JP3182375B2 - 重荷重用ラジアルタイヤ - Google Patents

重荷重用ラジアルタイヤ

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JP3182375B2
JP3182375B2 JP17592297A JP17592297A JP3182375B2 JP 3182375 B2 JP3182375 B2 JP 3182375B2 JP 17592297 A JP17592297 A JP 17592297A JP 17592297 A JP17592297 A JP 17592297A JP 3182375 B2 JP3182375 B2 JP 3182375B2
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    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60CVEHICLE TYRES; TYRE INFLATION; TYRE CHANGING; CONNECTING VALVES TO INFLATABLE ELASTIC BODIES IN GENERAL; DEVICES OR ARRANGEMENTS RELATED TO TYRES
    • B60C15/00Tyre beads, e.g. ply turn-up or overlap
    • B60C15/06Flipper strips, fillers, or chafing strips and reinforcing layers for the construction of the bead
    • B60C15/0603Flipper strips, fillers, or chafing strips and reinforcing layers for the construction of the bead characterised by features of the bead filler or apex
    • B60C15/0607Flipper strips, fillers, or chafing strips and reinforcing layers for the construction of the bead characterised by features of the bead filler or apex comprising several parts, e.g. made of different rubbers

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Tires In General (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、クラックの発生を
長期に亘って抑制しうる重荷重用ラジアルタイヤに関す
る。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】近年の
道路網の整備化、車両の高性能化に伴い、乗用車用タイ
ヤはもとより、例えばトラック、バス等に用いられる重
荷重用タイヤにおいても高い走行性能が要求されてお
り、近年では、ラジアル構造カーカスと、このカーカス
の外側を剛性の高いベルト層で締めつけた重荷重用ラジ
アルタイヤの採用が普及している。このような重荷重用
ラジアルタイヤは、トレッド部の剛性が高く、高速性能
に優れ、また耐摩耗性能、低燃費性能などの向上が図ら
れている。
【0003】ところが、重荷重用ラジアルタイヤは、走
行中に発生する大きな繰返し応力がサイドウォール部か
らビード部にかけて集中的に作用すること、及び大気中
のオゾンの作用によって、これらの領域に微細なひび割
れ(以下、単にクラックという。)が生じやすい。この
クラックは、タイヤ内部に進行しビード部においてカー
カスプライなどのプライが剥離するセパレーション損傷
を招くおそれがある。
【0004】また、前記クラックが生じたタイヤは、タ
イヤをリトレッドするなどの更正時における台タイヤと
しての基準を具備しえず、更正すらできないという問題
もある。
【0005】本発明者らは、このような問題点に鑑み鋭
意研究を重ねたところ、タイヤをリム組みして膨張変化
させた場合において、タイヤ表面の最大主歪が大きい
と、前記クラックが生じ易くなること、及びタイヤ最大
巾点と、リムのフランジと接する接触域の半径方向外方
点である接触外方点との間の領域の表面の最大主歪εm
と前記タイヤ最大巾点P1での最大主歪εpとの差(ε
m−εp)が大きいと、相対的に歪の大きい箇所にクラ
ックが集中して発生することを突き止めた。
【0006】また、このような最大主歪をコントロール
