JP3182393B2 - 低温ゲル化用カラギーナン - Google Patents

低温ゲル化用カラギーナン

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JP3182393B2 JP13046998A JP13046998A JP3182393B2 JP 3182393 B2 JP3182393 B2 JP 3182393B2 JP 13046998 A JP13046998 A JP 13046998A JP 13046998 A JP13046998 A JP 13046998A JP 3182393 B2 JP3182393 B2 JP 3182393B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は低温ゲル化性の変性
カラギーナン、該カラギーナンを用いたゲル、例えば水
性ゼリー、特に糖度の高い和菓子風ゼリーの製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】水性ゼリーを製造するためのゲル化剤の
基材には、例えば寒天、ゼラチン、ペクチン、カラギー
ナンなどが一般的に広く使用されている。その中のカラ
ギーナンは、紅藻類に含まれるガラクトース硫酸エステ
ルを主成分とする水溶性多糖類であり、硫酸基含有量、
あるいはアンヒドロガラクトースの含有量の違いによ
り、ゲル化能を有しているカッパ(κ)、弱いゲル化能
を有しているイオタ(ι)、ゲル化能を有していないラ
ムダ(λ)の三種に大別され、なかでもκ−カラギーナ
ンがゲル化剤の基材として広く利用されている。
【0003】κ−カラギーナンの性質としては、単独で
ゲル化することはもとより、ガラクトマンナンを主成分
とするローカストビーンガムとの相乗作用や、カリウ
ム、ナトリウム、カルシウムなどの金属イオンとの反応
性、蛋白質との反応性などが知られている。これらの特
性を組み合わせたり、ι−カラギーナンやλ−カラギー
ナンとκ−カラギーナンを組み合わせることにより他の
ゲル化剤には見られない多様な食感を有するゲルを作る
ことが可能となる。
【0004】また、ゲル化温度に関しては、κ−カラギ
ーナンのゲル化温度は寒天よりも高く、更に、ゲル組成
中の金属イオンの増加や、甘味の付与、保存性の向上を
目的とした砂糖などの糖類の添加によりゲル化温度は高
くなることが知られている。
【0005】カラギーナンをゲル化剤として用いたゼリ
ーの製造においては、他のゲル化剤と同様に、ゼリー用
組成を有する水溶液がゼリー成形用のカップへ充填され
るまでに、ゲル化が生じないように製造工程を管理する
必要がある。カラギーナンのゲル化温度に関してはこれ
までいくつかの報告がなされている。例えば、特開昭5
7−109879号公報には、カラギーナン、ファーセ
レランを含むゲルの融解点、ゲル化点を降下させる方法
として、カラギーナン、ファーセレランにリン酸ナトリ
ウムを添加するとが記載されている。しかしながら、か
かるゲル化温度の降下方法は、カラギーナン自体のゲル
化温度を降下させるものではない。また、特開昭59−
162847号公報には、室温下におけるゲル状物を製
造する方法として、ナトリウム塩量がおよそ2〜10重
量(重量)%、カリウム塩の含量がおよそ2重量%以下
で、カルシウム塩の含量がおよそ2重量%以下のκ−カ
ラギーナンのナトリウム塩に、カリウム塩、マグネシウ
ム塩またはアンモニウム塩を添加し、更に必要に応じて
冷水可溶性ローカストビーンガム及び/またはキサンタ
ンガムを併用することが開示されている。この方法は、
加熱工程を必要とせず、30℃以下の常水で溶解し、直
ちにゲルを形成させるところに特徴があるが、κ−カラ
