JP3148963B2 - ガス注入成形法におけるガス流路を塞ぐ方法 - Google Patents

ガス注入成形法におけるガス流路を塞ぐ方法

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JP3148963B2 JP27502193A JP27502193A JP3148963B2 JP 3148963 B2 JP3148963 B2 JP 3148963B2 JP 27502193 A JP27502193 A JP 27502193A JP 27502193 A JP27502193 A JP 27502193A JP 3148963 B2 JP3148963 B2 JP 3148963B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、成形金型のキャビティ
ー内に合成樹脂を注入し合成樹脂が固化しないうちに、
成形体内部に不活性ガスを注入し空隙を形成するガス注
入成形方法において、ゲート等のガス出入口に生じるガ
ス流路の一端である孔部を容易に塞ぐことのできるガス
流路を塞ぐ方法に関する。
【0002】
【従来の技術】合成樹脂製品の製造方法の1つとして、
成形金型のキャビティー内に合成樹脂を注入し合成樹脂
が固化しないうちに、成形体内部に高圧な不活性ガスを
注入し内部に空隙を形成するガス注入を伴う射出成形方
法が存在する。このガス注入成形方法によれば、合成樹
脂内の圧力の低い部分等にガスが流入し、ガスの保圧で
適当な圧力が成形体の隅まで届き、成形体内部の応力の
緩和と均一化図ることにより、成形体に生じるヒケや反
り等を防止するものである。
【0003】しかしながら、上述したガス注入成形方法
にあっては、不活性ガスをゲートやその他の部分を通じ
て注入すると、ゲート等の内部にはガス流路が形成さ
れ、したがってゲート等を切断すると、成形体における
ガス出入口の切断面にガス流路の一端である孔部が露呈
するという問題点があった。
【0004】この切断面に生じた孔部は美感的に劣った
り洗浄時に水が浸入したりすることから、この孔部にシ
ールや銘板を貼ることや、別ピースの合成樹脂片を溶着
することや、長めに残したゲート等を溶着する等の手段
により孔部を塞ぐことが行われている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
た孔部の塞ぎ方にあっては、例えば高圧水流で洗浄する
成形体にあっては、シールや別ピースの合成樹脂片が剥
がれる虞れがあり、また溶着によるゲート等のガス出入
口の処理も決して美感的に優れるとは言い難いものであ
った。
【0006】そこで、本発明にあっては、ガス出入口の
切断面に生じる孔部を優れた美感を保持しつつ確実に塞
ぐことのできるガス注入成形法におけるガス流路を塞ぐ
方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上述した目的を達成すべ
く、本発明のガス注入成形法におけるガス流路を塞ぐ方
法は、合成樹脂を成形金型のキャビティ内に注入した後
に不活性ガスを注入し成形体内部に空隙を形成するガス
注入成形法において、成形金型内部におけるガス出入口
部分に移動自在の可動ピンを配設し、前記可動ピンを
動手段により移 動方向に振動させながらガス出入口部分
に侵入させガス出入口を封じることを特徴とするもので
ある。
【0008】または、合成樹脂を成形金型のキャビティ
内に注入した後に不活性ガスを注入し成形体内部に空隙
を形成するガス注入成形法において、成形金型内部にお
けるガス出入口に対応するキャビティ部分に凹部を形成
して該凹部内に移動自在の可動ピンを配設するととも
に、前記可動ピンが移動して凹部内の合成樹脂をキャビ
ティ内のガス出入口部分の空隙に充填することを特徴と
するものである。
【0009】また、可動ピンを駆動手段により移動方向
に振動させながら移動させてもよい。
【0010】
【作用】合成樹脂を成形金型のキャビティ内に注入した
後に不活性ガスを注入し成形体内部に空隙を形成するガ
ス注入成形法において、成形金型内部におけるガス出入
口部分に移動自在の可動ピンを配設し、前記可動ピンを
駆動手段により移動方向に振動させながらガス出入口部
分に侵入させガス出入口を封じることにより、合成樹脂
成形品はその成形サイクル内でガス出入口に孔部を生じ
させることなくガス出入口を切断することができる。
【0011】合成樹脂を成形金型のキャビティ内に注入
した後に不活性ガスを注入し成形体内部に空隙を形成す
るガス注入成形法において、成形金型内部におけるガス
出入口に対応するキャビティ部分に凹部を形成して該凹
部内に移動自在の可動ピンを配設するとともに、前記可
動ピンが移動して凹部内の合成樹脂をキャビティ内の
ス出入口部分の空隙に充填することで、合成樹脂成形品
