JP3182817B2 - 1,1,3,4,4,6−ヘキサメチル−7−アセチルテトラリンの製造方法 - Google Patents
1,1,3,4,4,6−ヘキサメチル−7−アセチルテトラリンの製造方法Info
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- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
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- Y02P20/50—Improvements relating to the production of bulk chemicals
- Y02P20/52—Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts
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- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
- Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はムスク香料として広汎に
使用されている1,1,3,4,4,6−ヘキサメチル
−7−アセチルテトラリン(以下、HATと称する)の
製造方法に関する。
使用されている1,1,3,4,4,6−ヘキサメチル
−7−アセチルテトラリン(以下、HATと称する)の
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】1,1,3,4,4,6−ヘキサメチル
テトラリン(以下、HMTと称する)を無水酢酸または
酢酸クロリドをアセチル化剤とし、アルミニウムハライ
ド触媒の存在下でアセチル化して製造する方法は公知で
ある。これら公知の反応条件を表1にまとめて示す。
テトラリン(以下、HMTと称する)を無水酢酸または
酢酸クロリドをアセチル化剤とし、アルミニウムハライ
ド触媒の存在下でアセチル化して製造する方法は公知で
ある。これら公知の反応条件を表1にまとめて示す。
【0003】
【表1】 *1 AlX3 /AcCl:アルミニウムハライド/酢
酸クロリド *2 AlX3 /HMT :アルミニウムハライド/H
MT *3 EDC:1,2−ジクロロエタン
酸クロリド *2 AlX3 /HMT :アルミニウムハライド/H
MT *3 EDC:1,2−ジクロロエタン
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
従来方法でHMTをアセチル化すると、目的とするHA
T以外に、テトラリン骨格がインダン骨格へ異性化した
1,1,3,5−テトラメチル−3−イソプロピル−6
−アセチルインダン(以下、INAと称する)を主とす
る副生物が生ずることが判った。このINA等はHAT
からの分離が難しく、香料としてのHATの価値を著し
く低下させる。
従来方法でHMTをアセチル化すると、目的とするHA
T以外に、テトラリン骨格がインダン骨格へ異性化した
1,1,3,5−テトラメチル−3−イソプロピル−6
−アセチルインダン(以下、INAと称する)を主とす
る副生物が生ずることが判った。このINA等はHAT
からの分離が難しく、香料としてのHATの価値を著し
く低下させる。
【0005】かかる事情に鑑み、本発明者等は副反応を
抑制し、HMTをアセチル化してHATを高収率で製造
する方法について鋭意検討した結果、アセチル化反応に
おける反応条件、特にモル比および反応温度が一定の範
囲にある場合に副反応が抑制され、しかも高い収率が得
られることを見出し、本発明を完成するに至った。
抑制し、HMTをアセチル化してHATを高収率で製造
する方法について鋭意検討した結果、アセチル化反応に
おける反応条件、特にモル比および反応温度が一定の範
囲にある場合に副反応が抑制され、しかも高い収率が得
られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、アセ
チル化剤として無水酢酸または酢酸クロリドを用い、無
水アルミニウムハライド触媒の存在下に、1,1,3,
