JP3180516B2 - 両面塗工紙の製造方法 - Google Patents

両面塗工紙の製造方法

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JP3180516B2 JP18137693A JP18137693A JP3180516B2 JP 3180516 B2 JP3180516 B2 JP 3180516B2 JP 18137693 A JP18137693 A JP 18137693A JP 18137693 A JP18137693 A JP 18137693A JP 3180516 B2 JP3180516 B2 JP 3180516B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、原紙の上に下塗り層及
び上塗り層を設けたダブル塗工による両面塗工紙の製造
方法に関する。さらに詳しく述べるならば、本発明は、
嵩高で光沢度及び平滑度の高い印刷適性に優れた塗工紙
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】文化水準の向上とともにカタログ、出版
物及び印刷物等の紙製品に対する高級化の要請が強くな
り、原紙に顔料を塗工したいわゆる塗工紙は白色度、光
沢度及び平滑度が高く印刷仕上がりが優れているため、
種々の分野で塗工紙を使用する頻度が増えている。塗工
紙の前記品質を確保するためには塗工組成物を塗工した
後スーパーカレンダー掛けのような艶掛け装置において
塗工紙を処理し、平滑化処理を施すが、これには塗工紙
の密度が高くなることを伴い、通常密度は、1.15g
/cm3以上にも達する。
【0003】一方、経済面からみると、紙及びその物流
コスト低減のための軽量化が望まれている。軽量化の方
法として、塗工量を減らすことは光沢度のような紙の表
面特性の維持を困難とし、一方原紙の重量、即ち米坪量
の低減は紙の厚みの低下を伴い印刷作業適性として重要
な紙の腰を弱くすることになり、いずれも問題がある。
【0004】塗工紙の印刷適性、印刷作業適性及び重厚
感(高級感)を損なわずに軽量化するために、しかも光
沢度、平滑度等の表面特性を低下させずに紙の厚さを維
持する方法として、原紙を抄造する際に添加する填料と
して通常のタルク、炭酸カルシウムを微細中空ガラス球
状のもので置き換える方法(特開昭52−74001号
公報)、填料として二酸化チタン含有気泡ビーズを使用
する方法(特開昭63−126996号公報)、粒径
0.5〜30μmの中空球状炭酸カルシウムを填料の一
部として用いる方法(特公平4−50435号公報)等
が開示されているが、いずれも紙力及び白色度が低下す
るため紙力増強剤の増添を要するとか、二酸化チタン及
び発泡原料が高価であるという問題点を有し、更にはパ
ルプの種類や併用する水溶性高分子の量や種類の制約を
受け易く、それらの使用条件を厳しく吟味する必要があ
るといった欠点を有している。
【0005】又、塗工後に処理する方法としては、弾性
樹脂ロールと加熱可能なスチールロールとを組み合わせ
たいわゆるソフトカレンダーを用いる方法(特公昭63
56360号公報、特開平1−321999号公報)
が良く知られており、片面に顔料組成物を塗工した後グ
ロスカレンダー加工を施して光沢度を45%以上とし、
次いで他の面に顔料組成物を塗工して光沢度を25%以
下のマット調となるようにグロスカレンダー加工を軽く
行い(又は行わないで)密度を1.05g/cm3以下
とする方法(特開昭54−156806号公報)が開示
されているが、両面とも光沢度の高くなるように表面特
性を向上させて尚且つ紙の厚さも維持する方策について
は開示されていない。
【0006】さらに、ジルコニウム処理された未焼成カ
オリン粘土からなる嵩高な顔料を使用する方法(特開昭
62−1757号公報)及びニップを有するカレンダー
のような前処理装置により塗工直前に原紙を圧縮する方
法(特開平4−322764号公報)が提案されている
が、いずれも両面の光沢度を高くし、しかも密度を低く
保つものではない。
【0007】以上述べた如く、従来から印刷適性及び印
刷作業適性に優れ、しかも光沢度及び平滑度が高く、且
つ嵩が高いという二律背反的な品質を兼ね備えた両面塗
工紙は需要として強く望まれていたが経済的に製造する
ことは困難であった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明者等は、かかる
現状に鑑み前記問題点を解消すべく鋭意検討を重ねた結
果、設備の大幅な改造が不要で高価な原料及び薬品類を
使用することなく目的を達成する方法、すなわち特定の
粒径を有する微細なカオリンを主体とする塗工組成物を
上塗り層として塗工した後、軽度にカレンダー掛けを行
うことにより、光沢度及び平滑度の表面特性と嵩高さを
両立させた両面塗工紙が得られることを見出し、本発明
を完成させるに至った。
【0009】本発明の目的は、嵩高で且つ光沢度及び平
滑度の高い印刷適性に優れた両面塗工紙の製造方法を提
供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、顔料及び接着
剤を主成分とする塗工組成物を、セルロースパルプを主
成分とする原紙の両面に、下塗り層及び上塗り層として
塗工、乾燥することからなる両面塗工紙の製造方法にお
いて、平均粒径0.3〜0.8μmのカオリンを全顔料
に対して50重量%以上含有する塗工組成物を上塗り層
として塗工した後、軽度にカレンダー掛けを行うことに
より、密度1.05g/cm3以下で、平滑度300秒
以上、且つ光沢度40%以上とすることを特徴とする両
面塗工紙の製造方法である。
【0011】本発明で用いる上塗り層のための塗工組成
物は、平均粒径が0.3〜0.8μm、好ましくは0.
