JP3181274B2 - コンクリート構造体の据付け方法 - Google Patents

コンクリート構造体の据付け方法

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JP3181274B2
JP3181274B2 JP20368499A JP20368499A JP3181274B2 JP 3181274 B2 JP3181274 B2 JP 3181274B2 JP 20368499 A JP20368499 A JP 20368499A JP 20368499 A JP20368499 A JP 20368499A JP 3181274 B2 JP3181274 B2 JP 3181274B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、地下室や複数階建
ての1階部分を構成する主に住宅用のコンクリート構造
体の据付け方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、法規制の緩和が転機となって土地
の有効利用を図るべく木造建築においても3階建てや地
下室設置が盛んに行われるようになってきた。従来、地
下室は、敷地に縦穴を掘設して鉄筋を配筋し、枠を施工
したのち生コンクリートを枠内に流し込む、いわゆるコ
ンクリートの現地打ちが主流であったが、近年、地下室
の容量分を賄う鉄筋コンクリート製の箱体である、いわ
ゆるプレキャストコンクリートユニットを工場で大量生
産し、このコンクリートユニットを建築現場に運び込
み、予め掘設された縦穴に吊り降ろすことによって地下
室を形成するようにしたユニット工法が、例えば出願人
が先に出願した特開平10−212731号公報等によ
って提案されている。
【0003】かかるユニット工法によれば、従来の現地
打ち施工に比べて全体的に建設費を廉価に抑えることが
できる上、工期も大幅に短縮され、今後の住宅建設にお
ける地下室施工の主流をなすものとして脚光を浴びてい
る。また、コンクリートユニットを1階部分の建屋とし
て利用すれば、その上に2階建ての建築を行うことによ
り容易に3階建の建物にすることができる。
【0004】従来、このようなコンクリートユニット
は、運搬の便宜を考慮して下部構造体と上部構造体とに
分離して製造され、これら上下の構造体を工場から建築
現場まで運び込んだ後、まず下部構造体を所定の基礎上
に吊り降ろして施工し、引き続き上部構造体を下部構造
体の上に吊り降ろすことが行われる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、これらの構
造体は、1体当りの重量が5t〜10tと非常に重い重
量物であることから、所定の基礎上に吊り降ろして据え
付けるためには、大型の作業機械を用い、かつ、細心の
注意を払いながら慎重に作業を行わなければならない。
特に、下部構造体に上部構造体を積み重ねるに際して
は、吊り降ろされる上部構造体は僅かではあるが空中で
揺動するため、吊り降ろした時点で上部構造体の下縁部
を下部構造体の上縁部に正確に一致させるのは至難の業
である。
【0006】そこで、従来、図10に示すような上部構
造体の据付け方法が採用されていた。すなわち、この方
法においては、地下室用として掘削された縦穴100の
底部にまず下部構造体101を吊り降ろして据え付け、
この下部構造体101の一方の外壁面に沿うように案内
杭103を打ち込み、さらに下部構造体101内の案内
杭103側の底部にジャッキ104を据え付けてこのジ
ャッキ104から斜め上方に向けて調整棒105を引き
延ばし、ジャッキ104の操作で調整棒105を出没さ
せるように準備してから上部構造体102吊り降ろすの
である。
【0007】そして、上部構造体102の吊り降ろしに
際しては、調整棒105の先端で上部構造体102の底
部を支持して揺れを抑えながら反対側の側壁面を案内杭
103に当接させて案内させつつ上部構造体102を緩
やか下降させるのである。下部構造体101に対する上
部構造体102の位置ずれは、ジャッキ104の操作に
よる調整棒105の突出量の調整で行われる。
【0008】しかしながら、上記のような従来の上部構
造体102の据付け方法にあっては、予め案内杭103
を打ち込んだり、下部構造体101内にジャッキ104
を据え付けて調整棒105を配さなければならずまず準
備が面倒である他、上部構造体102の吊り降ろし状況
を目視で確認しながらジャッキ104の操作で調整棒1
05の突出量を調節して上部構造体102の位置決めを
行う必要があり、かかる作業は非常に困難であり、多く
の熟練者と多くの時間が必要となり、作業効率と安全性
の面から多くの問題点が存在した。
【0009】また、かかる方法では、上部構造体102
の据付け精度は低く、作業者が精一杯努力をしても、下
部構造体101と上部構造体102との間に看過すべき
でない大きな食い違い寸法が発生するという致命的な欠
陥も存在する。
【0010】さらに、下部構造体101と上部構造体1
02との間には、通常、シール部材が介設されるが、両
者の間に食い違いが存在したり、この食い違いによる嵌
め合わせ不良から各構造体の当接縁部が欠損すると、せ
っかくシール部材を介設しても、確実なシール効果を得