4,4,6−ヘキサメチルテトラリンをアセチル化し
て、1,1,3,4,4,6−ヘキサメチル−7−アセ
チルテトラリンを製造する方法において、25℃におけ
る溶解度係数が9.2以上の塩素化脂肪族炭化水素また
はニトロ化合物を溶媒として用い、無水酢酸または酢酸
クロリドに対する無水アルミニウムハライドのモル比が
各々1.95以下または0.98以下で、0〜25℃で
反応させることを特徴とする1,1,3,4,4,6−
ヘキサメチル−7−アセチルテトラリンの製造方法であ
る。
チル化剤として無水酢酸または酢酸クロリドを用い、無
水アルミニウムハライド触媒の存在下に、1,1,3,
4,4,6−ヘキサメチルテトラリンをアセチル化し
て、1,1,3,4,4,6−ヘキサメチル−7−アセ
チルテトラリンを製造する方法において、25℃におけ
る溶解度係数が9.2以上の塩素化脂肪族炭化水素また
はニトロ化合物を溶媒として用い、無水酢酸または酢酸
クロリドに対する無水アルミニウムハライドのモル比が
各々1.95以下または0.98以下で、0〜25℃で
反応させることを特徴とする1,1,3,4,4,6−
ヘキサメチル−7−アセチルテトラリンの製造方法であ
る。
【0007】本発明で用いられる無水アルミニウムハラ
イドとしては、三塩化アルミニウムまたは三臭化アルミ
ニウムが挙げられる。
イドとしては、三塩化アルミニウムまたは三臭化アルミ
ニウムが挙げられる。
【0008】本発明で用いられる1,1,3,4,4,
6−ヘキサメチルテトラリンは、例えばP−サイメンと
3,3−ジメチル−1−ブテンまたは2,3−ジメチル
−1−ブテンを3級アルキルハライドおよび無水アルミ
ニウムハライドの存在下に反応させて得られる。
6−ヘキサメチルテトラリンは、例えばP−サイメンと
3,3−ジメチル−1−ブテンまたは2,3−ジメチル
−1−ブテンを3級アルキルハライドおよび無水アルミ
ニウムハライドの存在下に反応させて得られる。
【0009】本反応において、酢酸クロリドまたは無水
酢酸に対する無水アルミニウムハライドのモル比(Al
X3 /CH3 COCL、AlX3 /(CH3 CO)
2 O)が異性化等の副反応に関与し、一方、HMTに対
する無水アルミニウムハライドのモル比(AlX3 /H
MT)が主にHMTの転化率に関与している。
酢酸に対する無水アルミニウムハライドのモル比(Al
X3 /CH3 COCL、AlX3 /(CH3 CO)
2 O)が異性化等の副反応に関与し、一方、HMTに対
する無水アルミニウムハライドのモル比(AlX3 /H
MT)が主にHMTの転化率に関与している。
【0010】副反応に関しては、上記従来技術が開示し
ている範囲のAlX3 /CH3 COCLモル比が1.0
以上では、反応温度にかかわらず異性化等の副反応を抑
制することは出来ない。その理由は、次の反応式で示さ
れる CH3 COCL+AlCl3 →CH3 CO+ ・AlCl4 - (I) アセチル化錯体(I) の形成に関与していないフリ−のア
ルミニウムハライドが存在する場合に副反応が生ずるの
ではないかと考えられる。
ている範囲のAlX3 /CH3 COCLモル比が1.0
以上では、反応温度にかかわらず異性化等の副反応を抑
制することは出来ない。その理由は、次の反応式で示さ
れる CH3 COCL+AlCl3 →CH3 CO+ ・AlCl4 - (I) アセチル化錯体(I) の形成に関与していないフリ−のア
ルミニウムハライドが存在する場合に副反応が生ずるの
ではないかと考えられる。
【0011】アセチル化剤として酢酸クロリドを用いる
場合に、AlX3 /CH3 COCLモル比は0.98以
下、好ましくは0.95以下で行われる。モル比が0.
98以下では異性化率を約0.5%以下に、0.95以
下では約0.1%以下にすることができる。INAの副
生を抑制すると、他の副生物の生成も少なくなる。
場合に、AlX3 /CH3 COCLモル比は0.98以
下、好ましくは0.95以下で行われる。モル比が0.
98以下では異性化率を約0.5%以下に、0.95以
下では約0.1%以下にすることができる。INAの副
生を抑制すると、他の副生物の生成も少なくなる。
【0012】またアセチル化剤として無水酢酸を用いる
場合には、AlX3/(CH3 CO)2 Oモル比は1.