4〜0.6μmの範囲の微細なカオリンを全顔料中50
重量%以上、好ましくは80〜100重量%含有するも
のである。カオリンは板状構造を有し、カオリン鉱物か
ら得られたものであって、塗工膜の平滑性発現効果に優
れているが、平均粒径が0.8μmを超えると塗工紙の
光沢度及び平滑度が低くなって印刷適性が不十分とな
り、0.3μm未満ではスラリー粘度の上昇や接着剤の
増添を要するため実用的ではなく適さない。
【0012】更に、前記微細カオリンの全顔料に占める
割合が50重量%未満では塗工紙の光沢度及び平滑度の
改善効果がない。本発明で用いるカオリンは、市販品は
勿論粒径の粗いカオリンを粉砕して微細化したものでも
良い。
【0013】上塗り層のための塗工組成物中の他の顔料
については特に制限はなく、カオリン、クレー、重質及
び軽質炭酸カルシウム、サチンホワイト、二酸化チタ
ン、水酸化アルミニウム、タルク並びにプラスチックピ
グメント等の公知の塗工紙用顔料の少なくとも1種を、
目的に応じて適宜選択して用いることができる。
【0014】又、前記塗工組成物中には、スチレン・ブ
タジエン共重合体、メチルメタクリレート・ブタジエン
共重合体、アクリル酸エステル及び/又はメタクリル酸
エステルの(共)重合体並びにエチレン・酢酸ビニル共
重合体等のラテックス、更には澱粉、酸化澱粉、りん酸
エステル化澱粉、ポリビニルアルコール、カルボキシル
メチルセルロース等の水溶性接着剤等の公知の塗工紙用
接着剤の1種以上が用途に応じて適宜選択して用いられ
る。
【0015】接着剤の配合割合は、高い光沢度及び平滑
度を与えるべく塗工量を多くし印刷適性の優れた塗工紙
を得るため、顔料100重量部に対して10〜20重量
部である。
【0016】前記塗工組成物中には、顔料及び接着剤の
他に分散剤、耐水化剤、消泡剤、着色顔料、染料、pH
調整剤及び粘度調整剤等の各種添加剤を適宜組み合わせ
て配合しても良く、これらの使用には特に制限はない。
【0017】上塗り層の塗工量としては片面当り6〜1
2g/m2である。塗工量が片面当り6g/m2未満では
平滑性が不足し、12g/m2を超えるとコスト高にな
るので適さない。
【0018】本発明において用いられるセルロースパル
プを主成分とする塗工用原紙としては、晒クラフトパル
プ(針葉樹及び広葉樹)、砕木パルプ、脱墨古紙パルプ
等の各種のパルプを適宜混合して公知の抄紙機において
湿式で抄造される紙を任意に使用することができる。
又、この原紙中にはタルク、炭酸カルシウム等の填料、
サイズ剤、歩留向上剤、紙力増強剤、染料、硫酸バンド
並びにピッチコントロール剤等の通常紙を抄造する際に
用いられる各種の助剤薬品を含有させても良く、酸性抄
紙、中性抄紙、アルカリ性抄紙等いずれの抄紙方法で製
造されたものでも良い。更に、紙の最終乾燥の前でサイ
ズプレス、ゲートロールコーター等の各種のコーターに
より澱粉、ポリビニルアルコール、表面サイズ剤等を塗
布したものであっても良い。このようにして得られる本
発明のための原紙の米坪量は50〜160g/m2の範
囲が好適に用いられる。
【0019】本発明のための塗工用原紙は、該原紙を抄
紙機において抄造する際の最終段階に設置されている多
段の金属ロールから構成されているマシンカレンダーの
ニップ圧を上げて原紙の平滑度が15〜80秒、好まし
くは20〜70秒の範囲内に調整される。原紙の平滑度
が15秒未満では塗工紙の光沢度及び平滑度は低く、印
刷面の肌合いも従来品並みに留まり、80秒を超えると
塗工紙の印刷面肌合いは向上するが、その向上効果は緩
慢化するとともに原紙の密度が高くなるために不適であ
る。
【0020】本発明のための下塗り用塗工組成物は、塗
工紙用として通常用いられているものであれば特に制限
を受けることなく使用できる。例えば、カオリン、クレ
ー、炭酸カルシウム、タルク、水酸化アルミニウム、二
酸化チタン及びプラスチックピグメント等の顔料で、好