するためには、1枚のカーカスプライの本体部にビード
コアでタイヤ軸方向内側から外側に折り返す折返し部を
一体に設け、かつこの折返し部がカーカスの本体部に近
接して平行にのびる平行部を設け、又その長さを規制す
ることが好ましいとの知見を得たのである。
【0007】以上のように、本発明は、サイドウォール
部からビード部にかけてのクラックを長期に亘って効果
的に防止し、ひいてはビード部の耐久性を向上してタイ
ヤ更生を可能としうる重荷重用ラジアルタイヤを提供す
ることを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明のうち請求項1記載の発明は、トレッド部か
らサイドウォール部をへてビード部のビードコアに至る
本体部に前記ビードコアでタイヤ軸方向内側から外側に
折り返して半径方向外側にのびる折返し部を一体に設
け、かつコードをタイヤ赤道に対して70〜90°の角
度で傾けて配列した1枚のカーカスプライからなるカー
カスと、前記カーカスの本体部と折返し部との間でビー
ドコアからタイヤ半径方向外側に先細状でのびるビード
エーペックスとを有する重荷重用ラジアルタイヤであっ
て、前記折返し部は、前記ビードエーペックスの軸方向
外側面に沿って半径方向外側にのびかつビードエーペッ
クスのタイヤ半径方向外端から前記カーカスの本体部に
近接して平行にのびる平行部を具え、しかもこの折返し
部の半径方向外端高さH1が、ビードベースラインBL
からカーカスのタイヤ半径方向最外端までのカーカス断
面高さHcの30〜60%であり、 かつ前記平行部は、
その長さLが前記ビードコアの断面最大巾CWの2.0
〜8.0倍であることを特徴とする。
【0009】また請求項2記載の発明は、タイヤを正規
リムにリム組みしかつ0.5kgf/cm 2 の内圧を充填した
仮組状態から正規内圧を充填した標準状態まで膨張変化
させた場合において、 タイヤ軸方向に最外側となるタイ
ヤ最大巾点P1と、リムのフランジと接する接触域の半
径方向外方点である接触外方点P2との間の領域の表面
の最大主歪εmは4%以下、しかも前記領域の最大主歪
εmと前記タイヤ最大巾点P1での最大主歪εpとの差
(εm−εp)が2%未満であることを特徴としてい
る。
【0010】また請求項3記載の発明は、前記折返し部
の半径方向外端高さH1は、前記カーカス断面高さHc
の40〜60%であることを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の一形態を図
面に基づき説明する。図1は、トラック、バスなどに使
用される重荷重用ラジアルタイヤ1(以下タイヤ1とい
うことがある)を正規リムJに装着しかつ正規内圧を充
填した無負荷状態の右半分の子午断面を示している。
【0012】本明細書において、「正規リム」とは、J
ATMAで規定する標準リム、TRAで規定する "Desi
gn Rim" 、或いはETRTOで規定する "Measuring Ri
m"であり、「正規内圧」とは、JATMAで規定する最
高空気圧、TRAの表 "TIRELOAD LIMITS AT VARIOUS C
OLD INFLATION PRESSURES" に記載の最大値、或いはE
TRTOで規定する "INFLATION PRESSURE" である。
【0013】また、本実施形態では前記正規リムJは、
リムシートJSがタイヤ軸方向線に対して5°±1°の
傾斜をなす5°テーパリム(JATMAではR05−1
で規定される広幅平底リム)であるものを示す。
【0014】図1、図2において、タイヤ1は、トレッ
ド部2と、その両端からタイヤ半径方向内方にのびる一
対のサイドウォール部3と、各サイドウオール部3の内
方端に位置するとともに前記正規リムJに着座するビー
ド部4とを具えるとともに、トレッド部2からサイドウ
オール部3をへてビード部4のビードコア5に至る本体
部6Aに前記ビードコア5でタイヤ軸方向内側から外側
に折り返す折返し部6Bを一体に設けた1枚のカーカス
プライ6aからなるカーカス6を具える。このようにカ
ーカス6を1枚のカーカスプライから構成することによ
り、タイヤ重量の軽量化に役立つ。
【0015】前記カーカスプライ6aは、カーカスコー
ドをタイヤ赤道Cに対して70〜90°の角度範囲で配
列したコード配列体の両面をトッピングゴムで被覆した
シート状のものを用いている。またカーカスコードとし
ては、好ましくは、スチールコードが採用されるが、必
要に応じてばナイロン、レーヨン、ポリエステル、芳香
族ポリアミド等の有機繊維コードをも使用できる。本実
施形態のカーカス6は、スチールコードをタイヤ赤道C
に対して略90°の角度で傾けた1枚のカーカスプライ
6aから形成される。
【0016】前記カーカス6の半径方向外側かつトレッ