ギーナン自体の組成とそれを用いたゲル形成用組成物の
ゲル化温度との関係、特に、低温ゲル化を可能とするκ
−カラギーナン自体の組成についての開示はない。通
常、このような方法でゲルを作成した場合、攪拌によっ
てゲル組織が破壊されて、しっかりとしたゲルを形成す
ることが困難な場合がある。
【0006】一方、特公昭64−7603号公報には、
「紅藻類1重量部に対して5乃至20重量部の0.00
5乃至0.1規定の酸水溶液を加え、30℃以下の温度
で5乃至30分間浸漬する工程を2〜10回繰り返した
紅藻類を必要とするカチオン種を含むアルカリ性物質に
て中和してpH6.0〜12.0なる前記アルカリ物質
の熱水にて抽出するカウンターイオン種の整えられたカ
ラギーナンの製造方法」が開示されている。しかしなが
ら、同公報にもκ−カラギーナンの組成と、それを用い
たゲル形成用組成物におけるゲル化温度との関係につい
ての開示はない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】糖度の高い(40重量
%以上)和菓子風ゼリーの製造にκ−カラギーナンをゲ
ル化剤として使用した場合、ゲル化温度は著しく高くな
り、製造工程における溶液温度を高くする必要があっ
た。さらに、ゼリー充填装置のノズル部においては、充
填液の粘性が高く、液切れが完全とはならず、充填液が
ノズル先端に付着し易く、付着した充填液はノズル先端
において装置の置かれた環境温度まで冷却されることで
ゲル化が進行し、ツララ状にゲル化物がノズルに付着し
て、充填液のゼリー容器への定量充填が困難となる場合
が多い。このような問題を回避するために、充填装置の
雰囲気温度もゲル化の進行が生じない程度に高く設定す
る必要があった。
【0008】しかしながら、このような高温での処理で
は、溶液中のカラギーナンの熱的劣化により、得られる
ゲルの強度の低下を招くおそれがあるため、あらかじ
め、その低下分を見込んでカラギーナンの添加量を多く
しなければならず、経済的な負担が大きくなる、という
問題点があった。また、このような熱的劣化を防止する
ために耐熱性付与を目的とした他の安定剤の添加が考え
られるが、得られるゼリーの食感が所望とするものと異
ってしまう場合がある、という問題もあった。更に、充
填装置雰囲気温度を高くするには、温風発生装置などの
新たな設備投資が迫られる場合があり、しかも最近の地
球温暖化のためのエネルギー消費の抑制化が求められる
情勢の中で温度を高く設定するという対応は好ましくな
い。
【0009】従来技術においては、高いゲル化温度を
するκ(カッパ)−カラギーナンを用いる場合における
上記のような問題点を考慮して、糖度の高いゼリーを製
造するためのゲル化剤の基材としては比較的ゲル化温度
の低い寒天が利用されているが、寒天によって得られる
ゼリーなどの固形ゲルは硬くて脆い食感を与える場合が
多く、良好な食感を付与可能なカラギーナンを用いて低
ゲル化温度でのゲルの製造が可能となる技術について要
望されている。
【0010】本発明の目的は、糖濃度の高い組成物のゲ
ル化温度を低下させて、上述したような高温でのゲル化
処理における不都合を解消できるゲル化剤用の基材とし
て好適なκ−カラギーナンを提供することにある。本発
明の他の目的は、高糖濃度でも低いゲル化温度でのゲル
化を可能とするκ−カラギーナンを用いたゲル化剤及び
それを用いたゲルの製造方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは、
上記従来技術の課題点を鑑み、低ゲル化温度を有するκ
−カラギーナンを見い出すべく鋭意検討した結果、κ−
カラギーナンのカウンターイオンとしてのカリウム含量
とゲル化温度には関連性があり、カリウム含量が低いも