ることができなくなるという問題点も存在する。
【0011】本発明は、上記のような問題点を解決する
ためになされたものであり、作業が容易で熟練を要さ
ず、少人数でも安全性に富み、容易にかつ確実に位置ず
れさせない状態で上部構造体を下部構造体の上に積み重
ねることができるコンクリート構造体の据付け方法を提
供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
上面が開放した鉄筋コンクリート製の下部構造体の上に
下面が開放した鉄筋コンクリート製の上部構造体を積み
重ねることによって形成されるコンクリート構造体の据
付け方法であって、先に敷設された下部構造体内に支持
部材を配設し、この支持部材に、上部構造体の対向内壁
面間のそれぞれに架橋する各対向内壁面当り少なくとも
2本の可変長ロッドを下部構造体の上縁部より若干上方
に突出するように固定し、各可変長ロッドを上部構造体
の対向内壁面間の距離より若干短めに長さ調節したのち
上部構造体を下部構造体上に吊り降ろして可変長ロッド
に被せ、この状態で可変長ロッドを伸縮操作してその先
端部を上部構造体の内壁面に離接させることにより上部
構造体の下縁部と下部構造体の上縁部との位置ずれを修
正しながら上部構造体を下部構造体上に吊り降ろすこと
を特徴とするものである。
【0013】この発明によれば、所定の敷地上に据え付
けられた下部構造体内に支持部材を配設した後、この支
持部材に少なくとも2本の可変長ロッドを支持させると
いう簡単な作業で上部構造体を吊り降ろす準備が完了す
る。そして、準備完了後に上部構造体を下部構造体の上
面開口から上部に突出した可変長ロッドに被せるように
吊り降ろして一旦下降を停止させることにより、上部構
造体の下縁部が下部構造体の上縁部に至近距離で対向し
た状態になる。
【0014】この状態で可変長ロッドを操作して伸長さ
せると、その両端部が上部構造体の対向内壁面に当止し
て突っ張った状態になり、これによって上部構造体は揺
動が阻止された、いわゆる吊り殺しになる。この状態で
目視観察を行いながら上部構造体の下縁部を下部構造体
の上縁部に正確に対向させるように少なくとも2本の可
変長ロッドを再度操作して伸縮させながら微調整を行う
ことにより、上下の構造体の位置狂いが容易に修正され
る。
【0015】そして、上下の構造体の位置的な食い違い
が完全に修正された時点で上部構造体を吊り降ろすこと
により、上部構造体はその重量によって可変長ロッドの
先端部と摺接しながら下降し、下部構造体に対してほと
んど位置ずれがない状態で同構造体の上に積み重ねられ
る。
【0016】このように、請求項1記載の発明は、上部
構造体を下部構造体の直上まで吊り降ろした状態で、一
旦可変長ロッドにより上部構造体の揺動を抑えて吊り殺
しにし、この吊り殺し状態での可変長ロッドの操作によ
る伸縮で上部構造体の位置修正を行うようにしているた
め、従来のように揺動している上部構造体の位置決めに
比べて位置決め操作を極めて容易にかつ確実に行うこと
が可能になる。従って、従来のように熟練した作業者を
多数必要とし、しかも多くの時間を要するというような
不都合が回避され、作業者が一人であっても確実に位置
ずれのない状態でかつ安全・迅速に上部構造体を下部構
造体の上に据え付けることが可能になり、安全性を確保
した上での上部構造体の据付け作業の効率化に貢献す
る。
【0017】請求項2記載の発明は、請求項1記載の発
明において、上記支持部材は、下部構造体の対向内壁面
間に架橋された各対向内壁面当り少なくとも2本の可変
長ロッドによって形成することを特徴とするものであ
る。
【0018】この発明によれば、支持部材として上部構
造体の姿勢調整用に使用されるものと同様の可変長ロッ
ドを採用することにより、支持部材の構造を簡単なもの
にすることができるばかりか、支持部材の下部構造体内
への配設を容易に行うことができる。
【0019】
【発明の実施の形態】まず、本発明の対象となるコンク
リート構造体について説明する。図1および図2は、コ
ンクリート構造体の一実施形態を示す一部切り欠き斜視
図であり、図1は、上部構造体が下部構造体に積み重ね
られる直前の状態、図2は、下部構造体の上に上部構造
体が積み重ねられた状態をそれぞれ示している。
【0020】これらの図に示すように、コンクリート構
造体10は、その下半分を形成する鉄筋Fの配筋された
下部構造体1と、上半分を形成する鉄筋Fの配筋された
上部構造体2とを備えた基本構成を有している。上記下
部構造体1は、平面視で長方形状に形成され、底部に形
成された基礎床(底部)11と、この基礎床11の周縁
部から上方に向かって延設された周壁12とからなって
いる。
【0021】上記基礎床11は平面視で長方形状に形状
設定され、これによって上記周壁12は、基礎床11の
短辺側に互いに対向するように立設された一対の短辺側
壁13と、同長辺側に互いに対向するように立設された
一対の長辺側壁14とを備えている。また、下部構造体
1の周壁12は、その上縁部に外方が低くレベル設定さ
れた低縁部15aと、この低縁部15aの内方に低縁部
15aより高くレベル設定された高縁部15bとからな
る段差縁部15を有している。
【0022】上記上部構造体2は、下部構造体1に対応
して同一平面形状に形成され、下部構造体1の短辺側壁