95以下、好ましくは1.90以下で行われる。このこ
とは次式からも想定される。 (CH3 CO)2 O+2AlCl3 → CH3 CO+ ・AlCl4 - (I)+CH3 COAlCl2 酢酸クロリドを用いる場合と同様、異性化率をそれぞれ
約0.5%以下、約0.1%以下にすることができる。
場合には、AlX3/(CH3 CO)2 Oモル比は1.
95以下、好ましくは1.90以下で行われる。このこ
とは次式からも想定される。 (CH3 CO)2 O+2AlCl3 → CH3 CO+ ・AlCl4 - (I)+CH3 COAlCl2 酢酸クロリドを用いる場合と同様、異性化率をそれぞれ
約0.5%以下、約0.1%以下にすることができる。
【0013】INAはHATからの分離が難しく、香料
としてのHATの価値を著しく低下させるので、異性化
率を約0.5%以下、好ましくは0.1%以下にするの
が望ましい。
としてのHATの価値を著しく低下させるので、異性化
率を約0.5%以下、好ましくは0.1%以下にするの
が望ましい。
【0014】アセチル化剤として酢酸クロリドを用いる
場合にAlX3 /CH3 COClモル比が0.98以下
であれば品質的に特に問題はないが、モル比が小さくな
るに従って酢酸クロリドの使用量が多くなり経済的でな
くなるので、通常、AlX3 /CH3 COClモル比は
0.8以上で行われる。無水酢酸を用いる場合にも同様
の理由でAlX3 (CH3 CO)2 Oモル比は1.6以
上で行われる。すなわち、通常、下記のモル比の範囲で
行われる。 0.8≦AlX3 /CH3 COCl≦0.98、 1.6≦AlX3 /(CH3 CO)2 O≦1.95 このことは塩化アルミニウムを用いて行われた実施例、
比較例の結果を示した図1より明らかである。
場合にAlX3 /CH3 COClモル比が0.98以下
であれば品質的に特に問題はないが、モル比が小さくな
るに従って酢酸クロリドの使用量が多くなり経済的でな
くなるので、通常、AlX3 /CH3 COClモル比は
0.8以上で行われる。無水酢酸を用いる場合にも同様
の理由でAlX3 (CH3 CO)2 Oモル比は1.6以
上で行われる。すなわち、通常、下記のモル比の範囲で
行われる。 0.8≦AlX3 /CH3 COCl≦0.98、 1.6≦AlX3 /(CH3 CO)2 O≦1.95 このことは塩化アルミニウムを用いて行われた実施例、
比較例の結果を示した図1より明らかである。
【0015】一方、HMTの転化率に関しては、アセチ
ル化剤として酢酸クロリドを用いる場合に、AlX3 /
HMTモル比は1.0以上、好ましくは1.1以上で行
われる。AlX3 /HMTモル比1.1以上ではHMT
の転化率はほぼ99〜100%に達し、それ以上多くA
lX3 を用いてもHMTの転化率向上は期待できず、A
lX3 およびそれに伴ってアセチル化剤の使用量が多く
なるので、通常、AlX/HMTモル比が1.3以下で
行われる。すなわち、通常、1.0≦AlX3 /HMT
≦1.3で行われる。
ル化剤として酢酸クロリドを用いる場合に、AlX3 /
HMTモル比は1.0以上、好ましくは1.1以上で行
われる。AlX3 /HMTモル比1.1以上ではHMT
の転化率はほぼ99〜100%に達し、それ以上多くA
lX3 を用いてもHMTの転化率向上は期待できず、A
lX3 およびそれに伴ってアセチル化剤の使用量が多く
なるので、通常、AlX/HMTモル比が1.3以下で
行われる。すなわち、通常、1.0≦AlX3 /HMT
≦1.3で行われる。
【0016】アセチル化剤として無水酢酸を用いる場合
には、酢酸クロリドを用いる場合と同様の理由で、Al
X3 /HMTモル比は2.0以上、好ましくは2.2以