ド部2の内方には、ベルト層7が配される。ベルト層7
は、本例ではスチールコードをタイヤ赤道Cに対して、
例えば60±10°程度の角度で傾けた最も内のベルト
プライ7Aと、タイヤ赤道Cに対してスチールコードを
30°以下の小角度で傾けて並べたベルトプライ7B、
7C、7Dとを、例えば前記ベルトコードがプライ間で
互いに交差する箇所を1箇所以上設けて重ね合わせた4
層構造をなす。なお、ベルト層7には、必要に応じてレ
ーヨン、ナイロン、芳香族ポリアミド、ナイロンなど他
のコード材料を用いることができる。
【0017】前記ビード部4は、カーカスプライ6aの
本体部6Aと折返し部6Bとの間に、前記ビードコア5
からタイヤ半径方向外側に先細状にのびる硬質ゴムから
なるビードエーペックス8が充填される。前記ビードエ
ーペックス8は、例えば、図1に示すようにビードベー
スラインBLからのタイヤ半径方向高さH2を、カーカ
ス断面高さHc(図1に示す)の6〜31%、より好ま
しくは8〜22%、より好ましくは8〜14%とするの
が好ましく、本例では約11%の高さに設定している。
【0018】なおビードベースラインBLは、前記JA
TMAなどの規格で定められるリム径を通るタイヤ軸方
向線として定義し、また「カーカス断面高さ」とは、前
記無負荷の状態においてビードベースラインBLからカ
ーカス6のタイヤ半径方向最外端までのタイヤ半径方向
距離として定義する。
【0019】またビードエーペックス8は、図2に示す
ように、本例ではタイヤ軸方向の内側面8iをカーカス
の本体部6Aと略平行に傾斜した略直線状に形成すると
ともに、タイヤ軸方向の外側面8oをタイヤ軸方向内側
に凹む内膨らみの円弧状に形成し、しかも、前記タイヤ
半径方向高さH2と相まってビードエーペックス8の小
容積化を図っている。さらに、ビードエーペックス8
は、例えばJISA硬度を60〜99°、より好ましく
は70〜95°の硬質ゴムにて形成するのが望ましい。
【0020】前記ビードコア5は、本例ではスチールワ
イヤを所定回数螺旋巻きすることにより断面略六角形状
に形成したものをゴム被覆することにより形成され、そ
の内片5iがタイヤ軸方向線に沿うように構成されてい
る。また、本実施形態のタイヤは、5°テーパリムに装
着されるため、ビードコア5の内径φAは、正規リムJ
のリム称呼径φBよりも大きく構成することが必要であ
る。ビードコア5の内径φAが、正規リムJのリム称呼
径φBよりも小さいと、カーカス6のコードがビードシ
ート面に露出したり又はリム組みできないという問題が
生じる。なお、ビードコア5には、スチールの他、芳香
族ポリアミドのワイヤ素材なども採用することができ
る。
【0021】また前記カーカスの折返し部6Bは、ビー
ドエーペックス8の外端8tを半径方向外側に超えかつ
タイヤ最大巾点P1より半径方向内方、すなわち荷重の
負荷時の歪量が比較的小さい高さH1の位置で終端させ
ることによって、折返し部6Bの外端に歪が集中するの
を減じることができ、本例では41%としているが、
記高さH1は、ビードベースラインBLからカーカス断
面高さHcの30〜60%、さらに好ましくは40〜6
0%とするのが望ましい
【0022】前記折返し部6Bの半径方向外端高さH1
が、前記カーカス断面高さHcの30%に満たないと、
この折返し部6Bの外端に歪が集中してセパレーション
を生じやすくなる傾向があり、逆に折返し部6Bの半径
方向外端高さH1が、前記カーカス断面高さHcの60
%を越えても耐久性能の向上は頭打ちとなり、むしろタ
イヤ重量の増加を招くため好ましくない。
【0023】また前記カーカスの折返し部6Bは、本実
施形態では、前記ビードエーペックス8の外側面8oに
沿って、一旦内膨らみ状で半径方向外側にのびかつ前記
ビードエーペックス8の略外端8tの位置から前記カー
カスの本体部6Aに近接しかつ実質的に平行にのびる平
行部Gを形成して終端している。このような平行部Gを
形成することにより、タイヤ1を正規リムJにリム組み
しかつ0.5kgf/cm2の内圧を充填した仮組状態から正
規内圧を充填した標準状態まで膨張変化させた場合にお
いて、タイヤ軸方向に最外側となるタイヤ最大巾点P1
と、リムJのフランジJfと接する接触域の半径方向外
方点である接触外方点P2との間の領域Yの表面の最大
主歪εmを低減させると同時に、前記領域Yの最大主歪
εmと前記タイヤ最大巾点P1での最大主歪εpとの差
(εm−εp)を一定範囲に規制することが可能とな
る。
【0024】前記平行部Gの長さLは、例えば前記無負
荷状態において、前記ビードコア5の断面最大巾CW
(ワイヤ部分を対象として測定する)の2.0〜8.0
倍、より好ましくは3.5〜6.5倍、さらに好ましく
は4.0〜6.0倍とすることが望ましく、本実施形態
では、平行部Gはビードコアの断面最大巾CWの約5.