におけるガス出入口部分の空隙には凹部内の合成樹脂が
充填され、これによりガス出入口を切断してもガス出入
口部分に孔部が生じることがない。
【0012】また、可動ピンを駆動手段により移動方向
に振動させながら移動させることで、成形金型内での合
成樹脂の移動をスムースに行わせることができる。
【0013】
【実施例】図1及び図2は、本発明のガス注入成形法に
おけるガス流路を塞ぐ方法の第1の実施例を示す断面図
であり、図中1は本発明のガス注入成形法におけるガス
流路を塞ぐ方法によって射出成形される成形体、2は成
形体1を成形するために成形金型6のキャビティ内に射
出された合成樹脂、3は射出ノズルと成形体1とを結び
合成樹脂2及び窒素ガス等の不活性ガスを通じる成形金
型6内のスプルー、3aは所謂サイドゲートと称される
成形体1側面に直線状に形成されたゲート、4は合成樹
脂2内に前記不活性ガスを注入しそのガス流路により形
成された空隙、5は成形金型6内において上下方向に移
動自在に配設され、先端をゲート3aに位置する可動ピ
ンである。尚、本考案にあっては、キャビティは成形体
部分の空間のみならず、合成樹脂が注入されるスプル
ー、ランナーをも含むものとする。
【0014】この成形体1を成形する場合には、まず合
成樹脂2を成形金型6のキャビティ内に略一杯に注入
し、その後に合成樹脂2が全部固化しない間に図1に示
す如く、スプルー3を通じて高圧の不活性ガスを注入す
る。これにより成形体1内は勿論のこと、スプルー3や
ゲート3aの内部にもガス流路による空隙4が形成され
る。
【0015】そして保圧後、図2に示す如く、先端がゲ
ート3aに位置する可動ピン5を上方向に移動してゲー
ト3aを封じ切ることにより、ゲート3aに位置してい
た合成樹脂2が成形体1のゲート部とスプルー3に押し
込まれ、可動ピン5の切断面に空隙4が露出しないこと
となる。このようにして成形された成形体1は冷却工程
を経て離型される。
【0016】図3及び図4は、本発明のガス注入成形法
におけるガス流路を塞ぐ方法の第2の実施例を示し、こ
の場合のゲート3aは成形体1下面の側縁から水平に延
出するジャンプゲートと称されるもので、可動ピン5の
先端はゲート3aの下方に位置している。そして、図3
に示す如く合成樹脂2と不活性ガスとが注入されて保圧
後、図4に示す如く可動ピン5は上方向に成形体1底面
まで移動しゲート3aを封じ切る。
【0017】図5及び図6は、本発明のガス注入成形法
におけるガス流路を塞ぐ方法の第3の実施例を示し、こ
の場合のゲート3aは成形体1の上方にスプルー3が位
置するダイレクトゲートと称されるもので、可動ピン5
の先端はゲート3aと対向する成形体1下面に、成形体
1外周面に成形体としては本来不必要で余分な凸部1a
を設けるべく、金型に凹部を形成するとともにその凹部
内に可動ピン5を移動可能に配置している。そして、図
5に示す如く合成樹脂2と不活性ガスとが注入されて保
圧後、図6に示す如く可動ピン5は凹部内を上方向に成
形体1底面まで移動し凸部1a内の合成樹脂2をゲート
部まで押し込むものである。これにより、ゲート3aを
切断してもゲートカット部に空隙を生じさせないもので
ある。尚、可動ピン5の配設位置は、ゲート3aと対向
する成形体1下面に限定されることはなく、ゲート部に
凸部内の合成樹脂を押し込むことのできる位置であれば
どこでもよいものである。
【0018】また、前述した第1の実施例及び第2の実
施例にあっては、可動ピン5の先端をゲート3a(ゲー
ト以外のガス出入口も可)に位置させたが、勿論これに
限定されることはなく、ゲート3aに前記第3の実施
如き凹部を形成した上で可動ピン5を配置させてもよ
い。金型にこの凹部を形成することで、ガス出入口部分
の空隙は、凸部内の合成樹脂により一層確実に充填され
るものである。
【0019】尚、上述した第1の実施例乃至第の実施
例にあっては、可動ピン5を図示しない駆動手段により
移動方向に振動させながら移動させることで、合成樹脂
2がスムースに移動してゲート部を充填するものであ
る。
【0020】また前述した各実施例にあっては、不活性
ガスをゲートを通じて注入したが、勿論これに限定され
ることはなく、ゲート以外の任意のキャビティー部分か
ら注入してもよく、この場合可動ピンはゲート部でなく
ガス出入口に対応する個所に配設される。
【0021】
【発明の効果】以上詳述した如く、本発明のガス注入成
形法におけるガス流路を塞ぐ方法によれば、成形金型内
部におけるガス出入口部分に移動自在の可動ピンを配設
し、可動ピンを駆動手段により移動方向に振動させなが
ガス出入口部分に侵入させガス出入口を封じることに
より、合成樹脂成形品はその成形サイクル内でゲートカ
ット部に孔部を生じさせることなくゲートを切断するこ
とができるものである。また、成形金型内部におけるガ