13に対応した短辺側壁22と、同長辺側壁14に対応
した長辺側壁23とからなる周壁21を有している。上
部構造体2の周壁21の下縁部には、外方に形成され
た、下部構造体1の周壁12の低縁部15aに対応する
低縁部24aと、内方に形成された上記周壁12の高縁
部15bに対応する高縁部24bとを備えた段差縁部2
4が形成されている。
【0023】また、上部構造体2の上部には、周壁21
に支持された天井壁20が設けられている。この天井壁
20の適所には、矩形状の出入口20aが設けられ、上
部構造体2が下部構造体1上に積み重ねられた状態(図
2)で、この出入口20aを介してコンクリート構造体
10内に対して出入りし得るようになっている。そし
て、下部構造体1の周壁12の上縁部に、上部構造体2
の周壁21の下縁部を当接させるように上部構造体2を
下部構造体1上に積み重ねることによって、下部構造体
1の段差縁部15と上部構造体2の段差縁部24とが互
いに嵌まり合い、これによって下部構造体1と上部構造
体2とが合体したコンクリート構造体10が得られるよ
うにしている。
【0024】なお、上部構造体2については、天井壁2
0は必須ではなく、特に設けられない場合もある。
【0025】図3は、下部構造体1および上部構造体2
の接合縁部(段差縁部15,24)を示す断面図であ
り、(イ)は上部構造体2が下部構造体1に積み重ねら
れる直前の状態、(ロ)は上部構造体2が下部構造体1
に積み重ねられた状態をそれぞれ示している。図3の
(イ)に示すように、下部構造体1の段差縁部15に、
上部構造体2の段差縁部24を対向させた状態で、上部
構造体2の低縁部24aが下部構造体1の低縁部15a
に対向している。また、上部構造体2の高縁部24bが
下部構造体1の高縁部15bに対向し、図3の(ロ)に
示すように、上部構造体2を下降させて上部構造体2の
段差縁部24を下部構造体1の段差縁部15に当接させ
た状態で、下部構造体1の段差縁部15と上部構造体2
の段差縁部24とが互いに嵌まり合うように各低縁部1
5a,24aおよび各高縁部15b,24bの幅寸法が
設定されている。これによって、下部構造体1に積み重
ねられた上部構造体2の下部構造体1に対する横ずれが
確実に阻止されるようにしている。
【0026】下部構造体1の段差縁部15には、図3の
(イ)に示すように、上部構造体2が積み重ねられる前
にゴム等の柔軟性および防水性を備えた材料からなるシ
ール部材3が配設され、これによって上部構造体2が下
部構造体1上に積み重ねられた状態で、図3の(ロ)に
示すように、両段差縁部15,24間にシール部材3が
上部構造体2の自重で押圧挟持され、これによってコン
クリート構造体10が形成された状態で、段差縁部1
5,24の当接部分からの雨水等の侵入を防止するよう
にしている。
【0027】なお、段差縁部15,24は、図3に示す
ように階段状であることに限定されるものではなく、凹
凸の嵌め合わせ方式のものであってもよい。図4は、接
合縁部の他の実施形態を示す断面図であり、(イ)は上
部構造体2が下部構造体1に積み重ねられる直前の状
態、(ロ)は上部構造体2が下部構造体1に積み重ねら
れた状態をそれぞれ示している。
【0028】この実施形態においては、下部構造体1の
上縁部に幅方向の中央部が上方に向かって膨出した長手
方向に延びる凸条16が設けられている一方、上部構造
体2の下縁面には、凸条16に対応した凹溝25が設け
られている。そして、図4の(イ)に示すように、上部
構造体2の凹溝25を下部構造体1の凸条16に対向さ
せた状態で凸条16上にシール部材3を配設し、上部構
造体2を吊り降ろすことにより、図4の(ロ)に示すよ
うに、凹溝25がシール部材3を介して凸条16に外嵌
し、上下の構造体1,2が相互に結合されることにな
る。
【0029】そして、本実施形態においては、各構造体
1,2の周壁12,21、上部構造体2の天井壁20お
よび下部構造体1の基礎床11の厚み寸法は、それぞれ
少なくとも150mmを越えるように寸法設定され、こ
れによってコンクリート構造体10が地下室として埋設
された状態で、地上に露出している上部構造体2の天井
壁20が、地上建造物の基礎として利用し得るようにし
ている。
【0030】上記鉄筋Fは、本実施形態においては、直
径13mmのものが使用されている。この鉄筋Fが、柱
軸方向に延びるように配筋される軸方向主鉄筋、および
これに直交するように配筋される背力鉄筋の双方に用い
られ、これらが常法によって縦横に組み合わされてい
る。そして、軸方向主鉄筋および背力鉄筋の双方は、コ
ンクリート構造体10の用途(例えば地下室としてのみ
使用されるのか、あるいは地上建造物の基礎として兼用
されるのか等)に応じて配置間隔が適宜設定されてい
る。
【0031】ところで、基礎床11が地表から1.8〜
2.0mの深さになるように下部構造体1を地下に埋設
した状態で、底から0.6mの位置の下部構造体1の周
壁12に作用する土圧は、裏込め土が水分飽和の通常の
普通土である場合、内部摩擦角が30°、地震時の水平
震度kが0.3と仮定して、周壁12に加わる外力は常
時で1.0tf/mであり、地震時で1.7〜2.0t
f/mであることから、上記直径(13mm)の鉄筋F
を用い、かつ、配筋を適切に施すことにより、下部構造