のほどゲル化温度が低くなること、更には高糖濃度下に
おいてもゲル化温度が低下することを見い出し本発明に
到達した。
【0012】すなわち、本発明の低温ゲル化用として好
適なκ−カラギーナンは、カリウム含量が1.0重量%
以下であることを特徴とする。
【0013】本発明のκ−カラギーナンの製造方法は、
紅藻類を、該紅藻類1重量部に対して21〜40重量部
の0.02〜0.10規定の酸水溶液に接触させて、該
紅藻類からカリウム塩を該酸水溶液中に抽出する工程
と、カリウム塩が抽出された紅藻類からカリウム含量が
1.0重量%以下であるκ−カラギーナンを抽出する工
程と、を有することを特徴とする。
【0014】また、本発明のゲルの製造方法は、糖分を
40〜60重量%、カリウム含量が1.0重量%以下の
κ−カラギーナンを0.18〜0.42重量%、ローカ
ストビーンガムを0.12〜0.28重量%、カリウム
塩を0〜0.05重量%の濃度で水に加熱溶解して得ら
れる55℃以下のゲル化温度を有する水溶液を冷却し、
ゲル化させる工程を有することを特徴とする。
【0015】本発明におけるκ−カラギーナンをゲル化
剤の基材として用いることで、ゲル化温度を低下させ
て、例えば液状ゲル組成物を容器に充填する際の充填機
の環境温度を室温としても、充填用のノズル先端でのゲ
ルの粘性増加や固化による充填不良や充填不能などの問
題が生じることを防止することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明のκ−カラギーナンは、例
えばカリウム塩の抽出処理を施した紅藻類からの抽出に
よって得ることができる。原料としての紅藻類として
は、κ−カラギーナンを含有する紅藻類であれば良く、
例えばユキューマ・コトニー(Euchuma cot
tonii)のアルカリ処理コトニー(Alkali
treated Cottonii)などを用いること
ができる。このアルカリ処理コトニーとしては市販品が
利用でき、例えば、インドネシア シーマテック社製の
アルカリ処理コトニーを用いることができる。
【0017】紅藻類からのカリウム塩(カリウムイオ
ン)の抽出処理には、酸水溶液に紅藻類を接触させる方
法が利用できる。これらの接触には、例えば、紅藻類を
酸水溶液に浸漬する方法などが利用でき、酸濃度、接触
時間、接触回数、接触時の温度などは、最終的に抽出さ
れるκ−カラギーナンのカリウム含量が目的とする範囲
(1.0重量%以下)になるように設定される。
【0018】本発明では、紅藻類1重量部に対して21
〜40重量部の0.02〜0.10規定の酸水溶液が好
適に利用される。なお、先に引用した特公昭64−76
03号公報には、カラギーナン中のカンターイオン種を
整えるために、紅藻類1重量部に対して5乃至20重量
部の0.005乃至0.1規定の酸水溶液を用いてこれ
を処理する方法が記載されているが、本発明におけるよ
うに高度にカリウム含量を低減させるには、このような
原料紅藻類(原藻)の重量(原藻重量)に対する酸水溶
液の配合では十分ではないことが、本発明者らの検討で
明かとなっている。すなわち、本発明におけるように、
原藻重量に対する酸水溶液の倍率が20倍以下である
と、原藻の酸浸漬に伴う膨潤により、酸水溶液への原藻
の浸漬が不十分となりカリウム塩の良好な抽出効果が得
られない。また、原藻重量に対する酸水溶液の倍率が4
1倍以上となってもカリウム塩の抽出効果が低下する。
更に、酸水溶液の規定度が0.02未満になると、カリ
ウム塩の抽出効果が低下し、また、0.10を超える
と、原藻中に含まれるκ−カラギーナンの品質の低下や
原藻の酸による溶解が進み歩留まりが低下する。
【0019】κ−カラギーナン中のカリウム含量を1.
