JP3182853U - 縦折型折畳自転車用フレーム及び縦折型折畳自転車 - Google Patents

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Abstract

【課題】大きな折畳スペースを必要とせず、簡単な構造で且つ容易に折り畳むことができる折畳自転車を提供する。
【解決手段】前側フレーム10の頭管と後側フレーム20の立管を連結固定する主管を頭管側主管32と立管側主管33に分割して介装される縦折ジョイント40が、主管軸方向線の左右に2分割された頭管側分割体41と立管側分割体42から構成され、頭管側分割体41と立管側分割体42の接合面方向線が主管軸方向線に対し所定角度だけ傾斜し、しかも頭管側分割体41と立管側分割体42は相互に接合しながら回動可能に構成され、前側フレーム10を含む前側フレーム面が後側フレーム20を含む後側フレーム面に対して所定角度を有して縦折回動し、前側フレーム面が後側フレーム面の側方位置に略平行配置されて前輪17と後輪が重なり合う縦折型折畳自転車用フレーム及び縦折型折畳自転車である。
【選択図】図3

Description

本考案は、コンパクトに格納しておくことができる折畳自転車に関するものである。
従来の折畳自転車には、自転車フレームが前側フレームと後側フレームを連結し、サドルを支持する立管とハンドルを支持する頭管を連結する管の所定位置で側方に折り畳み自在に構成され、前輪と後輪を重ねて折り畳む側方折型折畳自転車がある。実用新案登録第3075431号公報(特許文献1)に側方折型折畳自転車用フレームが記載されている。側方折型折畳自転車は、前側又は後側フレームを一方に対して水平方向に回動させるから、自転車を折り畳むために回動半径に応じた水平方向のスペースが必要であった。また、水平方向に全長を約半分するだけのコンパクト化だった。
比較的狭い水平方向のスペースで自転車を折り畳む機構として、縦に自転車フレームを折り畳む従来の縦折機構を有した折畳自転車があり、実用新案登録第3091685号公報(特許文献2)には、側方折型折畳自転車に対して、更に従来の縦折機構を付加した折畳自転車が記載されている。
特許文献2に記載される側方折型自転車は、サドル支持フレームから後方のフレームが下方に回動可能な縦折機構を有し、更に、ハンドルを支持する頭管とサドルを支持する立管を接続する主管の所定位置から側方に前側フレームを回動させる側方折機構を有している。特許文献2の側方折型自転車では、先ず、後方のフレームを僅かに下方に回動させ、水平方向の長さをコンパクトにしてから、側方へ前側フレームを回動させて、自転車を折り畳んでいる。即ち、縦折機構により側方への回動半径を短くしてから、自転車フレームを側方へ折り畳んでいる。
実用新案登録第3075431号公報 実用新案登録第3091685号公報
前述のように、特許文献1に記載されるような側方折型折畳自転車は、前側又は後側フレームを一方に対して水平方向に回動させるから、自転車を折り畳むために回動半径に応じた水平方向のスペースが必要であった。また、水平方向に全長を約半分するだけのコンパクト化だった。
特許文献2に記載される側方折型折畳自転車は、従来の縦折機構が設けられ、前述のように、サドル後方のフレームを下方に回動できるが、サドル前方のフレームがあるため、回動角は僅かであり、縦折機構によるコンパクト化は小さかった。更に、特許文献2では、側方折機構を設けることにより、自転車を折り畳んだ後のコンパクト化を図っているが、側方折機構と縦折機構の二つの機構を有するため、構造が複雑になり、製造コストを増加させていた。また、側方折機構を有することから、自転車の折畳作業では一方のフレームを回動させるため、回転半径に応じて、水平方向に自転車の大きさ以上の折畳スペースが必要とされていた。
従って、本考案の目的は、自転車の大きさを越える折畳スペースを殆ど必要とせず、簡単な構造で且つ容易に折り畳むことができる折畳自転車を提供することである。
