JP3181984B2 - 自動車のホイールアライメント測定方法 - Google Patents

自動車のホイールアライメント測定方法

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JP3181984B2 JP16651692A JP16651692A JP3181984B2 JP 3181984 B2 JP3181984 B2 JP 3181984B2 JP 16651692 A JP16651692 A JP 16651692A JP 16651692 A JP16651692 A JP 16651692A JP 3181984 B2 JP3181984 B2 JP 3181984B2
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    • G01MEASURING; TESTING
    • G01BMEASURING LENGTH, THICKNESS OR SIMILAR LINEAR DIMENSIONS; MEASURING ANGLES; MEASURING AREAS; MEASURING IRREGULARITIES OF SURFACES OR CONTOURS
    • G01B2210/00Aspects not specifically covered by any group under G01B, e.g. of wheel alignment, caliper-like sensors
    • G01B2210/10Wheel alignment
    • G01B2210/22Wheels in a state of motion supported on rollers, rotating platform or other structure substantially capable of only one degree of rotational freedom

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  • Length Measuring Devices By Optical Means (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車の車輪のトーあ
るいはキャンバー角を測定するホイールアライメント測
定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車の組立工程において、車輪のホイ
ールアライメント調整の際にそのトーあるいはキャンバ
ーを測定する方法として、差動トランス接触式、車輪回
転ローラー接触式、車輪回転非接触式等の方法がある。
【0003】差動トランス接触式は、図10の(A),
(B),(C)に示すように、車輪Wのうちそのタイヤ
Tの側面(サイドウォール部)に対して測定ユニット1
01に持たせた測定板102を押し付け、その測定板1
02の傾きすなわちトー角θおよびキャンバー角を測定
ユニット101に内蔵した差動トランスで検出するもの
である。
【0004】一方、車輪回転ローラー接触式は、図11
の(A),(B),(C)に示すように、上記の差動ト
ランス接触式の測定板102を複数の測定ローラー10
3a,103bに置き換えたもので、測定ローラー10
3a,103bをタイヤTの側面に押し付けた上で車輪
W全体をドライブローラー104で回転させることによ
り、そのローラー支持体105の傾きを連続的に多点測
定して、最終的にはそれらの値の平均値をトー角θおよ
びキャンバー角として算出するものである。
【0005】また、車輪回転非接触式は、図12の
(A),(B),(C)に示すように、タイヤTの側面
に対して複数の超音波式の測距センサー106a,10
6bを対向させ、車輪W全体をドライブローラー104
で回転させながらその測距センサー106a,106b
からタイヤTの側面までの距離を連続的に多点測定し、
最終的には上記の測距データとセンサー間距離Pとに基
づいてトー角θおよびキャンバー角の値を車輪回転中の
