JP3179596B2 - 流量制御装置 - Google Patents

流量制御装置

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JP3179596B2
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    • F04BPOSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS
    • F04B49/00Control, e.g. of pump delivery, or pump pressure of, or safety measures for, machines, pumps, or pumping installations, not otherwise provided for, or of interest apart from, groups F04B1/00 - F04B47/00
    • F04B49/08Regulating by delivery pressure

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、油圧機械のアクチュエ
ータの駆動を制御しロードセンシング制御を行う油圧回
路に適合する流量制御装置に関するものであって、特
に、油圧ショベルや油圧クレーン等の建設機械にとって
有用なものである。
【0002】
【従来の技術】油圧ポンプの油圧で複数のアクチュエー
タの適宜のものを同時駆動する油圧回路すなわちアクチ
ュエータを複合駆動する油圧回路にあっては、その複合
駆動されるすべてのアクチュエータが円滑に駆動される
ようにするため、これらのアクチュエータ中最高の負荷
がかかっているものを駆動するに足るだけの油圧をたえ
ず供給してやるようにすることが必要である。そのた
め、このような油圧回路においては、ロードセンシング
制御という制御が行われている。ロードセンシング制御
とは、端的にいうと、このような複合駆動されるアクチ
ュエータを有する油圧回路において、複合駆動されてい
るアクチュエータの負荷圧の中から最高負荷圧を検出
し、油圧ポンプの吐出圧がその最高負荷圧よりも所定値
だけ高くなるようにポンプの吐出容量を制御するように
する制御方式のことをいう。このような制御方式を採用
することにより、各アクチュエータに十分な油圧が供給
されるだけではなく、油圧ポンプは、たえず必要な限度
で油圧を供給することとなり、動力消費を低く押えるこ
とができることとなる。
【0003】しかるに、ロードセンシング制御を行う油
圧回路にあっては、圧力油の配分手段を設けないで主管
路から分岐路を通じて油圧を導くと、その圧力油は、負
荷のより低いアクチュエータに導かれる傾向となり、そ
の適切な配分が行われ得ない。そこで、このような油圧
回路においては、各アクチュエータに圧力油を適切に配
分するための手段である流量制御装置が設けられてい
る。
【0004】以下、これらの技術内容を図8に基づいて
詳述する。図8は、従来の一般的な流量制御装置が設け
られたロードセンシング制御を行う油圧回路の一例を示
す従来例の油圧回路図である。
【0005】1は可変容量形ポンプ、2は同ポンプ1に
設けられ後述するように同ポンプ1の吐出容量ひいては
吐出圧力を調整する機能を有する傾転制御装置、3は同
ポンプ1の吐出口に接続された管路である主管路であ
る。4,7は油圧機械を操作するオペレータにより弁開
度が与えられその弁開度に比例した流量を流す機能を有
する可変絞り部、5,8はこれら可変絞り部4,7の絞
り前後差圧を一定の値に制御する機能を有する圧力補償
部、5A,8Aは、この圧力補償部5,8の油路を閉じ
るようにプリセットするばね、6,9はこれら可変絞り
部4と圧力補償部5、可変絞り部7と圧力補償部8から
それぞれなる流量制御装置である。これら流量制御装置
6,9について、図8では可変絞り部4と圧力補償部
5、可変絞り部7と圧力補償部8を独立別個の構造のも
ののように便宜上分けて図示しているが、実際は、これ
らは異種機能部の集合体として一体不可分のバルブユニ
ットをなすものである。10,11はこの流量制御装置
6,9によりそれぞれ制御されるアクチュエータで、油
圧ショベルを例にとれば、アームやブームを回動させる
油圧シリンダのような機器、12,13はこれらアクチ
ュエータ10,11と主管路3とを接続する主管路3か
ら分岐した負荷管路、14,15はチェック弁、16は
負荷管路12,13の各アクチュエータ10,11の負
荷圧のうち高い方の負荷圧すなわち最高負荷圧が導かれ
る最高負荷圧検出路でありその最高負荷圧を傾転制御
装置2に導く。この最高負荷圧検出路16は、接続管路
14A,15Aによりそれぞれ負荷管路12,13に接
続されているが、それぞれチェック弁14,15を介し
て接続されているため、その圧力油が各負荷管路12,
13に流れるのはこれらの各チェック弁14,15によ
りそれぞれ阻止され、しかも、その最高負荷圧検出路1
6に、アクチュエータ10,11の負荷圧中高い方の負
荷圧が導かれると、その当然の結果として低い方の負荷
圧は導かれ得ないこととなる。その結果、最高負荷圧検
出路16には、これらのアクチュエータ10,11の複
合駆動中、これらの負荷圧のうちの高い方の負荷圧が常
に選択されて導かれることになる。17は圧力補償部5
と最高負荷圧検出路16との間を接続管路14Aの一部
を介して接続する同補償部5の信号管路で、最高負荷圧
検出路16の最高負荷圧を圧力補償部5に導き、例えば
圧力補償部5に設けた可変オリフィスのようなものを閉
じるように、ばね5Aとともに閉方向の制御力を付与す
る。18は可変絞り部4の下流圧を導く圧力補償部5の
信号管路で、その下流圧を圧力補償部5に導いてこれに
開方向の制御力を付与する。圧力補償部5は、これらの
制御力により開口量を調節して後述するように可変絞り
部4の絞り前後差圧を一定の値に制御する作用をする。
19は信号管路17と同様に最高負荷圧を導く圧力補償
部8の信号管路で、ばね8Aとともに同補償部8に閉方
向の制御力を付与するものであり、20は信号管路18
と同様に可変絞り部7の下流圧を導く圧力補償部8の信
号管路で、同補償部8に開方向の制御力を付与する。圧
力補償部8は、圧力補償部5と同様、このような閉方向
及び開方向の制御力により、可変絞り部7の絞り前後差
圧が常に一定となるように絶えずその開口量が調節され