上で、2.6以下で行われる。すなわち、通常、2.0
≦AlX3 /HMT≦2.6で行われる。これらのこと
は塩化アルミニウムを用いて行われた実施例、比較例の
結果を示した図2より明らかである。
には、酢酸クロリドを用いる場合と同様の理由で、Al
X3 /HMTモル比は2.0以上、好ましくは2.2以
上で、2.6以下で行われる。すなわち、通常、2.0
≦AlX3 /HMT≦2.6で行われる。これらのこと
は塩化アルミニウムを用いて行われた実施例、比較例の
結果を示した図2より明らかである。
【0017】転化率が約99%以上になると、反応生成
物から単蒸留程度で製品のHATを得ることができる
が、それ以下では未反応のHATを精留で分離する必要
が生じる。
物から単蒸留程度で製品のHATを得ることができる
が、それ以下では未反応のHATを精留で分離する必要
が生じる。
【0018】また反応温度も副反応及び収率に大きな影
響を及ぼす。反応温度が25℃を越えた所から副生物が
増加し、HMTの転化率も低下する。このことはアセチ
ル化錯体(I) の熱安定性が温度に依存し、副生物の増加
とHMT転化率の低下は、アセチル化錯体(I) の分解に
よるフリ−の無水アルミニウムハライドに由来するもの
と推定される。従って反応温度は約25℃以下、好まし
くは20℃以下で行われる。一方低温にしすぎると、反
応速度の低下や溶解度の低下を招くので、好ましくは0
℃以上で行われる。
響を及ぼす。反応温度が25℃を越えた所から副生物が
増加し、HMTの転化率も低下する。このことはアセチ
ル化錯体(I) の熱安定性が温度に依存し、副生物の増加
とHMT転化率の低下は、アセチル化錯体(I) の分解に
よるフリ−の無水アルミニウムハライドに由来するもの
と推定される。従って反応温度は約25℃以下、好まし
くは20℃以下で行われる。一方低温にしすぎると、反
応速度の低下や溶解度の低下を招くので、好ましくは0
℃以上で行われる。
【0019】従来の所謂フリ−デルクラフッ反応溶媒の
内、25℃に於ける溶解度係数(SPと略す)が9.2
以上の塩素化脂肪族炭化水素またはニトロ化合物を反応
溶媒として用いられる。SP値が9.2以下の溶媒の場
合、本発明方法に於いて用いる反応温度(0〜25℃)
では、無水アルミニウムハライド/酢酸クロリドまたは
無水アルミニウムハライド/無水酢酸の反応液が均一に
ならず、アセチル錯体(I) が完全には生成しない。その
ため反応成績が悪化する。SP値が9.2以上の塩素化
脂肪族炭化水素またはニトロ化合物を反応溶媒として用
いることにより錯体形成が完成し、反応系も均一とな
り、所望の反応成績が得られる。
内、25℃に於ける溶解度係数(SPと略す)が9.2
以上の塩素化脂肪族炭化水素またはニトロ化合物を反応
溶媒として用いられる。SP値が9.2以下の溶媒の場
合、本発明方法に於いて用いる反応温度(0〜25℃)
では、無水アルミニウムハライド/酢酸クロリドまたは
無水アルミニウムハライド/無水酢酸の反応液が均一に
ならず、アセチル錯体(I) が完全には生成しない。その
ため反応成績が悪化する。SP値が9.2以上の塩素化
脂肪族炭化水素またはニトロ化合物を反応溶媒として用
いることにより錯体形成が完成し、反応系も均一とな
り、所望の反応成績が得られる。
【0020】25℃に於ける溶解度係数(SP値)は式
(1)で定義され、 SP=[(d/M)(△H−1.987T)]1/2 (1) (式中、dは25℃における比重(g/cc)Mは分子
量、△Hは25℃における蒸発熱(cal/g)、Tは
298.2Kを表す)、25℃に於けるSP値が9.2
以上の塩素化脂肪族炭化水素またはニトロ化合物として
具体的には、1,2,3−トリクロロプロパン(SP=9.