ましくは1〜3μmの平均粒径をもつもの、分散剤、接
着剤、染料、各種助剤等を適宜配合して構成される塗工
組成物で良く、下塗り層の塗工量は片面当り3〜8g/
2の範囲である。塗工量が3g/m2未満では平滑性が
不足するため上塗り層の塗工量を多くする必要があり、
8g/m2を超えると塗工量を増加しても平滑性の改善
効果が小さくなりいずれもコスト高になるので適さな
い。
【0021】塗工方式についても特に限定されるもので
はなく、エアーナイフコーター、ロールコーター、パド
ル及びインバーター型のブレードコーターでブレードが
ベベル及びベント型のコーター、更にはビルブレード、
ツインブレード、バリドウエルブレード、ショートドウ
エルブレード、ロッドブレード、チャンプレックス等の
各種ブレードコーター等の公知の各種塗工装置が適宜用
いられる。しかしながら、これらの塗工装置のうち、特
にブレードコーターはより平滑な塗工面が得られるた
め、本発明の塗工紙の製造に好ましく用いられる。
【0022】塗工方法としては、まず下塗り層を塗工
後、乾燥工程を経て、次に上塗り層を塗工するというい
わゆるウェット・オン・ドライ方式を用いても良いし、
或いは下塗り層を塗工後、直ちに上塗り層を塗工して乾
燥するというウェット・オン・ウェット方式を用いても
良い。更に、前記の操作を間欠的に又は連続的に行なっ
ても良く、原紙のフェルト(以下Fと称する)面に下塗
り層を塗工して乾燥し、その後ワイヤー(以下Wと称す
る)面に下塗り層を塗工して乾燥し、次いでF面に上塗
り層を塗工して乾燥し、W面にも上塗り層を塗工して乾
燥するという工程を連続的に行なう方法が好適に用いら
れる。
【0023】このようにして下塗り塗工層の上に上塗り
塗工層を設けた両面塗工紙は、表面仕上げ装置として高
温に加熱可能なスチールロールと弾性ロールとの組合せ
による複数ニップを有するライトカレンダー又は1ニッ
プのいわゆるソフトカレンダーに導入され、塗工紙の両
面が平滑化処理される。
【0024】この時のライトカレンダーのニップ圧は4
0〜60Kg/cm、好ましくは45〜55Kg/cm
の範囲から適宜選択されて塗工紙の密度が1.05g/
cm3以下、好ましくは0.95〜1.05g/cm3
光沢度が40%以上、好ましくは42〜65%、平滑度
が300秒以上、好ましくは320〜1000秒となる
ように調整される。ニップ圧が60Kg/cmを超える
と塗工紙が過剰に圧縮されて密度が1.05g/cm3
を超えるので嵩高さがなくなり、40Kg/cm未満で
は効果が期待されない。
【0025】ソフトカレンダーの場合のニップ圧は、5
〜60Kg/cm、好ましくは10〜40Kg/cmの
範囲である。ニップ圧が5Kg/cm未満では平滑性の
向上効果が少なく不適である。ニップ圧が60Kg/c
mを超えると塗工紙の光沢度及び平滑性は充分確保でき
るが、密度が1.05g/cm3を越えるため不適であ
る。尚、ライトカレンダー及びソフトカレンダーとも弾
性ロールのショアD硬度は80〜90度が好ましく、ス
チールロールの表面温度は、塗工紙の品質を損なわない
限り、特に制限はなく通常用いられる範囲で良い。
【0026】以上詳細に説明した如く、本発明では、セ
ルロースパルプを主成分とする原料を用いて公知の抄紙
機で湿式抄紙して得られる塗工用原紙の両面に下塗り用
塗工組成物を塗工、乾燥し、次いで微細カオリンを主成
分とする上塗り用塗工組成物を塗工、乾燥した後、両面
塗工紙の密度が1.05g/cm3以下となるようにカ
レンダー掛けして表面仕上げを施すことによって、JI
S P8142による光沢度が40%以上及びJ.TA
PPI No.5−B、王研式による平滑度が300秒
以上の表面特性を有し、印刷適性に優れた嵩高な両面塗
工紙を得ることができる。
【0027】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に
