JP3182040B2 - 使い捨ての体液吸収性着用物品 - Google Patents

使い捨ての体液吸収性着用物品

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    • A61F13/15585—Apparatus or processes for manufacturing of babies' napkins, e.g. diapers

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【産業上の利用分野】この発明は、使い捨ておむつや生
理用ナプキンなど、着用者の股下に当接して使用する使
い捨ての体液吸収性着用物品に関する。
【０００２】
【従来の技術】従来、使い捨ておむつや生理用ナプキン
などの股下に当接して使用する使い捨ての体液吸収性着
用物品において、その股下当接域内面の左右両側に前後
方向へ延びる体液防漏堤を設けることは、慣用技術とし
て知られている。例えば、かかる防漏堤として、実開昭
６０−１３６３０８号公報は、おむつ股下域の両側に比
較的幅広いスポンジ質の柔弾性発泡材料を前後方向へ伸
長して貼着する技術を開示している。この技術によれ
ば、発泡材料が収縮すると着用者の股下方向へ湾曲膨出
して柔軟にして弾性を有する防漏堤を形成する。また、
実開昭６２−８８７０４号公報は、股下部の両側にポリ
ウレタンフォームなどからなるテープ状の柔弾性発泡材
料を幅方向断面がΩ状になるように貼着して防漏堤とす
る技術を開示している。この技術によれば股下や脚周り
の動きによく追随することができる密着性のよい柔軟な
防漏堤を得ることができる。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】前記従来技術のように
ウレタンフォームなどの柔弾性材料で防漏堤を構成した
着用物品では、それを着用して股下や脚周りに沿って防
漏堤を湾曲させると、柔弾性材料が滑らかな曲線を描か
ずに何箇所かで折れ曲がり、防漏堤の幅方向に延びる大
きなしわをつくることがある。防漏堤は、そのしわの部
分が着用者の肌に密着し難く、いわば着用物品の内外に
つながる溝を形成することとなって、体液がそこから漏
れ易いという問題がある。そこにまで至らない場合で
も、大きなしわを生じた防漏堤には肌に当接する部分
と、しない部分とができて肌への接触が一様にならず、
該物品の着用感の妨げになるという問題がある。
【０００４】そこで、この発明は、柔弾性材料からなる
防漏堤の肌当接面をコルゲート構造とすることによって
前記問題を解決することを課題にしている。
【０００５】
【課題を解決するための手段】この発明が前記課題を解
決するために手段とするところは、以下のとおりであ
る。
【０００６】この発明においては、透液性表面シートと
不透液性裏面シートとの間に吸液性コアを介在させた股
下当接域と、少なくとも該域内面の左右両側各々で前後
方向へ延びる柔弾性材料の体液防漏堤とを有し、着用者
股下に当接して使用する使い捨ての体液吸収性着用物品
を前提にしている。
【０００７】かかる前提において、防漏堤の頂面の少な
くとも一部を、前記左右方向に延在し、かつ、前記前後
方向へ交互に並ぶ複数の凸部と凹部とからなるコルゲー
ト構造にしてあることがこの発明の特徴である。
【０００８】
【作用】このように構成した着用物品では、これを着用
すると、防漏堤がその凹部において相対的によく変形
し、全体として滑らかに湾曲する。特に凹部の数を多く
し、それらの配列間隔を小さくするほど防漏堤はしなや
かに湾曲し、大きなしわを生ずることがない。防漏堤
は、それを適宜の高さにしたり、湾曲したときに凹部の
対向側壁が互いに当接して凹部を塞ぐことができるよう
にしておくことにより、該凹部からの体液漏れを防ぐこ
とができる。
【０００９】
【実施例】この発明に係る体液吸収性着用物品の詳細を
使い捨ておむつを例にとり添付の図面を参照して説明す
ると、以下のとおりである。
【００１０】図１は、使い捨ておむつ１の部分破断斜視
図である。おむつ１は、透液性表面シート２と不透液性
裏面シート３との間に吸液性コア４を介在させてなり、
吸液性コア４の左右側縁から側方へ延出する表裏面シー
ト２，３は所要部位を互いに接合することによりサイド
フラップ５を形成している。おむつ１の前後方向は、前
身頃７と、後身頃８と、両身頃７，８の間に介在する股
下域９とにより構成され、左右のサイドフラップ５に
は、股下域９を中心に前後身頃７，８の長手方向に防漏