本考案は、上記課題を解決するために提案されたものであって、本考案の第1の形態は、頭管と前記頭管の上方に支持されたハンドルと前記頭管の下方に支持された前輪を有する前側フレームと、立管と前記立管の上方に支持されたサドルと前記立管の下方に支持されたクランクを有する後側フレームと、前記頭管と前記立管を連結固定する主管から構成された自転車用フレームであり、前記主管は頭管側に位置する頭管側主管と立管側に位置する立管側主管に分割され、前記頭管側主管と前記立管側主管の間に縦折ジョイントが介装され、前記縦折ジョイントは主管軸方向線の左右に面接合状態で2分割されて前記頭管側主管に接続される頭管側分割体と前記立管側主管に接続される立管側分割体から構成され、前記頭管側分割体と前記立管側分割体の接合面の接合面方向線は前記主管軸方向線と所定角度だけ傾斜して形成され、しかも前記頭管側分割体と前記立管側分割体は前記接合面で相互に接合しながら回動可能に構成され、前記頭管側分割体と前記立管側分割体を回動可能又は回動不能にするレバーを有し、前記レバーを緩めて回動可能にしたときに前記頭管側分割体を前記立管側分割体に対し前記接合面で接合しながら傾斜回動させると、前記頭管側主管と前記前側フレームを含む前側フレーム面が、前記立管側主管と前記後側フレームを含む後側フレーム面に対し、前記所定角度を有して略平行状態のまま縦折回動し、前記前側フレーム面が前記後側フレーム面の側方位置に略平行配置されて前記前輪と後輪が重なり合うよう折り畳まれる縦折型折畳自転車用フレームである。
本考案の第2の形態は、第1の形態において、前記頭管の上端にハンドル折畳ジョイントを介してホークステムを接続し、前記ホークステムにハンドルバーを結合したハンドルステムを上下調整自在に接続し、前記ハンドル折畳ジョイントを緩めて前記ホークステムを前記前輪の側方に折畳可能である縦折型折畳自転車用フレームである。
本考案の第3の形態は、第1又は第2の形態において、前記レバーを設けた前記縦折ジョイントを構成する前記頭管側分割体と前記立管側分割体の内部に、両端を軸支された中心軸と、前記中心軸を内挿するスプリングと、前記スプリングを伸縮自在に内装する環状体が設けられ、前記レバーの開動により前記中心軸が軸方向に移動して前記頭管側分割体と前記立管側分割体が緩められ、前記頭管側分割体と前記立管側分割体が相互に接合しながら回動可能になり、前記レバーの閉動により前記中心軸が前記軸方向と反対方向に移動して前記頭管側分割体と前記立管側分割体が堅く結合し、前記頭管側分割体と前記立管側分割体が回動不能になる縦折型折畳自転車用フレームである。
本考案の第4の形態は、第1〜第3のいずれかの形態の縦折型折畳自転車用フレームを有する縦折型折畳自転車である。
本考案の第1の形態によれば、前記自転車用フレームの主管は、頭管側に位置する頭管側主管と立管側に位置する立管側主管に分割され、前記頭管側主管と前記立管側主管の間に縦折ジョイントが介装され、前記縦折ジョイントが主管軸方向線の左右に面接合状態で2分割されて前記頭管側主管に接続される頭管側分割体と前記立管側主管に接続される立管側分割体から構成され、前記頭管側分割体と前記立管側分割体の接合面の接合面方向線は、前記主管軸方向線と所定角度だけ傾斜して形成され、しかも前記頭管側分割体と前記立管側分割体は前記接合面で相互に接合しながら回動可能に構成されるから、前記頭管側分割体を前記立管側分割体に対し前記接合面で接合しながら傾斜回動させることができる。更に、本考案の第1の形態を有する折畳自転車は、前記前側フレーム面が前記後側フレーム面に対し、前記所定角度を有して略平行状態のまま縦折回動し、前記前側フレーム面が前記後側フレーム面の側方位置に略平行配置されて前記前輪と後輪が重なり合うから、狭いスペースで容易に折り畳むことができる。