平均値として算出するものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】図13は前記差動トラ
ンス接触式の測定原理を示している。なお、L0は測定
時の車輪中心線、L1はホイール振れ内側最大時の車輪
中心線、L2はホイール振れ外側最大時の車輪中心線、
1およびY2は車両の基準線となるカーラインである。
【0007】通常、トー角とはスピンドル(車軸)に対
する水平方向の直交軸すなわち車輪が取り付けられるロ
ーターの角度を表すが、ローターに組み付けられるロー
ドホイールがスピンドル回りに振れを発生するため、直
接この角度を測定することが困難である。そこで、図1
3においてホイール振れ角の中心線LaとY1とのなす
角θrを測定することが必要となる。
【0008】ところが本測定方法においては、ある一点
で静止したタイヤTに測定板102を押し当てるため、
このときの車輪中心線L0とY1とのなす角θpを測定し
ていることになる。L0はL1とL2との間の任意の直線
であり、かつ車両の状態すなわち車輪Wの位相により変
化するため、当然ながらθp≠θrである。さらに、タ
イヤTの側面には浮き出し文字等の凹凸が存在するた
め、この凹凸面に接触させる測定板102は実際はθt
を測定する。ここで、むろんθt≠θrである。
【0009】以上より、本測定方法においては、タイヤ
Tの側面が凹凸なく平滑であり、しかも偶然的にL0
Laとなった位置で測定するとき以外は、θt≠θp≠
θrであり、真のトー角を測定し得ないため、この測定
結果が表示された表示装置を見て行うトー調整作業で
は、設計数値通りにトー角を調整し得ない。
【0010】一方、図14は前記車輪回転ローラー接触
式の測定原理を示している。図14において、L0とY1
およびY2は先に説明した図13と同様である。本測定
方法においては、測定ローラー103a,103bをタ
イヤTの側面に押し当て、車輪Wを車輪回転ローラーで
回転させながらトー角を測定し、多点の測定値を平均化
することにより、図13で説明したホイール振れおよび
タイヤ側面の凹凸の影響を取り除くようになっている。
すなわち、車輪Wを回転させることにより、図13に記
した真のトー角θrを(Σθp)/n(nは測定点数)
として算出する。
【0011】しかし、測定ローラー103a,103b
は必ずしもタイヤTの側面に均一に当たるわけではな
く、押し当て力により部分的にタイヤTに食い込む状態
となる。これにより、測定される角度θt≠θpであ
り、したがって最終的に算出されるトー角(Σθt)/
n≠(Σθp)/nである。
【0012】以上より、本測定方法においては、差動ト
ランス接触式よりは測定精度が向上するものの、いまだ
真のトーを測定し得ないため、この測定および演算結果
が表示された表示装置を見て行うトー調整作業では、設
計数値通りにトー角を調整し得ない。
【0013】図15は前記車輪回転非接触式の測定原理
を示している。図15においてL0とY1およびY2は図
13と同様である。本測定方法においては、超音波式の
測距センサー106a,106bを用いることにより、
前記差動トランス接触式およびタイヤ回転ローラー接触
式の問題点をほぼ解消している。
【0014】すなわち、車輪Wを車輪回転ローラーで回
転させながら測距センサー106a,106bで多点測
定し、前側の測距センサー106aの測定値xfの平均
値(Σxf/n(nは測定点数)と、後側の測距センサ
ー106aの測定値xrの平均値(Σxr)/n、および
双方の測距センサー106a,106a間の距離Pよ
り、トー角θtを(Σθt)/nとして算出し、(Σθ
t)/n≒(Σθp)/nとしている。
【0015】しかしながら、本測定方法においてもいま
だ以下の問題点が存在する。第1に、図13で説明した
ホイール振れおよびタイヤ側面形状を全て演算処理して
トー角を算出するためにその精度は高くなるが、本来は
ないことが望ましいホイール振れとタイヤ側面の凹凸の
量とをそれぞれ分離できず、これらの対策につながらな
い。第2に、多点の測定値を得るために車輪Wを高速で
何回転も回すため、車両支持装置(図示省略)を用いて
も多少の車体振れが発生し、上記のxfおよびxrの値に
誤差が生じる。第3に、超音波式の測距センサー106