る構造となっている。
【0006】なお、21はアンロード弁といわれる圧力
制御弁で、流量制御装置6,9の可変絞り部4,7が操
作されずアクチュエータ10,11が駆動されていない
状態のときに、主管路3の圧力が所定値に達すると、可
変容量形ポンプ1の吐出油を直接タンクへ戻して同ポン
プ1を無負荷状態にし、動力を節減しようとするもので
あり、22は傾転制御装置2と主管路3とを接続する吐
出圧検出路で、可変容量形ポンプ1の吐出圧力を傾転制
御装置2に導く。
【0007】以上のような油圧回路に基づいて、まず、
ロードセンシング制御について説明する。
【0008】いま、可変容量形ポンプ1が運転され可変
絞り部4,7がオペレータにより操作されて、油圧が主
管路3、各負荷管路12,13を通じて各アクチュエー
タ10,11に導かれ、これらが複合駆動されていたと
すると、各アクチュエータ10,11の負荷圧中高い方
の負荷圧すなわち最高負荷圧は、負荷管路12,13の
いずれかからチェック弁14,15を設けた接続管路1
4A,15Aのいずれかを通じて最高負荷圧検出路16
に導かれ、さらに、傾転制御装置2に導かれる。一方、
可変容量形ポンプ1の吐出圧力も、主管路3から吐出圧
検出路22を通じて傾転制御装置2に導かれる。そうす
ると、傾転制御装置2は、これらの圧力信号により可変
容量形ポンプ1の傾転を制御する手段を有していること
から、同ポンプ1の吐出圧力が最高負荷圧に所定値すな
わちいわゆるロードセンシング差圧を加えた圧力よりも
高いときは、同ポンプ1の吐出容量を減少させ、低いと
きは増加させるように同ポンプの傾転を制御する。その
結果、可変容量形ポンプ1は、その吐出圧力が最高負荷
圧よりも予め定められた規定値だけ高くなるように吐出
容量を制御され、いわゆるロードセンシング制御が行わ
れることとなる。
【0009】次に、このようなロードセンシング制御を
行う図8の油圧回路に基づいて、従来の流量制御装置の
作用について説明する。
【0010】いま、前記のロードセンシング制御が行わ
れ、アクチュエータ10,11が複合駆動されていたと
すると、最高負荷検出路16の最高負荷圧が各信号管路
17,19を通じて各圧力補償部5,8にそれぞれ導か
れ、ばね5A,8Aとともに閉方向の制御力を付与し、
一方、各可変絞り部4,7の下流圧が各信号管路18,
20を通じて各圧力補償部5,8にそれぞれ導かれて開
方向の制御力を付与している。そして、可変絞り部4,
7の下流圧が最高負荷圧とばね力を考慮した所定値より
も高まっていると、開方向の制御力が閉方向の制御力に
打ち勝って圧力補償部5,8の可変オリフィスを開放
し、アクチュエータ10,11にこれらを駆動するに足
るだけの油圧を供給する。このような状態において、も
し、前記下流圧が更に高まろうとすると圧力補償部5,
8はその可変オリフィスを拡大してその下流圧を低下さ
せるように開口量を自己調節し、逆に、下流圧が低下し
ようとすると、可変オリフィスを縮小してその下流圧を
増大させるように開口量を自己調節する。かくて、可変
絞り部4,7の下流圧は、圧力補償部5,8のこのよう
な圧力調節機能により、アクチュエータ10,11の負
荷変動に影響されることなく、最高負荷圧よりも規定の
値だけ高い圧力を常に保持することとなる。すなわち、
可変絞り部4,7の絞り前後差圧は、ロードセンシング
制御による可変容量形ポンプ1の吐出圧力の制御と相ま
って、その可変絞り部4,7の開度やアクチュエータ1
0,11の負荷変動に影響されることなく常に一定とな
るように圧力補償が行われることとなる。その結果、開
度が一定であっても絞り前後差圧に変動があれば流量が
変化するという可変絞り部4,7が本来的に有する欠点
は克服され、可変絞り部4,7は、回路圧力の変動に影
響されずに開度に応じて流量を一定に調節することが可
能となる。
【0011】そこで、このことをより正確に説明するた
め数式で表わすと、まず、圧力補償部5,8において
は、その上流側にそれぞれ形成されている各可変絞り部
4,7の下流側圧力Pzi を(1)式に従うように制御
している。
【0012】
【数1】
【0013】なお、同式における各記号の意味は次のと
おりである。
【0014】Pzi ;各可変絞り部の下流圧 Plmax;最高負荷圧 A;Pzi,Plmaxに関する各圧力補償部の受圧面
積 k;ばね定数 Zi ;各圧力補償部の変位 Zoi ;各圧力補償部の初期変位 Coi ;定数 そして、更に付言すると、Zoi は、端的にいうと、圧
力補償部5,8の油路を閉じるようにプリセットするた
めのばねのプリセット力であり、Zi は、ばね力等圧力
補償部5,8の閉方向の制御力に抗してこれを所定開度
まで開放するのに要する力である。
【0015】一方、可変絞り部4,7の上流側に圧油を
供給する可変容量形ポンプ1の吐出圧力Psは、ロード
センシング制御により、(2)式に示すとおり最高負荷
圧Plmaxよりも予め定められた規定値だけすなわち
ロードセンシング差圧ΔPLSだけ高くなるように調節さ
れ、その圧力PsすなわちPlmax+ΔPLSが可変絞
り部4,7の上流側圧力となる。
【0016】
【数2】
【0017】そうすると、各流量制御装置6,9の可変
絞り部4,7に任意の弁開度が与えられている状態で
は、これらの絞り前後差圧Ps−Pzi は、(1),
(2)式より、いずれも(3)式に示すとおり常にロー
ドセンシング差圧ΔPLSに近似する一定の値を保ったこ
とになる。
【0018】
【数3】
【0019】すなわち、可変絞り部4,7の絞り前後差
圧は、いずれの絞り部においても、図7の破線で示すよ
うに負荷圧の変化に関係なくほぼロードセンシング差圧
ΔPLSに等しい圧力を保つように圧力補償が行われてい
る。その結果、可変絞り部4,7の流入流量Qiは、
(4)式に示すとおり、それぞれの可変絞り部弁開度に
比例した値にすることができ、その弁開度が一定なら
ば、負荷変動に影響されることなく一定の値を保ったこ
とができる。
【0020】
【数4】
【0021】なお、(4)式における記号の意味は次の
とおりである。
【0022】Qi;各可変絞り部の流入流量 Ai;各可変絞り部弁開度 N;定数 このような複数のアクチュエータを有してロードセンシ
ング制御が行われる油圧回路に用いられている従来の流
量制御装置においては、以上述べたことから明らかなよ
うに、可変絞り部の絞り前後差圧がいずれのアクチュエ
ータのものも等しく、かつ、負荷圧の大小に関係なく常
