した後、上型8及び下型7が
相互に分割され、内部から成形品が取り出される。これ
らの一連の工程を経ることにより、ドアトリム1が成形
されるのである。
【0029】以上説明したように、本実施例によれば、
図10に示すように、射出成形機からの可塑化PPの射
出に伴い、第1の開閉バルブ21が開放される。次に、
第1のダイレクトゲート16から射出された可塑化PP
が第2の開閉バルブ22〜25を「約40mm」通過し
た時点で、第2の開閉バルブ22〜25が一斉に開放さ
れる。このため、第2のダイレクトゲート17〜20か
ら射出された可塑化PPは、第1のダイレクトゲート1
6から射出された可塑化PPの内部から楔状に外方へ向
かって流れる。このため、意匠面側における、第2のダ
イレクトゲート17〜20から射出された可塑化PPと
第1のダイレクトゲート16から射出された可塑化PP
との境界部分は断面鋭角状となる。すなわち、意匠面側
において、第2のダイレクトゲート17〜20から射出
された可塑化PPが第1のダイレクトゲート16から射
出された可塑化PPで覆われるような恰好となる。その
ため、ウエルドラインの抑制の確実性をより高めること
ができ、ひいては得られたドアトリム1の外観品質の向
上を図ることができる。
【0030】また、上記の第2の開閉バルブ22〜25
の開放と同時に、第1の開閉バルブ21が閉鎖される。
そのため、第1のダイレクトゲート16近傍における内
圧が著しく上昇することがなく、また、第2のダイレク
トゲート17〜20から射出された可塑化PPも円滑に
流れ、その流れが特に阻害されて内圧が上昇することが
ない。従って、射出開始から終了に至るまでの内圧の著
しい低減を図ることができる。その結果、型締め圧力を
低減することができる。つまり、型締めレベルの低い金
型装置を使用することができ、もって製造コストの低減
をも図ることができる。
【0031】図11は上記の効果を説明するための射出
開始から終了までの時間に対するキャビティ9内の各ダ
イレクトゲート16〜20近傍での圧力の関係を示すグ
ラフである。同図に示すように、第1の開閉バルブ21
が開放された時点から圧力は徐々に上昇する。そして、
第2の開閉バルブ22〜25が開放された時点で、第1
の開閉バルブ21が閉鎖される。このため、第1のダイ
レクトゲート16近傍での圧力は急激に低下してゆく。
また、第2のダイレクトゲート17〜20近傍における
圧力は、その後徐々に上昇してゆくが、射出された可塑
化PPは円滑に流れ、その流れが特に阻害されることが
ない。従って、1つのゲートだけで射出した場合に比べ
て、射出開始から終了までの内圧の著しい低減を図るこ
とができるのである。
【0032】さらに、本実施例においては、第1のダイ
レクトゲート16は、第2のダイレクトゲート17〜2
0よりも開口面積が大きく形成されている。このため、
上記の第2のダイレクトゲート17〜20から射出され
た可塑化PPと第1のダイレクトゲート16から射出さ
れた可塑化PPとの境界部分が断面鋭角状となるという
作用は、より確実なものとなる。その結果、より一層確
実にウエルドラインの抑制を図ることができる。
【0033】併せて、本実施例では、第1のダイレクト
ゲート16は、前記突起6の円筒部分に対応するよう形
成されている。このため、第1のダイレクトゲート16
から流量の多い可塑化PPが射出されたとしても、微弱
な模様等が形成されにくい。また、万が一微弱な模様等
が形成された場合でも、ドアトリム1の意匠面側からそ
れがほとんど視認されない。その結果、外観品質のさら
なる向上を図ることができる。
【0034】なお、本発明は前記実施例に限定されるも
のではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で構成の一部
を適宜に変更して次のように実施することもできる。 (1)前記実施例では、第1のダイレクトゲート16
は、前記突起6の円筒部分に対応するような場合に具体
化したが、その外にも、別の肉厚部分に対応させてもよ
い。また、将来的に切り抜かれる部分(透孔となるよう
な部分)や、意匠面側からは影となって見えないような
部分に対応させるような構成としてもよい。
【0035】(2)前記実施例では、第1のダイレクト
ゲート16を1つしか設けない場合に具体化したが、2
つ以上設ける構成としてもよい。 (3)前記実施例では、第2のダイレクトゲート17〜
20を、第1のダイレクトゲート16から射出された可
塑化PPが同時刻に到達するように配置したが、異なる
時刻に到達するようにしてもよい。
【0036】(4)前記実施例では、第1のダイレクト
ゲート16及びそれを囲うようにして配設された第2の
ダイレクトゲート17〜20からゲートを構成するよう
にしたが、第2のダイレクトゲート17〜20を囲うよ
うにして第3のダイレクトゲートを設け、本発明を同様
に適用するようにしてもよい。
【0037】(5)前記実施例では、第2のダイレクト
ゲート17〜20を所定の時刻が経過したときに開放す
るようにしたが、第2のダイレクトゲート17〜20を
10mm〜100mm通過したときにそれをセンサ等に
より検知せしめるとともに、その検知結果に基づいて第
2のダイレクトゲート17〜20を開放させるようにし
てもよい。
【0038】
【発明の効果】以上、詳述したように、本発明の樹脂成
形品の射出成形方法及び成形用金型によれば、ウエルド
ラインの発生の抑制を高い確実性をもって実現して外観
品質の向上を図ることができる。しかも、射出開始から
終了に至るまでの内圧の著しい低減を図り、もって、型
締め圧力を著しく低減することができ、成形コストの低
減を図ることができるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を具体化した一実施例において、第2の