即ち、前記頭管側主管に接続される頭管側分割体が前記立管側主管に接続される立管側分割体に対し傾斜回動し、且つ、前記頭管側主管と前記前側フレームを含む前側フレーム面が前記立管側主管と前記後側フレームを含む後側フレーム面に対して縦折回動するから、前側又は後側のフレームが他方の邪魔になることは無く、1回の回動作業で前輪と後輪が重なり合うよう自転車を折り畳むことができる。例えば、本考案に係る縦折型折畳自転車用フレームを有する自転車を地面に対して前輪側を上方に直立させれば、前記頭管側分割体と前記立管側分割体を回動可能にし、容易に前側フレームからなる自転車の前輪側を前輪と後輪が重なり合うまで縦折回動することができる。更に、前側フレームは、自重により容易に回動されるから、大きな労力を使わず、折畳作業を行うことができる。また、前記頭管側分割体と前記立管側分割体を回動可能又は回動不能にするレバーを有し、前記レバーを操作することによって、簡単に前側フレーム面を後側フレーム面に対して縦折回動することができる。
本考案の第2の形態によれば、前記頭管の上端にハンドル折畳ジョイントを介してホークステムを接続し、前記ホークステムにハンドルバーを結合したハンドルステムを上下調整自在に接続し、前記ハンドル折畳ジョイントを緩めて前記ホークステムを前記前輪の側方に折畳可能であるから、よりコンパクトに本考案に係る縦折型折畳自転車を折り畳むことができる。即ち、前記ハンドルステムが上下調整自在に接続されるから、前記ハンドルステムを下方に移動させ、コンパクトにすることができ、更に、前記ホークステムを前記前輪の側方に折り畳み、自転車の前側フレームをよりコンパクトに折り畳むことができる。
本考案の第3の形態によれば、前記レバーを設けた前記縦折ジョイントを構成する前記頭管側分割体と前記立管側分割体の内部に、両端を軸支された中心軸と、前記中心軸を内挿するスプリングと、前記スプリングを伸縮自在に内装する環状体が設けられ、前記レバーの開動により前記中心軸が軸方向に移動して前記頭管側分割体と前記立管側分割体が緩められ、前記頭管側分割体と前記立管側分割体が相互に接合しながら回動可能になり、前記レバーの閉動により前記中心軸が前記軸方向と反対方向に移動して前記頭管側分割体と前記立管側分割体が堅く結合し、前記頭管側分割体と前記立管側分割体が回動不能になるから、縦折ジョイントの回動可能と回動不能の切替をレバー操作により簡単に行うことができる。
よって、縦折ジョイントの回動可能と回動不能の切替が簡単であることから、自転車の折畳作業を容易に行うことができる。
本考案の第4の形態によれば、第1〜第3のいずれかの形態の縦折型折畳自転車用フレームを有する縦折型折畳自転車であるから、前述のように、自転車を狭いスペースで容易に折り畳むことができる。例えば、前述のように、本考案に係る縦折型折畳自転車を直立させれば、自転車が載置された水平スペースで折り畳むことができる。
図1は、本考案に係る縦折型折畳自転車の正面図である。 図2は、本考案に係る縦折型折畳自転車を直立させた状態でサドル側から視た平面図である。 図3は、本考案に係る縦折型折畳自転車を直立させた状態で完全に折畳した状態でのサドル側から視た平面図である。 図4は、本考案に係る縦折型折畳自転車を直立させ、サドルとハンドルポストを短縮化した第1折畳段階正面図である。 図5は、本考案に係る縦折型折畳自転車を直立させ、縦折ジョイントを部分回動させた第2折畳段階正面図である。 図6は、本考案に係る縦折型折畳自転車を直立させ、縦折ジョイントを最終位置まで完全回動させた第3折畳段階正面図である。 図7は、本考案に係る縦折型折畳自転車を直立させ、ハンドルを部分回動させた第4折畳段階正面図である。 図8は、本考案に係る縦折型折畳自転車を直立させ、ハンドルを最終位置まで完全回動させた完成折畳段階正面図である。 図9は、本考案に係る縦折型折畳自転車の完成折畳段階において、サドル側より視た側面図である。 図10は、本考案に係る縦折型折畳自転車において、折畳前に主管に取着された縦折ジョイントの取付図である。 図11は、本考案の図10において、縦折された後の縦折ジョイントの外観図である。 図12は、本考案において使用される縦折ジョイントの分解斜視図であり、立管側分割体の内部構造を示す。 図13は、本考案において使用される縦折ジョイントの分解斜視図であり、頭管側分割体の内側構造を示す。
以下、本考案に係る縦折型折畳自転車用フレーム及びそれを用いた縦折型折畳自転車の実施形態を、添付する図面に基づいて詳細に説明する。尚、一般的な従来の自転車と同一の機構や部材については、簡単な説明のみとし、詳細を省略する。