0倍としている。
【0025】前記平行部Gの長さLが、ビードコアの断
面最大巾CWの2.0倍を下回る場合には、前記領域Y
に最大主歪εmのピークが現れ、その最大主歪εmのピ
ーク位置に比較的早期にかつ集中してクラックが生じや
すくなり、逆に8.0倍を上回ると耐久性の向上は頭打
ちとなり、むしろタイヤ重量の増加を招くため好ましく
ない。
【0026】また、図2のA−A断面である図3に示す
ように、平行部Gにおいてカーカスの本体部6Aと折返
し部6Bとが近接する例として、カーカスの本体部6A
と折返し部6Bのカーカスコード間距離Nを、例えばカ
ーカスコード11の直径Dの1.0〜4.5倍、好まし
くは1.5〜3.5倍に維持させ、前記カーカスの本体
部6Aと折返し部6Bのカーカスコード間に作用するせ
ん断力を、該カーカスコード間に介在するゴム材の弾性
によって緩和するのが望ましい。
【0027】前記コード間距離Nが、前記カーカスコー
ドの直径Dの1.0倍未満のとき、カーカスコード11
同士が接近しがちとなり、コード間のゴムによるせん断
力の緩和効果が不十分となる他、カーカスコード11が
部分的に接触するおそれがありコードルースなどの原因
にもなりかねない。さらに、コード間距離Nが、カーカ
スコードの直径Dの4.5倍を超えると、本体部6Aと
折返し部6Bとが平行にのびる場合でも、前記領域Yの
外表面の最大歪εの低減効果が少なくなる傾向があり、
またビード部4の厚さを不必要に増大するなど、発熱性
の点からも好ましくない。
【0028】なお前記カーカスの本体部6Aと折返し部
6Bのカーカスコード11、11間に介在するゴム材
は、カーカスプライ6aのトッピングゴムを利用しても
良いが、本例ではカーカスプライの本体部6Aと折返し
部6Bとの間に別途、クッションゴム層12を介在させ
たものを示している。そして、クッションゴム層12
は、トッピングゴムと略等しい硬度のクッションゴム層
12や、ビード部4を補強するべく前記ビードエーペッ
クス8と同材料の硬質ゴムなどを採用しうる。
【0029】また、本実施形態の重荷重用ラジアルタイ
ヤは、図2に示すように、前記ビード部4に、リムJと
接することとなるビードシート面及びビード部外面の一
部にクリンチゴムを配しているものを例示している。こ
のクリンチゴムは、JISA硬度が60〜90°、より
好ましくは65〜85°の硬質ゴムを用いることによ
り、リムずれ、リムとの接触による摩耗等を防止しう
る。
【0030】そして、このクリンチゴム13の半径方向
外側には、柔軟なサイドゴム14が配される。さらに、
本例の重荷重用ラジアルタイヤ1は、ビード部4に、カ
ーカスプライ6aとは別に有機繊維コード又はスチール
コードを配列したコードプライからなるコード補強層を
配していないものを例示している。これは、タイヤ重量
を軽量化するのに役立つ。
【0031】従来の重荷重用ラジアルタイヤの代表的な
ビード部の構造を、図4に示す。このタイヤでは、カー
カスの本体部aに折返し部bが一体に設けられるが、本
発明のような平行部はなく、しかもビードエーペックス
cがカーカス断面高さHcの40〜42%をなす。ま
た、コードを配列したコード補強層d、e、硬質ゴムか
らなるクリンチゴムfなどが配置されている。
【0032】このような従来タイヤは、前記仮組状態か
ら標準状態へ内圧を充填した場合、図5に示すように前
記領域Yにおいて最大主歪εmが約6.7%となるピー
クZを有する。またタイヤ最外側点P1での最大主歪ε
pは、ほぼ2%程度と小さくなっている。このため、
(εm−εp)で表される相対歪も5.5%と大きい。
【0033】これに対して本発明では、前記領域Yの最
大主歪εmを1.6%、εpが1.1%であるため、前
記領域の最大主歪εmと前記タイヤ最大巾点P1での最
大主歪εpとの差(εm−εp)が0.5%と非常に小
さくなるようにコントロールしている結果、実質的に最
大主歪εmのピークが無く、しかもこの領域Yでの相対
歪も小さくしうる。
【0034】これによって、本発明の重荷重用ラジアル
タイヤは、サイドウォール部3からビード部4にかけて
の前記領域Yにおいて、タイヤ表面の最大主歪、相対歪
