JP3182673U - 水力発電システム - Google Patents
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Abstract
【課題】河川を流れる水量に応じて水車の位置を適正に調整することで、比較的安定して電力を得ることができる水力発電システムを提供する。
【解決手段】水力発電システム100は、水車1により河川Rを流れる水の力を受けて回転する回転力を利用して発電装置3により発電する。水車1は、支持体2に支持されて、支持体2はワイヤ5aに連結されており、ウインチ5によるワイヤ5aの巻き上げによって持ち上げられる。制御装置6は、水位測定装置14によって測定される河川Rの水面の高さに応じてウインチ5の巻き上げ又は巻き戻しの駆動を制御して、支持体2を上下移動させ水車1の上下方向の位置を調整する。
【選択図】図1
【解決手段】水力発電システム100は、水車1により河川Rを流れる水の力を受けて回転する回転力を利用して発電装置3により発電する。水車1は、支持体2に支持されて、支持体2はワイヤ5aに連結されており、ウインチ5によるワイヤ5aの巻き上げによって持ち上げられる。制御装置6は、水位測定装置14によって測定される河川Rの水面の高さに応じてウインチ5の巻き上げ又は巻き戻しの駆動を制御して、支持体2を上下移動させ水車1の上下方向の位置を調整する。
【選択図】図1
Description
本考案は、河川を流れる水を利用して発電する水力発電システムに関する。
産業の発展や生活等のために電力は必須であり、現状では火力発電や原子力発電により大容量の電力を発生させている。近年、地球温暖化対策への取り組みが求められたり、原子力発電の安全性等が議論されたりしており、風力発電や太陽光発電や水力発電等の再生可能エネルギーを利用した発電が見直されている。
風力発電には、無風時においては電力が得られないという欠点があり、太陽光発電には、雨天時の発電量が晴天時のそれに比べて大幅に低下するという欠点がある。それに対し、川には水が比較的安定して流れるために、川を流れる水を利用する水力発電は、比較的安定して電力を得ることができるという利点がある。
河川を流れる水を利用して水力発電を行うシステムとして、河川における落差が大きい部分を流れる水のエネルギーを水車により機械的動力に変換し、その動力を電力に変換するシステムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
落差の大きい部分がなくても、河川に水車を設置し、流水のエネルギーを水車により機械的動力に変換し、更に電力に変換するという水力発電システムも提案されている(例えば、特許文献2参照)。そして、この特許文献2のシステムは、回動可能なアームに浮きを装着すると共にこのアームに水車を吊持することで、河川の水量の増減による水面の位置の変化に連動した浮きの動きに水車が追随し、また、洪水などで水量が急増した場合には、ウインチ装置を作動させてワイヤを巻き上げることにより、水車を水面から上方に引き上げるように構成されている。
一般的に、河川に設置した水車による水力発電システムにおいては、河川を流れる水の量が多いと水車は流水のエネルギーを十分な大きさの機械的動力に変換することができる。しかしながら、水車は河川に一度設置されると実質的に固定された状態で維持されるため、例えば晴天の日が続き河川を流れる水の量が少なくなって水位が下がると水車の羽根は流水の力を十分に受けられなくなり、河川を流れる水の量が多いときと比べて水車は小さな機械的動力しか得られず発電する電力量は少なくなる。また、河川が増水したときは、川底から離れるほど川底からの摩擦が小さくなるために浅い部分の水ほど流れる速度は速くなるのであるが、水車の位置が固定であると増水による流水のエネルギーを有効に取り込むことができない。
そのため、特許文献2の水力発電システムによれば、浮きを利用して水面からの水車の位置を自動調整しており、水車を河川に固定して設置した場合と比べると安定した電力量で発電することができる。
しかしながら、浮きを利用して水車の位置を自動調整しようとすると、水車を浮かせるためには浮きが大容量のものとなって装置が大型化するばかりか、水流が速いときには浮きが水流によって押し上げられ、水車が水流によって有効に回転できる位置レベルを超えて持ち上がってしまい、水流が速いにも係らず十分な発電を行うことができないという問題点がある。