a,106bのスポット径d(図15)が約20mmと
大きいため、タイヤTの側面の凹凸状態を完全にはトレ
ースし切れない。
【0016】なお、上記第1の問題点については、ホイ
ール振れとタイヤ側面の凹凸形状とが分離できずに真の
車両品質向上につながらないという点で、図13の差動
トランス接触式および図14の車輪回転ローラー接触式
のものにも同様の問題点として存在する。
【0017】本発明は以上のような従来の課題に着目し
てなされたもので、とりわけトー角あるいはキャンバー
角の測定精度の向上を図ったホイールアライメント測定
方法を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段および作用】請求項1の発
明のホイールアライメント測定方法は、測定対象となる
車輪の側面に対して、その車輪と同心円上であって且つ
その同心円の中心を通る線上に設けられた一対の非接触
式の測距センサーを対向させ、前記測距センサーを静止
させた状態で車輪を一回転させてその車輪の側面までの
距離を連続的に測定する工程と、前記車輪の回転に伴う
測定に続いて、車輪を静止させた状態で前記同心円の中
心を回転中心として測距センサーを一回転させて車輪の
側面までの距離を連続的に測定する工程とを含んでい
て、前記車輪回転時の測距データと測距センサー回転時
の測距データ予め設定された車輪基準データとに基づい
て、車輪の前後もしくは上下方向での傾き(前後方向で
の傾きがトーとなり、上下方向での傾きがキャンバーと
なる)とともに該車輪の傾きに影響を及ぼしているロー
ドホイールの振れ成分を分離して算出するとともに、前
記車輪の傾きをロードホイールの振れ成分で補正して、
この補正後の車輪の傾きをホイールアライメントである
トーまたはキャンバーとして算出することを特徴として
いる。
【0019】また、請求項2の発明のホイールアライメ
ント測定方法は、測定対象となる車輪の側面に対して、
その車輪と同心円上であって且つその同心円の中心を通
る水平線もしくは鉛直線上に設けられた一対の非接触式
の測距センサーを対向させ、前記測距センサーを静止さ
せた状態で車輪を一回転させてその車輪の側面までの距
離を連続的に測定する工程と、前記車輪の回転を伴う測
定に続いて、前記車輪を静止させた状態で前記同心円の
中心を回転中心として測距センサーを一回転させて車輪
の側面までの距離を連続的に測定する工程と、前記車輪
回転時の測距データに基づいて車輪側面の最大振れ幅
(Xt)を算出する工程と、前記測距センサー回転時の
測距データに基づいてその車輪固有のフィッティング
数(x)とともに静止状態にある現在の車輪の前後もし
くは上下方向での傾き量(x t )を算出する工程と、前
記測距センサー回転時の測距データと予め設定された車
輪の基準データとに基づいて車輪側面の凹凸量(X
t′)の成分を算出する工程と、前記車輪側面の最大振
れ幅(Xt)と凹凸量(Xt′)とに基づいて、車輪の
傾き量(x t )に影響を及ぼしているホイール最大振れ
量(Xw)をその凹凸量(Xt′)の成分から分離して
算出する工程と、前記車輪回転時の測距データと測距セ
ンサー回転時の測距データとに基づいて現在の車輪の傾
き量(x t )に影響を及ぼしている振れ成分(Xwi)
を算出するとともに、この振れ成分(Xwi)と、上記
ホイール最大振れ量(Xw)を二分した値(Xw/2)
とから両者の差(Xwi−(Xw/2))を振れ補正量
(Xi)として算出する工程と、前記現在の車輪の傾き
量(x t )を振れ補正量(Xi)で補正した上で、前記
二つの測距センサー間の距離データ(P)に基づいて車
輪の真の傾きをホイールアライメント角であるトー角
(θ)もしくはキャンバー角として算出する工程とを含
んでいる。
【0020】
【実施例】図2,3,4は本発明の一実施例を示すホイ
ールアライメントテスターの概略説明図で、測定対象と
なる車輪WはそのタイヤTに接触する一対のドライブロ
ーラー1,1によって回転駆動される一方、前記車輪W
と対向する位置には測定ユニット2が設けられる。
【0021】この測定ユニット2は、モータ3によって
回転駆動されるセンサー支持板4に支持ロッド5を介し
てレーザー式の一対の測距センサー6,6を設けたもの