を非常に小さくできるため、繰り返し変形と大気中のオ
ゾンとの影響により生じるクラックを長期にわたって効
果的に抑制でき、またビード部4の耐久性をも向上しう
る。
【0035】なお、前記最大主歪εmが4%を超える
と、走行によるサイドウォール部の繰り返し変形による
ゴム劣化、さらには大気中のオゾンなどの影響により、
歪の高い箇所に集中してから早期にクラックが発生して
しまうため好ましくない。また前記領域Yの最大主歪ε
mと前記タイヤ最大巾点P1での最大主歪εpとの差
(εm−εp)が2%を超える箇所が存在すると、前記
領域Yにおいて相対歪が大きくなり、このような位置に
クラックが集中しやすくなる。
【0036】なお、前記最大主歪εm、εpの測定は、
図6、図7に示すように以下のようにして行っている。 試供タイヤのサイドウォール部3、ビード部4の表
面をバフ研磨してナフサで拭き取りし、 前記研磨面に接着剤を塗布し、タイヤ半径方向にの
びる測定基準ラインRLを引く、 印刷用スクリーンを使用し、白インク(酸化チタン
+DOP+ヒマシ油)にて、図6に示すような複数の円
を並べたマーキングMをビニルテープ15に写し取る、 前記ビニルテープ15を、リム組みし0.5kgf/cm
2 の内圧を充填した前記試供タイヤの前記研磨面に、前
記測定基準ラインRLに沿って貼り付けて転写する、 さらに正規内圧まで空気圧を充填した後、タイヤの
サイドウォール部3の前記マーキングMを新たなテープ
に写し取る、 このようにして得られる前記マーキングM(0.5
kgf/cm2 の内圧充填時の基準条件、正規内圧充填時の比
較条件)を拡大して、図7に示す標点を数1〜11で示
される式を用いて最大主歪を算出する。
【0037】
【数1】
【0038】
【数2】
【0039】
【数3】
【0040】
【数4】
【0041】
【数5】
【0042】
【数6】
【0043】
【数7】
【0044】
【数8】
【0045】
【数9】
【0046】
【数10】
【0047】
【数11】
【0048】
【実施例】タイヤサイズが10.00R20の重荷重用
ラジアルタイヤを表1の仕様に基づき試作するとともに
(実施例1〜5、比較例、従来例)、サイドウォール部
の最大主歪測定テスト、前記領域Yのクラック測定テス
ト、ビード耐久テストなどを行った。タイヤの共通仕様
は次の通りである。 <カーカス> ・プライ数 1枚 ・コード構成 スチールコード(3×0.20+7×0.23) ・コード角度 タイヤ赤道に対して90度 ・コード密度 38本/5cm <ベルト層> ・プライ数 4枚 ・コード構成 スチールコード(3×0.20+6×0.35) ・コード角度 タイヤ赤道に対して内側プライから +67/+18/−18/−18度 ・コード密度 26本/5cm また、テストの内容は次の通りである。
【0049】<ビード耐久性>試供タイヤを7.50×
20の正規リムに装着して内圧1000kPaを充填
し、荷重9000kgf 、速度20km/hでドラム上を
走行させ、外観目視にて確認可能な損傷が発生した時点
で走行を終了し、損傷発生距離L1と完走距離L0(1
0000km)との比L1/L0を、従来例を100と
する指数によって評価した。数値が大きいほど優れてい
る。
【0050】<サイドウォール部の最大主歪>前記説明
の通りであり、ピークの有無と最大主歪εm、εpを評
価した(正規リム:7.50×20、内圧:800kP
a)。
【0051】<クラック測定テスト>7.50×20の
正規リムに装着して内圧800kPaを充填した試供タ
イヤを、オゾン濃度40pphm、室温40度のオゾン
チャンバー内に入れ前記領域Yにクラックが発生するま
での時間を従来例を100とする指数により評価した。
数値が大きいほど耐クラック性に優れている。テストの
結果を表1に示す。
【0052】
【表1】
【0053】テストの結果、実施例のタイヤは、領域Y
において最大主歪εmがピーク点を持たず、かつ4.0
%以下であることが確認できた。また、(εm−εp)
がいずれも2%未満であり、領域Yの相対歪をも小とし
ていることが確認できた。この結果に相関して実施例の