に一定であった。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の流量制御装置にあっては、これをそのまま用
いると画一的な流量特性しか得られず、それぞれのアク
チュエータに見合った流量特性は得られない。そこで、
従来は、このような流量特性を得るために、各アクチュ
エータごとに可変絞り部の弁開度について異なる設計を
施す等しくて異なる規格の流量制御装置を各種取りそろ
えておくようにすることを余儀なくされた。例えば、油
圧ショベルを例にとると、そのアクチュエータの一つで
あるブーム、アーム、バケットの各シリンダは、径が異
なっていて単位流量当たりの作動速度が異なるとともに
望ましい作動速度の領域も異なるから、これらの各シリ
ンダが適正領域の作動速度を得られるようにするために
は、異なる設計の可変絞り部を有する流量制御装置のバ
ルブユニット製品を多種取りそろえなければならず、い
わゆる多品種小量生産を行うこととなって生産効率の点
で問題があった。
【0024】また、従来の流量制御装置においては、負
荷の大小に関係なく、可変絞り部の絞り前後差圧が一定
であって常に流量を一定に保持することから、軽負荷時
や重負時にアクチュエータの速度を適切な値に調節する
ことはできず、そのため、各アクチュエータにより行う
作業の種類に応じて、作業能率を向上させたり、あるい
はその操作をオペレータにとって快適なものとする等作
業性や操作性の向上を計ることも困難であった。例え
ば、油圧ショベルのように、土砂の単純な掘削や積み込
み作業を行うことに加えて、地面を平らにならす、水平
面や斜面をしめ固めて整地する、溝を精度よく掘削す
る、砂利をすくい均一にまく等の各種作業を行い、さら
には、バケットを他のアタッチメントと取り換えて別の
種類の建設作業を行う等多様な作業を行う機械において
は、負荷の大小すなわち作業の種類に応じて、作業性を
向上させるべくアクチュエータの速度を高い水準した
り、あるいは操作性を向上させるべくその速度を低い水
準にしたりすることが必要であるが、負荷の大小によら
ず流量を一定に保持する従来の流量制御装置にあって
は、このような要請に応えるのは困難である。
【0025】本発明は、以上のような従来技術の問題を
解決し、従来の流量制御装置における画一的な流量特性
に修正を加えて各種アクチュエータに見合った流量特性
を容易に得ることができ、生産効率の増進が図れるとと
もに、低負荷時と高負荷時とでアクチュエータの速度を
異なる水準に変更できてその作業性や操作性の向上を図
ることができるロードセンシング制御に適合した流量制
御装置を提供することを目的とするものである。
【0026】
【課題を解決するための手段】本発明の前記の目的は、
可変容量形ポンプと、同ポンプの油圧により駆動される
複数のアクチュエータとを有し、これらのアクチュエー
タの負荷圧のうち最高負荷圧を検出して可変容量形ポン
プの吐出圧がその最高負荷圧よりも所定値だけ高くなる
ように同ポンプの吐出容量を制御するロードセンシング
制御を行う油圧回路に設けられ、可変絞り部と、その可
変絞り部の下流圧及び最高負荷圧に基づく圧力によりそ
れぞれ開方向及び閉方向の制御力が付与されて開口量を
調節し前記可変絞り部の絞り前後差圧を制御する圧力補
償部とからなる流量制御装置において、タンクに接続さ
れ最高負荷圧を導く管路を設けるとともに同管路に互に
協働してその最高負荷圧を修正する一対の絞りを設け、
圧力補償部に閉方向の制御力を付与するための圧力を導
く信号管路として、少なくとも、一対の絞りにより修正
された最高負荷圧を圧力補償部に導く修正最高負荷圧導
入用の信号管路を設けるようにしたことを特徴とする特
許請求の範囲の請求項1に記載のとおりの流量制御装置
により達成できる。
【0027】
【作用】本発明の流量制御装置は、ロードセンシング制
御を行う油圧回路に設けられる流量制御装置において、
特に、タンクに接続され最高負荷圧を導く管路を設ける
とともに同管路に互に協働してその最高負荷圧を修正す
一対の絞りを設け、これら一対の絞りにより修正され
た最高負荷圧を圧力補償部に導いて閉方向の制御力を付
与するようにした構成を備えているので、従来の流量制
御装置において圧力補償部に閉方向の制御力を付与して
いた最高負荷圧は、前記一対の絞りにより修正され、こ
れにより、従来の流量制御装置における画一的な流量特
性に所定の傾向をもって修正を加えることができるとと
もに、アクチュエータの負荷の大小に応じて修正するこ
ともできる。
【0028】
【実施例】本発明の基本となる実施例を図1及び図2に
基づいて説明する。
【0029】まず、本発明の第1の実施例を図1に基づ
いて説明すると、図1は、本発明の流量制御装置に関す
る第1の実施例を示す油圧回路図で、図8と同一符号を
付けた部分は、同図と同等の部分を表わしているので、
これらの部分については、説明の重複を避けるため詳述
しない。
【0030】図1から明らかなように、図1の油圧回路
は、可変容量形ポンプ1と、同ポンプ1の吐出容量を調
整する機能を有する傾転制御装置2と、同ポンプ1によ
り駆動される複数のアクチュエータ10,11と、これ
らのアクチュエータ10,11の負荷圧のうち最高負荷
圧が導かれる最高負荷圧検出路16とを有し、その最高
負荷圧により傾転制御装置2を通じて可変容量形ポンプ
1の吐出圧が最高負荷圧よりも所定値だけ高くなるよう
に同ポンプ1の吐出容量を制御するようにしてロードセ
ンシング制御を行うようにしたものである点で、従来の
流量制御装置が設けられた図8の油圧回路と変りはな
い。また、可変容量ポンプ1の吐出側には、可変絞り部
4,7と、その下流圧及び前記最高負荷圧に基づく圧力
によりそれぞれ開方向の制御力が付与されて開口量を調
節し可変絞り部4,7の絞り前後差圧を制御する圧力補
償部とからなり、各アクチュエータ10,11を制御す
る流量制御装置が設けられている点でも、図8の油圧回
路と共通している。
【0031】そこで、本発明により改良を加えた点であ
る流量制御装置の構成を第1の実施例に基づいて説明す
ると、30は最高負荷圧検出路16とタンクとの間を接
続管路14Aの一部を介して接続する導入管路、31,
32はこの導入管路30の上流側から下流側に向けて順
次設けられた第1絞り、第2絞りで、これら第1絞り3
1及び第2絞り32は、導入管路30を通じて導かれた
最高負荷圧検出路16の最高負荷圧の値を互に協働して