5)、クロロホルム(SP=9.2)1,2−ジクロロエタン
(SP=9.9)、1,1,2−トリクロロエタン(SP=10)、
ジクロロメタン(SP=9.9)およびニトロベンゼン(SP=1
0 )が挙げられる。
(1)で定義され、 SP=[(d/M)(△H−1.987T)]1/2 (1) (式中、dは25℃における比重(g/cc)Mは分子
量、△Hは25℃における蒸発熱(cal/g)、Tは
298.2Kを表す)、25℃に於けるSP値が9.2
以上の塩素化脂肪族炭化水素またはニトロ化合物として
具体的には、1,2,3−トリクロロプロパン(SP=9.
5)、クロロホルム(SP=9.2)1,2−ジクロロエタン
(SP=9.9)、1,1,2−トリクロロエタン(SP=10)、
ジクロロメタン(SP=9.9)およびニトロベンゼン(SP=1
0 )が挙げられる。
【0021】本発明方法では、原料の混合順序に特に規
制はないが、アセチル化錯体(I) の形成は予め完全に行
っておく必要がある。
制はないが、アセチル化錯体(I) の形成は予め完全に行
っておく必要がある。
【0022】本発明では反応終了後、洗浄、中和し、蒸
留や晶析等の通常の手法に従ってHATを単離,取得さ
れる。
留や晶析等の通常の手法に従ってHATを単離,取得さ
れる。
【0023】
【発明の効果】本発明の方法により、従来の方法に比べ
て副反応が抑制され、精製も容易となり、しかも高い収
率でHATを得ることができる。
て副反応が抑制され、精製も容易となり、しかも高い収
率でHATを得ることができる。
【0024】
【実施例】本発明を実施例を挙げて更に具体的に説明す
るが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。なお、以下の実施例で用いるHMT転化率、HAT
収率、異性化率とはそれぞれ次の定義による。 HMT転化率=[(原料HMT−残存HMT)/原料HMT]×100(%) HAT収率=[生成HAT(モル)/原料HMT(モル)]×100(%) 異性化率=[副生成INA(モル)/生成HAT(モル)]×100(%)
るが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。なお、以下の実施例で用いるHMT転化率、HAT
収率、異性化率とはそれぞれ次の定義による。 HMT転化率=[(原料HMT−残存HMT)/原料HMT]×100(%) HAT収率=[生成HAT(モル)/原料HMT(モル)]×100(%) 異性化率=[副生成INA(モル)/生成HAT(モル)]×100(%)
【0025】実施例1 撹拌器、コンデンサ−、滴下ロ−トを備えた100ml
の丸底フラスコの中に無水塩化アルミニウム(AlCl3 )
8.28g(0.062mol)、1,2−ジクロロエ
タン(EDC )16.57gを仕込み激しく撹拌した。こ
の懸濁液中へ無水酢酸(Ac2 O)3.53g(0.0
35mol)を内温15℃に保ちながら、20分かけて
滴下し、同温度で反応液が均一になるまで撹拌してAl
Cl3 −Ac2 O錯体を合成した(AlCl3 /Ac2
O=1.77)。
の丸底フラスコの中に無水塩化アルミニウム(AlCl3 )
8.28g(0.062mol)、1,2−ジクロロエ
タン(EDC )16.57gを仕込み激しく撹拌した。こ
の懸濁液中へ無水酢酸(Ac2 O)3.53g(0.0
35mol)を内温15℃に保ちながら、20分かけて
滴下し、同温度で反応液が均一になるまで撹拌してAl
Cl3 −Ac2 O錯体を合成した(AlCl3 /Ac2
O=1.77)。
【0026】次いでHMT5.53g(0.026mo
l)を同量のEDC5.53gに溶解したものを内温1
5℃に保ちながら、3時間かけて滴下反応させた(Ac
2 O/HMT=1.35、AlCl3 /HMT=2.3
8)。さらに同温度で20分撹拌した。得られた反応液
を水21.8gの中に滴下して反応を停止し、その後、
静置分液して、有機層を得、水21.8g、1%アルカ
リ水溶液20.7g、水21.4gで順次、洗浄した。
得られた有機層は72.6gであり、ガスクロマトグラ
フィ−で有機層の分析を行ったところ、HMT転化率=
99.6%、HAT収率=99.6%、異性化率=0.