で、前記センサー支持板4の回転中心は車輪Wの中心と
一致している。
【0022】そして、前記測距センサー6,6は支持ロ
ッド5に沿って位置調整可能に構成されていて、トーを
測定する際には、前記一対の測距センサー6,6は車輪
Wの中心を通る水平線上に位置していて、それらの測距
センサー6,6がタイヤTの側面(サイドウォール部)
のうち最も高い部分を指向するようにドライブユニット
9の作動により各測距センサー6,6の位置が調整され
る。
【0023】ここで、上記のレーザー式の測距センサー
6,6に代えて超音波式のものを用いることもできる
が、前述したように被測定部位に対するスポット径をよ
り小さく絞れる上ではレーザー式の方が有利である。
【0024】測定に際して、図1および図2,3,4に
示すように、所定の測定位置に測定対象となる車両を乗
り入れるとともに、ステアリングホイールを直進状態と
なるように中立位置に固定して測定対象となる車輪Wを
測定ユニット2に対向させる(図1のステップS1)。
【0025】そして、演算処理と各部の制御とを兼ねた
パーソナルコンピュータ(以下、単にパソコンという)
7に対して外部から車種情報を与えて、そのパソコン7
内のテーブルからその車両固有のタイヤサイズ情報等を
呼び出す一方、起動ボタン(測定開始ボタン)を操作す
る(図1のステップS2,S3)。これにより、前記タ
イヤサイズ情報に基づき測距センサー6,6の回転中心
および径を測定対象となるタイヤTに合わせるべく、上
記のように一対の測距センサー6,6がタイヤTの側面
(サイドウォール部)のうち最も高い部分を指向するよ
うに各測距センサー6,6の位置が調整される(ステッ
プS4)。
【0026】続いて、シーケンサー8からの指示により
ドライブローラー1,1が回転駆動されてドライブロー
ラー1,1に接している車輪Wを一回転(360°回
転)させ、その間に前後一対の測距センサー6,6(図
4では車両の前側のセンサーをRf、後側のセンサーを
Rrで示している)がその測距センサー6,6とタイヤ
側面との間の距離xf,xrを連続的にかつ多点的に測定
する。これら一対の測距センサー6,6による多点の
距データxf,xrは全てパソコン7に取り込まれて保存
される(ステップS5)。なお、上記車輪1回転時のド
ライブローラー1,1の回転数がそのドライブローラー
1,1の回転駆動系に付設された図示外の回転検出器に
よって検出されて測距データx f ,x r とともに記憶,保
存される。
【0027】この場合、センサー支持板4に、車輪Wの
外周を把持するための複数の車輪支持ローラーを予め取
り付けておき、これらの車輪支持ローラーで車輪Wを把
持した状態でその車輪Wを回転させるようにすると、一
対の測距センサー6,6のセンサー間距離Pの中心と車
輪Wの中心との芯出し精度が一段と向上する。
【0028】さらに、前記ドライブローラー1,1の回
転が停止して車輪Wが静止すると、モータ3の起動によ
りセンサー支持板4が一回転(360°回転)し、セン
サー支持板4に支持されている一対の測距センサー6,
6がタイヤ側面との間の距離xf′,xr′を連続的にか
つ多点的に測定する。そして、この測距センサー6,6
の回転に伴う多点の測距データxf′,xr′もパソコン
7に取り込まれて保存される(ステップS6)。
【0029】以上のような測定形態において、車輪Wを
回転させながら測定した時の測距データxf,xrのなか
には、図13で説明したロードホイール自体の振れおよ
びタイヤ側面の凹凸の成分が含まれており、また一対の
測距センサー6,6を回転させながら測定した時の測距
データxf′,xr′のなかには、車輪Wが静止している
故にタイヤ側面の凹凸の成分のみが含まれている。
【0030】そこで、図5に示すように、先ず車輪回転
時の多点測距データx f の値とx r の値との差x s を求め
た上(この差x s が測定しようとする車両前後方向での
車輪Wの傾きとなる)、その最大値x smax と最小値x
smin との差Xt=x smax −x smin を算出する(ステップ
S7)。このXtの値は、ロードホイール自体の振れと
タイヤ側面の凹凸の成分を含んだ車輪側面の最大振れ幅
である。
