JP3179709B2 - 連続熱間圧延における金属片の接合方法およびその装置 - Google Patents

連続熱間圧延における金属片の接合方法およびその装置

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JP3179709B2
JP3179709B2 JP18752796A JP18752796A JP3179709B2 JP 3179709 B2 JP3179709 B2 JP 3179709B2 JP 18752796 A JP18752796 A JP 18752796A JP 18752796 A JP18752796 A JP 18752796A JP 3179709 B2 JP3179709 B2 JP 3179709B2
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英幸 二階堂
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、シートバーやス
ラブ、ビレットあるいはブルーム等の金属片、特に鋼片
を数本乃至は数十本にわたって連続して圧延するのに適
した金属片の接合方法およびその装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、金属片の熱間圧延では圧延に供す
る材料を一本毎に加熱して粗圧延、仕上げ圧延して所望
の厚さになる製品板に仕上げていたが、このような圧延
方式では材料を一本づつ圧延機に噛み込ませる必要があ
るために材料の噛み込み不良の発生頻度が高くなる不具
合がある他、ライン停止時間の延長や圧延材先端の形状
不良による歩留り低下が避けられない不利があった。
【0003】これらの問題に対処するため、最近では仕
上げ圧延に先立って先行金属片の後端部と後行金属片の
先端部を加熱、相互に突き合わせ接合して仕上げ圧延を
行う特開昭57−109504号公報、あるいは特開昭
57−137008号公報に開示のような連続熱間圧延
方式が採用されるようになってきた。
【0004】また、特開昭62−234679号公報に
は、金属片の仕上げ圧延設備の入側にて、先行する金属
片の後端部と後続の金属片の先端との間に微小なギャッ
プを開けて対向配置し、その直上と直下の少なくとも一
方に配置した加熱用のコイルで誘導加熱しながら、また
は加熱したのち、互いに両金属片を押圧することにより
接合する金属片の接合方法が提案されている。
【0005】ところで、かかる圧延方式においては、金
属片の接合に先立つクロップ除去のための切断作業を行
った際に、その端部が上あるいは下に反るため接合部に
目違いが生じ、接合部における板厚方向の実質的な接合
面積が減少するため仕上げ圧延中に板が破断することが
あり、その解決が望まれていた。
【0006】この点に関しては、金属片の位置固定と相
互押圧に使用するクランプに工夫を加えたPCT出願W
O94/29040号公報(国際公開公報)に開示され
ているような技術が提案されていて、これによって接合
の際の目違いは著しい改善がなされた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
従来技術はいずれにおいても金属片の相互押圧に際して
装置自体に弾性変形が生じること、金属片の接合に寄与
しない部分において金属片の変形が生じること、また、
これに加えて先行金属片と後行金属片の相互間隔の正確
な把握ができないために予め設定した金属片の接合に要
する押圧量を確保することができないころに問題を残し
ていた。
【0008】ここに、装置自体の弾性変形が大きい場合
や金属片の接合に寄与しない部分における変形が大きい
場合には接合に要する押圧量が得られないため接合部の
強度低下を来し圧延中に板が破断する不具合がある一
方、金属片の相互間隔が把握できないため必要以上に押
圧した結果、接合部に大きな隆起部が形成されその除去
に多大な労力を要することの他、隆起部を除去する際に