説明するが、本発明は勿論これによって何等制限される
ものではない。尚、実施例及び比較例中の%及び部は、
いずれも固形分換算の重量%及び重量部を示す。
【0028】本発明で用いた顔料、原紙及び塗工紙の試
験方法は次の通りである。(1)顔料の平均粒子径 SA−CP2型遠心式粒子サイズ分析計(島津製作所
製)を用いて測定した。
【0029】(2)光沢度 JIS P 8142(紙及び板紙の75度鏡面光沢度
試験方法)による。(3)平滑度 J.TAPPI No.5(空気マイクロメーター型試
験器による紙及び板紙の平滑度・透気度試験方法)によ
る。但し(B)王研式平滑度試験器を用いて測定した。
【0030】(4)印刷面の肌合い ローランド2色刷印刷機(FRZF O−1型、ローラ
ンド製)で市販のテスト印刷用インキを用いて印刷を行
い、印刷面の肌合いを肉眼で観察し、判定する。結果を
1から5までの5段階に評価し、3人の評価点の平均値
を0.5刻みで表示した。数値の大きい程良好であるこ
とを示す。
【0031】塗工用原紙の製造 (1)塗工用原紙A 広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)100%のパルプ
に灰分が4%となるように軽質炭酸カルシウム(自社
製)を添加し、内添紙力増強剤(ハリマEX360、ハ
リマ化成製)、定着剤(ケートF、王子コンスターチ
製)等を加え公知の抄紙機で抄造して、更に表面サイズ
剤として酸化澱粉(王子エースA、王子コンスターチ
製)をサイズプレスで2.0g/m2塗布、乾燥して
後、6段の金属ロールからなるマシンカレンダーにおい
てニップ線圧40kg/cmでカレンダー掛けして得ら
れ,米坪量は80g/m2であった。前記塗工用原紙の
平滑度はF面が25秒で、W面が20秒であった。実施
例1〜5、8〜10及び比較例1〜5に供した。
【0032】(2)塗工用原紙B マシンカレンダーのニップ圧を75Kg/cmとして塗
工用原紙の平滑度をF/W=45秒/40秒とした以外
塗工用原紙Aと同じパルプ組成で同様にして塗工用原紙
Bを製造し、実施例6及び11に供した。
【0033】(3)塗工用原紙C マシンカレンダーのニップ圧を100Kg/cmとして
塗工用原紙の平滑度をF/W=62秒/52秒とした以
外塗工用原紙Aと同じパルプ組成で同様にして塗工用原
紙Cを製造し、実施例7及び12に供した。
【0034】下塗り用塗工組成物 下記の重質炭酸カルシウム及びカオリンからなる顔料に
分散剤としてポリアクリル酸ナトリウム(アロンT−4
0)を添加し、デリッターを用いて水中に均一に分散さ
せ、次いでSBRラテックス及び酸化澱粉を添加し、更
に防腐剤、染料及びその他の助剤並びに水を添加し、最
後に水酸化ナトリウム水溶液でpHを9.5に調整し、
十分混合分散して固形分濃度60%の下塗り用塗工組成
物を調製して実施例及び比較例に供した。
【0035】 重質炭酸カルシウム(平均粒径1.30μm、粉砕) 90部 カオリン(HTカオリン、エンゲルハード製) 10部 分散剤(アロンT−40、東亜合成製) 0.03部 SBRラテックス(JSR2300、日本合成ゴム製) 8部 酸化澱粉(王子エースA、王子コーンスターチ製) 3部 防腐剤、着色顔料及び染料等 適宜
【0036】上塗り用塗工組成物 実施例1 下記のカオリンに分散剤としてのポリアクリル酸ナトリ
ウム(アロンT−40)を添加し、デリッターを用いて
水中に均一分散させて固形分濃度70%に調製し、次い
で、これに重質炭酸カルシウムを添加した後、SBRラ
テックス及び酸化澱粉を添加し、更に防腐剤、着色顔
料、染料及びその他の助剤並びに水を添加し、最後に水
酸化ナトリウム水溶液でpHを9.5に調整し、十分混
合分散して固形分濃度63%に調製した。