体1は、普段は勿論のこと、地震時にも十分に対応し得
るものになる。
【0032】また、特に各構造体1,2の段差縁部1
5,24については、図3に示すように、本体から外部
に突出した下部構造体1の高縁部15b(図4の場合は
凸条16)および上部構造体2の低縁部24a(図4の
場合は凹溝25の側壁部分)にも鉄筋Fが配筋され、こ
れによって高縁部15b(凸条16)および低縁部24
a(凹溝25の側壁部分)の強度を大きくして下部構造
体1と上部構造体2との結合部分の脆弱性を補うように
している。
【0033】上記コンクリート構造体10の幅寸法(各
構造体1,2の短辺側壁13,22の水平方向の寸法)
および長さ寸法(長辺側壁14,23の水平方向の寸
法)は、日本家屋の実情に合うように、外寸法が0.9
mの倍数になるように寸法設定されている。また、各構
造体1,2の高さ寸法は1.2mまたは1.3mに設定
され、従って各構造体1,2が合体されたコンクリート
構造体10の高さ寸法は2.4mまたは2.6mになっ
ている。本実施形態においては、コンクリート構造体1
0は、4畳半用、6畳用、8畳用および10畳用のもの
をユニット製品として工場生産するようにしている。
【0034】そして、本発明の据付け方法は、上記のよ
うなコンクリート構造体10において、先に敷地の基礎
の上に施工された下部構造体1の上に上部構造体2を積
み重ねる際に採用されるものである。図5は、本発明方
法の実行で用いられる据付け治具4の一実施形態を示す
斜視図であり、据付け治具4が下部構造体1内に装着さ
れた状態を示している。
【0035】図5に示すように、据付け治具4は、下部
構造体1の基礎床11の四隅部それぞれに立設される4
本の支柱41と、2本の支柱41に支持されて周壁12
の長辺側壁14間に略平行に差し渡される2本の第1梁
材42と、これら第1梁材42間に互いに平行に架設さ
れる2本の第2梁材43とからなっている。
【0036】そして、本実施形態においては、支柱4
1、第1梁材42および第2梁材43として長さ寸法を
任意に設定することが可能な、いわゆる可変長ロッドが
採用されている。図6は、可変長ロッド44の一実施形
態を示す斜視図である。この図に示すように、可変長ロ
ッド44は、外周面に雄ねじが螺設されたスパイラルロ
ッド45と、このスパイラルロッド45に摺接状態で外
嵌されるパイプ体46と、スパイラルロッド45に螺着
されるナット体47とからなっている。ナット体47の
外周面には、互いに反対方向で径方向に延びる一対のハ
ンドル杆47aが突設されている。
【0037】そして、ナット体47が螺着された状態の
スパイラルロッド45の一側部をパイプ体46に嵌入す
ることにより可変長ロッド44が形成されている。かか
る可変長ロッド44によれば、スパイラルロッド45を
回り止め状態にしてハンドル杆47aの操作でナット体
47をスパイラルロッド45回りに時計方向に回動する
と、ナット体47が図6の右方に移動するため、パイプ
体46がこの移動で右方に押し遣られ、これによって可
変長ロッド44の長さ寸法Lは長くなる。
【0038】逆にナット体47をスパイラルロッド45
回りに反時計方向に回動すると、ナット体47は図6の
左方に移動し、これによってナット体47とパイプ体4
6との間に隙間が形成されることになる。そして、この
隙間を埋めるようにスパイラルロッド45をパイプ体4
6内に押し込むことにより、可変長ロッド44の長さ寸
法Lは短くなる。かかる可変長ロッド44が支柱41、
第1梁材42および第2梁材43に適用されているので
ある。
【0039】そして、支柱41は、図5に示すように、
上記のような可変長ロッド44のスパイラルロッド45
を下方に向けた状態でその下端部に基台41aが溶接止
めされるとともに、パイプ体46の上端部に角筒状の係
止体41bが溶接止めで固定されることによって形成さ
れている。係止体41bの側部には係止ボルト41cが
貫通螺着され、係止体41bに第1梁材42を挿通して
からこの係止ボルト41cをねじ込むことによって第1
梁材42が支柱41に固定されるようになっている。
【0040】また、第1梁材42は、パイプ体46と、
このパイプ体46の両端部に嵌入された一対のスパイラ
ルロッド45と、これら一対のスパイラルロッド45に
それぞれ螺着されたナット体47とからなっている。か
かる第1梁材42は、そのパイプ体46が係止体41b
に差し込まれて係止ボルト41cで締結されることによ
り支柱41に固定されるようになっている。各スパイラ
ルロッド45の先端部には、下部構造体1および上部構
造体2の内壁面に当接させるための当接板42aが溶接
止め等によって固定されている。
【0041】また、第2梁材43は、第1梁材42と同
様にパイプ体46と、このパイプ体46の両端部に嵌入
された一対のスパイラルロッド45と、これら一対のス
パイラルロッド45にそれぞれ螺着されたナット体47
とからなっている。この第2梁材43の各スパイラルロ
ッド45にも、先端部に下部構造体1および上部構造体
2の内壁面に当接させるための当接板43aが溶接止め
等によって固定されている。かかる第2梁材43は、そ
の2本が支柱41に支持された一対の支柱41のパイプ
体46に平行になるように固定されている。
【0042】そして、本実施形態においては、4本の支