上記点に鑑みて、本考案は、河川を流れる水量に応じて水車の位置を適正に調整可能にすることで、比較的安定して電力を得ることができる水力発電システムを提供することを目的とする。
本考案による水力発電システムは、河川を流れる水の力を受けて回転する水車と、前記水車の回転力を利用して発電する発電装置と、前記水車を支持する支持体と、前記河川の水面の高さを測定する水位測定装置と、前記支持体を上下方向に移動させる駆動機構と、前記水位測定装置により測定された前記高さに基づいて前記水車の上下方向の位置を調整可能なように前記駆動装置の上下方向の移動を制御する制御装置と、を備える。
さらに、河川の両岸にそれぞれ支持柱を設けて、前記支持体を前記支持柱の間に架設すると共に、前記支持体によって支持される前記水車を前記河川の幅方向に沿って複数配置してもよい。このとき、複数配置された前記水車を複数にグループ分けして、グループ毎に前記発電装置を設けてもよい。
また、前記駆動装置は、前記支持柱に沿って上下方向に前記支持体を昇降させる。一方、前記支持体は前記支持柱に回動自在に支持されて、前記駆動装置は、前記支持体を前記回動の軸を支点に揺動させることで、前記支持体を上下方向に移動させてもよい。
また、前記水車に導入する水流を速めるために、前記水車の導入側には、前記河川の上流側を広く且つ下流側を狭くする堰を設けるとよい。
前記発電装置の発電量を向上させるのに、前記水車の回転力を増速器を介して前記発電装置に伝達するとよい。
前記発電装置によって得られた電力を、電力の供給先に送る送電装置をさらに備えてもよい。さらに、前記発電装置によって得られた電力を蓄積する蓄電装置を備えてもよい。
本考案によれば、水位測定装置により河川の水面の高さを測定した結果に基づき水車の上下方向の位置を調整するために、そのときの水量に応じた最大の発電量を得ることができる。しかも、測定した河川の水位レベルが渇水時及び増水時のそれぞれの危険レベルであるときは、制御装置により駆動機構を動作させて自動的に水車を引き上げることができ、水車を有効に保護することができる。
以下に、本考案の実施の形態に係る水力発電システム100の構成を説明する。図1は、本考案の第1の実施の形態に係る水力発電システム100の概略を模式的に示し、図2は図1の平面図である。水力発電システム100は、河川Rを流れる水を利用して発電するシステムであって、河川Rを跨って設置される。
一対の支持柱4は河川Rの両岸にそれぞれ設置されて、支持柱4には、支持柱4に沿って上下に移動可能な環状の支持フレーム4aが取り付けられている。そして、支持柱4の間に架設される支持体2は、その両端が支持フレーム4aによって支持されている。
一対の支持柱4のそれぞれの上部にはワイヤ5aを巻き上げ及び巻き戻しするウインチ5が固定されており、ワイヤ5aは支持フレーム4aに連結されている。したがって、ウインチ5が巻き上げ又は巻き戻し動作を行うことで支持フレーム4aは支持柱4を上下に摺動して、支持体2を河川の水面に対する上下の位置を調整することができる。
支持体2は両端の側板2aと天板2bとから成り、一対の側板2aには回転軸9が架け渡されており、回転軸9には複数の水車1が装着される。水車1は、本実施例では水流に対向する羽根1aを円周面に等間隔で備えた開放周流型の水車1(図4の側面図参照)を示しているが、プロペラ水車やフランシス水車など水力発電に使用される種々のタイプのものが使用できる。
支持体2の天板2bの上面には発電装置3を設置しており、この発電装置3の入力軸側には増速器13が取り付けられている。河川Rの水流による水車1の回転力は、回転軸9に装着したスプロケット10aからローラーチェーン12を介してスプロケット10bに伝達される。増速器13は、スプロケット10bと同軸に設けられており、水車1の回転力を増速して発電装置3に伝達し、発電装置3は、増速器13で増速された水車1の回転力を利用して発電を行う。このとき、天板2bに穿設した開口25を通してローラーチェーン12による無端軌道が形成されるが、スプロケット10a及びローラーチェーン12は河川Rの水から防御するために密閉カバーにより保護するのが好ましい。
制御装置6は、水位測定装置14からの測定信号Lの入力により河川Rの水位レベルを検出し、これに基づきウインチ5の巻き上げ動作又は巻き戻し動作を制御することで支持フレーム4aを上下に摺動移動させて、水車1を河川Rの水中に配置する高さ位置を調節している。水位測定装置14としては、ステンレス製ダイアフラムを使用した圧力式の水位センサや電極式水位センサなどが好適であり、水中に浸漬されている保護ケース15内に収納されて水流から保護されている。