【0037】 カオリン(カオファイン90、シールカオリン製、平均粒径0.41μm) 30部 カオリン(カオファイン、シールカオリン製、平均粒径0.59μm) 30部 カオリン(コマルコカオリン、コマルコ製、平均粒径0.85μm) 20部 重質炭酸カルシウム(平均粒径1.30μm、粉砕) 20部 分散剤(アロンT−40、東亜合成製) 0.05部 SBRラテックス(JSR2621B、日本合成ゴム製) 14.5部 酸化澱粉(王子エースA、王子コーンスターチ製) 2部 防腐剤、着色顔料及び染料等 適宜
【0038】実施例2 上塗り塗工組成物の顔料を下記の配合としたこと以外
は、実施例1と同じようにして上塗り用塗工組成物を調
製した。 カオリン(カオファイン90) 40部 カオリン(カオファイン) 30部 カオリン(コマルコカオリン) 10部 重質炭酸カルシウム(平均粒径1.30μm、粉砕) 20部
【0039】実施例3及び9 上塗り塗工組成物の顔料を下記の配合としたこと以外
は、実施例1と同じようにして上塗り用塗工組成物を調
製した。 カオリン(カオファイン90) 60部 カオリン(カオファイン) 20部 カオリン(コマルコカオリン) 10部 重質炭酸カルシウム(平均粒径1.30μm、粉砕) 10部
【0040】実施例4 下記のカオリンに分散剤としてのポリアクリル酸ナトリ
ウム(アロンT−40)を添加し、デリッターを用いて
水中に均一分散させて固形分濃度70%に調製し、次い
で、これにSBRラテックス及び酸化澱粉を添加し、更
に防腐剤、着色顔料、染料及びその他の助剤並びに水を
添加し、最後に水酸化ナトリウム水溶液でpHを9.5
に調整し、十分混合分散して固形分濃度63%に調製し
た。尚、ポリアクリル酸ナトリウム、SBRラテックス
及び澱粉の各添加量は実施例1と同じにした。 カオリン(カオファイン90) 90部 カオリン(コマルコカオリン) 10部
【0041】実施例5〜7及び10〜12 上塗り塗工組成物の顔料としてカオリン(カオファイン
90)のみを100部用いたこと以外は、実施例4と同
様にして上塗り塗工組成物を調製した。
【0042】実施例8 上塗り塗工組成物を実施例1と同じようにして調製し
た。
【0043】比較例1及び4 上塗り塗工組成物の顔料を下記の配合としたこと以外
は、実施例1と同様にして上塗り塗工組成物を調製し
た。 カオリン(αコート、ECC製、平均粒径1.30μm) 55部 カオリン(コマルコカオリン) 30部 重質炭酸カルシウム(平均粒径1.30μm、粉砕) 15部
【0044】比較例2 上塗り塗工組成物の顔料を下記の配合としたこと以外
は、実施例1と同様にして上塗り塗工組成物を調製し
た。 カオリン(カオファイン) 40部 カオリン(αコート) 40部 重質炭酸カルシウム(平均粒径1.30μm、粉砕) 20部
【0045】比較例3及び5 上塗り塗工組成物の顔料を下記の配合としたこと以外
は、実施例1と同様にして上塗り塗工組成物を調製し
た。 カオリン(カオファイン90) 45部 カオリン(αコート) 35部 重質炭酸カルシウム(平均粒径1.30μm、粉砕) 20部
【0046】塗工用原紙への塗工方法 前記の下塗り用及び上塗り用塗工組成物を、それぞれ下
記の条件で塗工用原紙の両面にブレード方式でダブル塗
工した。 塗工方式:下塗り・・・ショートドウエルコーター 上塗り・・・バリドウエルコーター 塗工速度:下塗り・・・1000m/分 上塗り・・・1000m/分 塗工量 :下塗り・・・片面当り5g/m2(両面で1
0g/m2) 上塗り・・・片面当り8g/m2(両面で16g/m2) 乾燥方法:下塗り及び上塗りとも、エアードライヤーと
シリンダードライヤーの組合せにより塗工紙をそれぞれ
乾燥し、乾燥温度は、最終乾燥後の塗工紙の水分含有量
が5%となるように調整した。
【0047】両面塗工紙の表面仕上げ(カレンダー掛け) 実施例1〜7及び比較例1〜3 塗工後、表面温度60℃に調整された3本のチルドロー
ル及び3本の弾性ロール(材質:スペシャルホワイトコ
ットン、ショアD硬度85度)からなる6段(5ニッ