【0031】さらに、図6に示すセンサー回転時の測距
データに対し、車輪Wの側面の凹凸が全くなく平滑な円
板とみなしたときの理想的な正弦波曲線を重ね合わせた
ときの上位ずれ量x 1 および下位ずれ量x 2 は、タイヤ側
面の凹凸量にほかならない。そこで、同図に示すよう
に、車輪基準データとしてタイヤサイズごとに予めパソ
コン7に記憶させてある前記理想正弦波曲線を呼び出す
一方、測距センサー回転時の多点測距データx f ′の値
とx r ′の値との差x s ′を求めた上で、理想正弦波曲線
に対する前記差データx s ′の上下のずれ量x 1 ,x 2
算出するとともに、その和Xt′=x 1 +x 2 を算出する
(ステップS8)。このXt′の値は先に述べたように
タイヤ側面の凹凸量の和である。
【0032】続いて、図7に示すように、先に求めた測
距センサー回転時の測距データx f ′,x r ′同士の差デ
ータx S ′に基づいて、x=Asin(ψ+B)+C
(ただし、x:測距センサー6,6とタイヤ側面間の距
離、ψ:車輪の位相回転角)で表されるその測距データ
のフィッティング関数を決定する(ステップS9)。
【0033】さらに、前記最大振れ幅Xtと凹凸量X
t′の値に基づいてXw=Xt−Xt′の演算を行うこ
とにより、図5,6および図8に示すようにタイヤ側面
の凹凸量成分Xt′を排除した車輪Wのホイール最大振
れ量Xwを得る(ステップS10)。
【0034】以上により、本来の目的であるトー測定と
は別に、車輪W固有のデータとして車輪Wのホイール最
大振れ量Xwおよびタイヤ側面の凹凸量Xt′の値がそ
れぞれ独立して得られ、これらのデータは車両の品質向
上に必要なデータとしてパソコン7に保存される。
【0035】ところで、先に述べたようにXt−Xt′
の演算結果として求めた上記のホイール最大振れ量Xw
(図5,6参照)はタイヤ側面の凹凸量Xt′の影響が
排除されてはいても、文字通り車輪Wを1回転させた時
の最大の振れ量にほかならないから、後述するように車
輪Wの静止状態をもってトーを調整するためには、先の
車輪回転測定後であって測距センサー回転時の車輪Wの
位相すなわち現在の車輪Wの静止位置位相での振れ量
(一対の測距センサー6,6が位置している水平線に合
致する位相位置での振れ量Xwi)を特定する必要があ
る。つまり、図5に示すように、一対の測距センサー
6,6が位置している水平線を基準とした場合に、位相
角0°での振れ量と位相角180°での振れ量との和X
wiを求める必要がある。 この場合、車輪Wに装着され
る各種のタイヤTの寸法データ等をタイヤサイズ(例え
ば、185/60R14など)別に予めパソコン7に与
えておき、上記の車種情報に基づいてその測定対象とな
る車輪のタイヤ寸法データ等を呼び出せば、一対の測距
センサー6,6が位置している水平線を基準とした時の
前記車輪Wの静止位置位相での振れ量Xwiを、前記ド
ライブローラー1,1の直径寸法(既知)と上記車輪回
転測定時の回転数および上記のタイヤサイズに応じた寸
法データとに基づいて、図5,6に示したデータの相関
関係から算出することができる。
【0036】そこで、上記のように一対の測距センサー
6,6が位置している水平線に一致する車輪Wの静止位
置位相を特定した上、図8に示すように先に求めた車輪
Wのホイール最大振れ量Xwに対する現在の静止位置位
でのホイール振れ量Xwiを、図5,6に示した前記
車輪回転測定時および測距センサー回転測定時の各デー
タx S ,x S ′に基づいて算出する(ステップS11)。
つまり、先にXw=Xt−Xt′として求めた車輪Wの
ホイール最大振れ量Xwの値は車輪Wを1回転させた時
のホイールのもつ最大振れ量に相当するものであるか
ら、現在の静止位置位相に対応するホイール振れ量Xw
iを求める。
【0037】さらに、図8に示すように、前記車輪Wの
ホイール最大振れ量Xwを振れ中心線Xaをもって二分
してXw/2を算出した上、そのXw/2の値と前記静
止位置位相での車輪Wのホイール振れ量Xwiとの差X
iを振れ補正量としてXi=Xwi−(Xw/2)に基
づいて算出する(ステップS12)。
【0038】一方、図7に示すフィティング関数につい
て、ψ=0°とψ=180°のときの測距データの差x