図1は、本考案に係る縦折型折畳自転車1の正面図であり、図の縦折型折畳自転車1は地面2を前方へ進行可能な状態で記載されている。縦折型折畳自転車1を構成する縦折型折畳自転車用フレーム3は、前側フレーム10と後側フレーム20及び連結管部30から構成されている。連結管部30の主管31には縦折ジョイント31が設けられ、本考案に係る縦折機構の詳細は後述する。
前記前側フレーム10は、上方からハンドルバー11、ハンドルステム12、ホークステム13、このホークステム13にハンドル折畳ジョイント14を介して接続される頭管15及び前ホーク16から構成されている。ハンドルバー11はハンドルステム12に固定されており、ステムレバー12aを操作して締付け状態を緩めることにより、ハンドルステム12に対するハンドルバー11の固定状態を自在に調整することができる。更に、前記ハンドルステム12はホークステム13に上下調整自在に嵌合され、図示していないがホークステム13の上端に設けたロック機構によりハンドルステム12が所定の位置に固定される。また、後述するように、ハンドル折畳ジョイント14はハンドル側レバー14aによりロック状態を解除し、ハンドル折畳ジョイント14の上部に接続されたホークステム13を頭管15に対して側方に倒すことが可能である。前ホーク16には前輪17が取付けられている。
図1に示すように、前記後側フレーム20は立管23からなり、上下調整自在にサドル21を支持するシートポスト22が立管23に嵌合されており、図示していないがロック機構によりシートポスト22を所望の位置に固定することができ、サドル21の位置を調整することが可能である。立管23にはクランク24を軸支するハンガーラグ27が主管31と共に接合されおり、クランク24にはペダル25とスプロケット26が取付けられ、ペダル25を漕ぐことによりスプロケット26が回転する。更に、立管23には、チェーンステイ51とバックホーク52が接合されて後側フレーム20が構成されている。
また、チェーンステイ51とバックホーク52は、後輪53が回転自在に取付けられる爪54に接続されている。スプロケット26にチェーン50が取付けられ、一般的な自転車と同様にペダル25を漕ぐことにより後輪53を駆動することができる。爪54にはキャスタ支持部材56が取付けられ、このキャスタ支持部材56にキャスタ57が取付けられている。更に、荷台58にも同様に荷台側キャスタ59が設けられており、例えば、後述する折畳状態で自転車を容易に移動させることができる。更に、センタースタンド55がチェーンステイ51に取付けられており、縦折型折畳自転車1を支持して地面2上に載置することができる。また、センタースタンド55はチェーンステイ51側に折り畳むことが可能である。尚、図のキャスタ支持部材56は爪54に固定されている。
図1に示すように、縦折型折畳自転車用フレーム3を構成する連結管部30は、主管31とその強度を補強する補助管34及び主管31と補助管34を接合する縦杆38、39から構成されている。主管31は、頭管側主管32と立管側主管33及びこれらを縦折可能に連結する縦折ジョイント40からなり、頭管側主管32が前記頭管15に接合され、立管側主管33が前記立管23に接合されている。補助管34は分離可能な頭管側補助管35と立管側補助管36からなり、頭管側補助管35に設けられた当接用キャップ37に立管側補助管36が嵌合して当接するよう構成されている。即ち、後述する折畳状態では、頭管側補助管35と立管側補助管36が中央の当接用キャップ37の位置で分離する。図1の状態では、頭管側補助管35と立管側補助管36が当接用キャップ37を介して結合しているため、主管31の補強作用を有し、縦折ジョイント40に対する負荷を軽減させている。図のように、頭管側補助管35が縦杆38を介して頭管側主管32に接合され、立管側補助管36が縦杆39を介して立管側主管33に接合されており、更に、頭管側補助管35が前記頭管15に接合され、立管側補助管36が前記立管23に接合されている。よって、補助管34が設けられることにより、本考案に係る縦折型折畳自転車用フレーム3に好適な耐久性を付与することができる。