ス出入口に対応するキャビティ部分に凹部を形成して
凹部内を移動自在の可動ピンを配設するとともに、可動
ピンが移動して凹部内の合成樹脂をキャビティ内のガス
出入口部分の空隙に充填することで、合成樹脂成形品に
おけるガス出入口部分の空隙には凹部内の合成樹脂が充
填され、これによりガス出入口を切断してもガス出入口
部分に孔部が生じることがないものである。
【0023】これにより、ヒケや反り等を防止すること
のできる優れた合成樹脂成形法であるガス注入成形法に
おいて、従来対処し得なかったゲートカット部等のガス
出入口の孔部の処理が必要でなくなることから、別ピー
スの合成樹脂片や貼り付け工程、溶着工程等が不要とな
り、ガス注入成形法における成形品の製造コストを低減
しつつ優れた美感を保持した成形品の提供が可能となっ
た。
【0024】また、可動ピンを移動方向に振動しつつ移
動させることで、成形金型内で合成樹脂がスムースに移
動してガス出入口部分を確実に充填するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のガス注入成形法におけるガス流路を塞
ぐ方法の第1の実施例を示す断面図である。
【図2】本発明のガス注入成形法におけるガス流路を塞
ぐ方法の第1の実施例を示す断面図である。
【図3】本発明のガス注入成形法におけるガス流路を塞
ぐ方法の第2の実施例を示す断面図である。
【図4】本発明のガス注入成形法におけるガス流路を塞
ぐ方法の第2の実施例を示す断面図である。
【図5】本発明のガス注入成形法におけるガス流路を塞
ぐ方法の第3の実施例を示す断面図である。
【図6】本発明のガス注入成形法におけるガス流路を塞
ぐ方法の第3の実施例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 成形体 2 合成樹脂 3 スプルー 3a ゲート 4 空隙 5 可動ピン 6 成形金型
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−31746(JP,A) 特開 昭63−78714(JP,A) 特開 平5−278057(JP,A) 特開 平7−88880(JP,A) 特開 平5−200797(JP,A) 特開 平4−219219(JP,A) 特開 平3−277519(JP,A) 特開 平7−24875(JP,A) 特開 平5−84787(JP,A) 特表 平6−510711(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B29C 45/00 - 45/38 B29C 33/00 - 33/30

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 合成樹脂を成形金型のキャビティ内に注
    入した後に不活性ガスを注入し成形体内部に空隙を形成
    するガス注入成形法において、成形金型内部におけるガ
    ス出入口部分に移動自在の可動ピンを配設し、前記可動
    ピンを駆動手段により移動方向に振動させながらガス出
    入口部分に侵入させガス出入口を封じることを特徴とす
    るガス注入成形法におけるガス流路を塞ぐ方法。
  2. 【請求項2】 合成樹脂を成形金型のキャビティ内に注
    入した後に不活性ガスを注入し成形体内部に空隙を形成
    するガス注入成形法において、成形金型内部におけるガ
    ス出入口に対応するキャビティ部分に凹部を形成して
    凹部内に移動自在の可動ピンを配設するとともに、前記
    可動ピンが移動して凹部内の合成樹脂をキャビティ内の
    ガス出入口部分の空隙に充填することを特徴とするガス
    注入成形法におけるガス流路を塞ぐ方法。
  3. 【請求項3】 可動ピンは、駆動手段により移動方向に
    振動させられながら移動することを特徴とする請求項
    記載のガス注入成形法におけるガス流路を塞ぐ方法。
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DE102012014013B4 (de) 2012-07-17 2022-02-24 Illinois Tool Works Inc. Verfahren und Vorrichtung zur Herstellung eines Kunststoffteils, insbesondere eines Kunststoffteils für ein Automobil, in einem Spritzgussverfahren
CN107030976A (zh) * 2016-11-22 2017-08-11 嘉兴信元精密模具科技有限公司 一种用于注塑模具潜伏式浇口的切割结构

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