ダイレクトゲートから可塑化された樹脂を射出した状態
を示す金型の断面図である。
【図2】一実施例におけるドアトリムを示す平面図であ
る。
【図3】一実施例において、ドアトリムの中央部分を拡
大して示す部分斜視図である。
【図4】一実施例において、金型のうち上型のダイレク
トゲートを説明するための平断面図である。
【図5】一実施例において、金型のうち上型のホットラ
ンナ等を説明するための平断面図である。
【図6】一実施例における金型の縦断面図である。
【図7】一実施例において、第1のダイレクトゲートか
ら可塑化された樹脂を射出した状態を示す金型の縦断面
図である。
【図8】一実施例において、図7の状態におけるキャビ
ティ内の樹脂の充填状態を示す金型の平断面図である。
【図9】一実施例において、図1の状態におけるキャビ
ティ内の樹脂の充填状態を示す金型の平断面図である。
【図10】一実施例において、時刻に対する各開閉バル
ブの開弁時間を示すタイミングチャートである。
【図11】一実施例において、本実施例の効果を説明す
るための射出開始から終了までの時間に対するキャビテ
ィ内の各ダイレクトゲート近傍での圧力の関係を示すグ
ラフである。
【符号の説明】
1…樹脂成形品としてのドアトリム、7…第1の金型と
しての下型、8…第2の金型としての上型、9…キャビ
ティ、16…第1のゲートとしての第1のダイレクトゲ
ート、17,18,19,20…第2のゲートとしての
第2のダイレクトゲート。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−288609(JP,A) 特開 平6−71683(JP,A) 特開 平2−202414(JP,A) 特開 平6−254895(JP,A) 特開 平6−344398(JP,A) 特開 平6−238704(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B29C 45/26 - 45/44 B29C 33/00 - 33/76

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 樹脂成形品(1)の意匠面側を形成する
    ための第1の金型(7)と前記樹脂成形品(1)の非意
    匠面側を形成するための第2の金型(8)とを型締め
    し、前記樹脂成形品(1)形成用のキャビティ(9)を
    形成するキャビティ形成工程と、 前記キャビティ(9)に開口するよう前記第2の金型
    (8)に形成された少なくとも1つの第1のゲート(1
    6)から、可塑化された樹脂を前記キャビティ(9)内
    に射出する第1段射出工程と、 前記キャビティ(9)に開口するよう前記第2の金型
    (8)に形成されるとともに、前記第1のゲート(1
    6)よりも外周側に位置する少なくとも1つの第2のゲ
    ート(17,18,19,20)の部分を、前記第1の
    ゲート(16)から射出された樹脂が通過した後、前記
    第2のゲート(17,18,19,20)から、可塑化
    された樹脂を前記キャビティ(9)内に射出する第2段
    射出工程と、 前記第2段射出工程とほぼ同時に、前記第1のゲート
    (16)からの射出を停止させる第1段射出停止工程
    と、 前記キャビティ(9)内に可塑化された樹脂が充填さ
    れ、その後前記樹脂が固化した後、前記第1及び第2の
    金型(8,9)を分割する金型分割工程とを備えたこと
    を特徴とする樹脂成形品の射出成形方法。
  2. 【請求項2】 前記第1のゲート(16)の開口面積
    は、前記第2のゲート(17,18,19,20)の開
    口面積よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載の
    樹脂成形品の射出成形方法。
  3. 【請求項3】 前記第1のゲート(16)は、前記キャ
    ビティ(9)のうち、前記樹脂成形品(1)の肉圧部分
    又は将来的に視認されなくなる部分に開口していること
    を特徴とする請求項2に記載の樹脂成形品の射出成形方
    法。
  4. 【請求項4】 樹脂成形品(1)の意匠面側を形成する
    ための第1の金型(7)と、 前記樹脂成形品(1)の非意匠面側を形成するための第
    2の金型(8)とを備え、前記第1及び第2の金型
    (7,8)により形成されるキャビティ(9)内に可塑
    化された樹脂が射出充填される樹脂成形品の成形用金型
    であって、 前記キャビティ(9)に開口するよう前記第2の金型
    (8)に形成され、可塑化された樹脂を前記キャビティ
    (9)内に射出するための少なくとも1つの第1のゲー
    ト(16)と、 前記キャビティ(9)に開口するよう前記第2の金型
    (8)に形成されるとともに、前記第1のゲート(1
    6)よりも外周側に位置し、可塑化された樹脂を前記キ
    ャビティ(9)内に射出するための少なくとも1つの第
    2のゲート(17,18,19,20)と、 前記第2のゲート(17,18,19,20)を封鎖し
    た状態で前記第1のゲート(16)から可塑化された樹
    脂を射出させる手段と、 前記第1のゲート(16)から射出された樹脂が通過し
    た後、前記第2のゲート(17,18,19,20)か
    ら可塑化された樹脂を射出させる手段と、 前記第2のゲート(17,18,19,20)から可塑
    化された樹脂が射出されるのとほぼ同時に、前記第1の
    ゲート(16)からの射出を停止させる手段とを備えた
    ことを特徴とする樹脂成形品の成形用金型。
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