tをxt=x180−x0から算出する(ステップS13)。
このxtの値は、図3,8に示すように車輪Wの軸心を
通る水平線上に置いた二つの測距センサー6,6の位置
に対応するタイヤ側面上の2点間の振れ幅、すなわち現
在の静止位相位置にある車輪Wのトー量たる車両前後方
向での車輪Wの傾き量に相当する。
【0039】そして、上記の振れ幅である車両前後方向
での車輪Wの傾きtの値にはなおもロードホイール自
体のホイール振れの成分が含まれていることから、図9
に示すように、このホイール振れの成分を補正するべ
く、上記のxtの値と車輪Wの振れ補正量Xiとを加算
もしくは減算することにより真のトー量XRを得る(ス
テップS14)。さらに、前記トー量XRと一対の測距
センサー6,6間の距離Pとに基づいて最終的なトー角
θを算出する(ステップS15)。
【0040】こうして得られたトー角θの値は、図2に
示すCRTディスプレイ等の表示装置10に可視表示さ
れ、この表示されたトー角θの値を見ながら作業者がト
ー調整を行うことになる(ステップS16)。
【0041】そして、トー調整は、図3に示すように車
輪Wの軸心を通る水平線上に一対の測距センサー6,6
を位置させた状態で行うものとし、トー調整に伴う車輪
Wの姿勢変化を各測距センサー6,6により変化量Δx
f,Δxrとして検出した上でトーの変化量Δθを算出
し、これを上記のトー角θの値に加減算すれば前記表示
装置10に表示されたトー角θの値がリアルタイムで変
化し、この表示装置10に表示されたトー角θが設計値
通りになるようにトー調整を行えば良いことになる。
【0042】ここで、上記実施例ではトーの測定につい
て説明したが、図2,3,4に示した測距センサー6,
6を水平位置から90度回転させた状態で測定を行えば
キャンバー角の測定を行える。また、測距センサー6,
6による測定部位は、タイヤTの側面(サイドウォール
部)に代えてロードホイールのリムとしてもよい。
【0043】
【発明の効果】以上のように、請求項1の発明によれ
ば、車輪を回転させることによって得た測距データと、
測距センサーを回転させることによって得た測距データ
とに基づいて所定の演算を行って、ホイールアライメン
トとしてトー角またはキャンバー角を算出することによ
り、ロードホイール自体がもつ振れやタイヤ側面の凹凸
の成分を測距データから分離して、これらの影響のない
トー角あるいはキャンバー角の値を得ることができるよ
うになって測定精度が大幅に向上する。
【0044】加えて、車輪および測距センサーは連続回
転させることなく一回転させるだけで足りるため、測定
に伴う車体の振れがなく、これによってもまた測定精度
の向上を図ることができる。
【0045】また、請求項2の発明によれば、上記の効
果に加えて、測距データから分離したロードホイール自
体の振れやタイヤ側面の凹凸成分を定量的に把持できる
ため、そのデータを品質対策に活用して車両の品質向上
に寄与できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の測定手順を示すフローチャ
ート。
【図2】図1の測定方法に用いられるホイールアライメ
ントテスターの構成説明図。
【図3】図2の左側面説明図。
【図4】図3の平面説明図。
【図5】車輪の回転を伴う測定時の説明図。
【図6】測距センサーの回転を伴う測定時の説明図。
【図7】フィッティング関数の説明図。
【図8】車輪の静止位置位相での説明図。
【図9】最終トー量を得るための補正時の説明図。
【図10】従来の差動トランス接触式の測定方法を示す
図で、(A)はその構成説明図、(B)は同図(A)の
左側面説明図、(C)は同図(B)の平面説明図。
【図11】従来の車輪回転ローラー接触式の測定方法を
示す図で、(A)はその構成説明図、(B)は同図
(A)の左側面説明図、(C)は同図(B)の平面説明
図。
【図12】従来の車輪回転非接触式の測定方法を示す図
で、(A)はその構成説明図、(B)は同図(A)の左
側面説明図、(C)は同図(B)の平面説明図。
【図13】図100の差動トランス接触式測定方法の測
定原理を示す説明図。
【図14】図11の車輪回転ローラー接触式測定方法の