水位測定装置14から河川Rの水位レベルを検出するには、制御装置6には河川Rの平均的な水位が基準レベルデータとしてインプットされており、任意に設定した例えば、10分若しくは30分毎の一定時間間隔にて測定信号Lを取り込み、その都度、現時点での水位レベルを基準レベルからのプラス又はマイナスのデータで検出する。そして、制御装置6は、今回検出した水位レベルと、前回にウインチ5を駆動したときの水位レベルとの差が予め設定されている所定値を超えていると、現時点での水位レベルに応じた水車2の適切な上下方向での配置レベルを演算し、演算結果に応じて両方のウインチ5に駆動信号を同期して出力する。具体的には、制御装置6は、河川Rの増水を検知すると水車2が増水量に応じて川底から引き上げるようウインチ5に巻き上げの駆動信号を出力し、逆の場合には減水量に応じて川底方向に引き下ろすようウインチ5に巻き戻しの駆動信号を出力する。
これにより、水車1が流れる水の力を最も効果的に受けて回転できるように、河川Rの水量に応じて水車1の高さ位置を任意に設定することができる。例えば、水車1が開放周流型水車の場合には、水車1を配置する高さ位置は、水車1の回転軸が水中に浸漬しておらず、且つその下端の円周部は川底からの摩擦が小さく速度が速い水流を効果的に受けて回転することができる範囲内に配置するのがよい。そのため、制御装置6には水車1の直径寸法のデータがインプットされていて、水位測定装置14により測定された水位の高さに応じて、制御装置6は、測定した水位が前回にウインチ5を駆動したときの水位レベルとの差が予め設定されている所定値を超えて増水したときには、ウインチ5に巻き上げの駆動信号を出力して支持体2及び水車1の引き上げ制御を行って、水車1が最も有効に回転することができる位置まで持ち上げる。また、測定した水位が水車1の下端の円周部が流れる水の力を効果的に受けて回転できる位置に浸漬していない状態にまで渇水したときは、ウインチ5に巻き戻しの駆動信号を出力して支持体2及び水車1の引き下し制御を行う。
一方、制御装置6は、このように水車1を河川Rの水流を効果的に受けて回転できるようにその高さ位置を調節するだけでなく、渇水により水車1が稼働できない場合や、逆に洪水などで水量が大量に増加した場合には、水車1を故障や破損から回避するために、水車1をそのときの河川Rの水位より十分高い位置まで引き上げることで水車1を保護する。水車1における複数の羽根1aが河川Rを流れる水の力を受けることができない高さは、水車1の構造や羽根1aの大きさ及び形状等によって決定される。
この場合、制御装置6は、予めインプットされている水車1の直径寸法から判断して水位測定装置14により測定した水位レベルが危険レベルに達したことを検知すると支持体2及び水車1を持ち上げるが、特に増水時においては上限位置まで持ち上げることになる。これに加えて、手動のスイッチ操作や外部の監視機器からの有線又は無線により送られてくる信号により支持体2及び水車1を上限位置まで持ち上げる制御を行うようにすると、水車1の保護が一層確実となる。
そして、この水力発電システム100では、水車1をより効果的に回転させるために、水車1への水流の導入側には河川の上流側Rを広く且つ下流側を狭くする堰20を設けている。また、水車1への水流の導入側には、水車1を破損する恐れがある流木や大型のごみなど水車1に衝突すると破損しかねない異物の流入を阻止すべく、河川Rの幅方向に沿ってネット21を配置することが好ましい。このようなネット21は、水車1を包み込むように個別に配置してもよい。
支持体2及び水車1を上下方向に移動させる駆動機構は、ウインチ5によるワイヤ5aの巻き上げに限定されるものではなく、支持柱4にラックを形成し、このラックにピニオンを噛み合わせてピニオンを回転駆動させることで支持体2を上下動させるラック・アンド・ピニオン機構を用いてもよい。また、別の例としては、支持柱4に螺旋状のスクリュー刃を形成すると共に環状の支持フレーム4aの内側面にスクリュー刃と噛み合うめねじを形成し、支持柱4を回転駆動させることで支持体2を上下動させるスクリュー機構を用いることもできる。
