JP3182232B2 - 有機半導体固体電解コンデンサ - Google Patents

有機半導体固体電解コンデンサ

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JP3182232B2 JP29995392A JP29995392A JP3182232B2 JP 3182232 B2 JP3182232 B2 JP 3182232B2 JP 29995392 A JP29995392 A JP 29995392A JP 29995392 A JP29995392 A JP 29995392A JP 3182232 B2 JP3182232 B2 JP 3182232B2
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勝則 水富
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はTCNQ錯塩などの有機
半導体を電解質に用いた有機半導体固体電解コンデンサ
の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】電解質としてTCNQ塩を用いた有機半
導体固体電解コンデンサに関しては、本願出願人が既に
種々提案している。すなわち、特開昭58−19141
4号(H01G 9/02)等に開示されているN位を
アルキル基で置換したイソキノリンとのTCNQ塩を用
いた有機半導体固体電解コンデンサは、特に優れた高周
波特性を持っているため、スイッチング電源用などに広
く採用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】然し乍ら、有機半導体
固体電解コンデンサは、液体の電解質を用いたアルミニ
ウム乾式電解コンデンサに比べ、陽極酸化あるいは陽極
化成によって形成された弁金属の酸化被膜の修復性が弱
く、漏れ電流が増大する恐れがある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明では、陽極箔と陰極箔とをセパレータ紙を介
して巻回したコンデンサ素子に融解液化可能なTCNQ
錯塩を含浸してなる有機半導体固体電解コンデンサにお
いて、TCNQ錯塩にパーフルオロアルキルスルホン酸
塩を添加したことを特徴とする有機半導体固体電解コン
デンサを提供せんとするものである。
【0005】
【作用】上記の如く構成したので、有機半導体固体電解
コンデンサにおける漏れ電流が減少する。
【0006】
【実施例】以下、図面を参照しつつ本発明の実施例につ
いて詳述する。図1は本発明にて使用されるコンデンサ
素子を示している。まず、高純度(99.99%以上)
のアルミニウム箔を化学的処理により粗面化し、実効表
面積を増加させるためのいわゆるエッチング処理を行
う。
【0007】次に電解液中にて、電気化学的にアルミニ
ウム箔表面に酸化被膜(酸化アルミニウムの薄膜)を形
成する(化成処理)。
【0008】そしてエッチング処理、化成処理を行った
アルミニウム箔を陽極箔1とし、対向陰極箔2との間に
セパレータ紙3としてマニラ紙をはさみ、図1に示すよ
うに円筒状に巻き取る。
【0009】このように、アルミニウム箔に酸化被膜を
形成した陽極箔1と陰極箔2との両電極箔間にセパレー
タ紙3を巻回して、コンデンサ素子6が形成される。
尚、4、5はリード線である。
【0010】さらにコンデンサ素子6に熱処理を施し、
セパレータ紙3を構成するマニラ紙を炭化することによ
って、繊維の細径化による密度の低下を図る。なお、セ
パレータ紙として、マニラ紙をあらかじめ所定の温度と
時間(例えば240℃、40分)で熱処理を施して炭化
したものや、カーボン不織布を用い、陽極箔と陰極箔と
の間にはさんで巻回してもよい。
【0011】次に、TCNQ塩(例えば、N,n−ブチ
ルイソキノリンTCNQ2 )とその錯塩の1重量部のパ
ーフルオロアルキルスルホン酸塩(例えばパーフルオロ
オクチルスルホン酸リチウム)を均一になるように混合
し、それを図2に示す金属(アルミ)ケース7内に収納
した後、約300℃の温度で融解液化させる。同図にお
ける8がTCNQ塩とパーフルオロアルキルスルホン酸
塩の混合物を示している。
【0012】そして、予め予熱していた化成炭化処理済
み(前述の如くセパレータ紙を炭化させている)のコン
デンサ素子6をケース7内に挿入し、融解液化したTC
NQ塩とパーフルオロアルキルスルホン酸塩との混合液
をコンデンサ素子6に含浸し、急冷する。
【0013】その後、エポキシ樹脂9にてケース開口部
を封止する。最後に電圧処理(エージング)を行って、
目的とするコンデンサを完成させる。
【0014】下表は、TCNQ錯塩にパーフルオロアル
キルスルホン酸塩を添加したコンデンサと、従来のパー
フルオロアルキルスルホン酸塩を添加していないコンデ
ンサにおいて、電圧処理(エージング)後の漏れ電流値
を比較したものである。
【0015】
【表1】
【0016】上表において、(A)、(B)、(C)
は、定格20V・100μFのコンデンサであり、
(D)、(E)、(F)は、、定格10V・220μF
のコンデンサである。
【0017】そして、前記(A)、(B)、(D)、
(E)は、TCNQ錯塩にパーフルオロアルキルスルホ
ン酸塩を添加した本発明のコンデンサであり、(A)及
び(D)は、パーフルオロアルキルスルホン酸塩とし
て、パーフルオロオクチルスルホン酸リチウムを使用
し、(B)及び(E)は、パーフルオロオクチルスルホ
ン酸カルシウムを使用したものである。さらに(C)及
び(F)は、TCNQ錯塩のみを使用した従来のコンデ
ンサである。
【0018】尚、漏れ電流は、定格電圧印加1分後の値
であり、試料コンデンサの各10個の平均値を示してい
る。
【0019】表1からよく分かるように、本発明のコン
デンサである(A)、(B)、(D)、(E)において
は、従来のコンデンサである(C)及び(F)に比べ、
漏れ電流が大幅に減少していることが分かる。
【0020】このことから、TCNQ錯塩にパーフルオ
ロアルキルスルホン酸塩を添加することで、陽極酸化あ
るいは陽極化成によって設けられた弁金属の酸化被膜の
修復性が向上することがうかがえる。
【0021】次に、TCNQ錯塩にパーフルオロアルキ
ルスルホン酸塩を添加することによる作用について考察
する。TCNQ錯塩は、コンデンサ素子への含浸時に若
干分解することが予想され、その際には、分子から何ら
かのラジカルが放出され、それが連鎖反応を誘起し、急
激にTCNQ錯塩の分解を進めていくものと考えられ
る。
【0022】パーフルオロアルキルスルホン錯塩は、こ
のようなラジカルを補足し、連鎖反応の停止剤として作
用し、TCNQ錯塩の分解を抑制するものと思われ、こ
れによって漏れ電流が低減するものと推測できる。
【0023】ところで、パーフルオロアルキル基におけ
る硫黄原子に直接結合している炭素原子は、極度に分極
した状態にあるが、α位、β位、γ位と進むにつれて、
この官能基の影響が次第に減少していく。σ結合に対し
て電子の分極がその影響を伝達していくわけである。
【0024】本発明は、炭素が8個直鎖状に結合した場
合に、その分子全体の電子状態がTCNQ錯塩に対して
より有効に働く(漏れ電流を低減させる)ことを実験的
に確認したものである。
【0025】また、陽性の特に強い元素であるアルカリ
金属、アルカリ土類金属を用いることで、パーフルオロ
アルキルスルホン酸塩分子全体のイオン性を高め、TC
NQ錯塩に対する化学的な作用を強めるものである。
【0026】中でも、特に陽性の強いリチウム、カルシ
ウムを用いることで、分子全体のイオン結合性の強化を
図り、もって電荷移動により分極したTCNQ錯塩に対
する化学的な作用をより強くするものである。
【0027】
【発明の効果】以上、詳述した如く本発明に依れば、陽
極箔と陰極箔とをセパレータ紙を介して巻回したコンデ
ンサ素子に融解液化可能なTCNQ錯塩を含浸してなる
有機半導体固体電解コンデンサにおいて、TCNQ錯塩
にパーフルオロアルキルスルホン酸塩を添加したので、
従来のコンデンサに比べ、漏れ電流の極めて少ない有機
半導体固体電解コンデンサを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いるコンデンサ素子を示す斜視図。
【図2】本発明の有機半導体固体電解コンデンサの側断
面図。
【符号の説明】
1 陽極箔 2 陰極箔 3 セパレータ紙 4、5 リード線 6 コンデンサ素子 7 ケース(アルミ) 8 TCNQ錯塩とパーフルオロアルキルスルホン
酸塩の混合物 9 エポキシ樹脂
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01G 9/02 - 9/02 331