修正する機能を果たす。33は最高負荷圧検出路16と
タンクとの間を接続する導入管路、34,35は導入管
路33の上流側から下流側ら向けて順次設けられた第1
絞り、第2絞りで、前記第1絞り31、第2絞り32と
同様の機能を果たす。36,37は信号管路、38,3
9は圧力補償部、38A,39Aは前記図8のばね5
A,8Aと同様の機能をするばねで、信号管路36,3
7は、第1絞り31及び第2絞り32間の導入管路30
と圧力補償部38、第1絞り34及び第2絞り35間の
導入管路33と圧力補償部39をそれぞれ接続して第1
絞り31及び第2絞り32により修正された最高負荷
圧、第1絞り34及び第2絞り35により修正された最
高負荷圧を各圧力補償部38,39に導き、これらに閉
方向の制御力を付与する。本発明の第1の実施例では、
圧力補償部38,39に閉方向の制御力を付与する信号
管路として、これらの信号管路36,37のほか、図8
の従来例における信号管路17,19も設けられてい
て、最高負荷圧を修正しないで圧力補償部38,39に
導く信号管路が付加されている。したがって、大ずかみ
にいえば、第1の実施例では、閉方向の制御力が強めら
れる傾向となっているから、これに呼応して、圧力補償
部38,39に開方向の制御力を付与する信号管路1
8,20の圧力すなわち可変絞り部4,7の下流圧も高
まる傾向しなり、その結果、可変絞り部4,7の絞り前
後差圧は減少傾向となって可変絞り部流入流量を押える
傾向の流量特性が得られる。
【0032】そこで、その流量特性を正確に表わすため
に数式により説明すると、まず、各導入管路での絞りに
よる発生圧力すなわち各第1絞り31,34とこれに対
応する各第2絞り32,35との間にそれぞれ発生する
圧力Pci は、(5)式のとおりとなる。
【0033】
【数5】
【0034】なお、同式における前掲したもの以外の各
記号の意味は次のとおりである。
【0035】Pci ;各導入管路での絞りによる発生圧
力 ai ;各第1の絞りの開度 bi ;各第2絞りの開度 Pt;タンク圧 そうすると、圧力補償部38,39においては、その上
流側にそれぞれ形成されている各可変絞り部4,7の下
流圧PziをPci+Plmax+k/A(Zi+Zoi )と
なるように、すなわち、(6)式に従うように制御して
いる。
【0036】
【数6】
【0037】一方、可変絞り部4,7の上流側に圧油を
供給する可変容量形ポンプ1の吐出圧力Psは、ロード
センシング制御により、前掲(2)式に示すとおりPl
max+ΔPLSとなるように調節されているから、各流
量制御装置6,9の可変絞り部4,7に任意の弁開度が
与えられている状態では、これらの絞り前後差圧Ps−
Pzi は、(6),(2)式より(7)式に示すとおり
制御されていることになる。
【0038】
【数7】
【0039】なお、(7)式中の記号Kiは、同式中の
1+1/[1+(ai/bi2]を式整理するために置
き換えただけのものであり、正の定数とみることができ
る。
【0040】その絞り前後差圧Ps−Pzi を図示する
と、可変絞り部4,7のいずれの絞り前後差圧も、図7
中の第1実施例の実線で示すような負荷圧の増加に応じ
て減少する傾向となる。その結果、可変絞り部4,7の
流入流量Qiは、(8)式に示すとおり、それぞれの可
変絞り部開度に比例し、しかも、軽負荷時に優先的な流
量特性をもつように修正できる。
【0041】
【数8】
【0042】更に付言すると、(8)式中の比例定数K
i は、前述したところから明らかなように、第1絞り,
第2絞りの各開度ai,biにより決定される定数である
から、この流量特性は、単に導入管路中の各絞りの開度
を適宜調整するだけで任意に設定し変更することがで
き、それゆえ、この種の流量特性を必要とするアクチュ
エータである限り、各アクチュエータごとに最適な流量
特性を容易に得ることができる。
【0043】(8)式から明らかなように、第1の実施
例によれば、流量を一貫して押える傾向にし、かつ、重
負荷時よりも軽負荷時に流量を大とすることができる流
量特性を得ることができる。
【0044】次に、本発明の第2の実施例を図2に基づ
いて説明すると、図2は本発明の流量制御装置に関する
第2の実施例を示す油圧回路図で、図1や図8と同一符
号を付けた部分は、これらの図と同一又は同等の部分を
表わしているので、これらの部分については、説明の重
複を避けるため詳述しない。
【0045】図2から明らかなように、図2の油圧回路
は、図1のものと比べて、図8の従来例にみられるよう
な信号管路17,19が図1のもののようには設けられ
ていない点で異なるだけである。それゆえ、図2のもの
は、ロードセンシング制御を行うようにしたものである
点、可変容量形ポンプ1の吐出側には、可変絞り部4,
7と、その下流圧及び最高負荷圧に基づく圧力によりそ
れぞれ開方向及び閉方向の制御力が付与されて開口量を
調節し可変絞り部4,7の絞り前後差圧を制御する圧力
補償部とからなり、各アクチュエータ10,11を制御
する流量制御装置が設けられている点で、図1ものと同
様、図8の油圧回路と共通している。
【0046】そこで、本発明により改良を加えた点であ
る流量制御装置の構成について、第2の実施例中のもの
を第1の実施例中のものと比較すると、第2の実施例中
の流量制御装置は、タンクに接続され最高負荷圧検出路
16の最高負荷圧を導く導入管路30,33を設けると
ともに各導入管路30,33の上流側から下流側に向け
て第1絞り31,34、第2絞り32,35をそれぞれ
設け、これら第1しぼ31及び第2絞り32により修正
された最高負荷圧、第1絞り34及び第2絞り35によ
り修正された最高負荷圧を各信号管路36,37により
各圧力補償部38,39にそれぞれ導いてこれらに閉方
向の制御力を付与するようにしている点において、第1
の実施例中の流量制御装置と基本的に差異はなく、この
ような構成を用いる場合に、第1実施例中のものには最
高負荷圧をそのまま導く信号管路17,19が付加され
ているのに対し、第2の実施例中のものにはこのような
ものが付加されていない点で、両者は、実施の態様が異
なるにすぎない。
【0047】第2の実施例では、ばね38A,39Aの
力を除けば、修正された最高負荷圧すなわち減圧された
最高負荷圧だけが閉方向の制御力として圧力補償部3
8,39に付与されていて閉方向の制御力が弱められる
傾向となっているから、これに呼応して、可変絞り部