図2は、本考案に係る縦折型折畳自転車を直立させた状態でサドル側から視た平面図である。尚、同一部材には同一符号を付しており、同一部材に関する説明を省略し、また主要な部材以外の記載を省略している場合がある。図2では、図1の縦折型折畳自転車1が地面2に直立されており、キャスタ57と荷台側キャスタ59によって直立して地面2上に載置されている。また、図2では、縦折ジョイント40の構造を示すため、図1の補助管34を記載しておらず、サドル21側から縦折ジョイント40の上面が見ることができる。図2に示すように、縦折ジョイント40は、頭管側分割体41と立管側分割体42から構成され、立管側分割体42にはレバー43が取付けられている。後述するように、レバー43の開動により頭管側分割体41と立管側分割体が緩められ、縦折回動が可能になる。
図3は、本考案に係る縦折型折畳自転車1を直立させた状態で完全に折畳した状態でのサドル21側から視た平面図である。図2と同様に前記補助管34の記載が省略され、折畳状態における縦折ジョイント40の状態がサドル側から示されている。図3の縦折型折畳自転車1は、図1の状態から、前側フレーム10を後側フレーム20に対してサドル21とは逆方向に縦折りし、ホークステム13を側方に倒して完全な折畳状態としている。頭管側主管32が接合された頭管側分割体41は立管側分割体42に対して傾斜回動しており、前側フレーム10が後側フレームの側方位置に略平行配置されて前輪と後輪が重なり合っている。図3の折畳状態とした後、レバー43を図の位置に戻すことにより、頭管側分割体41と立管側分割体42が堅く結合し、折畳状態を保持することができる。
図4は、本考案に係る縦折型折畳自転車1を直立させ、サドルとハンドルポストを短縮化した第1折畳段階正面図である。図4の縦折型折畳自転車1は、先ず、図2と同様にキャスタ57と荷台側キャスタ59によって地面2に直立されている。更に、ホークステム13の内部に図1に示したハンドルステム12が矢印A方向に収容され、立管23にシートポスト22が矢印B方向に収納されている。即ち、縦折型折畳自転車1のサドル21の方向とハンドルバー11の方向への大きさが短縮されている。図4の状態を第1折畳段階と称している。尚、上述の短縮操作は、折畳の最終段階で行っても良い。また、センタースタンド55が折り畳まれている。
図5は、本考案に係る縦折型折畳自転車1を直立させ、縦折ジョイント40を部分回動させた第2折畳段階正面図である。図5の縦折型折畳自転車1では、図4の第1折畳段階から、前側フレーム10が更に縦折りされて、頭管側主管32が立管側主管33に対して略直角以上に折り畳まれており、この状態を第2折畳段階と称している。前側フレーム10は、更に矢印C方向に縦折されて折り畳まれていく。また、頭管側補助管35と立管側補助管36が分離している。
図6は、本考案に係る縦折型折畳自転車1を直立させ、縦折ジョイント40を最終位置まで完全回動させた第3折畳段階正面図である。図6の縦折型折畳自転車1では、図5の第1折畳段階から、前側フレーム10が更に縦折りされ、前輪17と後輪53が重なり合う最終位置まで縦折ジョイント40が完全回動されている。即ち、頭管側主管32と前側フレーム10を含む前側フレーム面は、立管側主管33と後側フレーム20を含む後側フレーム面の側方位置に略平行配置されている。図6の状態を第3折畳段階と称し、この段階で縦折ジョイント40が完全回動となり、略直線状体であった頭管側主管32と立管側主管33が最終位置まで縦折りされている。更に、ハンドル側レバー14aを開動してハンドル折畳ジョイント14のロックを解除することにより、ハンドルバー11を支持するホークステム13を頭管15に対して側方の矢印D方向に倒すことができる。
図7は、本考案に係る縦折型折畳自転車1を直立させ、ハンドルを部分回動させた第4折畳段階正面図である。図7の縦折型折畳自転車1では、図6の第3折畳段階から、前述のように、ハンドル側レバー14aを開動してハンドル折畳ジョイント14のロックを解除して、ハンドルバー11を支持するホークステム13を頭管15に対して側方の矢印E方向に倒している。即ち、ハンドル折畳ジョイント14が上下に分離して開動し、ハンドル折畳ジョイント14の上下を連結する軸によりホークステム13が側方に倒され、折り畳まれていく。図7の状態を第4折畳段階と称している。