0重量%以下とするには、上記の酸水溶液の量及び規定
度を基本として、規定度などに応じた浸漬回数を設定す
る方法を採用することができる。酸水溶液の規定度が小
さい場合は、浸漬回数を多くし、酸水溶液の規定度が大
きい場合は浸漬回数を少なくし、浸漬回数は生産性、経
済性などを考慮して設定することができる。なお、浸漬
温度は、30℃以下の室温が好ましい。30℃を超える
と、原藻自体の溶解の低下、酸によるκ−カラギーナン
の品質の低下を招き易くなる場合がある。
【0020】酸水溶液の酸成分としては、塩酸、硫酸、
硝酸、リン酸等の無機酸や酢酸等の有機酸を用いること
ができる。
【0021】酸水溶液での処理後、酸水溶液を酸水溶液
を含んで膨潤した原藻と分離してから原藻に水を添加す
る等の方法で水中に原藻を浸した状態で、これにアルカ
リ物質を添加してそのpHを中性〜アルカリ性、例えば
7.5〜10、好ましくは9〜9.5程度に調整する。
なお、pH7.5未満ではκ−カラギーナンの耐熱性が
悪化し、10を超えると抽出後の濾過が困難となる場合
がある。このアルカリ性物質としては、カリウムを含有
しないもので、酸水溶液中の紅藻類の中和を可能するも
のであれば良く、例えば、水酸化ナトリウム、クエン酸
ナトリウムなどのナトリウム塩、水酸化カルシウム、ク
エン酸カルシウムなどのカルシウム塩を用いることがで
き、後続する濾過処理における操作が容易である点や、
精製されたκ−カラギーナンの物性(例えば水溶液とし
た際の透明性)の点においてはナトリウム塩のアルカリ
性物質がより好ましい。
【0022】アルカリ性物質の添加後に、必要に応じて
カチオンのバランスをとるために、塩化ナトリウムや塩
化カルシウム等の中性塩や、炭酸ナトリウム等の弱アル
カリ性塩を添加してから、公知の方法によってκ−カラ
ギーナンを抽出することができる。例えば、紅藻類を加
熱溶解させて水中にκ−カラギーナンを抽出してから冷
却後不溶物を濾別し、得られた濾液を水混和性有機溶剤
と混合して、析出するκ−カラギーナンを回収し、乾
燥、粉砕することで、カリウム含量が低減されたκ−カ
ラギーナンの粉体を得ることができる。
【0023】このようにして得られたカリウム含量が調
整されたκ−カラギーナンの1.5重量%水溶液の75
℃での粘度は、おおよそ10〜300mPa・sであ
る。また、硫酸基含有量は、おおよそ20〜22重量%
(無水基準)であり、3,6−アンヒドロガラクトース
含量はおおよそ28〜36重量%(無水基準)である。
また、このκ−カラギーナンは赤外スペクトルは、3,
6−アンヒドロガラクトース−4−硫酸基由来の840
〜850cm-1と3,6−アンヒドロガラクトース由来
の920〜940cm-1に強い吸収を示す。
【0024】本発明におけるκ−カラギーナンは、ゼリ
ー状の食品、例えばゼリー状の和菓子(和菓子風ゲル状
組成物)などのゲル化剤の基材として好適に用いること
ができ、例えば糖濃度が40重量%以上と高いゲル形成
用の組成物におけるゲル形成に好適である。本発明にお
けるκ−カラギーナンをゲル化剤の基材として用いるこ
とで、一般に使用されているκ−カラギーナンを用いる
場合に比較して5〜20℃程度のゲル化温度の低下を達
成することができる。
【0025】本発明におけるゲル化剤は、上記のカリウ
ム含量が調整されたκ−カラギーナンを基材として含有
することを特徴とする。和菓子風ゲル状組成物を製造す
る場合には、ローカストビーンガムと組み合わせて用い
るのは好ましい。更には、必要に応じて、塩化カリウ
ム、リン酸カリウム、炭酸カリウム、ポリリン酸カリウ
ム、クエン酸カリウム、グルコン酸カリウム、酒石酸カ
リウム等のカリウム塩の1種以上を添加することもでき
る。これらのカリウム塩を添加することでゲル強度を向
上させることができる。
【0026】κ−カラギーナンとローカストビンガムと
の配合比は、目的とするゲル状組成物の性状や食感など
に応じて選択することができ、例えば、8/2〜4/6