4,7の下流圧も低下する傾向となり、その結果、可変
絞り部4,7の絞り前後差圧は増加傾向となって可変絞
り部流入流量を増加させる傾向の流量特性が得られる。
【0048】その流量特性を正確に表わすために数式に
より説明すると、絞りによる発生圧力Pci は、前掲
(5)式のとおりであるから、圧力補償部38,39に
おいては、その上流側に形成されている可変絞り部4,
7の下流圧PziをPci+k/A(Zi+Zoi)となる
ように、すなわち、(9)式に従うように制御してい
る。
【0049】
【数9】
【0050】一方、可変絞り部4,7の上流側に圧油を
供給する可変容量形ポンプ1の吐出圧力Psは、ロード
センシング制御により、前掲(2)式に示すとおりPl
max+ΔPLSとなるように調節されているから、各流
量制御装置6,9の可変絞り部4,7に任意の開度が与
えられている状態では、これらの絞り前後差圧Ps−P
i は、(9),(2)式より(10)式に示すとおり
制御されていることになる。
【0051】
【数10】
【0052】なお、(10)式の記号K’i は、同式中
の1−Ki を単に置き換えただけのものであり、具体的
には、(bi/ai2/[1+(ai+bi2]を意味す
るから、正の定数とみることができる。
【0053】その絞り前後差圧Ps−Pzi を図示する
と、可変絞り部4,7のいずれの絞り前後差圧も、図7
中の第2実施例の実線で示すような負荷圧の増加に応じ
て増加する傾向となる。その結果、可変絞り部4,7の
流入流量Qiは、(11)式に示すとおり、それぞれの
可変絞り部開度に比例し、しかも、重負荷時に優先的な
流量特性をもつように修正できる。
【0054】
【数11】
【0055】そして、(11)式中の比例定数K’
i は、(8)式中のKi と同様、第1絞り、第2絞りの
各開度ai,biにより決定される定数であって、この流
量特性は、単に導入管路中の各絞りの開度を適宜調整す
るだけで任意に設定し変更することができるから、この
種の流量特性を必要とするアクチュエータである限り、
各アクチュエータごとに最適な流量特性を容易に得るこ
とができる。
【0056】(11)式から明らかなように、第2の実
施例によれば、流量を一貫して増加傾向にし、かつ、軽
負荷時よりも重負荷時に流量を大とすることができる流
量特性を得ることができる。
【0057】以上述べた第1の実施例及び第2の実施例
で用いられている流量制御装置は、その実施の態様が異
なるとしても、いずれも、タンクに接続された最高負荷
圧を導く管路を設けるとともに同管路に互に協働してそ
の最高負荷圧を修正する一対の絞りを設け、これら一対
絞りにより修正された最高負荷圧を圧力補償部に導い
て閉方向の制御力を付与するようにした構成を備えてい
る点で軌を一にしており、このような構成がベースとな
って、従来の流量制御装置における画一的な流量特性に
所定の傾向をもって修正を加えることができるととも
に、アクチュエータの負荷の大小に関係なく常に一定に
保持されていた従来の流量制御装置の流量を、その負荷
の大小に応じて修正することもできるのである。そし
て、その結果、従来の流量制御装置の基本的構造を変え
ることなく、既存のロードセンシング制御を行う油圧回
路に簡単な変更を加えるだけで、各種のアクチュエータ
に見合った流量特性を容易に得ることができ、従来の流
量制御装置のように、異なる設計の可変絞りを有するバ
ルブユニット製品を多種取りそろえるようなことは必要
でなくなって生産効率の増進が図れるとともに、軽負荷
時と重負荷時とでアクチュエータの速度を異なる水準に
変更することが可能となってその作業性や操作性の向上
も図ることもできる。
【0058】以上、本発明の基本となる実施例を説明し
たが、図1の油圧回路の構成をベースにして、同回路中
の閉方向の制御力を付与する信号管路の適所に油路の開
閉手段を設け、その下流側の油圧を同手段の閉鎖時に逃
がすようにすることにより、第1の実施例と第2の実施
例の流量特性を選択的に得るようにしたり、あるいは、
第1の実施例と従来例の流量特性、第2の実施例と従来
例の流量特性を選択的に得るようにしたり、さらには、
これら三者の中から所望の流量特性を選択的に得るよう
にすることができる。すなわち、最高負荷圧を導く信号
管路17,19に開閉手段を設け、これを開くようにす
ると第1の実施例の流量特性が得られ、閉じるようにす
ると、第2の実施例の流量特性が得られる。また、修正
された最高負荷圧を導く信号管路36,37や、場合に
よっては信号管路17,19以降信号管路36,37に
至るまでの導入管路30に開閉手段を設けたり、第1絞
り31,34それ自体を開閉機能を有する可変絞りとす
る等、信号管路17,19以降圧力補償部38,39に
至るまでの信号管路36,37の側の管路に開閉手段を
設け、これを開くようにすると第1の実施例の流量特性
が得られ、閉じるようにすると従来例の流量特性が得ら
れる。さらに、最高負荷圧を導く信号管路17,19に
第1の開閉手段を設けるとともに、信号管路17,19
以降圧力補償部38,39に至るまでの信号管路36,
37の側の管路に第2の開閉手段を設け、第1の開閉手
段を閉じ第2の開閉手段を開くようにすると、第2の実
施例の流量特性が得られ、逆に、第1の開閉手段を開き
第2の開閉手段を閉じるようにすると、従来の流量特性
が得られる。そして、これら第1,第2の開閉手段を共
に開くようにすると、第1の実施例の流量特性が得られ
るから、これら二つの開閉手段を適宜開閉操作すること
により、第1の実施例、第2の実施例及び従来例の流量
特性のなかから所望のものを選択的に得ることができ
る。
【0059】流量制御装置をこのような構成のものに
し、アクチュエータ10,11により行う作業の内容や
その主作業機と取り換えられるアタッチメントの種類さ
らにはこれらの機器による作業の個別的局面に応じて、
操作性を向上させるべく例えば第1の実施例の流量特性
を選択したり、作業性を向上させるべく第2の実施例の
流量特性を選択する等、作業の種類や局面に即した流量
特性の選択を、各種制御機構により自動的に行ったり、
又はオペレータの経験により手動で行ったりすることが
できるようにすれば、従来のものに較べて使い勝手のよ
い流量制御装置が得られる。したがって、本発明の流量
制御装置を実際上具体化する場合にこのような構成を採
用して適切な設計を施せば、これを各種作業機器に多角
的に利用してその操縦性能の向上に資することが期待で
きる。