接合部が破断することがあり、また、隆起部を除去する
装置への負荷が大きいのでその寿命への影響が著しい。
【0009】この発明の目的は、金属片を接合して連続
的に熱間圧延する場合に生じていた上述のような従来の
問題を解消できる接合方法および装置を提案するところ
にある。
【0010】
【課題を解決するための手段】この発明は、先行金属片
の後端部と後行金属片の先端部をそれぞれ接合装置内に
設置した加熱手段にて加熱し、同じく該装置内に配置し
た押圧手段にて該金属片を押圧して相互に接合したの
ち、複数のスタンドを配列した圧延設備に送給して連続
的に熱間圧延するに当たり、金属片の押圧する向きに沿
う接合装置の変形量及び/又は金属片の押圧方向におけ
る変形量を求め、この変形量と金属片の接合に要する押
圧量に基づいて押圧手段を操作する、ことを特徴とする
熱間圧延における金属片の接合方法ある。
【0011】この発明においては、金属片を押圧する際
の押圧荷重と金属片の押圧する向きに沿う接合装置の変
形量及び/又は金属片の押圧方向における変形量との関
係を予め求めておき、これらの関係と押圧荷重から変形
量を求める。
【0012】また、この発明においては、先行金属片及
び後行金属片をそれぞれ挟圧支持するクランプの相互間
距離の変化を検出し、この値が、金属片の接合に要する
押圧量と金属片の押圧方向の変形量との和になるように
押圧手段を操作することが可能であり、また、金属片の
押圧時における実際の押圧荷重を検出し、この検出値を
用いて押圧荷重と、金属片の押圧方向の変形量との関係
に基づいて変形量を求めることもできる。
【0013】
【0014】また、この発明は、先行金属片の後端部と
後行金属片の先端部をそれぞれ加熱、相互に押圧して接
合する加熱、押圧手段を備えた装置であって、この装置
は、金属片の押圧する向きに沿う装置本体の変形量及び
/又は金属片の押圧方向における変形量を求める変形量
検出手段と、この変形量検出手段にて求めた変形量と金
属片の接合に要する押圧量に基づいて押圧手段を操作す
る制御手段を有する、ことを特徴とする熱間圧延におけ
る金属片の接合装置である。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、図面を用いてこの発明をよ
り具体的に説明する。図1はこの発明の実施に用いて好
適な熱間圧延設備の一例を示したものであって、図中1
は先行金属片、2は先行金属片1に続いて搬送される後
行金属片、3は粗圧延機、4は金属片の巻き取り巻戻し
機、5は圧延機F1,F2 --- をタンデムに配列した熱間
仕上げ圧延機群、6は先行金属片1の後端部および後行
金属片2の後端部をそれぞれ切断する切断装置、7は接
合装置であって、この接合装置7は両金属片1, 2の突
き合わせ端部を加熱、昇温する加熱手段である誘導加熱
用コイルQと金属片の各端部を挟圧支持するクランプS
1,S2 とクランプS1,S 2 による挟圧支持下に金属片を
相互に押圧する押圧手段(図示しない)からなる。ま
た、8は金属片の接合に際して生じた隆起部 (ばり等)
を除去する除去装置、9は仕上げ圧延に先立って金属片
1, 2の表面に生成したスケールを除去するためのスケ
ールブレーカーである。加熱手段はレーザ又はプラズマ
あるいはガス加熱を用いて加熱する手段でも良い。
【0016】接合装置7の要部を拡大して図2に示す
が、先行金属片1と後行金属片2を接合するには、先行
金属片1および後行金属片2の端部が接合装置7に到達
した段階でクランプS1 、S2 によってかかる部位をギ
ヤップを開けた状態で挟圧支持する。
【0017】そして、誘導加熱用コイルQにて金属片の
板厚方向に交番磁界を印加して加熱、昇温し接合予定部
である接合部先端が所定の温度に達した時点で図中のL
寸法を減少させるべくクランプS1 、S2 を相互に押圧
手段7b,7cで接近させ、両金属片を押圧する。
【0018】押圧手段は何れか一方であってもよい。押
圧手段の操作量の調整は油圧装置等を利用して金属片の