柱41とこれら支柱41に支持された第1梁材42およ
び第2梁材43の各2本のパイプ体46とによって、上
下の構造体1,2の位置調整を行う可変長ロッドを支持
するための本発明に係る支持部材40が形成されてい
る。
【0043】図7は、図5の部分斜視図であり、第1梁
材42と第2梁材43との結合部分を示している。図7
に示すように、第1梁材42と第2梁材43とは、それ
ぞれのパイプ体46が結合治具48によって互いに結合
されている。結合治具48は、孔の延びる方向が互いに
90°位相ずれされた上下一対の結合筒体48aによっ
て形成されている。各結合筒体48aは互いの当接部が
偏平に形成され、これらの偏平部分を互いに当接させて
溶接止めされることにより両者の結合状態が安定するよ
うになされている。
【0044】また、上部の結合筒体48aの頂部、およ
び下部の結合筒体48aの底部には、それぞれ締結ボル
ト48bが貫通螺着され、第1梁材42および第2梁材
43をそれぞれ上下の結合筒体48aに嵌挿した状態で
締結ボルト48bをねじ込むことによって第1梁材42
と第2梁材43とが結合治具48を介して互いに結合さ
れるようになっている。そして、両者が結合された状態
で、第1梁材42および第2梁材43の各当接板42
a,43aが下部構造体1の内壁面から離間状態で下部
構造体1の上縁部から所定寸法だけ上方に突出するよう
に、支柱41の高さ寸法が予め設定されている。
【0045】そして、本発明においては、上記のような
据付け治具4を下部構造体1内に配設した後、下部構造
体1の上縁部から上方に突出した、第1梁材42および
第2梁材43の各当接板42aを被うように上部構造体
2を吊り降ろし、上部構造体2の段差縁部24が下部構
造体1の段差縁部15に噛み合う直前で一旦上部構造体
2の下降を停止し、この状態におけるナット体47のハ
ンドル杆47aを介した回転操作でスパイラルロッド4
5をパイプ体46から突出させることにより、各当接板
42a,43aを上下の構造体1,2の内壁面に当接さ
せ、これによって上部構造体2を一旦位置設定(いわゆ
る吊り殺し)し、引き続き上部構造体2を下部構造体1
に対して位置ずれのない状態で吊り降ろすのである。
【0046】図8は、このような本発明方法を詳細に説
明するための説明図であり、(イ)は、上部構造体2が
下部構造体1上に吊り降ろされる直前の状態、(ロ)
は、下部構造体1に吊り降ろされる直前の上部構造体2
が位置調整された状態、(ハ)は、上部構造体2が下部
構造体1上に積み重ねられた状態をそれぞれ示してい
る。なお、図8の(イ)および(ロ)においては、紙面
の左側に側面視の断面図を示すとともに、紙面の右側に
平面視の図を示している。また、図8の(ハ)において
は、下部構造体1の上に上部構造体2が積み重ねられた
後に据付け治具4が取り去られた状態の側面視の断面図
のみを示している。
【0047】下部構造体1は、縦穴100の穴底に形成
された基礎の上に予め吊り降ろされて据え付けられてい
る。そこで、本発明方法を説明する前に、まず上記基礎
について説明する。基礎は、基礎盤200と、スペーサ
ー201と、空練りモルタル202とからなっている。
上記基礎盤200は、コンクリート製で所定厚み寸法を
有する平板状に形成され、平面寸法は下部構造体1の平
面寸法よりも若干大きく寸法設定されている。このよう
な基礎盤200の表面に、弾性体としての耐圧性ゴムか
らなる多数のスペーサー201が基礎盤200上で均等
に分布するように配置されているとともに、基礎盤20
0上にスペーサー201の頂部が僅かに隠れる程度の層
厚みに設定された空練りモルタル202(図8に点描で
表示)が散布された状態とされ、下部構造体1は、この
ような状態の基礎の上に吊り降ろされることによってス
ペーサー201および空練りモルタル202を介して基
礎盤200に支持されるようになっている。
【0048】上記スペーサー201は、コンクリート構
造体10を支持するのに十分な強度を有するように支持
断面の大きさや重量や形状が設定されており、複数のス
ペーサー201を所定の密度分布で基礎盤200上に配
置することにより、コンクリート構造体10がスペーサ
ー201上に据え付けられることになる。
【0049】上記空練りモルタル202は、水を加えな
いでセメントと砂とを混練したものである。かかる空練
りモルタル202を下部構造体1と基礎盤200との間
に介在させることにより、コンクリート構造体10をス
ペーサー201上に据え付けた直後には、空練りモルタ
ル202が基礎盤200の表面および下部構造体1の底
面の凹凸に追随して層厚みが上記凹凸に対応したものに
なるとともに、時間の経過に伴って空練りモルタル20
2は地中の水分を吸収し、これによる化学反応の進行に
よって固化することにより、コンクリート構造体10の
重量が固化した空練りモルタル202を介して均等に基
礎盤200に加わることになり、基礎盤200によるコ
ンクリート構造体10の支持が安定したものになる。
【0050】このような基礎の上に据え付けられた下部
構造体1に上部構造体2が吊り降ろされて積み重ねられ
るのである。そして、図8の(イ)に示す状態では、下
部構造体1内に組み付けられた支持部材40の第1梁材
42のスパイラルロッド45が所定寸法だけパイプ体4