図8は、本考案に係る縦折型折畳自転車1を直立させ、ハンドルを最終位置まで完全回動させた完成折畳段階正面図である。図7の縦折型折畳自転車1は、図6の第4折畳段階から更にホークステム13が側方に倒されて折り畳まれたものであり、ハンドル折畳ジョイント14が最終位置まで完全回動されたものであり、図に示した実施形態の折畳が完了したものである。よって、完成折畳段階と称している。図8に示すように、前輪17と後輪53が重なり合い、前記前側フレーム面が前記後側フレーム面の側方位置に略平行配置され、更に、ホークステム13とハンドルバー11も側方に折り畳まれることにより、極めてコンパクトな状態となっている。前述のように、キャスタ57と荷台側キャスタ59が設けられており、完成折畳段階の状態で自転車を容易に水平移動させることができる。
図9は、本考案に係る縦折型折畳自転車1の完成折畳段階において、サドル側より視た側面図である。即ち、図8に示した完成折畳段階の縦折型折畳自転車1をサドル側から視たものである。縦折ジョイント40は、頭管側主管32に接続される頭管側分割体41が立管側分割体42に対して所定角度だけ傾斜している。その結果、前側フレーム10を後側フレーム20に対して傾斜回動し、前輪と後輪が重なり合うよう折り畳まれることが分かる。また、ホークステム13とハンドルバー11がハンドル折畳ジョイント14を軸に側方に折り畳まれ、コンパクトな状態となっている。更に、頭管側補助管35の当接用キャップ37に嵌合していた立管側補助管36は、縦折回動することにより頭管側補助管35と分離している。
図10は、本考案に係る縦折型折畳自転車において、折畳前に主管に取着された縦折ジョイントの取付図である。縦折ジョイント40は頭管側分割体41と立管側分割体42に二分割され、頭管側分割体41と立管側分割体42は傾斜した接合面44で回動可能に接合(又は当接)している。頭管側分割体41の一部である頭管側主管受部41aには頭管側主管32が挿入されて固定されている。また、立管側分割体42の一部である立管側主管受部42aには立管側主管33が挿入されて固定されている。頭管側主管32と立管側主管33とは共に主管31を構成し、主管31の主管軸方向線Aを共通にしている。
他方、前記接合面44は平面又は略平面を形成し、前記接合面44のうち略水平面との交線である接合面方向線Bが存在し、この接合面方向線Bが主管軸方向線Aに対し所定角度θだけ傾斜していることが本考案の重要な特徴である。レバー43が図10の状態に位置しているとき、頭管側分割体41と立管側分割体42とは相互にロックされており、接合面44の周りにおける回動が阻止され、回動不能の状態にある。即ち、この回動不能状態では、本考案の縦折型折畳自転車用フレーム3及び縦折型折畳自転車1を折り畳むことができず、換言すれば走行可能状態にあるということができる。更に、前記レバー43を矢印F方向に開動させると、頭管側分割体41と立管側分割体42との接合面44を介して作用する接合力が緩み、頭管側分割体41と立管側分割体42とは緩く接合しながら接合面の周りに回動可能になる。即ち、レバー43を矢印F方向に開動させると、縦折ジョイント40は回動可能になり、縦折型の折畳が可能になる。
図11は、本考案の図10において、縦折された後の縦折ジョイントの外観図である。図10の状態から図11の状態に回動する為には、レバー43を矢印F方向に開動させて縦折ジョイント40を緩め、その後に立管側分割体42と立管側主管33をそのままの状態に保持して、頭管側分割体41と頭管側主管32を一体で矢印G方向に回動させる。従って、図11のように、頭管側主管32が立管側主管33に対し所定角度θだけ交差した状態で略平行に配置される。その結果、図10及び図11には他の部材は図示されていないが、前側フレーム10が後側フレーム20の側方に折り畳まれることになる。本考案では、この折畳方式を縦折型折畳と称し、従来の横折型折畳と比較して狭い空間で自転車を折り畳むことが可能になる。縦折型折畳が完了すると、図11に示すように、レバー43を矢印H方向に閉動させ、縦折ジョイント40を再びロックし、自転車の縦折状態を固定して安全化する。