送電装置7は、発電装置3からの電力線22と電気的に接続されており、発電装置3によって得られた電力を電力供給先に送る。電力供給先は、例えば水力発電システム100の周囲の住宅や農業設備である。送電装置7は、電力の供給先とは外部電力線23によって電気的に接続されており、外部電力線23を介して電力を供給先に送電する。
蓄電装置8は、送電装置7と同様に、電力線22と電気的に接続されて、発電装置3から伝達された電力を蓄積する。蓄電装置8に蓄積される電力は、図示されていないが、水力発電システム100の始動時における制御装置6やウインチ5の駆動モータによって使用されて、発電開始後は、発電装置3で発電された電力によって制御装置6やウインチ5の駆動モータの電源を賄うことができる。また、蓄電装置8は送電装置7と電気的に接続されており、蓄電装置8に蓄積される電力を送電装置7によって住宅や農業設備等の電力の供給先に送る。
本考案の実施の形態に係る水力発電システム100を適用する河川Rの川幅が例えば15m以上であるとすると、水車1は川幅に沿って6基以上を配置するが、図3の第2の実施の形態で示されているように、複数の水車1を複数個ずつにグループ分けをして、グループ毎に支持体2を設けて、支持体2ごとに発電装置3、回転軸9、スプロケット10a、スプロケット10b、ローラーチェーン12及び増速装置13を設けてもよい。この場合、各支持体2は共通して支持フレーム4aに支持されて、ウインチ5の駆動で同時に上下動するように構成される。
また、農業用の用水路などの小規模河川においては、一台の水車1により本考案に係る水力発電システム100を構成するが、このとき好適な例を図4の第3の実施の形態で示す。図4(a)は、1本の支持柱4により支持体2を支持する構成を示しており、図1及び図3に示す構成と同様に支持柱4に沿って上下に移動可能な環状の支持フレーム4aによって支持体2を支持し、支持体2の両側板2aに架け渡される回転軸9に水車1が取り付けられる。
そして、図1及び図3に示す構成と同様に、支持柱4の上部にはワイヤ5aを巻き上げ及び巻き戻しするウインチ5が固定されており、ワイヤ5aは支持フレーム4aに連結されて、ウインチ5が巻き上げ又は巻き戻し動作を行うことで支持フレーム4aは支持柱4を上下に摺動して、支持体2を河川の水面に対する上下の位置を調整する。
しかし、図4に示す実施の形態では、支持柱4には発電装置3が載置される固定台16が装着されて、発電装置3は支持フレーム4aの上下動に伴う水車1の移動に係らず位置が固定されている。したがって、この例では、水車1の回転力を増速装置13に伝達するローラーチェーン12が張架されるスプロケット10a及びスプロケット10bの間にはさらに中間スプロケット10cを設けて、このスプロケット10cは図4(b)に示すように、ローラーチェーン12の移送方向とは直交する方向(図示の矢印方向)に任意に移動自在な構成としている。これにより、支持フレーム4aが上昇する距離に応じてスプロケット10cを水平方向に張り出すように移動させることで、スプロケット10aとスプロケット10bとの間の距離を調整できるために発電装置3の位置を固定しておくことができる。
図5に示す第4の実施の形態では、支持体2を上下方向に移動させるのに、支持体2を直接鉛直方向で上下に持ち上げず回転により持ち上げている。図5はこの構成を側断面にて示すもので、支持体2を揺動させることで水車1の高さ位置を調整している。図5において、図1と同一の機能物には同一の符号を付しているが、開放周流型の水車1を回動自在に支持している支持体2は、軸31を支点にして揺動自在に軸支されており、軸31は、両岸に設置される一対の支持柱4に装架されている。そして、支持体2の天板3bの上面に発電装置3を設置して、発電装置3の入力軸側に増速器13を取り付け、河川Rの水流による水車1の回転力をスプロケット10aからローラーチェーン12を介してスプロケット10bに伝達し、スプロケット10bと同軸の増速器13で増速された水車1の回転力を利用して発電装置3により発電を行う構成は図1と同様である。
支持体2の両側板2aの下端部はワイヤ5aが取り付けられており、河川Rの両岸にそれぞれ固定して設置される一対のウィンチ5が同期してワイヤ5aを巻き上げ又は巻き戻しすることにより、支持体2は軸31を支点に揺動することができ、支持体2の揺動により水車1の高さ位置が調整される。