6内に没入され、これによって第1および第2梁材4
2,43の各当接板42a,43aは、いずれも下部構
造体1の内壁面から離間した場所に位置設定されてい
る。この状態の下部構造体1の段差縁部15にシール部
材3が敷設される。
【0051】一方、上部構造体2は、大型のクレーン車
等の作業機械によって吊り降ろされ、その下縁部が下部
構造体1の上縁部に若干の離間状態で対向した位置で一
旦下降が停止され、これによって、図8の(イ)に示す
ように、上部構造体2が各当接板42a,43aに被せ
られた状態になっている。そしてこの状態では、上部構
造体2は、僅かではあるが下部構造体1に対して位置ず
れしているのが一般的であり、図8の(イ)に示す例で
は、上部構造体2は下部構造体1に対して若干右方にず
れているとともに、平面視では反時計方向に若干捩じれ
ている。
【0052】この状態で、下部構造体1内に待機してい
た作業者が第1梁材42および第2梁材43のナット体
47を回転操作し、これによって各スパイラルロッド4
5をパイプ体46から引き出すのである。そうすると、
各スパイラルロッド45の突出によって先端の各当接板
42a,43aが上部構造体2内壁面の内の下部構造体
1内にずれ込んでいるものにまず当接してこの部分を外
方に向かって押し遣るため、上部構造体2の下部構造体
1に対する位置ずれが解消され、しかも、図8の(ロ)
に示すように、上下の構造体1,2は、それらの内壁面
が各当接板42a,43aによって押圧されることによ
り、上下で正確に対向した状態になるのである。
【0053】そして、図8の(ロ)に示す状態で、上部
構造体2の吊り降ろしを再開することにより、上部構造
体2は、その重量によって内壁面が各当接板42a,4
3aと摺接しながら下降し、図8の(ハ)に示すよう
に、上部構造体2が下部構造体1上にほとんど位置ずれ
しない状態で積み重ねられるのである。
【0054】以上詳述したように、本発明のコンクリー
ト構造体の据付け方法によれば、先に敷設された下部構
造体1内に4本の支柱41を配設し、この支柱41に、
下部構造体1の対向壁面間に架橋する一対の第1梁材4
2を平行に支持させるとともに、この一対の第1梁材4
2に2本の第2梁材43を平行に支持させた後、第1梁
材42および第2梁材43それぞれのスパイラルロッド
45をパイプ体46内に没入させて第1および第2梁材
42,43の長さ寸法を上部構造体2の対向内壁面間の
距離より短めに長さ調節し、引き続き上部構造体2を下
部構造体1上に吊り降ろして各当接板42a,43aに
被せ、この状態でのスパイラルロッド45のパイプ体4
6からの引き出し操作で第1および第2梁材42,43
を伸長して各当接板42a,43aを上部構造体2の内
壁面に当接させることにより上部構造体2の下縁部と下
部構造体1の上縁部との位置ずれを修正しながら上部構
造体2を下部構造体1上に吊り降ろすようにしているた
め、従来の、熟練した作業者を多数必要とし、しかも多
くの時間を要するという不都合が解消され、作業者が一
人であっても確実に位置ずれのない状態でかつ安全・迅
速に上部構造体2を下部構造体1の上に据え付けること
が可能になり、安全性を確保した上での上部構造体2の
据付け作業の効率化に貢献することができる。
【0055】そして、本発明方法によれば、実際に試験
を行った結果、下部構造体1に対する上部構造体2の最
大食い違い寸法を容易に1mm以下に抑えることが可能
であることを確認した。また、従来の方法では最大限の
努力をしても上記食い違い寸法を3mm以下にすること
ができないことも判明し、これらの試験結果によって本
発明方法が優れたものであることを立証することができ
た。
【0056】本発明は上記の実施形態に限定されるもの
ではなく、以下の内容をも包含するものである。
【0057】(1)上記の実施形態においては、可変長
ロッドとしての役割を担う第2梁材43支持用の支持部
材40は、支柱41と第1梁材42とによって構成され
ているが、本発明は、支持部材40が支柱41と第1梁
材42とで構成されることに限定されるものではなく、
下部構造体1内の基礎床11上に着脱自在に装着される
テーブル状の架台を採用してもよい。
【0058】(2)上記の実施形態においては、第1梁
材42および第2梁材43としてスパイラルロッド4
5、パイプ体46およびナット体47からなる可変長ロ
ッド44を採用しているが、かかる可変長ロッド44を
採用する代わりに作動油の油圧によってシリンダからピ
ストンロッドを出没させる油圧機構方式のものを採用し
てもよい。こうすることによって、作業者が下部構造体
1内に入って作業を行わなくても、油圧機構の駆動で上
部構造体2の位置ずれを容易に修正することが可能にな
り、上部構造体2の据付け作業をより効率的に行うこと
ができる。
【0059】(3)上記の実施形態においては、各当接
板42a,43aを下部構造体1および上部構造体2の
双方の内壁面に当接させるようにしているが、こうする
代わりに各当接板42a,43aを上部構造体2の内壁
面にのみ当接させるようにし、この当接後の第1梁材4
2および第2梁材43の伸縮操作で上部構造体2の位置
修正を行うようにしてもよい。
【0060】(4)上記の実施形態においては、上部構
造体2を下部構造体1上に吊り降ろす前に、第1梁材4