【0060】以下、ここで述べた構成を具体化する手法
を明らかにするため、本発明の第3の実施例乃至第6の
実施例を示し、図3乃至図6に基づいてこれらの実施例
を説明する。図3は、本発明の流量制御装置に関する第
3の実施例を示す油圧回路図、図4は、本発明の流量制
御装置に関する第4の実施例を示す油圧回路図、図5
は、本発明の流量制御装置に関する第5の実施例を示す
油圧回路図、図6は、本発明の流量制御装置に関する第
6の実施例を示す油圧回路図である。これらの図に付け
た符号中、図1,図2及び図3と同一符号を付けた部分
は、これらの3図面と同一又は同等の部分を表わしてい
るので、これらの部分については、説明の重複を避ける
ため詳述しない。
【0061】本発明の第3の実施例を図3に基づいて説
明すると、50は最高負荷圧検出路16の最高負荷圧を
圧力補償部38に導く信号管路17に設けられた油圧パ
イロット式切換弁で、その一方の端部には、プリセット
ばねが設けられてプリセット力が付与されているととも
に負荷管路12内のアクチュエータ10の自己負荷圧を
導くパイロット管路51が接続されており、他方の端部
には、導入管路30中第1絞り31の上流側部分内の最
高負荷圧を導くパイロット管路52が接続されている。
そして、この油圧パイロット式切換弁50は、パイロッ
ト管路51により導かれるアクチュエータ10の自己負
荷圧が最高負荷圧である場合には、信号管路17を開放
してその下流部17A内の油をタンクへ逃がす。53は
信号管路17と同様の信号管路19に設けられた油圧パ
イロット式切換弁で、一方の端部に、プリセットばねが
設けられるとともにアクチュエータ11の自己負荷圧を
導くパイロット管路54が接続され、他方の端部に、最
高負荷圧を導くパイロット管路55が接続されていて、
油圧パイロット式切換弁50と同様の構成を有し同様の
働きをする。
【0062】第3の実施例には、このような油圧パイロ
ット式切換弁50,53が最高負荷圧を圧力補償部3
8,39に導く各信号管路17,19にそれぞれ設けら
れているので、いま、各油圧パイロット式切換弁50,
53のパイロット管路51,54のうちパイロット管路
51により導かれるアクチュエータ10の自己負荷圧が
最高負荷圧であるとすると、油圧パイロット式切換弁5
0は、最高負荷圧を圧力補償部38に導く信号管路17
を開放し、一方、パイロット管路54により導かれるア
クチュエータ11の自己負荷圧は、最高負荷圧より低い
ので、油圧パイロット式切換弁53は、最高負荷圧を圧
力補償部39に導く信号管路19を閉鎖し、その下流部
19A内の油をタンクへ逃がす。その結果、圧力補償部
38には、第1絞り31及び第2絞り32により修正さ
れた最高負荷圧が信号管路36を通じて付与されるほ
か、信号管路17を通じて最高負荷圧それ自体も付与さ
れ、一方、圧力補償部39には、第1絞り34及び第2
絞り35に修正された最高負荷圧だけが信号管路37を
通じて付与されることとなるから、一方の流量制御装置
6は、第1の実施例と同じ流量特性をもつこととなり、
他方の流量制御装置9は、第2の実施例と同じ流量特性
をもつこととなる。また逆に、各パイロット管路51,
54のうちパイロット54の方で導かれるアクチュエー
タ11の自己負荷圧が最高負荷圧であるとすると、その
当然の結果として、両流量制御装置6,9がもつ前記の
各流量特性は入れ替わる。
【0063】このように、第3の実施例では、各アクチ
ュエータ10,11の流量制御装置6,9にもたせる流
量特性を選択する場合に、一方のアクチュエータ10,
11と他方のアクチュエータ10,11との負荷圧の大
小を比較することにより第1の実施例及び第2の実施例
の流量特性のうちの一方を選択するようにし、当該流量
制御装置のアクチュエータの負荷圧が他方のそれより低
い場合には、作業性を重視してアクチュエータの速度を
高い水準にするように第2の実施例の流量特性を選択
し、そうでない場合には、操作性を重視してアクチュエ
ータの速度を低い水準に押えるように第1の実施例の流
量特性を選択するようにしている。しかしながら、流量
制御装置にもたせる流量特性を選択する場合に、どのよ
うな条件のもとでどのような流量特性を選択するのが最
良であるかは、当該流量制御装置のアクチュエータに設
けられる作業機器の種類や作業内容等と関連して個別に
定まることであって一義的には定まらないから、各流量
制御装置6,9において第1の実施例や第2の実施例の
流量特性を選択する場合に、その選択の条件を、第3の
実施例とは異なり各流量制御装置6,9ごとに個別に設
定し、他とは独立して選択し得るようにすることも勿論
可能である。したがって、第3の実施例は、第1の実施
例や第2の実施例の流量特性を選択的に得ることのでき
る流量制御装置についてその構成を具体化するための一
手法を例示したものであり、その主眼は、第1の実施例
のような流量制御装置において、最高負荷圧を圧力補償
部に導く信号管路に、同信号管路を開閉し閉鎖時に下流
側の油圧を逃がすことのできる手段を設けてこれらの流
量特性を選択的に得られるようにした点である。
【0064】本発明の第4の実施例を図4に基づいて説
明すると、56は第1絞り31及び第2絞り32により
修正された最高負荷圧を圧力補償部38に導く信号管路
36に設けられた油圧パイロット式切換弁、57は第1
絞り34及び第2絞り35により修正された最高負荷圧
を圧力補償部39に導く信号管路37に設けられた油圧
パイロット式切換弁で、両者は、第3の実施例中の前記
パイロット式切換弁50,53と較べて設けられている
信号管路が異なるだけで、構成及び機能の点で第3の実
施例のものと本質的な差異はない。したがって、各油圧
パイロット式切換弁56,57は、そのパイロット管路
51,54に導かれるアクチュエータ10,11の自己
負荷圧が最高負荷圧である場合に当該信号管路36,3
7を開放し、その自己負荷圧が最高負荷圧より低い場合
に当該信号管路36,37を閉鎖し、その下流部36
A,37Aの油をタンクへ逃がす。その結果、前者の場
合には、当該圧力補償部38,39に、信号管路17,
19による最高負荷圧のほか、当該信号管路36,37
を通じて前記の修正され最高負荷圧も付与して、当該制
御装置6,9に第1の実施例の流量特性をもたらすこと
となり、後者の場合には、当該圧力補償部38,39に
信号管路17,19による最高負荷圧だけを付与して、
当該流量制御装置6,9に従来例の流量特性をもたらす
こととなる。