プ、自重、ニップ圧51Kg/cm)のライトカレンダ
ーを用いて、通紙速度700m/分で両面塗工紙にカレ
ンダー掛けを施し、得られた塗工紙の評価を行い結果を
表1に示した。
【0048】実施例8〜12及び比較例4及び5 塗工後、コットンロールとスチールロールからなる1ニ
ップのテスト用ソフトカレンダー(王子工営製)を用い
て、ニップ圧20Kg/cm、スチールロール温度80
℃及び通紙速度100m/分で両面塗工紙にカレンダー
掛けを施し、得られた塗工紙の評価を行い結果を表2に
示した。
【0049】
【表1】
【0050】
【表2】
【0051】表1から明らかな如く、上塗り用塗工組成
物中の顔料として平均粒径が0.3〜0.8μmの範囲
の微細カオリンの配合比率が50重量%以上の本発明に
よる両面塗工紙は塗工紙の密度を1.05g/cm3
下に維持しつつ、且つ光沢度40%以上及び平滑度30
0秒以上の優れた表面特性を有し(実施例1〜7)、特
に微細カオリンの比率が80重量%以上の配合比率の上
塗り用塗工組成物を塗工した場合はより一層優れた表面
特性を有する(実施例3〜7)。塗工用原紙の平滑度を
高くすると、嵩高で高い光沢度及び平滑度を維持しなが
らとりわけ印刷面の肌合いが格別優れたものとなる(実
施例6及び7)。
【0052】これに対し、ライトカレンダー掛けを施し
た両面塗工紙でも平均粒径が0.3〜0.8μmの微細
なカオリンの上塗り用塗工組成物中の顔料に占める比率
が50重量%未満である場合(比較例1〜3)、本発明
による両面塗工紙に比べ光沢度及び平滑度が劣ってい
る。
【0053】ソフトカレンダー掛けを行った両面塗工紙
の評価結果を示す表2からも、上塗り用塗工組成物中の
顔料として微細なカオリンの配合比率が50重量%以上
の本発明による両面塗工紙は、嵩高で光沢度及び平滑度
の高い優れた表面特性を有し(実施例8〜12)、その
中でも塗工用原紙の平滑度が高い場合、印刷面の肌合い
が格別優れた両面塗工紙が得られ(実施例11〜1
2)、これに対し微細なカオリンが50重量%未満配合
された上塗り塗工組成物を用いた場合、印刷面の肌合い
は変わらないが、光沢度と平滑度が低い。
【0054】
【発明の効果】本発明は、嵩高で、且つ光沢度と平滑度
が高く、しかも印刷面の肌合いが優れ、即ち印刷適性及
び印刷作業適性に優れた両面塗工紙を、設備の大幅な改
造を必要とせず、高価な原料及び薬品類を使用すること
なく製造できる方法を提供できるという効果を奏する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き 合議体 審判長 小林 正巳 審判官 寺本 光生 審判官 喜納 稔 (56)参考文献 特開 平3−294600(JP,A) 特公 平2−60797(JP,B2) 塗工用顔料と製紙用填料、ユニ出版株 式会社、123ページ 1989年1月20日発 行

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 顔料及び接着剤を主成分とする塗工組成
    物を、セルロースパルプを主成分とする原紙の両面に、
    下塗り層及び上塗り層として塗工、乾燥することからな
    る両面塗工紙の製造方法において、平均粒径0.3〜
    0.8μmのカオリンを全顔料に対して50重量%以上
    含有する塗工組成物を上塗り層として塗工した後、軽度
    にカレンダー掛けを行うことにより、密度1.05g/
    cm3以下で、平滑度300秒以上、且つ光沢度40%
    以上とすることを特徴とする両面塗工紙の製造方法。
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塗工用顔料と製紙用填料、ユニ出版株式会社、123ページ 1989年1月20日発行

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