2および第2梁材43のスパイラルロッド45をそれぞ
れパイプ体46内に所定寸法没入させ、これによって第
1および第2梁材42,43の各当接板42a,43a
の全てを下部構造体1の内壁面から離間させた状態に
し、この状態で各当接板42a,43aを被うように、
かつ、上下の構造体1,2の対向縁部間に僅かな隙間が
形成されるように上部構造体2を吊り降ろしてからそれ
ぞれのスパイラルロッド45をパイプ体46から突出さ
せることによって各当接板42a,43aを上下の構造
体1,2の内壁面に当接させ、これによって上下の構造
体1,2の位置調整を行うようにしているが、こうする
代わりに、予め短辺側壁13に平行な第1梁材42の当
接板42aを長辺側壁14の内壁面に当接させる一方、
長辺側壁14に平行な第2梁材43の当接板43aを短
辺側壁13の内壁面に対して離間状態とし、この状態で
上部構造体2を吊り降ろして各当接板42a,43aに
被せるようにし、ついで第2梁材43の当接板43aを
突出させて上下の構造体1,2の位置調整を行うように
してもよい。
【0061】このように、第1梁材42の当接板42a
を当初から下部構造体1の内壁面に当接させておくの
は、吊り降ろされる上部構造体2の位置狂いは、通常、
上部構造体2の短辺側より長辺側において起こり易く、
従って、上部構造体2の長辺側のみの位置調節で清ます
ことができる場合が多いからである。
【0062】(5)上記の実施形態においては、可変長
ロッド44を、スパイラルロッド45と、このスパイラ
ルロッド45が嵌入されるパイプ体46と、スパイラル
ロッド45に螺着されるナット体47とで構成している
が、こうする代わりにスパイラルロッド45に共回り可
能な操作桿を固定する一方、パイプ体46の内周面にス
パイラルロッド45の螺着される雌ねじを螺設し、かか
るスパイラルロッド45をパイプ体46に螺着したもの
を本発明に係る可変長ロッドとすることができる。この
ような可変長ロッドの場合、操作桿の操作でスパイラル
ロッド45を自軸心回りに正逆回転させることにより、
スパイラルロッド45をパイプ体46から出没させるこ
とが可能になる。
【0063】(6)上記の実施形態における連結治具4
8に代えて、図9に示すような連結治具を採用してもよ
い。すなわちこの連結治具480は、一対の単位連結治
具480aを90°の位相ずれで互いに接続したもので
あり、各単位連結治具480aは、金属板をプレス処理
して形成された断面視でU字形状を呈しているととも
に、側面視でL字形状を呈した第1連結金具481と、
この第1連結金具481の一方の端部に第1連結軸48
2回りに回動自在に連結された第2連結金具483と、
上記第1連結金具481の他方の端部に第2連結軸48
4回りに回動自在に連結された連結ボルト485とを備
えて構成されている。
【0064】第2連結金具483は先端側が二股状に形
成され、これによってこの部分に連結ボルト485の先
端部を挟み込み得る挟持溝486が形成されている。そ
して、第1連結金具481のL字形状の凹部内にパイプ
体46を嵌め込んだ状態で第1連結軸482回りに第2
連結金具483を回動操作してパイプ体46を挟み込
み、さらに第2連結軸484回りに連結ボルト485を
回動操作してその先端側を挟持溝486に嵌挿すること
によって、パイプ体46が第1連結金具481と、第2
連結金具483と、連結ボルト485とによって包囲さ
れた状態になるようにそれぞれが寸法設定されている。
【0065】そして、挟持溝486から突出している連
結ボルト485の先端部にナット487を螺着して締結
することにより、パイプ体46が連結治具480によっ
て拘束された状態になるようになされている。このよう
な単位連結治具480aの一対を、互いに90°位相ず
れさせた状態で溶接止めその他で互いに接続することに
より、図9に示すような連結治具480が形成されてい
る。
【0066】この連結治具480によれば、第2連結金
具483および連結ボルト485の回動操作で各単位連
結治具480aをパイプ体46に装着することが可能で
あり、装着操作が容易になるとともに、パイプ体46の
径寸法の相違に容易に対応することが可能であり、連結
治具480が汎用性に富んだものになる。
【0067】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、所定の敷
地上に据え付けられた下部構造体の中に支持部材を配設
した後、この支持部材に少なくとも2本の可変長ロッド
を支持させるという簡単な作業で上部構造体を吊り降ろ
す準備を完了させることができる。そして、準備完了後
に上部構造体を下部構造体の上面開口から上部に突出し
た可変長ロッドに被せるように吊り降ろして一旦下降を
停止させることにより、上部構造体の下縁部が下部構造
体の上縁部に至近距離で対向した状態にすることができ
る。
【0068】この状態で可変長ロッドを操作して伸長さ
せると、その両端部が上部構造体の対向内壁面に当止し
て突っ張った状態になり、これによって上部構造体を揺
動が阻止された、いわゆる吊り殺しにすることができ
る。この状態で目視観察を行いながら上部構造体の下縁
部を下部構造体の上縁部に正確に対向させるように各可
変長ロッドを再度操作して伸縮させながら微調整を行う