02%であった。
l)を同量のEDC5.53gに溶解したものを内温1
5℃に保ちながら、3時間かけて滴下反応させた(Ac
2 O/HMT=1.35、AlCl3 /HMT=2.3
8)。さらに同温度で20分撹拌した。得られた反応液
を水21.8gの中に滴下して反応を停止し、その後、
静置分液して、有機層を得、水21.8g、1%アルカ
リ水溶液20.7g、水21.4gで順次、洗浄した。
得られた有機層は72.6gであり、ガスクロマトグラ
フィ−で有機層の分析を行ったところ、HMT転化率=
99.6%、HAT収率=99.6%、異性化率=0.
02%であった。
【0027】実施例2 実施例1におけるAlCl3 、Ac2 O、HMTの仕込
みモル比を表2に示すように変えた以外は、実施例1と
全く同様に反応を行った。得られた結果を表2に示す。
みモル比を表2に示すように変えた以外は、実施例1と
全く同様に反応を行った。得られた結果を表2に示す。
【0028】
【表2】
【0029】実施例3、比較例1 実施例1における反応温度を表3に示すように変えた以
外は、実施例1と全く同様に反応を行った。得られた結
果を表3に示す。
外は、実施例1と全く同様に反応を行った。得られた結
果を表3に示す。
【0030】
【表3】
【0031】実施例4 実施例1における反応溶媒を表4に示すように変えた以
外は、実施例1と全く同様に反応を行った。得られた結
果を表4に示す。
外は、実施例1と全く同様に反応を行った。得られた結
果を表4に示す。
【0032】
【表4】
【0033】実施例5 撹拌器、コンデンサ−、滴下ロ−トを備えた100ml
の丸底フラスコの中にAlCl3 4.17g(0.031m
ol)、EDC20.8gを仕込み激しく撹拌した。こ
の懸濁液中へ酢酸クロリド(以下、AcClと略す)2.7
5g(0.035mol)を内温15℃に保ちながら、
20分かけて滴下し、同温度で反応液が均一になるまで
撹拌し、AlCl3 −AcCl錯体を合成した(AlC
l3 /AcCl=0.89)。
の丸底フラスコの中にAlCl3 4.17g(0.031m
ol)、EDC20.8gを仕込み激しく撹拌した。こ
の懸濁液中へ酢酸クロリド(以下、AcClと略す)2.7
5g(0.035mol)を内温15℃に保ちながら、
20分かけて滴下し、同温度で反応液が均一になるまで
撹拌し、AlCl3 −AcCl錯体を合成した(AlC
l3 /AcCl=0.89)。
【0034】次いでHMT5.58g(0.026mo
l)を同量のEDC5.58gで溶液にしたものを内温
15℃に保ちながら、3時間かけて滴下反応させた(A
cCl/HMT=1.35、AlCl3 /HMT=1.
19)。さらに同温度で20分撹拌した。得られた反応
液を水21.4gの中に滴下して反応停止し、反応停止
後、静置分液して、有機層を得、水21.8g、1%ア
ルカリ水溶液20.7g、水21.4gで順次、洗浄し
た。得られた有機層は53.1gであり、ガスクロマト
グラフィ−で有機層の分析を行ったところ、HMT転化
率=100%、HAT収率=99.8%、異性化率0.