搬送ラインに沿う向きにおいて任意に調整することがで
きるが、この発明は油圧装置のみに限定されるものでは
ない。
【0019】図2における番号7aはメインフレームで
あり、両金属片を押圧する際の反力を受ける。
【0020】この発明は、接合装置の変形及び/又は金
属片の変形が大きいことを知見して、所定の金属片の接
合に要する押圧量−ΔSを達成すべくその変形量を考慮
して押圧手段の操作量ΔDを決定するところにあり、以
下この点について図2を用いて説明する。
【0021】先行金属片1、後行金属片2の端部が押圧
力0で接触している状態を基準とし、その状態から点P
1 〜P7 の水平方向における接合装置の変形について考
える。
【0022】ここに、点P4 , P5 は金属片の接合に要
する押圧量を実験的に求めるための標点であり距離P4,
5 の減少量を金属片の押圧量と定義する (基準状態に
おける距離P4,P5 は目標の押圧量をUaim とするとき
4,P5 ≧Uaim となるようにP4 , P5 を決める) 。
点P4 ,P5 の間隔である金属片の端部の標点間距離を
Sとする。また、点P3 ,P6 はクランプS1 , S2
直下の点とし、その間隔であるクランプ相互間距離を
L、メインフレームとクランプとの間隔 (押圧手段によ
り直接調整可能な量) をDとし、その他、a, c1 , c
2 , d1 , d2 については上掲の図2のように定義す
る。
【0023】例えば押圧手段を2台設置し、その一方の
押圧手段7bを操作する場合を例として説明する。メイ
ンフレーム7aとクランプS1 の間隔Dを操作して押圧
力がPになったとき、上記の定義量が基準状態からの変
化量をそれぞれΔD, ΔL,ΔS, Δa, Δc1 , Δ
2,Δd1 , Δd2 とすると、ΔDが押圧手段の操作
量、−ΔSが金属片の押圧量であり、次の関係が成り立
つ。
【0024】 Δa=ΔD+Δc1 +ΔL+Δc2 ---(1)
【0025】また、クランプ相互間距離の変化量ΔLは
(2) 式と表される。 ΔL=Δd1 +ΔS+Δd2 ----(2) 上記(1) 式に(2) 式を代入し、押圧手段の操作量ΔDに
ついて整理すると(3) 式となる。 ΔD=−ΔS+ (Δa−Δc1 −Δc2)+ (−Δd1 −Δd2) ----(3) そこで、金属片の押圧量 (−ΔS) を、接合が適切に行
われ、圧延時に板の破断が発生しない、接合に要する所
定の押圧量とし、その際の押圧荷重による接合装置の金
属片の押圧する向きに沿う変形量 (Δa−Δc1 −Δc
2)及び金属片の変形量 (−Δd1 −Δd2)を求めて、こ
れらの変形量と金属片の接合に要する押圧量−ΔSとに
基づいて操作量ΔDが(3) 式の右辺と同じになるように
押圧手段を操作することにより金属片を相互に接合すれ
ばよい。ここで、上記(3) 式は、押圧手段の操作量ΔD
が、金属片の押圧量、接合装置の変形量及び金属片の変
形量の合計と一致することを示している。
【0026】金属片の接合に要する押圧量−ΔSは、先
行金属片の後端と後行金属片の先端の板厚、板幅、温
度、鋼種および接合時の加熱温度によって異なるので、
予め実験などによって求めておき実際に接合する際には
両金属片の板厚、板幅、温度、鋼種および接合時の加熱
温度の設定値を用いて推定すればよい。
【0027】また、これらの因子の実績値を検出し、そ
れを用いて接合に要する押圧量−ΔSを推定することも
できる。
【0028】上記(2) 式より、 −ΔL=−ΔS+ (−Δd1 −Δd2) ---(4) 従って、クランプ相互間距離Lを検出し、その変化量−
ΔLの値が所定の金属片の接合に要する押圧量 (−Δ
S) と金属片を押圧した際の変形量 (−Δd1 −Δd2)
との和になるように押圧手段を操作すればよい。
【0029】押圧手段の操作量ΔDを上記(3) 式の右辺
となるように押圧手段を操作する場合には接合装置の金
属片の押圧する向きに沿う変形量 (Δa−Δc1 −Δc
2)を求める必要があり、この推定に誤差が生じることが