図12は、本考案において使用される縦折ジョイントの分解斜視図であり、立管側分割体の内部構造を示す。図示するように、縦折ジョイント40は、頭管側分割体41と立管側分割体42に二分割されており、頭管側分割体41の頭管側主管受部41aには頭管側主管32(図示せず)が接続固定され、立管側分割体42には立管側主管33(図示せず)が接続固定される。レバー43の回動端には間隙43を介して2個の円状突起43a、43aが形成され、円状突起43a、43aには透孔43b、43bが穿孔されている。前記透孔43b、43bには、側面に孔45aを穿孔した軸体45が内挿される。円状突起43a、43aの透孔43b、43bの周囲には厚肉部43dと薄肉部43cが形成されている。レバー43を閉動、即ち閉めたときには、厚肉部43dが立管側分割体42の外面を強く押圧し、立管側分割体42が頭管側分割体41に対し接合面44を介して押圧され、立管側分割体42と頭管側分割体41とは相互に回動不能になる。また、レバー43を開動、即ち開いたときには、薄肉部43cが立管側分割体42の外面を押圧せず、立管側分割体42が頭管側分割体41に対し接合面44を介して押圧されないから、立管側分割体42と頭管側分割体41とは相互に回動可能になる。
立管側分割体42の内部には、環状体46が突設され、この中にスプリング48が収納され、スプリング48の中には中心軸47が挿通される。中心軸47の中心軸先端47aは前記軸体45の孔45aに挿通され、レバー43の開閉中にあっても中心軸先端47aは孔45a内にあって支持されている。中心軸後端47bは軸受体49aの受孔49cに挿通されて前記開閉中にあっても常に支持されている。頭管側分割体41には貫通孔41cが穿孔されており、この貫通孔41c内に前記軸受体49aが内嵌され、軸受体49aの埋孔49dには詰軸体49bが内入されている。レバー43が閉動されると、厚肉部43dにより立管側分割体42は押圧され、スプリング48の短縮によるバネ力に抗して前記回動不能状態が実現される。また、レバー43が開動されると、薄肉部43cにより立管側分割体42の押圧力はほぼ無くなり、スプリング48のバネ力により押されて立管側分割体42は緩い状態になり、前記回動可能状態が実現される。
図13は、本考案において使用される縦折ジョイントの分解斜視図であり、頭管側分割体の内側構造を示す。図12の番号と同一部材については説明を省略し、異なる部材についてのみ説明する。頭管側分割体41の内部には、挿入孔41fが穿孔され手織り、中心軸後端47bは前記挿入孔41fに挿通される。また、受軸体49aの先端には挿通孔49eが穿孔され、前記中心軸後端47bは挿通孔49eにも挿通されて支持される。従って、レバー43の開閉中、中心軸先端47aは孔45aに支持され、中心軸後端47bは挿通孔49eに挿通され、中心軸47が軸方向に前後動しても常に中心軸は軸芯に保持される。その結果、図10及び図11に説明されるように、頭管側分割体41と立管側分割体42の接合面44の周りの安定な回動が確保され、レバー43の開動による回動可能状態と、レバー43の閉動による回動不能状態が安定して実現される。
本考案に係る縦折型折畳自転車フレームによれば、前記前側フレームの頭管と前記後側フレームの立管を連結固定する主管が頭管側主管と立管側主管に分割され、前記頭管側主管と前記立管側主管の間に傾斜回動可能な縦折ジョイントが介装されるから、自転車の大きさを越える折畳スペースを殆ど必要とせず、簡単な構造で且つ容易に折り畳むことができる縦折型折畳自転車を提供することができる。よって、本考案に係る縦折型折畳自転車は、容易に移動できると共に、駐輪場の少ない都会においても、歩道や屋内等の狭い空間で自転車を折り畳むことができる。
1 縦折型折畳自転車
2 地面
3 縦折型折畳自転車用フレーム
10 前側フレーム
11 ハンドルバー