(重量比)の範囲から選択することができる。更に、カ
リウム塩の添加量は、ゲル強度を高める作用を有する一
方で、ゲル化温度を高める作用を有するので、ゲル化温
度の上昇が本発明の効果を損なわない範囲内に抑えられ
るように設定するのが好ましく、例えばκ−カラギーナ
ン100重量部に対して12重量部以下となるようにゲ
ル化剤に配合するのが好ましい。
【0027】更に、本発明のゲル化剤には、ι(イオ
タ)−カラギーナン、ジェランガム、キサンタンガム、
グルコマンナン、タラガム、カシアガム等の1種以上を
本発明の効果を損なわない範囲内で必要に応じて添加す
ることができる。
【0028】本発明における、ゼリー状和菓子などとし
て利用できる糖分含有ゲル状組成物の製造は、糖分を4
0〜60重量%、カリウム含量が1.0重量%以下のκ
−カラギーナンを0.18〜0.42重量%、ローカス
トビーンガムを0.12〜0.28重量%、カリウム塩
を0〜0.05重量%の濃度で水に加熱溶解して得られ
る55℃以下のゲル化温度を有するゲル形成用の水溶液
を冷却し、ゲル化させる工程を有する方法によって得る
ことができる。なお、カリウム塩としては例えば上記の
ゲル化剤用として挙げたものの1種以上を用いることが
できる。
【0029】ゲル形成用の水溶液の調製温度は、その組
成によって適宜設定でき、例えば75〜90℃の範囲と
することができる。かかる温度を有する水溶液を、例え
ば室温下に所定の容器内へ充填機のノズルから充填した
場合、55℃以下の温度でゲル化が生じ、更に温度低下
によりゼリー状に固化した状態を得ることができる。固
化状態までの時間は、充填機から所定容器内へのゲル状
組成物の充填までに十分な時間となり、充填機のノズル
におけるゲル状組成物の高粘度化や固化による充填不良
などの不都合を回避することができる。
【0030】糖分としては、目的とする製品の風味など
に応じて選択でき、例えば、グルコース、ラクトースな
どの単糖類、ショ糖、マルトースなどの二糖類などから
選択することができる。更に、香料、色素、調味料など
を必要に応じてゲル中に添加することができる。
【0031】
【実施例】以下に、実施例及び比較例を用いて本発明を
更に具体的に説明する。なお、実施例及び比較例で示す
ゲル状組成物の組成は、次の理由により表1に示す組成
とした。κ−カラギーナン/精製ローカストビーンガム
の比率は得られるゲルの食感より8/2〜4/6(重量
比)の範囲内とした。κ−カラギーナンと精製ローカス
トビーンガムの合計添加量は、得られるゲルの強度を考
慮して、0.3〜0.7重量%とした。塩化カリウム
は、ゲルのゲル化温度を高める作用と、ゲルの強度を高
める作用があるが、ゲル化温度の上昇を小さくするた
め、κ−カラギーナンに対して0〜10重量%とした。
糖分としては、和菓子の食感と保存性を考慮して、グラ
ニュー糖を40〜60重量%用いた。
【0032】
【表1】 ゲル形成用の水溶液の作成は、500mlのビーカーを
用いて、全体量が400gのスケールで行った。まず、
表1に示す配合割合で、κ−カラギーナン、精製ローカ
ストビーンガム及び塩化カリウムを粉末状態で混合して
ゲル化剤を調製した。次に、このゲル化剤をイオン交換
水(約20℃)中に分散させ、ついで85℃の湯浴にビ
ーカーを入れて30分間攪拌した後、表1の組成となる
ようにグラニュー糖を加え、更に、同様にして加温しな
がら10分間攪拌し、水分を適宜補正して表1の組成の
水溶液を得た。
【0033】このようにして得られた水溶液のゲル化温
度の測定は、ビーカーに入ったこの水溶液を室温雰囲気
(20℃)でガラス棒型温度計を用いて攪拌冷却した際
の水溶液がゲル状を呈した時の温度を読み取る方法によ
り行った。ゲル状を呈した時点の判断は、ビーカーを回
転させた際において、溶液状の時は回転方向と同方向に
内容物が回転するが、ゲル状を呈した場合は回転方向と
逆方向に回転するという現象を利用して行い、この逆方