ことにより、上下の構造体の位置狂いを容易に修正する
ことができる。
【0069】そして、上下の構造体の位置的な食い違い
が完全に修正された時点で上部構造体を吊り降ろすこと
により、上部構造体はその重量によって可変長ロッドの
先端部と摺接しながら下降し、下部構造体に対してほと
んど位置ずれがない状態で上部構造体を下部構造体の上
に積み重ねることができる。
【0070】このように、上部構造体を下部構造体の直
上まで吊り降ろした状態で、一旦可変長ロッドにより上
部構造体の揺動を抑えて吊り殺しにし、この吊り殺し状
態での可変長ロッドの伸縮で上部構造体の位置修正を行
うようにしているため、従来のように揺動している上部
構造体の位置決めに比べて位置決め操作を極めて容易に
かつ確実に行うことができる。従って、熟練した作業者
を多数必要とし、しかも多くの時間を要するという従来
の不都合が解消され、作業者が一人であっても確実に位
置ずれのない状態でかつ安全・迅速に上部構造体を下部
構造体の上に据え付けることが可能になり、安全性を確
保した上での上部構造体の据付け作業の効率化に貢献す
ることができる。
【0071】請求項2記載の発明によれば、支持部材
は、下部構造体の対向内壁面間に架橋された各対向内壁
面当り少なくとも2本の可変長ロッドによって形成した
ため、支持部材の構造を簡単なものにすることができる
ばかりか、支持部材の下部構造体内への配設を容易に行
うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】コンクリート構造体の一実施形態を示す一部切
り欠き斜視図であり、上部構造体が下部構造体に積み重
ねられる直前の状態を示している。
【図2】図1に示す下部構造体の上に同上部構造体が積
み重ねられた状態を示す斜視図である。
【図3】下部構造体および上部構造体の接合縁部を示す
断面図であり、(イ)は上部構造体が下部構造体に積み
重ねられる直前の状態、(ロ)は上部構造体が下部構造
体に積み重ねられた状態をそれぞれ示している。
【図4】接合縁部の他の実施形態を示す断面図であり、
(イ)は上部構造体が下部構造体に積み重ねられる直前
の状態、(ロ)は上部構造体が下部構造体に積み重ねら
れた状態をそれぞれ示している。
【図5】本発明方法の実行で用いられる据付け治具の一
実施形態を示す斜視図であり、据付け治具が下部構造体
内に装着された状態を示している。
【図6】可変長ロッドの一実施形態を示す斜視図であ
る。
【図7】図5の部分斜視図であり、第1梁材と第2梁材
との結合部分を示している。
【図8】本発明方法を説明するための説明図であり、
(イ)は上部構造体が下部構造体上に吊り降ろされる直
前の状態、(ロ)は下部構造体に吊り降ろされる直前の
上部構造体が位置調整された状態、(ハ)は上部構造体
が下部構造体上に積み重ねられた状態をそれぞれ示して
いる。
【図9】連結治具の他の実施形態を示す斜視図である。
【図10】従来の上部構造体の据付け方法を示す説明図
である。
【符号の説明】
10 コンクリート構造体 1 下部構造体 11 基礎床 12 周壁 13 短辺側壁 14 長辺側壁 15 段差縁部 15a 低縁部 15b 高縁部 16 凸条 2 上部構造体 20 天井壁 20a 出入口 200 基礎盤 201 スペーサー 202 空練りモルタル 21 周壁 22 短辺側壁 23 長辺側壁 24 段差縁部 24a 低縁部 24b 高縁部 25 凹溝 3 シール部材 4 据付け治具 41 支柱 41a 基台 41b 係止体 41c 係止ボルト 42 第1梁材 42a 当接板 43 第2梁材 43a 当接板 44 可変長ロッド 45 スパイラルロッド 46 パイプ体 47 ナット体 47a ハンドル杆 48 結合治具 48a 結合筒体 48b 締結ボルト F 鉄筋

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上面が開放した鉄筋コンクリート製の下
    部構造体の上に下面が開放した鉄筋コンクリート製の上
    部構造体を積み重ねることによって形成されるコンクリ
    ート構造体の据付け方法であって、先に敷設された下部
    構造体内に支持部材を配設し、この支持部材に、上部構
    造体の対向内壁面間のそれぞれに架橋する各対向内壁面
    当り少なくとも2本の可変長ロッドを下部構造体の上縁
    部より若干上方に突出するように固定し、各可変長ロッ
    ドを上部構造体の対向内壁面間の距離より若干短めに長
    さ調節したのち上部構造体を下部構造体上に吊り降ろし
    て可変長ロッドに被せ、この状態で可変長ロッドを伸縮
    操作してその先端部を上部構造体の内壁面に離接させる
    ことにより上部構造体の下縁部と下部構造体の上縁部と
    の位置ずれを修正しながら上部構造体を下部構造体上に
    吊り降ろすことを特徴とするコンクリート構造体の据付
    け方法。
  2. 【請求項2】 上記支持部材は、下部構造体の対向内壁
    面間に架橋された各対向内壁面当り少なくとも2本の可
    変長ロッドによって形成することを特徴とする請求項1
    記載のコンクリート構造体の据付け方法。
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