12 ハンドルステム
12a ステムレバー
13 ホークステム
14 ハンドル折畳ジョイント
14a ハンドル側レバー
15 頭管
16 前ホーク
17 前輪
20 後側フレーム
21 サドル
22 シートポスト
23 立管
24 クランク
25 ペダル
26 スプロケット
27 ハンガーラグ
30 連結管部
31 主管
32 頭管側主管
33 立管側主管
34 補助管
35 頭管側補助管
36 立管側補助管
37 当接用キャップ
38 縦杆
39 縦杆
40 縦折ジョイント
41 頭管側分割体
41a 頭側主管受部
42 立管側分割体
42a 立管側主管受部
42e 貫通孔
42f 挿入孔
43 レバー
43a 円状突起
43b 透孔
43c 薄肉部
43d 厚肉部
43e 間隙
44 接合面
45 軸体
45a 孔
46 環状体
47 中心軸
47a 中心軸先端
47b 中心軸後端
48 スプリング
49a 受軸体
49b 詰軸体
49c 受孔
49d 埋孔
49e 挿通孔
50 チェーン
51 チェーンステイ
52 バックホーク
53 後輪
54 爪
55 センタースタンド
56 キャスタ支持部材
57 キャスタ
58 荷台
59 荷台側キャスタ
A 主管軸方向線
B 接合面方向線
θ 所定角度

Claims (4)

  1. 頭管と前記頭管の上方に支持されたハンドルと前記頭管の下方に支持された前輪を有する前側フレームと、立管と前記立管の上方に支持されたサドルと前記立管の下方に支持されたクランクを有する後側フレームと、前記頭管と前記立管を連結固定する主管から構成された自転車用フレームであり、前記主管は頭管側に位置する頭管側主管と立管側に位置する立管側主管に分割され、前記頭管側主管と前記立管側主管の間に縦折ジョイントが介装され、前記縦折ジョイントは主管軸方向線の左右に面接合状態で2分割されて前記頭管側主管に接続される頭管側分割体と前記立管側主管に接続される立管側分割体から構成され、前記頭管側分割体と前記立管側分割体の接合面の接合面方向線は前記主管軸方向線と所定角度だけ傾斜して形成され、しかも前記頭管側分割体と前記立管側分割体は前記接合面で相互に接合しながら回動可能に構成され、前記頭管側分割体と前記立管側分割体を回動可能又は回動不能にするレバーを有し、前記レバーを緩めて回動可能にしたときに前記頭管側分割体を前記立管側分割体に対し前記接合面で接合しながら傾斜回動させると、前記頭管側主管と前記前側フレームを含む前側フレーム面が、前記立管側主管と前記後側フレームを含む後側フレーム面に対し、前記所定角度を有して略平行状態のまま縦折回動し、前記前側フレーム面が前記後側フレーム面の側方位置に略平行配置されて前記前輪と後輪が重なり合うよう折り畳まれることを特徴とする縦折型折畳自転車用フレーム。
  2. 前記頭管の上端にハンドル折畳ジョイントを介してホークステムを接続し、前記ホークステムにハンドルバーを結合したハンドルステムを上下調整自在に接続し、前記ハンドル折畳ジョイントを緩めて前記ホークステムを前記前輪の側方に折畳可能である請求項1に記載の縦折型折畳自転車用フレーム。
  3. 前記レバーを設けた前記縦折ジョイントを構成する前記頭管側分割体と前記立管側分割体の内部に、両端を軸支された中心軸と、前記中心軸を内挿するスプリングと、前記スプリングを伸縮自在に内装する環状体が設けられ、前記レバーの開動により前記中心軸が軸方向に移動して前記頭管側分割体と前記立管側分割体が緩められ、前記頭管側分割体と前記立管側分割体が相互に接合しながら回動可能になり、前記レバーの閉動により前記中心軸が前記軸方向と反対方向に移動して前記頭管側分割体と前記立管側分割体が堅く結合し、前記頭管側分割体と前記立管側分割体が回動不能になる請求項1又は2に記載の縦折型折畳自転車用フレーム。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の縦折型折畳自転車用フレームを有することを特徴とする縦折型折畳自転車。
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