るが、接合装置に配置した検出手段にて−ΔLを求める
ことで接合装置の金属片の押圧する向きに沿う変形量を
求めることが不要となり、推定誤差が含まれないので押
圧量−ΔSをより精度よく得ることができる。
【0030】接合装置のメインフレーム及びクランプを
剛体とみなせるときは接合装置の変形量が無視でき、
(3) 式でΔc1 ≒0、Δc2 ≒0、Δa≒0として、押
圧手段を操作すれば良い。
【0031】一方、d1 、d2 の距離が短い場合などで
は、金属片の変形量が無視でき、(3) 式、(4) 式におい
てΔd1 ≒0、Δd2 ≒0とみなして、押圧手段を操作
すれば良い。
【0032】次に、接合装置の各部の変形量Δa、Δc
1 、Δc2 と押圧荷重Pの間に例えば、 P=kM Δa P=−kC1Δc1 P=−kC2Δc2 ここにkM :メインフレームのバネ定数 kC1:クランプS1 のバネ定数 kC2:クランプS2 のバネ定数 の関係があるとすれば、接合装置の金属片の押圧する向
きに沿う変形量 (Δa−Δc1 −Δc2)は (Δa−Δc1 −Δc2)= (1/kC1+1/kM +1/kC2) P となる。
【0033】したがって、接合装置の各部の変形量と押
圧荷重の関係を予め求めておけば、これらの関係と押圧
荷重Pから、変形量を求めることができることになる。
【0034】また、たとえば金属片の変形量Δd1 、Δ
2 と押圧荷重Pとの間に、 P=−kd1Δd1 P=−kd2Δd2 の関係があるとすると、金属片の変形量(−Δd1 −Δ
2)は (−Δd1 −Δd2)= (1/kd1+1/kd2) P となる。したがって、金属片の変形量と押圧荷重の関係
を予め求めておけば、これらの関係と押圧荷重Pから変
形量を求めることができる。
【0035】なお、各変形量と押圧荷重Pの関係は上記
の比例の関係に限らずこの発明を適用できる。また押圧
荷重Pは推定することで求めることができるが、検出す
ることによって求めればさらに好ましい。接合装置に例
えば、ガタ (隙間量) δ0 がある場合は、上記(3) 式を ΔD=−ΔS+ (Δa−Δc1 −Δc2)+ (−Δd1 −Δd2)−δ0 ----(3) ′ と修正することによって推定精度を高めることができ
る。
【0036】
【実施例】上掲図1に示した熱間圧延設備を用いて、次
の要領で連続熱間圧延を実施した。
【0037】比較例 まず、両シートバーの接合に先立ち、先行シートバーお
よび後行シートバーの板厚、板幅、温度、鋼種及び接合
時の加熱温度の設定値に合わせて加熱実験を行ったとこ
ろ、加熱後の両シートバーの端部において固相線温度を
超える領域の幅は4mm程度であった。この結果から板幅
方向のばらつきを考慮して、接合部に要する押圧量であ
る押圧量目標値を5mmとした。
【0038】幅が1600mm、厚さ30mmの低炭材シートバー
を用い、それらの、後端部および先端部を切断装置によ
って切断し、次いで先行シートバーの後端および後行シ
ートバーの先端を接合装置において一致させ、クランプ
にて挟圧支持した後、高周波誘導加熱によりシートバー
を10秒間加熱し、接合予定部の端面を溶融させ、押圧手
段の操作量ΔDを接合に要する押圧量と同じ5mmとして
両シートバーを相互に押圧して接合した。
【0039】この時の圧延No. と押圧に要した押力荷重
Pとの関係を図3 (a) に、押圧手段の操作量ΔDと板
幅中心において計測したシートバーの接合部先端におけ
る押圧量−ΔSとの関係を図3 (b) に示す。
【0040】ここで、シートバーの押圧量−ΔSがどの
程度になっているかを調べるために、クランプの相互間
距離Lを測定して求めた挟圧支持部間の変化量−ΔL
と、押圧荷重Pの測定値から推定される圧延材の変形量
(−Δd1 −Δd2)から、 (4) 式を用い−ΔSを算出
した。
【0041】図からわかるように操作量ΔDを5mmとし
ているので接合装置及び鋼片の変形によって接合部の押
圧量−ΔSが約2.5 mmと小さくなってしまっている。そ
の後、接合されたシートバーに仕上圧延を施して厚さ1.