02%であった。
l)を同量のEDC5.58gで溶液にしたものを内温
15℃に保ちながら、3時間かけて滴下反応させた(A
cCl/HMT=1.35、AlCl3 /HMT=1.
19)。さらに同温度で20分撹拌した。得られた反応
液を水21.4gの中に滴下して反応停止し、反応停止
後、静置分液して、有機層を得、水21.8g、1%ア
ルカリ水溶液20.7g、水21.4gで順次、洗浄し
た。得られた有機層は53.1gであり、ガスクロマト
グラフィ−で有機層の分析を行ったところ、HMT転化
率=100%、HAT収率=99.8%、異性化率0.
02%であった。
【0035】実施例6 実施例5におけるAlCl3 、AcCl、HMTの仕込
みモル比をそれぞれ表5に示す様に変えた以外は、実施
例5と全く同様に反応を行った。得られた結果を表5に
示す。
みモル比をそれぞれ表5に示す様に変えた以外は、実施
例5と全く同様に反応を行った。得られた結果を表5に
示す。
【0036】
【表5】
【0037】比較例2 実施例1におけるAlCl3 、AcCl、HMTの仕込
みモル比を表6に示すように変えた以外は、実施例1と
全く同様に反応を行った。得られた結果を表6に示す。
みモル比を表6に示すように変えた以外は、実施例1と
全く同様に反応を行った。得られた結果を表6に示す。
【0038】
【表6】
【0039】比較例3 実施例1における反応溶媒及び反応温度をを表7に示す
様に変えた以外は、実施例1と全く同様に反応を行っ
た。得られた結果を表7に示す。
様に変えた以外は、実施例1と全く同様に反応を行っ
た。得られた結果を表7に示す。
【0040】
【表7】 各溶媒のSP値は、四塩化炭素(SP=8.6)、モノクロロベ
ンゼン(SP=9.9)であり、四塩化炭素の場合、分液不良
の為、有機層の回収が不充分であった。
ンゼン(SP=9.9)であり、四塩化炭素の場合、分液不良
の為、有機層の回収が不充分であった。
【0041】比較例4 実施例5におけるAlCl3 、AcCl、HMTの仕込
みモル比を表8に示すように変えた以外は、実施例5と
全く同様に反応を行った。得られた結果を表8に示す。
みモル比を表8に示すように変えた以外は、実施例5と
全く同様に反応を行った。得られた結果を表8に示す。
【0042】
【表8】
【図1】アセチル化剤に対する塩化アルミニウムのモル
比と異性化率の関係を示す図である。
比と異性化率の関係を示す図である。
【図2】原料HMTに対する塩化アルミニウムのモル比
とHMT転化率の関係を示す図である。
とHMT転化率の関係を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭50−13369(JP,A) 特開 昭50−40761(JP,A) 特開 昭51−59845(JP,A) 特開 昭58−29738(JP,A) 特開 昭58−8034(JP,A) 特開 昭58−35142(JP,A) 米国特許3246044(US,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07C 49/792
Claims (6)
- 【請求項1】 アセチル化剤として無水酢酸を用い、無
水アルミニウムハライド触媒の存在下に、1,1,3,
4,4,6−ヘキサメチルテトラリンをアセチル化し
て、1,1,3,4,4,6−ヘキサメチル−7−アセ
チルテトラリンを製造する方法において、25℃におけ
る溶解度係数が9.2以上の塩素化脂肪族炭化水素また
はニトロ化合物を溶媒として用い、無水酢酸に対する無
水アルミニウムハライドのモル比が1.95以下で、0
〜25℃で反応させることを特徴とする1,1,3,
4,4,6−ヘキサメチル−7−アセチルテトラリンの
製造方法。 - 【請求項2】 アセチル化剤として無水酢酸を用い、無
水アルミニウムハライド触媒の存在下に、1,1,3,
4,4,6−ヘキサメチルテトラリンをアセチル化し
て、1,1,3,4,4,6−ヘキサメチル−7−アセ
チルテトラリンを製造する方法において、25℃におけ
る溶解度係数が9.2以上の塩素化脂肪族炭化水素また
はニトロ化合物を溶媒として用い、無水酢酸に対する無
水アルミニウムハライドのモル比が1.6〜1.95、
1,1,3,4,4,6−ヘキサメチルテトラリンに対
する無水アルミニウムハライドのモル比が2.0〜2.