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 陽極箔と陰極箔とをセパレータ紙を介し
    て巻回したコンデンサ素子に融解液化可能なTCNQ錯
    塩を含浸してなる有機半導体固体電解コンデンサにおい
    て、TCNQ錯塩にパーフルオロアルキルスルホン酸塩
    を添加したことを特徴とする有機半導体固体電解コンデ
    ンサ。
  2. 【請求項2】 前記パーフルオロアルキルスルホン酸塩
    はパーフルオロアルキルの原子団の炭素が直鎖状に8個
    結合したものであることを特徴する請求項1記載の有機
    半導体固体電解コンデンサ。
  3. 【請求項3】 前記パーフルオロアルキルスルホン酸塩
    はアルカリ金属塩であることを特徴とする請求項1記載
    の有機半導体固体電解コンデンサ。
  4. 【請求項4】 前記パーフルオロアルキルスルホン酸塩
    はリチウム塩であることを特徴とする請求項1記載の有
    機半導体固体電解コンデンサ。
  5. 【請求項5】 前記パーフルオロアルキルスルホン酸塩
    はアルカリ土類金属塩であることを特徴とする請求項1
    記載の有機半導体固体電解コンデンサ。
  6. 【請求項6】 前記パーフルオロアルキルスルホン酸塩
    はカルシウム塩であることを特徴とする請求項1記載の
    有機半導体固体電解コンデンサ。
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