向の回転状態を初めて呈した時点をゲル状を呈した時点
とした。また、ゲル強度の測定は、ゲル化温度測定後、
ゲルを20℃で一晩放置し、ビーカーより取り出してネ
オカードメーター(ME−303 IIO ELECT
RIC.CO.製)を用いてインチ/21SECの速度
で直径5.6mmの円径プランジャーにより圧力を加
え、ゲルが破断した時の圧力を測定し、これをゲル強度
とした。更に、κ−カラギーナンのカチオン含量の測定
は原子吸光法を用い、無水ガム重量基準で表した。
【0034】実施例1 原藻としてのアルカリ処理コトニー(インドネシア シ
ーマテック社製のアルカリ処理コトニー)80gを水洗
した後容器内に入れ、これに0.04規定の塩酸(約2
0℃)を24倍量(1920g)加え、1回当たり10
分間の酸浸漬を第2表に示す試験番号1〜3の条件で実
施した。その後、原藻が浸漬されている酸溶液中に、水
酸化ナトリウムを加えてそのpHを9〜9.5とし、つ
いで炭酸ナトリウム5g、塩化ナトリウム27gを添加
し、全量が2670gとなるように水を加え、80℃の
湯浴中に容器を入れて1時間加熱溶解することで、κ−
カラギーナンを抽出した。抽出液に濾過助剤(三井金属
鉱業製 4259)を適量添加し、ケーキ濾過を行い、
得られた清澄濾液に2倍量のイソプロピルアルコールを
加えることでκ−カラギーナンを沈澱させ、回収した。
この沈澱物を乾燥、粉砕してκ−カラギーナンの粉末を
得た。
【0035】実施例2 κ−カラギーナン中の2価カチオンのゲル化温度への影
響を確認するため、炭酸ナトリウムを添加しない以外
は、実施例1の試験番号2と同様にしてアリカリ処理コ
トニーからκ−カラギーナンの粉末を得た。
【0036】実施例3 κ−カラギーナン中のカリウム含量の低いものを得るた
めに、まず、実施例1の試験番号1と同様にアルカリ処
理コトニーを処理して、κ−カラギーナンを含む濾液を
得た。次に、この濾液100重量部に対して、陽イオン
交換樹脂(交換容量2emq/ml:Amberlit
e IR−122)6重量部を添加し、10重量%の水
酸化ナトリウム水溶液にて中和しながらイオン交換を行
った。陽イオン交換樹脂を除去して得られた残液に、塩
化ナトリウム1重量部を添加、溶解し、更に2倍量のイ
ソプロピルアルコールを加えてκ−カラギーナンを沈澱
させ、回収した。得られた沈澱を更に乾燥、粉砕してκ
−カラギーナンの粉末を得た。
【0037】比較例1 κ−カラギーナン中のカリウム含量の多いものを得るた
めに、アルカリ処理コトニー80gを水洗した後容器内
に入れ、これに0.01規定の塩酸(約20℃)を24
倍量(1920g)を加え、1回当り10分間の酸浸漬
を表2に示す試験番号6〜8の条件で実施した。その
後、水酸化ナトリウムの添加以降の処理を実施例1と同
様に行い、カリウム含量の多いκ−カラギーナンの粉末
を得た。
【0038】比較例2 アルカリ処理コトニー80gを水洗した後容器内に入
れ、これに0.1規定の塩酸(約20℃)を20倍量
(1600g)加え、1回当たり10分間の酸浸漬を1
0回実施した。その後、水酸化ナトリウムの添加以降の
処理を実施例1と同様にしてκ−カラギーナンの粉末を
得た。
【0039】以上、実施例1〜3及び比較例1、2で得
られたκ−カラギーナンを用いた場合のゲル化温度及び
ゲル強度を表2、3にそれぞれ示す。また、表3におけ
る試験区の条件については表4に示す。
【0040】比較参考例 参考として、表3の最下段に寒天(1.5重量%、ゲル
強度72kPa)の物性を示した。なお、寒天の濃度は
κ−カラギーナンのゲル強度レベルに合せるために0.
75重量%(試験区1)及び1.00重量%(試験区
2)とし、溶解は沸騰で5分間とした。
【0041】
【表2】
【0042】
【表3】
【0043】
【表4】 表2、3から明らかなように、カリウム含量が1.0重
量%以下のκ−カラギーナンを使用することによりゲル
化温度の低減が可能である。また、カリウム含量の0.