測定原理を示す説明図。
【図15】図12の車輪回転非接触式測定方法の測定原
理を示す説明図。
【符号の説明】
1…ドライブローラー 2…測定ユニット 4…センサー支持板 6,6…測距センサー 7…パーソナルコンピュータ T…タイヤ W…車輪
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特公 平4−66287(JP,B2) 特公 平1−41921(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01M 17/00 - 17/10 G01B 11/275

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 測定対象となる車輪の側面に対して、そ
    の車輪と同心円上であって且つその同心円の中心を通る
    線上に設けられた一対の非接触式の測距センサーを対向
    させ、前記測距センサーを静止させた状態で車輪を一回
    転させてその車輪の側面までの距離を連続的に測定する
    工程と、 前記車輪の回転に伴う測定に続いて、車輪を静止させた
    状態で前記同心円の中心を回転中心として測距センサー
    を一回転させて車輪の側面までの距離を連続的に測定
    る工程と、 を含んでいて、 前記車輪回転時の測距データと測距センサー回転時の測
    距データおよび予め設定された車輪基準データとに基づ
    いて、車輪の前後もしくは上下方向での傾きとともに該
    車輪の傾きに影響を及ぼしているロードホイールの振れ
    成分を分離して算出するとともに、 前記車輪の傾きをロードホイールの振れ成分で補正し
    て、この補正後の車輪の傾きをホイールアライメントで
    あるトーまたはキャンバーとして 算出することを特徴と
    する自動車のホイールアライメント測定方法。
  2. 【請求項2】 測定対象となる車輪の側面に対して、そ
    の車輪と同心円上であって且つその同心円の中心を通る
    水平線もしくは鉛直線上に設けられた一対の非接触式の
    測距センサーを対向させ、前記測距センサーを静止させ
    た状態で車輪を一回転させてその車輪の側面までの距離
    を連続的に測定する工程と、 前記車輪の回転を伴う測定に続いて、前記車輪を静止さ
    せた状態で前記同心円の中心を回転中心として測距セン
    サーを一回転させて車輪の側面までの距離を連続的に測
    定する工程と、 前記車輪回転時の測距データに基づいて車輪側面の最大
    振れ幅(Xt)を算出する工程と、 前記測距センサー回転時の測距データに基づいてその車
    輪固有のフィッティング関数(x)とともに静止状態に
    ある現在の車輪の前後もしくは上下方向での傾き量(x
    t )を算出する工程と、 前記測距センサー回転時の測距データと予め設定された
    車輪基準データとに基づいて車輪側面の凹凸量(X
    t′)の成分を算出する工程と、前記車輪側面の最大振れ幅(Xt)と凹凸量(Xt′)
    とに基づいて、車輪の傾き量(x t )に影響を及ぼして
    いるホイール最大振れ量(Xw)をその凹凸量(X
    t′)の成分から分離して算出する工程と、 前記車輪回転時の測距データと測距センサー回転時の測
    距データとに基づいて現在の車輪の傾き量(x t )に影
    響を及ぼしている振れ成分(Xwi)を算出するととも
    に、この振れ成分(Xwi)と、上記ホイール最大振れ
    量(Xw)を二分した値(Xw/2)とから両者の差
    (Xwi−(Xw/2))を振れ補正量(Xi)として
    算出する工程と、 前記現在の車輪の傾き量(x t )を振れ補正量(Xi)
    で補正した上で、前記二つの測距センサー間の距離デー
    タ(P)に基づいて車輪の真の傾きをホイールアライメ
    ント角であるトー角(θ)もしくはキャンバー角として
    算出する工程、 とを含むことを特徴とする自動車のホイ
    ールアライメント測定方法。
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