次に、本考案の実施の形態に係る水力発電システム100の動作を説明する。図6は、図1及び図3乃至図5の各実施の形態の水力発電システム100に共通している動作手順を示すフローチャートである。上述の通り、水力発電システム100では、制御装置6は河川Rの水面の高さを測定する(S1)。制御装置6が水位測定装置15によって測定する高さは水位であるので、図5のステップS1では、「水位を測定する」と表現されている。次に、制御装置6は、測定した水面の高さが水車1によって河川Rを流れる水の力を受けることができる高さであるか否かを判定する(S2)。水車1における複数の羽根1aが河川Rを流れる水の力を受けることができる高さは、流水によりこの羽根1aが回転することができる高さである。そのため、図5のステップS2では、「水位は流水により羽根が回転可能な高さか?」と表現されている。
測定した水面の高さが水車1の羽根1aが河川Rを流れる水の力を受けることができる高さである場合(S2でYes)、制御装置6は、測定した高さをもとに、水車1が河川Rを流れる水の力を受けることができるように、水車1の高さ位置を制御する(S3)。例えば、水力発電システム100の稼働開始前においては、水車1は上限の高さ位置に支持体2に保持されており、制御装置6はウインチ5を巻き戻しして、水車1の下端の円周部が浸漬する一方、その回転軸9が浸漬しない位置にまで支持体2を下降させる。この場合、図4で示す実施態様においては、制御装置6は、ウインチ5を巻き戻して水車1の下端の円周部が浸漬して、その回転軸9が浸漬しない位置にまで支持体2を図で反時計回りに揺動させる。
他方、ステップS2において、水位測定装置14(図1)によって測定した水面の高さが、水車1の複数の羽根1aが河川Rを流れる水の力を受けることができない高さである場合(S2でNo)、すなわち、水位が、水車1が河川Rを流れる水により回転不可能な高さである場合、又は水量の増水で水車1が故障する危険がある場合には、制御装置6は、水車1を上限の高さ位置にまで移動させる(S4)。
制御装置6が、ステップS3での制御により、水車1の複数の羽根1aが河川Rを流れる水の力を受けることができる位置に設定すると、水車1は流水の力を受けて回転軸9が回転しスプロケット10aも回転する。ローラーチェーン12は、スプロケット10aの回転をスプロケット10bから増速器13に伝達し、発電装置3は増速器13からの増速された回転力を利用して発電する(S5)。
送電装置7は、発電装置3によって得られた電力の一部を、外部電力線を介して住宅や農業設備等の電力の供給先に送る(S6)。蓄電装置8は、発電装置3によって得られた電力の一部を蓄積する(S7)。発電装置3によって得られた電力の一部は、この水力発電システム100の駆動電源に使用される。
上述した動作説明は水力発電システム100の動作を簡単に説明したものであって、実際には上記各ステップが繰り返し行われる。
上述したように、本考案に係る水力発電システム100では、制御装置6は河川Rの水面の高さを水位測定装置14によって測定し、測定した高さをもとに、水車1の複数の羽根1aが河川Rを流れる水の力を受けることができるように、水車1の高さ位置を制御する。したがって、水力発電システム100は、河川Rを流れる水の量が少なくなって水位が下がっても、水車1が河川Rを流れる水の力を受けることができない程度に水位が下がらなければ、水位が下がる前と略同程度に発電することができる。逆に、河川Rを流れる水の量が増えて水位が上がったときは、それに応じて川底から離れることで水車1の複数の羽根1aが河川Rのより速い水流を受けるようにすることでより効果的に発電することができる。言い換えると、水力発電システム100は、河川Rを流れるそのときの水量に応じた最大の発電量を得ることができる。
加えて、水力発電システム100では、制御装置6によって測定された水位が、水車1の複数の羽根1aが河川Rを流れる水の力を受けることができない高さである場合、又は増水により水車1が破損や故障の危険がある場合には、制御装置6は水車1を持ち上げることで水車1の羽根1aが川底に接触して破損したり、増水により破損や故障することから保護することができる。
さらに、水力発電システム100は、発電装置3によって得られた電力を、送電装置7によって住宅や農業設備等の電力の供給先に送るために、水力発電システム100から送られた電力を用いれば、電力会社からの電力の消費を少なくすることができる。また、電力会社による発電能力が低下した場合であっても、水力発電システム100が電力の供給先に電力を供給することにより、供給先における電力需要量を確保できる可能性を高くすることができる。