堤１０が延在し、後身頃８においてサイドフラップ５の
側縁からテープファスナー１１が延出している。防漏堤
１０は、柔軟にして弾性を備え、矩形・円形・台形等の
適宜の断面形状を有する棒状部材であって、その頂面
（肌当接面側）１２は少なくとも股下域９において凸部
１３と凹部１４とが長手方向に交互に並ぶコルゲート構
造を有している。
【００１１】図２は、図１のＸ−Ｘ線端面図であって、
おむつ１の股下域９の形状を示す。表裏面シート２，３
は、互いの周縁部１５，１６がホットメルト接着剤１７
により水密に接合され、吸収体４と防漏堤１０とは、そ
れらの下面が裏面シート３にホットメルト接着剤１７に
より間欠的に接合されている。なお、必要なら吸収体４
や防漏堤１０は、表面シート２に接合することもでき
る。
【００１２】図３は、防漏堤１０の要部側面図であっ
て、湾曲したときの防漏堤を仮想線によって示す。防漏
堤１０は、全高Ａの他に、凹部１４における深さＢと底
部厚みＣとを有し、それらの寸法Ａ，Ｂ，Ｃや凹部１４
の形状は適宜定めることができるが、好ましくは全高Ａ
を十分に高くして吸液性コア４の厚みの如何にかかわら
ず、股下や脚周りをシールできるようにする。また凹部
１４については、防漏堤を湾曲したときにその対向側壁
２０が互いに密着し、溝形状の凹部１４を塞ぐことがで
きるようにしておくと、該部１４からの体液の漏洩を未
然に防止できる。それには、凹部１４をＶ字型につくる
ことが好ましい。もっとも、防漏堤の湾曲状態は、着用
者の身体の大きさによって様々に変化するから、防漏堤
１０の底部厚みＣを十分に厚くして体液の漏れを防止
し、凹部１４には専ら防漏堤の湾曲を容易にするための
機能を持たせるようにしてもよい。
【００１３】このように作用する防漏堤１０は、ポリウ
レタンやポリエチレン等の熱可塑性プラスチックからな
る柔軟にして弾性のある単独又は連続発泡材料でつくる
他に、捲縮した熱可塑性複合繊維からなり圧縮復元力を
備えた不織布などの繊維ウエブでつくることもできる。
また、かかる防漏堤１０は、図示のように表裏面シート
２，３間に介在させる他に、表面シート２の上面に接合
してもよい。そして、この防漏堤１０は、使い捨ておむ
つのみならず生理用ナプキンやトレニングパンツ、失禁
者用のおむつ、吸尿用パッドなどに広く利用することが
できる。
【００１４】図４は、図３とやや異なる態様の防漏堤１
０の要部側面図であって、凹部１４は互いに離隔した状
態にある。このようにしてこの発明を実施することも可
能である。
【００１５】この発明では、体液吸収性着用物品を構成
する表裏面シート２，３や吸液性コア４に当該技術分野
の慣用素材を使うことができる。
【００１６】なお、図示してないが、防漏堤１０の頂面
又はこれが対向する部位の表面シート２の裏面には、そ
の長さ方向へ伸縮する弾性部材を伸長下に接着剤等で貼
着し、これによって防漏堤１０に対して常に湾曲性向を
付与するようにしてもよい。
【００１７】
【発明の効果】この発明においては、体液吸収性着用物
品の防漏堤を柔弾性材料によってつくり、その頂面を前
後方向に交互に並ぶ凸部と凹部とによって構成したか
ら、該物品を着用すると防漏堤が滑らかに湾曲して着用
感がよく、しかも、例えば凹部の底部厚みを所要寸法に
することによって、凹部からの体液漏洩を未然に防ぐこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】使い捨ておむつの部分破断斜視図。
【図２】図１のＸ−Ｘ線端面図。
【図３】防漏堤の要部側面図。
【図４】図３と異なる態様の防漏堤の要部側面図。
【符号の説明】
１ 使い捨て体液吸収性着用物品（使い捨ておむつ） ２ 表面シート ３ 裏面シート ４ 吸液性コア １０ 防漏堤 １２ 頂面 １３ 凸部 １４ 凹部

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】透液性表面シートと不透液性裏面シートと
    の間に吸液性コアを介在させた股下当接域と、少なくと
    も該域内面の左右両側各々で前後方向へ延びる柔弾性材
    料の体液防漏堤とを有し、着用者股下へ当接して使用す
    る使い捨ての体液吸収性着用物品において、 前記防漏堤の頂面の少なくとも一部を、前記左右方向に
    延在し、かつ、前記前後方向に交互に並ぶ複数の凸部と
    凹部とからなるコルゲート構造にしてあることを特徴と
    する前記使い捨ての体液吸収性着用物品。
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