6で、0〜25℃で反応させることを特徴とする1,
1,3,4,4,6−ヘキサメチル−7−アセチルテト
ラリンの製造方法。 - 【請求項3】 アセチル化剤として酢酸クロリドを用
い、無水アルミニウムハライド触媒の存在下に、1,
1,3,4,4,6−ヘキサメチルテトラリンをアセチ
ル化して、1,1,3,4,4,6−ヘキサメチル−7
−アセチルテトラリンを製造する方法において、25℃
における溶解度係数が9.2以上の塩素化脂肪族炭化水
素またはニトロ化合物を溶媒として用い、酢酸クロリド
に対する無水アルミニウムハライドのモル比が0.98
以下で、0〜25℃で反応させることを特徴とする1,
1,3,4,4,6−ヘキサメチル−7−アセチルテト
ラリンの製造方法。 - 【請求項4】 アセチル化剤として酢酸クロリドを用
い、無水アルミニウムハライド触媒の存在下に、1,
1,3,4,4,6−ヘキサメチルテトラリンをアセチ
ル化して、1,1,3,4,4,6−ヘキサメチル−7
−アセチルテトラリンを製造する方法において、25℃
における溶解度係数が9.2以上の塩素化脂肪族炭化水
素またはニトロ化合物を溶媒として用い、酢酸クロリド
に対する無水アルミニウムハライドのモル比が0.8〜
0.98、1,1,3,4,4,6−ヘキサメチルテト
ラリンに対する無水アルミニウムハライドのモル比が
1.0〜1.3で、0〜25℃で反応させることを特徴
とする1,1,3,4,4,6−ヘキサメチル−7−ア
セチルテトラリンの製造方法。 - 【請求項5】 25℃における溶解度係数が9.2以上
の塩素化脂肪族炭化水素またはニトロ化合物が1,2,
3−トリクロロプロパン、クロロホルム、1,2−ジク
ロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、ジクロロ
メタンまたはニトロベンゼンである請求項1、請求項
2、請求項3または請求項4記載の1,1,3,4,
4,6−ヘキサメチル−7−アセチルテトラリンの製造
方法。 - 【請求項6】 無水アルミニウムハライドが三塩化アル
ミニウムである請求項1、請求項2、請求項3または請
求項4記載の1,1,3,4,4,6−ヘキサメチル−
7−アセチルテトラリンの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31439491A JP3182817B2 (ja) | 1991-11-28 | 1991-11-28 | 1,1,3,4,4,6−ヘキサメチル−7−アセチルテトラリンの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31439491A JP3182817B2 (ja) | 1991-11-28 | 1991-11-28 | 1,1,3,4,4,6−ヘキサメチル−7−アセチルテトラリンの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05148179A JPH05148179A (ja) | 1993-06-15 |
JP3182817B2 true JP3182817B2 (ja) | 2001-07-03 |
Family
ID=18052822
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP31439491A Expired - Fee Related JP3182817B2 (ja) | 1991-11-28 | 1991-11-28 | 1,1,3,4,4,6−ヘキサメチル−7−アセチルテトラリンの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3182817B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN114369018B (zh) * | 2021-12-29 | 2024-04-19 | 煤炭科学技术研究院有限公司 | 一种连续同步精馏酰化反应液的方法 |
-
1991
- 1991-11-28 JP JP31439491A patent/JP3182817B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05148179A (ja) | 1993-06-15 |
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