2 〜5mmの熱延板に仕上げた。スタンド間の張力の設定
値は前段で0.5 〜1kgf/mm2 、後段で1〜1.5 kgf/mm2
とした。その結果、仕上げ板厚が1.5 mm以下では仕上げ
後段のスタンド間で接合部における板破断が多発し、と
くに、1.2 mm厚では通板可能率は70%程度であった。こ
れは押圧量が不足したので接合界面にスケールなどの不
純物が残在し、接合強度が低下し破断に至ったためであ
る。
【0042】実施例1 次に、この発明に従い比較例と同じサイズになるシート
バーを用いて接合処理を行った。図4に押圧手段の操作
量の決定要領を示す。接合に要する押圧量の目標値は比
較例と同じ5mmとした。
【0043】また、両シートバーの挟圧支持部から接合
部直前までの部位における金属片の変形量Δd (mm) と
押圧荷重P(tonf) の関係を調査したところ、このよう
な条件の場合、 −Δd1 −Δd2 =P/50 ---(5) となることがわかった。押圧荷重P=100tonfのとき2
mm程度であった。
【0044】さらに、この実施例における接合装置の剛
性測定を実施したところ、ΔL=ΔS+ (Δd1 +Δd
2)=0の下で、下式の関係があることがわかった。 ΔD+δ0 =Δa−Δc1 −Δc2 =0.002 P ----(6) ここで、接合装置のガタδ0 =−0.5mm であった。
【0045】以上の予備調査を行ったのち、比較例と同
様に先行シートバーの後端および後行シートバーの先端
を接合装置において一致させ、クランプにて挟圧支持し
た。そして、この状態で高周波誘導加熱により両シート
バーを10秒間加熱し接合予定部の端面を溶融させた後、
両シートバーを相互に押圧して接合した。
【0046】シートバーの押圧に際しては、押圧荷重P
をロードセルを用いて検知し、(5)式でシートバーの変
形量を推定した。また、(6) 式で接合装置の変形量を推
定し、押圧手段の操作量ΔDが(3) 式 の右辺の値とな
るように操作した。
【0047】この時のシートバーNo. と押圧に要した荷
重Pの測定値を図5 (a) に、また、押圧手段の操作量
ΔDおよび比較例1の場合と同様にして求めた板幅中心
での接合部先端における押圧量−ΔSの推定値を図5
(b) に示す。
【0048】この発明では図5 (a)(b) より明らかな
ように接合装置及び金属片の変形量を押圧力に応じて求
め、押圧手段を操作したのでシートバーの接合部先端に
おける押圧量(−ΔS)は目標値の5.0 mmを得ることが
できた。
【0049】その後、接合したシートバーに仕上げ圧延
を施して厚さ1.2 〜5mmの熱延板に仕上げた。スタンド
間の張力の設定値は前段で0.5 〜1kgf/mm2 、後段で1
〜1.5 kgf/mm2 とした。その結果、厚さ1.2 mmの場合に
おいては、100 本の圧延の実施において一部において孔
あきが生じたものの、重大な破断が見られることはなか
った。
【0050】実施例2 次に、図6に示した要領に従い押圧手段の操作量を決定
して同一のシートバーの接合を行った。まず、上記の比
較例と同様に、先行シートバーの後端および後行シート
バーの先端を接合装置において一致させ、クランプにて
挟圧支持し、その状態で高周波誘導加熱によって両シー
トバーを10秒間加熱し接合予定部の端面を溶融させた。
この時点で、温度センサーを用いて両金属片の温度およ
び接合部の温度を検出し、また、板幅計、板厚計によっ
て両シートバーの板幅および板厚を検出し、得られた実
測値に基づいて接合部に要する押圧量の目標値を求めた
ところその値はそれぞれのシートバーにより4.9 〜5.2
mmの範囲となった。
【0051】接合に要する押圧量のそれぞれの目標値を
用いて、両シートバーを相互に押圧して接合した。その
際、クランプの相互間距離Lを距離計を用いて検出し、
距離Lの減少分−ΔLが(4) 式の右辺に一致するように
押圧手段の操作量ΔDを制御した。ここで(−Δd1
Δd2 )は実施例1と同様にして求めた。
【0052】このとき、押圧手段の操作量と、押圧に要
した荷重の測定値および板幅中心での接合部先端の押圧
量の推定値を図7に示す。図7から明らかなようにそれ
ぞれの接合に要する押圧量の目標値となるように操作手
段の操作量ΔDが操作された結果接合部先端における押
圧量 (−ΔS)はほぼ押圧量の目標値に一致した。
【0053】その後、接合したシートバーに対して仕上
げ圧延を施し厚さ1.2 〜5mmの熱延板に仕上げた。スタ
ンド間の張力の設定値は前段で0.5 〜1kgf/mm2 、後段
で1〜1.5 kgf/mm2 とした。その結果、厚さ1.2 mmの圧
延を実施した場合でも板の孔あきや破断の発生は皆無で
あった。
【0054】加熱手段は誘導加熱用コイルとして説明し
たが、レーザ又はプラズマを用いて加熱する手段として
もこの発明において適用できる。
【0055】
【発明の効果】この発明によれば、金属片と金属片を接
合する場合に接合装置の操作量を調整するようにしたの
で、金属片を接合する際の押圧量が正確になり、接合時
に生じる隆起部の除去に起因した板の破断、ならびに、