2重量%までの低減は酸浸漬処理によって容易に達成可
能であり、処理工程の簡便性を考慮すれば、カリウム含
量の0.2重量%までの低減処理がより好ましい。更
に、原藻に対する酸溶液の倍率が20倍以下になるとカ
リウム含量の低下効率が悪くなることが明かである。
【0044】
【発明の効果】以上のとおり、カリウム含量が1.0重
量%以下のκ−カラギーナンはゼリー形成用溶液、特に
糖度の高い和菓子風ゼリーなどのゲル形成性用溶液のゲ
ル化温度を低下させる効果を有しており、ゼリー製造段
階におけるゲル化に伴う工程通過性の悪化の問題に対し
て、従来のような溶液温度を上げたり、室内雰囲気温度
を上げたりするといった不経済な対応を採る必要がなく
なり、カラギーナンを用いることで得られるバラエティ
ーに富む食感を有するゼリーなどのゲル化物を効率的に
製造することが可能となる。

Claims (14)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カリウム含量が1.0重量%以下である
    ことを特徴とするκ−カラギーナン。
  2. 【請求項2】 カリウム含量の下限が0.2重量%であ
    る請求項1に記載のκ−カラギーナン。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載のκ−カラギー
    ナンを含むことを特徴とするゲル化剤。
  4. 【請求項4】 ローカストビーンガムを更に含む請求項
    3に記載のゲル化剤。
  5. 【請求項5】 κ−カラギーナンとローカストビーンガ
    ムとの配合重量比が、8/2〜4/6である請求項4に
    記載のゲル化剤。
  6. 【請求項6】 κ−カラギーナン100重量部に対して
    12重量部までのカリウム塩を含有する請求項3〜5の
    いずれかに記載のゲル化剤。
  7. 【請求項7】 糖分及びゲル化剤を水に加熱溶解して得
    られる水溶液を冷却してゲル化することによるゲルの製
    造方法において、 糖分を40〜60重量%、カリウム含量が1.0重量%
    以下のκ−カラギーナンを0.18〜0.42重量%、
    ローカストビーンガムを0.12〜0.28重量%、カ
    リウム塩を0〜0.05重量%の濃度でこれらのゲル形
    成用成分を水に加熱溶解して得られる水溶液を冷却し、
    ゲル化させる工程を有することを特徴とするゲルの製造
    方法。
  8. 【請求項8】 ゲル形成用成分の加熱溶解温度が75〜
    90℃である請求項7に記載のゲルの製造方法。
  9. 【請求項9】 ゲル化した溶液を更に固形状とする工程
    を有する請求項8に記載のゲルの製造方法。
  10. 【請求項10】 固形ゲルが、ゼリー状和菓子である請
    求項9に記載のゲルの製造方法。
  11. 【請求項11】 カリウム含量が1.0重量%以下であ
    るκ−カラギーナンの製造方法であって、 紅藻類を、該紅藻類1重量部に対して21〜40重量部
    の0.02〜0.10規定の酸水溶液に接触させて、該
    紅藻類からカリウム塩を該酸水溶液中に抽出する工程
    と、 カリウム塩が抽出された後の紅藻類からカリウム含量が
    1.0重量%以下であるκ−カラギーナンを抽出する工
    程と、 を有することを特徴とするκ−カラギーナンの製造方
    法。
  12. 【請求項12】 紅藻類の酸水溶液との接触が、紅藻類
    を酸水溶液に浸漬する処理によって行われる請求項11
    に記載のκ−カラギーナンの製造方法。
  13. 【請求項13】 紅藻類の酸水溶液への浸漬処理後に、
    該浸漬溶液中にアルカリ物質を添加してそのpHを中性
    〜アルカリ性に変化させた後に、κ−カラギーナンの抽
    出工程を行う請求項12に記載のκ−カラギーナンの製
    造方法。
  14. 【請求項14】 アルカリ物質の添加によって得られる
    pHが7.5〜10である請求項13に記載のκ−カラ
    ギーナンの製造方法。
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