【0065】このように、第4の実施例は、アクチュエ
ータの負荷圧が最高負荷圧の場合にだけ操作性を重視し
て、アクチュエータの速度を低い水準に押えるように第
1の実施例の流量特性を選択し、そうでない場合には従
来例の流量特性を選択するようにした流量制御装置に関
するものであるが、その主眼は、第1の実施例のような
流量制御装置において、第1絞り及び第2絞りにより修
正された最高負荷圧を導く信号管路に、同信号管路を開
閉し閉鎖時に下流側の油圧を逃がすことのできる手段を
設け、第1の実施例や従来例の流量特性を選択的に得ら
れるようにした点にある。なお、図4の油圧回路におい
て、前記油圧パイロット式切換弁56,57のような閉
鎖時に下流側の油圧を逃がす構成の弁を設ける代わり
に、第1絞り31,34の直前に開閉弁を設けたり、第
1絞り31,34それ自体に開閉機能をもたせる等、信
号管路36,37側における同管路の上流部にその油路
を開閉する手段を設けた場合には、これら開閉弁や第1
絞り31,34の下流側の油圧は、その閉鎖時に第2絞
り32,35を通じて逃げることになるから、油圧パイ
ロット式切換弁56,57のような構成の弁を用いなく
とも、油路を開閉し閉鎖時に下流側の油圧を逃がす手段
が自と形成されることになる。
【0066】本発明の第5の実施例を図5に基づいて説
明すると、58は最高負荷圧を圧力補償部38に導く信
号管路17と第1絞り31及び第2絞り32により修正
された最高負荷圧を圧力補償部38に導く信号管路36
とにまたがって設けられた油圧パイロット式切換弁で、
単一の弁ではあっても、開閉手段は、各信号管路17,
36に配設されるようになっており、連動して作動す
る。すなわち、油圧パイロット式切換弁58は、これら
二種の信号管路17,36のうち一方を開放していると
きは他方を閉鎖し、閉鎖している方の信号管路の下流部
17A,36Aの油をタンクへ逃がすような構造になっ
ている。59は最高負荷圧を圧力補償部39に導く信号
管路19と第1絞り34及び第2絞り35により修正さ
れた最高負荷圧を圧力補償部39に導く信号管路37と
にまたがって設けられた油圧パイロット式切換弁で、前
記油圧パイロット式切換弁58と同一構造のものであ
る。各油圧パイロット式切換弁58,59は、一方の端
部に、それぞれ負荷管路12,13内のアクチュエータ
10,11の自己負荷圧を導く各パイロット管路51,
54が接続されているとともにプリセットばねが設けら
れており、他方の端部にそれぞれ最高負荷圧を導く各パ
イロット管路52,55が接続されていて、この点では
第3の実施例中の油圧パイロット式切換弁50,53と
同様であり、パイロット管路51,54により導かれる
アクチュエータの自己負荷圧が最高負荷圧である場合に
図示の状態にある。
【0067】したがって、各油圧パイロット式切換弁5
8,59は、そのパイロット管路51,54に導かれる
自己負荷圧が最高負荷圧である場合に、当該信号管路1
7,19を開放するとともに当該信号管路36,37を
閉鎖してその下流部36A,37Aの油をタンクへ逃が
し、その自己負荷圧が最高負荷圧より低い場合にはその
逆になる。その結果、前者の場合には、当該圧力補償部
38,39に信号管路17,19による最高負荷圧のみ
を付与して、当該流量制御装置6,9に従来例の流量特
性をもたらすこことなり、後者の場合には、当該圧力補
償部38,39に信号管路36,37による修正された
最高負荷圧のみを付与して、当該流量制御装置6,9に
第2の実施例の流量特性をもたらすこととなる。
【0068】このように第5の実施例は、当該流量制御
装置のアクチュエータの負荷圧が他方のそれより低い場
合にだけ作業性を重視し、アクチュエータの速度を高い
水準に上昇させるように第2の実施例の流量特性を選択
し、そうでない場合には従来例の流量特性を選択するよ
うにした流量制御装置に関するものであるが、その主眼
は、第2実施例のような流量制御装置に最高負荷圧を圧
力補償部に導く信号管路を付加した構造上は第1の実施
例と差異のない流量制御装置において、最高負荷圧を圧
力補償部に導く信号管路と第1絞り及び第2絞りにより
修正された最高負荷圧を導く信号管路の双方に、これら
の信号管路を開閉し閉鎖時に下流側の油圧を逃がすこと
のできる手段を設け、その一方だけを選択的に開放でき
るようにして、第2の実施例や従来例の流量特性を選択
的に得られるようにした点にある。なお、図5の油圧回
路において、前記油圧パイロット式切換弁58,59を
設ける代わりに、信号管路17,19に第3の実施例中
の油圧パイロット式切換弁50,53を設けるととも
に、第1絞り31,34の直前に開閉弁を設けたり、第
1絞り31,34それ自体に開閉機能をもたせる等、信
号管路36,37側における同管路の上流部にその油路
を開閉する手段を設け、その一方だけを選択的に開放で
きるようにした場合も、第5の実施例と同様の機能をも
つ流量制御装置が得られる。
【0069】本発明の第6の実施例を図6に基づいて説
明すると、60,61は、最高負荷圧を圧力補償部3
8,39に導く信号管路17,19に設けられた電磁切
換弁、62,63は、それぞれ、第1絞り31及び第2
絞り32により修正された最高負荷圧を圧力補償部38
に導く信号管路36、第1絞り34及び第2絞り35に
より修正された最高負荷圧を圧力補償部39に導く信号
管路36,37に設けられた電磁切換弁で、それぞれが
コントローラ64からの電気信号により操作されるもの
であり、弁本体の構造それ自体は、第3の実施例中の油
圧パイロット式切換弁50,53と実質上差異がない。
【0070】したがって、各アクチュエータ10,11
に設けられる各種作業機器の作業の種類や各種作業の局
面に応じて最適の流量特性が選択できるように、コント
ローラ64のデータ部に必要データを記憶させておくと
ともに、アクチュエータ10,11や作業機器の実動作
時の状態を検知するための必要な検出信号、例えばすで
に述べた実施例における各アクチュエータの自己負荷圧
に関する検出信号等が得られるようにしておけば、各電
磁切換弁60,61,62,63を適切に操作するため
の出力がコントローラ64の演算部で決定され、出力部
から電気信号としてこれらの各電磁切換弁60,61,
62,63へ出力される。したがって、第6の実施例
は、ソフトウエアさえ調えておけば、第3の実施例〜第
5の実施例のようなアクチュエータの自己負荷圧による
流量特性の選択は勿論のこと、各種作業機の種類や作業