圧延時における板の破断が回避され、生産性の高い連続
熱間圧延が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明を実施するのに用いて好適な連続熱間
圧延ラインの模式図である。
【図2】接合装置の構成を示した図である。
【図3】aは比較例における圧延No. と押圧力の関係を
示した図であり、bは比較例における圧延No. と押圧操
作量およびシートバーの押圧量の関係を示した図であ
る。
【図4】接合装置(押圧手段)の操作量の決定要領を示
した図である。
【図5】aは実施例1における圧延No. と押圧力の関係
を示した図であり、bは実施例1における圧延No. と押
圧操作量およびシートバーの押圧量の関係を示した図で
ある。
【図6】接合装置(押圧手段)の操作量の決定要領を示
した図である。
【図7】aは実施例2における圧延No. と押圧力の関係
を示した図であり、bは実施例2における圧延No. と押
圧操作量およびシートバーの押圧量の関係を示した図で
ある。
【符号の説明】
1 先行金属片 2 後行金属片 3 粗圧延機 4 巻き取り巻戻し装置 5 仕上げ圧延機群 6 切断装置 7 接合装置 8 隆起部除去装置 9 スケールブレーカー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 磯辺 邦夫 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎 製鉄株式会社 技術研究所内 (72)発明者 二階堂 英幸 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎 製鉄株式会社 千葉製鉄所内 (72)発明者 磯山 茂 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎 製鉄株式会社 千葉製鉄所内 (72)発明者 森本 和夫 広島県広島市西区観音新町4丁目6番22 号 三菱重工業株式会社 広島研究所内 (72)発明者 宮本 邦雄 広島県広島市西区観音新町4丁目6番22 号 三菱重工業株式会社 広島製作所内 (72)発明者 黒田 彰夫 広島県広島市西区観音新町4丁目6番22 号 三菱重工業株式会社 広島製作所内 (56)参考文献 特開 平8−117812(JP,A) 特開 平5−154510(JP,A) 特開 平7−88661(JP,A) 特開 平7−241601(JP,A) 特開 平6−339704(JP,A) 特開 昭57−109504(JP,A) 特開 昭62−234679(JP,A) 特公 昭62−53242(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B21B 1/26 B21B 15/00 B23K 20/00

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 先行金属片の後端部と後行金属片の先端
    部をそれぞれ加熱し、接合装置内に配置した押圧手段に
    て該金属片を押圧して相互に接合したのち、複数のスタ
    ンドを配列した圧延設備に送給して連続的に熱間圧延す
    るに当たり、 金属片の押圧する向きに沿う接合装置の変形量及び/又
    は金属片の押圧方向における変形量を求め、この変形量
    と金属片の接合に要する押圧量に基づいて押圧手段を操
    作する、ことを特徴とする熱間圧延における金属片の接
    合方法。
  2. 【請求項2】 金属片を押圧する際の押圧荷重と金属片
    の押圧する向きに沿う接合装置の変形量及び/又は金属
    片の押圧方向における変形量との関係を予め求めてお
    き、これらの関係と押圧荷重から変形量を求める、請求
    項1記載の接合方法。
  3. 【請求項3】 先行金属片及び後行金属片をそれぞれ挟
    圧支持するクランプの相互間距離の変化を検出し、この
    値が、金属片の接合に要する押圧量と金属片の押圧方向
    の変形量との和になるように押圧手段を操作する、請求
    項1記載の接合方法。
  4. 【請求項4】 金属片の押圧時における実際の押圧荷重
    を検出し、この検出値を用いて押圧荷重と、金属片の押
    圧方向の変形量との関係に基づいて変形量を求める、請
    求項2又は3記載の接合方法。
  5. 【請求項5】 先行金属片の後端部と後行金属片の先端
    部をそれぞれ加熱、相互に押圧して接合する加熱、押圧
    手段を備えた装置であって、 この装置は、金属片の押圧する向きに沿う装置本体の変
    形量及び/又は金属片の押圧方向における変形量を求め
    る変形量検出手段と、この変形量検出手段にて求めた変
    形量と金属片の接合に要する押圧量に基づいて押圧手段
    を操作する制御手段を有する、ことを特徴とする熱間圧
    延における金属片の接合装置。
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