タイヤは、耐クラック性能に優れていることが判る。な
お、他のタイヤサイズについても、ほぼ同様の測定結果
が得られている。
【0054】
【発明の効果】本発明では、カーカスの折返し部が、カ
ーカスの本体部と近接して平行にのびる特定長さの平行
部を形成することにより、タイヤを正規リムにリム組み
しかつ0.5kgf/cm2 の内圧を充填した仮組状態から正
規内圧を充填した標準状態まで膨張変化させた場合にお
いて、タイヤ軸方向に最外側となるタイヤ最大巾点P1
と、リムのフランジと接する接触域の半径方向外方点で
ある内方点P2との間の領域の表面の最大主歪εmは4
%以下、しかも前記領域の最大主歪εmと前記タイヤ最
大巾点P1での最大主歪εpとの差(εm−εp)を2
%未満とし、前記領域での歪を低減できるため、クラッ
クの発生を長期に亘って効果的に抑制でき、ひいてはビ
ード部の耐久性を向上しうる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のタイヤの断面図(右半分)
である。
【図2】ビード部の拡大断面図である。
【図3】図2のA−A部断面図である。
【図4】従来タイヤのビード部の構造を示す線図であ
る。
【図5】最大主歪の測定結果を示すグラフである。
【図6】最大主歪の測定方法を説明する線図である。
【図7】(A)、(B)は、マーキングの標点位置を説
明する線図である。
【符号の説明】
2 トレッド部 3 サイドウォール部 4 ビード部 5 ビードコア 6 カーカス 6a カーカスプライ 6A カーカスプライの本体部 6B カーカスプライの折返し部 8 ビードエーペックス J 正規リム Jf リムのフランジ P1 タイヤ最大巾点 P2 内方点
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60C 15/00 B60C 15/06

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】トレッド部からサイドウォール部をへてビ
    ード部のビードコアに至る本体部に前記ビードコアでタ
    イヤ軸方向内側から外側に折り返して半径方向外側にの
    びる折返し部を一体に設け、かつコードをタイヤ赤道に
    対して70〜90°の角度で傾けて配列した1枚のカー
    カスプライからなるカーカスと、 前記カーカスの本体部と折返し部との間でビードコアか
    らタイヤ半径方向外側に先細状でのびるビードエーペッ
    クスとを有する重荷重用ラジアルタイヤであって、 前記折返し部は、前記ビードエーペックスの軸方向外側
    面に沿って半径方向外側にのびかつビードエーペックス
    のタイヤ半径方向外端から前記カーカスの本体部に近接
    して平行にのびる平行部を具え、 しかもこの折返し部の半径方向外端高さH1が、ビード
    ベースラインBLからカーカスのタイヤ半径方向最外端
    までのカーカス断面高さHcの30〜60%であり、 かつ前記平行部は、その長さLが前記ビードコアの断面
    最大巾CWの2.0〜8.0倍である ことを特徴とする
    重荷重用ラジアルタイヤ。
  2. 【請求項2】タイヤを正規リムにリム組みしかつ0.5
    kgf/cm 2 の内圧を充填した仮組状態から正規内圧を充填
    した標準状態まで膨張変化させた場合において、 タイヤ軸方向に最外側となるタイヤ最大巾点P1と、リ
    ムのフランジと接する接触域の半径方向外方点である接
    触外方点P2との間の領域の表面の最大主歪εmは4%
    以下、しかも前記領域の最大主歪εmと前記タイヤ最大
    巾点P1での最大主歪εpとの差(εm−εp)が2%
    未満であることを特徴とする請求項1記載の重荷重用ラ
    ジアルタイヤ。
  3. 【請求項3】前記折返し部の半径方向外端高さH1は、
    前記カーカス断面高さHcの40〜60%であることを
    特徴とする請求項1又は2記載の重荷重用ラジアルタイ
    ヤ。
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