の局面に即した流量特性の選択を行うことが可能とな
り、互換性のある汎用的な流量制御装置を提供し得るも
のである。なお、本実施例中のコントローラ64を用い
て可変絞りとした第1絞り31,34及び第2絞り3
2,35を適宜調整してより適切な流量特性が得られる
ように制御すれば、一層使い勝手のよい汎用的な流量装
置を得ることができる。
【0071】以上、第1の実施例、第2の実施例及び従
来例の各流量特性のうちの少なくとも二種の流量特性を
選択的に得ることができる本発明の構成の具体化の際有
用な流量制御装置の構成について、第3の実施例〜第6
の実施例を例示して説明したが、これらの流量特性を選
択する条件は、作業機器の種類や作業内容等に応じて設
計上任意に選定し得ることであり、また、その選択は、
各種制御機構を用いて自動的に行えるばかりでなく、場
合によっては、オペレータの経験により手動で行えるよ
うにすることもできる。したがって、以上の説明した流
量制御装置の構成において主眼とする点は、一対の絞り
により修正された最高負荷圧を圧力補償部に導く修正最
高負荷圧導入用の信号管路とこれに付加された最高負荷
圧を圧力補償部に導く最高負荷圧導入用の信号管路の少
なくとも一方の側に、油路を開閉し閉鎖時に下流側の油
圧を逃がす手段を設けた点にあり、これにより第1の実
施例、第2の実施例及び従来例の各流量特性のうちの少
なくとも二種の流量特性を選択的に得ることができ、各
種作業機器の作業性の向上や操作性の向上の一層資する
ことができる。
【0072】本発明は、以上の第1の実施例乃至第6の
実施例の説明から明らかなように、各種の態様で実施し
得るものである。
【0073】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の流量制御装置は、ロードセンシング制御を行う油圧回
路に設けられる流量制御装置において、特に、タンクに
接続され最高負荷圧を導く管路を設けるとともに同管路
に互に協働してその最高負荷圧を修正する一対の絞りを
設け、これら一対の絞りにより修正された最高負荷圧を
圧力補償部に導いて閉方向の制御力を付与するようにし
た構成を備えているので、従来の流量制御装置における
画一的な流量特性に所定の傾向をもって修正を加えるこ
とができるとともに、軽負荷時と重負荷時とでアクチュ
エータの速度を異なる水準に変更することが可能とな
り、その結果、各種アクチュエータに見合った流量特性
を油圧回路の簡単な修正で容易に得ることができて生産
効率の増進が図れるとともに、その作業性や操作性の向
上を図ることもできる。
【0074】このように、本発明は、最高負荷圧により
制御することを当然の前提としていた従来の流量制御装
置について、その最高負荷圧それ自体を一対の絞りによ
り修正するという着想をもって改良を加え前記の目的を
達成できるようにしたものであり、その発想は漸進的な
ものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の流量制御装置に関する第1の実施例を
示す油圧回路図である。
【図2】本発明の流量制御装置に関する第2の実施例を
示す油圧回路図である。
【図3】本発明の流量制御装置に関する第3の実施例を
示す油圧回路図である。
【図4】本発明の流量制御装置に関する第4の実施例を
示す油圧回路図である。
【図5】本発明の流量制御装置に関する第5の実施例を
示す油圧回路図である。
【図6】本発明の流量制御装置に関する第6の実施例を
示す油圧回路図である。
【図7】本発明及び従来例の流量制御装置に関する特性
線図である。
【図8】従来例の油圧回路図である。
【符号の説明】
1 可変容量形ポンプ 2 傾転制御装置 3 主管路 4,7 可変絞り部 6,9 流量制御装置 10,11 アクチュエータ 12,13 負荷管路 14,15 チェック弁 16 最高負荷圧検出路 17,19 信号管路 18,20 信号管路 21 吐出圧検出路 30,33 導入管路 31,34 第1絞り 32,35 第2絞り 36,37 信号管路 38,39 圧力補償部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−286902(JP,A) 特開 平4−19407(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F15B 11/00 - 11/22

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 可変容量形ポンプと、同ポンプの油圧に
    より駆動される複数のアクチュエータとを有し、これら
    のアクチュエータの負荷圧のうち最高負荷圧を検出して
    可変容量形ポンプの吐出圧がその最高負荷圧よりも所定
    値だけ高くなるように同ポンプの吐出容量を制御するロ
    ードセンシング制御を行う油圧回路に設けられ、可変絞
    り部と、その可変絞り部の下流圧及び最高負荷圧に基づ
    く圧力によりそれぞれ開方向及び閉方向の制御力が付与
    されて開口量を調節し前記可変絞り部の絞り前後差圧を
    制御する圧力補償部とからなる流量制御装置において、
    タンクに接続され最高負荷圧を導く管路を設けるととも
    に同管路に互に協働してその最高負荷圧を修正する一対
    絞りを設け、圧力補償部に閉方向の制御力を付与する
    ための圧力を導く信号管路として、少なくとも、一対の
    絞りにより修正された最高負荷圧を圧力補償部に導く修
    正最高負荷圧導入用の信号管路を設けるようにしたこと
    を特徴とする流量制御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、一対の絞りにより修
    正された最高負荷圧を圧力補償部に導く修正最高負荷圧
    導入用の信号管路を設ける場合に、圧力補償部に閉方向
    の制御力を付与するための圧力を導く信号管路として、
    最高負荷圧を圧力補償部に導く最高負荷圧導入用の信号
    管路を付加し、これら修正最高負荷圧導入用の信号管路
    及び最高負荷圧導入用の信号管路の少なくとも一方の側
    に、油路を開閉し閉鎖時に下流側の油圧を逃がす手段を
    設けたことを特徴とする流量制御装置。
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