さらにまた、水力発電システム100は、発電装置3によって得られた電力を蓄電装置8によって蓄積することで、蓄積された電力を用いれば、電力会社からの電力の消費を少なくすることができる。また、電力会社による発電能力が低下した場合であっても、水力発電システム100の蓄電装置8に蓄積された電力を用いることにより、電力の供給先における電力需要量を確保できる可能性を高くすることができる。
なお、本考案は上述の実施の形態に限定されるものではなく、実施の形態は本考案の趣旨に基づき種々の変形が可能であり、変形例を本考案の範囲から排除するものではない。
本考案は、河川を流れる水を利用して発電する水力発電システムに関するので、産業上の利用可能性を有する。
1 水車
2 支持体
3 発電装置
4 支持柱
5 駆動機構(ウインチ)
6 制御装置
7 送電装置
8 蓄電装置
13 増速器
14 水位測定装置
20 堰
100 水力発電システム
R 河川
2 支持体
3 発電装置
4 支持柱
5 駆動機構(ウインチ)
6 制御装置
7 送電装置
8 蓄電装置
13 増速器
14 水位測定装置
20 堰
100 水力発電システム
R 河川
Claims (9)
- 河川を流れる水の力を受けて回転する水車と、
前記水車の回転力を利用して発電する発電装置と、
前記水車を支持する支持体と、
前記河川の水面の高さを測定する水位測定装置と、
前記支持体を上下方向に移動させる駆動機構と、
前記水位測定装置により測定された前記高さに基づいて前記水車の上下方向の位置を調整可能なように前記駆動装置の上下方向の移動を制御する制御装置と、
を備える水力発電システム。 - 河川の両岸にそれぞれ支持柱を設けて、前記支持体を前記支持柱の間に架設すると共に、前記支持体によって支持される前記水車を前記河川の幅方向に沿って複数配置したことを特徴とする請求項1に記載の水力発電システム。
- 複数配置された前記水車を複数にグループ分けして、グループ毎に前記発電装置を設けたことを特徴とする請求項2に記載の水力発電システム。
- 前記駆動装置は、前記支持柱に沿って上下方向に前記支持体を昇降させることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の水力発電システム。
- 前記支持体は前記支持柱に回動自在に支持されて、前記駆動装置は、前記支持体を前記回動の軸を支点に揺動させることで、前記支持体を上下方向に移動させることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の水力発電システム。
- 前記水車の水流の導入側にあって、前記河川の上流側を広く且つ下流側を狭くする堰をさらに備える請求項1乃至5の何れかに記載の水力発電システム。
- 前記水車の回転力は、増速器を介して前記発電装置に伝達されることを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載の水力発電システム。
- 前記発電装置によって得られた電力を、電力の供給先に送る送電装置をさらに備える請求項1乃至7の何れかに記載の水力発電システム。
- 前記発電装置によって得られた電力を蓄積する蓄電装置をさらに備える請求項1乃至8の何れかに記載の水力発電システム。
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JP2018035683A (ja) * | 2016-08-29 | 2018-03-08 | Wollah株式会社 | 水力発電装置 |
CN118148824A (zh) * | 2024-03-22 | 2024-06-07 | 三峡科技有限责任公司 | 水电制氢发电设备及水轮机组位置自动控制方法 |
JP7523334B2 (ja) | 2020-12-03 | 2024-07-26 | Ntn株式会社 | 水力発電装置 |
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- 2013-01-24 JP JP2013000332U patent/JP3182673U/ja not_active Expired - Fee Related
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